JPH0819354B2 - 発泡プラスチック用導電性塗料 - Google Patents

発泡プラスチック用導電性塗料

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JPH0819354B2
JPH0819354B2 JP62137288A JP13728887A JPH0819354B2 JP H0819354 B2 JPH0819354 B2 JP H0819354B2 JP 62137288 A JP62137288 A JP 62137288A JP 13728887 A JP13728887 A JP 13728887A JP H0819354 B2 JPH0819354 B2 JP H0819354B2
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功男 高木
小田  修
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は発泡プラスチック用導電性塗料に関する。さ
らに詳しくは、発泡プラスチックへの密着性が良好で、
かつ帯電防止用に好適な発泡プラスチック用導電性塗料
に関する。
〔従来の技術〕
発泡プラスチックは軽量で成型性が優れていることか
ら、IC、LSIなどのエレクトロニクス関係や精密機器産
業の梱包材料や搬送用通い箱などに多用されている。し
かし、発泡プラスチックは絶縁材であるため静電気を帯
びやすく、帯電した発泡プラスチックからの静電気放電
によってIC、LSIなどの電子部品が静電破壊されるとい
う問題がある。
そのため、発泡プラスチックの表面に導電性塗料を塗
付することによって静電気の帯電を防止することが行わ
れているが、従来使用の塗料は溶剤型塗料であるため、
発泡プラスチックが溶剤におかされて収縮したり変形す
るなどの問題があるとともに、発泡プラスチックへの密
着性が悪いという問題があった。
すなわち、従来は発泡プラスチックへの付着性を重視
して、一般に被塗物への付着性が良いと考えられている
溶剤型塗料を用いていたが、発泡プラスチックは、一般
に塗料溶剤として用いられている芳香族系溶剤、エステ
ル系溶剤、ケトン系溶剤などにきわめて弱く、容易にお
かされて多孔質構造が破壊され、収縮や変形を起こす。
また、発泡スチレンなどの発泡プラスチックは本質的に
塗料との付着性が悪い上に、たとえ付着した場合でも、
塗膜が硬いために、発泡プラスチックに部分的に力がか
かったときに、発泡プラスチックの変形に塗膜が追随で
きず、塗膜に亀裂が入って、塗膜が大きく剥離するよう
になる。さらに、溶剤型塗料であるために、火災の危険
性や、作業環境の悪化などがあり、また大気汚染に対し
ても考慮を払わなければならないという問題があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、従来の発泡プラスチック用導電性塗料が溶
剤型塗料であったために発泡プラスチックが溶剤でおか
されて収縮したり、変形するなどの問題がある上に、密
着性が悪かったという問題点を解決し、発泡プラスチッ
クに悪影響を及ぼすことなく、密着性が良好で、かつ帯
電防止機能の優れた発泡プラスチック用導電性塗料を提
供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、バインダーの必須成分として弾性ラテック
スまたは弾性水系ディスパーションを用いることによ
り、塗料を水系にし、かつ塗膜の引張強さを20kg/cm
2(20℃)以上、塗膜の伸度を100〜700%(20℃)、塗
膜の表面抵抗値を104〜1010Ω/□に特定することによ
って、発泡プラスチックに対して悪影響を及ぼすことな
く、密着性が良好で、かつ帯電防止機能の優れた発泡プ
ラスチック用導電性塗料を提供したものである。
本発明の発泡プラスチック用導電性塗料が、従来の導
電性塗料に比べて、発泡プラスチックに対する密着性が
優れている理由は、現在のところ必ずしも明確ではない
が、塗膜が発泡プラスチックの変形に追随できる適度な
伸びを有していることに加えて、バインダーとして用い
た弾性ラテックスまたは弾性水系ディスパーションの弾
