JPH08193043A - オキソ化合物の製造方法 - Google Patents
オキソ化合物の製造方法Info
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- JPH08193043A JPH08193043A JP2124195A JP2124195A JPH08193043A JP H08193043 A JPH08193043 A JP H08193043A JP 2124195 A JP2124195 A JP 2124195A JP 2124195 A JP2124195 A JP 2124195A JP H08193043 A JPH08193043 A JP H08193043A
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C45/00—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
- C07C45/27—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation
- C07C45/30—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with halogen containing compounds, e.g. hypohalogenation
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Abstract
(57)【要約】
【構成】少なくとも二級水酸基を有する化合物を水溶媒
もしくは水と炭素原子数1〜3の一級アルコールとの混
合溶媒中、酸性下、塩素ガスで処理することにより、二
級水酸基を選択的に酸化して対応するオキソ化合物を製
造する方法。 【効果】本発明の製造方法により、高価な触媒や特殊な
設備を必要とすることなく、二級水酸基を酸化すること
ができる。特に、二級水酸基と一級水酸基とを併せもつ
化合物であっても、二級水酸基のみを選択的にかつ高収
率で酸化することができる。
もしくは水と炭素原子数1〜3の一級アルコールとの混
合溶媒中、酸性下、塩素ガスで処理することにより、二
級水酸基を選択的に酸化して対応するオキソ化合物を製
造する方法。 【効果】本発明の製造方法により、高価な触媒や特殊な
設備を必要とすることなく、二級水酸基を酸化すること
ができる。特に、二級水酸基と一級水酸基とを併せもつ
化合物であっても、二級水酸基のみを選択的にかつ高収
率で酸化することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二級水酸基の酸化によ
るオキソ化合物の製造方法に関する。より詳しくは、塩
素ガスによる二級水酸基の選択的酸化によるオキソ化合
物の製造方法に関する。特に、一級水酸基と二級水酸基
を併せもつ化合物の二級水酸基のみを選択的に酸化して
オキソアルコールを製造する方法に関する。
るオキソ化合物の製造方法に関する。より詳しくは、塩
素ガスによる二級水酸基の選択的酸化によるオキソ化合
物の製造方法に関する。特に、一級水酸基と二級水酸基
を併せもつ化合物の二級水酸基のみを選択的に酸化して
オキソアルコールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オキソアルコールの製造方法とし
ては、下記に挙げる方法などが知られている。
ては、下記に挙げる方法などが知られている。
【0003】(A)特開平4−356436号公報
【0004】
【化3】
【0005】(B)J.Org.Chem.,56,6233-6235(1991)
【0006】
【化4】
【0007】(C)特開昭58−103336号公報
【0008】
【化5】
【0009】(D)J.Org.Chem.,45,2030(1980)
【0010】
【化6】
【0011】(E)特開昭63−119683号公報
【0012】
【化7】
【0013】(F)Tetrahedron,47,851-857(1991)
【0014】
【化8】
【0015】(G)特開昭60−184038号公報
【0016】
【化9】
【0017】(H)特開昭55−20729号公報
【0018】
【化10】
【0019】(I)Tetrahedron Lett.287,1974
【0020】
【化11】
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの製造
方法には、次のような欠点がある。(A)の方法は、選
択性に欠けるため実用的ではない。(B)の方法は、パ
ーオキソタングストリン酸塩(PCWC)を用いてお
り、高価でしかも調製が困難であるため工業的には不利
である。(C)の方法は高価な触媒を使用する上、反応
収率が悪く、工業的には使用が困難である。(D)の方
法は、溶媒として酢酸を使用するため、反応終了液が酢
酸−水の混合溶媒となるため、ハンドリングが困難で工
業的には不利である。(E)の方法は、微生物を使用す
るため特殊な設備を必要とし、生産能力の面でも問題が
ある。(F)の方法は、電解反応であり、設備面でかな
りのコストがかかる。(G)の方法は、原料にアルデヒ
ドを用いるため、自動酸化を防ぐための管理を行わなけ
ればならない。また、仕込み量と収量から計算すると極
めて収率が悪いため実用的でない。(H)の方法は、高
価な触媒を使用して行っており、しかも収率が悪く、実
用的でない。(I)の方法は、スルホキシドを用いるた
め、工業的観点からみると臭気の問題がある。また、極
低温反応であるため、設備やユーティリティの面で問題
がある。
方法には、次のような欠点がある。(A)の方法は、選
択性に欠けるため実用的ではない。(B)の方法は、パ
ーオキソタングストリン酸塩(PCWC)を用いてお
