JPH08192645A - 車両用防振装置 - Google Patents

車両用防振装置

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JPH08192645A
JPH08192645A JP2230795A JP2230795A JPH08192645A JP H08192645 A JPH08192645 A JP H08192645A JP 2230795 A JP2230795 A JP 2230795A JP 2230795 A JP2230795 A JP 2230795A JP H08192645 A JPH08192645 A JP H08192645A
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JP
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bush
radiator
bracket
vehicle
spring
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JP2230795A
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Takehiro Suzuki
健弘 鈴木
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Suzuki Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ロアブッシュ34のロアブラケット32に対
する組付性を向上しまた、ロアブッシュ34の内部空間
を空気ダンパとして機能させ、全ての温度条件において
ラジエータ6をダイナミックダンパとして機能させ、車
両の防振を果たす。 【構成】 ラジエータ6のアッパブラケット及びアッパ
ブッシュ間には隙間を設け、ロアタンク12及びロアブ
ラケット32間にはラジエータ6を弾性支持するスプリ
ング78を介装してラジエータ及びこのラジエータに接
続される構成部品とスプリング78とによりダイナミッ
クダンパを構成し、ロアブッシュ下面にシール部材96
を被着して設け、このシール部材96のロアブラケット
32と接触する側に摩擦係数の小なる減摩面を設けたこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は車両用防振装置に係
り、特に、ロアブッシュのロアブラケットに対する組付
性を向上し得て、挿入補助剤の塗布及び組付後のチェッ
ク工程を不要とし得て、コストの低減を果たし得て、ま
た、ロアブッシュの内部空間を空気ダンパとして機能さ
せ得て、車両の防振に寄与し得て、冷却水温度の変化に
起因するラジエータのインレットホースの屈伸変形によ
るラジエータの車両前後方向の変位を吸収補償し得て、
全ての温度条件においてラジエータをダイナミックダン
パとして機能させ得て、車両の防振を果たし得る車両用
防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の運転時、特に、エンジンの低回転
時には、エンジンの回転数に伴う振動が車体に伝播して
共振を発生する問題がある。
【0003】そこで、車両には、搭載されるエンジンの
ラジエータを利用してダイナミックダンパを構成し、車
両の防振を図る車両用防振装置を備えたものがある。従
来のラジエータを利用した車両用防振装置としては、例
えば、実公昭64−330号公報、特開平4−4336
号公報、特公昭63−43246号公報、実開昭59−
90638号公報、実開昭57−141118号公報等
に開示されるものがある。
【0004】実公昭64−330号公報に開示されるも
のは、車体にラジエータをゴムブッシュを介して弾性支
持し、このゴムブッシュの上下方向のバネ定数を冷却水
を含むラジエータマスとエンジンアイドル運転時の車体
の上下方向振動数とから定まる値に設定し、車体の共振
を抑制するものである。
【0005】特開平4−4336号公報、特公昭63−
43246号公報、実開昭59−90638号公報、実
開昭57−141118号公報に夫々開示されるもの
は、ラジエータをスプリング等を介して弾性支持し、車
体の防振を果たすものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンの
ラジエータによりダイナミックダンパを構成する車両用
防振装置は、ラジエータのアッパタンクを車体側アッパ
メンバに取付けられるアッパブラケットに弾性体のアッ