性樹脂が発泡プラスチックに部分的にかかる力を分散し
緩和することによるものと考えられる。つまり、塗料が
発泡プラスチックに対して部分的に密着して塗膜を形成
しているのではなく、過度な伸びと強さを有する塗膜が
塗膜全体で発泡プラスチックに密着しているため、発泡
プラスチックにかかる力が塗膜によって分散、緩和さ
れ、それによって良好な密着性が保たれるようになるも
のと考えられる。
また、本発明においては、バインダーとして水系バイ
ンダーを用いるので、発泡プラスチックが塗料におかさ
れて収縮や変形を起こすなどの発泡プラスチックに対す
る悪影響がないことはもちろんであるが、火災の危険性
もまったくなく、また作業環境も良好である。
本発明においては、バインダーとして水系バインダー
を用いるが、該水系バインダーとしては、前述のごとく
弾性ラテックスまたは弾性水系ディスパーションが必須
成分として用いられる。
上記弾性ラテックスとしては、例えば、SBRラテック
ス(スチレン−ブタジエンゴムラテックス)、NBRラテ
ックス(ニトリル−ブタジエンゴムラテックス)、MBR
ラテックス(メチルメタクリレート−ブタジエンゴムラ
テックス)などの合成ゴムラテックス、アクリル樹脂系
ラテックス、エチレン−酢酸ビニル系ラテックスなどが
用いられ、弾性水系ディスパーションとしては、例えば
ポリウレタン水系ディスパーションなどが用いられる。
これらの弾性ラテックスまたは弾性水系ディスパーショ
ンはそれぞれ単独で用いることができるし、また2種以
上併用して用いることもできるが、これら弾性ラテック
スや弾性水系ディスパーションは、一般に120%(20
℃)以上のフイルム伸度(乾燥してフイルム状にしたと
きの伸度)、好ましくは200%(20℃)以上のフイルム
伸度を有することが必要である。そして、これら弾性ラ
テックスまたは弾性水系ディスパーションは塗料の構成
上必要な水系バインダーの全部を占めていてもよいこと
はもちろんであるが、塗料の構成上必要な水系バインダ
ーの一部であってもよい。弾性ラテックスまたは弾性水
系ディスパーションが塗料の構成上必要な水系バインダ
ーの一部として用いられる場合、全水系バインダー中、
弾性ラテックスまたは弾性水系ディスパーションが固形
分換算で30重量%以上、特に50重量%以上になるように
用いるのが好ましい。このように弾性ラテックスまたは
弾性水系ディスパーションが水系バインダーの一部とし
て用いられる場合、これらと併用される水系バインダー
としては、例えば一般のアクリル樹脂系ラテックス、ポ
リウレタン系ディスパーションなどが用いられる。ただ
し、本発明では、弾性ラテックスまたは弾性水系ディス
パーションと併用する水系バインダーとして蛋白質は用
いない。これは、塗膜中に蛋白質が含まれていると、湿
度の高いところでは上記蛋白質が吸湿して塗膜の表面抵
抗値を低下させ、短絡を生じさせる原因になるからであ
る。なお、上記のように弾性ラテックスまたは弾性水系
ディスパーションと併用するバインダーは、水系バイン
ダーであるとともに、弾性ラテックスまたは弾性水系デ
ィスパーションと相溶性があることが必要である。
バインダーは塗膜の強度や伸度に大きな影響を与える
が、本発明においては、導電性フィラーをバインダーに
添加して塗料としたときに、その塗膜が20kg/cm2(20
℃)以上の引張強さおよび100〜700%(20℃)の伸度を
有することが必要である。
すなわち、塗膜の引張強さが20kg/cm2(20℃)より小
さい場合は、塗膜が弱すぎて破損しやすく、塗膜の伸度
が100%(20℃)より小さい場合は弾性が不充分である
ため塗膜全体での発泡プラスチックへの密着が行いがた
く、また発泡プラスチックに部分的に力がかかったとき
に発泡プラスチックの変形に追随できず、亀裂が入って
剥離の原因になる。また、塗膜の伸度が700%(20℃)
より大きい場合は塗膜に粘着性が残り取扱上の問題が生
じるため、好ましくない。
上記のように、塗膜の引張強さが20kg/cm2(20℃)以
上、伸度が100〜700%(20℃)の範囲であれば、目的を
達成し得るが、塗膜の耐久性上、塗膜強度はある程度高
く維持することが望ましく、そのような観点から塗膜の
引張強さが30kg/cm2(20℃)以上になるように塗料設計
