JPH0819178B2 - 反応性重合体の製造方法 - Google Patents

反応性重合体の製造方法

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JPH0819178B2
JPH0819178B2 JP25379387A JP25379387A JPH0819178B2 JP H0819178 B2 JPH0819178 B2 JP H0819178B2 JP 25379387 A JP25379387 A JP 25379387A JP 25379387 A JP25379387 A JP 25379387A JP H0819178 B2 JPH0819178 B2 JP H0819178B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はパラヒドロキシスチレン系重合体をエステル
化して酸価が低い反応性重合体を製造する方法に関し、
更に詳しくは、その成形品が優れた誘電特性,耐熱性,
難燃性を備えていて、例えば半導体素子,IC等の電子部
品を搭載する基板の材料として有用な反応性重合体の製
造方法に関する。
(従来の技術) 従来から、フェノール類にエステル結合を形成する方
法としては、脱ハロゲン化水素剤の存在下でフェノール
類に酸ハライドを反応せしめる各種の方法が知られてい
る。これらの方法はいずれも低分子量のフェノール類を
エステル化する方法に関するものである。この場合、得
られた生成物に洗浄,再結晶,蒸留等の手段を適用し
て、未反応の原料、副生成物等の不純物を除去し、この
生成物を精製することは比較的容易である。
しかしながら、高分子量のフェノール基含有重合体を
上述した方法でエステル化した場合、上記のような精製
手段を適用することができないため、高純度なエステル
化重合体を得ることは事実上不可能であった。
(発明が解決しようとする問題点) このため、得られたエステル化重合体にあっては、未
反応のフェノール性水酸基が多量に残存して重合体の酸
価を高める。その結果、例えばこの重合体を成形したと
き、得られた成形品の誘電特性が低下するという問題が
生じている。
本発明は、原料が高分子量のフェノール基含有重合体
であるにもかかわらず、上記した問題を生ずることがな
く酸価が低い反応性重合体を製造する方法の提供を目的
とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明の反応性重合体の製造方法は、脱ハロゲン化水
素剤の存在下、次式: …(I)(ただし、Xは塩素原子または/および臭素原
子を表わし、mは0,1,2,3,4の数を表わす)で示される
構造単位を有するパラヒドロキシスチレン系重合体に酸
ハライドを反応せしめて、次式: (ただし、式中、X,mはいずれも上と同じ意味を有し、
Rはアクリロイル基または/およびメタクリロイル基を
表わす)で示される構造単位を有する反応性重合体を製
造する方法において、 該パラヒドロキシスチレン重合体に含有されているフェ
ノール性水酸基のうち該脱ハロゲン化水素剤の存在量に
対応するモル量が全量イオン化していると仮定し、か
つ、イオン化したフェノール性水酸基のモル量をa,イオ
ン化していないフェノール性水酸基のモル量をb,そして
生成したエステル基のモル量をcとしたとき、 次式: で定義するフェノラートイオン指数を0.5以下に維持し
た条件下で反応を進めることを特徴とする。
本発明方法において、エステル化すべきパラヒドロキ
シスチレン系重合体は、式(I)で示した構造単位が複
数個連鎖して成る重合体であり、エステル化後の本発明
にかかる反応性重合体の骨格を構成する。
この重合体の分子量は格別限定されるものではない
が、得られた反応性重合体を適宜な溶媒に溶解せしめて
ワニス化し、それをガラス繊維等の基材に含浸せしめて
例えばプリント配線基板等を成形することを考慮する
と、その分子量は重量平均分子量で1,000〜100,000程度
であることが好ましい。
本発明方法に用いる脱ハロゲン化水素剤としては、例
えば、アンモニア;ピリジン,N,N−ジメチルアニリン,
トリエチルアミン,トリアリルアミンのような第1級乃
至第3級アミン;水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,
水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化
