JP3611054B2 - 位置補正光学系、位置合わせ装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents

位置補正光学系、位置合わせ装置、並びに露光方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばコマ収差を補正するための収差補正光学系、及びこの収差補正光学系を備えた位置合わせ装置に関し、特に半導体素子、又は液晶表示素子等を製造する際に使用される投影露光装置において、感光基板上のアライメントマークの位置に基づいてその感光基板の位置合わせを行うアライメント装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子(又は液晶表示素子等)は一般に感光材料が塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に複数層の回路パターンを積み重ねて形成されるため、回路パターンをウエハ上に露光するための投影露光装置には、これから露光するレチクルのパターンと既に回路パターンが形成されているウエハの各ショット領域との位置合わせを行うためのアライメント装置が備えられている。
【0003】
従来この種のアライメント装置としては、特開平4−65603号公報、特開平4−273246号公報等で提示されているように、ハロゲンランプ等の光源から射出される波長帯域幅の広い光でウエハ上のアライメントマーク(ウエハマーク)を照明し、その拡大像を撮像素子上に形成し、得られた撮像信号を画像処理してそのウエハマークの位置検出を行うオフ・アクシス方式で、且つ撮像方式のアライメント装置が知られている。撮像方式のアライメント装置の検出系はFIA(Field Image Alignment)系とも呼ばれている。
【0004】
この撮像方式のアライメント装置では、広帯域照明であるため、ウエハ上のフォトレジスト層での薄膜干渉の影響が低減される。更に、検出対象とするウエハマークが非対称マークであるときにも、得られたウエハマークの拡大像中から特定のエッジを選択する等の処理により、その非対称の影響を軽減することができる等、様々なプロセスウエハに対して高精度にアライメントを行うことができる。
【0005】
また、従来のアライメント装置として、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式で、且つ撮像方式のアライメント装置も知られている。TTL方式の場合には、露光光の波長とアライメント用の検出光の波長とが異なるために、露光用の投影光学系においてアライメント用の検出光に対して収差が発生する。そこで、例えば特公平2−35446号公報に開示されているTTL方式のアライメント装置では、アライメント用の検出光に対して投影光学系で発生するコマ収差を1枚の斜めに配置された平行平面板で補正し、この平行平面板により発生する非点収差を別の2枚の平行平面板で補正している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の撮像方式のアライメント装置の結像光学系では、加工、組立、調整等の製造工程において、僅かながら収差が残存していた。このように収差が残存していると、撮像面上でのウエハマーク像のコントラストが低下したり、ウエハマーク像に歪が生じるなどして、マーク位置の検出誤差が発生する。近年、回路パターンの線幅の微細化に伴い、益々高精度のアライメントが必要とされるようになり、上記の如き僅少な収差による、アライメント精度の低下も問題となってきている。
【0007】
そのように残存する収差の内で、特にコマ収差のウエハマーク像の検出に及ぼす影響は大きく、軸対称なコマ収差や偏心コマ収差などの非対称な横収差が光学系内に発生していると、撮像面上に投影されるウエハマーク像は、理想結像の場合と比べて位置ずれして計測される。また、ピッチ、デューティ比、段差等のウエハマークの形状が変わった場合や、ウエハマークがデフォーカスした場合に、そのウエハマーク像にコマ収差が存在すると、その像の非対称性の度合いが様々に変化し、且つその計測位置のずれ量も様々に変わることになる。
【0008】
半導体製造工程毎にウエハマークの形状は異なるため、コマ収差が残留した光学系でウエハのアライメント(位置合わせ)を行うと、プロセスオフセットが発生したり、重ね合わせ精度の再現性が悪化する等により、アライメント精度が低下する。また、結像光学系の光学性能(物体側開口数、倍率など)や画像処理の方式によって、光学系に許容されるコマ収差量は多少異なるものの、高精度のアライメントを可能とするにはほぼ0でなくてはならない。
【0009】
これに関して、従来のアライメント装置では、光学系の製造上の精度を極力高めることで、コマ収差を含む諸収差の発生を押さえていたが、上記の要請に応えるほど十分にコマ収差を除去することは非常に困難であると共に、製造コスト的にも限界があった。
また、上述の特公平2−35446号公報で開示されているTTL方式のアライメント装置では、コマ収差を低減させるために平行平面板を斜めに配置することにより、逆に非点収差や分散等の収差が発生するため、これを更に補正するための新たな光学部材の追加が必要となる。即ち、光軸に対して非対称に(斜めに)配置された平行平面板でコマ収差の補正を行う場合には、他の諸収差、例えば像面傾斜、非点収差、分散等が発生して、マーク像の像質が劣化してしまい、却ってマーク位置の検出精度の低下を招くことになる。そして、これを防ぐために更に収差補正部材を追加するのでは、光学系が大型化し、且つ製造コストも高くなるという不都合がある。
【0010】