することが好ましい。また、塗膜の密着性や耐粘着性を
より好ましい状態にするためには、塗膜の伸度は200〜5
00%(20℃)の範囲にするのが好ましい。
本発明において、導電性フィラーとしては、例えば導
電性カーボンブラック、グラファイト、またはアンチモ
ンをドープした酸化スズ、アルミニウムをドープした酸
化亜鉛などの金属酸化物、さらにはチタン酸カリウムや
酸化チタンにアンチモンをドープした酸化スズを被覆し
たものなど、各種の導電性フィラーを用いることができ
る。これらの導電性フィラーはそれぞれ単独で用いても
よいし、また2種以上併用してもよいが、得られる塗料
の塗膜の表面抵抗値が104〜1010Ω/□になるように配
合することが必要である。これは、104〜1010Ω/□と
いう表面抵抗値領域が帯電防止に適しているからであ
り、例えば表面抵抗値が104Ω/□より小さくなると導
電性が強すぎて短絡が発生するおそれがあり、また表面
抵抗値が1010Ω/□より大きくなると導電性が弱くなっ
て帯電したほこり(埃)が付着したときにそのほこりの
持つ電荷を漏洩させるのが遅くなり、帯電防止機能が充
分に発揮できなくなる。
上記のように塗膜の表面抵抗値を104〜1010Ω/□に
するための導電性フィラーの配合量は、導電性フィラー
の種類や、バインダーの種類、さらには任意成分として
添加する添加剤の種類などによっても若干異なるが、一
般には、導電性カーボンブラック、グラファイトなどの
場合は、塗料固形分中10〜40重量%の含有量になるよう
にし、また、金属酸化物や、チタン酸カリウムや酸化チ
タンにアンチモンをドープした酸化スズを被覆した導電
性フィラーの場合は、塗料固形分中15〜60重量%の含有
量になるようにするのが適当である。
そして、塗料の調製にあたっては、着色顔料、体質顔
料などを添加することができるし、また、一般に水系塗
料に使用される分散剤、成膜助剤、増粘剤、消泡剤、防
カビ剤などの各種添加剤を適宜添加することもできる。
また、乾燥性をあげたり、成膜性を良くするために水に
溶解する溶剤を若干添加することもできる。
着色顔料としては、例えば一般の白色酸化チタンなど
が用いられるが、導電性フィラーとして用いる導電性カ
ーボンブラック、グラファイトなどは黒色顔料としての
機能を有するし、また金属酸化物、チタン酸カリウムや
酸化チタンにアンチモンをドープした酸化スズを被覆し
たものなどは白色顔料としての機能を有するので、一般
の着色顔料や体質顔料などは必ずしも必要な成分ではな
く、塗料の目的に応じて適宜添加すればよい。
本発明の塗料の調製にあたっては、3本ロール、アト
ライター、サンドミルなど公知の製造装置を使用するこ
とができる。
上記のような仕様により調製される本発明の導電性塗
料は、発泡スチレン、発泡エチレン、発泡プロピレンな
どの発泡プラスチックに塗付することにより、発泡プラ
スチック上に密着性の良好な塗膜を形成し、かつ表面抵
抗値が104〜1010Ω/□という帯電防止に適した導電性
を発泡プラスチックに付与することができる。
本発明の導電性塗料の塗付方法としては、スプレー塗
付、ハケ塗付、ローラー塗付、ディッピング塗付するの
が一般的であるが、それらのみに限られることはない。
塗付時の膜厚としては乾燥膜厚が2〜50μmの範囲にな
るように塗付すればよいが、密着性の関係からは10〜30
μmになるように塗付するのが好ましい。塗付後の乾燥
は、雰囲気温度50〜80℃で10〜20分間程度乾燥すればよ
い。
本発明の導電性塗料を塗付した発泡プラスチックは、
一般に帯電防止対策が必要とされるエレクトロニクス
(IC、LSIなど)関係や精密機器産業の梱包材料や搬送
用通い箱などに好適に使用されるが、用途はそれらのみ
に限られるものではない。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により説明するが、本発明は実施
例のみに限定されるものではない。
実施例1〜4および比較例1〜2 第1表に示す分散配合および調質配合により発泡プラ
スチック用導電性塗料を調製し、得られた塗料を発泡ス
チレンに乾燥膜厚が10μmになるようにスプレー塗付
し、60℃で20分間乾燥した。
得られた塗膜の密着性、耐粘着性、表面抵抗値を下記