マグネシウム,水酸化カルシウムのようなアルカリ土類
金属水酸化物;をあげることができる。これらはそれぞ
れ単独でまたは適宜に選んだ2種以上を混合して使用す
ることができる。
また、本発明方法に用いる酸ハライドは、アクリロイ
ル基、メタクリロイル基を有する酸ハライドであること
が必要である。具体的には、例えば、アクリル酸クロラ
イド,アクリル酸ブロマイド,メタクリル酸クロライ
ド,メタクリル酸ブロマイドをあげることができる。こ
れらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を適宜
に組合わせて用いてもよい。
更には、酢酸クロライド,酢酸ブロマイド,プロピオ
ン酸クロライド,プロピオン酸ブロマイド,酪酸クロラ
イド,酪酸ブロマイド,イソ酪酸クロライド,イソ酪酸
ブロマイドのような重合性の官能基を含有しない酸ハラ
イドを併用することもできる。これら後者の酸ハライド
の使用量を適宜に選定すると、得られた反応性重合体か
ら成形品を調製するときにその重合体の架橋密度を任意
に調節することができて好適である。
脱ハロゲン化水素剤および酸ハライドの使用量は、原
料であるパラヒドロキシスチレン系重合体に含有されて
いるフェノール性水酸基にたいし、モル比で、いずれも
1〜1.5倍量であることが好ましい。それぞれの使用量
が上記範囲より少ない場合は、得られた重合体の酸価が
高くなり、逆に上記範囲を超えた場合は、酸価低減化に
とっての顕著な効果は認められず徒らにコストを高めて
不経済であるからである。なお、脱ハロゲン化水素剤と
酸ハライドの使用割合は、両者当量であってよく、その
状態で目的とするエステル化反応を充分進行させること
ができる。
エステル化反応は溶媒中で行なわれる。溶媒として
は、例えば、塩化メチレン,ジクロロエタン,クロロホ
ルム,ベンゼン,酢酸エステルのような疎水性溶媒;メ
タノール,エタノール,アセトン,メチルエチルケト
ン,ジメチルホルムアミド,テトラヒドロフランのよう
な親水性溶媒;の中から適宜選択して使用することがで
き、それらをそれぞれ単独に、または2種以上の混合溶
媒として使用することができる。また、水が共存する系
で反応を進めることもできる。
反応は−10〜60℃の温度域で行なわれる。温度が−10
℃未満の場合は反応に長時間を要して工業的とはいえ
ず、60℃より高い温度の場合は、ビニル基の開裂等の副
反応が生起することもあるので好ましくない。好ましく
は、−10〜30℃の温度域である。
本発明は、エステル化反応の全過程,とくに反応の初
期から中期に至る過程において、後述するフェノラート
イオン指数を0.5以下に維持して反応を進めることを最
大の特徴とする。
本発明におけるフェノラートイオン指数は、原料であ
るパラヒドロキシスチレン系重合体に含有されているフ
ェノール性水酸基のうち、この反応系に供給されている
脱ハロゲン化水素剤の存在量に相当するモル量が完全に
イオン化していると仮定し、かつ、イオン化したフェノ
ール性水酸基のモル量をa,イオン化していないフェノー
ル性水酸基のモル量をb,そして生成エステル基のモル量
をcとしたとき、次式: に基づいて算出される指数として定義される。
本発明のエステル化が進行する反応系においては、ま
ず予め所定量供給された脱ハロゲン化水素剤と等モル量
のパラヒドロキシスチレン系重合体のフェノール性水酸
基が解離して所定濃度のフェノラートイオンが形成され
る。ここに酸クロライドと異なる脱ハロゲン化水素剤を
添加した場合、既に解離して存在していたフェノラート
イオンの外に、系内には、パラヒドロキシスチレン系重
合体の残余のフェノール性水酸基が後添した脱ハロゲン
化水素剤の作用で解離することによって生成するフェノ
ラートイオンも存在することになるが、しかしこれらの
フェノラートイオンは同時に添加された酸クロライドと
の間でエステル化反応を起して添加した酸クロライドと
等モル量が消滅する。したがって、反応系内におけるフ
ェノラートイオンの濃度は実質的に増加せず、当初の濃
度を超えることがない。反応が進行するにつれて、系内
におけるイオン化したフェノール性水酸基とイオン化し
ていないフェノール性水酸基の各モル数は減少し、それ
に対応して生成エステル基のモル数は増加する。
本発明は、上記反応系において、前に定義したフェノ
ラートイオン指数を0.5以下に維持して反応を進める。
この値が0.5より大きい状態で反応を進めると、得られ
た重合体の酸価は高くなるため不都合である。指数が0.
