JPH0819136B2 - 有機溶媒に可溶な金属含有組成物の製造法 - Google Patents
有機溶媒に可溶な金属含有組成物の製造法Info
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- JPH0819136B2 JPH0819136B2 JP24469986A JP24469986A JPH0819136B2 JP H0819136 B2 JPH0819136 B2 JP H0819136B2 JP 24469986 A JP24469986 A JP 24469986A JP 24469986 A JP24469986 A JP 24469986A JP H0819136 B2 JPH0819136 B2 JP H0819136B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は金属カルボン酸塩とエタノールアミン類ある
いは脂肪族アミン類とをアルコール中で反応させ有機溶
媒に可溶な金属含有組成物を製造する方法に係わるもの
である。
いは脂肪族アミン類とをアルコール中で反応させ有機溶
媒に可溶な金属含有組成物を製造する方法に係わるもの
である。
[従来の技術] エタノールアミン類、あるいは脂肪族アミン類を配位
子とする金属錯化合物は、金属のハロゲン化物、硫酸
塩、硝酸塩、または過塩素酸塩を水あるいはアルコール
に溶解したのち、前述のアミン類を添加することにより
製造することができる。また金属アルコキシドと前述の
アミン類との反応により金属錯化合物を製造する方法も
知られている。これらの金属錯化合物は樹脂の架橋剤、
反応触媒、ニューガラス等への微量添加剤、あるいはニ
ューセラミックス分野における焼結助剤的な添加剤等と
して有用である。
子とする金属錯化合物は、金属のハロゲン化物、硫酸
塩、硝酸塩、または過塩素酸塩を水あるいはアルコール
に溶解したのち、前述のアミン類を添加することにより
製造することができる。また金属アルコキシドと前述の
アミン類との反応により金属錯化合物を製造する方法も
知られている。これらの金属錯化合物は樹脂の架橋剤、
反応触媒、ニューガラス等への微量添加剤、あるいはニ
ューセラミックス分野における焼結助剤的な添加剤等と
して有用である。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら金属ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩ある
いは過塩素酸塩を用いた場合、得られる金属錯化合物は
結晶性のものが多く、有機溶媒に対する溶解性が小さい
ため、実用上制約されることが多い。しかも製造工程で
ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオンあるいは
過塩素酸イオンの混入が避けられず、使用に当たってこ
れら陰イオンの除去が必要となる場合がある。また金属
アルコキシドと前記アミン類との反応速度は遅く、工業
的製法としては適切なものではない。
いは過塩素酸塩を用いた場合、得られる金属錯化合物は
結晶性のものが多く、有機溶媒に対する溶解性が小さい
ため、実用上制約されることが多い。しかも製造工程で
ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオンあるいは
過塩素酸イオンの混入が避けられず、使用に当たってこ
れら陰イオンの除去が必要となる場合がある。また金属
アルコキシドと前記アミン類との反応速度は遅く、工業
的製法としては適切なものではない。
本発明は上記のような状況に着目してなされたもので
あって、その目的は、有機溶媒に可溶な金属錯化合物を
より簡単にしかも工業的に有利に製造することのできる
方法を提供しようとするものである。
あって、その目的は、有機溶媒に可溶な金属錯化合物を
より簡単にしかも工業的に有利に製造することのできる
方法を提供しようとするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的を達成することのできた本発明方法の構成
は、 (A):Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Al,In,Y,ランタン系元素よ
りなる群から選択される金属と、炭素数1〜4のカルボ
ン酸とからなる金属カルボン酸塩:1モルと、 (B):エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、エチレンジアミン、ジチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミンよりなる群から選択され
るアミン:nモル(nは上記金属カルボン酸塩における金
属の酸化数を表す)、および (C):炭素数1〜4のカルボン酸:1〜nモル(nは上
記と同じ意味)を炭素数1〜4のアルコールを含む有機
溶剤に懸濁させ、50℃〜還流温度に加熱して均一な溶液
とするところに要旨を有するものである。
は、 (A):Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Al,In,Y,ランタン系元素よ
りなる群から選択される金属と、炭素数1〜4のカルボ
ン酸とからなる金属カルボン酸塩:1モルと、 (B):エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、エチレンジアミン、ジチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミンよりなる群から選択され
るアミン:nモル(nは上記金属カルボン酸塩における金