の方法により調べ、また、JIS−A−6021に準じて試料
(ダンベル状3号型)作製を行い、塗膜の引張強さおよ
び塗膜の伸度(破断時の伸び率)を測定した。それらの
結果を第1表に示す。
塗膜の密着性は、塗膜にセロハンテープを軽く圧着し
た後、セロハンテープをはがすことによって調べたもの
であり、その評価基準は下記のとおりである。
密着性の評価基準 ○:異常なし △:一部剥離 ×:かなり剥離する また、塗膜の耐粘着性は指触により調べたものであ
り、その評価基準は下記のとおりである。
耐粘着性の評価基準 ○:粘着なし △:すこし粘着あり ×:かなり粘着あり そして、塗膜の表面抵抗値は、1cm角の銅板を2枚、
塗膜上に1cm離して配置し、その間の抵抗値を三和電気
計器(株)製のマルチメーター501Z−TRで測定したもの
である。
第1表においては、配合成分の大部分を商品名で表示
した関係上、それらの製造業者名、内容、塗料中での役
割などについて示すと次のとおりである。
バルカンXC−72R(商品名): カーボンブラック デモールEP(商品名): 分散剤、花王石鹸(株)製 サーフィノールPC(商品名): 消泡剤、日信化学工業(株)製 セロサイズQP−4400H(商品名): 増粘剤、米国UCC社製 ボンコートEC−884(商品名): バインダー、大日本インキ化学工業(株)製、 弾性アクリル樹脂系ラテックス、固形分53重量%、フイ
ルムの引張強さ30kg/cm2(20℃)、フイルムの伸度600
%(20℃) ポリトロンE−800(商品名): バインダー、旭化成工業(株)製、弾性アクリル樹脂系
ラテックス、固形分50重量%、フイルムの引張強さ30kg
/cm2(20℃)、フイルムの伸度620%(20℃) スペンゾールL−44(商品名): バインダー、米国スペンサーケロッグ社製、弾性ポリウ
レタン水系ディスパーション、固形分33重量%、フイル
ムの引張強さ35kg/cm2(20℃)、フイルムの伸度360%
(20℃) ヨドゾールA−5801(商品名): バインダー、カネボーNSC社製、弾性アクリル樹脂系ラ
テックス、固形分55重量%、フイルムの引張強さ38kg/c
m2(20℃)、フイルムの伸度1466%(20℃) ポリトロンE−650(商品名): バインダー、旭化成工業(株)製、アクリル樹脂系ラテ
ックス、固形分31.5重量%、フイルムの引張強さ400kg/
cm2(20℃)、フイルムの伸度70%(20℃) 塗料の調製は、バルカンXC−72R(商品名)、デモー
ルEP(商品名)、サーフィノールPC(商品名)、セロサ
イズQP−4400H(商品名)、成膜助剤としてのエチレン
グリコールおよび粘度調整用の水を第1表の分散配合ど
おり配合し、サンドミルで混練した後、バインダー、安
定剤としての28%アンモニア水および粘度調整用の水を
第1表の調質配合どおり添加し、混合することによって
行った。
なお、第1表中の配合部数は重量部によるものであ
り、実施例1〜3においてはバインダーとして弾性ラテ
ックスのみを用いているが、実施例4においてはバイン
ダーとして弾性ラテックス(ポリトロンE−800(商品
名))と一般のラテックス(ポリトロンE−650(商品
名))とを固形分換算で30:70(重量比)の割合で用い
ている。
第1表に示すように、バインダーとして弾性ラテック
スを用いた実施例1〜4の塗料は、塗膜の引張強さ、伸
度、表面抵抗値が適正であり、また発泡スチレンへの密
着性が良好で、かつ塗膜の耐粘着性も良好であり、帯電
防止用の発泡プラスチック用導電性塗料として優れてい
ることが確認された。これに対し、一般のラテックスを
バインダーに用いた比較例2の塗料は、発泡スチレンへ
の密着性が悪く、また、伸びの大きいバインダーを用い
た比較例1の塗料は、密着性は良好であったが、塗膜が
粘着性を有していて、取扱面で好ましくなかった。な
お、使用した塗料はいずれも水系であるため、塗料の塗
付によって発泡スチレンが収縮したり、変形するような
ことはまったくなかった。
実施例5〜7 第2表に示す分散配合および調質配合により発泡プラ
スチック用導電性塗料を調製し、得られた塗料を発泡ス
チレンに乾燥膜厚が10μmになるようにスプレー塗付
し、60℃で20分間乾燥した。
