JPH0819352B2 - 無機耐熱塗料の製造方法 - Google Patents

無機耐熱塗料の製造方法

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JPH0819352B2
JPH0819352B2 JP61280771A JP28077186A JPH0819352B2 JP H0819352 B2 JPH0819352 B2 JP H0819352B2 JP 61280771 A JP61280771 A JP 61280771A JP 28077186 A JP28077186 A JP 28077186A JP H0819352 B2 JPH0819352 B2 JP H0819352B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はセラミックス、金属、ガラス等種々のものの
塗料として利用できる無機耐熱塗料の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、高温下において腐食性ガス、液体、金属溶湯と
接触する金属材料の保護策として高温用塗布材が使用さ
れているが、耐熱性にすぐれたものは少なく、わずかに
シリコン系樹脂をバインダーとしたものが耐熱性にやや
すぐれている。しかしその耐熱性は100〜200℃までであ
り、200℃以上の場合はその劣化がはげしく長期耐用性
に劣る。
また耐熱性を向上させるために琺瑯の如くうわぐすり
をかけ焼成して琺瑯被膜を形成させるか、または無機酸
化物を溶射する方法等があるが、いずれの方法もそのコ
ーティング操作が煩雑であり、また鉄鋼、銀等の金属と
セラミックス、セラミックファイバー、ガラス等の無機
質材料の接着はハンダガラスによる接着が一般的であ
り、ハンダ付け温度を低下させる試みもなされている。
しかし400〜500℃以上の熱処理を必要とし、かつ大型品
や既設材あるいは複雑な計上の場合は、その接合が困難
である。
また酸性ガス雰囲気で使用されることを考慮して、珪
石質、ロウ石質、シャモット、ムライト、アルミナ質等
の酸性あるいは中性の耐火物原料と、ケイ酸ソーダを主
成分とするバインダーとからなる耐酸性の耐火組成物が
用いられてきた。またその耐酸、耐水性を向上するため
にケイ酸ソーダとともに使用される硬化剤としては、ケ
イフッ化ソーダ、燐酸アルミニウム、酸化亜鉛、有機
酸、有機エステル類等が使用されあるいは提案されてい
る。しかしながら上述したような耐火塗布材は耐酸性が
未だ十分でないという欠点がある。
また本発明出願人はこのような目的で用いる耐酸、耐
水性耐火組成物として、特定割合の水溶性ホウケイ酸ア
ルカリまたはその等価混合物とポリリン酸ケイ素とケイ
フッ化アルカリとの組合せからなる結合媒質を用いるこ
とにより硬化後に耐酸、耐水性に優れた組成物を提案し
た(特開昭59−107960号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら上述の結合媒質は水との混和状態で、そ
の施工に適した流動性を比較的長時間維持するが、施工
残余の水との混和物も常温硬化し、再度使用できないと
いう不経済な問題があった。
そこでこのような事情に鑑み、強酸水溶液に対しても
耐久性を示し、かつ塗料として経時変化のない、耐熱塗
料として優れた造膜性を有する無機耐熱塗料の製造方法
を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは無機耐熱塗料の製造方法について種々試
験研究した結果、複合アルコキシド部分加水分解ゾルを
用いることにより塗布硬化後の被膜が耐酸、耐水性に優
れ、かつ加熱冷却にも耐え得る接着性を示し、その上こ
の無機耐熱塗料は良好な造膜性を有することを見出し、
本発明に到達した。
すなわち本発明は、SiアルコキシドのOR基に対し、モ
ル比0.08〜0.6の水により部分加水分解したSiアルコキ
シドと、次の(a)、(b)のいずれかを、Siアルコキ
シド100重量部に対し、7〜25重量部反応させて複合ア
ルコキシドとすることによって残存OR基を有する部分加
水分解ゾルとすることを特徴とする無機耐熱塗料の製造
方法 (a)AlアルコキシドおよびZrアルコキシドから選ばれ
た少なくとも1種。
(b)Tiアルコキシドと、AlアルコキシドおよびZrアル
コキシドから選ばれた少なくとも1種。である。
Siアルコキシド及び金属アルコキシドのアルコキシド
基(OR基)数はSi及び各金属の最大価数以下であればよ
く、又、Rもいかなるアルキル基であってもよい。
ここで、複合アルコキシドの部分加水分解ゾルとは金
属アルコキシドのOR基とモル比で1:1未満の水で加水分
解したもので、未加水分解のOR基が残存しているもので
あり、その残存率は約40〜92モル%である。
複合アルコキシド部分加水分解ゾルがOR基残存率約92
モル%を超えると塗布膜は樹脂状となり、乾燥すると亀
裂が発生する。または塗布膜は蒸発により金属水酸化物
や酸化物の微粒子が生成し、膜厚が薄く収率が悪い。ま
た複合アルコキシド部分加水分解ゾルがOR基残存率約40
モル%未満では塗布時の造膜性が低下し作業性が悪く、
また塗膜は硬化時に亀裂が発生する。
部分加水分解ゾルとは溶液内で分子同志が完全に加水
分解重合して網目構造を形成しているのではなく、部分
的にOR基が残存して重合している状態の高分子を含んで
いるゾル溶液をいう。
複合アルコキシド部分加水分解ゾルにおいてSiアルコ
