JPH0819002B2 - 意識障害改善剤 - Google Patents

意識障害改善剤

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JPH0819002B2
JPH0819002B2 JP18978592A JP18978592A JPH0819002B2 JP H0819002 B2 JPH0819002 B2 JP H0819002B2 JP 18978592 A JP18978592 A JP 18978592A JP 18978592 A JP18978592 A JP 18978592A JP H0819002 B2 JPH0819002 B2 JP H0819002B2
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methoxy
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靖男 大城
達義 田中
哲朗 菊地
桂 鳥取
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、意識障害改善剤に関す
る。
【0002】
【発明の開示】近年自動車の数が増大し、それに伴って
交通事故件数及び交通事故死者は増加の一方を辿り、社
会問題となってきている。交通事故では頭部強打及び頭
部外傷のケースが多い。幸いに生命は取り留めたとして
も、脳機能の損傷の程度により、知的、運動及び言語機
能的障害等の後遺症に悩まされている患者は多く、最悪
の場合には植物状態又は脳死の転帰を辿るケースがあ
る。脳機能の損傷は、まず意識障害として現われる。
【0003】意識障害は、交通事故等の頭部外傷だけで
はなく、頭部外傷を含めた一次的な脳基質の損傷病変に
よるものと、代謝異常等の二次的な原因によるものとに
分類される。脳出血、脳血栓、脳梗塞、くも膜下出血等
の脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍、脳浮腫、脳炎、髄膜
炎、脱髄性疾患、てんかん、脳手術等がその一次病変と
して挙げられる。二次病変としては、低血糖、糖尿病性
ケトアシドーシス、乳酸血糖性アシドーシス等の代謝異
常、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、高カルシウ
ム血症、低カルシウム血症等の電解質異常、肝障害、肝
性昏睡、腎障害、低酸素症、高血圧性脳症、高度の貧
血、循環不全、心停止、バイパス手術、アルコール中毒
又は睡眠剤、向精神薬、青酸カリ等の薬物による中毒、
一酸化炭素中毒、体温異常(低体温、高体温)、及びシ
ョック等が二次的な原因として知られている(神経精神
薬理,第14巻,第1号,第5〜11頁,1992
年)。
【0004】意識障害の治療は急性期と慢性期に分けて
考えられる。急性期の意識障害はニュウロエマージェン
シーの一つであり速やかに適切な治療が必要であり、予
後及び後遺症の程度を決定すると言っても差支えないと
考えられている。更に速やかな意識の回復は、患者との
コミニューケーションが図られ、脳機能の損傷の程度及
び状態の把握を容易にし、より適切な治療が可能とな
る。慢性期の意識障害は、残された神経細胞又は低下し
た脳機能を賦活することによりその治療を行なおうとす
るものである。
【0005】急性期の治療は、まず気道の確保、血圧の
維持、人口呼吸、蘇生術、心マッサージ等の処置により
バイタルサインの確保に勤める。その後、一次的、二次
的な原因に対する治療が行なわれる。その後CT、X線
又は患者に付き添っている人達に対する問診等を含め意
識障害の程度、運動機能、反射機能等の神経学的な診察
が行なわれる(神経精神薬理,第14巻,第1号,第1
3〜38頁,1992年)。
【0006】脳機能の損傷の度合いにより意識障害の程
度は異なる。我国においては、ジャパン コマ スケー
ル(III−3度方式)で意識障害の程度が昏睡、半昏
睡、昏迷、傾眠等と定義されている。更に特殊な意識障
害として特に慢性期又は後遺症として現われる錯乱、譫
妄、無言無動等がある(神経精神薬理,第14巻,第2
号,第103〜109頁,1992年)。
【0007】上記の一次的、又は二次的な原因により、
意識の中枢である橋から中枢の被葢に広がる網様体が直
接又は間接に障害されることにより意識障害が現われる
と考えられている。しかし、意識障害の発症メカニズム
又は意識障害に関与する神経伝達物質についての研究が
行なわれているが、未だ充分には明らかにされていない
(脳神経,第39巻,第10号,第983〜990頁,
1987年)。
【0008】意識状態は各種脳神経の相互作用(神経伝
達物質)によって制御されていると考えられている。例
えばアセチルコリン作動神経系に対しては、アセチルコ
リン及びアセチルコリン神経系を賦活するアセチルコリ
ンエステラーゼ阻害剤であるフィソスチグミンが、それ
らの毒性を発現しない低用量において意識障害改善作用
を有することが報告されている。ドパミン作動神経系に
ついては、ドパミン遊離促進剤であるメタンフェタミン
が意識障害を改善し、ドパミン受容体拮抗薬であるハロ
ペリドールが昏睡からの回復を遅延させること、またセ
ロトニン作動神経系についてはセロトニン受容体拮抗薬
であるメチルセルガイドが意識障害改善作用を示すこと
が報告されている。しかし、アドレナリン又はノルアド
レナリン神経系については明確な結果は得られていな
い。このことから頭部外傷等の外部から与えられた刺激
によって、アセチルコリン作動神経系及びドパミン作動
神経系は抑制され、セロトニン作動神経系では逆にその
神経系が刺激されているために意識レベルが低下した昏
睡状態となっていると推定されている(脳神経,第39
巻,第983〜990頁,1987年)。従って、アセ
チルコリン受容体及びドパミン受容体作用薬、又はセロ
トニン受容体拮抗薬が意識障害改善作用を有するだろう
と推察される。しかし、直接脳神経系に作用する薬剤、
例えばアセチルコリン及びアセチルコリンエステラーゼ
阻害剤等は重篤な副作用を有し、またメタンフェタミン
はその耽溺及び幻覚妄想等の精神分裂病様作用があるた
めに、実際の治療薬としての使用は制限されている。
【0009】意識障害の治療薬としては、レシチン合成
補酵素製剤であるシチコリン、コリン誘導体であるメク
ロフェノキセート、及びサイロトロピンリリーズホルモ
ン(TRH−T)製剤等が注射剤としての使用が認めら
れている。而してシチコリン及びメクロフェノキセート
は急性期の意識障害の改善薬として、またTRH−Tは
症状が固定した慢性期の遷延性の意識障害の治療に用い
られている(神経精神薬理,第7巻,第2号,第113
〜119頁)。しかしながら、これらの治療薬は、経口
投与では効力は認められていない。しかも、これら治療
薬の意識障害改善作用効力は十分でなく、更に高活性、
且つ即効性の意識障害改善薬の開発が望まれている。特
に、慢性期の意識障害の治療に対しては経口投与可能な
薬剤が望ましい。
【0010】シグマ受容体は1976年にその存在が報
告されて以来(ジャーナル オブファーマコロジー ア
ンド エクスペリメンタルセラピー,第197巻,第1
号,第517頁,1976年)、オピエート受容体との
関連で研究が行なわれてきた。その結果、シグマ受容体
は、これまでのミュー、カッパー、デルタ又はイプシロ
ン型オピエート受容体と異なるものであることが明らか
にされた。その後、ハロペリドールを始めとする抗精神
分裂病薬の殆んどがこの受容体に対して親和性を有する
こと、シグマ受容体に親和性を有するフェンシクリジン
(PCP)が幻覚妄想等の分裂病様の作用を惹起するこ
とから、分裂病との関連で研究が行なわれてきた。当初
幻覚妄想を惹起するフェンシクリジン(PCP)受容体
とシグマ受容体とが同一であると考えられていたが、そ
の後の研究でPCP受容体とシグマ受容体は互いに独立
した受容体であることが確立している(ファーマコロジ
カル レビュー,第42巻,第4号,第355〜402
頁)。
【0011】シグマ受容体結合性を有する化合物は、非
麻薬性鎮痛剤、うつ状態、記憶及び/又は抗精神分裂薬
投与による行動障害、精神分裂病、アルツハイマー病、
パーキンソン病及び老人性痴呆症のような全般的神経及
び/又は精神疾患(order)状態の防止並びに治療
剤、ぜん動及び運動障害、胃食道及び胃十二指腸逆流現
象、並びに胃潰瘍及び胃十二指腸潰瘍のような全般的胃
腸管機能障害の治療剤、精神病の診断及び治療剤等とし
て有用であることは公知である(ジェー ミハエル ウ
オーカーら,ファーマコロジカル レビューズ,第42
巻,第4号,第355〜402頁,1990年、フラン
コイス ジェー ロマンら,ジャーナルオブ ファーマ
シー アンド ファーマコロジー,第42巻,第439
〜440頁,1990年参照)。
【0012】更に斯かるシグマ受容体結合性を有する化
合物が、これまでに脳内神経伝達物質の放出の制御に関
与しているのではないか(ヨーロピアンジャーナル オ
ブファーマコロジー,第138巻,第447〜449
頁,1987年)、筋収縮に関与しているとの報告(ヨ
ーロピアンジャーナル オブ ファーマコロジー,第1
39巻,第125〜128頁,1987年及びヨーロピ
アンジャーナル オブニューロサイエンス,第9巻,第
3382〜3391頁,1989年)、胃や腸に対する
作用(ガストロエンテロロジー,第97巻,第76〜8
2頁,1989及びヨーロピアンジャーナル オブ フ
ァーマコロジー エクスペリメンタルセラピー,第25
5巻,第1354〜1359頁,1990年)、ハロペ
リドール等の抗精神分裂病薬投与によって発現するジス
トニアの様な運動機能に関与しているのではないか(ニ
ューロロジー,第38巻,第961〜965頁,198
8年)、イノシトールリン酸の代謝回転に関与している
のではないか(ヨーロピアンジャーナル オブ ファー
マコロジー,第139巻,第399〜400頁,198
8年)、ムスカリン性コリン作動神経系の遮断作用(ヨ
ーロピアンジャーナル オブ ファーマコロジー エク
スペリメンタルセラピー,第254巻,第952〜95
6頁,1990年)、抗精神分裂病活性(精神医学,第
33巻,第2号,第125〜131頁)等が報告されて
いる。
【0013】しかしながら、シグマ受容体作働性を有す
る化合物が意識障害改善作用を有することは全く報告さ
れていない。
【0014】本発明者らは、斯かるシグマ受容体作働性
を有する化合物につき更に研究を続けた結果、該化合物
が有している薬理作用からは予測困難な意識障害改善作
用を有していること及び高活性で且つ即効性で、しかも
経口投与が可能な所望の意識障害改善剤になり得ること
を見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成され
たものである。
【0015】即ち、本発明は、シグマ受容体作働性を有
する化合物を有効成分として含有することを特徴とする
意識障害改善剤に係る。
【0016】本発明において、シグマ受容体作働性を有
する化合物としては、従来公知のものを広く使用でき、
例えば一般式
【0017】
【化1】
【0018】〔式中、R1 及びR2 は、水素原子又は低
