JPH08189610A - 焼却炉用廃熱ボイラ - Google Patents

焼却炉用廃熱ボイラ

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JPH08189610A
JPH08189610A JP16195A JP16195A JPH08189610A JP H08189610 A JPH08189610 A JP H08189610A JP 16195 A JP16195 A JP 16195A JP 16195 A JP16195 A JP 16195A JP H08189610 A JPH08189610 A JP H08189610A
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JP
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waste gas
waste
incinerator
heat transfer
transfer tube
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JP16195A
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Inventor
Kenichi Kazama
健一 風間
Shigenobu Takada
茂伸 高田
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伝熱管の表面腐食と溶融灰付着を防止し、出
口蒸気温度を所定の温度に高めた焼却炉用廃熱ボイラ及
びその廃ガス温度制御方法を提供する。 【構成】 都市ごみを焼却する焼却炉3の廃ガス20を
放射冷却室4、5で冷却し、更に放射冷却室4、5の下
流の伝熱管群に流通させる焼却炉用廃熱ボイラ1におい
て、焼却炉用廃熱ボイラ1の出口廃ガス21の一部を伝
熱管群の入口近傍9に導く廃ガス再循環通路15を備
え、更に伝熱管群は、過熱器7と再熱器8を備える。
又、伝熱管群の入口の廃ガス温度が所定の温度範囲の下
限を下まわった場合には、廃ガス再循環量15を増加さ
せ、伝熱管群の入口の廃ガス温度が所定の温度範囲の上
限を越えた場合には、廃ガス再循環量15を減少させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみ等の廃棄物を
焼却する焼却炉の廃ガスから廃熱を有効に回収し発電を
行なうに好適な廃棄物の焼却炉用廃熱ボイラ及びその廃
ガス温度制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来の焼却炉用廃熱ボイラ2を
示すもので、都市ごみ等の廃棄物を焼却炉3で焼却して
発生した廃ガス20は、水冷壁6で囲まれ放射冷却する
第1放射冷却室4及び第2放射冷却室5を通り、水冷壁
6で発生した蒸気を過熱する過熱器7や蒸発水管10等
の設けられた伝熱管群の入口13から、これら伝熱管群
を通り、エコノマイザ12を経てボイラ出口11から出
口廃ガス21として排出される。図5は、図4の II−I
I 線断面図である。
【0003】上記焼却炉3から排出される廃ガス20中
には、塩化水素、塩素等高温で伝熱管を腐食させる腐食
成分を含み、高温ではナトリウムやカリウム等の塩化物
が部分溶融した状態で伝熱管に付着して伝熱管を腐食さ
せる。更に、伝熱管に付着したダストにより廃ガスの流
れを阻害させる為、過熱器7や蒸発水管10等の伝熱管
群の入口13の廃ガス温度を480℃〜650℃程度に
なるよう水冷壁6で構成される第1放射冷却室4及び第
2放射冷却室5を上流に設けている。この伝熱管群の入
口13の廃ガス温度を480℃〜650℃とした根拠
は、一例として、過熱器7の出口蒸気温度を400℃に
するためである。
【0004】一方、図7は、A灰中の塩化物の加熱時間
と加熱温度の関係曲線31を示し、図8は、B灰中の塩
化物の加熱時間と加熱温度の関係曲線32を示す。これ
らの図から明らかな様に灰の性状によって塩化物の溶融
する温度の範囲は異なるが一般的には上記ガス温度が6
50℃を超えると、廃ガス中の塩化物が溶融すると考え
られる。廃棄物である都市ごみを焼却する焼却炉からの
廃ガスの温度や組成は、都市ごみの性状によって異なる
ので、こうした焼却炉に取り付けられる焼却炉用廃熱ボ