り、高価でしかも調製が困難であるため工業的には不利
である。(C)の方法は高価な触媒を使用する上、反応
収率が悪く、工業的には使用が困難である。(D)の方
法は、溶媒として酢酸を使用するため、反応終了液が酢
酸−水の混合溶媒となるため、ハンドリングが困難で工
業的には不利である。(E)の方法は、微生物を使用す
るため特殊な設備を必要とし、生産能力の面でも問題が
ある。(F)の方法は、電解反応であり、設備面でかな
りのコストがかかる。(G)の方法は、原料にアルデヒ
ドを用いるため、自動酸化を防ぐための管理を行わなけ
ればならない。また、仕込み量と収量から計算すると極
めて収率が悪いため実用的でない。(H)の方法は、高
価な触媒を使用して行っており、しかも収率が悪く、実
用的でない。(I)の方法は、スルホキシドを用いるた
め、工業的観点からみると臭気の問題がある。また、極
低温反応であるため、設備やユーティリティの面で問題
がある。
【0022】従って、本発明の目的は、高価な触媒を使
用せず、特殊な設備も必要とせず、一級水酸基が共存し
ていても二級水酸基のみを選択的に酸化することができ
るオキソ化合物の製造方法を提供することにある。
用せず、特殊な設備も必要とせず、一級水酸基が共存し
ていても二級水酸基のみを選択的に酸化することができ
るオキソ化合物の製造方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の状況に鑑み、本発
明者らは、オキソアルコールの工業的に有利な製造方法
を開発すべく鋭意研究を進めたところ、意外にも、水溶
媒中、室温、酸性下、無触媒で塩素ガス処理を行うのみ
で、一級水酸基の共存下であっても、二級水酸基のみを
効率的に酸化できることを見出し、さらに研究を進めて
本発明を完成するに至った。
明者らは、オキソアルコールの工業的に有利な製造方法
を開発すべく鋭意研究を進めたところ、意外にも、水溶
媒中、室温、酸性下、無触媒で塩素ガス処理を行うのみ
で、一級水酸基の共存下であっても、二級水酸基のみを
効率的に酸化できることを見出し、さらに研究を進めて
本発明を完成するに至った。
【0024】即ち、本発明の要旨は、(1) 少なくと
も二級水酸基を有する化合物を水溶媒もしくは水と炭素
原子数1〜3の一級アルコールとの混合溶媒中、酸性
下、塩素ガスで処理することにより、二級水酸基を選択
的に酸化して対応するオキソ化合物を製造する方法、
(2) 少なくとも二級水酸基を有する化合物が、一般
式(I)
も二級水酸基を有する化合物を水溶媒もしくは水と炭素
原子数1〜3の一級アルコールとの混合溶媒中、酸性
下、塩素ガスで処理することにより、二級水酸基を選択
的に酸化して対応するオキソ化合物を製造する方法、
(2) 少なくとも二級水酸基を有する化合物が、一般
式(I)
【0025】
【化12】
【0026】(式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜
20のアルキル基を表し、または一方が炭素数1〜20
のアルキル基で他方がニトロ基、カルボキシル基、スル
ホキシル基、ハロゲン原子を表し、これらのアルキル基
は、一級水酸基、二級水酸基、三級水酸基、ニトロ基、
カルボキシル基、スルホキシル基、炭素数1〜20のア
ルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、及び/
又はハロゲン原子を置換基として有することがあり、ま
た、R1 とR2 が結合して単環もしくは縮合多環の炭化
水素環もしくは複素環を形成していてもよい。)で表さ
れるものであることを特徴とする前記(1)記載の方
法、(3) 少なくとも二級水酸基を有する化合物が一
般式(II)
20のアルキル基を表し、または一方が炭素数1〜20
のアルキル基で他方がニトロ基、カルボキシル基、スル
ホキシル基、ハロゲン原子を表し、これらのアルキル基
は、一級水酸基、二級水酸基、三級水酸基、ニトロ基、
カルボキシル基、スルホキシル基、炭素数1〜20のア
ルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、及び/
又はハロゲン原子を置換基として有することがあり、ま
た、R1 とR2 が結合して単環もしくは縮合多環の炭化
水素環もしくは複素環を形成していてもよい。)で表さ
れるものであることを特徴とする前記(1)記載の方
法、(3) 少なくとも二級水酸基を有する化合物が一
般式(II)
【0027】
【化13】
【0028】(式中、nは、2〜5を、R3 は水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基もしくは炭素数1〜2
0のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基もしくは
そのエステル、又はハロゲン原子を表し、これらのアル
キル基およびアルコキシ基は一級水酸基、二級水酸基、
三級水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、及び/又はハ
ロゲン原子を置換基として有することがある。)で表さ
れるシクロアルカノールである前記(1)又は(2)記
載の方法、(4) 塩素ガスによる処理がpH0.5〜
7.0に制御された溶媒中で行われることを特徴とする
前記(1)〜(3)いずれかに記載の方法、に関する。
子、炭素数1〜20のアルキル基もしくは炭素数1〜2
0のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基もしくは
そのエステル、又はハロゲン原子を表し、これらのアル
キル基およびアルコキシ基は一級水酸基、二級水酸基、
三級水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、及び/又はハ