級アルキル基を示す。R3 は水素原子、低級アルキル
基、低級アルケニル基又はシクロアルキルメチル基を示
す。R4は水酸基又は低級アルコキシ基を示す。〕で表
わされるベンズモルファン誘導体、一般式
【0019】
【化2】
【0020】〔式中、R5 及びR6 はそれぞれC4 以上
のアルキル基、C3-12のシクロアルキル基又はC6 以上
の炭素環アリール基を示す。〕で表わされるグアニジン
誘導体、一般式
【0021】
【化3】
【0022】〔式中、R7 はフェニル環上にハロゲン原
子、低級アルキル基、ハロゲン置換低級アルキル基又は
低級アルコキシ基により1〜3個置換されていてもよい
フェニル基を示す。R8 は低級アルキル基を示す。R9
は水素原子又は低級アルキル基を示す。R10はシクロア
ルキル基を示し、シクロアルキル基上に低級アルキル基
又はフェニル基が置換していてもよい。R11はフェニル
環上にハロゲン原子又は低級アルコキシ基が1〜3個置
換されていてもよいフェニル基を示す。mは1又は2を
示す。〕で表わされるN−シクロアルキルベンジルアミ
ン誘導体、一般式
【0023】
【化4】
【0024】〔式中R12は水酸基、低級アルコキシ基、
低級アルキル基、低級アルケニルオキシ基、ハロゲン原
子、低級アルカノイル基を有することのあるアミノ基又
は低級アルキルチオ基を示す。R13はフェニル環上に置
換基としてハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級アル
キル基、ニトロ基、低級アルカノイル基を有することの
あるアミノ基、水酸基、シアノ基、フェニル低級アルコ
キシ基及びハロゲン置換低級アルキル基なる群より選ば
れた基を1〜2個有することのあるフェニル基を示す。
Aは低級アルキレン基を示す。pは1又は2を示す。カ
ルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は一重結
合又は二重結合を示す。〕で表わされるカルボスチリル
誘導体、3−メトキシ−N−メチルモルフィナン(デキ
ストロメトルファン)等を挙げることができる。これら
の中で好ましい化合物を挙げれば、2−アリル−5,9
−ジメチル−2´−ヒドロキシ−6,7−ベンズモルフ
ァン、2−(3−メチル−2−ブテニル)−5,9−ジ
メチル−2´−ヒドロキシ−6,7−ベンズモルファ
ン、2−シクロプロピルメチル−5,9−ジメチル−2
´−ヒドロキシベンズモルファン、2−メチル−5,9
−ジメチル−2´−ヒドロキシベンズモルファン、N,
N´−ジ−(2−メチルフェニル)グアニジン、α−シ
ンナミル−N−シクロプロピルメチル−α−エチル−N
−メチルベンジルアミン、5−メトキシ−1−{3−
〔4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル〕プ
ロピル}−3,4−ジヒドロカルボスチリル、5−メト
キシ−1−{3−〔4−(3−ブロモフェニル)−1−
ピペラジニル〕プロピル}−3,4−ジヒドロカルボス
チリル、5−メトキシ−1−{3−〔4−(3−ニトロ
フェニル)−1−ピペラジニル〕プロピル}−3,4−
ジヒドロカルボスチリル、5−エトキシ−1−{3−
〔4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル〕プ
ロピル}−3,4−ジヒドロカルボスチリル、5−クロ
ロ−1−{3−〔4−(3−メトキシフェニル)−1−
ピペラジニル〕プロピル}−3,4−ジヒドロカルボス
チリル、3−メトキシ−N−メチルモルフィナン等を例
示できる。
【0025】上記一般式(1)〜(4)において示され
る各基は、より具体的にはそれぞれ次の通りである。
【0026】低級アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は
分枝鎖状アルキル基を例示できる。
【0027】低級アルケニル基としては、例えばビニ
ル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル
アリル、2−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−メチル
−3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、2,3−
ジメチル−2−ブテニル基等の炭素数2〜6の直鎖又は
分枝鎖状アルケニル基を例示できる。
【0028】シクロアルキルメチル基としては、シクロ
プロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチル
メチル、シクロヘキシルメチル基等の炭素数3〜6のシ
クロアルキルメチル基を例示できる。
【0029】低級アルコキシ基としては、例えばメトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ
基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基を
例示できる。
【0030】C4 以上のアルキル基としては、例えばブ
チル、イソブチル、tert−ブチル、アミル、ヘキシル、
オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル基等
の炭素数4〜12の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を例示
できる。
【0031】C3-12のシクロアルキル基としては、例え
ばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、1,4−メチレンシクロヘキシル、ア
ダマンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメ
チル、1−又は2−シクロヘキシルエチル、1−,2−
又は3−シクロヘキシルプロピル基等の炭素数3〜12
のシクロアルキル基を例示できる。
【0032】C6 以上の炭素環アリール基としては、例
えばフェニル、2,3−又は4−トリル、3,5−ジメ
チルフェニル、2−,3−又は4−エチルフェニル、
3,5−ジエチルフェニル、3−メチル−5−エチルフ
ェニル、2−プロピルフェニル、ナフチル、2−ナフチ
ル、ビフェニル基等の炭素数が18迄で且つ1〜3個の
独立の又は縮合芳香環を含んでいる炭素環アリール、ア
ルカノール或いはアラルキル基を例示でき、加えてグア
ニジン基に比較して化学的、生理学的に不活性な1個以
上の置換基、例えばメチル、エチル基等の炭素数1〜8
のアルキル基;弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原
子等のハロゲン原子;ニトロ基;アジド基;シアノ基;
イソシアナート基;アミノ基;低級アルキルアミノ基;
ジ低級アルキルアミノ基;トリフルオロメチル基;メト
キシ、エトキシ、プロポキシ基等の炭素数1〜8のアル
コキシ基;アセトキシ基等の炭素数1〜8のアルカノイ
ルオキシ基、ベンゾキシ基等のアシロキシ基;アセタミ
ド、N−エチルアセタミド基等のアミド基;カルバミ
ル、N−メチルカルバミル、N,N´−ジメチルカルバ
ミル基等のカルバミド基等が置換していてもよい。
【0033】ハロゲン置換低級アルキル基としては、例
えばクロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、フル
オロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、ジフル
オロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、ト
リフルオロメチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチ
ル、2−フルオロエチル、1,2−ジクロロエチル、
2,2−ジフルオロエチル、2,3−ジクロロプロピ
ル、1−クロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−ト
リフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、3
−クロロプロピル、3−フルオロプロピル、3,3,3
−トリクロロプロピル、4−クロロブチル、4−フルオ
ロブチル、4,4,4−トリクロロブチル、5−クロロ
ペンチル、5−ブロモヘキシル、6−クロロヘキシル、
5,6−ジクロロヘキシル、3−クロロ−2−メチルプ
ロピル基等の1〜3個のハロゲン原子を有する炭素数1
〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を例示できる。
【0034】フェニル環上にハロゲン原子、低級アルキ
ル基、ハロゲン置換低級アルキル基又は低級アルコキシ
基により1〜3個置換されていてもよいフェニル基とし
ては、例えばフェニル、2−メトキシフェニル、3−メ
トキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−エトキシ
フェニル、3−エトキシフェニル、4−エトキシフェニ
ル、4−イソプロポキシフェニル、4−ペンチルオキシ
フェニル、2,4−ジメトキシフェニル、4−ヘキシル
オキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3−エ
トキシ−4−メトキシフェニル、2,3−ジメトキシフ
ェニル、3,4−ジエトキシフェニル、2,5−ジメト
キシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、3,5−
ジメトキシフェニル、3,4−ジペンチルオキシフェニ
ル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−クロロフ
ェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2
−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フル
オロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニ
ル、4−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、3−ヨ
ードフェニル、4−ヨードフェニル、3,4−ジクロロ
フェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロ
ロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジク
ロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−
ジブロモフェニル、3,4,5−トリクロロフェニル、
2−メトキシ−3−クロロフェニル、2−メチルフェニ
ル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−エ
チルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニ
ル、4−イソプロピルフェニル、3−ブチルフェニル、
4−ペンチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、3,4
−ジメチルフェニル、3,4−ジエチルフェニル、2,
4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、
2,6−ジメチルフェニル、3,4,5−トリメチルフ
ェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、3−メトキ
シ−4−メチル−5−ヨードフェニル、3,4−ジメト
キシ−5−ブロモフェニル、3,5−ジヨード−4−メ
トキシフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3
−トリクロロメチルフェニル、4−(2,2,2−トリ
フルオロエチル)フェニル基等のハロゲン原子、炭素数
1〜6の直鎖もしくは分枝鎖状アルキル基、置換基とし
てハロゲン原子を1〜3個有する炭素数1〜6の直鎖も
しくは分枝鎖状アルキル基又は炭素数1〜6の直鎖もし
くは分枝鎖状アルコキシ基が1〜3個置換していてもよ
いフェニル基を例示できる。
【0035】シクロアルキル基としては、例えばシクロ
プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル基等の炭素数3〜6のシクロアルキル基を例示でき
る。
【0036】フェニル環上にハロゲン原子又は低級アル
コキシ基により1〜3個置換されていてもよいフェニル
基としては、例えばフェニル、2−メトキシフェニル、
3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−エ
トキシフェニル、3−エトキシフェニル、4−エトキシ
フェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−ペンチル
オキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、4−ヘ
キシルオキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、
3−エトキシ−4−メトキシフェニル、2,3−ジメト
キシフェニル、3,4−ジエトキシフェニル、2,5−
ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、
3,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジペンチルオキ
シフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−
クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェ
ニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、
4−フルオロフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロ
モフェニル、4−ブロモフェニル、2−ヨードフェニ
ル、3−ヨードフェニル、4−ヨードフェニル、3,4
−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,
6−ジクロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、
2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニ
ル、3,5−ジブロモフェニル、3,4,5−トリクロ
ロフェニル、2−メトキシ−3−クロロフェニル基等の
ハロゲン原子又は炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖状
アルコキシ基が1〜3個置換していてもよいフェニル基
を例示できる。
【0037】低級アルケニルオキシ基としては、例えば
ビニルオキシ、アリルオキシ、2−ブテニルオキシ、3
−ブテニルオキシ、1−メチルアリルオキシ、2−ペン
テニルオキシ、2−ヘキセニルオキシ基等の炭素数2〜
6の直鎖又は分枝鎖状アルケニルオキシ基を挙げること
ができる。
【0038】ハロゲン原子としては、例えば弗素原子、
塩素原子、臭素原子及び沃素原子が挙げられる。
【0039】低級アルカノイル基を有することのあるア
ミノ基としては、例えばアミノ、ホルミルアミノ、アセ
チルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イ
ソブチリルアミノ、ペンタノイルアミノ、tert−ブチル
カルボニルアミノ、ヘキサノイルアミノ基等の炭素数1
〜6の直鎖又は分枝鎖状アルカノイル基を有することの
あるアミノ基を例示できる。
【0040】低級アルキルチオ基としては、例えばメチ
ルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチ
オ、ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘ
キシルチオ基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アル
キルチオ基を例示できる。
【0041】フェニル低級アルコキシ基としては、例え
ばベンジルオキシ、2−フェニルエトキシ、1−フェニ
ルエトキシ、3−フェニルプロポキシ、4−フェニルブ
トキシ、1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ、5
−フェニルペンチルオキシ、6−フェニルヘキシルオキ
シ、2−メチル−3−フェニルプロポキシ基等のアルコ
キシ部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ
基であるフェニルアルコキシ基を例示できる。
【0042】フェニル環上に置換基としてハロゲン原
子、低級アルコキシ基、低級アルキル基、ニトロ基、低
級アルカノイル基を有することのあるアミノ基、水酸
基、シアノ基、フェニル低級アルコキシ基及びハロゲン
置換低級アルキル基なる群より選ばれた基を1〜2個有
することのあるフェニル基としては、例えばフェニル、
2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メ
トキシフェニル、2−エトキシフェニル、3−エトキシ
フェニル、4−エトキシフェニル、4−イソプロポキシ
フェニル、4−ペンチルオキシフェニル、2,4−ジメ
トキシフェニル、4−ヘキシルオキシフェニル、3,4
−ジメトキシフェニル、3−エトキシ−4−メトキシフ
ェニル、2,3−ジメトキシフェニル、3,4−ジエト
キシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2,6−
ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、
3,4−ジペンチルオキシフェニル、2−クロロフェニ
ル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−フ
ルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロ
フェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、
4−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、3−ヨード
フェニル、4−ヨードフェニル、3,4−ジクロロフェ
ニル、3,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフ
ェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロ
フェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,5−ジブ
ロモフェニル、2−メトキシ−3−クロロフェニル、2
−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフ
ェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4
−エチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、3−ブ
チルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−ヘキシルフ
ェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,4−ジエチル
フェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチ
ルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3−クロロ−
4−メチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニ
ル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオ
ロメチルフェニル、2−クロロメチルフェニル、3−
(2−ブロモエチル)フェニル、4−(3,3,3−ト
リクロロプロピル)フェニル、2−(4−クロロブチ
ル)フェニル、3−(5−クロロペンチル)フェニル、
4−(6−クロロヘキシル)フェニル、2−ニトロフェ
ニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、3,
4−ジニトロフェニル、3,4,5−トリニトロフェニ
ル、2−アミノフェニル、3−アミノフェニル、4−ア
ミノフェニル、2−ホルミルアミノフェニル、3−アセ
チルアミノフェニル、2−プロピオニルアミノフェニ
ル、4−ブチリルアミノフェニル、3−ペンタノイルア
ミノフェニル、4−ヘキサノイルアミノフェニル、2−
アセチルアミノ−4−メチルフェニル、4−アセチルア
ミノ−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシフェニ
ル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニ
ル、2,3−ジヒドロキシフェニル、2,4,6−トリ
ヒドロキシフェニル、2−シアノフェニル、3−シアノ
フェニル、4−シアノフェニル、3,4−ジシアノフェ
ニル、2−ベンジルオキシフェニル、3−(2−フェニ
ルエトキシ)フェニル、4−(1−フェニルエトキシ)
フェニル、2−(3−フェニルプロポキシ)フェニル、
3−(4−フェニルブトキシ)フェニル、4−(5−フ
ェニルペンチルオキシ)フェニル、2−(6−フェニル
ヘキシルオキシ)フェニル基等のフェニル環上に置換基
としてハロゲン原子、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状