本発明は斯かる点に鑑み、簡単な構成で、他の収差には殆ど影響を与えることなく、コマ収差を容易に補正できる収差補正光学系を提供することを目的とする。更に本発明は、そのような収差補正光学系を備え高精度に位置合わせ用のマークの位置を検出できる位置合わせ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の収差補正光学系は、例えば図2に示すように、第1面(5)からの光を集光する対物光学系(8)と、この対物光学系からの光を集光して第2面(14a)上にその第1面の像を形成する集光光学系(10)とを有する光学系において、対物光学系(8)と第2面(14a)との間のテレセントリックな空間に、集光光学系(10)で発生するコマ収差と相殺されるコマ収差を発生する補正光学系(13)を配置し、集光光学系(10)と補正光学系(13)との少なくとも一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減少させるものである。
【0012】
また、本発明の第2の収差補正光学系は、第1の収差補正光学系と同じ前提のもとで、例えば図5に示すように、対物光学系(8)と第2面(14a)との間に、この集光光学系で発生する球面収差と相殺される球面収差を発生する補正光学系(20)を配置し、集光光学系(10)と補正光学系(20)との少なくとも一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減少させるものである。
【0013】
この場合、集光光学系(10)と補正光学系(20)との間の空間は非テレセントリックであることが望ましい。
更に、これらの場合において、補正光学系(13;20)はほぼ等倍正立のアフォーカル系であることが望ましい。
次に、本発明の第1の位置合わせ装置は、例えば図1に示すように、感光基板(3)上の位置合わせ用のマーク(5)からの光を集光する対物光学系(8)と、この対物光学系からの光を集光して位置合わせ用のマーク(5)の像を形成する集光光学系(10)と、この集光光学系により形成されるその位置合わせ用のマークの像の位置を検出する検出手段(14)とを備え、この検出手段の検出結果に基づいて感光基板(3)の位置合わせを行う位置合わせ装置において、対物光学系(8)と検出手段(14)との間のテレセントリックな空間に、集光光学系(10)で発生するコマ収差と相殺されるコマ収差を発生する補正光学系(13)を配置し、集光光学系(10)と補正光学系(13)との少なくとも一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減少させるものである。
【0014】
また、本発明の第2の位置合わせ装置は、第1の位置合わせ装置と同じ前提のもとで、例えば図4に示すように、対物光学系(8)と検出手段(14)との間に、集光光学系(10)で発生する球面収差と相殺される球面収差を発生する補正光学系(20)を配置し、集光光学系(10)と補正光学系(20)との少なくとも一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減少させるものである。
また、本発明による露光装置は、感光基板にパターンを転写するための露光装置において、その感光基板上の位置合わせを行うために本発明の位置合わせ装置を備えるものである。
また、本発明による露光方法は、感光基板にパターンを転写するための露光方法において、本発明の位置合わせ装置を用いてその感光基板上の位置合わせを行う工程を有するものである。
【0015】
【作用】
斯かる本発明によれば、例えば製造誤差等により理想光軸対称のコマ収差が発生している場合には、集光光学系(10)と補正光学系(13;20)との少なくとも一方を偏心させて適量の偏心コマ収差を発生することにより、結像面上の特にコマ収差が問題になる範囲においてそのコマ収差を打ち消すことができる。一方、製造誤差等により結像面全体に一様に偏心コマ収差が発生している場合にも、適量の偏心コマ収差を発生させることにより、その結像面全域でコマ収差を打ち消すことができる。その際に、他の収差の発生は殆ど無視できる程度である。
【0016】
【実施例】
[第1実施例]
以下、本発明の第1実施例につき図1〜図3を参照して説明する。本実施例は投影露光装置に備えられるオフ・アクシス方式で、且つ撮像方式のアライメント装置(位置合わせ装置)に本発明を適用したものである。
【0017】
図1は本実施例の投影露光装置の概略構成を示し、この図1において、不図示の照明光学系からの露光光のもとで、レチクル1のパターンの像が投影光学系2を介してフォトレジストが塗布されたウエハ3上の各ショット領域に投影される。ここで、投影光学系2の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取る。
【0018】
ウエハ5はウエハステージ4上に保持され、ウエハステージ4はウエハ3をZ方向に位置決めするZステージ、及びウエハ3をXY平面内で移動させるXYステージ等から構成されている。ウエハ5上の或るショット領域へのレチクル1のパターン像の露光が終わると、ウエハステージ4のステッピングにより次のショット領域が露光位置に設定され、以下ステップ・アンド・リピート方式でウエハ3上の複数のショット領域への露光が行われる。この際に各ショット領域の位置決めを正確に行うためには、ウエハ3上の各ショット領域の位置、即ち各ショット領域に付設されたアライメント用のマーク(ウエハマーク)の位置を計測し、この計測結果に基づいてウエハステージ4のステッピング量を定める必要がある。以下の説明では、ウエハ3上の所定のショット領域に付設された所定のウエハマーク5の位置を計測するものとする。
【0019】
