JPH08192745A - 振動制御装置の試験方法及び装置 - Google Patents

振動制御装置の試験方法及び装置

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JPH08192745A
JPH08192745A JP7006971A JP697195A JPH08192745A JP H08192745 A JPH08192745 A JP H08192745A JP 7006971 A JP7006971 A JP 7006971A JP 697195 A JP697195 A JP 697195A JP H08192745 A JPH08192745 A JP H08192745A
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JP
Japan
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vibration
vehicle body
control device
vibration control
test
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JP7006971A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Makino
和宏 牧野
Hiroshi Higaki
博 檜垣
Michio Sehata
美智夫 瀬畑
Hideo Takai
英夫 高井
Kuniyoshi Hara
邦芳 原
Eiji Yagi
英次 八木
Yasuhiro Umezawa
康裕 梅沢
Norihiko Yoshie
則彦 吉江
Yoichi Shimamoto
洋一 島本
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Hitachi Ltd
West Japan Railway Co
Original Assignee
Hitachi Ltd
West Japan Railway Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、振動制御系外に加振力発生源
を必要としない、振動制御装置の試験手段および試験方
法を提供することである。 【構成】車体10と一対の台車12f、12r間にそれ
ぞれ設置された振動制御装置において、試験制御器20
により一対の振動制御作動機構36のうちの一方の振動
制御作動機構36を信号発生器25からの加振信号によ
り加振動作させ、その時の車体の動作状態量22の検出
結果により制御状態量を検出動作する振動制御装置の試
験手段および試験方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両の振動を低減
する振動制御装置の試験方法及び装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の鉄道車両の振動制御装置として
は、特公昭62−35943号公報に示されるように、
車体の振動加速度の検知結果を補償回路で補償して制御
信号を出力し、台車と該台車に対してばねを介して支持
された車体との間に設置された流体圧作動機構を制御す
る方法が知られている。また、振動制御装置の誤動作検
知装置としては、特開平1−34824号公報に示され
るように、車体の振動検出器の検出結果と異常値設定器
に設定された値を比較し、設定値をこえた場合に振動制
御を停止し、異常警報器を作動させる方法が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、走行
状態において振動制御装置の異常検出を行っているた
め、走行前に正常動作するかどうかの確認を行うことが
困難である。走行前にこの振動制御装置の制御系と流体
圧作動系に異常がないことを確認する方法としては、人
力で車体を加振し、振動制御装置を作動させたときの車
体の振動加速度の収束状態を出力波形等により監視する
ことにより可能であるが、作業時間および判定の信頼性
の面が問題となる。
【0004】本発明の目的は、車体を支持する一対の台
車と、前記車体と前記一対の台車との間に設置され、両
者の相対変位を作動機構により制御する振動制御装置に
おいて、特別な加振手段を必要とせずに振動制御装置の
動作状態の異常の有無を検出する振動制御装置の試験方
法を提供することにある。
【0005】また、前記振動制御装置において、振動制
御装置の誤結線、誤架設の検知が可能な振動制御装置の
試験方法を提供することにある。
【0006】さらに、振動制御装置の異常の有無の試験