35未満の状態で反応を進めることが好ましい。
前述したように、脱ハロゲン化水素剤と酸ハライドを
反応系に共存せしめる前にあっては、上記式におけるC
値(生成エステル基のモル量)はゼロであるため、指数
は実質的にa/(a+b)で表示されることになり、しか
もこの指数は酸ハライドと脱ハロゲン化水素剤の添加過
程すなわち反応過程で増加することはないということを
考えると、反応系におけるフェノラートイオン指数を上
記範囲内のある値以下に維持するためには、具体的に
は、酸ハライドの添加前に反応系に予め所定量の脱ハロ
ゲン化水素剤を添加しておき、その添加した脱ハロゲン
化水素剤と等モル量のパラヒドロキシスチレン系重合体
のフェノール性水酸基をフェノラートイオンにし、この
状態で酸ハライドと残余の脱ハロゲン化水素剤を両者の
添加が同時に終了するように添加して反応を進めればよ
い。
例えば、反応系に仕込んだパラヒドロキシスチレン系
重合体と等モル量の脱ハロゲン化水素剤の量をAとし、
酸ハライドの添加前に予め反応系に添加する脱ハロゲン
化水素剤の量をA′とし、指数B下で反応を進めたいと
きは、反応系に予め脱ハロゲン化水素剤をB=A′/Aが
満足する量だけ添加しておくのである。
また、反応系に酸ハライドの全量を当初から添加して
おき、ここにパラヒドロキシスチレン系重合体のフェノ
ール性水酸基と等モル量の脱ハロゲン化水素剤を添加し
てもよい。この場合は、フェノラートイオン指数は実質
的にゼロに維持されることになる。
なお、本発明における酸価とは、得られた重合体の試
料1gに反応する水酸化カリウムのmgを表わし、これは得
られた重合体のエステル化反応率を示す尺度である。そ
して、その値は、試料1gを1,4−ジオキサンとメタノー
ルとの混合溶液(混合割合1:2,体積比)100mlに溶解せ
しめ、得られた溶液を1/10規定の水酸化カリウム水溶液
で滴定するという方法で測定した値である。
また、本発明方法を適用して好適な過程は、反応の初
期から中期にかけての過程であるが、この過程とは原料
であるパラヒドロキシスチレン系重合体に含有されてい
るフェノール性水酸基の半量までがエステル化される過
程をいう。
以上のようにして製造された重合体は、原料であるパ
ラヒドロキシスチレン系重合体の式(I)で示される構
造単位が、式(II)で示されるようなエステル基を有す
る構造単位に転化したものである。
(発明の実施例) 以下に本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する
が、本発明の要旨はこれら実施例によって何ら規制され
るものではない。
実施例1 原料として、パラヒドロキシスチレン重合体(原料重
合体Aという。丸善石油化学(株)製,商品名:レジン
M,重量平均分子量:2200)を用意し、この36gをテトラヒ
ドロフラン300gに溶解せしめた。
得られた溶液に予めアクリル酸クロライド35.9gを添
加し、温度を0〜15℃に維持して、ここにトリエチルア
ミン40gを滴下して反応を進めた。トリエチルアミンの
滴下終了後、反応系を温度20〜30℃で1時間保持したの
ち反応混合物を水3l中に投入して重合体を再沈せしめ、
更に35%塩酸水溶液1gを添加して系を酸性としたのち、
過,水洗,乾燥処理を施して重合体を得た。重合体の
収量,重量平均分子量,酸価を第1表に示した。
なお、用いたアクリル酸クロライド35.9g,トリエチル
アミン40gはいずれも、原料重合体Aに含有されている
フェノール性水酸基に対しモル比で1.32に相当する。
この反応においては、トリエチルアミンによって原料
重合体Aのフェノール性水酸基からフェノラートイオン
が生成すると同時に、予め全量が添加されているアクリ
