JPH081936A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JPH081936A
JPH081936A JP13434394A JP13434394A JPH081936A JP H081936 A JPH081936 A JP H081936A JP 13434394 A JP13434394 A JP 13434394A JP 13434394 A JP13434394 A JP 13434394A JP H081936 A JPH081936 A JP H081936A
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JP
Japan
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ink
liquid chamber
recording head
flexible material
material layer
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JP13434394A
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Masami Yokota
雅実 横田
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録開始初期のインク吐出不良は無く、高速
応答性に優れたインクジェッ記録ヘッド。 【構成】 吐出する圧力をインクに発生させる吐出エネ
ルギー発生体を複数配列した第1の基板1と、第1の基
板1に積層されインクを吐出する複数のオリフィス13
と各オリフィス13に連通する複数のインク流路12と
インク流路12内のインクに前記吐出エネルギー発生体
の熱エネルギーが作用する部分とを形成する固体層2
と、固体層2に積層され複数の流路12に連通し共用の
インクを供給するインク液室9を形成する第2の基板3
を備え、インク液室9の内壁には可撓性材料層10が積
層形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に装着され記録媒体に向けて記録用インクを吐出する
インクジェット記録ヘッドに関するものであり、特に記
録用インクを吐出する複数のオリフィスを有するマルチ
ノズルタイプのインクジェット記録ヘッドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、インク吐出
用の微細な孔(オリフィス)からインクを液滴として吐
出させて、該液滴を紙等の被記録材に記録情報に応じて
被着させて記録を行う記録装置であり、高速印字が可能
であり、また普通紙等に手軽に記録できるといった種々
の利点を有する。
【0003】このインクジェット記録装置は、オリフィ
スと、該オリフィスに連通するインクの流路と、該流路
においてインクの吐出のためのエネルギーを発生させる
吐出エネルギー発生体とを有するインクジェット記録ヘ
ッドを備えている。
【0004】図8は従来のインクジェット記録ヘッドの
一例の斜視図であり、図9は図8のA−A断面図、図1
0は図8のB−B断面図である。各部分の名称は図面に
記載してあり、前記周知の構成につき詳細な構成説明は
省略する。
【0005】記録を実施する際には、吐出エネルギー発
生体に吐出エネルギーを発生させ、これを流路内のイン
クに作用させて吐出のための圧力を発生させ、この圧力
を利用してインクをオリフィスから吐出させる。
【0006】インクジェット記録に用いられるインクと
しては、顔料や染料などの記録剤成分を、水,水溶性有
機溶剤または非水溶性有機溶剤などの溶媒成分に溶解も
しくは分散した組成のものが一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット記録ヘ
ッドにおけるインク吐出のための圧力は、吐出エネルギ
ー発生体で発生したエネルギーが流路内のインクに作用
することにより生じ、その圧力は流路内のインクを通じ
てオリフィス方向と、該オリフィスと反対方向にある液
室方向とに伝達される。
【0008】オリフィス方向へ伝わった圧力の作用によ
って、流路内のインクはオリフィスから押し出され、押
し出されたインクは飛翔吐出液滴を形成する。
【0009】押し出されたインクが吐出液滴となってオ
リフィスから離れる際、吐出液滴量に応じてオリフィス
部のメニスカスが後退し、このメニスカスをオリフィス
方向へ引き戻そうとする張力の作用により、ある時間の
経過後流路内のインクの充填状態は吐出前の状態に復帰
する。この現象はリフィールと呼ばれている。
【0010】実際の記録の際には以上の操作が繰り返さ
れ、良好なリフィールが行われることによって、安定し
たインク吐出が持続して得られる。
【0011】ところが、リフィールが不完全な状態で吐
出を続けると、インク吐出後のメニスカスのオリフィス
