JPH0818997B2 - ヒト正常bリンパ球増殖促進剤 - Google Patents

ヒト正常bリンパ球増殖促進剤

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JPH0818997B2
JPH0818997B2 JP62175504A JP17550487A JPH0818997B2 JP H0818997 B2 JPH0818997 B2 JP H0818997B2 JP 62175504 A JP62175504 A JP 62175504A JP 17550487 A JP17550487 A JP 17550487A JP H0818997 B2 JPH0818997 B2 JP H0818997B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ヒト正常Bリンパ球を培養する際、その増
殖を促進させるのに利用されるヒト正常Bリンパ球増殖
促進剤に関する。
従来技術 Bリンパ球(またはB細胞)は、骨髄に由来する抗体
産生細胞の前駆細胞であつて、主として抗体を産生する
ことによつて生体防御に重要な役割を果している。した
がつて、Bリンパ球を大量培養し、培養液に分泌される
抗体を取得することは病気の診断或は治療上極めて有効
である。
しかしながら、正常リンパ球は、そのままでは増殖さ
せることが困難であるため、ガン化したミエローマ細胞
と細胞融合してハイブリドーマを作成するか、或はウイ
ルス等で形質転換させることが必要であつた。
而して、マウスのBリンパ球からハイブリドーマを作
成する技術は既に確立され多くの有用な抗体が産生され
るに至つているものの、ヒトにおいてはこのようなハイ
ブリドーマを作成する技術は確立されていない。
この原因は、有効なミエローマ細胞が少ないこと、
マウスのように、ヒトをin vivoで免疫するのは倫理
上の問題があること、及びヒトから得られる正常リン
パ球は数量の点で制約があること等に基いている。
これらのうち、ミエローマ細胞の開発並びにin vitro
での免疫方法については世界中に研究が行われていて、
近い将来有効な手法が発見されることが期待される。
一方、正常Bリンパ球を増殖させるためには、従来、
BCGF(B cell growth factor)と呼ばれる物質或はスト
レプトコツカス オーレウス(Streptccoccus aureus)
菌株cowan I(SAC)等のマイトジエンもしくは抗IgM抗
体を添加した培地中で培養することが行われたが、これ
らの物質は入手が限られるうえに極めて高価であるた
め、使用上の制約があるという問題がある。
また、ウイルス、例えばエツプスタインバーウイルス
(EBV)によつてヒト正常リンパ球を形質転換させる方
法においては、抗体産生能が不安定であつて、3〜4ヶ
月も培養を続ける場合には抗体を産生しなくなることが
多い。この培養継続による抗体非産生化の問題を解決す
るには、クローニングを繰返し行うことが考慮される
が、実際上は困難である。因に、EBVで形質転換を行う
前にBリンパ球の数を増加させておくと、それだけ安定
なクローンが得られる確立が高くなることになるが、前
述したごとく、Bリンパ球の数を増殖するための物質が
極めて高価であるため、使用上の制約が避けられない。
したがつて、安価に大量入手し得るBリンパ球増殖促
進物質が提供されると、細胞融合法並びに形質転換法に
おける上述の問題点が解消されることになるので、診断
用或は治療用抗体を取得することが容易となり、有益で
ある。
発明が解決しようとする課題 本発明者らは、叙上の状況に鑑み、ヒト正常Bリンパ
球の培養に際し、その増殖を促進する作用を有し、しか
も安価かつ大量に入手し得る物質について検討した結
果、牛乳のκ−カゼイン由来のκ−カゼイングリコマク
ロペプチド(以下GMPと略記する)がヒト正常Bリンパ
球増殖促進作用を有することを見出し、本発明をなすに
至つた。
したがつて、本発明は、ヒト正常Bリンパ球を培養す
る際、培地に添加することにより該リンパ球の増殖を促
進するための、安価かつ大量に得られる増殖促進剤を提
供することを課題とする。
以下本発明を詳しく説明する。