属の酸化数を表す)、および (C):炭素数1〜4のカルボン酸:1〜nモル(nは上
記と同じ意味)を炭素数1〜4のアルコールを含む有機
溶剤に懸濁させ、50℃〜還流温度に加熱して均一な溶液
とするところに要旨を有するものである。
[作用] 本発明方法を実施するに当たっては、第II族のMg,C
a,Sr,Ba,Zn,Cd,第III族のAl,In,Y,ランタン系元素より
なる群から選択される金属カルボン酸塩とエタノール
アミン類あるいは脂肪族アミン類を酸化数nの金属塩1
モルに対しnモル及びC1〜C4の炭素数を有するカルボ
ン酸を金属塩1モルに対し1〜nモルの範囲で使用し、
これらをアルコール類あるいはまたアルコール類と芳香
族炭化水素の混合液に懸濁させ均一な溶液とるまで加熱
する。得られる均一な溶液はそのままでも使用すること
もできるが、必要によっては、上記反応工程で副生する
水、アルコール類あるいは芳香族炭化水素を蒸留により
除去することにより、有機溶剤に可溶な金属含有組成物
として実用化される。成分としてエタノールアミン類
を用いた場合得られる金属含有組成物は1700〜1500cm-1
のスペクトル領域に非環式アミドの赤外吸収帯及び1800
〜1700cm-1と1300〜1000cm-1のスペクトル領域にエステ
ルの赤外吸収帯をもち、また脂肪族アミン類を用いた場
合は、1700〜1500cm-1のスペクトル領域に非環式アミド
の赤外吸収帯をもつ、有機溶媒に可溶な金属含有組成物
として得られる。
a,Sr,Ba,Zn,Cd,第III族のAl,In,Y,ランタン系元素より
なる群から選択される金属カルボン酸塩とエタノール
アミン類あるいは脂肪族アミン類を酸化数nの金属塩1
モルに対しnモル及びC1〜C4の炭素数を有するカルボ
ン酸を金属塩1モルに対し1〜nモルの範囲で使用し、
これらをアルコール類あるいはまたアルコール類と芳香
族炭化水素の混合液に懸濁させ均一な溶液とるまで加熱
する。得られる均一な溶液はそのままでも使用すること
もできるが、必要によっては、上記反応工程で副生する
水、アルコール類あるいは芳香族炭化水素を蒸留により
除去することにより、有機溶剤に可溶な金属含有組成物
として実用化される。成分としてエタノールアミン類
を用いた場合得られる金属含有組成物は1700〜1500cm-1
のスペクトル領域に非環式アミドの赤外吸収帯及び1800
〜1700cm-1と1300〜1000cm-1のスペクトル領域にエステ
ルの赤外吸収帯をもち、また脂肪族アミン類を用いた場
合は、1700〜1500cm-1のスペクトル領域に非環式アミド
の赤外吸収帯をもつ、有機溶媒に可溶な金属含有組成物
として得られる。
尚本発明で使用される金属カルボン酸塩としては炭素
数C1〜C4を有するカルボン酸の塩があげられるが、工業
的に最も好ましいのは酢酸塩であるので以下酢酸塩を代
表的に取り上げて説明を進める。
数C1〜C4を有するカルボン酸の塩があげられるが、工業
的に最も好ましいのは酢酸塩であるので以下酢酸塩を代
表的に取り上げて説明を進める。
本発明方法の実施にあたっては、第II族のMg,Ca,Sr,B
a,Zn,Cd、第III族のAl,In,Y,ランタン系元素よりなる群
から選択される酢酸塩と、エタノールアミン類あるいは
脂肪族アミン類を、酸化数nの金属塩1モルに対しnモ
ル及びC1〜C4の炭素数を有するカルボン酸を金属塩1モ
ルに対して1〜nモルの範囲、好ましくは1〜n/2モル
の範囲で配合し、これらをアルコール類あるいはアルコ
ール類と芳香族炭化水素の混合液に懸濁させたものを用
いる。使用するアルコール類としてはC1〜C4の炭素数を
有するアルコールが最も一般的であり、また芳香族炭化
水素としては一般にベンゼン、トルエンまたはキシレン
が使用される。これらの有機溶媒は、アルコール単独で
用いてもよく、あるいはアルコール−芳香族炭化水素の
混合液を用いてもどちらでもよい。混合液の場合、その
混合割合は如何なる割合でも反応それ自体には何らの影
響も及ぼさない。
a,Zn,Cd、第III族のAl,In,Y,ランタン系元素よりなる群
から選択される酢酸塩と、エタノールアミン類あるいは
脂肪族アミン類を、酸化数nの金属塩1モルに対しnモ
ル及びC1〜C4の炭素数を有するカルボン酸を金属塩1モ
ルに対して1〜nモルの範囲、好ましくは1〜n/2モル
の範囲で配合し、これらをアルコール類あるいはアルコ
ール類と芳香族炭化水素の混合液に懸濁させたものを用
いる。使用するアルコール類としてはC1〜C4の炭素数を
有するアルコールが最も一般的であり、また芳香族炭化
水素としては一般にベンゼン、トルエンまたはキシレン
が使用される。これらの有機溶媒は、アルコール単独で
用いてもよく、あるいはアルコール−芳香族炭化水素の
混合液を用いてもどちらでもよい。混合液の場合、その
混合割合は如何なる割合でも反応それ自体には何らの影
響も及ぼさない。
アルコール単独で用いた場合と芳香族炭化水素との混
合液を用いた場合の違いは、反応工程で副生する水を除
去するときに現われ、共沸混合物となる場合水−アルコ
ールあるいは水−芳香族炭化水素の2成分系共沸混合物
として除去するよりも、水−アルコール−芳香族炭化水
素の3成分系共沸混合物とした方が共沸温度が10〜20℃
低下するため、水分の除去操作が簡単になる。
合液を用いた場合の違いは、反応工程で副生する水を除
去するときに現われ、共沸混合物となる場合水−アルコ
ールあるいは水−芳香族炭化水素の2成分系共沸混合物
として除去するよりも、水−アルコール−芳香族炭化水
素の3成分系共沸混合物とした方が共沸温度が10〜20℃
低下するため、水分の除去操作が簡単になる。
例えば、水−エチルアルコール系では、沸点が78.2℃
で4重量%の水分組成のものが、水−エチルアルコール
