JPH08194914A - 磁気ヘッド、それ用のコアおよびそれらの製造方法 - Google Patents
磁気ヘッド、それ用のコアおよびそれらの製造方法Info
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- JPH08194914A JPH08194914A JP2133795A JP2133795A JPH08194914A JP H08194914 A JPH08194914 A JP H08194914A JP 2133795 A JP2133795 A JP 2133795A JP 2133795 A JP2133795 A JP 2133795A JP H08194914 A JPH08194914 A JP H08194914A
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- Japan
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- carbon
- protective film
- magnetic head
- sliding surface
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 摺動面の耐摩耗性および耐凝着性に優れた磁
気ヘッド、それ用のコアおよびそれらの製造方法を提供
する。 【構成】 この磁気ヘッド用コア2は、磁気記録媒体と
の摺動面6に、窒化炭素(CN)から成る保護膜8を被
覆している。この保護膜8を、ダイヤモンド構造の炭
素、アモルファス構造の炭素およびグラファイト構造の
炭素の内の少なくとも一種と窒化炭素とが混じり合って
成るものとしても良い。
気ヘッド、それ用のコアおよびそれらの製造方法を提供
する。 【構成】 この磁気ヘッド用コア2は、磁気記録媒体と
の摺動面6に、窒化炭素(CN)から成る保護膜8を被
覆している。この保護膜8を、ダイヤモンド構造の炭
素、アモルファス構造の炭素およびグラファイト構造の
炭素の内の少なくとも一種と窒化炭素とが混じり合って
成るものとしても良い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばオーディオ装
置、ビデオテープレコーダ、コンピュータ、カードリー
ダ等に用いられる磁気ヘッド、それ用のコアおよびそれ
らの製造方法に関し、より具体的には、磁気ヘッドおよ
びそれ用のコアの磁気記録媒体との摺動面を保護する保
護膜の改良に関する。
置、ビデオテープレコーダ、コンピュータ、カードリー
ダ等に用いられる磁気ヘッド、それ用のコアおよびそれ
らの製造方法に関し、より具体的には、磁気ヘッドおよ
びそれ用のコアの磁気記録媒体との摺動面を保護する保
護膜の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−222314号公報には、
磁気ヘッド用コアの磁気記録媒体との摺動面に、その機
械的な保護等のために、ダイヤモンド結晶を含む炭素膜
を被覆することが提案されている。
磁気ヘッド用コアの磁気記録媒体との摺動面に、その機
械的な保護等のために、ダイヤモンド結晶を含む炭素膜
を被覆することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなダイヤモンド結晶を含む炭素膜を摺動面に被覆し
た磁気ヘッド用コアは、耐摩耗性および耐凝着性に優れ
ているとは言い難い。
ようなダイヤモンド結晶を含む炭素膜を摺動面に被覆し
た磁気ヘッド用コアは、耐摩耗性および耐凝着性に優れ
ているとは言い難い。
【0004】なぜなら、炭素膜は、磁気テープ等の磁気
記録媒体との摺動によって大気中において温度が上昇す
ると、膜表面が酸化され、それによって耐摩耗性が劣化
するからである。
記録媒体との摺動によって大気中において温度が上昇す
ると、膜表面が酸化され、それによって耐摩耗性が劣化
するからである。
【0005】また、磁気テープ等の磁気記録媒体の磁性
体を構成する物質として酸化鉄がよく用いられるが、炭
素膜は磁性体中の鉄と反応し易いので、反応物質が膜表
面に凝着し易いからである。反応物質が膜表面に凝着す
ると、磁気記録媒体との摺動性を劣化させてしまう。
体を構成する物質として酸化鉄がよく用いられるが、炭
素膜は磁性体中の鉄と反応し易いので、反応物質が膜表
面に凝着し易いからである。反応物質が膜表面に凝着す
ると、磁気記録媒体との摺動性を劣化させてしまう。
【0006】そこでこの発明は、摺動面の耐摩耗性およ
び耐凝着性に優れた磁気ヘッド、それ用のコアおよびそ
れらの製造方法を提供することを主たる目的とする。
び耐凝着性に優れた磁気ヘッド、それ用のコアおよびそ
れらの製造方法を提供することを主たる目的とする。
【0007】
【発明の概要】この発明に係る磁気ヘッドおよびそれ用
のコアは、簡単に言えば、磁気記録媒体との摺動面に、
窒化炭素から成る保護膜を被覆していることを特徴とす
る。
のコアは、簡単に言えば、磁気記録媒体との摺動面に、
窒化炭素から成る保護膜を被覆していることを特徴とす
る。
【0008】この発明に係る製造方法は、簡単に言え
ば、真空雰囲気中で、保護膜被覆前の磁気ヘッドまたは
それ用のコアの磁気記録媒体との摺動面に、炭素の蒸着