ル酸クロライドによって該フェノラートイオンは消費さ
れエステル化反応が進行するので、反応初期(トリエチ
ルアミンの滴下開始時点)から反応終了(40gのトリエ
チルアミンの滴下終了時点)に至る全過程を通じて、フ
ェノラートイオン指数は実質的にゼロに維持される。
実施例2 原料重合体A240gをメタノール1200gに溶解せしめ、撹
拌しながら温度を5〜10℃に維持してここに臭素320gを
滴下して原料重合体Aを臭素化した。ついで、上記温度
を維持して撹拌を更に1時間継続し、得られた反応混合
物の溶液を水6lに投入し、析出した沈殿に別,水洗,
乾燥処理を施して重合体387gを得た。得られた重合体
は、重量平均分子量:2950,臭素含有率:40.2%,酸価:28
2mgKOH/gであった。これを原料重合体Bという。
この原料重合体B60gをテトラヒドロフラン300gに溶解
せしめ、実施例1と同様にして本発明の重合体を得た。
得られた重合体の収量,重量平均分子量,酸価,臭素含
有率を第1表に示した。
なお、この場合も実施例1と同様にアクリル酸クロラ
イド,トリエチルアミンの各使用量は、いずれも原料重
合体Bに含有されているフェノール性水酸基に対しモル
比で1.32倍に相当し、またフェノラートイオン指数は実
質的にゼロに維持される。
実施例3 原料重合体A36gをテトラヒドロフラン300gに溶解せし
めた。得られた溶液に予めまずトリエチルアミン5gを添
加した。
ついで、ここにアクリル酸クロライド35.9gとトリエ
チルアミン35gとを同時に滴下した。このとき、両者は
同時に滴下終了となるようにそれぞれの滴下速度を調節
した。
滴下終了後は、実施例1と同様の処理を施して本発明
の重合体を得た。その仕様を第1表に示した。
この反応系において、原料重合体Aのフェノール性水
酸基に対するトリエチルアミンの等モル量は40/1.32=3
0.3gであるから、予め使用したトリエチルアミン5gは上
記フェノール性水酸基に対しモル比で5/30.3=0.17に相
当する。そして、原料重合体Aのフェノール性水酸基の
うち、0.17モル量が予めフェノラートイオンとして存在
する系内にアクリル酸クロライドとトリエチルアミンと
が同時に添加されると、更なるフェノラートイオンが更
に加えられたトリエチルアミンの作用で生成するが、し
かしこの生成したフェノラートイオンと既に添加前から
存在しているフェノラートイオンは引続きアクリル酸ク
ロライドとのエステル化反応によって消滅してエステル
基を生成するので、系内のフェノラートイオンは実質的
には増加せず、結局、反応はフェノラートイオン指数が
0.17を超えることのない状態で進行する。
実施例4 原料重合体A36gに代えて原料重合体B60gを用いたこと
を除いては、実施例3と同様の方法で重合体を製造し
た。この場合もフェノラートイオン指数は0.17を超える
ことのない状態が維持される。結果を第1表に示した。
実施例5 原料重合体B60gをテトラヒドロフラン300gに溶解せし
めた。得られた溶液に予めトリエチルアミン10gを添加
した。ついで、ここにアクリル酸クロライド35.9gとト
リエチルアミン30gとを実施例3と同様の方法で同時に
滴下し、滴下終了後は実施例1と同様の処理を施して本
発明の重合体を得た。重合体の仕様を第1表に示した。
この反応において、フェノラートイオン指数は、実施
例3と同様の計算に基づき10/30.3=0.33の値を超える
ことはない。
実施例6 予め添加するトリエチルアミンの量が15gであったこ
と、その後に、アクリル酸クロライド35.9gとトリエチ
ルアミン25gとを同時滴下したことを除いては実施例5
と同様にして重合体を製造した。
この反応におけるフェノラートイオン指数は、15/30.