得られた塗膜の密着性、耐粘着性、表面抵抗値を実施
例1〜4の場合と同様に調べ、また、塗膜の引張強さお
よび塗膜の伸度を実施例1〜4の場合と同様に測定し
た。それらの結果を第2表に示す。
第2表において商品名で表示した配合成分の製造業者
名、内容、塗料中における役割などは下記のとおりであ
る。ただし、第1表に関して記載のものについては省略
する。
デントールWK−200(商品名): 導電性フィラー、大塚化学(株)製、チタン酸カリウム
をアンチモンをドープした酸化スズで被覆した白色導電
性フィラー タイペークR−820(商品名): 白色顔料、石原産業(株)製、酸化チタン SNディフオーマー121(商品名): 消泡剤、サンノプコ(株)製 ハイメトローズSEW−08(商品名): 増粘剤、信越化学工業(株)製 塗料の調製は、上記デントールWK−200(商品名)、
タイペークR−820(商品名)、デモールEP(商品
名)、SNディフオーマー121(商品名)、ハイメトロー
ズSEW−08(商品名)、成膜助剤としてジエチレングリ
コールおよび粘度調整用の水を第2表の分散配合どおり
配合し、サンドミルで混練した後、バインダー、安定剤
としての28%アンモニア水および粘度調整用の水を第2
表の調質配合どおり添加し、混合することにより行っ
た。なお、第2表中の配合部数は重量部によるものであ
る。
第2表に示すように、バインダーとして弾性ラテック
スを用いた実施例5〜7の塗料は、塗膜の引張強さ、伸
度、表面抵抗値が適正であり、また発泡スチレンへの密
着性が良好で、かつ塗膜の耐粘着性も良好であり、帯電
防止用の発泡プラスチック用導電性塗料として優れてい
ることが確認された。これに対し、一般のラテックスを
バインダーに用いた比較例4の塗料は、発泡スチレンへ
の密着性が悪く、また、伸びの大きいバインダーを用い
た比較例3の塗料は、発泡スチレンへの密着性は良好で
あったが、塗膜が粘着性を有していて、取扱面で好まし
くなかった。なお、いずれの塗料も水系であるため、塗
料の塗付によって発泡スチレンが収縮したり、変形する
ようなことはまったくなかった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明では、バインダーとして
弾性ラテックスまたは弾性水系ディスパーションを用い
ることにより、発泡プラスチックへの悪影響がなく、密
着性が良好で、かつ帯電防止用に好適な発泡プラスチッ
ク用導電性塗料を提供することができた。かかる本発明
の塗料は、従来の溶剤型塗料のように発泡プラスチック
を収縮させたり、変形さえたりすることがなく、しかも
帯電防止用に好適は導電性を有する皮膜を発泡プラスチ
ック上に密着性良く形成することができるので、特に静
電気を嫌うエレクトロニクス関係や精密機器関係の発泡
プラスチック製の梱包材料や通い箱などの帯電防止用導
電性塗料として好適である。また、本発明の塗料は水系
塗料であるため、従来の溶剤型塗料に比べて、塗付時の
作業環境が良好であり、かつ火災発生のおそれもなく、
安全性面でも優れている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水系バインダーおよび導電性フィラーを含
    有してなる発泡プラスチック用導電性塗料であって、上
    記水系バインダーの全部または一部が弾性ラテックスま
    たは弾性水系ディスパーションであり、上記水系バイン
    ダーには蛋白質を含まず、塗膜の引張強さが20kg/cm
    2(20℃)以上、塗膜の伸度が100〜700%(20℃)で、
    塗膜の表面抵抗値が104〜1010Ω/□であることを特徴
    とする発泡プラスチック用導電性塗料。
  2. 【請求項2】水系バインダー中、弾性ラテックスまたは
    弾性水系ディスパーションが固形分換算で30重量%以上
    である特許請求の範囲第1項記載の発泡プラスチック用
    導電性塗料。
JP62137288A 1987-05-30 1987-05-30 発泡プラスチック用導電性塗料 Expired - Lifetime JPH0819354B2 (ja)

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