JPH08190169A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents

写真印画紙用支持体

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JPH08190169A
JPH08190169A JP128495A JP128495A JPH08190169A JP H08190169 A JPH08190169 A JP H08190169A JP 128495 A JP128495 A JP 128495A JP 128495 A JP128495 A JP 128495A JP H08190169 A JPH08190169 A JP H08190169A
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coating layer
acrylate
resin coating
electron beam
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Masaki Nishimura
匡樹 西村
Yasuaki Nakayama
靖章 中山
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New Oji Paper Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は現像処理による黄変が発生せず、折
り曲げた場合の膜割れのない写真印画紙用支持体を提
供。 【構成】 シート状基体の少なくとも1表面上に形成さ
れ、かつ電子線硬化性樹脂組成物の硬化体からなる樹脂
被覆層とを有し、前記樹脂被覆層の表面の臨界表面張力
が35dyn/cm以下であり、かつ前記樹脂被覆層を
形成する樹脂フィルムの破断伸度が15%以上であるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真印画紙用支持体に関
するものである。さらに詳しく述べるならば、本発明
は、現像処理による樹脂塗膜の黄変が無く、かつ折り曲
げた場合に膜割れを生じない電子線照射により硬化し得
る不飽和有機化合物を主成分とする樹脂組成物(以下、
電子線硬化性樹脂組成物という)の硬化体からなる樹脂
被覆層を有する写真印画紙用支持体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、写真印画紙用支持体としては、紙
からなる基体の両面にポリオレフィン樹脂を被覆して製
造されたポリオレフィン被覆支持体が広く使用されてき
た。このような支持体は、ポリオレフィン被覆層が疎水
性であるため、バライタ紙に比較して、現像、定着処理
中に処理液が支持体中に浸透しにくく、このため水洗時
間や乾燥時間が大幅に短縮されるという利点を有し、ま
た、紙基体への前記処理液の浸透がないため、支持体自
体の伸縮が抑制され、優れた寸法安定性を有するなどの
長所を有している。
【0003】このような支持体のポリオレフィン樹脂被
覆層には、隠蔽力あるいは解像力の向上を目的として、
二酸化チタンのような無機白色顔料が混合されるが、こ
のような顔料は樹脂中への分散性が悪く、含有量を高め
ると凝集し分散不能となってしまう。また顔料中に含ま
れる揮発成分により溶融押し出し工程において発泡し、
樹脂被覆層に膜割れを発生させるなどの問題がある。こ
のため、樹脂被覆層中の顔料含有量を、上記隠蔽力、ま
たは解像力の向上のために十分な水準まで高めることが
できないという不都合がある。一般的にいえば、無機白
色顔料として二酸化チタンを用いる場合、これを約20
重量%以上の添加量で添加することは前記の理由により
困難である。従って、このような写真印画紙用支持体を
用いて得られた写真印画紙は、画像鮮鋭性において十分
満足できるものとはいえなかった。
【0004】近年になって、特公昭60−17104号
公報、特公昭60−17105号公報、および特開昭5
7−49946号公報などには、電子線硬化性樹脂組成
物を支持体に塗布し、これに電子線照射を施して硬化し
た電子線硬化樹脂被覆層を有する写真印画紙用支持体が
提案されている。この方法によれば塗布層を形成する際
に電子線硬化性樹脂組成物を高温に加熱する必要がな
く、また顔料含有量を20〜80重量%まで増加させる
ことができ、かつ塗布層を形成する際に被覆層の膜割れ
も生じない。従って、このような支持体を用いて得られ
る写真印画紙の画像鮮鋭性は、ポリオレフィン樹脂被覆
写真印画紙に比べて格段に向上し、また製造工程での加
熱および冷却を行わないため、写真印画紙の表面性が優
れている。
【0005】しかし、電子線照射により硬化した電子線
硬化樹脂被覆層の上に写真感光層を塗布して製造された
写真印画紙は、現像工程において現像処理後に黄色に着
色する現象、すなわち黄変が発生したり、また折り曲げ
た場合に膜割れを生じるなどの欠点を有している。
【0006】黄変の原因は完全には明らかではないが、
現像処理工程において、写真用現像処理薬品中の現像主
剤が樹脂被覆層中に浸入して吸着され、それが乾燥工程
の加熱により酸化されて、黄変が発生すると考えられて
いる。従って、黄変を防止するためには、樹脂被覆層中
への現像主剤の浸入を抑制すれば良く、そのためには、
支持体の塗膜の架橋密度を高くすることが有効である。
黄変を防止するために、例えば、特開昭62−6104