と、窒素イオンの照射とを行うことによって、前記摺動
面に、窒化炭素を含む保護膜を被覆することを特徴とす
る。
ば、真空雰囲気中で、保護膜被覆前の磁気ヘッドまたは
それ用のコアの磁気記録媒体との摺動面に、炭素の蒸着
と、窒素イオンの照射とを行うことによって、前記摺動
面に、窒化炭素を含む保護膜を被覆することを特徴とす
る。
【0009】
【作用】窒化炭素は、ダイヤモンドと同程度に高硬度で
あり、しかも磁気記録媒体との摩擦等による温度上昇に
よる硬度低下も少ない。それゆえ、摺動面にこのような
窒化炭素から成る保護膜を被覆した上記磁気ヘッドおよ
びそれ用のコアは、磁気記録媒体が保護膜表面を摺動し
ても膜の摩耗が少なく、従って摺動面の耐摩耗性に優れ
ている。
あり、しかも磁気記録媒体との摩擦等による温度上昇に
よる硬度低下も少ない。それゆえ、摺動面にこのような
窒化炭素から成る保護膜を被覆した上記磁気ヘッドおよ
びそれ用のコアは、磁気記録媒体が保護膜表面を摺動し
ても膜の摩耗が少なく、従って摺動面の耐摩耗性に優れ
ている。
【0010】しかも上記窒化炭素は、化学的安定性が高
く、磁気記録媒体の磁性体を構成する鉄やニッケル等と
反応しない。それゆえ、摺動面にこのような窒化炭素か
ら成る保護膜を被覆した上記磁気ヘッドおよびそれ用の
コアは、磁気記録媒体が保護膜表面を摺動しても反応物
質が膜表面に殆ど生成しないので、反応物質が膜表面に
凝着しにくく、耐凝着性に優れている。従って、磁気記
録媒体との摺動性劣化も生じにくい。
く、磁気記録媒体の磁性体を構成する鉄やニッケル等と
反応しない。それゆえ、摺動面にこのような窒化炭素か
ら成る保護膜を被覆した上記磁気ヘッドおよびそれ用の
コアは、磁気記録媒体が保護膜表面を摺動しても反応物
質が膜表面に殆ど生成しないので、反応物質が膜表面に
凝着しにくく、耐凝着性に優れている。従って、磁気記
録媒体との摺動性劣化も生じにくい。
【0011】上記製造方法によれば、磁気ヘッドまたは
それ用のコアの摺動面における蒸着炭素と照射窒素イオ
ンとの衝突によって炭素と窒素との反応が起こり、それ
によって低温下で、窒化炭素を含む保護膜を前記摺動面
に容易に形成することができる。
それ用のコアの摺動面における蒸着炭素と照射窒素イオ
ンとの衝突によって炭素と窒素との反応が起こり、それ
によって低温下で、窒化炭素を含む保護膜を前記摺動面
に容易に形成することができる。
【0012】
【実施例】図1は、この発明に係る磁気ヘッド用コアの
一例を拡大して示す概略平面図である。
一例を拡大して示す概略平面図である。
【0013】この磁気ヘッド用コア2は、磁気記録媒体
との摺動面6に、窒化炭素(CN)から成る保護膜8を
被覆している。4はギャップである。
との摺動面6に、窒化炭素(CN)から成る保護膜8を
被覆している。4はギャップである。
【0014】コア2の材質、形状、構造等に限定はな
い。
い。
【0015】例えば、コア2の材質としては、パーマロ
イ、センダスト、フェライト、ミューメタル、コバルト
等が採り得る。
イ、センダスト、フェライト、ミューメタル、コバルト
等が採り得る。
【0016】コア2の形状としては、例えば、図1、図
3に示すような馬てい形状、図4に示すような四角形
状、更にはその他の形状が採り得る。
3に示すような馬てい形状、図4に示すような四角形
状、更にはその他の形状が採り得る。
【0017】コア2の構造としては、例えば、一体構
造、薄板の積層構造、薄膜ヘッド用の薄膜構造、更には
その他の構造が採り得る。
造、薄板の積層構造、薄膜ヘッド用の薄膜構造、更には
その他の構造が採り得る。
【0018】相手の磁気記録媒体は、例えば、磁気テー
プ、磁気ディスク、磁気カード等であって任意である。
プ、磁気ディスク、磁気カード等であって任意である。
【0019】保護膜8の膜厚は、あまり厚くせずに例え
ば数μm程度以下にするのが好ましい。これは、その膜
厚が大きくなるほど、コア2を磁気ヘッドとして使用す
るとときにその摺動面6と相手側の磁気記録媒体との間
の空隙長が大きくなって損失(スペーシングロス)が増
大し、それによって感度(SN比)等の磁気特性が低下
する傾向にあるからである。
ば数μm程度以下にするのが好ましい。これは、その膜
厚が大きくなるほど、コア2を磁気ヘッドとして使用す
るとときにその摺動面6と相手側の磁気記録媒体との間
の空隙長が大きくなって損失(スペーシングロス)が増
大し、それによって感度(SN比)等の磁気特性が低下
する傾向にあるからである。
【0020】具体的には、保護膜8の膜厚は、用途等に
応じて適宜選択すれば良い。例えば、コンピュータ、ビ
デオテープレコーダ用の場合は50nm程度以下、オー
ディオ用の場合は100nm程度以下、カードリーダ用
の場合は数μm程度以下にするのが好ましい。膜厚の下
限は、特に限定はないが、長期間の使用による摩耗を考
慮すると、例えば数Å〜数nm程度にするのが好まし
い。
応じて適宜選択すれば良い。例えば、コンピュータ、ビ
デオテープレコーダ用の場合は50nm程度以下、オー
ディオ用の場合は100nm程度以下、カードリーダ用
の場合は数μm程度以下にするのが好ましい。膜厚の下
限は、特に限定はないが、長期間の使用による摩耗を考
慮すると、例えば数Å〜数nm程度にするのが好まし
い。
【0021】窒化炭素は、ダイヤモンドと同程度に高硬