が行なえる振動制御装置の試験方法を提供することにあ
る。
【0007】さらに、車体と、車体を支持する一対の台
車と、前記車体と前記一対の台車との間に設置され、両
者の相対変位を作動機構により制御する振動制御装置に
おいて、特別な加振手段を必要とせずに振動制御装置の
作動状態の異常の有無を検出する振動制御装置の試験装
置を提供することにある。
【0008】さらに、前記振動制御装置において、振動
制御装置の誤結線、誤架設の検知が可能な振動制御装置
の試験装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、車体の前位部および後位部を一対の台車によって支
持し、該車体と各台車との間に振動制御手段をそれぞれ
設置した振動制御装置の試験方法において、前記車体と
一方の台車との間に設置される一方の振動制御手段を加
振動作させる工程と、該加振動作に対する前記車体の動
作状態量を検出しる工程と、振動制御装置の制御状態量
を検知動作する工程を有する振動制御装置の試験方法と
したものである。
【0010】また、前記加振動作を行う一方の作動機構
側とは反対側の振動制御装置を作動させた場合と停止さ
せた場合の車体の動作状態量の比較値を評価対象する工
程を有する振動制御装置の試験方法としたものである。
【0011】さらに、前記加振動作を行う側の台車設置
位置近傍の車体の動作状態量を評価対象とする工程を有
することとした振動制御装置の試験方法としたものであ
る。
【0012】さらに、上記目的を達成するために、車体
と一対の台車のそれぞれの台車との間に両者の相対変位
を制御する作動機構を設け、該作動機構を加振動作させ
る制御手段により一方の作動機構を加振動作させ、該加
振動作に対する車体の前記各台車設置位置近傍の動作状
態量の検出結果により、制御状態量を検出動作させる制
御手段としたものである。
【0013】さらに、前記制御手段は、前記加振動作を
行う作動機構側とは反対側の他方の作動機構側の振動制
御装置を、制御状態とした場合と制御停止状態とした場
合の台車設置位置近傍の車体の動作状態量の検出結果に
より検出動作する制御手段としたものである。
【0014】
【作用】上記構成においては、車体の前位部および後位
部を一対の台車によって支持しており、該車体と各台車
との間に振動制御手段をそれぞれ設置した鉄道車両の振
動制御装置の試験方法において、前記車体と一方の台車
との間に設置される一方の振動制御手段を加振動作させ
る工程と、該加振動作に対する前記車体の動作状態量を
検出結果する工程により振動制御装置の制御状態量を検
知動作するように作用する。
【0015】また、前記加振動作側とは反対側の振動制
御装置を制御状態と制御停止状態とした場合の車体の動
作状態量の比較値を評価対象とする工程により作動機構
側の振動制御装置の誤結線、誤架設の有無を検出するよ
うに作用する。
【0016】さらに、前記加振動作を行う側の台車設置
位置近傍の車体の動作状態量を評価対象とする工程によ
り加振側の振動制御装置の制御状態量を検知動作するよ
うに作用する。
【0017】さらに、上記構成においては、前記制御手
段は、車体と一対の台車との間に設置された作動機構の
うち、一方の作動機構を加振動作させ、該加振に対する
車体の各台車設置位置近傍の動作状態量の検出結果を、
正常状態の動作状態量と比較評価することにより、各台
車設置位置の振動制御装置の異常の有無を検知するよう
に作用する。
【0018】さらに、前記制御手段は、一方の作動機構
を加振動作させた状態で、前記加振側とは反対側の他方
の作動機構側の振動制御装置を制御状態とした場合と制
御停止状態とした場合の台車設置位置近傍の車体の動作
状態量の検出結果を比較することにより、該他方の作動
機構側の振動制御装置の誤結線、誤架設の有無を検出動
作するように作用する。
【0019】
【実施例】以下、本発明による振動制御装置の第1実施
例の構成および動作を図1〜図5によって説明する。こ
こで、添字fは車体10を支持する一対の台車枠12の
前位側、rは後位側を示す。図2において10は振動制
御の対象である車体で、空気ばね14fを介して台車枠
12f上に支持されている。36fは前記車体10と台
車枠12fとの間に設けられた油圧作動機構で、一方を
車体10、他方を台車枠12fに連結し、車体10と台
車枠12fの間の相対変位を直接制御することにより車
体10の振動を低減させるものである。22fは車体1
0に設けられ、車体10の左右振動加速度を検知する加
速度計である。23fは前記加速度計22fの検知結果
を入力としてゲインおよび位相を補償したのちサ−ボ弁
32fへ制御信号を出力することにより、油圧源30か