面への復帰が不完全な状態で、インク吐出を続けること
となり、その結果吐出インク滴量の減少が起き、例えば
吐出インク滴によって被記録材に形成されるインクドッ
トの径の減少など所定インク量での記録ができなくな
り、記録画像品位を極端に劣化させることになる。この
ような現象は更に、吐出インク滴の被記録材上での着弾
点精度の悪化を招き、記録画像のボケや、ヨレ,スジ,
白ヌケ等の発生の原因となり易い。
【0012】インクジェット記録法のような流体を用い
た技術における上述のような問題の解決は、流路等の構
造の改良やインクの物性の調整によって行われてきた
が、多数のオリフィスを配列した記録ヘッドにおいて
は、このような改良や調整によって充分な改善効果が得
られない場合が多い。
【0013】即ち、多数のオリフィスを有する前記図8
〜図10に示した記録ヘッドにおいては、多数のオリフ
ィスから同時にもしくは若干時間差をもってインクを吐
出させると、図11に示すように、先に述べた流路から
液室方向への圧力がインクに作用し、各流路での該圧力
が液室で一体となって1つの大きな圧力となる。これら
流路からの圧力はインクを液室方向に押しやる力として
作用し、その総和は、オリフィスを1つだけ有する記録
ヘッドの場合よりも数段大きなものとなる。その結果、
図12に示すように、良好なリフィール状態を得るに
は、インクを急激かつ大量にオリフィス方向へ動かす必
要があり、そのためにはインクの移動方向の変更のため
の初期の大きな慣性力に打ち勝つ圧力が必要とされる。
【0014】しかしながら、各流路におけるリフィール
の原動力となるオリフィス部でのメニスカスの表面張力
は、上述したような液室方向への総圧力に対抗してイン
クを瞬時に大量にオリフィス方向へ移動させるのに十分
な作用を有していない。即ち、上述したインク移動にお
ける初期の慣性力が大きくなるに従い、メニスカスの復
帰により長い時間が必要となってくる。そこでメニスカ
ス復帰のために十分な時間を取ると、記録速度の低下を
招き、またメニスカス復帰のために十分な時間が取れな
い場合には、所定の吐出インク滴量が得られず良好な記
録が行えない。このような現象は記録開始の初期に特に
顕著である。
【0015】以上説明した現象のメカニズムを図13に
示すメニスカス後退曲線で概略的に説明する。
【0016】図13における縦軸に示されたメニスカス
後退量(Lμm)とは、図14に示した流路のオリフィ
ス側部分にLで示された長さで表現されたものであり、
具体的にはオリフィスからインクのメニスカスまでの距
離に相当する。
【0017】図13に示すようにオリフィスを1つ設け
た記録ヘッドの場合()には、吐出エネルギー発生体
からのエネルギーが流路内のインクに付与される時刻t
0 からある時間経た時刻t0 ′、即ちインク吐出が行わ
れた時点にメニスカスが流路のオリフィス部に形成さ
れ、それが急激に後退する。その後退量は時刻t1 ′で
最大となりその後しだいに表面張力による復元力の作用
によりメニスカスは元の位置に戻り始め時刻t1 でリフ
ィールが終了する。
【0018】これに対し、多数のオリフィスを有する記
録ヘッド()では、t1 ′での最大値が小さく、また
リフィール速度も遅い。
【0019】これは多数の流路からのインクを後方へ押
しやる圧力の総和が、液室内でのインクの変形による圧
力の吸収容量を大幅にオーバーするために、インクの変
形で吸収しきれなかった圧力はインクを後方へ移動させ
ようとする力となって残され、この力が働くことによっ
てメニスカスの復帰のためのリフィール速度が初期にお
いて極端に遅くなることによる。
【0020】これらの現象は、連続して吐出が繰り返さ
れた後では、インク供給管から液室へのインクの定常的
な流れが形成されているので起りにくいが、吐出の初期
(特に200回吐出前後)において、即ちインクの流れ
が定常的になるまでの間に顕著である。
【0021】以上述べたような多数のオリフィスを有す
る記録ヘッドにおけるリフィール速度の低下は、吐出エ
ネルギー発生体への印字信号印加の周期が図13で示し
た時刻t0 からt2 までの時間以上に設定されていれば
問題を生じないが、高速記録のために時刻t0 からt2
までの時間よりも短い周期で印字信号を印加すると、リ
フィールが完了していない時点、例えばメニスカス後退
量が30μm以上である状態で、次の信号が印加される
と、先に述べたような吐出インク滴量が減少し良好な記
録ができなくなる。
【0022】このような問題を解決する手段として、米
国特許第4578687号により、液室の流路近傍に大
気開放部を設け、インク吐出時の液室方向への圧力を吸
収する構成が知られているが、この構成では大気開放の
ためインクの溶媒成分の蒸発を招き、記録ヘッド内のイ
ンクの粘度の増加や、インク中での固形物の析出による
流路やオリフィスの詰りなどの問題が引き起こされ、印
字不良が発生し易い。更には、振動などの影響で液室内