度であり、しかも磁気記録媒体との摩擦等による温度上
昇による硬度低下も少ない。それゆえ、摺動面6にこの
ような窒化炭素から成る保護膜8を被覆した上記磁気ヘ
ッド用コア2は、磁気記録媒体が保護膜8の表面を摺動
しても膜の摩耗が少なく、従って摺動面の耐摩耗性に優
れている。
度であり、しかも磁気記録媒体との摩擦等による温度上
昇による硬度低下も少ない。それゆえ、摺動面6にこの
ような窒化炭素から成る保護膜8を被覆した上記磁気ヘ
ッド用コア2は、磁気記録媒体が保護膜8の表面を摺動
しても膜の摩耗が少なく、従って摺動面の耐摩耗性に優
れている。
【0022】しかも上記窒化炭素は、化学的安定性が高
く、磁気記録媒体の磁性体を構成する鉄やニッケル等と
反応しない。それゆえ、摺動面6にこのような窒化炭素
から成る保護膜8を被覆した上記磁気ヘッド用コア2
は、磁気記録媒体が保護膜8の表面を摺動しても反応物
質が膜表面に殆ど生成しないので、反応物質が膜表面に
凝着しにくく、耐凝着性に優れている。従って、磁気記
録媒体との摺動性劣化が生じにくい。
く、磁気記録媒体の磁性体を構成する鉄やニッケル等と
反応しない。それゆえ、摺動面6にこのような窒化炭素
から成る保護膜8を被覆した上記磁気ヘッド用コア2
は、磁気記録媒体が保護膜8の表面を摺動しても反応物
質が膜表面に殆ど生成しないので、反応物質が膜表面に
凝着しにくく、耐凝着性に優れている。従って、磁気記
録媒体との摺動性劣化が生じにくい。
【0023】上記保護膜8を、窒化炭素と窒化炭素以外
の炭素とが混じり合って成るものとしても良い。この場
合、窒化炭素以外の炭素は、ダイヤモンド構造、アモル
ファス構造、グラファイト構造のいずれの構造でも良
い。即ち、保護膜8を、ダイヤモンド構造の炭素、アモ
ルファス構造の炭素およびグラファイト構造の炭素の内
の少なくとも一種と窒化炭素とが混じり合って成るもの
としても良い。
の炭素とが混じり合って成るものとしても良い。この場
合、窒化炭素以外の炭素は、ダイヤモンド構造、アモル
ファス構造、グラファイト構造のいずれの構造でも良
い。即ち、保護膜8を、ダイヤモンド構造の炭素、アモ
ルファス構造の炭素およびグラファイト構造の炭素の内
の少なくとも一種と窒化炭素とが混じり合って成るもの
としても良い。
【0024】保護膜8を、アモルファス構造の炭素およ
びグラファイト構造の炭素の少なくとも一種と窒化炭素
とが混じり合って成るものとすれば、窒化炭素はダイヤ
モンドと同等の硬度を有するので、それとアモルファス
構造の炭素やグラファイト構造の炭素と混合しても保護
膜8の耐摩耗性はあまり低下しない反面、アモルファ
ス構造の炭素やグラファイト構造の炭素は粒子が細かい
ため保護膜8の表面が滑らかになり、潤滑性が向上す
る、アモルファス構造の炭素やグラファイト構造の炭
素は窒化炭素よりも靱性が高いので、これらを混ぜると
保護膜8の靱性が向上して膜のチッピング(欠け)が少
なくなる、等の利点が生じる。
びグラファイト構造の炭素の少なくとも一種と窒化炭素
とが混じり合って成るものとすれば、窒化炭素はダイヤ
モンドと同等の硬度を有するので、それとアモルファス
構造の炭素やグラファイト構造の炭素と混合しても保護
膜8の耐摩耗性はあまり低下しない反面、アモルファ
ス構造の炭素やグラファイト構造の炭素は粒子が細かい
ため保護膜8の表面が滑らかになり、潤滑性が向上す
る、アモルファス構造の炭素やグラファイト構造の炭
素は窒化炭素よりも靱性が高いので、これらを混ぜると
保護膜8の靱性が向上して膜のチッピング(欠け)が少
なくなる、等の利点が生じる。
【0025】保護膜8を、窒化炭素とダイヤモンド構造
の炭素とが混じり合って成るものとすれば、窒化炭素と
ダイヤモンド構造の炭素は共に高硬度であるので、保護
膜8の硬度を更に高めてその耐摩耗性を更に向上させる
ことも可能になる。
の炭素とが混じり合って成るものとすれば、窒化炭素と
ダイヤモンド構造の炭素は共に高硬度であるので、保護
膜8の硬度を更に高めてその耐摩耗性を更に向上させる
ことも可能になる。
【0026】保護膜8を、窒化炭素、アモルファス
構造の炭素とグラファイト構造の炭素の少なくとも一
種、およびダイヤモンド構造の炭素が混じり合って成
るものとすれば、上記理由から、保護膜8の耐摩耗性向
上、潤滑性向上および靱性向上を並立させることができ
る。
構造の炭素とグラファイト構造の炭素の少なくとも一
種、およびダイヤモンド構造の炭素が混じり合って成
るものとすれば、上記理由から、保護膜8の耐摩耗性向
上、潤滑性向上および靱性向上を並立させることができ
る。
【0027】上記保護膜8中の窒化/炭素の組成比(N
/C組成比)は、0.1〜1にするのが好ましい。0.
1未満だと窒化炭素が十分に生成されずその効果が発揮
できないからである。N/C組成比が0.1以上あれ
ば、保護膜8中には窒化炭素が幾らかの割合で存在して
おり、仮に窒化炭素以外の部分が酸化されたとしても、
保護膜8中には窒化炭素が残っていて、この窒化炭素に
よる保護膜8の硬度劣化防止作用および反応物質の凝着
防止作用が期待できるので、保護膜8は従来例の炭素の
みの膜よりも、耐摩耗性および耐凝着性に優れている。
1より大にしないのは、化学量論的組成比である1を超
えるのは困難だからである。
/C組成比)は、0.1〜1にするのが好ましい。0.