3=0.5を超えることはない。
比較例1 予め添加するトリエチルアミンの量が25gであったこ
と、その後にアクリル酸クロライド35.9gとトリエチル
アミン15gとを同時滴下したことを除いては、実施例5
と同様にして重合体を製造した。
この反応におけるフェノラートイオン指数は、0.5の
限界値を超え、最大値で25/30.3=0.83の値となる。
比較例2 原料重合体A36gをテトラヒドロフラン300gに溶解せし
め、得られた溶液にトリエチルアミン40gを添加した。
そしてそこにアクリル酸クロライド35.9のみを滴下して
反応を進めた。
この場合には、原料重合体Aのフェノール性水酸基の
全量がフェノラートイオンとなるので、フェノラートイ
オン指数の最大値は限界値を超えて1.00となる。
比較例3 原料重合体A36gに代えて原料重合体B60gを用いたこと
を除いては、比較例2と同様にして重合体を製造した。
このときのフェノラートイオン指数の最大値も比較例2
の場合と同様に限界値を超えて1.00である。
以上の結果を一括して第1表に示した。
実施例7 パラヒドロキシスチレン重合体(丸善石油化学(株)
製,商品名:レジンM,重量平均分子量:5800)300gを、
メタノール300g,水900gから成る水溶液に分散せしめ、
温度を5〜10℃に維持し臭素625gを滴下して上記重合体
を臭素化した。引続き上記温度を維持し、撹拌を1時間
継続したのち、得られた反応混合物を別,水洗,乾燥
した。得られた重合体は、重量平均分子量:9200,臭素含
有率:51.0%,酸価:230mgKOH/gであった。これを原料重
合体Cとする。
原料重合体C60gを、塩化メチレン300gと水120gとから
成る二相系溶媒に溶解せしめた。
ついでここに予め48%水酸化ナトリウム水溶液3gを添
加し、更にメタクリル酸クロライド31.4gと48%水酸化
ナトリウム水溶液22gとを両者の滴下が同時に終了する
ように滴下速度を調節して添加し反応を進めた。
滴下終了後、20〜30℃で1時間熟成し、ついで35%塩
酸水溶液1gを加えて系を酸性にし有機層を分液した。
引き続き、有機層を水洗し、メタノール1800g中に注
加して重合体を再沈せしめたのち、これに別,水洗,
乾燥処理を施して本発明の重合体を得た。
ここで、メタクリル酸クロライド31.4gと48%水酸化
ナトリウム水溶液25gとは、原料重合体Cのフェノール
性水酸基に対し、いずれもモル比で1.22倍に相当する。
したがって、原料重合体Cのフェノール性水酸基に対す
る上記48%水酸化ナトリウム水溶液の当モル量は25.0/
1.22=20.5gとなる。それゆえ、この反応におけるフェ
ノラートイオン指数は、3/20.5=0.15を最大値とする。
得られた重合体の仕様を第2表に示した。
実施例8 予め添加する48%水酸化ナトリウム水溶液が6gであっ
たこと、その後メタクリル酸クロライド31.4gと48%水
酸化ナトリウム水溶液19gとを同時滴下したことを除い
ては、実施例7と同様にして重合体を製造した。結果を
第2表に示した。
この場合のフェノラートイオン指数は、6/20.5=0.29
を超えることはない。
実施例9 予め添加する48%水酸化ナトリウム水溶液が9gであっ
たこと、その後メタクリル酸クロライド31.4gと48%水
酸化ナトリウム水溶液16gとを同時滴下したことを除い
ては、実施例7と同様にして重合体を製造した。結果を
第2表に示した。
この場合のフェノラートイオン指数は、9/20.5=0.44
を超えることはない。
比較例4 予め添加する48%水酸化ナトリウム水溶液が15gであ
ったこと、その後メタクリル酸クロライド31.4gと48%
水酸化ナトリウム水溶液10gとを同時滴下したことを除
いては、実施例7と同様にして重合体を製造した。結果
を第2表に示した。
この場合のフェノラートイオン指数は、15/20.5=0.7
3を超えることはない。
比較例5 反応系内に予め48%水酸化ナトリウム水溶液の全量25