パブッシュを介して支持して設け、ラジエータのロアタ
ンクを車体側ロアメンバーに取付けられるロアブラケッ
トに弾性体のロアブッシュを介して支持して設けたもの
がある。
【0007】前記ラジエータは、ロアタンクにロアブッ
シュを部組してから、車両の組立ライン上において車体
側ロアメンバに取付けられたロアブラケットのロアブラ
ケット側係合孔にロアブッシュを係合させている。
【0008】ところが、ロアブッシュは、ロアブラケッ
トに係合する際に、ロアブラケット側係合孔に対して多
少の位置ずれを生じて係合される場合がある。このよう
な場合には、ロアブラケット側係合孔周囲のロアブラケ
ットによりロアブッシュの下部が押圧変形されてめくれ
を生じ、正規の形状でロアブラケットにロアブッシュを
係合し得ないことになる。
【0009】このため、従来の車両用防振装置は、ロア
ブラケットのロアブラケット側係合孔とロアブッシュと
の厳密な位置合わせを必要とすることにより組付性の低
下を招く不都合があり、また、めくれ防止用の挿入補助
剤をロアブラケット側係合孔に塗布する必要や組付後に
めくれ有無のチェック工程を必要とすることによりコス
トの上昇を招く不都合があった。
【0010】また、ラジエータの冷却水回路の内圧は、
エンジンが冷機状態から暖機状態に変化すると、冷却水
温度の上昇に伴い上昇する。この内圧の上昇は、ラジエ
ータのアッパタンクに接続されるインレットホースを湾
曲形状から直線形状に変形させることになる。このた
め、インレットホースは、冷却水温度による湾曲形状と
直線形状との間の屈伸変形により、ラジエータの上側を
車両の前後方向に変位させることになる。
【0011】このため、従来のラジエータによりダイナ
ミックダンパを構成する車両用防振装置は、ラジエータ
のアッパタンクを車体側アッパメンバに取付けられるア
ッパブラケットと弾性体のアッパブッシュとの間に隙間
を設けて支持した場合に、冷却水温度の変化に起因する
インレットホースの屈伸変形によりラジエータが車両前
後方向に変位されて、アッパブラケット及びアッパブッ
シュ間の前記隙間を無くしてしまい、アッパブラケット
にアッパブッシュを押圧当接させることになる。
【0012】この結果、従来の車両用防振装置は、設定
された冷却水温度以外の温度域でダイナミックダンパと
しての機能が損なわれる不都合があり、全ての温度条件
においてラジエータをダイナミックダンパとして機能さ
せ得ない不都合がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、ラジエータのアッパタン
クを車体側アッパメンバに取付けられるアッパブラケッ
トに弾性体のアッパブッシュを介して支持して設け、前
記ラジエータのロアタンクを車体側ロアメンバーに取付
けられるロアブラケットに弾性体のロアブッシュを介し
て支持して設け、前記アッパブラケット及びアッパブッ
シュ間には隙間を設け、前記ロアタンク及びロアブラケ
ット間には前記ラジエータを弾性支持するスプリングを
介装して前記ラジエータ及びこのラジエータに接続され
る構成部品と前記スプリングとによりダイナミックダン
パを構成し、前記ロアブッシュは前記スプリングを内装
するように内部空間を形成して設けるとともにこの内部
空間を閉塞するように前記ロアブッシュの下面にシール
部材を被着して設け、このシール部材の前記ロアブラケ
ットと接触する側に摩擦係数の小なる減摩面を設けたこ
とを特徴とする。
【0014】
【作用】この発明の構成によれば、車両用防振装置は、
ロアブッシュはラジエータを弾性支持するスプリングを
内装するように内部空間を形成して設けるとともにこの
内部空間を閉塞するようにロアブッシュの下面にシール
部材を被着して設けたことにより、ロアブッシュをクロ
ーズ形状に形成することができ、剛性を高めることがで
き、また、シール部材のロアブラケットと接触する側に
摩擦係数の小なる減摩面を設けたことにより、係合時に
ロアブラケットとロアブッシュとに多少の位置ずれを生
じても滑らかに係合させることができ、ロアブラケット
とロアブッシュとの厳密な位置合わせを不要にすること
ができる。
【0015】
【実施例】以下図面に基づいて、この発明の実施例を説
明する。図1〜図10は、この発明の実施例を示すもの
である。図10において、2は図示しない車両の車体側
アッパメンバ、4は車体側ロアメンバ、6はラジエー
タ、8はアッパタンク、10はコア、12はロアタンク
である。
【0016】ラジエータ6は、アッパタンク8にエンジ
ン(図示せず)からの冷却水を導入するインレットパイ
プ14を設け、ロアタンク12にエンジンに冷却水を供
給するアウトレットパイプ16を設けている。インレッ