1未満だと窒化炭素が十分に生成されずその効果が発揮
できないからである。N/C組成比が0.1以上あれ
ば、保護膜8中には窒化炭素が幾らかの割合で存在して
おり、仮に窒化炭素以外の部分が酸化されたとしても、
保護膜8中には窒化炭素が残っていて、この窒化炭素に
よる保護膜8の硬度劣化防止作用および反応物質の凝着
防止作用が期待できるので、保護膜8は従来例の炭素の
みの膜よりも、耐摩耗性および耐凝着性に優れている。
1より大にしないのは、化学量論的組成比である1を超
えるのは困難だからである。
【0028】次に、磁気ヘッド用コアに上記のような保
護膜8を被覆する方法の例を図2を参照して説明する。
護膜8を被覆する方法の例を図2を参照して説明する。
【0029】保護膜被覆前の磁気ヘッド用コア2aが例
えばホルダ22に取り付けられて真空容器(図示省略)
内に収納されており、それに向けて蒸発源24およびイ
オン源28が配置されている。なお、必要に応じて複数
のコア2aを並べてホルダ22に取り付けても良い。
えばホルダ22に取り付けられて真空容器(図示省略)
内に収納されており、それに向けて蒸発源24およびイ
オン源28が配置されている。なお、必要に応じて複数
のコア2aを並べてホルダ22に取り付けても良い。
【0030】蒸発源24は、例えば電子ビーム蒸発源で
あり、蒸発材料25として炭素ペレットを有しており、
それを電子ビームによって加熱蒸気化して得られる炭素
26をコア2aの摺動面6に蒸着させることができる。
もっとも、炭素は昇華性であるため電子ビーム蒸発源で
は膜形成速度が遅い場合もあり、その場合は蒸発源24
として、炭素から成るターゲットを不活性ガスイオンの
照射やマグネトロン放電によってスパッタさせる方式の
もの、あるいは炭素から成るカソードにおける真空アー
ク放電によって炭素を蒸発させる方式のもの等としても
良く、更にはこれらを併用しても良い。
あり、蒸発材料25として炭素ペレットを有しており、
それを電子ビームによって加熱蒸気化して得られる炭素
26をコア2aの摺動面6に蒸着させることができる。
もっとも、炭素は昇華性であるため電子ビーム蒸発源で
は膜形成速度が遅い場合もあり、その場合は蒸発源24
として、炭素から成るターゲットを不活性ガスイオンの
照射やマグネトロン放電によってスパッタさせる方式の
もの、あるいは炭素から成るカソードにおける真空アー
ク放電によって炭素を蒸発させる方式のもの等としても
良く、更にはこれらを併用しても良い。
【0031】イオン源28も、イオン(具体的にはイオ
ンビーム)30を加速して引き出すことができるもので
あれば、その方式は問わない。例えば、多極磁場型のい
わゆるバケット型イオン源が、大面積大電流であって一
度に大面積の処理が可能になる等の点で好ましいが、勿
論それ以外のイオン源でも良い。
ンビーム)30を加速して引き出すことができるもので
あれば、その方式は問わない。例えば、多極磁場型のい
わゆるバケット型イオン源が、大面積大電流であって一
度に大面積の処理が可能になる等の点で好ましいが、勿
論それ以外のイオン源でも良い。
【0032】このイオン源28から引き出すイオン30
は、この例では、窒素イオン、または窒素イオンと不活
性ガスイオン(例えばAr イオン、He イオン、Ne イ
オン、Kr イオン、Xe イオン)との混合イオンであ
る。
は、この例では、窒素イオン、または窒素イオンと不活
性ガスイオン(例えばAr イオン、He イオン、Ne イ
オン、Kr イオン、Xe イオン)との混合イオンであ
る。
【0033】成膜に際しては、真空容器内を例えば10
-5〜10-7Torr程度まで排気した後、蒸発源24か
らの炭素26をコア2aの摺動面6に蒸着させるのと同
時に、またはそれと交互に、あるいは間歇的に、イオン
源28からの上記のようなイオン30を当該摺動面6に
向けて照射する。
-5〜10-7Torr程度まで排気した後、蒸発源24か
らの炭素26をコア2aの摺動面6に蒸着させるのと同
時に、またはそれと交互に、あるいは間歇的に、イオン
源28からの上記のようなイオン30を当該摺動面6に
向けて照射する。
【0034】その結果、コア2aの摺動面6における蒸
着炭素と照射窒素イオンとの衝突によって炭素と窒素と
の反応が起こり、それによって摺動面6に、窒化炭素を
含む、即ち窒化炭素から成る、またはダイヤモンド構造
の炭素、アモルファス構造の炭素およびグラファイト構
造の炭素の内の少なくとも一種と窒化炭素とが混じり合
って成る、前述したような保護膜8が形成され、前述し
たような磁気ヘッド用コア2が作られる。
着炭素と照射窒素イオンとの衝突によって炭素と窒素と
の反応が起こり、それによって摺動面6に、窒化炭素を
含む、即ち窒化炭素から成る、またはダイヤモンド構造
の炭素、アモルファス構造の炭素およびグラファイト構
造の炭素の内の少なくとも一種と窒化炭素とが混じり合
って成る、前述したような保護膜8が形成され、前述し
たような磁気ヘッド用コア2が作られる。
【0035】しかも、照射イオン30のエネルギーによ
る炭素の励起作用を利用して窒化炭素を生成することが
できるため、コア2aを敢えて加熱する必要はなく、上
記のような窒化炭素を含む保護膜8を低温下で、例えば
磁気ヘッドやそれ用のコアを構成する物質に対して熱的
な損傷を与えないような低温下で、容易に形成すること
ができる。例えば、後述する図5に示す磁気ヘッド10
では、充填物16の耐熱性を考慮して100℃以下にて