らの圧油の供給を受けた前記油圧作動機構36fを制御
するコントロ−ラであり、アナログもしくはデジタル演
算器からなる。ここで、サ−ボ弁32fは比例制御弁等
の制御弁で構成してもよい。以上の記述は車両の前位側
についてであるが、これと車両の後位側は同じ構成であ
るので、図1のように図2において符合のfをrと読み
換えた車体の後位側の構成が存在する。
【0020】20は、車両の停止状態において試験要求
指令により油圧作動機構用36fあるいは36rを加振
動作させるとともに、車体10の各台車枠12f、12
rの設置位置近傍の車体の動作状態量の一つである車体
左右振動加速度の検出手段である加速度計22f、22
rの検知結果により、油圧作動機構用36fあるいは3
6rによる制御状態量を検出動作する試験制御器であ
り、本実施例では編成車両の各車両ごとに設けてある。
24f、24rはサ−ボ弁32f、32rへの制御指令
を、コントロ−ラ23f、23rからの制御信号、試験
制御器20からの加振信号、あるいは制御停止信号のい
ずれかに切り替える信号切替部である。本実施例では制
御停止信号発信時には締切り弁34f、34rを閉じる
ことにより油圧作動機構36f、36rへの圧油の供給
を遮断するように構成している。
【0021】図3に、試験制御器20と振動制御装置の
ブロック図を示す。試験制御器20は、信号発生器2
5、A/D変換器26、入出力ポ−ト27、メモリ2
8、マイクロコンピュ−タ(以下MPUという)29より
構成されている。信号発生器25は、試験の目的で車体
を振動させるために、サ−ボ弁32f・32rへ出力さ
れる正弦波状入力信号を発生するものである。メモリ2
8には、試験の進行管理・検出デ−タの演算と判定・試
験状況や結果の表示の機能を持つ試験実行プログラム、
判定用基準値、以前の検出デ−タを記憶させておく。M
PU29は、後に述べる処理手順の試験実行プログラム
を実行管理し、試験制御器20と締切り弁34f・34
r、スイッチ24f・24r、異常通報装置40の動作
を指令する。
【0022】異常通報装置40は、車体の動作状態量検
出手段である加速度計22f、22rの検出結果に基づ
き制御性能が規定範囲にない、油圧系が不完全動作する
等の異常をMPU29が判断したときに、MPU29か
らの異常通報信号を受けて、異常内容をランプやブザ−
等で通報するものである。なお、この通報は編成車両各
車両に設置するモニタ端末を経由して運転席のモニタ装
置へ電送されてもよい。
【0023】以上の構成における振動制御装置の一実施
例における前半の処理手順を示すフロ−チャ−トを図4
に示す。また、実車両を用いた実験結果例として加速度
計22f、22rによる車体の動作状態量の車体左右振
動加速度の検出結果を図5に示す。
【0024】ステップ1を説明する。試験実行プログラ
ムにより、MPU29は、入出力ポ−ト27から前位締
切弁34f及び後位締切弁34rに、これを開ける指令
信号を出力し、前位サ−ボ弁32fおよび後位サ−ボ弁
32rから前位油圧作動機構36fおよび後位油圧作動
機構36rへの油路を開通させる。さらに、入出力ポ−
ト27から後位スイッチ24rに対して、これを端子s
1へ接続する指令信号を出力し、後位コントロ−ラ23
rの出力をサ−ボ弁32rに入力させる状態とする。以
上により、後位油圧作動機構36rは、後位コントロ−
ラ23rからの制御信号に応じて後位車体10rの左右
振動を低減させるよう制御力を発生する状態となる。こ
のときの、後位振動制御装置の動作状態を、以下、制御
モ−ドと呼ぶ。
【0025】ステップ2で、MPU29は、入出力ポ−
ト27から前位スイッチ24fに、これを端子s3へ接
続する指令信号を出力し、信号発生器25からの正弦波
状の加振用信号を前位サ−ボ弁32fに入力する。前位
サ−ボ弁32fは、前位油圧源30fからの圧油を前記
加振用信号に比例した流量にして、開通した前位側締切
弁34fを通して、前位油圧作動機構36fへ供給す
る。以上により、前位油圧作動機構36fは、車体を加
振する動作を開始する。このときの、前位振動制御装置
の動作状態を、以下、加振モ−ドと呼ぶ。車体は、前位
側が加振されることで、後位側も逆位相のヨ−イングモ
−ドで振動するが、後位側は制御モ−ドとなっているの
で後位側の振動を抑えるように動作し、その結果図5の
ように加振モ−ド側の加速度検出手段22fの検出結果
Gfと比べて制御モ−ド側の加速度検出手段22rの検
出結果Grは1/2〜1/3程度に小さい値となる。こ
こで、加振周波数を車体のヨ−イング共振周波数に近く
することでより図5の差がより顕著となる。
【0026】次に、ステップ3で前位振動制御装置を加
振モ−ドとし、後位振動制御装置を制御モ−ドとしたと