本例では投影光学系2の側方にオフ・アクシス方式のアライメント光学系6が配されている。このアライメント光学系6において、不図示のハロゲンランプ等の光源からの、フォトレジストに対する感光性が低く、且つ広帯域の照明光L1は、ハーフミラー7に入射し、ハーフミラー7で反射された照明光L1は、第1対物レンズ8及びミラー9を介してウエハ3上のウエハマーク5を落射照明する。ウエハマーク5からの反射光は、ミラー9を経て第1対物レンズ8により集光されてハーフミラー7に戻り、ハーフミラー7を透過した反射光は、順次第2対物レンズ10と、ほぼ等倍のガリレオ型のアフォーカル系13とを通過して、2次元CCDよりなる撮像素子14の撮像面上にウエハマーク5の拡大像を形成する。
【0020】
本例のアフォーカル系13は第2対物レンズ10側から負屈折力を持つレンズ群11及び正屈折力を持つレンズ群12よりなり、且つアフォーカル系13は一体となって、この結像光学系の光軸AXに対して垂直な任意の方向に所定範囲内で任意の量だけシフトできるように構成されている。そして、撮像素子14からの撮像信号を画像処理することによりウエハマーク5の位置が検出され、この検出結果に基づいてウエハ3の当該ショット領域が露光位置に位置合わせ(アライメント)される。
【0021】
図2(a)及び(b)は、図1のアライメント光学系6中の結像光学系を示す拡大図であり、図2(a)及び(b)では図1中のハーフミラー7及びミラー9は省略してある。先ず、物体面と像面との共役関係を示す図2(a)において、合焦状態では第1対物レンズ8の物体側焦点Fを通り光軸に垂直な面上にウエハマーク5が位置し、ウエハマーク5からの光は第1対物レンズ8を通過した後ほぼ平行光束となって第2対物レンズ10に入射し、第2対物レンズ10からの光束がアフォーカル系13を介して撮像素子14上にウエハマーク5の像を形成する。
【0022】
また、瞳の共役関係を示す図2(b)において、第1対物レンズ8の像側焦点F’と第2対物レンズ10の物体側焦点Fとはほぼ合致し、ウエハマーク5から出た光軸AXに平行な主光線は、第2対物レンズ10から射出される際にも光軸AXにほぼ平行となる。この第2対物レンズ10とアフォーカル系13との間の空間がテレセントリックであるということは、本例の光学系の構成上特に望まれる条件である。それに続くアフォーカル系13では、レンズ群11の像側焦点F’とレンズ群12の物体側焦点Fとがほぼ合致し、ほぼ等倍のガリレオ型のアフォーカル系が構成されている。そのため、第2対物レンズ10から光軸AXに平行に射出される主光線は、アフォーカル系13から射出される際にも光軸AXにほぼ平行である。よって、本例の第1対物レンズ8からアフォーカル系13までの結像光学系は全体としてほぼ両側テレセントリック系となっている。更に、第1対物レンズ8の焦点距離に対して、第2対物レンズ10の焦点距離の方が長く設定され、ウエハマーク5の形成面から撮像素子14の撮像面14aへの倍率は拡大倍率となっている。
【0023】
本例では、第1対物レンズ8はほぼ理想レンズに近く収差補正されている。一方、第2対物レンズ10で適量発生させたコマ収差とアフォーカル系13で発生したコマ収差とは、撮像面14a上にて互いにほぼ打ち消し合うように収差補正してある。また、これに伴い第2対物レンズ10で副次的に球面収差が発生することがあるが、この場合には、第2対物レンズ10で発生した球面収差とアフォーカル系13で発生した球面収差とが、撮像面14a上にて互いにほぼ打ち消し合うように収差補正すればよい。
【0024】
なお、上記の第2対物レンズ10、及びアフォーカル系13で発生しているコマ収差や球面収差はほぼ3次収差のレベルにあり、その他の収差はどのレンズ系にても殆ど発生せず十分に収差補正されている。本例では、第2対物レンズ10の屈折力及び開口数(NA)が第1対物レンズ8に比べて拡大倍率分だけ十分に小さいため、第2対物レンズ10及びアフォーカル系13において、そのようにコマ収差同士が相殺するように収差の操作を行うことは容易である。このような収差関係で構成された本例の結像光学系により、撮像素子14の撮像面14a上に投影されるウエハマーク5の像はほぼ理想結像と見なすことが出来る。
【0025】
次に、本例のアライメント光学系において、第1対物レンズ8等の製造誤差等に起因して撮像面14a上でコマ収差が発生するときには、アフォーカル系13を光軸AXに対して垂直な方向内の適当な方向に、且つ適当量だけシフトさせることで、撮像面14a上には所望の量と方向の偏心コマ収差を発生させる。このため、製造誤差等で生じる2種類のコマ収差の内、理想光軸対称のコマ収差が発生している場合には、撮像面14a上の特にコマ収差が問題となる範囲において、そのコマ収差をアフォーカル系13のシフトにより発生したコマ収差で打ち消すことが可能である。また、偏心コマ収差が発生している場合には、撮像面全域の偏心コマ収差をアフォーカル系13のシフトにより発生したコマ収差で打ち消すことが可能である。そのようにコマ収差が打ち消される範囲には他の収差は殆ど発生せず、ウエハマーク5の像は理想結像に近いものとなる。
【0026】
また、図3(a)は第1実施例においてアフォーカル系13のシフト量δに対して発生する偏心コマ収差量ΔXCを示し、図3(a)に示すように、発生する偏心コマ収差量ΔXCはアフォーカル系13のシフト量δに比例し、その傾きは第2対物レンズ10とアフォーカル系13とで相殺し合うコマ収差量に比例する。従って、第2対物レンズ10とアフォーカル系13とで相殺し合うコマ収差量を適当に設定し、調整の容易なアフォーカル系13を適当量だけシフトさせることで所望の偏心コマ収差を発生させることができる。発生する偏心コマ収差量ΔHC、アフォーカル系13のシフト量δに対して、相殺し合うコマ収差量をΔC、比例定数をkとすると以下のように表される。
【0027】
ΔHC=k・ΔC・δ (1)
(1)式を変形すると、ΔHC/δ=k・ΔCとなるが、この関係が図3(b)に表されている。