保護膜8を形成する必要があるが、この発明に係る方法
では上記温度以下で保護膜8を形成することができる。
る炭素の励起作用を利用して窒化炭素を生成することが
できるため、コア2aを敢えて加熱する必要はなく、上
記のような窒化炭素を含む保護膜8を低温下で、例えば
磁気ヘッドやそれ用のコアを構成する物質に対して熱的
な損傷を与えないような低温下で、容易に形成すること
ができる。例えば、後述する図5に示す磁気ヘッド10
では、充填物16の耐熱性を考慮して100℃以下にて
保護膜8を形成する必要があるが、この発明に係る方法
では上記温度以下で保護膜8を形成することができる。
【0036】また、イオン30の押し込み(ノックオ
ン)作用によって、コア2aの母材と保護膜8との界面
付近にそれらの構成元素より成る混合層が形成され、こ
れがあたかも楔のような働きをするので、摺動面6に対
する密着性の高い保護膜8が得られる。
ン)作用によって、コア2aの母材と保護膜8との界面
付近にそれらの構成元素より成る混合層が形成され、こ
れがあたかも楔のような働きをするので、摺動面6に対
する密着性の高い保護膜8が得られる。
【0037】また、上記イオン30を、窒素イオンと不
活性ガスイオンとの混合イオンにすれば、不活性ガスイ
オンが、保護膜8中で窒化炭素にならずに残った炭素
を、即ち通常はグラファイト構造の炭素を、ダイヤモン
ドに結晶成長させるための核形成エネルギー供給源とし
て作用するので、保護膜8中にダイヤモンド構造の炭素
を生成しやすくなる。勿論、窒素イオンと不活性ガスイ
オンとを別のイオン源から摺動面6に照射するようにし
ても良い。
活性ガスイオンとの混合イオンにすれば、不活性ガスイ
オンが、保護膜8中で窒化炭素にならずに残った炭素
を、即ち通常はグラファイト構造の炭素を、ダイヤモン
ドに結晶成長させるための核形成エネルギー供給源とし
て作用するので、保護膜8中にダイヤモンド構造の炭素
を生成しやすくなる。勿論、窒素イオンと不活性ガスイ
オンとを別のイオン源から摺動面6に照射するようにし
ても良い。
【0038】摺動面6のみに保護膜8を被覆する必要が
ある場合は、例えば摺動面6のみが露出ようなマスクを
用いる等すれば良い。また、ギャップ4に保護膜8が被
覆されても、当該保護膜8は非磁性だから特に支障はな
い。
ある場合は、例えば摺動面6のみが露出ようなマスクを
用いる等すれば良い。また、ギャップ4に保護膜8が被
覆されても、当該保護膜8は非磁性だから特に支障はな
い。
【0039】照射イオンのエネルギーは、その照射によ
って保護膜8の内部にダメージ(欠陥部)が発生するの
を極力少なくする観点、および磁気ヘッドやそのコアを
構成する物質に対する熱的な損傷を防ぐ観点から、10
KeV程度以下の低エネルギーにするのが好ましく、下
限は、あまり低くすると窒化炭素が生成されにくくなる
ので数百eV以上にするのが好ましい。このような範囲
内でも、1KeV〜数KeV程度のエネルギーがより好
ましい。
って保護膜8の内部にダメージ(欠陥部)が発生するの
を極力少なくする観点、および磁気ヘッドやそのコアを
構成する物質に対する熱的な損傷を防ぐ観点から、10
KeV程度以下の低エネルギーにするのが好ましく、下
限は、あまり低くすると窒化炭素が生成されにくくなる
ので数百eV以上にするのが好ましい。このような範囲
内でも、1KeV〜数KeV程度のエネルギーがより好
ましい。
【0040】摺動面6に対するイオンの照射角度(即ち
摺動面6の表面に対する垂線との間の角度)は、0度〜
80度程度の範囲内にするのが好ましく、そのようにす
れば、イオンの照射に伴う蒸着炭素のスパッタを小さく
抑えることができる。
摺動面6の表面に対する垂線との間の角度)は、0度〜
80度程度の範囲内にするのが好ましく、そのようにす
れば、イオンの照射に伴う蒸着炭素のスパッタを小さく
抑えることができる。
【0041】また、膜作製時には、コア2aに対する熱
的影響をより少なくするために、必要に応じてコア2a
を冷却手段(図示省略)よって例えば室温〜100℃程
度以内になるように冷却しても良い。
的影響をより少なくするために、必要に応じてコア2a
を冷却手段(図示省略)よって例えば室温〜100℃程
度以内になるように冷却しても良い。
【0042】次により具体的な実施例を説明すると、図
2に示したような装置を用いて、実施例1として、Mn
−Zn フェライトより成るVTR用の磁気ヘッド用コア
2aの摺動面6に、炭素の蒸着と窒素イオンの照射とを
行って保護膜8を形成した。このとき、保護膜8の膜厚
は30nm、成膜前の真空度は2.0×10-6Tor
r、成膜中の真空度は5.0×10-5Torr、イオン
の加速エネルギーは1.0KeV、膜中のN/C組成比
は0.5とした。
2に示したような装置を用いて、実施例1として、Mn
−Zn フェライトより成るVTR用の磁気ヘッド用コア
2aの摺動面6に、炭素の蒸着と窒素イオンの照射とを
行って保護膜8を形成した。このとき、保護膜8の膜厚
は30nm、成膜前の真空度は2.0×10-6Tor
r、成膜中の真空度は5.0×10-5Torr、イオン
の加速エネルギーは1.0KeV、膜中のN/C組成比
は0.5とした。
【0043】実施例2として、照射イオンを、窒素イオ
ンとアルゴンイオンとの混合イオンにした。このとき窒
素/アルゴンのイオン比は1とした。その他は実施例1
と同じにした。
ンとアルゴンイオンとの混合イオンにした。このとき窒
素/アルゴンのイオン比は1とした。その他は実施例1