トパイプ14及びアウトレットパイプ16には、夫々イ
ンレットホース18及びアウトレットホース20が接続
される。また、アッパタンク8には、補給口部22を設
け、キャップ24が着脱可能に設けられている。
【0017】前記ラジエータ6を利用する車両用防振装
置26は、ラジエータ6のアッパタンク8を車体側アッ
パメンバ2に取付けられるアッパブラケット28に弾性
体のアッパブッシュ30を介して支持して設け、ラジエ
ータ6のロアタンク12を車体側ロアメンバ4に取付け
られるロアブラケット32に弾性体のロアブッシュ34
を介して支持して設けている。
【0018】前記アッパタンク8には、上面にアッパ側
嵌合軸36を設けている。アッパ側嵌合軸36には、ア
ッパブッシュ30が嵌合される。アッパブッシュ30
は、図2に示す如く、アッパタンク8の上面近接側の径
大部38と上面離間側の径小部40とにより略段付円筒
形状に形成され、アッパ側嵌合軸36の嵌合されるアッ
パ側嵌合孔42を設けている。径大部38の外周端縁に
は、アッパブラケット28方向にリップ部44を突出さ
せて設けている。
【0019】前記アッパブラケット28は、図7〜図9
に示す如く、アッパ本体46に長円筒状のアッパブラケ
ット側係合壁48により長円形のアッパブラケット側係
合孔50を設けている。アッパブラケット側係合孔50
は、車両の前後方向に指向する長径D1を左右方向に指
向する短径D2よりも大きい長円形に形成している。ま
た、アッパブラケット側係合孔50の短径D2は、アッ
パブッシュ30の径小部40の外径D3よりも大きく形
成している。
【0020】アッパブラケット28とアッパブッシュ3
0とは、図2・図3に示す如く、アッパブラケット側係
合壁48内周面と径小部40外周面との間の車両の前後
方向に指向する隙間L1を幅方向に指向する隙間L2よ
りも大に形成するとともに、アッパ本体46下面とリッ
プ部44上端との間に隙間L3を形成して、係合され
る。なお、アッパブラケット側係合孔50の車両の前後
方向の長径D1及び径小部40の外径D3は、エンジン
の冷却水温度のすべての温度域(例えば、−30℃〜1
20℃)において、アッパブラケット28とアッパブッ
シュ30と隙間L1が零とならないように設定する。
【0021】また、アッパブラケット28は、アッパ本
体46にアッパブラケット側取付孔52を設けている。
アッパ本体46のアッパブラケット側取付孔52を形成
した部位の下面には、位置決め用のアッパ係止体54を
設け、アッパブラケット側取付孔52に合致するアッパ
係止体取付孔56を設けている。前記車体側アッパメン
バ2には、アッパブラケット28を取付けるためのアッ
パ取付ボルト58を螺着するアッパメンバ側取付孔60
を設けている。
【0022】前記ロアタンク12には、下面にロア側嵌
合軸62を設けている。ロア側嵌合軸62には、ロアブ
ッシュ34が嵌合される。ロアブッシュ34は、図1及
び図4に示す如く、径中心側の内筒部64と径外周側の
外筒部66と内筒部64及び外筒部66の上部を連絡す
る円環板状の連絡部68と外筒部66の下部に径中心方
向に突出された円環板状の突縁部70とにより、略有蓋
二重円筒形状に形成される。
【0023】ロアブッシュ34は、内筒部64内にロア
側嵌合軸62の嵌合されるロア側嵌合孔72を設け、内
筒部64及び外筒部66間に連絡部68により上部を閉
塞されて突縁部70により下部を開放される環状の内部
空間74を形成して設けている。また、ロアブッシュ3
4は、外筒部66の上部外周にストッパ部76を径外方
向に突出させて設けている。
【0024】ロアブッシュ34の内筒部64及び外筒部
66間の内部空間74には、ラジエータ6を弾性支持す
るスプリング78が内装される。スプリング78は、図
5に示す如く、ステンレス素材等の金属素材によりテー
パコイル形状に形成されている。ロアブッシュ34の内
部空間74に内装されたスプリング78は、ロアタンク
12及びロアブラケット32との直接的な接触を回避す
るように、内側及び外側を夫々内筒部64及び外筒部6
6により覆われ、上側及び下側を連絡部68及び突縁部
70により覆われる。
【0025】前記ロアブラケット32は、ロア本体80
に円筒状のロアブラケット側係合壁82によりロアブラ
ケット側係合孔84を設けている。ロアブラケット側係
合孔84の内径は、ロアブッシュ34の外筒部66の外
径と略同径に形成している。ロアブラケット側係合壁8
2には、上部に当接部86を径外方向に突出させて設
け、下部に円環板状の突出部88を径中心方向に突出さ
せて設けている。当接部86は、前記ラジエータ6が最
大変位した際にストッパ部76と当接し、ラジエータ6