きの、車体の動作状態量である前位加速度検出手段22
f及び後位加速度検出手段22rの検出結果Gfおよび
Grを、A/D変換器26で離散化処理し、入出力ポ−
ト27を通してメモリ28に記憶させる。
【0027】さらに、ステップ4で前位振動制御装置の
加振モ−ドにおける制御状態量は、例えば以下のように
して判定することができる。ステップ2で、メモリ28
に記憶させたGfの値と、複数回の試験から求めて、メ
モリ28に記憶させた、 A:正常動作時の加振性能(Gf)の平均値 α:正常動作時の加振性能(Gf)の分布範囲 を用いて、MPU29が次式の成否を演算する。
【0028】
【数1】 A−α≦Gf≦A+α ・・・・・・・・・・・・・・(数1) (数1)の成立をもって、前位振動制御装置の作動系統が
正常動作しているとする。これは、作業者が表示される
検出デ−タを見て確認してもよい。(数1)が成立しない
とき、前位振動制御装置の作動系統に何らかの異常が存
在すると考えられる。
【0029】一方、後位振動制御装置の制御モ−ドにお
ける制御状態量は、例えば以下のようにして判定するこ
とができる。ステップ2で、メモリ28に記憶させたG
rの値と、複数回の試験から求めて、メモリ28に記憶
させた、 B:正常動作時の制御性能(Gr)の平均値 β:正常動作時の制御性能(Gr)の分布範囲 を用いて、MPU29が次式の成否を演算する。
【0030】
【数2】 B−β≦Gr≦B+β ・・・・・・・・・・・・・・(数2) (数1)および(数2)の成立をもって、後位振動制御装置
の制御系統が正常動作しているとする。これは、作業者
が表示される検出デ−タを見て確認してもよい。
【0031】(数1)が成立して(数2)が成立しないと
き、後位振動制御装置の作動系統に何らかの異常が存在
すると考えられる。
【0032】A、B、α、βの値は、数値シミュレ−シ
ョンを参考にし、実機試験による性能に基づいて統計的
に決定することができ、人為的な故障再現による性能変
動を参考にして判定の有効性を確認できる。
【0033】次に、前位側を制御モ−ド、後位側を加振
モ−ドとすることで、前位側振動制御装置についても同
様にして試験することができる。
【0034】以上のように、本実施例によれば、車両の
振動制御装置の試験を運行前に行うにあたって、加振装
置を新たに設置する必要がなく、作業を自動化でき、振
動加速度の値を用いることで制御性能の定量的評価が可
能なことから、短時間で人手をかけず信頼性の高い試験
方法が提供される。
【0035】本実施例では、車体の振動の検出と判定に
車体の振動加速度を用いているが、他の検出可能な動作
状態量で振動の大きさと写像関係を持つもの、例えば
(検出側の)コントロ−ラ23の出力や作動流体圧力でも
同様の試験が可能である。さらに、振動制御における制
御則が異なり、台車と車体の相対速度あるいは相対変位
を検出している場合は、これらを用いても可能である。
【0036】また、本実施例では、作動流体として作動
油を用いているが、流体作動機構として空気圧式のもの
を用いて、作動流体として空気を用いる場合でも、同様
の試験が可能である。
【0037】さらに、本実施例では、車体の左右方向の
振動を減少させる振動制御装置の試験方法について述べ
たが、車体の上下方向の振動を減少させる振動制御装置
についても、同様の試験が可能である。
【0038】また、本実施例では、試験制御器20は各
車両ごとに設けてあるが、中央処理装置であるモニタ装
置の一機能として試験制御器20を追加し、各車両ごと
に設置されるモニタ端末を経由することにより編成車両
全てを一括制御することも可能である。それにより、走
行中に信号発生器25から加振信号が誤出力されるのを
一括管理できる。
【0039】次に、本発明による第2実施例の処理手順
を示すフロ−チャ−トを図6に示す。ここで、振動制御
装置の構成および試験制御器の構成は図1〜図3の第1
実施例と同一であり、同一部材は同一符号で記す。
【0040】ステップ1を説明する。試験実行プログラ
ムにより、MPU29は、入出力ポ−ト27から後位ス
イッチ24rに対して、これを中立にする指令信号を出
力し、後位サ−ボ弁32rの入力を接地してこの出力を
停止させる。また、MPU29は、入出力ポ−ト27か
ら後位側締切弁34rに、これを閉める指令信号を出力
し、後位サ−ボ弁32rから後位油圧作動機構36rへ
の油路を遮断させる。以上により、後位油圧作動機構3
6rは両ポ−トを閉じた状態になり、ピストンに設けた
油室を連通する絞りにより、油圧ダンパと同一の機能を
持つ。このときの、後位振動制御装置の動作状態を、以
下、制御停止モ−ドと呼ぶ。
【0041】さらに、MPU29は、入出力ポ−ト27