と同じにした。
【0044】比較例として、照射イオンをアルゴンイオ
ンのみにした。その他は実施例1と同じにした。
ンのみにした。その他は実施例1と同じにした。
【0045】上記実施例1、2および比較例によって得
られた磁気ヘッド用コアを用いて、酸化鉄テープの走行
テストを行った結果を次に示す。
られた磁気ヘッド用コアを用いて、酸化鉄テープの走行
テストを行った結果を次に示す。
【0046】(1)温度25℃、湿度50%の下での耐
摩耗性テスト:実施例1、2および比較例の磁気ヘッド
用コアは、いずれも、500時間の耐摩耗性を発揮し
た。
摩耗性テスト:実施例1、2および比較例の磁気ヘッド
用コアは、いずれも、500時間の耐摩耗性を発揮し
た。
【0047】(2)温度60℃、湿度50%の下での耐
凝着性テスト:実施例1および2の磁気ヘッド用コア
は、500時間走行中にテープ粉の凝着は見られなかっ
たのに対して、比較例の磁気ヘッド用コアは、200時
間走行でテープ粉が膜表面に凝着した。
凝着性テスト:実施例1および2の磁気ヘッド用コア
は、500時間走行中にテープ粉の凝着は見られなかっ
たのに対して、比較例の磁気ヘッド用コアは、200時
間走行でテープ粉が膜表面に凝着した。
【0048】上記のような結果になったのは、比較例の
磁気ヘッド用コアは、保護膜形成時の照射イオンをアル
ゴンイオンのみとしたため、保護膜中に窒化炭素が全く
生成されなかったためである。
磁気ヘッド用コアは、保護膜形成時の照射イオンをアル
ゴンイオンのみとしたため、保護膜中に窒化炭素が全く
生成されなかったためである。
【0049】図3および図4は、この発明に係る磁気ヘ
ッドの例を拡大して示す概略平面図である。
ッドの例を拡大して示す概略平面図である。
【0050】この磁気ヘッド10は、前述したような磁
気ヘッド用コア2にコイル12を巻いたものである。そ
して、その磁気記録媒体との摺動面6に、前述したよう
な、窒化炭素から成る、あるいは窒化炭素を含む保護膜
8を被覆している。摺動面6に保護膜8を被覆する方法
は、前記と同様である。
気ヘッド用コア2にコイル12を巻いたものである。そ
して、その磁気記録媒体との摺動面6に、前述したよう
な、窒化炭素から成る、あるいは窒化炭素を含む保護膜
8を被覆している。摺動面6に保護膜8を被覆する方法
は、前記と同様である。
【0051】但し、コア2の形状、構造およびコイル1
2の巻き方等は、この例のようなもの以外でも良い。
2の巻き方等は、この例のようなもの以外でも良い。
【0052】この磁気ヘッド10も、前記と同様の理由
から、摺動面の耐摩耗性および耐凝着性に優れている。
から、摺動面の耐摩耗性および耐凝着性に優れている。
【0053】なお、コアでない部分にも上記のような保
護膜8を被覆しても良い。そのようにした磁気ヘッドの
例を図5に示す。
護膜8を被覆しても良い。そのようにした磁気ヘッドの
例を図5に示す。
【0054】図5の磁気ヘッド10は、例えばオーディ
オ用のものであり、上下二つのコア2間にシールド板1
4を介在させたものの前面部を、例えば樹脂より成る充
填物16内に埋め込み、更にそれらをケース18内に収
納して成る。
オ用のものであり、上下二つのコア2間にシールド板1
4を介在させたものの前面部を、例えば樹脂より成る充
填物16内に埋め込み、更にそれらをケース18内に収
納して成る。
【0055】このような磁気ヘッドの場合、磁気テープ
はコア2の前面だけでなく、シールド板14、充填物1
6およびケース18の前面にも接触摺動するので、その
ような磁気テープとの摺動面20の全体に、前述したよ
うな保護膜8を被覆している。
はコア2の前面だけでなく、シールド板14、充填物1
6およびケース18の前面にも接触摺動するので、その
ような磁気テープとの摺動面20の全体に、前述したよ
うな保護膜8を被覆している。
【0056】このようにすれば、磁気テープが摺動する
面全体において、耐摩耗性および耐凝着性を向上させる
ことができる。
面全体において、耐摩耗性および耐凝着性を向上させる
ことができる。
【0057】薄膜ヘッドの場合も、磁気記録媒体との摺
動面に上記のような保護膜8を被覆すれば良く、それに
よって摺動面の耐摩耗性および耐凝着性を向上させるこ
とができる。
動面に上記のような保護膜8を被覆すれば良く、それに
よって摺動面の耐摩耗性および耐凝着性を向上させるこ
とができる。
【0058】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
るので、次のような効果を奏する。
【0059】請求項1の磁気ヘッド用コアは、磁気記録
媒体との摺動面に窒化炭素から成る保護膜を被覆してお
り、窒化炭素はダイヤモンドと同程度に高硬度でありか
つ温度上昇による硬度低下が少なく、しかも化学的安定
性が高くて磁気記録媒体の磁性体を構成する鉄やニッケ
ル等と反応しないので、摺動面の耐摩耗性および耐凝着
性に優れている。
媒体との摺動面に窒化炭素から成る保護膜を被覆してお
り、窒化炭素はダイヤモンドと同程度に高硬度でありか
つ温度上昇による硬度低下が少なく、しかも化学的安定
性が高くて磁気記録媒体の磁性体を構成する鉄やニッケ
ル等と反応しないので、摺動面の耐摩耗性および耐凝着
性に優れている。
【0060】請求項2の磁気ヘッド用コアは、磁気記録
媒体との摺動面に、ダイヤモンド構造の炭素、アモルフ
ァス構造の炭素およびグラファイト構造の炭素の内の少
なくとも一種と窒化炭素とが混じり合って成る保護膜を