−ベンゼン系では沸点が64.9℃でおよそ7重量%の水分
組成となり、水−ベンゼン系では沸点が69.3℃で9重量
%の水分組成となる。
で4重量%の水分組成のものが、水−エチルアルコール
−ベンゼン系では沸点が64.9℃でおよそ7重量%の水分
組成となり、水−ベンゼン系では沸点が69.3℃で9重量
%の水分組成となる。
第II族のMg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,第III族のAl,In,Y,ラン
タン系元素よりなる群から選択される金属の酢酸塩は、
従来公知の方法、たとえば相当する酸化物もしくは炭酸
塩を酢酸水溶液に懸濁させ、次いで加熱することによっ
て得られる酢酸塩の水和物をN,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解あるいは懸濁させ、これに乾燥したベンゼンを
加えた後、ベンゼン−水共沸混合物を蒸留によって除く
ことによって得られる。このようにして得られた生成物
からN,N−ジメチルホルムアミドを留去すると、酢酸塩
の無水和物が得られる。
タン系元素よりなる群から選択される金属の酢酸塩は、
従来公知の方法、たとえば相当する酸化物もしくは炭酸
塩を酢酸水溶液に懸濁させ、次いで加熱することによっ
て得られる酢酸塩の水和物をN,N−ジメチルホルムアミ
ドに溶解あるいは懸濁させ、これに乾燥したベンゼンを
加えた後、ベンゼン−水共沸混合物を蒸留によって除く
ことによって得られる。このようにして得られた生成物
からN,N−ジメチルホルムアミドを留去すると、酢酸塩
の無水和物が得られる。
ランタノイド系元素のなかで酸化プラセオジム、酸化
テルビウムを出発物質とする場合は、水素還元などによ
りあらかじめ三二酸化物とした後、前述の方法を適用す
ることにより酢酸塩を得ることができる。また酸化セリ
ウム(IV)は炭酸セリウム(III)にした後、前述の方
法で酢酸塩とすることができる。
テルビウムを出発物質とする場合は、水素還元などによ
りあらかじめ三二酸化物とした後、前述の方法を適用す
ることにより酢酸塩を得ることができる。また酸化セリ
ウム(IV)は炭酸セリウム(III)にした後、前述の方
法で酢酸塩とすることができる。
酢酸亜鉛の場合、硝酸亜鉛の6水和物を無水酢酸と共
に加熱反応させ、冷却後生成する白色結晶を濾別し無水
酢酸およびエーテルで洗浄した後真空中で水酸化ナトリ
ウムおよび濃硫酸で乾燥すると、酢酸塩の無水和物が得
られる。
に加熱反応させ、冷却後生成する白色結晶を濾別し無水
酢酸およびエーテルで洗浄した後真空中で水酸化ナトリ
ウムおよび濃硫酸で乾燥すると、酢酸塩の無水和物が得
られる。
また酢酸マグネシウムは、酢酸水溶液に炭酸マグネシ
ウムを溶かし、濾過したのち濾液にエチルアルコール:
エーテルの等量混合物を加え、析出する四水和物の結晶
を130〜140℃で重量減少が見られなくなるまで加熱する
と無水和物として得られる。
ウムを溶かし、濾過したのち濾液にエチルアルコール:
エーテルの等量混合物を加え、析出する四水和物の結晶
を130〜140℃で重量減少が見られなくなるまで加熱する
と無水和物として得られる。
本発明における特徴は上記のようにして調製される第
II族のMg,Ca,Ba,Sr,Zn,Cd,第III族のAl,In,Y,ランタン
系元素よりなる群から選択される金属酢酸塩の無水和物
と特定のアミン及びC1〜C4の炭素数を有するカルボン酸
を、C1〜C4の炭素数を有するアルコールあるいはアルコ
ール−芳香族炭化水素の混合液に懸濁させ均一な溶液と
なるまで加熱するところにある。加熱温度は室温より高
ければ如何なる温度でもよいが、工業的には50℃以上か
ら還流温度までが好ましい。
II族のMg,Ca,Ba,Sr,Zn,Cd,第III族のAl,In,Y,ランタン
系元素よりなる群から選択される金属酢酸塩の無水和物
と特定のアミン及びC1〜C4の炭素数を有するカルボン酸
を、C1〜C4の炭素数を有するアルコールあるいはアルコ
ール−芳香族炭化水素の混合液に懸濁させ均一な溶液と
なるまで加熱するところにある。加熱温度は室温より高
ければ如何なる温度でもよいが、工業的には50℃以上か
ら還流温度までが好ましい。
本発明において使用されるエタノールアミン類はモノ
エタノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタ
ノールアミンであり、脂肪族アミン類としてはエチレン
ジアミン、ジエチレントリアミンまたはトリエチレンテ
トラミンが挙げられる。
エタノールアミン、ジエタノールアミンまたはトリエタ
ノールアミンであり、脂肪族アミン類としてはエチレン
ジアミン、ジエチレントリアミンまたはトリエチレンテ
トラミンが挙げられる。
また使用されるカルボン酸はC1〜C4の炭素数を有する
カルボン酸であれば、いずれを用いてもよく、金属塩を
構成するカルボン酸と同一の炭素数を有する酸を用いる
のが最も一般的であるが、炭素数の互いに相違する金属
カルボン酸塩とカルボン酸を組合せて使用することも勿
論可能である。その添加量は酸化数nの金属塩1モルに
対し、1〜nモルの範囲、好ましくは1〜n/2モルの範
囲とするのがよい。さらにアルコールと芳香族炭化水素
との混合液は、如何なる組合せでも何ら反応生成物の特
性に影響を与えない。
カルボン酸であれば、いずれを用いてもよく、金属塩を
構成するカルボン酸と同一の炭素数を有する酸を用いる
のが最も一般的であるが、炭素数の互いに相違する金属
カルボン酸塩とカルボン酸を組合せて使用することも勿
論可能である。その添加量は酸化数nの金属塩1モルに
対し、1〜nモルの範囲、好ましくは1〜n/2モルの範
囲とするのがよい。さらにアルコールと芳香族炭化水素