の最大変位を規制する。突出部88は、ロアブラケット
側係合孔84に係合されたロアブッシュ34の突縁部7
0が当接される。
【0026】また、ロアブラケット32は、ロア本体8
0にロアブラケット側取付孔90を設けている。前記車
体側ロアメンバ4には、ロアブラケット32を取付ける
ためのロア取付ボルト92を螺着するロアメンバ側取付
孔94を設けている。
【0027】これにより、車両用防振装置26は、アッ
パブラケット28及びアッパブッシュ30間に隙間L1
・L2を設け、ロアタンク12及びロアブラケット32
間にラジエータ6を弾性支持するスプリング78を介装
してラジエータ6及びこのラジエータ6に接続される構
成部品であるインレットホース18及びアウトレットホ
ース20とスプリング78とによりダイナミックダンパ
を構成している。
【0028】前記ロアブッシュ34には、内部空間74
を閉塞するように突縁部70の下面にシール部材96を
被着して設けている。シール部材96は、図6に示す如
く、ロアブラケット32と接触する側の下面にラミネー
ト処理等により摩擦係数の小さに減摩面98を形成して
設けている。また、シール部材96には、ロアブッシュ
の内部空間74と外部空間とを連通する小径の連通孔1
00を設けている。このシール部材96は、ロアブラケ
ット32とロアブッシュ34との係合により、ロアブッ
シュ34の突縁部68とロアブラケット32の突出部8
8との間に挟まれて保持される。
【0029】次に作用を説明する。
【0030】この車両用防振装置26は、ラジエータ6
のロアブッシュ34の内部空間74にスプリング78を
内装し、内部空間74を閉塞するように突縁部70の下
面にシール部材96を被着して設け、このロアブッシュ
34をロアタンク12のロア側嵌合軸62に内筒部64
のロア側嵌合孔72により嵌合する。ロアブラケット3
2は、ロアブラケット側取付孔90に挿通したロア取付
ボルト92を車体側ロアメンバ4のロアメンバ側取付孔
94に螺着することにより取付ける。
【0031】ラジエータ6は、車体側ロアメンバ4に取
付けられたロアブラケット32のロアブラケット側係合
孔84にロアブッシュ34を係合することにより、ロア
タンク12を車体側ロアメンバ4に取付けられるロアブ
ラケット32に弾性体のロアブッシュ34を介して支持
して設ける。
【0032】また、ラジエータ6は、アッパブッシュ3
0をアッパタンク8のアッパ側嵌合軸36にアッパ側嵌
合孔42により嵌合する。アッパブラケット28は、図
1・図2に示す如く、アッパブラケット側係合縁48と
径小部40との間に隙間L1・L2を設けるとともにア
ッパ本体46とリップ部44との間に隙間L3を設け
て、アッパブラケット側係合孔50にアッパブッシュ3
0の径小部40を係合するとともにアッパ本体46に径
大部38を対向配設し、アッパブラケット側取付孔52
及びアッパ係止体取付孔56に挿通したアッパ取付ボル
ト58を車体側アッパメンバ2のアッパメンバ側取付孔
60に螺着することにより取付ける。
【0033】ラジエータ6は、車体側アッパメンバ2に
取付けられたアッパブラケット28のアッパブラケット
側係合孔50にアッパブッシュ30の径小部40を隙間
L1・隙間L2を設けて係合するとともにアッパ本体4
6とリップ部44との間に隙間L3を設けて係合するこ
とにより、アッパタンク8を車体側アッパメンバ2に取
付けられるアッパブラケット28に弾性体のアッパブッ
シュ30を介して支持して設ける。
【0034】また、アッパブラケット28とアッパブッ
シュ30とは、図2・図3に示す如く、アッパブラケッ
ト側係合壁48内周面と径小部40外周縁との間の車両
の前後方向に指向する隙間L1を左右方向に指向する隙
間L2よりも大に形成するとともにアッパ本体46とリ
ップ部44との間に隙間L3を形成し、係合される。
【0035】これにより、この車両用防振装置26は、
ロアタンク12及びロアブラケット32間にラジエータ
6を弾性支持するスプリング78を介装して、ラジエー
タ6及びこのラジエータ6に接続されるインレットホー
ス18及びアウトレットホース20とスプリング78と
によりダイナミックダンパを構成している。
【0036】このため、この車両用防振装置26は、エ
ンジンのアイドル回転帯域において発生する車体の共振
を低減でき、下側にのみスプリング78を設けているこ
とにより従来のゴムブッシュのように温度条件に影響さ
れることがなく、構造が簡単であり、全ての温度条件に
おいてラジエータ6をダイナミックダンパとして機能さ
せることができ、車両の防振を果たすことができ、長期
にわたりダイナミックダンパの機能を維持することがで