に気泡が発生したり、大気開放部からの記録ヘッド内へ
のゴミ等の混入を防ぐために特別な設計が必要となるな
どの問題もあり、実用的に十分であるとはいえない。
【0023】そこで、特開平1−308644号公報に
おいて、液室内もしくは液室に隣接して圧力をそれ自身
の体積変化に可逆的に変換し得る圧力―体積変換体を有
する構成が提案されている。また、特開平1−3086
43号公報において液室内壁に部分的に撥水処理部を設
け、気泡を滞留させる方法が提案されている。
【0024】しかしながら、液室内もしくは液室に隣接
した部分に圧力―体積変換体である樹脂やゴム、或いは
金属バネ等の部品を設けるには複雑な製造プロセスが必
要である。また、液室内部を部分的に撥水処理し気体を
前記撥水処理部に滞留させる方法は、例えば、回復操作
時或いはインク交換時に安定的に気体を滞留することが
困難である。また、平面でない液室内壁に部分的に撥水
処理を施すことは難しい製造プロセスであり、歩留りが
低いという問題があった。
【0025】本発明は、上記のような従来の問題点を解
消するためになされたものであり、特に記録開始初期に
おけるインク吐出不良が生ずることなく、高速応答性と
吐出安定性に優れ、信頼性の高いインクジェット記録ヘ
ッドを歩留り良く安価に提供できることを目的とするも
のである。
【0026】
【課題を解決するための手段】このため、本発明に係る
インクジェット記録ヘッドは、インクジェット記録装置
に装着され記録媒体に向けて記録用インクを吐出するイ
ンクジェット記録ヘッドであって、吐出する圧力をイン
クに発生させる吐出エネルギー発生体を複数配列した第
1の基板と、該第1の基板に積層されインクを吐出する
複数のオリフィスと該各オリフィスに連通する複数のイ
ンク流路と該インク流路内のインクに前記吐出エネルギ
ー発生体の熱エネルギーが作用する部分とを形成する固
体層と、該固体層に積層され前記複数の流路に連通し共
用のインクを供給する共通液室を形成する第2の基板を
備え、前記共通液室の内壁の少なくとも一部分以上に可
撓性材料層が積層されていることを特徴とする特徴とす
る構成によって、前記の目的を達成しようとするもので
ある。
【0027】更に、上記構成において、前記可撓性材料
層は、液状のゴム系材料によって形成されていることを
特徴とする構成。或は、前記可撓性材料層は、液状のシ
リコンゴム系材料によって形成されていることを特徴と
する構成によって、前記の目的を達成しようとするもの
である。
【0028】
【作用】以上の構成により、インクジェット記録ヘッド
の共通液室の内壁に積層された可撓性材料層が圧力―体
積変換体となり、しかも広範な領域に亘って容易に形成
できるので、多数のノズルから発生する圧力に対しても
効果的に体積変化し、リフィール速度を向上させること
ができる。
【0029】また、前記可撓性材料をゴム系材料で形成
することにより充分な体積変化が得られる。また、前記
可撓性材料層と液状のゴム系材料を前記液室内壁に積層
した後、乾燥或いは硬化させることにより容易に充分な
体積変化を有する圧力―体積変換体をインク液室内壁に
積層できる。
【0030】更にまた、前記可撓性材料層として、液状
の硬化型シリコンゴム系材料を用いることにより、耐イ
ンク性を有し、またインクジェット記録ヘッドの製造プ
ロセスに充分耐えられ、上記の作用・効果を発揮させる
ことができる。
【0031】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0032】図1は一実施例であるインクジェット記録
ヘッドの斜視図であり、図2は図1のA−A断面図、図
3は図1のB−B断面図である。
【0033】1はSi基板上に電気熱変換体(吐出ヒー
タ)とこれに電力を供給するアルミニウム等の配線とが
成膜技術により形成されて成る第1の基板であるヒータ
ボード。2はインクを吐出させるためのオリフィスと該
オリフィスに連通してインクを吐出するためのエネルギ
ーがインクに作用する部分を有する流路12が形成され
ている固体層。3は上記各流路12に供給するインクを
貯えた共通液室が形成されている第2の基板である。
【0034】第1の基板1には吐出ヒータに対応した液
流路が固体層2で形成されており、固体層2の上に第2
の基板3が積層されている。さらに第1の基板1は第1
の基板1を保持固定するベースプレート5に位置決め固
定されており、吐出のための電力信号を外部から取り込
むためのフレキシブル基板4が第1の基板1の電気的接
続パッドと正確に位置決めされ、フレキ押え8をベース
プレート5にねじ止め固定することにより両者は圧着接
続されている。
【0035】本実施例の記録ヘッドは第2の基板3に溝
状、或いは堀込み状に設けられたインク液室9の内壁に
可撓性材料層10が積層されている。そして、第1の基
板1に前記インク液室9および可撓性材料層10が形成
された第2の基板3が積層される。
【0036】ここで使用される可撓性材料層10は、後