ロゲン原子を置換基として有することがある。)で表さ
れるシクロアルカノールである前記(1)又は(2)記
載の方法、(4) 塩素ガスによる処理がpH0.5〜
7.0に制御された溶媒中で行われることを特徴とする
前記(1)〜(3)いずれかに記載の方法、に関する。
【0029】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明のオキソ化合物の製造方法において、少なくとも二
級水酸基を有する化合物とは、二級水酸基を有し、かつ
一級水酸基、三級水酸基等を有することある化合物を指
し、酸性の水溶液中、室温で塩素ガスにより攻撃される
置換基または不飽和結合等を有しない限り、特に限定さ
れない。
発明のオキソ化合物の製造方法において、少なくとも二
級水酸基を有する化合物とは、二級水酸基を有し、かつ
一級水酸基、三級水酸基等を有することある化合物を指
し、酸性の水溶液中、室温で塩素ガスにより攻撃される
置換基または不飽和結合等を有しない限り、特に限定さ
れない。
【0030】本発明の方法では、二級水酸基のみが塩素
ガスによって酸化され、一級水酸基は、酸化されない。
従って、選択性は極めて高く、反応収率も高いという特
徴を有する。一つの化合物の中の二級水酸基の数につい
ては特に制限されない。例えば、vic−ジオールは、
一方が二級水酸基、他方が一級水酸基であるときは、二
級水酸基のみが酸化されてケトールを生成し、両方とも
二級水酸基の場合はジケトンが生成する。水酸基相互間
が離れている場合は、それぞれ独立に酸化される。
ガスによって酸化され、一級水酸基は、酸化されない。
従って、選択性は極めて高く、反応収率も高いという特
徴を有する。一つの化合物の中の二級水酸基の数につい
ては特に制限されない。例えば、vic−ジオールは、
一方が二級水酸基、他方が一級水酸基であるときは、二
級水酸基のみが酸化されてケトールを生成し、両方とも
二級水酸基の場合はジケトンが生成する。水酸基相互間
が離れている場合は、それぞれ独立に酸化される。
【0031】少なくとも二級水酸基を有する化合物とし
ては、一般式(I)で表される化合物が挙げられる。式
中、R1 、R2 はそれぞれ、炭素数1〜20のアルキル
基を表し、また一方が炭素数1〜20のアルキル基で他
方がニトロ基、カルボキシル基、スルホキシル基、ハロ
ゲン原子を表していてもよい。これらのアルキル基は、
一級水酸基、二級水酸基、三級水酸基、ニトロ基、カル
ボキシル基、スルホキシル基、炭素数1〜20のアルコ
キシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、及び/又は
ハロゲン原子を置換基として有することがあり、また、
R1 とR2 が結合して単環もしくは縮合多環の炭化水素
環もしくは複素環を形成していてもよい。
ては、一般式(I)で表される化合物が挙げられる。式
中、R1 、R2 はそれぞれ、炭素数1〜20のアルキル
基を表し、また一方が炭素数1〜20のアルキル基で他
方がニトロ基、カルボキシル基、スルホキシル基、ハロ
ゲン原子を表していてもよい。これらのアルキル基は、
一級水酸基、二級水酸基、三級水酸基、ニトロ基、カル
ボキシル基、スルホキシル基、炭素数1〜20のアルコ
キシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、及び/又は
ハロゲン原子を置換基として有することがあり、また、
R1 とR2 が結合して単環もしくは縮合多環の炭化水素
環もしくは複素環を形成していてもよい。
【0032】一般式(I)で表される化合物を具体的に
例示すると、R1 、R2 がアルキル基の場合は、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−
ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−オク
タノール、2,4−ペンタンジオール、2−ブタノー
ル、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタ
ノール、2−ノナノール、2−デカノール、2−ウンデ
カノール、2−ドデカノール、3−メチル−2−ブタノ
ール、4−メチル−2−ペンタノール、グリセリンが、
R1 、R2 の一方がアルキル基、他方がアルコキシ基含
有のアルキル基の場合は、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、1−エトキシ−2−プロパノールが、R1 、R2
の一方がアルキル基、他方が置換基を有するアルキル基
の場合は、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、γ
−オキシ吉草酸、δ−オキシカプロン酸、3−クロロ−
2−プロパノールが、R1 、R2 の両方に置換基を有す
る場合は、イソクエン酸、リンゴ酸、3−クロロ−1,
2−プロパンジオール、1,3−ジクロロ−2−プロパ
ノール、R1 、R2 の一方がアルキル基、他方がニトロ
基、カルボキシル基、スルホキシル基等の置換基の場合
は、乳酸、2−ヒドロキシブタン酸等が挙げられる。
例示すると、R1 、R2 がアルキル基の場合は、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−
ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−オク
タノール、2,4−ペンタンジオール、2−ブタノー
ル、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタ
ノール、2−ノナノール、2−デカノール、2−ウンデ
カノール、2−ドデカノール、3−メチル−2−ブタノ