との混合液は、如何なる組合せでも何ら反応生成物の特
性に影響を与えない。
このようにして得られる均一な溶液はそのまま使用す
ることもできるが、必要であれば、さらに蒸留してアミ
ド化あるいはエステル化反応等により副生する水とアル
コールあるいは芳香族炭化水素を、共沸混合物として除
去できるものであれば共沸混合物として、また共沸混合
物となりえないものであればそれぞれを単独に除去し、
金属含有組成物を得る。このようにして得られた組成物
は、エタノールアミン類を用いた場合1700〜1500cm-1の
スペクトル領域に非環式アミドの赤外吸収帯及び1800〜
1700cm-1と1300〜1000cm-1のスペクトル領域にエステル
の赤外吸収帯をもち、脂肪族アミン類を用いた場合1700
〜1500cm-1のスペクトル領域に非環式アミドの赤外吸収
帯をもつ。またこの組成物は、例えば芳香族炭化水素、
パラフィン系及びオレフィン系炭化水素、酢酸エステ
ル、イソプロピルエーテル、石油エーテル、クロロホル
ム、四塩化炭素には不溶性でアルコール類、アセトンに
よる難溶性であるが、ジエチルエーテルやN,N−ジメチ
ルホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テ
レピネオール、ブチルカルビトールには易溶性であり、
取扱いの容易な有機溶剤溶液として用いることができ
る。
ることもできるが、必要であれば、さらに蒸留してアミ
ド化あるいはエステル化反応等により副生する水とアル
コールあるいは芳香族炭化水素を、共沸混合物として除
去できるものであれば共沸混合物として、また共沸混合
物となりえないものであればそれぞれを単独に除去し、
金属含有組成物を得る。このようにして得られた組成物
は、エタノールアミン類を用いた場合1700〜1500cm-1の
スペクトル領域に非環式アミドの赤外吸収帯及び1800〜
1700cm-1と1300〜1000cm-1のスペクトル領域にエステル
の赤外吸収帯をもち、脂肪族アミン類を用いた場合1700
〜1500cm-1のスペクトル領域に非環式アミドの赤外吸収
帯をもつ。またこの組成物は、例えば芳香族炭化水素、
パラフィン系及びオレフィン系炭化水素、酢酸エステ
ル、イソプロピルエーテル、石油エーテル、クロロホル
ム、四塩化炭素には不溶性でアルコール類、アセトンに
よる難溶性であるが、ジエチルエーテルやN,N−ジメチ
ルホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テ
レピネオール、ブチルカルビトールには易溶性であり、
取扱いの容易な有機溶剤溶液として用いることができ
る。
[実施例] 以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、
本発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるも
のではない。
本発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるも
のではない。
実施例1 酸化イットリウム(Y2O3)113g(0.5モル)(日本イ
ットリウム社製)を4lの50%酢酸水溶液に溶かし、未溶
解のものがあれば濾別する。得られた水溶液を70〜80℃
の温度に加熱して水を蒸発させ、酢酸イットリウム結晶
を得る。
ットリウム社製)を4lの50%酢酸水溶液に溶かし、未溶
解のものがあれば濾別する。得られた水溶液を70〜80℃
の温度に加熱して水を蒸発させ、酢酸イットリウム結晶
を得る。
このようにして得た酢酸イットリウムの水和物を真空
中150〜180℃で加熱して酢酸イットリウムの無水和物を
得る。この無水和物とトリエタノールアミン450g(3モ
ル)及び酢酸90g(1.5モル)をメチルアルコール1と
ベンゼン1の混合液に懸濁させ、均一な溶液となるま
で55〜60℃の範囲で加熱する。反応に当たっては、溶媒
の揮散を防ぐため還流装置を付けておく。加熱する前の
懸濁液は白色の結晶状固体がスラリー状で分散したもの
であるが、加熱することによりおよそ10〜15時間で白色
ゲル状の固体となり、25時間経過後にはゲル状固体が次
第に溶解し始め、およそ30時間で均一な溶液となる。こ
の反応生成物は溶液のままでも使用することができる
が、さらに副生する水とメチルアルコール及びベンゼン
を蒸留により除去すると、有機溶剤に可溶なイットリウ
ム含有組成物とて得られる。この組成物は1630cm-1に非
環式アミドの赤外吸収及び1730cm-1と1250cm-1、1080cm
-1にエステルの赤外吸収をもち、さらに芳香族炭化水
素、パラフィン系及びオレフィン系炭化水素、酢酸エチ
ル、イソプロピルエーテル、石油エーテル、クロロホル
ム、四塩化炭素には不溶性で、アルコール類、アセトン
には難溶性であるがジエチルエーテル、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テレ
ピネオール、およびブチルカルビトールには易溶性であ
る。
中150〜180℃で加熱して酢酸イットリウムの無水和物を
得る。この無水和物とトリエタノールアミン450g(3モ
ル)及び酢酸90g(1.5モル)をメチルアルコール1と
ベンゼン1の混合液に懸濁させ、均一な溶液となるま
で55〜60℃の範囲で加熱する。反応に当たっては、溶媒
の揮散を防ぐため還流装置を付けておく。加熱する前の
懸濁液は白色の結晶状固体がスラリー状で分散したもの
であるが、加熱することによりおよそ10〜15時間で白色
ゲル状の固体となり、25時間経過後にはゲル状固体が次
第に溶解し始め、およそ30時間で均一な溶液となる。こ
の反応生成物は溶液のままでも使用することができる