上述実施例では、ガリレオ型のアフォーカル系13はほぼ等倍であるとしていたが、等倍であることの利点としては、偏心コマ収差を発生させるためにアフォーカル系13をシフトしても、その後の光軸AXのずれ(倒れ、又はシフト)が殆ど無い点が挙げられる。
【0028】
なお、上述実施例ではアフォーカル系13を光軸AXから垂直な方向にシフトしているが、撮像面での光軸のずれ(倒れ、シフト)が問題にならないのであれば、図2(a)において、第2対物レンズ10側を光軸AXから垂直な方向にシフトさせてもよい。また、本実施例ではアフォーカル系としてほぼ等倍のガリレオ型としたが、ほぼ等倍で正立でありさえすればよい。
【0029】
本例は、第1対物レンズの物体側空間がテレセントリックであるものについて示したが、特に物体側がテレセントリックである必要がなく、逆に第1対物レンズの像側がテレセントリックの場合には、本例の第2対物レンズ10とアフォーカル系13の位置を入れ換え、同様の収差の相殺関係にすれば同様の性能が得られる。
【0030】
また、光軸のずれ(倒れ、又はシフト)が問題にならない場合には、アフォーカル系13が等倍正立でなくても、また所定の屈折力のあるレンズでも構わない。このときは、第2対物レンズ10が前後2群のレンズ群によって構成されると考えられる。
図2(c)は、そのような第1実施例の変形例として屈折力のあるレンズの場合を示し、この図2(c)において、ウエハマーク5からの光は、第1対物レンズ8、及び第2対物レンズ17を介して撮像素子14の撮像面上にウエハマーク5の像を形成し、第2対物レンズ17は、第1対物レンズ8側から正の屈折力を有する第1レンズ群15、及び負の屈折力を有する第2レンズ群16より構成されている。
【0031】
この変形例では、第1対物レンズ8の像側焦点F’と第2対物レンズ17内の第1レンズ群15の物体側焦点F12とが一致し、第1対物レンズ8及び第1レンズ群15よりなる合成系が両側テレセントリックの関係になっている。更に、第1レンズ群15と第2レンズ群16とは、互いにほぼ打ち消し合うようなコマ収差を発生すると共に、広帯域の波長にて色収差の補正が行われている。また、第2レンズ群16が、全系の光軸AXに対して垂直な任意の方向にシフトできるように構成されている。そして、製造誤差等によりコマ収差が残存しているときには、第2レンズ群16をシフトさせて所望の偏心コマ収差を発生させ、それにより残存しているコマ収差を打ち消すことができる。
【0032】
なお、この変形例では第2レンズ群16を光軸から垂直な方向にシフトしているが、図3(c)において、第1レンズ群15を光軸から垂直な方向にシフトさせてもよい。
【0033】
[第2実施例]
次に、図4及び図5を参照して第2実施例につき説明する。本例は第1実施例において第2対物レンズ10とアフォーカル系13との順序を入れ換え、且つ第2対物レンズ10とアフォーカル系13との間の空間が非テレセントリックである実施例に相当し、図4及び図5において図1に対応する部分には同一符号を付してその詳細説明を省略する。
【0034】
図4は本実施例の投影露光装置の概略構成を示し、この図4において、ハーフミラー7により導かれた広帯域の照明光L1は、第1対物レンズ8及びミラー9を介してウエハ3上のウエハマーク5を落射照明する。ウエハマーク5からの反射光は、ミラー9、及び第1対物レンズ8を経て集光されてハーフミラー7に戻り、ハーフミラー7を透過した光束は、ほぼ等倍のガリレオ型のアフォーカル系20と第2対物レンズ10とを介して、撮像素子14の撮像面上にウエハマーク5の拡大像を形成する。アフォーカル系20は、第1対物レンズ8側から正屈折力を持つレンズ群18、及び負屈折力を持つレンズ群19より構成され、且つアフォーカル系20は一体となってこの結像光学系の光軸AXに対して垂直な任意の方向に所定範囲内で任意の量だけシフト出来るように構成されている。但し、アフォーカル系を除く他の構成は第1実施例と同様である。
【0035】
図5は図4中のアライメント光学系の結像光学系を示し、合焦状態では第1対物レンズ8の物体側焦点Fを通り光軸AXに垂直な面上にウエハマーク5が位置し、ウエハマーク5からの光は第1対物レンズ8から射出された後、ほぼ平行光束となってアフォーカル系20に入射する。そして、アフォーカル系20から射出された光束は、次の第2対物レンズ10により撮像素子14の撮像面14a上にウエハマーク5の像を形成する。
【0036】
また、ウエハマーク5から射出された光軸AXに平行な主光線(破線)は、第1対物レンズ8から射出された後、光軸AXに非平行となり、アフォーカル系20、更に第2対物レンズ10に入射する。このアフォーカル系と第2対物レンズとの間の空間が非テレセントリックであるということは、本例の光学系の構成上特に望まれる条件である。更に、第1対物レンズ8の焦点距離に比べて第2対物レンズ10の焦点距離の方が長く設定され、ウエハマーク5の配置面から撮像面14aへの倍率は拡大倍率となっている。
【0037】
また、第1対物レンズ8はほぼ理想レンズに近く収差補正されている。一方、アフォーカル系20で適当量発生させた球面収差と第2対物レンズ10で発生した球面収差とは、撮像面14a上にて互いにほぼ打ち消し合うように収差補正してある。なお、それらアフォーカル系20及び第2対物レンズ10の各々で発生している球面収差はほぼ3次収差のレベルにあり、その他の収差はどのレンズ系にても殆ど発生せず、十分に収差補正されている。本例でも、拡大光学系における第2対物レンズ10の屈折力及び開口数(NA)が、第1対物レンズ8のそれに比べて倍率分だけ十分に小さいため、第2対物レンズ10及びアフォーカル系20においてそのように球面収差同士が相殺し合うように収差を操作することは容易である。このような収差関係で構成された上記光学系により撮像素子14上に投影されるウエハマーク5の像はほぼ理想結像と見なすことが出来る。