キシド、Al、Zrの1種以上の金属アルコキシド又はTiと
Al、Zrの1種以上の金属アルコキシドを複合することに
よって被膜の硬化時の亀裂発生を抑制し、被膜の強度を
向上させ、耐煮沸性(耐水性)、耐薬品性(耐酸、耐ア
ルカリ性)を向上させ、耐熱被膜が得られる。
複合アルコキシド部分加水分解ゾルが残存OR基を有す
るために塗布性が良好であり、水分を遮断すれば長期間
ゲル化せずに保存可能である。
このような優れた効果を得るためのSiアルコキシドと
他の金属アルコキシドの複合比率はSiアルコキシド100
重量部に対し、Al、Zrの金属アルコキシド又はTiとAl、
Zrの金属アルコキシドの比率は7〜25重量部とする。7
重量部未満では被膜硬化時に亀裂が発生しやすい。一方
25重量部を超えると被膜の硬化時に亀裂が発生しやすく
なるだけで特に利点はなく、また経済的にも不利であ
る。より好ましい複合比率は7〜17重量部である。
複合アルコキシド部分加水分解ゾルを得る手段として
は、室温での加水分解法、還流下での加水分解法、触媒
を添加しての加水分解法等公知であるが、容易に部分加
水分解ゾルが得られるものとして例えばSiアルコキシド
溶液に、水との相互性溶媒であるエチルアルコール、イ
ソプロパノール、メチルアルコール等のアルコール類を
加える。さらにその溶液に塩酸、酢酸などを添加した酸
性水をSiアルコキシドのアルコキシ基の総モル数未満の
量(モル数)加え、さらにAl、Zrの1種以上の金属アル
コキシドを特定量添加攪拌、またTiを添加する時は、さ
らにAl、Zrの1種以上の金属アルコキシドを特定量添加
攪拌すると透明な複合アルコキシド部分加水分解ゾルが
得られる。
本発明の無機耐熱塗料は粘度が1〜10cp程度と低く、
作業性が良好であるが、必要に応じ増粘剤としてHPC
(ヒドロキシプロピルセルロース)、流動パラフィン、
エチレングリコール類、または減粘剤希釈剤としてアル
コール類を添加し、粘度を調整することもできる。
塗布作業は有機系塗料と同様、ハケ塗り、スプレー塗
布が可能である。また被膜は無色透明であるが、無機ま
たは有機着色剤を添加することによって着色することも
できる。
本発明の無機耐熱塗料の接着過程は材料表面の粗さに
よる物理的接着と材料表面のOH基、例えば鉄表面のFe…
…OH、ガラス表面のSi……OHと複合アルコキシド部分加
水分解ゾル中のOH基またはOR基との反応により化学的接
着により強固な接着強度が得られる。特に800℃以上の
高温と室温の加熱冷却にも被膜は剥離しない接着性が得
られる。又塗布後塗膜は空気中の水分により加水分解が
進行すると共に縮合が進み塗膜の強度が向上する。これ
には必ずしも加熱は必要ないが、加熱すればそれだけ速
くなる。
特にアルコキシドが、ZrとSiでは硬度、耐アルカリ性
が向上する。又AlとSiでも硬度、クラック防止性が向上
する。さらに2種以上の金属とSiでは硬度、耐アルカリ
性、クラック防止性が向上する。
〔実施例〕
以下に本発明による実施例および比較例によって、本
発明を具体的に説明する。
第1表に示す如く、Siアルコキシドにメチルアルコー
ルおよび水分を加え、常温で攪拌し、さらに金属(M)
アルコキシドを加え攪拌し、透明な複合アルコキシド部
分加水分解ゾルを得た。
またシリコン樹脂および水ガラスを比較例として特性
を第1表に示す。
*1 ガラス板または鉄板に塗布し、100〜250℃/10min
乾燥後の亀裂および剥離の有無、引かき強度等。
*2 ステンレス板に塗布後、所定温度に10分保持後の
水の浸透の有無。
*3 ステンレス板に塗布し、加熱水冷して剥離を起こ
さない温度。
判定基準 ◎……酸、アルカリ溶液中への溶出が殆どないか、わず
かで良好。
○……溶出量5〜10%程度で良。
×……溶出量が20%を越え不良。
〔発明の効果〕 本発明の無機耐熱塗料を合板、プラスチック、金属、
セラミックス等のトップコートとして表面被覆した場合
の塗膜は次の効果を発揮する。
1)光沢が優れ外観美が向上する。
2)被膜の高強度による傷付きを防止する。
3)造膜性が良好で600℃程度まで撥水性があり、耐
水、耐薬品性が向上する。
4)耐熱性(金属の耐酸化性)が向上する。
また本発明の無機耐熱塗料は使い残した場合でも密封
して保存しておけば再使用でき、無駄になることはな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−157429(JP,A) 特開 昭48−78235(JP,A) 特開 昭63−123838(JP,A) 特開 昭63−12671(JP,A) 特開 昭61−276865(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiアルコキシドのOR基に対し、モル比0.08
    〜0.6の水により加水分解したSiアルコキシドと、次の
    (a)、(b)のいずれかをSiアルコキシド100重量部
    に対し、7〜25重量部反応させて複合アルコキシドとす
    ることによって残存OR基を有する部分加水分解ゾルとす
    ることを特徴とする無機耐熱塗料の製造方法。 (a)AlアルコキシドおよびZrアルコキシドから選ばれ
    た少なくとも1種以上 (b)Tiアルコキシドと、AlアルコキシドおよびZrアル
    コキシドから選ばれた少なくとも1種以上
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