イラは、季節変動等種々のごみ質に対応できるように設
計される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
焼却炉用廃熱ボイラ2には、次のような問題があった。
即ち、伝熱管群の入口13の廃ガス温度は低ければ低い
程廃ガス中の塩化物は固化し易く伝熱管群の管壁表面に
付着しにくいが、この温度が480℃以下になると過熱
器の出口蒸気温度が所定の蒸気温度400℃まで上がら
ない。一方、伝熱管群の入口13の廃ガス温度を高質ご
みの焼却時に650℃より高く設計した場合には、伝熱
管群の管壁表面の腐食や溶融灰の付着という問題が発生
する。
【0006】図6は、図4、5に示した焼却炉用廃熱ボ
イラ2において、都市ごみの発熱量が3000kcal
/kgの高質ごみと2100kcal/kgの基準ごみ
のいずれも対応できるように設計された場合の熱バラン
スを示したものである。曲線27に示すように、高質ご
みの焼却時に伝熱管群の入口13である過熱器入口ガス
温度Tg1が600℃となるように伝熱面積を配置する
と、基準ごみの焼却時には過熱器入口ガス温度Tg1は約
500℃となる。この時、過熱器出口ガス温度Tg2は2
93℃となる。
【0007】この図6に示すように、通常運転時の基準
ごみについて過熱器入口ガス温度Tg1が低くなるので、
過熱器蒸気温度は、曲線28に示すように、過熱器入口
蒸気温度Ts2を290℃とした場合、過熱器出口蒸気温
度Ts1は377℃となり、所定の蒸気温度400℃まで
上昇させることが出来ない。過熱器出口蒸気温度Ts1
上げるためには多くの伝熱面積を必要とする。
【0008】更に、再熱器を設けようとしても伝熱管群
の入口13の廃ガス温度が低い為、設けることが出来な
い。例え設けたとしても、曲線30に示すように、再熱
器入口蒸気温度Ts2を235℃とした場合、再熱器出口
蒸気温度Ts1は352℃までしか上昇せず、所定の蒸気
温度Ts1=380℃まで上昇させることが出来ず、発熱
効率を高めることが出来なかった。尚、曲線29は、再
熱器を通過する廃ガス温度の低下状態を示し、過熱器と
同様に、再熱器入口ガス温度Tg1を500℃とした場
合、再熱器出口ガス温度Tg2は293℃となる。
【0009】上記従来技術では、伝熱管群の腐食を避け
ながら過熱器出口蒸気温度Ts1を高くするという点に配
慮がなされておらず、この為、再熱器を設けることも出
来ず発電効率が低いという問題があった。
【0010】本発明の目的は、伝熱管群の管壁表面の腐
食や溶融灰の付着を防止して、伝熱管群である過熱器や
再熱器を設置出来、しかもその出口蒸気温度を所定の温
度まで上昇させることが出来る焼却炉用廃熱ボイラ及び
その廃ガス温度制御方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、焼却炉用廃
熱ボイラの出口廃ガスを適量、伝熱管群の入口近傍に再
循環できるように配慮し、伝熱管群入口の廃ガス温度を
所定の温度に保ちながら、伝熱管群である過熱器及び再
熱器の出口蒸気温度を所定の温度まで上昇させるのに必
要な熱量を持たせるようにすることにより達成できる。
【0012】即ち、本発明は、廃棄物を焼却する焼却炉
の廃ガスを水冷壁で放射冷却する放射冷却室で冷却し、
該冷却された廃ガスを前記放射冷却室の下流に設けられ
た伝熱管群に流通させる焼却炉用廃熱ボイラにおいて、
該焼却炉用廃熱ボイラの出口廃ガスの一部を前記伝熱管
群の入口近傍に導く廃ガス再循環通路を備えたものであ
る。
【0013】更に、上記発明において、前記伝熱管群
は、前記水冷壁で発生した蒸気を過熱する過熱器で発生
し他の蒸気利用機器で仕事をした蒸気を再熱する再熱器
を備えたものである。
【0014】又、本発明は、廃棄物を焼却する焼却炉の
廃ガスを水冷壁で放射冷却する放射冷却室で冷却し、該
冷却された廃ガスを前記放射冷却室の下流に設けられ、
前記廃ガスの熱を回収する伝熱管群に流通させる焼却炉
用廃熱ボイラの廃ガス温度制御方法において、前記焼却
炉用廃熱ボイラの出口廃ガスの一部を前記伝熱管群の入
口近傍に導くと共に、該伝熱管群の入口近傍に導く出口
廃ガスの廃ガス再循環量を、前記伝熱管群の入口の廃ガ
ス温度に基づいて決定することである。
【0015】更に、上記焼却炉用廃熱ボイラの廃ガス温
度制御方法の発明において、前記伝熱管群の入口の廃ガ