から前位締切弁34fに、これを開ける指令信号を出力
し、前位サ−ボ弁32fから前位油圧作動機構36fへ
の油路を開通させる。また、MPU29は、入出力ポ−
ト27から前位スイッチ24fに、これを端子s3へ接
続する指令信号を出力し、信号発生器25からの正弦波
状の加振用信号を前位サ−ボ弁32fに入力する。前位
サ−ボ弁32fは、前位油圧源30fからの圧油を前記
加振用信号に比例した流量にして、開通した前位側締切
弁34fを通して、前位油圧作動機構36fへ供給す
る。
【0042】以上により、前位油圧作動機構36fは、
車体を加振する加振モ−ド状態となる。前位側の加振に
より、車体は、図7のように前位側がGf0で振動し、
後位側も振動する。ステップ2で、前位振動制御装置を
加振モ−ドとし、後位振動制御装置を制御停止モ−ドと
したときの、図7に示すような後位加速度検出手段22
rの検出結果Grpを、A/D変換器26で離散化処理
し、入出力ポ−ト27を通してメモリ28に記憶させ
る。
【0043】次にステップ3で、前位側は加振モ−ドの
ままで、試験実行プログラムにより、MPU29は、入
出力ポ−ト27から後位スイッチ24rに対して、これ
を端子s1へ接続する指令信号を出力し、後位コントロ
−ラ23rの出力をサ−ボ弁32rに入力させる。同時
に、MPU29は、入出力ポ−ト27から後位側締切弁
34rに、これを開ける指令信号を出力し、後位サ−ボ
弁32rから後位油圧作動機構36rへの油路を開通さ
せる。以上により、後位油圧作動機構36rは、後位車
体10rの左右振動を低減するように作用する制御モ−
ド状態となる。
【0044】次にステップ4で、前位振動制御装置を加
振モ−ドとし、後位振動制御装置を制御モ−ドとしたと
きの、図7に示すような後位加速度検出手段22rの検
出結果Graを、A/D変換器26で離散化処理し、入
出力ポ−ト27を通してメモリ28に記憶させる。
【0045】さらにステップ5で後位振動制御装置の制
御動作状態を、例えば以下のようにして判定することが
できる。ステップ1とステップ2で、メモリ28に記憶
させたGrpとGraの値と、複数回の試験から求め
て、メモリ28に記憶させた、 C:正常動作時の制御性能(Gra/Grp)の平均値 γ:正常動作時の制御性能(Gra/Grp)の分布範囲 を用いて、MPU29が次式の成否を演算する。
【0046】
【数3】 C−γ≦Gra/Grp≦C+γ ・・・・・・・・・・・・・(数3) (数3)の成立をもって、後位振動制御装置が正常動作し
ているとする。これは、作業者が表示される検出デ−タ
を見て確認してもよい。
【0047】Cとγの値は、数値シミュレ−ションを参
考にし、実機試験による性能に基づいて統計的に決定す
ることができ、人為的な故障再現による性能変動を参考
にして判定の有効性を確認できる。
【0048】(数3)が成立しないとき、後位振動制御装
置に何らかの異常が存在すると考えられる。例えば、後
位振動制御装置の信号系と作動系のいずれかに逆相接続
があるときは、図8のように後位側の車両の振動は自励
発散する状態に陥るため、
【0049】
【数4】 1 < Gra/Grp ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(数4) の成立をもって判定できる。ただし、この実施例の場合
はどこまでも振幅が大きくなるわけではなく、ある平衡
に達する。また、
【0050】
【数5】 Gra/Grp < C−γ ・・・・・・・・・・・・・・・・(数5) ならば、例えば、後位供給圧または後位加速度検出手段
22rか後位振動特性補償回路23rのゲインが大きい
ことから制御力が規定よりも大きくなっている、あるい
は制御停止モ−ドで後位締切り弁34rが開いている等
の可能性がある。さらに、
【0051】
【数6】 C+γ < Gra/Grp ≦ 1 ・・・・・・・・・・・・(数6) ならば、供給圧または後位加速度検出手段22rか後位
振動特性補償回路23rのゲインが小さいことから制御
力が規定よりも小さくなっている、あるいは制御モ−ド
において、油圧系の応答が劣化している、後位締切り弁
34rが閉まっている等の可能性がある。
【0052】もし、後位側の車体の振動加速度Graが
大きくなり、(数4)を満たすときは、すぐに前位側振
動制御装置による加振を停止し、後位側振動制御装置を
制御停止モ−ドにする。(数3)が成立しない場合は異常
通報装置40を作動させる。
【0053】次に、前位側を制御モ−ド、後位側を加振
モ−ドとすることで、前位側振動制御装置についても同
様にして試験することができる。
【0054】以上のように、この実施例によれば、車両