アルコキシ基、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキ
ル基、ニトロ基、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アル
カノイル基を有することのあるアミノ基、水酸基、シア
ノ基、アルコキシ部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖
状アルコキシ基であるフェニルアルコキシ基及びハロゲ
ン原子が1〜3個置換した炭素数1〜6の直鎖又は分枝
鎖状アルキル基なる群より選ばれた基を1〜2個有する
ことのあるフェニル基を例示できる。
【0043】低級アルキレン基としては、例えばメチレ
ン、エチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレ
ン、1−メチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタ
メチレン、ヘキサメチレン、2−エチルエチレン、2,
2−ジメチルトリメチレン基等の炭素数1〜6の直鎖又
は分枝鎖状アルキレン基を例示できる。
【0044】上記一般式(1)〜(3)の化合物及び3
−メトキシ−N−メチルモルフィナンは、公知の化合物
であり、例えば米国特許第4048178号明細書、米
国特許第4709094号明細書、ヨーロッパ特許第0
362001A1号明細書、米国特許第2676177
号明細書、特公昭45−31664号公報、特開昭51
−4176号公報、特開昭49−45075号公報、特
公昭48−10469号公報、ベルギー国特許第611
000号明細書に記載されているか、又はこれらに記載
されている方法により容易に製造される化合物である。
【0045】一般式(4)の化合物は、文献未記載の新
規化合物である。該化合物は各種の方法で製造され得る
が、その好ましい一例を挙げれば例えば下記反応式−1
に示す方法により製造できる。
【0046】〔反応式−1〕
【0047】
【化5】
【0048】〔式中R12、R13、A、p並びにカルボス
チリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同じ。
1 及びX2 はハロゲン原子を示す。〕上記反応式−1
において、一般式(5)で表わされる化合物と一般式
(6)で表わされる化合物との反応は適当な不活性溶媒
中、脱ハロゲン化水素剤の存在下にて容易に実施され
る。一般式(5)の化合物と一般式(6)の化合物との
使用割合としては、特に制限されず広い範囲内で適宜選
択すればよいが、通常前者に対して後者を等モル以上、
好ましくは等モル〜3倍モル量用いるのがよい。用いら
れる脱ハロゲン化水素剤としては例えばナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属原子、ナトリウムアミド、カリ
ウムアミド等のアルカリ金属アミド、水素化ナトリウム
等を挙げることができ、また不活性溶媒としては例えば
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール
ジメチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリア
ミド等を挙げることができる。該反応は、通常0〜15
0℃、好ましくは0〜100℃にて行なわれ、一般に1
〜12時間程度で反応は終了する。斯くして一般式
(7)で表わされる化合物が収得される。
【0049】一般式(7)で表わされる化合物と一般式
(8)で表わされる化合物との反応は、無溶媒で又は通
常の不活性溶媒中で、室温〜200℃、好ましくは60
〜120℃の温度条件下1時間〜10時間程度で完結す
る。用いられる不活性溶媒としては前記芳香族炭化水素
類、前記エーテル類、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等の低級アルコール類、アセトニトリル、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶
剤をいずれも使用できる。上記反応はより有利には塩基
性化合物を脱ハロゲン化水素剤として用いて行なわれ
る。該塩基性化合物としては、例えば炭酸カリウム、炭
酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、ピリジン、1,8−ジア
ザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7(DBU)等
の有機塩基等を使用できる。また上記反応は、必要に応
じ反応促進剤として、沃化カリウム、沃化ナトリウム等
の沃化アルカリ金属化合物を添加することができる。上
記反応における一般式(7)で表わされる化合物と一般
式(8)で表わされる化合物との使用割合は、特に限定
されないが、通常前者に対し後者を等モル〜過剰量、好
ましくは等モル〜5倍モルとすればよい。
【0050】また上記一般式(4)で表わされる化合物
は、下記反応式−2に示す方法によっても製造される。
【0051】〔反応式−2〕
【0052】
【化6】
【0053】〔式中、R12、R13、A、p並びにカルボ
スチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同
じ。X3 はハロゲン原子を示す。〕反応式−2における
一般式(5)で表わされる化合物と一般式(9)で表わ
される化合物との反応は、上述の一般式(5)の化合物
と一般式(6)の化合物との反応と同様にして行なえば
よい。一般式(9)の化合物は例えば上記一般式(8)
の化合物に一般式(6)の化合物を反応させることによ
り容易に収得される。一般式(6)の化合物と一般式
(8)の化合物との反応は、上述の一般式(7)の化合
物と一般式(8)の化合物との反応と同様にして行なえ
ばよい。
【0054】上記一般式(4)で表わされる化合物のう
ち、R12が低級アルカノイル基を有するアミノ基を示す
化合物又はR13がフェニル環上に置換基として低級アル
カノイル基を有するアミノ基を少なくとも1個有するフ
ェニル基を示す化合物は、対応するR12がアミノ基を示
す化合物又はR13がフェニル環上に置換基としてアミノ
基を少なくとも1個有するフェニル基を示す化合物を低
級アルカノイル化することにより製造される。
【0055】上記低級アルカノイル化反応は、例えば無
溶媒又は適当な不活性溶媒中で塩基性化合物の存在下に
原料化合物に低級アルカン酸無水物を反応させるか、或
いは適当な不活性溶媒中で原料化合物に低級アルカン酸
無水物もしくは低級アルカン酸ハロゲン化物を反応させ
ることにより行なわれる。用いられる塩基性化合物とし
ては、例えばピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、
トリエチルアミン等の有機塩基、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等の無機塩基等が挙げられる。また不活性溶媒
としては、例えば酢酸、ピリジン、ジオキサン等のエー
テル類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタ
ン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が挙げら
れる。低級アルカン酸無水物もしくは低級アルカン酸ハ
ロゲン化物の使用量としては、原料化合物に対して等モ
ル以上、通常は等モル〜大過剰量とするのがよい。該反
応は、有利には室温〜150℃程度で行なわれ、一般に
0.5〜5時間程度で終了する。
【0056】上記一般式(4)で表わされる化合物のう
ち、R12がアミノ基を示す化合物又はR13がフェニル環
上に置換基としてアミノ基を少なくとも1個有するフェ
ニル基を示す化合物は、対応するR12が低級アルカノイ
ル基を有するアミノ基を示す化合物又はR13がフェニル
環上に置換基として低級アルカノイル基を有するアミノ
基を少なくとも1個有するフェニル基を示す化合物を加
水分解することにより製造される。
【0057】上記加水分解は、適当な不活性溶媒中又は
無溶媒下、酸の存在下に行なわれる。溶媒としては反応
に悪影響を及ぼさない限り従来公知のものを広く使用で
き、例えば水、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロ
ゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロ
パノール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールジメチルエーテル等のエーテル類、蟻酸等の
脂肪酸等やこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
酸としては、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸等の鉱酸、
蟻酸、トリフルオロ酢酸、酢酸、芳香族スルホン酸等の
有機酸等が挙げられる。酸の使用量は、特に制限され
ず、広い範囲内から適宜選択できるが、通常原料化合物
に対して通常1〜10モル程度とするのがよい。該反応
は、通常室温〜200℃程度、好ましくは室温〜150
℃程度にて好適に進行し、通常0.5〜5時間程度で該
反応は終了する。
【0058】上記一般式(4)で表わされる化合物のう
ち、R13がフェニル環上に置換基としてアミノ基を少な
くとも1個有するフェニル基を示す化合物は、対応する
13がフェニル環上に置換基としてニトロ基を少なくと
も1個有するフェニル基を示す化合物を還元することに
より製造される。
【0059】上記還元反応は、例えば適当な溶媒中接
触還元触媒を用いて還元するか又は適当な不活性溶媒
中、金属もしくは金属塩と酸又は金属もしくは金属塩と
アルカリ金属水酸化物、硫化物、アンモニウム塩等との
混合物等を還元剤として用いて還元することにより行な
われる。
【0060】の還元触媒を用いる場合、使用される溶
媒としては、例えば水、酢酸、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類、ヘキサン、シ
クロヘキサン等の炭化水素類、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチ
ル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の
非プロトン性極性溶媒等又はこれらの混合溶媒等が挙げ
られる。また使用される接触還元触媒としては、例えば
パラジウム、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、白
金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネーニッケル等が挙げ
られる。該触媒は、原料化合物に対して一般に0.02
〜1倍量程度用いるのがよい。反応温度は通常−20〜
150℃付近、好ましくは0〜100℃付近、水素圧は
通常1〜10気圧とするのがよく、該反応は一般に0.