【0038】
本例の結像光学系において、第1対物レンズ8等により製造誤差等に起因して撮像面14a上にコマ収差が発生したときには、アフォーカル系20を光軸AXに対して垂直な所定の方向の適当量だけシフトさせて、撮像面14a上には所望の量と向きの偏心コマ収差を発生させる。これにより、製造誤差等で生じる2種類のコマ収差の内、理想光軸対称のコマ収差が発生している場合には、撮像面上の特にコマ収差が問題となる範囲においてそのコマ収差を打ち消すことが可能であり、また、偏心コマ収差が発生している場合には、撮像面全域にてその偏心コマ収差を打ち消すことが可能である。このとき、そのコマ収差の発生範囲には他の収差として若干のメリジオナル像面とサジタル像面との乖離(像面の倒れは無い)が生じるが、他の収差は殆ど発生しない。
【0039】
図3(c)は、第2実施例におけるアフォーカル系20の光軸AXからのシフト量δに対する発生する偏心コマ収差量ΔHCを示し、図3(c)に示すように、発生する偏心コマ収差量ΔHCはアフォーカル系20のシフト量δに比例し、その傾きは、相殺し合う球面収差量に比例する。そこで、相殺し合う球面収差量を適当に設定し、調整の容易なアフォーカル系20を適当な方向に適量シフトさせることで、所望の量、及び向きの偏心コマ収差を発生させることができる。発生する偏心コマ収差量ΔHC、アフォーカル系20のシフト量δに対して、相殺し合う球面収差量をΔS、比例定数をkとすると以下のように表される。
【0040】
ΔHC=k・ΔS・δ (2)
この(2)式を変形すると、ΔHC/δ=k・ΔSとなるが、この関係が図3(d)に表されている。また、上述の像面の乖離は、発生する像面乖離量をΔAS、相殺し合う球面収差量をΔS、アフォーカル系20のシフト量をδ、比例定数をkとすると以下のように表される。
【0041】
ΔAS=k・ΔS・δ (3)
即ち、アフォーカル系20のシフト量δが小さい範囲においては、像面乖離量ΔASは無視できる大きさであるが、シフト量δが或る程度大きく像面乖離量ΔASが無視できないときであっても、光学系内に元々その調整機構(例えばシリンドリカルレンズを利用したもの等)があれば問題はない。
【0042】
なお、上述実施例ではガリレオ型のアフォーカル系20はほぼ等倍であるとしたが、等倍であることの利点は、アフォーカル系20を偏心コマ収差を発生させるためにシフトしても、その後の光軸AXのずれが殆ど無いという点が挙げられる。
また、本例ではアフォーカル系としてほぼ等倍のガリレオ型としたが、ほぼ等倍で正立でありさえすればどのようなタイプでもよい。
【0043】
撮像面での光軸のずれ(倒れ、シフト)が問題にならないのであれば、図5(a)において、アフォーカル系20ではなく、第2対物レンズ10側を光軸AXに対して垂直な方向にシフトしても同様の効果が得られる。また、本例では第1対物レンズ8と第2対物レンズ10との間にアフォーカル系20を配置したが、第2対物レンズ10とアフォーカル系20の配置が逆であっても、第2対物レンズ10とアフォーカル系20との間の空間が非テレセントリックであるならば同様に実現できる。
【0044】
[第3実施例]
図6〜図11を参照して第3実施例につき説明する。本実施例は、投影露光装置に設けられるオフ・アクシス方式で、且つ所謂レーザ・ステップ・アライメント方式のアライメント装置の照明系に本発明を適用したものである。
図6は本実施例の投影露光装置の要部の斜視図であり、この図6において、不図示のレチクルのパターンの像が投影光学系2を介してウエハステージ4上のウエハ3の各ショット領域に投影露光される。ウエハステージ4の上部にはX軸に垂直な反射面を有する移動鏡21X、及びY軸に垂直な反射面を有する移動鏡21Yが固定され、不図示のX軸用のレーザ干渉計から投影光学系2の光軸を通り、且つX軸に平行な直線に沿ってレーザビーム22Xが移動鏡21Xに照射され、不図示のY軸用のレーザ干渉計から投影光学系2の光軸を通り、且つY軸に平行な直線に沿ってレーザビーム22Yが移動鏡21Yに照射され、それらのレーザ干渉計によりウエハステージ4の2次元の座標(X,Y)が計測されている。
【0045】
また、投影光学系2の側方にオフ・アクシス方式のアライメント装置のアライメント光学系24が配置されている。そのアライメント光学系24は、レーザ・ステップ・アライメント方式の検出系(以下、「LSA系」と呼ぶ)26と、撮像方式の検出系であるFIA系52とが一体化されたものであり、LSA系26からのレーザビームとFIA系52からの照明光とがハーフプリズム48により合成されて共通の第1対物レンズ49に向かい、第1対物レンズ49を通過した光束がミラーで反射されてウエハ3を落射照明する。そして、このミラーにより折り曲げられたアライメント光学系24の光軸を通り、且つX軸に平行な直線に沿って不図示の回転計測用のレーザ干渉計から移動鏡21Xにレーザビーム23が供給され、回転計測用のレーザ干渉計の計測値とX軸用のレーザ干渉計の計測値との差分により、ウエハステージ4の回転角が検出される。
【0046】
図7は、図6中のアライメント光学系24を示す拡大斜視図であり、この図7のLSA系26において、He−Neレーザ光源31から射出されるレーザビームL2は、ビームエキスパンダ32、及びシリンドリカルレンズ33を経て、XY分離用偏光ビームスプリッタ34を介してX軸用の断面形状が細長いシートビームL4と、Y軸用のシートビームL3とに分離される。そして、Y軸用のシートビームL3は、視野絞り35Y、ミラー36、ミラー37Y、リレーレンズ38Y、ミラー39Yを経て送受光分離用偏光ビームスプリッター40Yに達し、偏光ビームスプリッター40Yを透過したシートビームは、フーリエ変換レンズ41Y、1/4波長板42Y、及びミラー45を介してアフォーカル系46に入射する。