9号公報には、特定構造の6官能モノマーを使用する方
法が開示され、特開平2−157747号公報には、電
子線硬化性不飽和有機化合物の橋かけ間分子量を200
以下にする方法が提案され、さらに特開平3−1118
43号公報には、架橋剤としてイソシアネート化合物を
添加する方法が開示されており、いずれも架橋密度を高
くすることが提案されている。しかし架橋密度を高くす
ると、塗膜の破断伸度が小さくなるため、写真印画紙を
折り曲げた際に、膜割れを起こしやすくなる。
【0007】一方、膜割れを防止する方法としては、例
えば、特開昭61−252547号公報に、樹脂塗布硬
化層の弾性率を180Kg/mm2以下にする方法が提
案されているが、これは架橋密度を低くし、破断伸度を
大きくすることにより、膜割れを防止しているものと考
えられる。しかしこの場合は、樹脂被覆層中への現像主
剤の浸入により黄変しやすくなる。
【0008】前記のように、従来の方法では、黄変と膜
割れの発生が架橋密度に依存しており、黄変を防止し、
同時に膜割れを防止することは、困難であった。
【0009】本発明者らは、前記問題点の解決法を検討
するにあたり、膜割れを防止するには、架橋密度を低く
し、樹脂被覆層の破断伸度を大きくすることが不可欠で
あると考えた。そこで、膜割れを防止し、かつ黄変を防
止するには、樹脂被覆層の架橋密度を高くすることな
く、樹脂被覆層中への現像主剤の浸入を抑制する方法が
有効であると考え、鋭意検討を行った。その結果、樹脂
被覆層の臨界表面張力を低くすることにより、樹脂被覆
層が現像液にぬれにくくなり、所望の効果が得られるこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の従来
技術の有する問題点を解決し、現像処理による黄変が発
生せず、折り曲げた場合の膜割れのない、優れた写真特
性を有する写真印画紙を製造するのに好適な写真印画紙
用支持体を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の写真印
画紙用支持体は、シート状基体と、前記シート状基体の
少なくとも1表面上に形成され、かつ電子線硬化性樹脂
組成物の硬化体からなる樹脂被覆層とを有し、前記樹脂
被覆層の表面の臨界表面張力が35dyn/cm以下で
あり、かつ前記樹脂被覆層を形成する樹脂フィルムの破
断伸度が15%以上であることを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明における樹脂被覆層の表面の臨界表
面張力を35dyn/cm以下にするには、炭素数5以
上のアルキレン基、シクロアルキレン基、アルキル基、
シクロアルキル基のような疎水性基を有するモノマーお
よびオリゴマーを配合することが好ましい。
【0013】また、本発明における樹脂被覆層を形成す
る樹脂フィルムの破断伸度を15%以上にするには、ア
クリロイル基を1つ有する単官能モノマーや、アクリロ
イル基を2つ以上有し、1分子内のアクリロイル基の間
が、直鎖状または枝別れ状の炭素数5以上のアルキレン
基またはシクロアルキレン基を有するモノマーおよびオ
リゴマーを配合することが好ましい。
【0014】さらに具体的に述べるならば、水添ポリブ
タジエン骨格を有するポリウレタンアクリレート、ポリ
オレフィン骨格を有するポリウレタンアクリレート、水
添リシノール酸骨格を有するポリウレタンアクリレート
等のオリゴマー、およびノニルフェノキシエチレングリ
コールアクリレート、ノニルフェノキシプロピレングリ
コールアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレー
ト、1,14−テトラデカンジオールジアクリレート、
1,15−ペンタデカンジオールジアクリレート、ヒド
ロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのカ
プロラクトン付加物ジアクリレート、トリシクロデカン
ジメタノールジアクリレート等のオリゴマーが挙げられ
る。
【0015】これらモノマーおよびオリゴマーを単独あ
るいは混合して使用しても何ら差し支えない。
【0016】本発明の電子線硬化性樹脂組成物には、塗
工性、および樹脂被覆層の表面性や力学特性等の向上を
目的として、例えば下記化合物を配合することができ
る。 (1)脂肪族、脂環族、および芳香脂肪族の、アルコー
ル及びポリアルキレングリコールのアクリレート(また
はメタクリレート)化合物類。 (2)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族の、アルコールにア
ルキレンオキサイドを付加させたもののアクリレート
(またはメタクリレート)化合物類。 (3)ポリアクリロイル(またはメタクリロイル)アル
キルリン酸エステル類。 (4)多塩基酸と、ポリオールと、アクリル(またはメ
タクリル)酸との反応生成物。 (5)イソシアネートと、ポリオールと、アクリル(ま
たはメタクリル)酸との反応生成物。 (6)エポキシ化合物とアクリル(またはメタクリル)
酸との反応生成物。 (7)エポキシ化合物と、ポリオールと、アクリル(ま
たはメタクリル)酸との反応生成物。
【0017】さらにこれらを具体的に述べるならば、電
子線硬化性不飽和有機化合物として、ポリブタジエン骨
格を有するポリウレタンアクリレート、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ス
テアリルアクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリ
ロイルモルホリン、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメ
タクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、
テトラヒドロフルフリルメタクリレート、カプロラクト
ン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
ジシクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレ
ート、イソボロニルメタクリレート、ベンジルアクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、エトキシジエチレング
リコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコー
ルアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリ
レート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレー
ト、フェノキシポリプロピレングリコールアクリレー
ト、エチレンオキシド変性フェノキシアクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルカルビトールアクリレート、ω−カルボキシポリカ
プロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキ
シエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリ
ル酸−9,10−エポキシ化オレイル、メタクリル酸−
9,10−エポキシ化オレイル、マレイン酸エチレング
リコールモノアクリレート、ジシクロペンテニルオキシ
エチレンアクリレート、4,4−ジメチル−1,3−ジ
オキソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、3
−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオキソランの
カプロラクトン付加物のアクリレート、ポリブタジエン
アクリレート、エチレンオキシド変性フェノキシ化リン
酸アクリレート、エタンジオールジアクリレート、エタ
ンジオールジメタクリレート、1,3−プロパンジオー
ルジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアク
リレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、2−ブチル−2−エチルプロ
パンジオールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビ
スフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド
変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオ
キシド変性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロ
ピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、
ポリプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリ
レート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジアクリ
レート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステ
アレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエー
テルアクリル酸付加物、ポリオキシエチレンエピクロロ
ヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド
変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエ
チレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリ
レート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性トリ
メチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、エチレンオキシド変性イソシ
アヌル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変性グリ
セロールトリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性
グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変
性グリセロールトリアクリレート、ポリプロピレンオキ
シド変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カ
プロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート等があり、本発明はこれらの化合
物を組み合わせて使用することが出来る。
【0018】本発明の写真印画紙用支持体の樹脂被覆層
は、膜割れをさらに抑制する目的で、特開昭5−216
163号公報に記載されたような2層以上の構造を有し
ていてもよい。
【0019】本発明の写真印画紙用支持体の樹脂被覆層
には、写真印画紙としたときの画像鮮鋭性向上を目的と
して白色顔料を含有させることが好ましい。
【0020】白色顔料としては主として二酸化チタン
(アナターゼ型、およびルチル型)が使用されるが、こ
の他には、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミ
ニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム、カオリン、クレーおよびタルク等がいずれも使用
可能あり、これらの白色顔料は、シロキサン、アルミ
ナ、アルコール等の表面処理をして使用することもでき
る。
【0021】白色顔料の含有量は、電子線硬化性樹脂組
成物の全固形分重量の20〜80重量%であることが好
ましい。その含有量が20重量%より少なくなると、得
られる写真印画紙上の写真画像の鮮鋭性が十分でないこ
とがあり、80重量%を超えると、得られる樹脂被覆層
の破断伸度が低下し、膜割れを生ずることがある。
【0022】白色顔料を前記のような電子線硬化性不飽
和有機化合物中に分散するには、3本ロールミル(スリ
ーロールミル)、2本ロールミル(ツーロールミル)、
カウレスディゾルバー、ホモミキサー、サンドグライン
ダー、プラネタリーミキサー、および超音波分散機など
を使用することができる。
【0023】成形面表面あるいはシート状基体表面に対
する電子線硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、例え
ばバーコート法、ブレードコート法、スクイズコート
法、エアーナイフコート法、ロールコート法、グラビア
コート法およびトランスファーコート法等のいずれを用
いても良い。さらにこのために、ファウンテンコーター
あるいはスリットダイコーター方式を用いることもでき
る。
【0024】本発明の樹脂被覆層の塗布量は、5〜60
g/m2が好ましく、15〜45g/m2がより好まし
い。塗布量が5g/m2未満では、本発明の効果を十分
に発揮することが難しく、また塗布工程でピンホールが
生じるなどの問題が生じることがある。また塗布量が6
0g/m2を越えると、コストの点で実用的でない。
【0025】電子線硬化性樹脂組成物の塗布層に電子線
照射に用いられる電子線加速器としては、特にその方式
を限定するものではなく、例えばバンデグラーフ型スキ
ャニング方式、ダブルスキャニング方式、カーテンビー
ム方式などの電子線照射装置を使用することができる
が、この中でも比較的安価で大出力の得られるカーテン
ビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際
の加速電圧は100〜300KVであることが好まし
く、吸収線量としては、0.1〜6Mradであること
が好ましく、0.2〜4Mradが特に好ましい。
【0026】電子線照射時における雰囲気中の酸素濃度
は500ppm以下であることが好ましい。酸素濃度が
500ppmを超えると、酸素が重合反応の遅延剤とし
て働き、電子線硬化性樹脂組成物の硬化が不十分になる
ことがある。雰囲気中の酸素濃度を低減する目的で、電
子線照射によるオゾンの発生を抑制する目的で、または
電子線が通過する際に発熱するウィンドウの冷却等の目
的で不活性ガスを使用することにはもちろん支障はな
い。
【0027】本発明の写真印画紙用支持体は、耐水性を
付与する等の目的で裏面に樹脂被覆層を有していても構
わない。裏面樹脂被覆層を形成するのに用いられるフィ
ルム形成性合成樹脂としては、従来の写真印画紙用支持
体の製造に用いられるポリオレフィン樹脂、または、前
述の電子線硬化樹脂等を使用することが出来る。
【0028】裏面樹脂被覆層を形成するためのポリオレ
フィン樹脂としては、エチレン、α−オレフィン類、例
えばプロピレンなどの単独重合体、前記オレフィンの少
なくとも2種の共重合体、および、これら各種重合体の
少なくとも2種の混合物などから選ぶことが出来る。特
に好ましいポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖型低密度ポリエチレン、
およびこれらの混合物である。ポリオレフィン樹脂の分
子量には特に制限はないが、通常は20,000〜20
0,000の範囲のものが用いられる。ポリオレフィン
樹脂には、必要に応じて、少量の酸化防止剤、および滑
剤を添加しても良い。ポリオレフィン樹脂を用いて裏面
樹脂被覆層を形成するには、通常の溶融押し出し被覆を
用いることが出来る。
【0029】裏面樹脂被覆層を電子線硬化性不飽和有機
化合物により形成させる場合は、前述の表面樹脂被覆層
の形成に用いられる化合物をすべて使用できる。さらに
裏面樹脂被覆層の形成方法も、前述の表面樹脂被覆層の
場合と同様に多層構造としてもよい。裏面樹脂被覆層の
重量には特に制限はないが、一般には10〜40g/m
2の範囲にあることが好ましい。
【0030】本発明に用いられるシート状基体として
は、中質紙、上質紙のような原紙、天然パルプ、合成パ
ルプあるいはそれらの混合物よりなる原紙、前記原紙に
ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂などを被覆した
フィルム被覆紙、またはポリオレフィン樹脂、ポリエス
テル樹脂などからなるフィルム、必要に応じ無機白色顔
料が混合された前記フィルムを用いてもよい。通常50
〜300g/m2の坪量を有し、表面の平滑なものが用
いられる。また、表面サイズ剤、表面紙力剤、顔料、染
料、帯電防止剤等を適宜表面に塗布したものであっても
良い。
【0031】
【実施例】実施例により本発明の構成および効果をさら
に説明するが、もちろん本発明はこれらの態様に制限さ
れるものではない。
【0032】実施例1 下記の組成の混合物をペイントコンディショナーで1時
間混合分散して、電子線硬化性樹脂組成物(組成物1)
を調製した。
【0033】組成物1 成 分 配合量 水添ポリブタジエン骨格を有するポリウレタンアクリレート 30.0重量部 (商標:TEAI−1000、日本曹達製) ジシクロペンタニルアクリレート 25.0重量部 (商標:FA−513A、日立化成製) 直鎖アルキル(炭素数14〜15)ジオールジアクリレート 10.0重量部 (商標:SR−2000A、ソマール製) 二酸化チタン 35.0重量部 (商標:R−23、堺化学工業製)
【0034】上記組成物1を、坪量180g/m2の紙
基体の一表面上に、ワイヤーバーを用いて、硬化後の塗
布量が15g/m2になるように塗布し、この塗布層を
成型面として高平滑なPETフィルム(商標:ルミラー
45−T60、東レ製)の一表面上に重ね合わせ、紙基
体の背面から加速電圧:175KVで、吸収線量:3M
radの条件で電子線を照射し、前記塗布層を硬化させ
た後、前記PETフィルムから紙基体と硬化被膜との積
層体を剥離し、写真印画紙用支持体を作製した。
【0035】得られた写真印画紙用支持体の臨界表面張
力は、ぬれ指数標準液の接触角を測定し、近藤保著、界
面化学第2版(P.66、三共出版、1980年出版)
記載の方法によりZismanプロットを作成して求め
た。接触角の測定は20±2℃の環境下で行ない、FI
BRO製SYSTEM AB1100DATを用いて測
定した。
【0036】得られた写真印画紙用支持体の樹脂被覆層
を形成する樹脂フィルムの破断伸度は、前記組成物1を
PETフィルム(フィルム1)の片面に、バーコーター
で硬化後の塗布量が15g/m2になるように塗布し、
前記塗布層を、成型面として他のPETフィルム(フィ
ルム2)の一表面上に重ね合わせ、フィルム1の背面か
ら加速電圧:175KVで、吸収線量:3Mradの条
件で電子線を照射し、前記塗布層を硬化させた後、硬化
塗膜をはぎ取り、引張り試験機(商標:STROGRA
PH−M2、東洋精機製)を用いて、引張り速度2mm
/minで引張り試験を行い、測定した。測定試料の大
きさは、幅10mm、長さ20mm、測定は22±2℃
の環境下で行なった。
【0037】得られた写真印画紙用支持体の現像処理後
の黄変性を評価するために、供試支持体をダースト自動
現像機(商標:RCP20、ダースト社製)を用いて現
像処理した後、TAPPI−T524(1979年版)
「Lab測定方法」に従って支持体の現像処理前後のb
値を測定し、現像処理前のb値から現像処理前のb値を
引いた値(△b値)を黄変性の指標として評価した。△
b値が1.0以下のものは実用性があるが、1.0より
大きい場合には実用に耐えない。
【0038】膜割れは、供試支持体の表面樹脂被覆層を
外側にして、直径1mmの丸棒に巻き付け、ヒビの入り
具合の目視評価した。全くヒビの入らなかったものを3
点、若干ヒビが入ったものを2点、割れてしまったもの
を1点とする3段階で評価した。3点のものは実用性が
あるが、2点と1点のものは実用に耐えない。
【0039】黄変性および膜割れを評価した結果は、表
1に示す。
【0040】実施例2 実施例1と同様の操作により写真印画紙用支持体を作製
した。ただし、組成物1のジシクロペンタニルアクリレ
ートの代わりに、トリシクロデカンジメタノールジアク
リレート(商標:KAYARAD R−684、日本化
薬製)を用いた。実施例1と同様にして行った評価結果
を表1に示す。
【0041】実施例3 実施例1と同様の操作により写真印画紙用支持体を作製
した。ただし、組成物1のジシクロペンタニルアクリレ
ートの代わりに、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグ
リコールジアクリレート(商標:ニューフロンティアH
PN、第一工業製薬製)を用いた。実施例1と同様にし
て行った評価結果を表1に示す。
【0042】実施例4 実施例1と同様の操作により写真印画紙用支持体を作製
した。ただし、組成物1の水添ポリブタジエン骨格を有
するポリウレタンアクリレートの代わりにポリオレフィ
ン(平均分子量2000)骨格を有するポリウレタンア
クリレートを用い、ジシクロペンタニルアクリレートの
代わりに、2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジ
アクリレート(商標:ニューフロンティアC9A、第一
工業製薬製)を用いた。実施例1と同様にして行った評
価結果を表1に示す。
【0043】比較例1 実施例1と同様の操作により写真印画紙用支持体を作製
した。ただし、組成物1の水添ポリブタジエン骨格を有
するポリウレタンアクリレートの代わりにポリエチレン
グリコールジアクリレート(商標:ニューフロンティア