記する吐出によるノズル後方への圧力に対して充分体積
変化しかつ急速に元の形状に戻る物であれば特に限定さ
れないがゴム系の材料が特に好適である。
【0037】また、前記可撓性材料を積層する工程での
簡便性から、いわゆるゴム系接着剤等のような溶剤に溶
解された液状のゴム或いは、シリコンシーラント剤のよ
うな液状のシリコンゴム系材料が適している。
【0038】特に、インクに対する耐久性、およびイン
クジェット記録ヘッドの製造プロセスにおける熱,溶
剤,アルカリ溶液等に対する耐抗性から、いわゆるシリ
コンシーラント等の液状のシリコンゴム系材料が適して
いる。
【0039】前記の溶剤に溶解した液状のゴム系材料と
しては、ポリブテンゴム,スチレンブタジエンゴム,ポ
リブタジエンゴム等がある。また、いわゆるシリコンシ
ーラント等の液状のシリコンゴム系材料としては、熱硬
化型,常温硬化型,紫外線硬化型のいずれも使用可能で
あり、酢酸型,アルコール型,付加型,硬化型のいずれ
も好適に使用できる。これらの具体的商品としては下記
のようなものが挙げられる。
【0040】東芝シリコーン(株)製 TSJシリーズ,TUVシリーズ,TLMシリーズ,C
Eシリーズ,MEシリーズ 信越化学(株) KEシリーズ 東レダウコーニング(株) SEシリーズ,SHシリ
ーズ,CYシリーズ 前記可撓性材料層を共通液室内壁に積層する方法として
は、例えば板状のゴムを接着剤で接着する方法、或いは
熱,溶剤等で溶着する方法等がある。
【0041】また、前記可撓性材料が、溶剤に溶解され
たゴム系材料或いは液状のシリコンゴム系材料である場
合は、ディスペンサー,スプレー等により、前記インク
液室の内壁部に選択的に適量塗布した後、熱,紫外線等
により乾燥或いは硬化させる方法がある。
【0042】或いは、前記ゴム系材料が、乾燥,硬化し
た後に接着しない材料、例えばテフロン等のチューブ或
いは円筒等をあらかじめ前記インク液室内に入れてお
き、前記ゴム系材料をインク液室内に注入した後、乾燥
或いは硬化処理し、前記チューブ或いは円筒等を引き抜
く等の方法が採用できる。
【0043】前記の第1の基板1に、インク液室9およ
び可撓性材料層10から形成された第2の基板3が積層
された後、インク液室9の両端部は、インク供給継手6
a,6bを介してインク供給チューブ7a,7bと接線
され不図示のインクタンクと連結される。
【0044】上記のような構成により、本実施例は以下
のような作用により良好な記録が常に得られる。
【0045】まず、不図示のインクタンクから図1,図
2,図3に示すインク供給管7a,7bを介してインク
液室9内にインクを供給する。インク液室9,流路12
にインクが充填された状態で例えば圧電素子,発熱素子
等からなる吐出エネルギー発生体に印字信号を印加す
る。吐出エネルギー発生体で発生したエネルギーは流路
12内のインクに作用し先に説明したような圧力伝達の
メカニズムでオリフィスからインク滴が吐出される。
【0046】このようにインク吐出が行われると、図4
の横断面図、および図5の図4B−B方向の縦断面図に
示すように、各流路12のそれぞれからインクをインク
液室9方向へ押しやる力が発生するが、インク液室9に
は可撓性材料層10が積層されているので、これが各流
路12からの圧力を吸収する。その結果、流路12から
インク液室9を経て、インク供給管7a,7bへインク
を押しやる力の発生が緩和もしくは防止される。
【0047】そして、図6,図7の断面図(図6B−B
線断面)に示すように、流路12方向へインクを移動さ
せようとする力がメニスカスの表面張力によって引き起
されてリフィールが開始されると、可撓性材料層10の
ゴム等がその体積を元の状態へ復帰させようとして吸収
していた圧力を放出し、その圧力がリフィールにおける
インクのオリフィス方向への移動のための圧力を補填す
るように作用する。
【0048】しかも、可撓性材料層10を設けない場合
には、流路12からインク液室9の方向へインクを押し
やる力がリフィールのための力に反作用を及ぼすのに対
して、本実施例の記録ヘッドにおいては上記のように流
路12からインク液室9の方向へインクを押しやる力は
可撓性材料層10の空気に吸収されているのでこのよう
な反作用として働くことはなく、むしろリフィールのた
めの力を補填するために効果的に活用される。従ってス
ムーズかつ短時間でのリフィールが可能となり、その結
果高駆動周波応答が可能となり良好な高速記録が実施で
きる。
【0049】なお、前記可撓性材料層10は、インク液
室9の内壁の一部に形成されていてもリフィール改善効
果を発揮するが、インク液室9の内壁全面に形成した構
成により、より大きなリフィール改善効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下のような効果がある。
【0051】1.インクジェット記録ヘッドのインク液
室の内壁に可撓性材料層を形成した構成により、ノズル