が、さらに副生する水とメチルアルコール及びベンゼン
を蒸留により除去すると、有機溶剤に可溶なイットリウ
ム含有組成物とて得られる。この組成物は1630cm-1に非
環式アミドの赤外吸収及び1730cm-1と1250cm-1、1080cm
-1にエステルの赤外吸収をもち、さらに芳香族炭化水
素、パラフィン系及びオレフィン系炭化水素、酢酸エチ
ル、イソプロピルエーテル、石油エーテル、クロロホル
ム、四塩化炭素には不溶性で、アルコール類、アセトン
には難溶性であるがジエチルエーテル、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テレ
ピネオール、およびブチルカルビトールには易溶性であ
る。
実施例2 酢酸ガドリニウム・4水和物[Gd(CH3COO)3・4H2O]4
06g(1モル)(岸田化学社製)を、乾燥した4lのN,N−
ジメチルホルムアミドに溶解させる。ついで5lの乾燥し
たベンゼンを加えた後、ベンゼン−水共沸混合物を蒸留
により除く。母液を蒸留乾固させると生成物[Gd(CH3CO
O)3・DMF](ただしDMF:N,N−ジメチルホルムアミド)
が得られる。このものを200〜210℃に加熱してDMFを除
去すると、酢酸ガドリニウムの無水和物[Gd(CH3CO
O)3]が得られる。
06g(1モル)(岸田化学社製)を、乾燥した4lのN,N−
ジメチルホルムアミドに溶解させる。ついで5lの乾燥し
たベンゼンを加えた後、ベンゼン−水共沸混合物を蒸留
により除く。母液を蒸留乾固させると生成物[Gd(CH3CO
O)3・DMF](ただしDMF:N,N−ジメチルホルムアミド)
が得られる。このものを200〜210℃に加熱してDMFを除
去すると、酢酸ガドリニウムの無水和物[Gd(CH3CO
O)3]が得られる。
この無水和物とモノエタノールアミン183g(3モル)
及び酢酸90g(1.5モル)をエチルアルコール1とトル
エン1の混合液に懸濁させ、液中の白色結晶状固体が
均一に溶解するまで、およそ25時間加熱還流する。10〜
15時間経過すると反応液は白色ゲル状固体となり、25時
間ほどで均一な溶液となる。この溶液はそのまま使用し
得るが、さらに蒸留して副生すると水とエチルアルコー
ル、およびトルエンを除去すると、粘稠液状のガドリニ
ウム含有組成物が得られる。
及び酢酸90g(1.5モル)をエチルアルコール1とトル
エン1の混合液に懸濁させ、液中の白色結晶状固体が
均一に溶解するまで、およそ25時間加熱還流する。10〜
15時間経過すると反応液は白色ゲル状固体となり、25時
間ほどで均一な溶液となる。この溶液はそのまま使用し
得るが、さらに蒸留して副生すると水とエチルアルコー
ル、およびトルエンを除去すると、粘稠液状のガドリニ
ウム含有組成物が得られる。
このガドリニウム含有組成物は1630cm-1と1580cm-1に
アミドの赤外吸収を、また1720cm-1と1240cm-1及び1060
cm-1にエステルの赤外吸収をもち、芳香族炭化水素、パ
ラフィン系及びオレフィン系炭化水素、酢酸エチル、イ
ソプロピルエーテル、石油エーテル、クロロホルム、四
塩化炭素には不溶性でアルコール類、アセトンには難溶
性であるがジエチルエーテルおよびN,N−ジメチルホル
ムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テレピネ
オール、ブチルカルビトールには易溶性である。
アミドの赤外吸収を、また1720cm-1と1240cm-1及び1060
cm-1にエステルの赤外吸収をもち、芳香族炭化水素、パ
ラフィン系及びオレフィン系炭化水素、酢酸エチル、イ
ソプロピルエーテル、石油エーテル、クロロホルム、四
塩化炭素には不溶性でアルコール類、アセトンには難溶
性であるがジエチルエーテルおよびN,N−ジメチルホル
ムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テレピネ
オール、ブチルカルビトールには易溶性である。
第1図には上記で得たガドリニウム含有組成物の赤外
線吸収スペクトルを示す。
線吸収スペクトルを示す。
比較例1 蟻酸イットリウム・2水和物[Y(HCOO)3・2H2O]260g
(1モル)(岸田化学社製)を実施例2の酢酸ガドリニ
ウム・4水和物の代りに使用し、以下実施例2と同様に
して無水和物を得る。この無水和物とジエタノールアミ
ン315g(3モル)をエチルアルコール1とベンゼン1
の混合液に懸濁させ、カルボン酸を加えることなく加
熱還流した。ところが結晶状沈殿物はゲル状沈殿物に変
化はするものの、還流時間が長くなるにつれてゲル状沈
殿物が増加し20時間後にはほとんど全体がゲル化した。
このゲルはジエチルエーテルやジメチルホルムアミド、
ピリジン、ジメチルスルホキシド、テレピネオール、ブ
チルカルビトールにも不溶であった。
(1モル)(岸田化学社製)を実施例2の酢酸ガドリニ
ウム・4水和物の代りに使用し、以下実施例2と同様に
して無水和物を得る。この無水和物とジエタノールアミ
ン315g(3モル)をエチルアルコール1とベンゼン1
の混合液に懸濁させ、カルボン酸を加えることなく加
熱還流した。ところが結晶状沈殿物はゲル状沈殿物に変
化はするものの、還流時間が長くなるにつれてゲル状沈
殿物が増加し20時間後にはほとんど全体がゲル化した。
このゲルはジエチルエーテルやジメチルホルムアミド、
ピリジン、ジメチルスルホキシド、テレピネオール、ブ
チルカルビトールにも不溶であった。
比較例2 比較例1と同様にして調製した蟻酸イットリウムとジ
エタノールアミン315g(3モル)及び蟻酸69g(1.5モ
ル)をエチルアルコール1とベンゼン1に懸濁させ
均一な溶液となるまで加熱することなく、蒸留すること