【0047】
一方、X軸用のシートビームL4は、Y軸用のシートビームL3とほぼ対称に視野絞り35X〜1/4波長板42Xを介して、ウエハ3(図6参照)の表面と共役な面の近傍でY軸用のシートビームと視野合成されて、ほぼ等倍のガリレオ型のアフォーカル系46に入射し、アフォーカル系46から射出される両シートビームは、第2対物レンズ47により集光されハーフプリズム48で反射されて一度交差した後、第1対物レンズ49及びミラー50を経てそれぞれX軸用のシートビーム51X、及びY軸用のシートビーム51Yとしてウエハ3上に入射する。それらシートビーム51X、及びシートビーム51Yの照射位置の近傍のウエハ3上にそれぞれX軸用のウエハマーク25X、及びY軸用のウエハマーク25Yが形成されている。
【0048】
また、FIA系において、ライトガイド53から射出された広帯域の照明光は、コンデンサーレンズ54により集光されハーフミラー55を透過した後、第2対物レンズ56を介してハーフプリズム48に入射する。そして、ハーフプリズム48を透過した照明光は、共通の第1対物レンズ49及びミラー50を経てウエハ3上に照射され、ウエハ3からの反射光は、ミラー50、第1対物レンズ49、ハーフプリズム48、第2対物レンズ56及びハーフミラー55を介してCCDカメラ57上にウエハマークの像を形成する。
【0049】
図8は、ウエハ3上の第1対物レンズ49の観察視野58を示し、この図8において、X軸用のウエハマーク25XはY方向に所定ピッチで配列されたドットパターン、Y軸用のウエハマーク25YはX方向に所定ピッチで配列されたドットパターンであり、X軸用のシートビーム51XはY方向にスリット状に伸びた光ビーム、Y軸用のシートビーム51YはX方向にスリット状に伸びた光ビームである。また、シートビーム51Xとシートビーム51Yとは第1対物レンズ49の光軸AXを挟むように配置され、第1対物レンズ49の光軸AXと図6の投影光学系2の光軸AXとを通る直線はY軸に平行である。
【0050】
図8において、ウエハステージを駆動することによりシートビーム51Xに対してウエハマーク25XをX方向に横切るように走査すると、シートビーム51Xとウエハマーク25Xとが合致したときに所定の方向に回折光が射出されるため、その回折光の強度が最大になるときのウエハステージのX座標を検出することによりウエハマーク25XのX座標が検出できる。同様に、シートビーム51Yに対してウエハマーク25YをY方向に横切るように走査し、シートビーム51Yとウエハマーク25Yとが合致したときの回折光を検出することにより、ウエハマーク25YのY座標が検出される。ウエハマーク25Yからの回折光(反射光も含む)は図7のミラー50、及び第1対物レンズ49を経てハーフプリズム48に戻る。
【0051】
図7において、ハーフプリズム48で反射された回折光は、第2対物レンズ47、アフォーカル系46、ミラー45、1/4波長板42Y、及びフーリエ変換レンズ41Yを経て送受光分離用偏光ビームスプリッター40Yに戻り、偏光ビームスプリッター40Yで反射された回折光は、リレーレンズ43Yを介して受光素子44Yに導かれ、受光素子44Yにて0次回折光を除く回折光が選択的に光電変換される。このとき、1/4波長板42Yの方向を最適調整しておくことにより、ウエハマークからの回折光はほぼ完全に偏光ビームスプリッター40Yにて反射されて受光素子44Yに導かれる。
【0052】
同様に、図8のX軸用のウエハマーク25Xからの回折光は、Y軸の回折光と対称に送受光分離用偏光ビームスプリッター40Xに戻り、偏光ビームスプリッター40Xで反射された回折光は、リレーレンズ43Xを介して受光素子44Xで受光される。そして、受光素子44X,44Yの出力信号、及びウエハステージ4の座標に基づいてウエハマーク25X及び25YのX座標及びY座標が計測され、この計測結果に基づいてウエハ3のアライメントが行われる。
【0053】
ここで、本例において図7のアフォーカル系46は一体として、光軸に垂直な任意の方向に所定範囲内で任意の量だけシフトできるように支持されている。
次に、本例のようにHe−Neレーザ光源31から射出されるレーザビームL2が繰り返しリレーされる場合に、コマ収差が発生しているときの弊害につき簡単に説明する。先ず、レーザビームのリレーは、レーザビームのビームウエスト(断面形状が最も小さい位置)のリレーとみなすことができる。
【0054】
図11(a)は、図7のビームエクスパンダ32におけるレーザビームのリレーを示し、この図11(a)において、ビームエクスパンダ32が2枚のフーリエ変換レンズ62及び63により構成されている。そして、入射するレーザビームのビームウエスト64Aが第1のフーリエ変換レンズ62によりビームウエスト64Bにリレーされ、このビームウエスト64Bが第2のフーリエ変換レンズ63によりビームウエスト64Cにリレーされている。
【0055】
これに関して、図11(b)は理想レンズによりリレーされたビームウエスト65Aの近傍の拡大図であり、その近傍におけるビーム断面のエネルギーが最大となるライン66Aも表示されている。このように理想レンズにてリレーされた場合には、ライン66Aはビームウエスト前後で直線に分布する。ところが、図11(c)に示すように、リレーレンズに例えば偏心コマ収差が発生した場合には、ビームウエスト65Bの近傍でのエネルギー分布が最大となるライン66Bは、ビームウエスト65Bの前後で湾曲してしまう。この湾曲量はその発生したコマ収差量にほぼ比例する。同様に、図7において第1対物レンズ49からウエハ上に照射されるシートビーム25X,25Yもウエハ上でほぼビームウエストとなっており、仮にシートビーム25X,25Yに偏心コマ収差が発生していると、シートビーム25X,25Y中のエネルギー分布が最大となるラインに曲がりが生ずることになる。