ール、4−メチル−2−ペンタノール、グリセリンが、
R1 、R2 の一方がアルキル基、他方がアルコキシ基含
有のアルキル基の場合は、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、1−エトキシ−2−プロパノールが、R1 、R2
の一方がアルキル基、他方が置換基を有するアルキル基
の場合は、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、γ
−オキシ吉草酸、δ−オキシカプロン酸、3−クロロ−
2−プロパノールが、R1 、R2 の両方に置換基を有す
る場合は、イソクエン酸、リンゴ酸、3−クロロ−1,
2−プロパンジオール、1,3−ジクロロ−2−プロパ
ノール、R1 、R2 の一方がアルキル基、他方がニトロ
基、カルボキシル基、スルホキシル基等の置換基の場合
は、乳酸、2−ヒドロキシブタン酸等が挙げられる。
【0033】本発明の方法によれば、一般式(II)で表
されるシクロアルカノールもよい原料となる。式中、n
は、2〜5の整数を表し、R3 は水素原子、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ニ
トロ基、カルボキシル基もしくはそのエステル、又はハ
ロゲン原子を表す。炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数1〜20のアルコキシ基は、一級水酸基、二級水酸
基、三級水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、及び/又
はハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。具体的
な化合物を例示すれば、シクロペンタノール、シクロヘ
キサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロ
ペンタンジオール、メントール、4−エチルシクロヘキ
サノール、3−メチルシクロペンタノール、2−クロロ
シクロヘキサノール、4−メトキシシクロヘキサノール
等が挙げられる。
されるシクロアルカノールもよい原料となる。式中、n
は、2〜5の整数を表し、R3 は水素原子、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ニ
トロ基、カルボキシル基もしくはそのエステル、又はハ
ロゲン原子を表す。炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数1〜20のアルコキシ基は、一級水酸基、二級水酸
基、三級水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、及び/又
はハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。具体的
な化合物を例示すれば、シクロペンタノール、シクロヘ
キサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロ
ペンタンジオール、メントール、4−エチルシクロヘキ
サノール、3−メチルシクロペンタノール、2−クロロ
シクロヘキサノール、4−メトキシシクロヘキサノール
等が挙げられる。
【0034】本発明の方法では、原料化合物中の二級水
酸基の数には特に制限はない。上記の具体例には二級水
酸基が1分子内に1または2個含まれるものが例示され
ているが、二級水酸基を3個以上1分子内に有する化合
物の例としては、糖類およびキチンが挙げられる。
酸基の数には特に制限はない。上記の具体例には二級水
酸基が1分子内に1または2個含まれるものが例示され
ているが、二級水酸基を3個以上1分子内に有する化合
物の例としては、糖類およびキチンが挙げられる。
【0035】本発明の反応によりこれらの原料化合物を
酸化する場合は、まず原料化合物をイオン交換水等の水
に溶解ないし懸濁する。この場合、仕込み濃度は、通常
1〜50重量%であり、好ましくは10〜20重量%で
ある。なお、反応溶媒としては、水とメタノール、エタ
ノール等の炭素原子数1〜3の一級アルコールとの混合
溶媒を使用することもできる。
酸化する場合は、まず原料化合物をイオン交換水等の水
に溶解ないし懸濁する。この場合、仕込み濃度は、通常
1〜50重量%であり、好ましくは10〜20重量%で
ある。なお、反応溶媒としては、水とメタノール、エタ
ノール等の炭素原子数1〜3の一級アルコールとの混合
溶媒を使用することもできる。
【0036】本発明の方法に用いる塩素ガスとしては、
市販品(住友精化(株)製)をそのまま使用することが
可能である。塩素ガスの吹き込み速度は、原料化合物反
応性に応じて調節する。塩素ガスの使用量は、原料化合
物の二級水酸基当たり通常1.0〜2.5当量、好まし
くは1.0〜1.2当量である。
市販品(住友精化(株)製)をそのまま使用することが
可能である。塩素ガスの吹き込み速度は、原料化合物反
応性に応じて調節する。塩素ガスの使用量は、原料化合
物の二級水酸基当たり通常1.0〜2.5当量、好まし
くは1.0〜1.2当量である。
【0037】本発明の反応は、塩素ガスを吹き込むこと
により行うため、溶媒は酸性となるが、アルカリを添加
してpHを0.5〜7.0、好ましくは0.5〜5.
0、より好ましくは1.5〜3.0の範囲に制御して行
う。pHが低すぎると副生成物が生じ易いため反応収率
が低下する傾向にあり、pHが高すぎると反応速度が低
下する傾向があるからである。中和に用いるアルカリと
しては、水酸化ナトリウム水、水酸化カリウム水等が挙
げられる。使用濃度は5〜40%、好ましくは10〜2
0%である。
により行うため、溶媒は酸性となるが、アルカリを添加
してpHを0.5〜7.0、好ましくは0.5〜5.