被覆しており、保護膜中に窒化炭素を含んでいるので、
摺動面の耐摩耗性および耐凝着性に優れている。それに
加えて、ダイヤモンド構造の炭素を含むことによって保
護膜の耐摩耗性をより向上させることができ、アモルフ
ァス構造の炭素またはグラファイト構造の炭素を含むこ
とによって保護膜の潤滑性向上および靱性向上を実現す
ることができる。
媒体との摺動面に、ダイヤモンド構造の炭素、アモルフ
ァス構造の炭素およびグラファイト構造の炭素の内の少
なくとも一種と窒化炭素とが混じり合って成る保護膜を
被覆しており、保護膜中に窒化炭素を含んでいるので、
摺動面の耐摩耗性および耐凝着性に優れている。それに
加えて、ダイヤモンド構造の炭素を含むことによって保
護膜の耐摩耗性をより向上させることができ、アモルフ
ァス構造の炭素またはグラファイト構造の炭素を含むこ
とによって保護膜の潤滑性向上および靱性向上を実現す
ることができる。
【0061】請求項3の磁気ヘッドは、磁気記録媒体と
の摺動面に窒化炭素から成る保護膜を被覆しており、窒
化炭素はダイヤモンドと同程度に高硬度でありかつ温度
上昇による硬度低下が少なく、しかも化学的安定性が高
くて磁気記録媒体の磁性体を構成する鉄やニッケル等と
反応しないので、摺動面の耐摩耗性および耐凝着性に優
れている。
の摺動面に窒化炭素から成る保護膜を被覆しており、窒
化炭素はダイヤモンドと同程度に高硬度でありかつ温度
上昇による硬度低下が少なく、しかも化学的安定性が高
くて磁気記録媒体の磁性体を構成する鉄やニッケル等と
反応しないので、摺動面の耐摩耗性および耐凝着性に優
れている。
【0062】請求項4の磁気ヘッドは、磁気記録媒体と
の摺動面に、ダイヤモンド構造の炭素、アモルファス構
造の炭素およびグラファイト構造の炭素の内の少なくと
も一種と窒化炭素とが混じり合って成る保護膜を被覆し
ており、保護膜中に窒化炭素を含んでいるので、摺動面
の耐摩耗性および耐凝着性に優れている。それに加え
て、ダイヤモンド構造の炭素を含むことによって保護膜
の耐摩耗性をより向上させることができ、アモルファス
構造の炭素またはグラファイト構造の炭素を含むことに
よって保護膜の潤滑性向上および靱性向上を実現するこ
とができる。
の摺動面に、ダイヤモンド構造の炭素、アモルファス構
造の炭素およびグラファイト構造の炭素の内の少なくと
も一種と窒化炭素とが混じり合って成る保護膜を被覆し
ており、保護膜中に窒化炭素を含んでいるので、摺動面
の耐摩耗性および耐凝着性に優れている。それに加え
て、ダイヤモンド構造の炭素を含むことによって保護膜
の耐摩耗性をより向上させることができ、アモルファス
構造の炭素またはグラファイト構造の炭素を含むことに
よって保護膜の潤滑性向上および靱性向上を実現するこ
とができる。
【0063】請求項5の製造方法によれば、磁気ヘッド
用コアの摺動面における蒸着炭素と照射窒素イオンとの
衝突によって炭素と窒素との反応が起こり、それによっ
て同コアを構成する物質に対して熱的な損傷を与えない
ような低温下で、窒化炭素を含む保護膜を前記摺動面に
容易に形成することができる。
用コアの摺動面における蒸着炭素と照射窒素イオンとの
衝突によって炭素と窒素との反応が起こり、それによっ
て同コアを構成する物質に対して熱的な損傷を与えない
ような低温下で、窒化炭素を含む保護膜を前記摺動面に
容易に形成することができる。
【0064】請求項6の製造方法によれば、請求項5の
製造方法の効果に加えて、不活性ガスイオンが、保護膜
中で窒化炭素にならなかった炭素をダイヤモンドに結晶
成長させるための核形成エネルギー供給源として作用す
るので、保護膜中にダイヤモンド構造の炭素を生成しや
すくなる、という更なる効果を奏する。
製造方法の効果に加えて、不活性ガスイオンが、保護膜
中で窒化炭素にならなかった炭素をダイヤモンドに結晶
成長させるための核形成エネルギー供給源として作用す
るので、保護膜中にダイヤモンド構造の炭素を生成しや
すくなる、という更なる効果を奏する。
【0065】請求項7の製造方法によれば、磁気ヘッド
の摺動面における蒸着炭素と照射窒素イオンとの衝突に
よって炭素と窒素との反応が起こり、それによって磁気
ヘッドを構成する物質に対して熱的な損傷を与えないよ
うな低温下で、窒化炭素を含む保護膜を前記摺動面に容
易に形成することができる。
の摺動面における蒸着炭素と照射窒素イオンとの衝突に
よって炭素と窒素との反応が起こり、それによって磁気
ヘッドを構成する物質に対して熱的な損傷を与えないよ
うな低温下で、窒化炭素を含む保護膜を前記摺動面に容
易に形成することができる。
【0066】請求項8の製造方法によれば、請求項7の
製造方法の効果に加えて、不活性ガスイオンが、保護膜
中で窒化炭素にならなかった炭素をダイヤモンドに結晶
成長させるための核形成エネルギー供給源として作用す
るので、保護膜中にダイヤモンド構造の炭素を生成しや
すくなる、という更なる効果を奏する。
製造方法の効果に加えて、不活性ガスイオンが、保護膜
中で窒化炭素にならなかった炭素をダイヤモンドに結晶
成長させるための核形成エネルギー供給源として作用す
るので、保護膜中にダイヤモンド構造の炭素を生成しや
すくなる、という更なる効果を奏する。
【図1】この発明に係る磁気ヘッド用コアの一例を拡大
して示す概略平面図である。
して示す概略平面図である。
【図2】この発明に係る製造方法を実施する装置の一例
を示す概略図である。
を示す概略図である。
【図3】この発明に係る磁気ヘッドの一例を拡大して示