PE600、第一工業製薬製)を用い、ジシクロペンタ
ニルアクリレートの代わりに2−ブチル−2エチルプロ
パンジオールジアクリレート(商標:ニューフロンティ
アC9A、第一工業製薬製)を用いた。実施例1と同様
にして行った評価結果を表1に示す。
【0044】比較例2 実施例1と同様の操作により写真印画紙用支持体を作製
した。ただし、組成物1のジシクロペンタニルアクリレ
ートの代わりに、ジプロピレングリコールモノアクリレ
ート(商標:ニューフロンティアDPGA、第一工業製
薬製)を用いた。 実施例1と同様にして行った評価結
果を表1に示す。
【0045】比較例3 実施例1と同様の操作により写真印画紙用支持体を作製
した。ただし、組成物1の水添ポリブタジエン骨格を有
するポリウレタンアクリレートの代わりにポリエチレン
グリコールジアクリレート(商標:ニューフロンティア
PE600、第一工業製薬製)を用い、ジシクロペンタ
ニルアクリレートの代わりにトリメチロールプロパント
リアクリレート(商標:アーロニックスM309、東亜
合成化学製)を用いた。実施例1と同様にして行った評
価結果を表1に示す。
【0046】比較例4 実施例1と同様の操作により写真印画紙用支持体を作製
した。ただし、組成物1の水添ポリブタジエン骨格を有
するポリウレタンアクリレートの代わりにポリエチレン
グリコールジアクリレート(商標:ニューフロンティア
PE600、第一工業製薬製)を用い、ジシクロペンタ
ニルアクリレートの代わりにポリプロピレングリコール
ジアクリレート(商標:アーロニックスM270、東亜
合成化学製)を用いた。実施例1と同様にして行った評
価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、臨界表面張力が
35dyn/cm以下であり、かつ破断伸度が15%以
上の本発明の写真印画紙用支持体は、現像処理後の黄変
がなく、また膜割れも発生しない。これに対して、臨界
表面張力が35dyn/cm以上であり、かつ破断伸度
が15%以下の比較例1、2の写真印画紙用支持体は、
現像処理後に黄変してしまい、また膜割れも発生した。
また、破断伸度が極めて小さい比較例3では、現像処理
後の黄変はないものの、膜割れが発生した。さらに、臨
界表面張力が35dyn/cm以上であり、かつ破断伸
度が15%である比較例4では、膜割れは発生しないも
のの、現像処理後に黄変した。
【0049】
【発明の効果】本発明の写真印画紙用支持体は、電子線
硬化樹脂被覆層を設けた場合の一般的欠点、すなわち現
像処理時の塗膜の黄変を大幅に減少させ、かつ折り曲げ
た場合にも膜割れがないため、優れた写真性能を有する
写真印画紙用支持体を製造するのに適したものであり、
実用上極めて有用なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基体と、前記シート状基体の少
    なくとも1表面上に形成され、かつ電子線照射により硬
    化し得る不飽和有機化合物を主成分とする樹脂組成物の
    硬化体からなる樹脂被覆層とを有し、前記樹脂被覆層の
    表面の臨界表面張力が35dyn/cm以下であり、か
    つ前記樹脂被覆層を形成する樹脂フィルムの破断伸度が
    15%以上であることを特徴とする写真印画紙用支持
    体。
  2. 【請求項2】 前記電子線照射により硬化し得る不飽和
    有機化合物が、その分子鎖中に炭素数5以上のアルキレ
    ン基、シクロアルキレン基、アルキル基、シクロアルキ
    ル基のいずれかの官能基を有するモノマーまたはオリゴ
    マーである請求項1記載の写真印画紙用支持体。
  3. 【請求項3】 前記電子線照射により硬化し得る不飽和
    有機化合物が、下記化合物(a)または(b)である請
    求項1および請求項2記載の写真印画紙用支持体。 (a)分子鎖中にアクリロイル基を1つ有する単官能モ
    ノマー。 (b)アクリロイル基を2つ以上有し、かつ1分子内の
    アクリロイル基の間が、直鎖状または枝別れ状の炭素数
    5以上の、アルキレン基、またはシクロアルキレン基を
    有するモノマーまたはオリゴマー。
  4. 【請求項4】 前記電子線照射により硬化し得る不飽和
    有機化合物が、水添ポリブタジエン骨格を有するポリウ
    レタンアクリレート、ポリオレフィン骨格を有するポリ
    ウレタンアクリレート、水添リシノール酸骨格を有する
    ポリウレタンアクリレート、ノニルフェノキシエチレン
    グリコールアクリレート、ノニルフェノキシプロピレン
    グリコールアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレ
    ート、1,14−テトラデカンジオールジアクリレー
    ト、1,15−ペンタデカンジオールジアクリレート、
    ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリ
    レート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール
    のカプロラクトン付加物ジアクリレート、トリシクロデ
    カンジメタノールジアクリレートから選ばれた化合物で
    ある請求項1記載の写真印画紙用支持体。
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