gを添加したのち、メタクリル酸クロライド31.4gを滴下
して反応を進めた。この場合のフェノラートイオン指数
は限界値を超えて最大値で1.00となる。
以上の結果を一括して第2表に示した。
実施例10 用いた酸ハライドがメタクリル酸クロライドだけでな
く、メタクリル酸クロライド15.7g,プロピオン酸クロラ
イド14.1gの両者であることを除いては、実施例7と同
様にして反応を進めた。この場合、両者の和が原料重合
体Cのフェノール性水酸基に対し、モル比で1.22倍に相
当している。
また、酸ハライドの滴下順序は、まずプロピオン酸ク
ロライドを滴下し引続きメタアクリル酸クロライドを滴
下した。得られた重合体の仕様を第3表に示した。
実施例11 予め添加する48%水酸化ナトリウム水溶液が9gであっ
たこと、その後プロピオン酸クロライド14.1gとメタク
リル酸クロライド15.7gと48%水酸化ナトリウム水溶液1
6gとを同時滴下したことを除いては、実施例10と同様に
して重合体を製造した。結果を第3表に示した。
比較例6 予め添加する48%水酸化ナトリウム水溶液が15gであ
ったこと、その後プロピオン酸クロライド14.1gとメタ
クリル酸クロライド15.7gと48%水酸化ナトリウム水溶
液10gとを同時滴下したことを除いては、実施例10と同
様にして重合体を製造した。結果を第3表に示した。
比較例7 反応系内に予め48%水酸化ナトリウム水溶液の全量25
gを添加したのち、プロピオン酸クロライド14.1gとメタ
クリル酸クロライド15.7gとを同時滴下して反応を進め
た。得られた重合体の仕様を第3表に示した。
(発明の効果) 以上の説明で明らかなように、本発明方法によって製
造した重合体は、その酸価が従来のものに比べて著しく
低い。したがって、この重合体を素材にして成形した成
形品は、誘電特性が非常に優れているとともに耐熱性,
難燃性も良好であるので半導体素子,IC等の搭載用基板
として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 昭雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 片桐 純一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 永井 晃 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 奈良原 俊和 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱ハロゲン化水素剤の存在下、次式: (ただし、Xは塩素原子または/および臭素原子を表わ
    し、mは0,1,2,3,4の数を表わす)で示される構造単位
    を有するパラヒドロキシスチレン系重合体に酸ハライド
    を反応せしめて、次式: (ただし、式中、X,mはいずれも上と同じ意味を有し、
    Rはアクリロイル基または/およびメタクリロイル基を
    表わす)で示される構造単位を有する反応性重合体を製
    造する方法において、 該パラヒドロキシスチレン重合体に含有されているフェ
    ノール性水酸基のうち該脱ハロゲン化水素剤の存在量に
    対応するモル量が全量イオン化していると仮定し、か
    つ、イオン化したフェノール性水酸基のモル量をa,イオ
    ン化していないフェノール性水酸基のモル量をb,そして
    生成したエステル基のモル量をcとしたとき、 次式: で定義するフェノラートイオン指数を0.5以下に維持し
    た条件下で反応を進めることを特徴とする反応性重合体
    の製造方法。
JP25379387A 1987-10-09 1987-10-09 反応性重合体の製造方法 Expired - Fee Related JPH0819178B2 (ja)

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