の振動制御装置の試験を運行前に行うにあたって、加振
装置を新たに設置する必要がなく、振動制御装置の逆結
線、逆架設の検知を自動化でき、また、振動加速度の比
の値を用いることで制御性能の定量的評価が可能なこと
から、短時間で人手をかけず信頼性の高い試験手段が提
供される。
【0055】本実施例においても、車体の振動の検出と
判定に車体の振動加速度を用いているが、他の検出可能
な動作状態量で振動の大きさと写像関係を持つもの、例
えば(検出側の)振動特性補償回路23の出力や作動流体
圧力でも同様の試験が可能である。さらに、振動制御に
おける制御則が異なり、台車と車体の相対速度あるいは
相対変位を検出している場合は、これらを用いても可能
である。
【0056】次に、本発明による振動制御装置の試験方
法の第3実施例の処理工程を図9に示す。ここで、振動
制御装置の構成は図1〜図3の第1実施例と同一であ
り、同一部材は同一符号で記す。車体10の前位部10
fおよび後位部10rを一対の台車12fおよび12r
によって支持し、車体10fおよび10rと各台車12
fおよび12rとの間に左右振動加速度計22f、22
r、コントロ−ラ23f、23r、サ−ボ弁32f、3
2r、作動機構36f、36rからなる振動制御手段を
設置している。工程1においては、一方の台車の系統の
振動制御手段を用いて強制的に加振し、工程2において
は、その時の車体左右振動加速度計22、コントロ−ラ
23の出力、作動流体圧力あるいは台車と車体の相対速
度あるいは相対変位等の車体の動作状態量を検出する。
工程3においては、該工程2で検出した車体の動作状態
量により振動制御装置の状態量を推定する。本実施例に
よる振動制御装置の試験方法によれば振動制御装置の制
御性能を定量的に把握することが出来る。
【0057】次に、本発明による振動制御装置の試験方
法の第4実施例の処理工程を図10に示す。第3実施例
との違いは、工程2で他方の振動制御手段を制御停止状
態として車体の動作状態量を検出し、さらに、工程3で
他方の振動制御手段を制御状態として車体の動作状態量
を検出し、それらの結果を工程4で比較評価して振動制
御装置の状態量を推定する工程とした点である。本実施
例による振動制御装置の試験方法によれば振動制御装置
の誤結線、誤架設の検知を容易に行うことが出来る。
【0058】次に、本発明による振動制御装置の試験方
法の第5実施例の処理工程を図11に示す。第3実施例
との違いは、工程3において加振動作する側の車体の動
作状態量を用いて評価を行う工程とした点である。本実
施例による振動制御装置の試験方法によれば振動制御装
置の作動機構36の動作確認手段とすることができる。
加振手段の信号の大きさを常に等しくしておけば、前位
車体10fと後位車体10bに発生する振動加速度の大
きさを、それぞれ以前の試験のものと比較する工程とす
ることで、振動制御系のパラメ−タ変動の有無も確認で
きる。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、振動制
御装置の試験を行うにあたって、加振装置を新たに設置
する必要がなく、作業を自動化でき、短時間で人手をか
けず信頼性の高い試験方法が提供される。特に、その試
験が運行前に行われるべき車両等の振動制御装置の有効
な試験手段および試験方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の車両の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】図1の車体前部を示したブロック図である。
【図3】図1の試験制御器0と振動制御装置のブロック
図である。
【図4】本発明の第1実施例の処理手順を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図5】本発明の第1実施例の車体の動作状態量の検出
結果例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2実施例の処理手順を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図7】本発明の第2実施例の正常制御時の車体の動作
状態量の検出結果例を示す模式図である。
【図8】本発明の第2実施例の逆制御時の車体の動作状
態量の検出結果例を示す模式図である。
【図9】本発明の第3実施例の処理工程を示すフロ−チ
ャ−トである。
【図10】本発明の第4実施例の処理工程を示すフロ−
チャ−トである。
【図11】本発明の第5実施例の処理工程を示すフロ−
チャ−トである。
【符合の説明】
10・・・車体、20・・・試験制御器、22・・・加速度検出