0、より好ましくは1.5〜3.0の範囲に制御して行
う。pHが低すぎると副生成物が生じ易いため反応収率
が低下する傾向にあり、pHが高すぎると反応速度が低
下する傾向があるからである。中和に用いるアルカリと
しては、水酸化ナトリウム水、水酸化カリウム水等が挙
げられる。使用濃度は5〜40%、好ましくは10〜2
0%である。
【0038】本発明の反応の温度は、通常20〜60℃
であり、好ましくは30〜38℃である。反応温度がこ
の範囲を超えると反応収率の低下の傾向が生じ、この範
囲より低いと反応速度が低下する傾向がある。この反応
は発熱を伴うので、水浴等により冷却しながら反応させ
るのが好ましい。
であり、好ましくは30〜38℃である。反応温度がこ
の範囲を超えると反応収率の低下の傾向が生じ、この範
囲より低いと反応速度が低下する傾向がある。この反応
は発熱を伴うので、水浴等により冷却しながら反応させ
るのが好ましい。
【0039】本発明の反応時間は、反応温度、原料の仕
込み濃度や基質の種類にもよるが、通常は4〜15時間
である。反応の終点は薄層クロマトグラフィー、ガスク
ロマトグラフィー等で原料の消失を確認して定める。
込み濃度や基質の種類にもよるが、通常は4〜15時間
である。反応の終点は薄層クロマトグラフィー、ガスク
ロマトグラフィー等で原料の消失を確認して定める。
【0040】このようにして得られる反応液から目的の
生成物を単離するためには、通常の単離方法が使用でき
る。例えば、生成物の性質に応じて、分別蒸留、難溶性
の溶媒からの晶析、再結晶、あるいは各種クロマトグラ
フィーを採用できる。こうして得られた生成物は、融
点、沸点、IR、NMRスペクトル等によりその構造を
確認する。
生成物を単離するためには、通常の単離方法が使用でき
る。例えば、生成物の性質に応じて、分別蒸留、難溶性
の溶媒からの晶析、再結晶、あるいは各種クロマトグラ
フィーを採用できる。こうして得られた生成物は、融
点、沸点、IR、NMRスペクトル等によりその構造を
確認する。
【0041】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明は、これらの実施例により何等限定
されるものではない。
説明するが、本発明は、これらの実施例により何等限定
されるものではない。
【0042】実施例1 1−ヒドロキシ−2−ブタノンの製造 塩素ガス吹き込み用ノズル(先端は溶液につかるように
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、1,2−ブタンジオール5.0g
(0.056モル)と水45gを注入し、この液中に塩
素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込みを
始めるとpHは酸性となるので、pHが1.3〜2.5
になるように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調整
した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、29〜
31℃で反応を行った。約4時間かけてアルコールに対
し当量(0.056モル)の塩素ガスを吹き込み、ガス
クロマトグラフィーにより原料の消失を確認し、反応終
点とした。
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、1,2−ブタンジオール5.0g
(0.056モル)と水45gを注入し、この液中に塩
素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込みを
始めるとpHは酸性となるので、pHが1.3〜2.5
になるように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調整
した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、29〜
31℃で反応を行った。約4時間かけてアルコールに対
し当量(0.056モル)の塩素ガスを吹き込み、ガス
クロマトグラフィーにより原料の消失を確認し、反応終
点とした。
【0043】次に、前記反応液を10%チオ硫酸ナトリ
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率91.9%で1
−ヒドロキシ−2−ブタノンを得た。 沸点160℃。IR(KBr)ν(cm-1):320
0、1720、1430、1290、1170、92
0。 1HNMR(60MHZ 、CDCl3 )δ(pp
m):1.05(t,3H)、2.4(q,2H)、
4.4(s,2H)、7.4(br.s,1H)。
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率91.9%で1
−ヒドロキシ−2−ブタノンを得た。 沸点160℃。IR(KBr)ν(cm-1):320
0、1720、1430、1290、1170、92
0。 1HNMR(60MHZ 、CDCl3 )δ(pp
m):1.05(t,3H)、2.4(q,2H)、
4.4(s,2H)、7.4(br.s,1H)。
【0044】実施例2 ヒドロキシアセトンの製造 塩素ガス吹き込み用ノズル(先端は溶液につかるように
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、1,2−プロパンジオール5.0
g(0.066モル)と水45gを注入し、この液中に
塩素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込み
を始めるとpHは酸性となるので、pHが1.8〜3.
4になるように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調
整した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、29
〜36℃で反応を行った。約5時間かけてアルコールに
対し1.1当量(0.072モル)の塩素ガスを吹き込
み、ガスクロマトグラフィーにより原料の消失を確認
し、反応終点とした。
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、1,2−プロパンジオール5.0
g(0.066モル)と水45gを注入し、この液中に
塩素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込み
を始めるとpHは酸性となるので、pHが1.8〜3.