きる。
【0037】また、この車両用防振装置26は、テーパ
コイル形状のスプリング78をロアブッシュ34に内装
していることにより、内筒部64とのこすれを招くこと
がなく、ロアタンク12及びロアブラケット32間の打
音の発生を防止でき、スプリング78にステンレス素材
を使用した場合の電蝕の発生を防止することができ、弾
性体のロアブッシュ34に内装するスプリング78の汚
れの防止やロアタンク12が樹脂製の場合の割れの防止
を果たすことができるとともに、当接部86に当接する
ストッパ部76によりラジエータ6の最大変位を規制す
ることができる。
【0038】さらに、この車両用防振装置26は、アッ
パブラケット28及びアッパブッシュ30間の前後・左
右・上下の各方向に、つまり、アッパブラケット28に
対するアッパブッシュ30の径小部40外周の周方向に
夫々車両の前後方向に大なる隙間L1と左右方向に小な
るL2とを設けるとともにアッパブッシュ30のリップ
部44の高さ方向に隙間L3を設けている。また、車両
用防振装置26は、アッパブッシュ30にラジエータ6
の大変位時の衝撃を緩和するリップ部44を、アッパブ
ラケット28のアッパ本体46に対向させて設けてい
る。
【0039】これにより、この車両用防振装置26は、
アッパブッシュ30のリップ部44によってラジエータ
6の大変位を抑制しつつ、隙間L1・L2・L3によっ
て上側からの振動伝播を遮断することができる。
【0040】このため、車両用防振装置26は、上側か
らの振動伝播を遮断し得ることにより、ファン騒音やフ
ァン振動が車体側に伝播することを低減することがで
き、ラジエータ6の上側及び下側に夫々スプリングを設
けることなく下側にのみスプリング78を設けるととも
にラジエータ6の上側のアッパブッシュ30で大変位を
抑制する簡単な構造によりコストの低減を果たすことが
できる。
【0041】この車両用防振装置26は、ラジエータ6
を弾性支持するスプリング78を内装するようにロアブ
ッシュ34に内部空間74を形成して設けるとともにこ
の内部空間74を閉塞するようにロアブッシュ34の突
縁部70の下面にシール部材96を被着して設けたこと
により、ロアブッシュ34をクローズ形状に形成するこ
とができ、剛性を高めることができる。
【0042】また、ロアブッシュ34は、シール部材9
6のロアブラケット32と接触する側の下面に摩擦係数
の小なる減摩面98を設けたことにより、係合時にロア
ブラケット32とロアブッシュ34とに多少の位置ずれ
を生じても、滑らかに係合させることができ、ロアブッ
シュ34の下部にまくれを生じることがなく、ロアブラ
ケット32とロアブッシュ34との厳密な位置合わせを
不要にすることができる。
【0043】このため、この車両用防振装置26は、ロ
アブッシュ34のロアブラケット32に対する組付性を
向上し得て、挿入補助剤の塗布及び組付後のめくれの有
無のチェック工程を不要とし得て、コストの低減を果た
すことができる。
【0044】さらにまた、この車両用防振装置26は、
ロアブッシュ34の内部空間74を閉塞するシール部材
96に内部空間74と外部空間とを連通する小径の連通
孔100を設けていることにより、小径の連通孔100
をオリフィスとし、ロアブッシュ34の内部空間74を
空気ダンパとして機能させ得て、車両の防振に寄与し得
るものである。
【0045】また、この車両用防振装置26は、アッパ
ブラケット28のアッパブラケット側係合孔50とアッ
パブッシュ30の径小部40との間の、車両の前後方向
に指向する隙間L1を左右方向の隙間L2よりも大に形
成していることにより、冷却水温度の変化に起因するラ
ジエータ6のインレットホース14の屈伸変形によるラ
ジエータ6の車両前後方向の変位を吸収補償でき、この
ため、全ての冷却水温度条件(例えば、−30℃〜12
0℃)においてラジエータ6をダイナミックダンパとし
て機能させ得て、車両の防振を果たすことができる。
【0046】
【発明の効果】このように、この発明によれば、車両用
防振装置は、シール部材によってロアブッシュをクロー
ズ形状に形成することができ、剛性を高め得て、また、
シール部材の減摩面によって係合時にロアブラケットと
ロアブッシュとに多少の位置ずれを生じても滑らかに係
合させることができ、ロアブラケットとロアブッシュと
の厳密な位置合わせを不要にすることができる。
【0047】このため、この車両用防振装置は、ロアブ
ッシュのロアブラケットに対する組付性を向上でき、挿
入補助剤の塗布及び組付後のチェック工程を不要とし得
て、コストの低減を果たし得る。また、この車両用防振
装置は、ロアブッシュの内部空間を閉塞するシール部材