の近傍に広範囲に亘って圧力―体積変換体が形成でき、
多数のノズルが設けられたインクジェット記録ヘッドに
おいてもリフィール性が損なわれることがないので、信
頼性の高い良好な記録性能が得られる。
【0052】2.前記可撓性材料層として、液状のゴム
系材料によって積層を構成することにより、新たな部品
等の必要はなく、簡便に、そして安価で信頼性の高いイ
ンクジェット記録ヘッドが歩留り良く得られる。
【0053】3.前記可撓性材料層として、液状のシリ
コンゴム系材料によって積層を形成することにより、イ
ンクジェット記録ヘッドの製造プロセス中の熱,溶剤,
アルカリ溶液等からの悪影響を受けることなく、且つイ
ンクに悪影響を与えることのない信頼性の高いインクジ
ェット記録ヘッドが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施例の斜視図である。
【図2】 図1のA−A断面図である。
【図3】 図1のB−B断面図である。
【図4】 一実施例での可撓性材料層の作用を説明する
横方向断面図である。
【図5】 一実施例での可撓性材料層の作用を説明する
図4のB−B断面図である。
【図6】 一実施例での可撓性材料層の作用を説明する
横方向断面図である。
【図7】 一実施例での可撓性材料層の作用を説明する
図6のB−B断面図である。
【図8】 従来例の斜視図である。
【図9】 従来例の図8のA−A断面図である。
【図10】 従来例の図8のB−B断面図である。
【図11】 従来例のインクジェット作用の説明図であ
る。
【図12】 従来例のインクジェット作用の説明図であ
る。
【図13】 リフィールにおけるメニスカス後退量の変
化測定図である。
【図14】 リフィールにおけるメニスカス後退量の変
化説明図である。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 固体層 3 第2の基板 4 フレキシブル基板 5 ベースプレート 6a,6b インク供給継手 7a,7b インク供給チューブ 8 フレキ押え 9 インク液室 10 可撓性材料層 11 連通部 12 流路 13 オリフィス 14 トシュツヒータ 15 メニスカス 16 空気 17 封止 18 封止穴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録装置に装着され記録
    媒体に向けて記録用インクを吐出するインクジェット記
    録ヘッドであって、吐出する圧力をインクに発生させる
    吐出エネルギー発生体を複数配列した第1の基板と、該
    第1の基板に積層されインクを吐出する複数のオリフィ
    スと該各オリフィスに連通する複数のインク流路と該イ
    ンク流路内のインクに前記吐出エネルギー発生体の熱エ
    ネルギーが作用する部分とを形成する固体層と、該固体
    層に積層され前記複数の流路に連通し共用のインクを供
    給する共通液室を形成する第2の基板を備え、前記共通
    液室の内壁の少なくとも一部分以上に可撓性材料層が積
    層されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記可撓性材料層は、液状のゴム系材料
    によって形成されていることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記可撓性材料層は、液状のシリコンゴ
    ム系材料によって形成されていることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録ヘッド。
JP13434394A 1994-06-16 1994-06-16 インクジェット記録ヘッド Withdrawn JPH081936A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005317407A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Toyota Motor Corp 燃料電池のセパレータ、セパレータの接合方法、燃料電池

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005317407A (ja) * 2004-04-30 2005-11-10 Toyota Motor Corp 燃料電池のセパレータ、セパレータの接合方法、燃料電池
US8703356B2 (en) 2004-04-30 2014-04-22 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Separator of fuel battery, method of joining separator, and fuel battery

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