4になるように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調
整した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、29
〜36℃で反応を行った。約5時間かけてアルコールに
対し1.1当量(0.072モル)の塩素ガスを吹き込
み、ガスクロマトグラフィーにより原料の消失を確認
し、反応終点とした。
【0045】次に、前記反応液を10%チオ硫酸ナトリ
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率91.2%でヒ
ドロキシアセトンを得た。 沸点145〜146℃。IR(KBr)ν(cm-1):
3200、1710、1410、1290。 1HNMR
(60MHZ 、CDCl3 )δ(ppm):2.1
(s,3H)、3.8(s,2H)、4.3(br.
s,1H)。
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率91.2%でヒ
ドロキシアセトンを得た。 沸点145〜146℃。IR(KBr)ν(cm-1):
3200、1710、1410、1290。 1HNMR
(60MHZ 、CDCl3 )δ(ppm):2.1
(s,3H)、3.8(s,2H)、4.3(br.
s,1H)。
【0046】実施例3 4−ヒドロキシ−2−ブタノンの製造 塩素ガス吹き込み用ノズル(先端は溶液につかるように
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、1,3−ブタンジオール5.0g
(0.056モル)と水45gを注入し、この液中に塩
素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込みを
始めるとpHは酸性となるので、pHが1.5〜2.5
になるように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調整
した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、25〜
40℃で反応を行った。約5時間かけてアルコールに対
し当量(0.056モル)の塩素ガスを吹き込み、ガス
クロマトグラフィーにより原料の消失を確認し、反応終
点とした。
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、1,3−ブタンジオール5.0g
(0.056モル)と水45gを注入し、この液中に塩
素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込みを
始めるとpHは酸性となるので、pHが1.5〜2.5
になるように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調整
した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、25〜
40℃で反応を行った。約5時間かけてアルコールに対
し当量(0.056モル)の塩素ガスを吹き込み、ガス
クロマトグラフィーにより原料の消失を確認し、反応終
点とした。
【0047】次に、前記反応液を10%チオ硫酸ナトリ
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率89.4%で4
−ヒドロキシ−2−ブタノンを得た。 沸点109〜110℃/30mmHg。IR(KBr)
ν(cm-1):3150、1720、1400、116
0、910。 1HNMR(60MHZ 、CDCl3 )δ
(ppm):1.42(s,3H)、2.6(t,2
H)、3.6(m,2H)、7.3(br.s,1
H)。
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率89.4%で4
−ヒドロキシ−2−ブタノンを得た。 沸点109〜110℃/30mmHg。IR(KBr)
ν(cm-1):3150、1720、1400、116
0、910。 1HNMR(60MHZ 、CDCl3 )δ
(ppm):1.42(s,3H)、2.6(t,2
H)、3.6(m,2H)、7.3(br.s,1
H)。
【0048】実施例4 2,3−ブタンジオンの製造 塩素ガス吹き込み用ノズル(先端は溶液につかるように
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、2,3−ブタンジオール5.0g
(0.056モル)と水45gを注入し、この液中に塩
素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込みを
始めるとpHは酸性となるためpHが1.3〜2.2に
なるように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調整し
た。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、29〜3
1℃で反応を行った。約10時間かけてアルコールに対
し1.2当量(0.067モル)の塩素ガスを吹き込
み、ガスクロマトグラフィーにより原料の消失を確認
し、反応終点とした。
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、2,3−ブタンジオール5.0g
(0.056モル)と水45gを注入し、この液中に塩
素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込みを
始めるとpHは酸性となるためpHが1.3〜2.2に
なるように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調整し
た。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、29〜3
1℃で反応を行った。約10時間かけてアルコールに対
し1.2当量(0.067モル)の塩素ガスを吹き込
み、ガスクロマトグラフィーにより原料の消失を確認
し、反応終点とした。
【0049】次に、前記反応液を10%チオ硫酸ナトリ
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率86.7%で
2,3−ブタンジオンを得た。 沸点88℃。IR(KBr)ν(cm-1):3000、
1720、1410、1350、1110、920。 1
HNMR(60MHZ 、CCl4 )δ(ppm):2.
3(s,6H)。
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率86.7%で
2,3−ブタンジオンを得た。 沸点88℃。IR(KBr)ν(cm-1):3000、
1720、1410、1350、1110、920。 1
HNMR(60MHZ 、CCl4 )δ(ppm):2.
3(s,6H)。
【0050】実施例5 2−オクタノンの製造 塩素ガス吹き込み用ノズル(先端は溶液につかるように
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、2−オクタノール5.0g(0.
038モル)と水45gを注入し、この液中に塩素ガス
を4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込みを始める
とpHは酸性となるので、pHが1.3〜1.5になる
ように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調整した。
滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、25〜40℃
で反応を行った。約5時間かけてアルコールに対し1.
1当量(0.042モル)の塩素ガスを吹き込み、ガス
クロマトグラフィーにより原料の消失を確認し、反応終
点とした。
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、2−オクタノール5.0g(0.
038モル)と水45gを注入し、この液中に塩素ガス
を4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込みを始める
とpHは酸性となるので、pHが1.3〜1.5になる
ように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調整した。
滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、25〜40℃
で反応を行った。約5時間かけてアルコールに対し1.