発明の構成 本発明の特徴は、牛乳のκ−カゼイン由来のκ−カゼ
イングリコマクロペプチド(GMP)を有効成分とするヒ
ト正常Bリンパ球増殖促進剤にある。
課題を解決するための手段 本発明において有効成分として用いられるGMPは、牛
乳のκ−カゼインに蛋白分解酵素、例えばキモシン或は
ペプシン等を作用させて得られる、分子量約7,000〜8,0
00の糖ペプチドであつて、シアル酸を5%以上含んでい
る。
因に、このGMPには胃酸分泌抑制作用〔Stanet al,
「ブレテイン エクスペリメンタル バイオロジイ エ
ンド メデイシン」(Bulletin Exp.Biol.Med.)、96,8
89,(1983)〕や感染防御作用(特願昭62−118612号)
があることが見出されているが、ヒト正常Bリンパ球に
対する増殖促進作用については未だ報告はみられない。
なお、マウス3T3細胞を牛乳の存在下に培養すると増
殖が促進されるという報告〔Nano et al,「レ ラ」(L
e Lait)62,600,(1982)〕があるが、これはHashizume
et alが報告〔「ビオシミカ エビオフイジカ アク
タ」(Biochim.Biophys.Acta)、763,377,(1983)〕し
ているように、牛乳中のラクトフエリンの効果に因るも
のと考えるべきである。
本発明に係る増殖促進剤の有効成分であるGMPは、牛
乳より分離したκ−カゼインにキモシン或はペプシン等
を作用させた後、カルシウムやトリクロロ酸(TCA)を
添加し、生成する上澄を採取し、次いで、この上澄を脱
イオン水に対して透析した後、凍結乾燥することにより
調製し得る。
上記調製に際し、牛乳よりκ−カゼインを単離するに
は、〔Zittle et al,「ジヤーナル オブ デーリイ
サイエンス」(J.Dairy Sci.)46,1183,(1963)〕に記
載の方法又は〔Mckenjie,「ビオシミカ エ ビオフイ
ジカ アクタ」(Biochim.Biophys.Acta),47,240,(1
961)〕に記載の方法等が知られているが、これらの方
法は操作が煩雑で手間がかかるので実用性に乏しい。ま
た、近年、牛乳のカゼインソーダを低イオン強度でゲル
濾過する方法(特開昭59−91848号)が提案されている
が、この方法も大量生産には適していない。
GMPを簡便な方法で大量調製するには、本出願人がさ
きに開発した、レンネツトカゼインカードを調製する際
に得られる排液(ホエー)を原料として用い、該排液の
pHを産性領域に調整し、生成する沈澱を除去し、次いで
得られる上澄を脱塩することから成る方法(特願昭62−
118611号)が適している。
このようにして調製したGMPを、ヒト正常Bリンパ球
の培養による増殖促進に利用するには、血液、リンパ
節、唾液、乳等の体液をフイコールパツク(フアルマシ
ア社製)と共に密度勾配遠心分離を行い、中間層に集ま
るリンパ球群から精製して得られるBリンパ球の培養の
ための培地に添加して用いる。
上記リンパ球群からBリンパ球を精製するには、ま
ず、ロゼツト形成反応を利用してTリンパ球を除去し、
次いでプラステイツクデイツシユ法によりシヤーレに付
着するマクロフアージを除去することによりBリンパ球
が得られる。
本発明において有効成分として用いるGMPは、正常リ
ンパ球に対し、選択的に増殖促進作用を示すものであつ
て、Tリンパ球やマクロフアージが混在していてもこれ
に対する増殖促進効果はみられない。またEBV等により
形質転換させたBリンパ芽球様細胞に対しても増殖効果
を示さない。
上述のようにして精製して得られたヒトBリンパ球を
培養するのに用いる基本培地としては、PRMI 1640培
地、最少必須培地(MEM)及びその他のリンパ球の培養
に使用される培地を用いることができ、通常ウシ胎児血
清(FCS)を10%程度加えて培養に用いる。さらに、こ
の他に増殖因子を添加した無血清合成培地も使用可能で
ある。
本発明に係る増殖促進剤を、ヒト正常Bリンパ球の培
養に用いるに当つては、上述した培地に、予め0.22μm
のフイルターで、もしくはオートクレーブ等で加熱処理
で滅菌処理したGMPを0.1μg/ml以上の濃度、好ましくは
1μg/ml以上の濃度になるように添加し、このGMP添加
