JP2623319B2 - ハイブリドーマ細胞による抗体産生促進剤 - Google Patents

ハイブリドーマ細胞による抗体産生促進剤

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ハイブリドーマによる抗体産生を促進する
ための、乳由来の物質を活性生物とする上記抗体産生促
進剤に関する。
従来技術 抗体を分泌しながら無限に増殖し続けるハイブリドー
マを作製することにより、所望のモノクローナル抗体を
安定に産生して供給することが可能となつた。
従来、ハイブリドーマの培養には、アミノ酸、糖類、
ビタミン、無機塩類を含む基本合成培地に種々の動物か
らの血清、特に牛胎児血清(FCS)を添加した培地が用
いられている。また、上記基本合成培地に、増殖因子と
して、例えばインスリン、トランスフェリン、牛血清ア
ルブミン、卵黄リポタンパク質などを添加した培地、無
血清培地も開発されている〔村上浩紀ら、「日本農芸化
学会誌、58、575〜583(1984)〕、〔Murakami H.&Mas
ui H.「プロシーデイング オブ ナショナル アカデ
ミー サイエンス」Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77、3464
〜3468、(1980)〕並びに〔Murakami H.et al.「サイ
トテクノロジー」Cytotechnology,1,159〜169(198
8)〕参照。
しかし、上掲の培地成分はいずれも細胞の増殖には必
要な成分であるものの、モノクローナル抗体の生産目的
には満足的でない。
一方、人乳、牛乳などが血清の代替品として上記培地
成分に用いられていて、その細胞増殖の促進効果も報告
されている〔Nano J.L.、et al.「ラレイ」LeLait、6
2、600〜606、(1982)〕並びに〔Steimer K.S.&Klags
brum M.「ジャーナルオブ セル バイオロジー」J.Cel
l.Biol.88、294〜300、(1981)〕参照。
特に、乳中のラクトフェリンは、無血清培地中のトラ
ンスフェリンの代替品として注目されている〔Hashizum
e S.et al.「バイオケミカル バイオフィジオロジー
アクタ」Biochim.Biophys.Acta、763、377〜382(198
3)〕参照。
しかしながら、細胞増殖因子として上記乳あるいは乳
成分のほとんどは下記のような欠点を有している。
i)ほとんどの場合、初乳もしくは初乳成分にのみ細胞
増殖促進の活性がみられる、 ii)動物の個体差による増殖効果上のばらつきが大き
い、 iii)加熱、滅菌をすることができない、及び iv)抗体産生を必ずしも促進しない。
さらに、癌細胞やBリンパ芽球様細胞の細胞成分ある
いは培養上清中に抗体産生促進物質が存在していている
との報告がなされている〔新本洋士ら、「日本農芸化学
会昭和61年度大会要旨集」、600頁(1986)〕〔秋吉数
彦ら、「日本農芸化学会昭和63年度大会要旨集、94頁、
(1988)〕及び〔豊田和久ら「日本農芸化学会昭和63年
度大会要旨集」94頁(1988)〕参照。
しかし、これらの物質は、いずれも高分子量のタンパ
ク質であり、そのうえ存在量も微量であつて大量の取得
が不可能であるため、培地成分として利用するには実際
上適しない。
発明が解決しようとする課題 本発明者らは、入手が容易である上記抗体産生促進能
を有する物質についてスクリーニングを行つた結果、乳
由来物質に著しい抗体産生促進活性を示す物質があるこ
とを見出し、本発明をなすに至つた。
したがつて、本発明は、乳由来の物質を活性成分とし
て特定な量を含有するハイブリドーマ細胞による優れた
抗体産生促進能を有する抗体産生促進剤を提供すること
を課題とする。
以下本発明を詳しく説明する。
課題を解決するための手段 本発明において、抗体産生促進のための活性成分とし
て用いる乳由来物質は、脱脂乳、脱脂粉乳、ナトリウム
カゼイネートおよび酸カゼインから選択されるものであ
つて、容易かつ安価に入手可能である。これらの乳由来
の物質は、すでに加熱殺菌されているので、熱に不安定
な因子はすべて失活されている。したがつて、これらの