【0056】
このようなエネルギー分布が最大となるラインの湾曲がアライメント精度に与える影響は、図8においてウエハマーク25X,25Yがウエハ上のシートビーム51X,51Yの集光点から図8の紙面に垂直な方向(Z方向)に外れたとき(デフォーカスしたとき)に生じる。即ち、エネルギー分布の湾曲がない場合には、デフォーカスしてもウエハマーク25X,25Yの検出される位置がずれないようにするには、ウエハに対してエネルギー分布が最大となるラインを垂直にすればよい。このためには、図7において、例えば第2対物レンズ47と第1対物レンズ49との間に平行平面板を配置し、この平行平面板を適当な角度だけ傾斜させればよい。
【0057】
ところが、エネルギー分布が最大となるラインに湾曲があると、このような調整ができず、ウエハマーク25X,25Yが集光点から少しでもデフォーカスしてZ方向に外れてしまうと、ウエハマーク25X,25Yの検出される位置が横ずれして、アライメント誤差が生じてしまう。そのため、このようなエネルギー分布の湾曲は解消する必要があり、その原因となるコマ収差を殆ど0に抑えなければならない。
【0058】
図9は、図7のLSA系26内のアフォーカル系46からウエハまでの送光系の概略の拡大図を示し、この図9において、第1対物レンズ49と、第2対物レンズ47と、アフォーカル系46とからなる合成光学系は両側テレセントリック光学系を形成し、第1対物レンズ49の焦点距離に対して第2対物レンズ47の焦点距離が長く設定されている。また、アフォーカル系46は第2対物レンズ47側から順に負の屈折率を有するレンズ群60、及び正の屈折率を有するレンズ群61より構成されている。また、第1対物レンズ8の物体側焦点面がウエハ3の表面となり、その合成光学系の像側焦点面59がウエハの表面に対する共役面となるように構成される。よって、ウエハの表面と共役な像側焦点面59に導かれたシートビームは、ウエハ3の表面上に縮小されて集光される。
【0059】
この例では、第1対物レンズ49はほぼ理想レンズに近く収差補正されている。一方、第2対物レンズ47で適当量発生させたコマ収差と、アフォーカル系46で発生したコマ収差とは、ウエハ3の表面にて互いにほぼ打ち消し合うように収差補正してある。即ち、図9の送光系は、第1実施例である図2(a)の結像光学系を送光系として使用するものであり、構成及び作用効果は第1実施例と同様である。
【0060】
図9に示すこの第3実施例の送光系においては、第1対物レンズ49等における製造誤差等に起因してウエハ3の表面上にコマ収差が発生することがあっても、アフォーカル系46を光軸AXに対して垂直な適当な方向に適当量だけシフトさせることで、そのコマ収差を打ち消すことができる。従って、ウエハ3上に集光されるシートビームは、エネルギー分布が最大となるラインに湾曲のないほぼ理想的なものと考えられる。
【0061】
また、本例でも、図10(a)に示すようにウエハ3上で発生する偏心コマ収差量ΔHCはアフォーカル系46のシフト量δに比例し、その傾きは相殺し合うコマ収差量に比例するので、相殺し合うコマ収差量を適当に設定し、アフォーカル系46をシフトさせることで所望の偏心コマ収差を発生させることができる。発生させたい偏心コマ収差ΔHC、アフォーカル系のシフト量δに対して、第2対物レンズ47とアフォーカル系46にて相殺し合うコマ収差量をΔC、比例定数をkとすると、第1実施例と同じく(1)式が成立する。従って、第1実施例と同様に、図10(b)に示すように、ΔHC/δとΔCとは比例する。また、ほぼ等倍のアフォーカル系46の代わりに、例えば角倍率α(αはウエハの表面への縮小倍率)のアフォーカル系や屈折力のあるレンズを使用してもよい。
【0062】
なお、この第3実施例ではレーザビームを照射する際のエネルギー分布が最大となるラインの湾曲を補正しているが、例えばレーザビームを集光する際のスポット形状を乱すコマ収差の補正にも本発明が適用できる。また、アライメント光学系だけでなく、ウエハマークの重ね合わせ測定系においても本発明を適用することにより、測定結果の高精度化が期待できる。特に、重ね合わせ測定値の真値ずれ(所謂ティス)を殆ど無くすことが出来る。
【0063】
このように、本発明は上述実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0064】
【発明の効果】
本発明の第1又は第2の収差補正光学系によれば、簡単なレンズ構成で、全体の光学系内に製造誤差等により生じたコマ収差を容易に相殺でき、且つ、他の収差に殆ど影響を与えることがない。また、集光光学系の物体又は像空間がテレセントリックであるかどうかに応じて、少なくともどちらかの収差補正光学系が実現できる。
【0065】
更に、補正光学系がほぼ等倍で正立のアフォーカル系であるときには、例えばこのアフォーカル系を偏心させてコマ収差を補正した場合でも、その後の光軸のずれが無い利点がある。
次に、本発明の第1、又は第2の位置合わせ装置によれば、本発明の収差補正光学系が使用されているため、簡単構成で他の収差に殆ど影響を与えることなくコマ収差を補正でき、結果として高精度に位置合わせ用のマークの位置を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のアライメント装置を備えた投影露光装置の要部を示す構成図である。
【図2】(a)は第1実施例のアライメント光学系の結像関係を示す光路図、(b)はその第1実施例の瞳の共役関係を示す光路図、(c)は第1実施例の変形例を示す光路図である。
【図3】本発明の第1実施例及び第2実施例におけるアフォーカル系のシフト量δと発生する偏心コマ収差量ΔHCとの関係等を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例のアライメント装置を備えた投影露光装置の要部を示す構成図である。