培地中でヒト正常Bリンパ球を37℃程度の温度で、5〜
7%炭酸ガス雰囲気中で培養を行う。通常5日間程度の
培養でBリンパ球の増殖がみられるので、培地中の細胞
数を、血球計測計を用いてトリパンブルーで染色される
生細胞数をカウントするか、もしくはMTTアツセイ法に
より、MTT〔3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イ
ル)−2,5−ジフエニルテトラゾリウム)フオルマザ
ン〕濃度を測定することにより計測して、GMPの増殖促
進効果を確認して得る。
以上述べたように、レンネツトカゼインカードを調製
する際に得られる排液を原料として用いることにより、
GMPを安価かつ大量に有利に調製し得るので、このGMPを
ヒト正常Bリンパ球の培養に際し、培地に添加しておく
ことにより該Bリンパ球の増殖を促進することが可能と
なり、したがつて、細胞培養もしくはヒト型のモノクロ
ーナル抗体を取得するうえで著しく有効である。
以下実施例を示して本発明及びその効果を具体的に説
明する。
実施例 GMPの調製 レンネツトカゼインカードの製造時に得られる排液10
0を75℃の温度で30分間加熱殺菌した後、40℃に冷却
し濃塩酸でpH4.6に調整した。次いで、約30分間放置し
て沈澱を生成させ、これを除去して得られた清澄液のpH
を7に戻した後、RO膜(逆浸透膜)で濃縮、脱塩した。
得られた濃縮液を凍結乾燥してGMP粉末を約450gを得
た。
このGMPの純度は82%であつて、シアル酸含量は5.2
(W/W)%であつた。
ヒト正常Bリンパ球の調製 健康成人の末梢血を、ヘパリンを含むリン酸緩衝食塩
水(PBS)で2〜3倍に希釈し、フイコールパツク(フ
アルマシア社製)液上に重層し、400×gで30分間遠心
分離を行つた。中間層より得られた単球画分をヒツジ赤
血球(SRBC)ロゼツト法及びプラステイツクデイツシユ
付着法によりTリンパ球とBリンパ球を得た。
培養 上述のようにして得られたTリンパ球並びにBリンパ
球或はそれらの混合物を、10%FCS添加のRPMI 1640培地
に懸濁し、所定の濃度となるようにGMPを添加した。次
いで、これを96ウエルカルチヤープレート(コーニング
社)に100μl宛分注し、5%炭酸ガス雰囲気下に37℃
の温度、100%の湿度において5日間培養を行つた。
細胞増殖性の測定 上述のように、96ウエルカルチヤープレートで5日間
培養後、これにMTT溶液10μl宛添加し、37℃の温度で
4〜6時間インキユベートした。得られた培養液に更
に、塩酸イソプロパノールを加え、マイクロ波音波発振
機(トミーUR−20P)で混合溶解した。次いで、得られ
た溶液について、ELISAリーダー(タイターテツクマル
チスキヤン)を用いて562nmの吸光度を測定した。測定
の結果は添付図に示すとおりである。
図にみられるとおり、Tリンパ球では、増殖は認めら
れなかつたが、GMPを0.1μg/ml以上添加したBリンパ球
では著しい増殖が認められた。
一方、Tリンパ球とBリンパ球を等量混合したもので
は増殖が認められたが、Bリンパ球のみが増殖し、Tリ
ンパ球の増殖は認められなかつた。
上述のとおり、GMPは、ヒト正常Bリンパ球を選択的
に増殖させる効果を有し、しかもレンネツトカゼインカ
ード製造時に得られる排液から簡易に調製し得て、安価
かつ大量に提供することができるので、ヒト正常Bリン
パ球の大量培養上非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
添付図は、本発明に係る増殖促進剤の有効成分であるGM
Pのヒト正常Bリンパ球の培養による増殖効果を示した
ものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】牛乳のκ−カゼイン由来のκ−カゼイング
    リコマクロペプチドを有効成分とするヒト正常Bリンパ
    球増殖促進剤。
JP62175504A 1987-07-14 1987-07-14 ヒト正常bリンパ球増殖促進剤 Expired - Fee Related JPH0818997B2 (ja)

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