す概略平面図である。
す概略平面図である。
【図4】この発明に係る磁気ヘッドの他の例を拡大して
示す概略平面図である。
示す概略平面図である。
【図5】この発明に係る磁気ヘッドの更に他の例を拡大
して示す概略正面図である。
して示す概略正面図である。
2 磁気ヘッド用コア 2a 保護膜被覆前の磁気ヘッド用コア 6 摺動面 8 保護膜 10 磁気ヘッド 20 摺動面 24 蒸発源 26 炭素 28 イオン源 30 イオン
Claims (8)
- 【請求項1】 磁気記録媒体との摺動面に、窒化炭素か
ら成る保護膜を被覆していることを特徴とする磁気ヘッ
ド用コア。 - 【請求項2】 磁気記録媒体との摺動面に、ダイヤモン
ド構造の炭素、アモルファス構造の炭素およびグラファ
イト構造の炭素の内の少なくとも一種と窒化炭素とが混
じり合って成る保護膜を被覆していることを特徴とする
磁気ヘッド用コア。 - 【請求項3】 磁気記録媒体との摺動面に、窒化炭素か
ら成る保護膜を被覆していることを特徴とする磁気ヘッ
ド。 - 【請求項4】 磁気記録媒体との摺動面に、ダイヤモン
ド構造の炭素、アモルファス構造の炭素およびグラファ
イト構造の炭素の内の少なくとも一種と窒化炭素とが混
じり合って成る保護膜を被覆していることを特徴とする
磁気ヘッド。 - 【請求項5】 真空雰囲気中で、保護膜被覆前の磁気ヘ
ッド用コアの磁気記録媒体との摺動面に、炭素の蒸着
と、窒素イオンの照射とを行うことによって、前記摺動
面に、窒化炭素を含む保護膜を被覆することを特徴とす
る磁気ヘッド用コアの製造方法。 - 【請求項6】 真空雰囲気中で、保護膜被覆前の磁気ヘ
ッド用コアの磁気記録媒体との摺動面に、炭素の蒸着
と、窒素イオンおよび不活性ガスイオンの照射とを行う
ことによって、前記摺動面に、窒化炭素を含む保護膜を
被覆することを特徴とする磁気ヘッド用コアの製造方
法。 - 【請求項7】 真空雰囲気中で、保護膜被覆前の磁気ヘ
ッドの磁気記録媒体との摺動面に、炭素の蒸着と、窒素
イオンの照射とを行うことによって、前記摺動面に、窒
化炭素を含む保護膜を被覆することを特徴とする磁気ヘ
ッドの製造方法。 - 【請求項8】 真空雰囲気中で、保護膜被覆前の磁気ヘ
ッドの磁気記録媒体との摺動面に、炭素の蒸着と、窒素
イオンおよび不活性ガスイオンの照射とを行うことによ
って、前記摺動面に、窒化炭素を含む保護膜を被覆する
ことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2133795A JPH08194914A (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | 磁気ヘッド、それ用のコアおよびそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2133795A JPH08194914A (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | 磁気ヘッド、それ用のコアおよびそれらの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08194914A true JPH08194914A (ja) | 1996-07-30 |
Family
ID=12052314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2133795A Pending JPH08194914A (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | 磁気ヘッド、それ用のコアおよびそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08194914A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6724290B1 (en) * | 1999-09-24 | 2004-04-20 | Robert Bosch Gmbh | Microcoil |
JP2006019002A (ja) * | 2004-06-29 | 2006-01-19 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | 磨耗ゲージ及びそれの使用方法 |
-
1995
- 1995-01-13 JP JP2133795A patent/JPH08194914A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6724290B1 (en) * | 1999-09-24 | 2004-04-20 | Robert Bosch Gmbh | Microcoil |
JP2006019002A (ja) * | 2004-06-29 | 2006-01-19 | Internatl Business Mach Corp <Ibm> | 磨耗ゲージ及びそれの使用方法 |
JP4525490B2 (ja) * | 2004-06-29 | 2010-08-18 | インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション | 磨耗ゲージ及びそれの使用方法 |
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