器、23・・・コントロ−ラ、24・・・スイッチ、25・・・
信号発生器、30・・・油圧源、34・・・締切弁、36・・・
油圧作動機構。
フロントページの続き (72)発明者 瀬畑 美智夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 高井 英夫 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 原 邦芳 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内 (72)発明者 八木 英次 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道株式会社内 (72)発明者 梅沢 康裕 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道株式会社内 (72)発明者 吉江 則彦 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道株式会社内 (72)発明者 島本 洋一 大阪市北区芝田二丁目4番24号 西日本旅 客鉄道株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体の前位部および後位部を一対の台車に
    よって支持しており、該車体と各台車との間に振動制御
    手段をそれぞれ設置した鉄道車両の振動制御装置の試験
    方法において、前記車体と一方の台車との間に設置され
    る一方の振動制御手段を加振動作する工程と、該加振動
    作に対する前記車体の動作状態量を検出する工程と、該
    検出結果により振動制御装置の状態量を検知動作する工
    程を有することを特徴とする振動制御装置の試験方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の振動制御装置の試験方法
    において、前記加振動作を行う一方の作動機構側とは反
    対側の他方の前記他方の振動制御装置を作動させた場合
    と停止させた場合の車体の動作状態量の比較値を評価対
    象とする工程を有することを特徴とする振動制御装置の
    試験方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の振動制御装置の試験方法
    において、前記加振動作を行う側の台車設置位置近傍の
    車体の動作状態量を評価対象とする工程を有することを
    特徴とする振動制御装置の試験方法。
  4. 【請求項4】車体と、該車体を支持する一対の台車と、
    前記車体と前記一対の台車のうちの一方の台車との間に
    設置され両者の相対変位を制御する一方の作動機構と、
    前記車体と前記一対の台車のうちの他方の台車との間に
    設置され両者の相対変位を制御する他方の作動機構と、
    車体の前記各台車設置位置近傍の動作状態量を検出する
    検出手段と、前記一方の作動機構を加振動作させ前記検
    出手段による検出結果により制御状態量を検出動作する
    制御手段とから構成したことを特徴とする振動制御装置
    の試験装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の振動制御装置の試験装置
    において、前記制御手段は、前記他方の作動機構の振動
    制御手段の作動時と停止時の該他方の作動機構側の台車
    設置位置近傍の車体の動作状態量の検出結果により検出
    動作することを特徴とする振動制御装置の試験装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001141619A (ja) * 1999-11-17 2001-05-25 Hitachi Ltd シミュレーションライドにおけるカプセルの損傷・劣化検出方法
WO2002002383A1 (fr) * 2000-06-30 2002-01-10 Central Japan Railway Company Simulateur de confort de roulement pour voie ferree
JP2009033793A (ja) * 2007-07-24 2009-02-12 Hitachi Ltd 鉄道車両用振動制御装置
JP2009035068A (ja) * 2007-07-31 2009-02-19 Hitachi Ltd 鉄道車両用振動制御装置

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