によりエチルアルコール、及びベンゼンを除去した。
エタノールアミン315g(3モル)及び蟻酸69g(1.5モ
ル)をエチルアルコール1とベンゼン1に懸濁させ
均一な溶液となるまで加熱することなく、蒸留すること
によりエチルアルコール、及びベンゼンを除去した。
得られる生成物はゲル状物質であり、1730cm-1と1060
cm-1に何とか確認できる程度のエステルの赤外吸収を有
しているものの、アミドの赤外吸収は確認できなかっ
た。しかもアルコール類、芳香族炭化水素、N,N−ジメ
チルホルムアミド等の有機溶媒には難溶性のものであっ
た。
cm-1に何とか確認できる程度のエステルの赤外吸収を有
しているものの、アミドの赤外吸収は確認できなかっ
た。しかもアルコール類、芳香族炭化水素、N,N−ジメ
チルホルムアミド等の有機溶媒には難溶性のものであっ
た。
実施例3 硝酸亜鉛6水和物[Zn(NO3)2・6H2O]297g(1モル)
(岸田化学社製)を1200mlの無水酢酸と反応させた後、
さらに10〜20分間煮沸する。しばらく放置した後析出す
る結晶を冷時吸収濾過し少量の無水酢酸で洗浄し、さら
にエーテルで洗浄したのちデシケーター中で水酸化カリ
ウムおよび濃硫酸で乾燥すると、無水酢酸亜鉛が得られ
る。
(岸田化学社製)を1200mlの無水酢酸と反応させた後、
さらに10〜20分間煮沸する。しばらく放置した後析出す
る結晶を冷時吸収濾過し少量の無水酢酸で洗浄し、さら
にエーテルで洗浄したのちデシケーター中で水酸化カリ
ウムおよび濃硫酸で乾燥すると、無水酢酸亜鉛が得られ
る。
この無水酢酸亜鉛とモノエタノールアミン122g(2モ
ル)及びプロピオン酸74g(1モル)をイソプロピルア
ルコール1とトルエン1の混合液に懸濁し55〜60℃
の範囲で加熱する。反応容器には溶媒の揮散を防ぐため
還流装置をつけておく。加熱を続けると、液中に存在す
る白色結晶状固体は次第にゲル状となり、15〜20時間で
淡黄色を呈する均一な溶液となる。この生成物は溶液の
ままでも使用できるが、さらに蒸留して副生する水とイ
ソプロピルアルコール及びトルエンを除去すると、粘稠
液状の亜鉛含有組成物が得られる。得られた亜鉛含有組
成物は1640cm-1と1570cm-1にアミドの赤外吸収をまた、
1710cm-1と1260cm-1及び1090cm-1にエステルの赤外吸収
をもち、有機溶媒に対する溶解性においては実施例1の
場合と同様の結果を示した。
ル)及びプロピオン酸74g(1モル)をイソプロピルア
ルコール1とトルエン1の混合液に懸濁し55〜60℃
の範囲で加熱する。反応容器には溶媒の揮散を防ぐため
還流装置をつけておく。加熱を続けると、液中に存在す
る白色結晶状固体は次第にゲル状となり、15〜20時間で
淡黄色を呈する均一な溶液となる。この生成物は溶液の
ままでも使用できるが、さらに蒸留して副生する水とイ
ソプロピルアルコール及びトルエンを除去すると、粘稠
液状の亜鉛含有組成物が得られる。得られた亜鉛含有組
成物は1640cm-1と1570cm-1にアミドの赤外吸収をまた、
1710cm-1と1260cm-1及び1090cm-1にエステルの赤外吸収
をもち、有機溶媒に対する溶解性においては実施例1の
場合と同様の結果を示した。
実施例4 20%酪酸水溶液1に炭酸マグネシウム(MgCO3)84g
(1モル)(岸田化学社製)を溶かし、濾過した後濾液
を濃硫酸デシケーター中で蒸発濃縮すると、酪酸マグネ
シウムの四水和物が析出する。この四水和物を重量が一
定となるまで130〜135℃で加熱すると無水和物となる。
(1モル)(岸田化学社製)を溶かし、濾過した後濾液
を濃硫酸デシケーター中で蒸発濃縮すると、酪酸マグネ
シウムの四水和物が析出する。この四水和物を重量が一
定となるまで130〜135℃で加熱すると無水和物となる。
かくして得た酪酸マグネシウム無水和物とジエタノー
ルアミン210g(2モル)及び酪酸88g(1モル)を第2
級ブチルアルコール1とキシレン1の混合液に懸濁
させ60〜65℃で加熱する。反応容器には溶媒の揮散防止
のため還流装置を付けておく。反応を続けると、液中に
存在する白色結晶状固体は次第にゲル状となり、20〜25
時間で淡赤褐色の均一溶液となる。この溶液はそのまま
でも使用できるが、さらに蒸留して副生する水、第2級
ブチルアルコール及びキシレンを除去すると、粘稠な液
状のマグネシウム含有組成物が得られる。この組成物は
1650cm-1と1573cm-1にアミドの赤外吸収を、また1735cm
-1と1258cm-1及び1100cm-1にエステルの赤外吸収をも
ち、有機溶媒に対する溶解性においては実施例1の場合
と同様の結果を示した。
ルアミン210g(2モル)及び酪酸88g(1モル)を第2
級ブチルアルコール1とキシレン1の混合液に懸濁
させ60〜65℃で加熱する。反応容器には溶媒の揮散防止
のため還流装置を付けておく。反応を続けると、液中に
存在する白色結晶状固体は次第にゲル状となり、20〜25
時間で淡赤褐色の均一溶液となる。この溶液はそのまま
でも使用できるが、さらに蒸留して副生する水、第2級
ブチルアルコール及びキシレンを除去すると、粘稠な液
状のマグネシウム含有組成物が得られる。この組成物は
1650cm-1と1573cm-1にアミドの赤外吸収を、また1735cm
-1と1258cm-1及び1100cm-1にエステルの赤外吸収をも
ち、有機溶媒に対する溶解性においては実施例1の場合
と同様の結果を示した。
実施例5 硝酸インジウム・3水和物[In(NO3)3・3H2O]355g
(1モル)(岸田化学社製)を無水酢酸1000mlと反応さ
せ、反応終了後更に10〜20分間煮沸する。析出する結晶
を冷時吸引濾過し、少量の無水酢酸で洗浄した後エーテ
ルで洗浄してから減圧デシケーター中で水酸化カリウム