5〜10時間程度で終了する。また該反応の反応系内に
は塩酸等の酸を添加してもよい。
【0061】またの方法を用いる場合、鉄、亜鉛、錫
もしくは塩化第一鉄と塩酸、硫酸等の鉱酸、又は鉄、硫
酸第一鉄、亜鉛もしくは錫と水酸化ナトリウム等のアル
カリ金属水酸化物、硫化アンモニウム等の硫化物、アン
モニア水、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩との混
合物が還元剤として用いられる。使用される不活性溶媒
としては、例えば水、酢酸、メタノール、エタノール、
ジオキサン等を例示できる。上記還元反応の条件として
は、用いられる還元剤によって適宜選択すればよく、例
えば塩化第一錫と塩酸とを還元剤として用いる場合、有
利には0℃〜室温付近、0.5〜10時間程度反応を行
なうのがよい。還元剤は、原料化合物に対して少なくと
も等モル量、通常は等モル〜5倍モル量用いられる。
【0062】上記一般式(4)で表わされる化合物のう
ち、カルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合が
二重結合を示す化合物は、対応する該結合が一重結合を
示す化合物を常法に従い脱水素反応させることにより製
造できる。また上記一般式(4)で表わされる化合物の
うち、カルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合
が一重結合を示す化合物は、対応する該結合が二重結合
を示す化合物を常法に従い接触還元反応させることによ
っても製造できる。
【0063】本発明において有効成分とする一般式
(1)〜(4)の化合物及び3−メトキシ−N−メチル
モルフィナンは、通常の薬理的に許容される酸と容易に
塩を形成し得る。かかる酸としては、例えば硫酸、硝
酸、塩酸、臭化水素酸等の無機酸、酢酸、p−トルエン
スルホン酸、エタンスルホン酸、シユウ酸、マレイン
酸、フマル酸、クエン酸、コハク酸、安息香酸等の有機
酸を例示できる。之等の塩もまた遊離形態の一般式
(1)〜(4)の化合物及び3−メトキシ−N−メチル
モルフィナンと同様に本発明の有効成分化合物として用
いることができる。尚、上記一般式(1)〜(4)の化
合物及び3−メトキシ−N−メチルモルフィナンには、
立体異性体、光学異性体が包含されるが、之等も同様に
有効成分化合物として用いることができる。
【0064】上記各反応工程式に示される方法により得
られる目的とする化合物は、通常の分離手段により反応
系内より分離され、更に精製することができる。この分
離及び精製手段としては、例えば蒸留法、再結晶法、カ
ラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、ゲルクロマトグラフィー、親和クロマトグラフィ
ー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー、溶媒抽出
法等を採用できる。
【0065】上記シグマ受容体作働性を有する化合物
は、意識障害改善剤として有効であり、これらは、一般
的な医薬製剤の形態で用いられる。製剤は通常使用され
る充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性
剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製され
る。この医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じ
て選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散
剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、
注射剤(液剤、懸濁剤等)等が挙げられる。錠剤の形態
に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来より
よく知られている各種のものを広く使用することができ
る。その例としては、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウ
ム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオ
リン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノ
ール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプ
ン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セ
ラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニ
ルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナ
トリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリ
ン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白
糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑
制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウ
ム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、
デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状
ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ
酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用でき
る。さらに錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、
例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコ
ーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができ
る。丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの
分野で従来公知のものを広く使用できる。その例として
は、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化
植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム
末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、
ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。坐剤
の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のも
のを広く使用できる。その例としては、例えばポリエチ
レングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アル
コールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等
を挙げることができる。カプセル剤は常法に従い通常有
効成分化合物を上記で例示した各種の担体と混合して硬
質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製さ
れる。注射剤として調製される場合、液剤、乳剤及び懸
濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましく、
これらの形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの
分野において慣用されているものをすべて使用でき、例
えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレン
グリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポ
リオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用できる。な
お、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食
塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有せ
しめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化
剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、保存
剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中
に含有させることもできる。
【0066】本発明のこれら医薬製剤中に含有されるべ
き有効成分化合物の量としては、特に限定されず広範囲
から適宜選択されるが、通常製剤組成物中に約1〜70
重量%、好ましくは約5〜50重量%とするのがよい。
【0067】本発明のこれら医薬製剤の投与方法は特に
制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の
条件、疾患の程度等に応じた方法で投与される。例えば
錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル
剤の場合には、経口投与される。また注射剤の場合には
単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合し
て静脈内投与され、更に必要に応じて単独で筋肉内、皮
内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直
腸内投与される。
【0068】本発明のこれら医薬製剤の投与量は、用
法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等によ
り適宜選択されるが、通常有効成分化合物の量が、一日
当り体重1kg当り、約0.0001〜50mg程度とする
のが良い。また投与単位形態の製剤中には有効成分化合
物が約0.001〜1000mgの範囲で含有されるのが
望ましい。
【0069】
【実施例】以下、本発明を更に詳細に説明するため、本
発明の医薬製剤の製剤例を挙げ、次いで上記有効成分化
合物の製造例を参考例及び実施例として挙げ、更に有効
成分化合物の試験例を挙げる。
【0070】製剤例1 2−アリル−5,9−ジメトキシ−2´−ヒドロキシ−6,7− ベンズモルファン 150g アビセル(商標名,旭化成社製) 40g コーンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g エタノール 40g 本発明有効成分化合物、アビセル、コーンスターチ及び
ステアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mm
のキネで打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリエチレングリコール−600
0、ヒマシ油及びエタノールからなるフィルムコーティ
ング剤で被覆を行ない、フィルムコーティング錠を製造
する。
【0071】製剤例2 2−(3−メチル−2−ブテニル)−5,9−ジメトキシ−2´− ヒドロキシ−6,7−ベンズモルファン 150 g クエン酸 1.0g ラクトース 33.5g リン酸二カルシウム 70.0g プルロニックF−68 30.0g ラウリル硫酸ナトリウム 15.0g ポリビニルピロリドン 15.0g ポリエチレングリコール(カルボワックス1500) 4.5g ポリエチレングリコール(カルボワックス6000) 45.0g コーンスターチ 30.0g 乾燥ステアリン酸ナトリウム 3.0g 乾燥ステアリン酸マグネシウム 3.0g エタノール 適 量 本発明有効成分化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸
二カルシウム、プルロニックF−68及びラウリル硫酸
ナトリウムを混合する。
【0072】上記混合物をNo.60スクリーンでふる
い、ポリビニルピロリドン、カルボワックス1500及
び同6000を含むアルコール製溶液で湿式粒状化す
る。必要に応じてアルコールを添加して粉末をペースト
状塊にする。コーンスターチを添加し、均一な粒子が形
成されるまで混合を続ける。混合物をNo.10スクリー
ンを通過させ、トレイに入れ、100℃のオーブンで1
2〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16スクリーン
でふるい、乾燥ラウリル硫酸ナトリウム及び乾燥ステア
リン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠機で所望の形
状に圧縮する。
【0073】上記の芯部をワニスで処理し、タルクを散
布し、湿気の吸収を防止する。芯部の周囲に下塗り層を
被覆する。内服用のために充分な回数のワニス被覆を行
なう。錠剤を完全に丸く且つ平滑にするために更に下塗
り層及び平滑被覆が適用される。所望の色合が得られる
まで着色被覆を行なう。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一
な光沢の錠剤にする。
【0074】製剤例3 5−クロロ−1−{3−〔4−(3−メトキシフェニル)−1− ピペラジニル〕プロピル}−3,4−ジヒドロカルボスチリル 5 g ポリエチレングリコール(分子量:4000) 0.3g 塩化ナトリウム 0.9g ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレエート 0.4g メタ重亜硫酸ナトリウム 0.1g メチル−パラベン 0.18g プロピル−パラベン 0.02g 注射用蒸留水 10.0ml 上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウム及び塩化ナト
リウムを攪拌しながら80℃で上記の約半量の蒸留水に
溶解させる。得られた溶液を40℃まで冷却し、本発明
の有効成分化合物、次いでポリエチレングリコール及び
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを、上記
溶液中に溶解させる。次にその溶液に注射用蒸留水を加
えて最終の容量に調製し、適当なフィルターペーパーを
用いて滅菌濾過することにより滅菌して、注射剤を調製
する。
【0075】製剤例4 N,N´−ジ−(2−メチルフェニル)グアニジン 150g アビセル(商標名,旭化成社製) 40g コーンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g エタノ -ル 40g 本発明有効成分化合物、アビセル、コーンスターチ及び
ステアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mm
のキネで打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリエチレングリコール−600
0、ヒマシ油及びエタノールからなるフィルムコーティ
ング剤で被覆を行ない、フィルムコーティング錠を製造
する。
【0076】製剤例5 α−シンナミル−N−シクロプロピルメチル−α−エチル−N− メチルベンジルアミン 150 g クエン酸 1.0g ラクトース 33.5g リン酸二カルシウム 70.0g プルロニックF−68 30.0g ラウリル硫酸ナトリウム 15.0g ポリビニルピロリドン 15.0g ポリエチレングリコール(カルボワックス1500) 4.5g ポリエチレングリコール(カルボワックス6000) 45.0g コーンスターチ 30.0g 乾燥ステアリン酸ナトリウム 3.0g 乾燥ステアリン酸マグネシウム 3.0g エタノール 適 量 本発明有効成分化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸
二カルシウム、プルロニックF−68及びラウリル硫酸
ナトリウムを混合する。
【0077】上記混合物をNo.60スクリーンでふる
い、ポリビニルピロリドン、カルボワックス1500及
び同6000を含むアルコール製溶液で湿式粒状化す
る。必要に応じてアルコールを添加して粉末をペースト
状塊にする。コーンスターチを添加し、均一な粒子が形
成されるまで混合を続ける。混合物をNo.10スクリー
ンを通過させ、トレイに入れ、100℃のオーブンで1
2〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16スクリーン
でふるい、乾燥ラウリル硫酸ナトリウム及び乾燥ステア
リン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠機で所望の形
状に圧縮する。
【0078】上記の芯部をワニスで処理し、タルクを散
布し、湿気の吸収を防止する。芯部の周囲に下塗り層を
被覆する。内服用のために充分な回数のワニス被覆を行
なう。錠剤を完全に丸く且つ平滑にするために更に下塗
り層及び平滑被覆が適用される。所望の色合が得られる
まで着色被覆を行なう。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一
な光沢の錠剤にする。
【0079】製剤例6 5−メトキシ−1−{3−〔4−(3−クロロフェニル)−1−ピ ペラジニル〕プロピル}−3,4−ジヒドロカルボスチリル 150g アビセル(商標名,旭化成社製) 40g コーンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g エタノール 40g 本発明有効成分化合物、アビセル、コーンスターチ及び
ステアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mm
のキネで打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ポリエチレングリコール−600
0、ヒマシ油及びエタノールからなるフィルムコーティ
ング剤で被覆を行ない、フィルムコーティング錠を製造
する。
【0080】製剤例7 3−メトキシ−N−メチルモルフィナン 150 g クエン酸 1.0g ラクト -ス 33.5g リン酸二カルシウム 70.0g プルロニックF−68 30.0g ラウリル硫酸ナトリウム 15.0g ポリビニルピロリドン 15.0g ポリエチレングリコール(カルボワックス1500) 4.5g ポリエチレングリコール(カルボワックス6000) 45.0g コーンスターチ 30.0g 乾燥ステアリン酸ナトリウム 3.0g 乾燥ステアリン酸マグネシウム 3.0g エタノール 適 量 本発明有効成分化合物、クエン酸、ラクトース、リン酸
二カルシウム、プルロニックF−68及びラウリル硫酸
ナトリウムを混合する。
【0081】上記混合物をNo.60スクリーンでふる
い、ポリビニルピロリドン、カルボワックス1500及
び同6000を含むアルコール製溶液で湿式粒状化す
る。必要に応じてアルコールを添加して粉末をペースト
状塊にする。コーンスターチを添加し、均一な粒子が形
成されるまで混合を続ける。混合物をNo.10スクリー
ンを通過させ、トレイに入れ、100℃のオーブンで1
2〜14時間乾燥する。乾燥粒子をNo.16スクリーン
でふるい、乾燥ラウリル硫酸ナトリウム及び乾燥ステア
リン酸マグネシウムを加えて混合し、打錠機で所望の形
状に圧縮する。
【0082】上記の芯部をワニスで処理し、タルクを散
布し、湿気の吸収を防止する。芯部の周囲に下塗り層を
被覆する。内服用のために充分な回数のワニス被覆を行
なう。錠剤を完全に丸く且つ平滑にするために更に下塗
り層及び平滑被覆が適用される。所望の色合が得られる
まで着色被覆を行なう。乾燥後、被覆錠剤を磨いて均一
な光沢の錠剤にする。
【0083】参考例1 60%油性水素化ナトリウム(19.2g,0.4モ
ル)を室温で5−メトキシ−3,4−ジヒドロカルボス
チリル(53.1g,0.3モル)を200mlのジメ
チルホルムアミド(DMF)に溶かした溶液に少量ずつ
加え30分攪拌した。かくして得られた5−メトキシ−
3,4−ジヒドロカルボスチリルのナトリウム塩のDM
F溶液に1−ブロモ−3−クロロプロパン(94ml,
0.6モル)を加え80〜90℃で更に8時間攪拌し
た。減圧下でDMFを留去した後、残渣をクロロホルム
で抽出した。抽出液を水洗、乾燥(無水硫酸マグネシウ
ム)した後、減圧下でクロロホルムを留去し、エタノー
ルにより再結晶することにより無色針状晶の1−(3−
クロロプロピル)−5−メトキシ−3,4−ジヒドロカ
ルボスチリルを59g得た。
【0084】mp103−105℃1 H−NMR(CDCl3 ,δppm);2.09−
2.28(2H,m)、2.57−2.62(2H,
m)、2.90(2H,t,J=7.5Hz)、3.4
7(1H,t,J=7.5Hz)、3.62(1H,
t,J=7.5Hz)、3.85(3H,s)、4.0
5−4.12(2H,m)、6.64(1H,d,J=
9Hz)、6.72(1H,d,J=9Hz)、7.2
2(1H,t,J=9Hz)。
【0085】参考例2 参考例1と同様に60%油性水素化ナトリウムを5−ク
ロロ−3,4−ジヒドロカルボスチリルをDMFに溶か
した溶液に少量ずつ加えて30分攪拌し、1−ブロモ−
3−クロロプロパンを加え80〜90℃で更に8時間攪
拌した。減圧下でDMFを留去した後、残渣をクロロホ
ルムで抽出した。抽出液を水洗、乾燥(無水硫酸マグネ
シウム)した後、減圧下でクロロホルムを留去し、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することによ
り淡黄色油状物の5−クロロ−1−(3−クロロプロピ
ル)−3,4−ジヒドロカルボスチリルを得た。
【0086】1H−NMR(CDCl3 ,δppm);
2.15−2.25(2H,m)、2.65(2H,
t,J=7.5Hz)、3.04(2H,t,J=7.
5Hz)、3.48(2H,t,J=7.5Hz)、
4.08(2H,t,J=7.5Hz)、6.99(1
H,d,J=9Hz)、7.10(1H,d,J=9H
z)、7.20(1H,t,J=9Hz)。
【0087】適当な出発原料を用い、上記参考例1と同
様にして以下に示す参考例3〜10の化合物を得た。
【0088】参考例3 1−(3−クロロプロピル)−5−エトキシ−3,4−
ジヒドロカルボスチリル 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 ,δppm);1.42(3
H,t,J=7.5Hz)、2.08−2.28(2
H,m)、2.57−2.65(2H,m)、2.91
(2H,t,J=7.5Hz)、3.42(1H,t,
J=7.5Hz)、3.62(1H,t,J=7.5H
z)、4.01−4.11(4H,m)、6.62(1
H,d,J=9Hz)、6.71(1H,d,J=9H
z)、7.20(1H,t,J=9Hz)。
【0089】参考例4 1−(3−クロロプロピル)−5−イソプロポキシ−
3,4−ジヒドロカルボスチリル 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 ,δppm);1.34(6
H,d,J=7.5Hz)、2.01−2.29(2
H,m)、2.58−2.62(2H,m)、2.89
(2H,t,J=7.5Hz)、3.48(1H,t,
J=7.5Hz)、3.63(1H,t,J=7.5H
z)、4.08(2H,t,J=7.5Hz)、4.5
0−4.60(1H,m)、6.65(1H,d,J=
9Hz)、6.69(1H,d,J=9Hz)、7.1
8(1H,t,J=9Hz)。
【0090】参考例5 1−(3−クロロプロピル)−5−メチル−3,4−ジ
ヒドロカルボスチリル 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 ,δppm);2.15−
2.25(2H,m)、2.30(3H,s)、2.6
2(2H,t,J=7.5Hz)、2.84(2H,
t,J=7.5Hz)、3.47(2H,t,J=7.