に内部空間と外部空間とを連通する連通孔を設けること
により、ロアブッシュの内部空間を空気ダンパとして機
能させ得て、車両の防振に寄与し得る。さらに、この車
両用防振装置は、アッパブラケット及びアッパブッシュ
間の車両の前後方向に指向する隙間を大に形成して設け
ることにより、冷却水温度の変化に起因するラジエータ
のインレットホースの屈伸変形によるラジエータの車両
前後方向の変位を吸収補償し得て、全ての温度条件にお
いてラジエータをダイナミックダンパとして機能させ得
て、車両の防振を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す車両用防振装置のラジ
エータのロアタンク部位の断面図ある。
【図2】ラジエータのアッパタンクのアッパブラケット
部位の平面図である。
【図3】ラジエータのアッパタンク部位の断面図であ
る。
【図4】ロアブッシュの半断面図である。
【図5】スプリングの側面図である。
【図6】シール部材の底面図である。
【図7】アッパブラケットの平面図である。
【図8】アッパブラケットの正面図である。
【図9】図8の〓線−〓線による断面図である。
【図10】車両用防振装置の組立斜視図である。
【符号の説明】
2 車体側アッパメンバ 4 車体側ロアメンバ 6 ラジエータ 8 アッパタンク 10 コア 12 ロアタンク 18 インレットホース 20 アウトレットホース 26 車両用防振装置 28 アッパブラケット 30 アッパブッシュ 32 ロアブラケット 34 ロアブッシュ 38 径大部 40 径小部 42 アッパ側嵌合孔 44 リップ部 46 アッパ本体 48 アッパブラケット側係合壁 50 アッパブラケット側係合孔 L1 隙間 L2 隙間 L3 隙間 58 アッパ取付ボルト 64 内筒部 66 外筒部 68 連絡部 70 突縁部 72 ロア側嵌合孔 74 内部空間 76 ストッパ部 78 スプリング 82 ロアブラケット側係合壁 84 ロアブラケット側係合孔 86 当接部 88 突出部 80 ロア本体 92 ロア取付ボルト 96 シール部材 98 減摩面 100 連通孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジエータのアッパタンクを車体側アッ
    パメンバに取付けられるアッパブラケットに弾性体のア
    ッパブッシュを介して支持して設け、前記ラジエータの
    ロアタンクを車体側ロアメンバーに取付けられるロアブ
    ラケットに弾性体のロアブッシュを介して支持して設
    け、前記アッパブラケット及びアッパブッシュ間には隙
    間を設け、前記ロアタンク及びロアブラケット間には前
    記ラジエータを弾性支持するスプリングを介装して前記
    ラジエータ及びこのラジエータに接続される構成部品と
    前記スプリングとによりダイナミックダンパを構成し、
    前記ロアブッシュは前記スプリングを内装するように内
    部空間を形成して設けるとともにこの内部空間を閉塞す
    るように前記ロアブッシュの下面にシール部材を被着し
    て設け、このシール部材の前記ロアブラケットと接触す
    る側に摩擦係数の小なる減摩面を設けたことを特徴とす
    る車両用防振装置。
  2. 【請求項2】 前記シール部材は、前記ロアブッシュの
    内部空間と外部空間とを連通する連通孔を設けたことを
    特徴とする請求項1に記載の車両用防振装置。
  3. 【請求項3】 前記アッパブラケット及びアッパブッシ
    ュ間の隙間は、車両の前後方向に指向する隙間を大に形
    成して設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用
    防振装置。
JP2230795A 1995-01-17 1995-01-17 車両用防振装置 Pending JPH08192645A (ja)

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US08/582,196 US5785140A (en) 1995-01-17 1996-01-02 Vehicular vibration isolating apparatus
DE19602915A DE19602915C2 (de) 1995-01-17 1996-01-16 Vorrichtung zur Schwingungsabsorption in Kraftfahrzeugen

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