【図5】本発明の第2実施例のアライメント光学系の結像関係を示す光路図である。
【図6】本発明の第3実施例のアライメント装置を備えた投影露光装置の要部を示す斜視図である。
【図7】第3実施例のアライメント光学系を示す斜視図である。
【図8】第3実施例におけるウエハマークと照射されるシートビームとの関係を示す拡大平面図である。
【図9】第3実施例のアライメント光学系内の送光系の結像関係を示す光路図である。
【図10】第3実施例におけるアフォーカル系のシフト量δと発生する偏心コマ収差量ΔHCとの関係等を示す図である。
【図11】レーザビームのビームウエストをレンズ系でリレーする場合のコマ収差の影響の説明に供する図である。
【符号の説明】
3 ウエハ
4 ウエハステージ
5 ウエハマーク
6 アライメント光学系
7 ハーフミラー
8 第1対物レンズ
10 第2対物レンズ
13,20 アフォーカル系
14 撮像素子
24 アライメント光学系
26 LSA系
51X,51Y シートビーム
52 FIA系
31 He−Neレーザ光源
40X,40Y 送受光分離用変更ビームスプリッター
44X,44Y 受光素子
46 アフォーカル系
47 第2対物レンズ
49 第1対物レンズ

Claims (13)

  1. 第1面からの光を集光する対物光学系と、該対物光学系からの光を集光して第2面上に前記第1面の像を形成する集光光学系とを有する光学系において、
    前記対物光学系と前記第2面との間のテレセントリックな空間に、前記集光光学系で発生するコマ収差と相殺されるコマ収差を発生する補正光学系を配置し、
    前記集光光学系と前記補正光学系との少なくとも一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減少させることを特徴とする収差補正光学系。
  2. 第1面からの光を集光する対物光学系と、該対物光学系からの光を集光して第2面上に前記第1面の像を形成する集光光学系とを有する光学系において、
    前記対物光学系と前記第2面との間に、前記集光光学系で発生する球面収差と相殺される球面収差を発生する補正光学系を配置し、
    前記集光光学系と前記補正光学系との少なくとも一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減少させることを特徴とする収差補正光学系。
  3. 前記集光光学系と前記補正光学系との間の空間が非テレセントリックであることを特徴とする請求項2記載の収差補正光学系。
  4. 前記補正光学系はほぼ等倍正立のアフォーカル系であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項記載の収差補正光学系。
  5. 前記収差補正光学系は拡大倍率を有することを特徴とする請求項1〜の何れか一項記載の収差補正光学系。
  6. 前記対物光学系の前記第1面側がテレセントリックであることを特徴とする請求項1〜の何れか一項記載の収差補正光学系。
  7. 前記補正光学系は所定の屈折力を有することを特徴とする請求項1〜の何れか一項記載の収差補正光学系。
  8. 前記集光光学系と前記補正光学系とは色収差の補正が行われていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項記載の収差補正光学系。
  9. メリジオナル像面とサジタル像面との乖離量を調整するための手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜の何れか一項記載の収差補正光学系。
  10. 感光基板上の位置合わせ用のマークからの光を集光する対物光学系と、該対物光学系からの光を集光して前記位置合わせ用のマークの像を形成する集光光学系と、該集光光学系により形成される前記位置合わせ用のマークの像の位置を検出する検出手段と、を備え、
    前記検出手段の検出結果に基づいて前記感光基板の位置合わせを行う位置合わせ装置において、
    前記対物光学系と前記検出手段との間のテレセントリックな空間に、前記集光光学系で発生するコマ収差と相殺されるコマ収差を発生する補正光学系を配置し、
    前記集光光学系と前記補正光学系との少なくとも一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減少させることを特徴とする位置合わせ装置。
  11. 感光基板上の位置合わせ用のマークからの光を集光する対物光学系と、該対物光学系からの光を集光して前記位置合わせ用のマークの像を形成する集光光学系と、該集光光学系により形成される前記位置合わせ用のマークの像の位置を検出する検出手段と、を備え、
    前記検出手段の検出結果に基づいて前記感光基板の位置合わせを行う位置合わせ装置において、
    前記対物光学系と前記検出手段との間に、前記集光光学系で発生する球面収差と相殺される球面収差を発生する補正光学系を配置し、
    前記集光光学系と前記補正光学系との少なくとも一方を偏心させることにより全系のコマ収差を減少させることを特徴とする位置合わせ装置。
  12. 感光基板にパターンを転写するための露光装置において、
    前記感光基板上の位置合わせを行うために請求項10又は11記載の位置合わせ装置を備えることを特徴とする露光装置。
  13. 感光基板にパターンを転写するための露光方法において、
    請求項10又は11記載の位置合わせ装置を用いて前記感光基板上の位置合わせを行う工程を有することを特徴とする露光方法。
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