5Hz)、4.08(2H,t,J=7.5Hz)、
6.90(1H,d,J=9Hz)、6.94(1H,
d,J=9Hz)、7.16(1H,t,J=9H
z)。
【0091】参考例6 1−(3−クロロプロピル)−5−メチルチオ−3,4
−ジヒドロカルボスチリル 黄色油状物1 H−NMR(CDCl3 ,δppm);2.09−
2.25(2H,m)、2.47(3H,s)、2.5
9−2.70(2H,m)、2.91−2.99(2
H,m)、3.36(1H,t,J=7.5Hz)、
3.47(1H,t,J=7.5Hz)、4.08(2
H,t,J=7.5Hz)、6.90(1H,d,J=
9Hz)、6.94(1H,d,J=9Hz)、7.2
4(1H,t,J=9Hz)。
【0092】参考例7 1−(3−クロロプロピル)−8−メトキシ−3,4−
ジヒドロカルボスチリル 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 ,δppm);2.10−
2.30(2H,m)、2.55−2.65(2H,
m)、2.70−2.80(2H,m)、3.55(2
H,t,J=7.5Hz)、3.85(3H,t,J=
7.5Hz)、4.05(2H,t,J=7.5H
z)、6.80(1H,d,J=9Hz)、6.90
(1H,d,J=9Hz)、7.05(1H,t,J=
9Hz)。
【0093】参考例8 1−(3−クロロプロピル)−5,6−ジクロロ−3,
4−ジヒドロカルボスチリル 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 ,δppm);2.10−
2.25(2H,m)、2.64−2.70(2H,
m)、3.08−3.15(2H,m)、3.47(2
H,t,J=7.5Hz)、4.05(2H,t,J=
7.5Hz)、6.95(1H,d,J=9Hz)、
7.36(1H,d,J=9Hz)。
【0094】参考例9 5−アセチルアミノ−1−(3−クロロプロピル)−
3,4−ジヒドロカルボスチリル 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 ,δppm);2.10−
2.25(2H,m)、2.15(3H,s)、2.6
4−2.70(2H,m)、3.08−3.15(2
H,m)、3.48(2H,t,J=7.5Hz)、
4.05(2H,t,J=7.5Hz)、6.62(1
H,d,J=7.5Hz)、6.75(1H,d,J=
9Hz)、7.25(1H,t,J=9Hz)。
【0095】参考例10 1−(3−クロロプロピル)−5−メトキシカルボスチ
リル 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 ,δppm);2.15−
2.38(2H,m)、3.55(2H,t,J=7.
5Hz)、3.96(3H,s)、4.42(2H,
t,J=7.5Hz)、6.62(1H,d,J=10
Hz)、6.65(1H,d,J=9Hz)、7.05
(1H,d,J=9Hz)、7.50(1H,t,J=
9Hz)、8.15(1H,d,J=10Hz)。
【0096】実施例1 1−(3−クロロプロピル)−5−メトキシ−3,4−
ジヒドロカルボスチリル(39.1g,0.15モ
ル)、沃化ナトリウム(33.5g,0.23モル)及
びアセトニトリル(200ml)からなる溶液を1時間
加熱還流した後室温まで冷却した。この溶液に1−(3
−クロロフェニル)ピペラジン(39.3g,0.2モ
ル)及び炭酸ナトリウム(21g,0.2モル)を加え
て更に4時間攪拌を行なった後、熱時濾過し濾液を減圧
下濃縮した。残留油状物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製し、塩酸酸性とした後エタノールから再
結晶することにより、無色鱗片状結晶の1−{3−〔4
−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル〕プロピ
ル}−5−メトキシ−3,4−ジヒドロカルボスチリル
塩酸塩を31.2g得た。
【0097】mp239−242℃(分解) 実施例2 適当な出発原料を用い、実施例1と同様にして以下の化
合物を得る。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】
【表4】
【0102】
【表5】
【0103】
【表6】
【0104】
【表7】
【0105】
【表8】
【0106】
【表9】
【0107】
【表10】
【0108】
【表11】
【0109】
【表12】
【0110】実施例57 5−クロロ−1−{3−〔4−(3−ニトロフェニル)
−1−ピペラジニル〕プロピル}−3,4−ジヒドロカ
ルボスチリル3gをエタノール100mlに溶解させ、
濃塩酸2mlを加え、5%パラジウム−炭素1.5gの
存在下に3気圧で接触還元した。触媒を濾去し、濾液を
減圧下に濃縮し、エタノールから再結晶して、1−{3
−〔4−(3−アミノフェニル)−1−ピペラジニル〕
プロピル}−5−クロロ−3,4−ジヒドロカルボスチ
リル2.5gを得た。
【0111】無色針状晶、mp161−163℃。
【0112】実施例58 1−{3−〔4−(3−アミノフェニル)−1−ピペラ
ジニル〕プロピル}−5−クロロ−3,4−ジヒドロカ
ルボスチリル1gをクロロホルム10mlに溶解させ、
無水酢酸5ml及び4−ジメチルアミノピリジン0.1
gを加え、30分加熱還流した。反応液を減圧下濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した
後、塩酸塩とし、エタノールから再結晶して、1−{3
−〔4−(3−アセチルアミノフェニル)−1−ピペラ
ジニル〕プロピル}−5−クロロ−3,4−ジヒドロカ
ルボスチリル・塩酸塩900mgを得た。
【0113】無色針状晶、mp177−178℃。
【0114】実施例59 5−アセチルアミノ−1−{3−〔4−(3−クロロフ
ェニル)−1−ピペラジニル〕プロピル}−3,4−ジ
ヒドロカルボスチリル800mgを6N−塩酸20ml
に溶解させ、1時間加熱還流した。反応液を減圧下に濃
縮し、エタノールから再結晶して5−アミノ−1−{3
−〔4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル〕
プロピル}−3,4−ジヒドロカルボスチリル・2塩酸
塩480mgを得た。
【0115】白色粉末状晶、mp218−240℃(分
解)。
【0116】実施例60 適当な出発原料を用い、実施例57と同様にして前記実
施例49の化合物を得た。
【0117】実施例61 適当な出発原料を用い、実施例58と同様にして前記実
施例43の化合物及び実施例50の化合物を得た。
【0118】実施例62 適当な出発原料を用い、実施例59と同様にして前記実
施例44の化合物及び実施例49の化合物を得た。
【0119】供試化合物 1. 1−{3−〔4−(3−クロロフェニル)−1−
ピペラジニル〕プロピル}−5−メトキシ−3,4−ジ
ヒドロカルボスチリル・塩酸塩 2. 1−{3−〔4−(3−メトキシフェニル)−1
−ピペラジニル〕プロピル}−5−クロロ−3,4−ジ
ヒドロカルボスチリル・2塩酸塩 3. 1−{3−〔4−(3−トリフルオロメチルフェ
ニル)−1−ピペラジニル〕プロピル}−5−メトキシ
−3,4−ジヒドロカルボスチリル・塩酸塩 4. 1−{3−〔4−(3−クロロフェニル)−1−
ピペラジニル〕プロピル}−5−メトキシカルボスチリ
ル・塩酸塩 5. 1−{3−〔4−(3−トリフルオロメチルフェ
ニル)−1−ピペラジニル〕プロピル}−5−メトキシ
カルボスチリル・塩酸塩 6. 1−{3−〔4−(3−ニトロフェニル)−1−
ピペラジニル〕プロピル}−5−メトキシ−3,4−ジ
ヒドロカルボスチリル・2塩酸塩 7. 1−{3−〔4−(3−アミノフェニル)−1−
ピペラジニル〕プロピル}−5−メトキシ−3,4−ジ
ヒドロカルボスチリル 8. 1−{3−〔4−(3−イソプロポキシフェニ
ル)−1−ピペラジニル〕プロピル}−5−メトキシ−
3,4−ジヒドロカルボスチリル・2塩酸塩 9. 1−〔3−(4−フェニル−1−ピペラジニル)
プロピル〕−5−メトキシ−3,4−ジヒドロカルボス
チリル・塩酸塩 10. 2−アリル−5,9−ジメチル−2´−ヒドロキ
シ−6,7−ベンズモルファン 11. N,N´−ジ−(2−メチルフェニル)グアニジ
ン 12. α−シンナミル−N−シクロプロピルメチル−α
−エチル−N−メチルベンジルアミン 13. 2−(3−メチル−2−ブテニル)−5,9−ジ
メチル−2´−ヒドロキシ−6,7−ベンズモルファン 14. 4−〔4−(5−フルオロ−2−ピリミジニル)
−1−ピペラジニル〕−1−(4−フルオロフェニル)
ブタノール 15. シス−9−〔3−(3,5−ジメチルピペラジニ
ル)プロピル〕カルバゾール 薬理試験1 頭部外傷昏睡モデルでの意識障害改善作用の評価 「日災医誌,第25巻,第202頁(1977年)」及
び「医学の歩み,第102巻,第867〜869頁(1
977年)」に記載の方法に準じて試験を行なった。即
ち、4〜5週年齢雄性マウス(体重20〜29g)を1
8〜20時間絶食させた後その頭部を発泡スチロール製
の枕に固定し、アクリル製の円柱棒を透明プラスチック
チューブにそわせてマウスの頭頂部に落下させ衝撃を与