1当量(0.042モル)の塩素ガスを吹き込み、ガス
クロマトグラフィーにより原料の消失を確認し、反応終
点とした。
【0051】次に、前記反応液を10%チオ硫酸ナトリ
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率91.8%で2
−オクタノンを得た。 沸点172〜173℃。IR(KBr)ν(cm-1):
2960、2930、2860、1720、1465、
1410、1355、1220、1160、1115、
945、720。 1HNMR(60MHZ 、CCl4 )
δ(ppm):0.9(t,3H)、1.1〜1.7
(m,8H)、2.1(s,3H)、2.4(t,2
H)。
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率91.8%で2
−オクタノンを得た。 沸点172〜173℃。IR(KBr)ν(cm-1):
2960、2930、2860、1720、1465、
1410、1355、1220、1160、1115、
945、720。 1HNMR(60MHZ 、CCl4 )
δ(ppm):0.9(t,3H)、1.1〜1.7
(m,8H)、2.1(s,3H)、2.4(t,2
H)。
【0052】実施例6 シクロヘキサノンの製造 塩素ガス吹き込み用ノズル(先端は溶液につかるように
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、シクロヘキサノール5.0g
(0.050モル)と水45gを注入し、この液中に塩
素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込みを
始めるとpHは酸性となるので、pHが1.5〜2.1
になるように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調整
した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、25〜
38℃で反応を行った。約6時間かけてアルコールに対
し1.08当量(0.054モル)の塩素ガスを吹き込
み、ガスクロマトグラフィーにより原料の消失を確認
し、反応終点とした。
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、シクロヘキサノール5.0g
(0.050モル)と水45gを注入し、この液中に塩
素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。吹き込みを
始めるとpHは酸性となるので、pHが1.5〜2.1
になるように10%水酸化ナトリウム水を滴下して調整
した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却し、25〜
38℃で反応を行った。約6時間かけてアルコールに対
し1.08当量(0.054モル)の塩素ガスを吹き込
み、ガスクロマトグラフィーにより原料の消失を確認
し、反応終点とした。
【0053】次に、前記反応液を10%チオ硫酸ナトリ
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率89.5%でシ
クロヘキサノンを得た。 沸点155℃。IR(KBr)ν(cm-1):294
0、2860、1710、1450、1430、134
0、1310、1220、1120、1040、90
0、860、740、650、490。 1HNMR(6
0MHZ 、CCl4)δ(ppm):1.8(m,4
H)、2.3(m,6H)。
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率89.5%でシ
クロヘキサノンを得た。 沸点155℃。IR(KBr)ν(cm-1):294
0、2860、1710、1450、1430、134
0、1310、1220、1120、1040、90
0、860、740、650、490。 1HNMR(6
0MHZ 、CCl4)δ(ppm):1.8(m,4
H)、2.3(m,6H)。
【0054】実施例7 2−オキソブタン酸の製造 塩素ガス吹き込み用ノズル(先端は溶液につかるように
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、2−ヒドロキシブタン酸ナトリウ
ム5.0g(0.040モル)と水45gを注入し、こ
の液中に塩素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。
吹き込みを始めるとpHは酸性となるので、pHが1.
4〜2.3になるように10%水酸化ナトリウム水を滴
下して調整した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却
し、28〜36℃で反応を行った。約6時間かけてアル
コールに対し1.5当量(0.06モル)の塩素ガスを
吹き込み、ガスクロマトグラフィーにより原料の消失を
確認し、反応終点とした。
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、2−ヒドロキシブタン酸ナトリウ
ム5.0g(0.040モル)と水45gを注入し、こ
の液中に塩素ガスを4〜6ml/minで吹き込んだ。
吹き込みを始めるとpHは酸性となるので、pHが1.
4〜2.3になるように10%水酸化ナトリウム水を滴
下して調整した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で冷却
し、28〜36℃で反応を行った。約6時間かけてアル
コールに対し1.5当量(0.06モル)の塩素ガスを
吹き込み、ガスクロマトグラフィーにより原料の消失を
確認し、反応終点とした。
【0055】次に、前記反応液を10%チオ硫酸ナトリ
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率78.0%で2
−オキソブタン酸を得た。 沸点84℃/20mmHg。IR(KBr)ν(c
m-1):3030、2940、2630、1750、1
470、1390、1210、1030、970、82
0、660。 1HNMR(60MHZ 、CCl4 )δ
(ppm):1.1(t,3H)、2.9(d,2
H)、9.5(br.s,1H)。
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率78.0%で2
−オキソブタン酸を得た。 沸点84℃/20mmHg。IR(KBr)ν(c
m-1):3030、2940、2630、1750、1
470、1390、1210、1030、970、82
0、660。 1HNMR(60MHZ 、CCl4 )δ
(ppm):1.1(t,3H)、2.9(d,2
H)、9.5(br.s,1H)。
【0056】実施例8 1,3−ジクロロアセトンの製造 塩素ガス吹き込み用ノズル(先端は溶液につかるように
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、1,3−ジクロロ−2−プロパノ
ール5.0g(0.039モル)と水45gを注入し、
この液中に塩素ガスを4〜6ml/minで吹き込ん
だ。吹き込みを始めるとpHは酸性となるので、pHが
2.0〜3.0になるように10%水酸化ナトリウム水