および濃硫酸で乾燥すると無水酢酸インジウムが得られ
る。
(1モル)(岸田化学社製)を無水酢酸1000mlと反応さ
せ、反応終了後更に10〜20分間煮沸する。析出する結晶
を冷時吸引濾過し、少量の無水酢酸で洗浄した後エーテ
ルで洗浄してから減圧デシケーター中で水酸化カリウム
および濃硫酸で乾燥すると無水酢酸インジウムが得られ
る。
この酢酸インジウムとエチレンジアミン180g(3モ
ル)および酢酸60g(1モル)を、イソプロピルアルコ
ール1とベンゼン1の混合液に懸濁させ加熱還流す
る。反応の進行に伴って白色結晶状固体は3〜5時間後
に最大量となるが、その後次第に溶解し、20〜25時間後
には均一な溶液となる。この溶液はそのままでも使用で
きるが、さらに蒸留によって副生する水と、イソプロピ
ルアルコール及びベンゼンを除去すると、粘稠液状のイ
ンジウム含有組成物が得られる。この組成物は1610cm-1
と1540cm-1にアミドの赤外吸収帯をもち、芳香族炭化水
素、パラフィン系及びオレフィン系炭化水素、酢酸エチ
ル、イソプロピルエーテル、石油エーテル、クロロホル
ム、四塩化炭素には不溶性でアルコール類、アセトンに
は難溶性であるが、ジエチルエーテル、およびN,N−ジ
メチルホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシ
ド、テレピネオール、ブチルカルビトールには易溶性の
ものであった。
ル)および酢酸60g(1モル)を、イソプロピルアルコ
ール1とベンゼン1の混合液に懸濁させ加熱還流す
る。反応の進行に伴って白色結晶状固体は3〜5時間後
に最大量となるが、その後次第に溶解し、20〜25時間後
には均一な溶液となる。この溶液はそのままでも使用で
きるが、さらに蒸留によって副生する水と、イソプロピ
ルアルコール及びベンゼンを除去すると、粘稠液状のイ
ンジウム含有組成物が得られる。この組成物は1610cm-1
と1540cm-1にアミドの赤外吸収帯をもち、芳香族炭化水
素、パラフィン系及びオレフィン系炭化水素、酢酸エチ
ル、イソプロピルエーテル、石油エーテル、クロロホル
ム、四塩化炭素には不溶性でアルコール類、アセトンに
は難溶性であるが、ジエチルエーテル、およびN,N−ジ
メチルホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシ
ド、テレピネオール、ブチルカルビトールには易溶性の
ものであった。
実施例6 アルミニウムエトキシド[Al(OC2H5)3]162g(1モ
ル)(岸田化学社製)に無水酢酸850mlを滴下した後、
加熱することにより反応を促進させる。反応混合物を冷
却すると白色の酢酸アルミニウムが得られる。これを減
圧下に100℃で5時間乾燥して酢酸アルミニウムを得
た。この酢酸アルミニウムとジエチレントリアミン309g
(3モル)及び酢酸90g(1.5モル)をエチルアルコール
1とトルエン1の混合液に懸濁させ均一な溶液とな
るまで加熱還流する。この溶液はそのままでも使用でき
るが、さらに蒸留することにより副生する水と、エチル
アルコール及びトルエンを除去すると、粘稠液状のアル
ミニウム含有組成物が得られる。この組成物は1645cm-1
と1570cm-1にアミドの赤外吸収をもち、芳香族炭化水
素、パラフィン系及びオレフィン系炭化水素、酢酸エチ
ル、イソプロピルエーテル、石油エーテル、クロロホル
ム、四塩化炭素には不溶性で、アルコール類、アセトン
には難溶性であるが、ジエチルエーテルおよびN,N−ジ
メチルホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシ
ド、テレピネオール、ブチルカルビトールには易溶性で
あった。
ル)(岸田化学社製)に無水酢酸850mlを滴下した後、
加熱することにより反応を促進させる。反応混合物を冷
却すると白色の酢酸アルミニウムが得られる。これを減
圧下に100℃で5時間乾燥して酢酸アルミニウムを得
た。この酢酸アルミニウムとジエチレントリアミン309g
(3モル)及び酢酸90g(1.5モル)をエチルアルコール
1とトルエン1の混合液に懸濁させ均一な溶液とな
るまで加熱還流する。この溶液はそのままでも使用でき
るが、さらに蒸留することにより副生する水と、エチル
アルコール及びトルエンを除去すると、粘稠液状のアル
ミニウム含有組成物が得られる。この組成物は1645cm-1
と1570cm-1にアミドの赤外吸収をもち、芳香族炭化水
素、パラフィン系及びオレフィン系炭化水素、酢酸エチ
ル、イソプロピルエーテル、石油エーテル、クロロホル
ム、四塩化炭素には不溶性で、アルコール類、アセトン
には難溶性であるが、ジエチルエーテルおよびN,N−ジ
メチルホルムアミド、ピリジン、ジメチルスルホキシ
ド、テレピネオール、ブチルカルビトールには易溶性で
あった。
また、トリエチレンテトラミン438g(3モル)をジエ
チレントリアミンに代えて使用した以外は実施例6と同
様の操作を行って得られるアルミニウム含有組成物も、
1650cm-1と1565cm-1にアミドの赤外吸収をもち、また有
機溶媒に対する溶解性も実施例6と同様であった。
チレントリアミンに代えて使用した以外は実施例6と同
様の操作を行って得られるアルミニウム含有組成物も、
1650cm-1と1565cm-1にアミドの赤外吸収をもち、また有
機溶媒に対する溶解性も実施例6と同様であった。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、その効果を要約
すれば次の通りである。
すれば次の通りである。
(1)通常の金属錯化合物は結晶性のものが多く、有機
溶媒に対する溶解性が小さいため用途に制約があるが、