えた。意識障害の観察は次の2点を観察することにより
行なった。即ち、衝撃後の昏睡から正向反射を回復する
までの時間(RR時間)及び自発運動が回復するまでの
時間(SM時間)の2点である。供試化合物は5%アラ
ビアゴム生理食塩水に懸濁又は溶解させ頭部衝撃負荷1
時間前に経口投与した。対照のマウスには5%アラビア
ゴム生理食塩水のみを投与した。供試化合物の意識障害
改善作用は対照マウスのRR時間又はSM時間に対する
供試化合物投与マウスのRR時間又はSM時間の比(%
コントロール)で表わした。結果を表13に示した。
【0120】
【表13】
【0121】表13においては、コントロールマウスの
頭部外傷による昏睡からの回復の目安として、RR時間
又はSM時間を100%としたときの供試化合物を投与
したマウスのRR時間又はSM時間が%で示されてい
る。供試化合物1〜3、5、6及び10〜12は、明ら
かにこのモデルにおいてRR時間及びSM時間を短縮
し、頭部外傷による昏睡からの回復を促進し、意識障害
改善作用を有していることが認められた。一方、シグマ
受容体拮抗薬である供試化合物14及び15は、マウス
の昏睡からの回復時間を延長させることが認められた。
【0122】薬理試験2 シグマ受容体に対する結合親和性 膜標品の調製及び〔3 H〕−1,3−ジ〔2−トリル〕
グアニジン(DTG)結合実験は、ウェットステインら
の方法〔Wettstein JF,Romman F
J,Rocher MN,Junien JL,Psy
chopharmacology,104,157−1
63(1991)〕に従って行なった。ウィスター系雄
性ラットを断頭し、全脳を取り出し、30倍量の氷冷し
た50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)でホモジ
ナイズし、4℃、50000gで15分間遠心分離し
た。得られた沈さを同容量の上記の緩衝液で懸濁し、3
7℃で45分間インキュベートした後、再度遠心分離し
た。得られた沈さを同容量の上記の緩衝液で懸濁し、結
合実験に用いるまで−80℃で凍結保存した。
【0123】結合実験には、凍結保存した組織標品を解
凍後、4℃、50000gで15分間遠心分離して得ら
れた沈さを10倍量の5mMトリス−塩酸緩衝液(pH
7.4)で懸濁したものを膜標品として用いた。各試験
管に各濃度の薬物希釈液(50μl)、〔3 H〕−DT
G(50μl、最終濃度3nM)、膜標品(150μ
l)を加えて総量を250μlとした。膜標品の添加に
よって反応を開始し、25℃で60分間インキュベート
した後、セル ハーベスター(Cell harves
ter)(ブランデル社製)を用いて0.5%のポリエ
チレンイミンに予め浸したファットマン(Whatma
n) GF/B フィルターに吸引濾過することにより
反応を停止し、同時に氷冷した5mMトリス−塩酸緩衝
液3mlで3回洗浄した。
【0124】放射活性はフィルターをバイアルに移し、
液体シンチレーションカクテル(Aquasol 2)
5mlを加え、暗所で一定時間安置した後、シンチレー
ションカウンターで測定した。特異的結合量は、10μ
Mハロペリドール存在下の結合量を総結合量から差し引
くことにより求めた。尚、IC50値は、非直線性最小二
乗法によるコンピューター解析で算出した。
【0125】結果を表14に示す。
【0126】
【表14】
【0127】薬理試験3 シグマ受容体拮抗薬による拮抗実験 シグマ受容体作働薬の意識障害改善作用がこれらの固有
するシグマ受容体に作用することに基づくのかどうか
を、シグマ受容体拮抗薬である供試化合物14及び15
を用いて検討した。表13に示したように、これらの拮
抗薬が意識障害に対して作用を示さない体重1kg当り
1〜3mg(供試化合物14)又は10〜30mg(供
試化合物15)を前投与することにより、シグマ受容体
作働薬である供試化合物10、11及び12の意識障害
改善作用が拮抗されるかどうかを示したのが表15であ
る。表15に示したように、供試化合物10及び供試化
合物12の意識障害改善作用は、シグマ受容体拮抗薬で
ある供試化合物14の体重1kg当り1〜3mg投与に
より抑制された。また同様に、供試化合物10及び12
の意識障害改善作用は、他のシグマ受容体拮抗薬である
供試化合物15の30mg投与により抑制された。この
ように構造的に全く異なる2種のシグマ受容体拮抗薬に
よりシグマ受容体作働薬の意識障害改善作用が抑制され
ることは、これらのシグマ受容体作働薬の意識障害改善
作用が少なくともシグマ受容体に作用することに基づく
ものと考えられる。
【0128】
【表15】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シグマ受容体作働性を有する化合物を有
    効成分として含有することを特徴とする意識障害改善
    剤。
  2. 【請求項2】 有効成分が一般式 〔式中、R 及びR は、水素原子又は低級アルキル基
    を示す。R は水素原子、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基又はシクロアルキルメチル基を示す。R は水酸
    基又は低級アルコキシ基を示す。〕で表わされるベンズ
    モルファン誘導体である請求項1に記載の意識障害改善
    剤。
  3. 【請求項3】 有効成分が一般式 〔式中、R 及びR はそれぞれC 以上のアルキル
    基、C 3−12 のシクロアルキル基又はC 以上の炭素
    環アリール基を示す。〕で表わされるグアニジン誘導体
    である請求項1に記載の意識障害改善剤。
  4. 【請求項4】 有効成分が一般式 〔式中、R はフェニル環上にハロゲン原子、低級アル
    キル基、ハロゲン置換低 級アルキル基又は低級アルコキ
    シ基により1〜3個置換されていてもよいフェニル基を
    示す。R は低級アルキル基を示す。R は水素原子又
    は低級アルキル基を示す。R 10 はシクロアルキル基を
    示し、シクロアルキル基上に低級アルキル基又はフェニ
    ル基が置換していてもよい。R 11 はフェニル環上にハ
    ロゲン原子又は低級アルコキシ基が1〜3個置換されて
    いてもよいフェニル基を示す。mは1又は2を示す。〕
    で表わされるN−シクロアルキルベンジルアミン誘導体
    である請求項1に記載の意識障害改善剤。
  5. 【請求項5】 有効成分が一般式 〔式中R 12 は水酸基、低級アルコキシ基、低級アルキ
    ル基、低級アルケニルオキシ基、ハロゲン原子、低級ア
    ルカノイル基を有することのあるアミノ基又は低級アル
    キルチオ基を示す。R 13 はフェニル環上に置換基とし
    てハロゲン原子、低級アルコキシ基、低級アルキル基、
    ニトロ基、低級アルカノイル基を有することのあるアミ
    ノ基、水酸基、シアノ基、フェニル低級アルコキシ基及
    びハロゲン置換低級アルキル基なる群より選ばれた基を
    1〜2個有することのあるフェニル基を示す。Aは低級
    アルキレン基を示す。pは1又は2を示す。カルボスチ
    リル骨格の3位及び4位の炭素間結合は一重結合又は二
    重結合を示す。〕で表わされるカルボスチリル誘導体で
    ある請求項1に記載の意識障害改善剤。
  6. 【請求項6】 有効成分が2−アリル−5,9−ジメチ
    ル−2′−ヒドロキシ−6,7−ベンズモルファン、2
    −(3−メチル−2−ブテニル)−5,9−ジメチル−
    2′−ヒドロキシ−6,7−ベンズモルファン、2−シ
    クロプロピルメチル−5,9−ジメチル−2′−ヒドロ
    キシベンズモルファン、2−メチル− 5,9−ジメチル
    −2′−ヒドロキシベンズモルファン、N,N′−ジ−
    (2−メチルフェニル)グアニジン、α−シンナミル−
    N−シクロプロピルメチル−α−エチル−N−メチルベ
    ンジルアミン、5−メトキシ−1−{3−〔4−(3−
    クロロフェニル)−1−ピペラジニル〕プロピル}−
    3,4−ジヒドロカルボスチリル、5−メトキシ−1−
    {3−〔4−(3−ブロモフェニル)−1−ピペラジニ
    ル〕プロピル}−3,4−ジヒドロカルボスチリル、5
    −メトキシ−1−{3−〔4−(3−ニトロフェニル)
    −1−ピペラジニル〕プロピル}−3,4−ジヒドロカ
    ルボスチリル、5−エトキシ−1−{3−〔4−(3−
    クロロフェニル)−1−ピペラジニル〕プロピル}−
    3,4−ジヒドロカルボスチリル、5−クロロ−1−
    {3−〔4−(3−メトキシフェニル)−1−ピペラジ
    ニル〕プロピル}−3,4−ジヒドロカルボスチリル及
    び3−メトキシ−N−メチルモルフィナンなる群から選
    ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の意識障害
    改善剤。
  7. 【請求項7】 有効成分が5−メトキシ−1−{3−
    〔4−(3−クロロフェニル)−1−ピペラジニル〕プ
    ロピル}−3,4−ジヒドロカルボスチリルである請求
    項6に記載の意識障害改善剤。
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