を滴下して調整した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で
冷却し、30〜36℃で反応を行った。約6時間かけて
アルコールに対し1.2当量(0.047モル)の塩素
ガスを吹き込み、ガスクロマトグラフィーにより原料の
消失を確認し、反応終点とした。
する。)、pH調整アルカリ用滴下ロート、pHメー
タ、温度計、ガス抜き口(先端は10%チオ硫酸ナトリ
ウム水に通じるようにセットする。)を備えた100m
l容五口フラスコに、1,3−ジクロロ−2−プロパノ
ール5.0g(0.039モル)と水45gを注入し、
この液中に塩素ガスを4〜6ml/minで吹き込ん
だ。吹き込みを始めるとpHは酸性となるので、pHが
2.0〜3.0になるように10%水酸化ナトリウム水
を滴下して調整した。滴下中、発熱を伴うので、水浴で
冷却し、30〜36℃で反応を行った。約6時間かけて
アルコールに対し1.2当量(0.047モル)の塩素
ガスを吹き込み、ガスクロマトグラフィーにより原料の
消失を確認し、反応終点とした。
【0057】次に、前記反応液を10%チオ硫酸ナトリ
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率86.0%で
1,3−ジクロロアセトンを得た。 沸点87〜88℃/12mmHg。IR(KBr)ν
(cm-1):2940、1750、1730、140
0、1300、1280、1190、1110、94
0、820、770、690。 1HNMR(60M
HZ 、CDCl3 )δ(ppm):4.3(s,4H)
ウム水で処理して残留する塩素を分解し、塩化メチレン
で連続抽出した。集めた有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、濾過した後、有機層をエバポレータで濃縮し
た。得られたオイルを蒸留精製し、収率86.0%で
1,3−ジクロロアセトンを得た。 沸点87〜88℃/12mmHg。IR(KBr)ν
(cm-1):2940、1750、1730、140
0、1300、1280、1190、1110、94
0、820、770、690。 1HNMR(60M
HZ 、CDCl3 )δ(ppm):4.3(s,4H)
【0058】
【発明の効果】本発明の製造方法により、高価な触媒や
特殊な設備を必要とすることなく、二級水酸基を酸化す
ることができる。特に、二級水酸基と一級水酸基とを併
せもつ化合物であっても、二級水酸基のみを選択的にか
つ高収率で酸化することができる。
特殊な設備を必要とすることなく、二級水酸基を酸化す
ることができる。特に、二級水酸基と一級水酸基とを併
せもつ化合物であっても、二級水酸基のみを選択的にか
つ高収率で酸化することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 49/385 A 9049−4H 49/453 9049−4H 59/105 9450−4H 205/15 9450−4H 309/01 7419−4H
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも二級水酸基を有する化合物を
水溶媒もしくは水と炭素原子数1〜3の一級アルコール
との混合溶媒中、酸性下、塩素ガスで処理することによ
り、二級水酸基を選択的に酸化して対応するオキソ化合
物を製造する方法。 - 【請求項2】 少なくとも二級水酸基を有する化合物
が、一般式(I) 【化1】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ炭素数1〜20のアルキ
ル基を表し、または一方が炭素数1〜20のアルキル基
で他方がニトロ基、カルボキシル基、スルホキシル基、
ハロゲン原子を表し、これらのアルキル基は、一級水酸
基、二級水酸基、三級水酸基、ニトロ基、カルボキシル
基、スルホキシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、
炭素数3〜8のシクロアルキル基、及び/又はハロゲン
原子を置換基として有することがあり、また、R1 とR
2 が結合して単環もしくは縮合多環の炭化水素環もしく
は複素環を形成していてもよい。)で表されるものであ
ることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 少なくとも二級水酸基を有する化合物が
一般式(II) 【化2】 (式中、nは、2〜5を、R3 は水素原子、炭素数1〜
20のアルキル基もしくは炭素数1〜20のアルコキシ
基、ニトロ基、カルボキシル基もしくはそのエステル、
又はハロゲン原子を表し、これらのアルキル基およびア
ルコキシ基は一級水酸基、二級水酸基、三級水酸基、ニ
トロ基、カルボキシル基、及び/又はハロゲン原子を置
換基として有することがある。)で表されるシクロアル
カノールである請求項1又は請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 塩素ガスによる処理がpH0.5〜7.
0に制御された溶媒中で行われることを特徴とする請求
項1〜請求項3いずれか1項に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7021241A JP2838664B2 (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | オキソ化合物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7021241A JP2838664B2 (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | オキソ化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08193043A true JPH08193043A (ja) | 1996-07-30 |
JP2838664B2 JP2838664B2 (ja) | 1998-12-16 |
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JP7021241A Expired - Fee Related JP2838664B2 (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | オキソ化合物の製造方法 |
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JP (1) | JP2838664B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007008850A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Koei Chem Co Ltd | モノヒドロキシアセトンの製造法 |
-
1995
- 1995-01-13 JP JP7021241A patent/JP2838664B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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