本発明によれば、第II族のMg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,第III族
のAl,In,Y,ランタン系元素から選択される金属カルボン
酸塩とエタノールアミン類または脂肪族アミン類及びカ
ルボン酸から有機溶媒に可溶な金属含有組成物を得るこ
とができる。
溶媒に対する溶解性が小さいため用途に制約があるが、
本発明によれば、第II族のMg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,第III族
のAl,In,Y,ランタン系元素から選択される金属カルボン
酸塩とエタノールアミン類または脂肪族アミン類及びカ
ルボン酸から有機溶媒に可溶な金属含有組成物を得るこ
とができる。
(2)第II族のMg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,第III族のAl,In,Y,
ランタン系元素から選択される金属カルボン酸塩と、エ
タノールアミン類または脂肪族アミン類及びカルボン酸
から得られる有機溶媒に可溶な金属含有組成物は、ジエ
チルエーテルあるいはN,N−ジメチルホルムアミド、ピ
リジン、ジメチルスルホキシド、テレピネオール、ブチ
ルカルビトールのような易溶性の溶媒に溶解して使用す
ることによって、樹脂の架橋剤、反応触媒、ニューガラ
ス等への微量添加剤、ニューセラミックス分野での焼結
助剤的な添加剤として極めて有効に活用することができ
る。
ランタン系元素から選択される金属カルボン酸塩と、エ
タノールアミン類または脂肪族アミン類及びカルボン酸
から得られる有機溶媒に可溶な金属含有組成物は、ジエ
チルエーテルあるいはN,N−ジメチルホルムアミド、ピ
リジン、ジメチルスルホキシド、テレピネオール、ブチ
ルカルビトールのような易溶性の溶媒に溶解して使用す
ることによって、樹脂の架橋剤、反応触媒、ニューガラ
ス等への微量添加剤、ニューセラミックス分野での焼結
助剤的な添加剤として極めて有効に活用することができ
る。
第1図は実施例2で得たガドリニウム含有組成物の赤外
線吸収スペクトルを示すものである。
線吸収スペクトルを示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 5/00 G 7457−4H J 7457−4H 5/06 Z 7457−4H
Claims (1)
- 【請求項1】(A):Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Al,In,Y,ラン
タン系元素よりなる群から選択される金属と、炭素数1
〜4のカルボン酸とからなる金属カルボン酸塩:1モル
と、 (B):エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミンよりなる群から選択さ
れるアミン:nモル(nは上記金属カルボン酸塩における
金属の酸化数を表す)、および (C):炭素数1〜4のカルボン酸:1〜nモル(nは上
記と同じ意味)を炭素数1〜4のアルコールを含む有機
溶剤に懸濁させ、50℃〜還流温度に加熱して均一な溶液
とすることを特徴とする有機溶媒に可溶な金属含有組成
物の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24469986A JPH0819136B2 (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 有機溶媒に可溶な金属含有組成物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24469986A JPH0819136B2 (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 有機溶媒に可溶な金属含有組成物の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6399034A JPS6399034A (ja) | 1988-04-30 |
JPH0819136B2 true JPH0819136B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=17122615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24469986A Expired - Lifetime JPH0819136B2 (ja) | 1986-10-14 | 1986-10-14 | 有機溶媒に可溶な金属含有組成物の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819136B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2896791B1 (fr) * | 2006-01-30 | 2008-10-10 | Rhodia Recherches & Tech | Dispersion colloidale d'un borate de terre rare, son procede de preparation et son utilisation comme luminophore |
-
1986
- 1986-10-14 JP JP24469986A patent/JPH0819136B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6399034A (ja) | 1988-04-30 |
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