活性成分は、従来、活性成分として考慮された乳中の増
殖因子とは実質的に異なる。
本発明では、上述した乳由来の物質を、水もしくはリ
ン酸緩衝生理食塩水(PBS)、有機酸及び/又はその塩
流からなる緩衝液などに、固形分が0.1〜5重量%にな
るように溶解し、培地に0.1〜5容量%添加してハイブ
リドーマの培養に用いる。
ここで用いる培地としては、組織培養に通常用いられ
るものであれば広範囲の種類のものが使用でき、イーグ
ルの最小必須培地、ダルベッコ変法最小必須培地、ハム
のF12倍地、RPM161640倍地及びeRDF倍地等を例示し得
る。
これらの倍地に牛胎児血清あるいは増殖因子類を加え
てハイブリドーマを培養する。この培養には、小規模で
あれば、試験管、シヤーレ、ティシユカルチヤーフラス
コ、組織培養用マイクロウエル等の培養容器を用いると
よく、大規模の場合にはスピンナーフラスコ、ガラス製
又はステンレス製の培養タンク、ホローフアイバーシス
テム、カプセル培養システム等を用い得る。
本発明で用いる乳由来の物質は溶液状態で加熱殺菌で
きるので、倍地に添加するに当つては121℃で15分間あ
るいは140℃で2秒間の条件で完全に滅菌することが望
ましい。なお、この滅菌により乳由来の物質が褐変した
り、沈澱することがあるため、有機酸およびその塩類か
らなる緩衝液に溶解後、滅菌処理することが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 ハイブリドーマ細胞として、抗ヒト肺癌抗体を分泌す
るヒトーヒトハイブリドーマHB4C5を用いた。
培地は、村上らのeRDF培地にインスリン5μg/ml、ト
ランスフェリン20μg/ml、エタノールアミン20μM及び
セレニウム25nMを添加したITES−eRDFを用いた。上記ハ
イブリドーマHB4C5の培養は下記手順で行つた。
直径3.5cmの培養シヤーレ(ファルコン社製)に、5
×104/mlの密度にITES−eRDF中に浮遊させたHB4C5細胞
の懸濁液2mlをまき込み、これに、0.1Mクエン酸緩衝液
(pH6.2)100mlに脱脂粉乳1gを溶解し、121℃で15分間
オートクレーブで滅菌した溶液を抗体産生促進剤として
2.5%(容量)添加し、5%CO2存在下に37℃の温度で2
日間培養を行つた。
培養後、細胞密度をコールターカウンターで測定し、
培養上清中の抗体(IgM)濃度をELISA法で測定した。結
果は表1に示すとおりであつて、比較例としてのITES−
eRDFの培地のみで培養した場合に比べ、細胞数が1.8
培、IgM産生能は7.2倍に増加するとが認められた。
実施例2 実施例1において、抗体産生促進剤として脱脂粉乳溶
液に代えて、カゼイン(デイフコ社製)0.5gを100mlのP
BSに溶解して得たカゼイン溶液を0.45μmのフィルター
(ミリポア社製)を用いて滅菌したものを用いるほかは
実施例1に記載したと同様の手順に従つて培養を行つ
た。
その結果、ITES−eRDFの培地に上記カゼイン溶液を2.
5%(容量)加えた培地でHB4C5細胞を2日間培養したも
のでは、ITESS−eRDFの培地のみで培養したものに比
し、細胞数が1.9倍、IgMの産生量は10.6倍に増加したこ
とが認められた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳から得られる脱脂乳、脱脂粉乳、ナトリ
    ウムカゼイネートおよび酸カゼインから選択される乳由
    来物質を含有することを特徴とするハイブリドーマ細胞
    による抗体産生促進剤。
  2. 【請求項2】乳由来物質は、固形分換算で0.1〜5重量
    %を有するように有機酸及び/又はその塩類からなる緩
    衝液中に懸濁もしくは溶解して加熱滅菌処理したもので
    ある請求項(1)に記載のハイブリドーマ細胞による抗
    体産生促進剤。
JP63282981A 1988-11-09 1988-11-09 ハイブリドーマ細胞による抗体産生促進剤 Expired - Lifetime JP2623319B2 (ja)

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