ス温度が所定の温度範囲の下限を下まわった場合には、
前記廃ガス再循環量を増加させ、前記伝熱管群の入口の
廃ガス温度が所定の温度範囲の上限を越えた場合には、
前記廃ガス再循環量を減少させることである。
【0016】
【作用】本発明の焼却炉用廃熱ボイラによれば、焼却炉
用廃熱ボイラの出口廃ガスの一部を伝熱管群の入口近傍
に導く廃ガス再循環通路を備えたので、焼却炉用廃熱ボ
イラの出口廃ガスを伝熱管群の入口近傍に適量再循環さ
せることにより、焼却炉の負荷やごみ質が変化しても伝
熱管群入口の廃ガス温度を一定に保つことが出来、廃ガ
ス中の塩化物等が溶融して伝熱管群の表面に付着し腐食
させたり、溶融灰の付着を避けることが出来と共に、伝
熱管群の出口蒸気温度を所定の温度に高めることが出
来、高い発電効率が得られる。
【0017】更に、上記発明において、伝熱管群は、水
冷壁で発生した蒸気を過熱する過熱器で発生し他の蒸気
利用機器で仕事をした蒸気を再熱する再熱器を備えたも
のであるので、上記発明の作用に加え、焼却炉用廃熱ボ
イラの出口廃ガスを伝熱管群の入口近傍に適量再循環さ
せることによって、伝熱管群入口の廃ガス温度を一定に
保つことが出来、従って、伝熱管群の出口蒸気温度を高
く保ことが出来、過熱器で発生した蒸気を他の蒸気利用
機器で仕事をさせ、温度の低下した蒸気を更に再熱器を
設けて再熱することも出来、容易に高い発電効率を得る
ことが出来る。
【0018】又、本発明の焼却炉用廃熱ボイラの廃ガス
温度制御方法によれば、焼却炉用廃熱ボイラの出口廃ガ
スの一部を伝熱管群の入口近傍に導くと共に、この伝熱
管群の入口近傍に導く出口廃ガスの廃ガス再循環量を、
伝熱管群入口の廃ガス温度に基づいて決定するので、廃
棄物を焼却する焼却炉の廃ガスを水冷壁で放射冷却する
放射冷却室で冷却した廃ガスに、伝熱管群入口の廃ガス
温度に基づいて決定された量の出口廃ガスを混合するこ
とによって、一定の温度にすることが出来、上記焼却炉
用廃熱ボイラの作用と同様に、焼却炉の負荷やごみ質が
変化しても伝熱管群入口の廃ガス温度を一定に保つこと
が出来、廃ガス中の塩化物等が溶融して伝熱管群の表面
に付着し腐食させたり、溶融灰が付着したりすることを
避けることが出来と共に、伝熱管群の出口蒸気温度を所
定の温度に高めることが出来、高い発電効率が得られ
る。
【0019】更に、上記焼却炉用廃熱ボイラの廃ガス温
度制御方法の発明において、伝熱管群入口の廃ガス温度
が所定の温度範囲の下限を下まわった場合には、廃ガス
再循環量を増加させ、伝熱管群入口の廃ガス温度が所定
の温度範囲の上限を越えた場合には、廃ガス再循環量を
減少させることであるので、上記焼却炉用廃熱ボイラの
廃ガス温度制御方法の発明の作用に加え、焼却炉用廃熱
ボイラの廃ガスの温度制御が容易で制御性の良い方法で
ある。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る焼却炉用廃熱ボイラ及び
焼却炉用廃熱ボイラの廃ガス温度制御方法の実施例を図
面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る焼却
炉用廃熱ボイラ及び焼却炉用廃熱ボイラの廃ガス温度制
御方法の一実施例を説明する系統図、図2は図1に示し
た I−I 線断面図、図3は図1の実施例の温度バランス
を示す曲線図、を各々示す。
【0021】図1において、本実施例の焼却炉用廃熱ボ
イラ1は、都市ごみ等の廃棄物を焼却する焼却炉3で発
生した廃ガス20を水冷壁6で放射冷却する放射冷却室
である第1放射冷却室4及び第2放射冷却室5で冷却
し、この冷却された廃ガスを第2放射冷却室5の下流に
設けられ、この廃ガスの熱を回収する伝熱管群に流通さ
せる。伝熱管群は、水冷壁6で発生した蒸気を過熱する
過熱器7及び過熱器7で発生し他の蒸気利用機器で仕事
をした蒸気を再熱する再熱器8を有するものである。過
熱器7及び再熱器8を通過した廃ガスは、蒸発水管10
を経て、エコノマイザ12で熱回収され、ボイラ出口1
1から出口廃ガス21として排出される。
【0022】更に、本実施例の焼却炉用廃熱ボイラ1
は、出口廃ガス21の一部を過熱器7及び再熱器8の入
口近傍に導く廃ガス再循環通路15を備え、この廃ガス
再循環通路15は、調整ダンパ16とその下流に再循環
ファン17を有し、過熱器7及び再熱器8の入口近傍9
に接続されている。
【0023】廃ガス再循環通路15の過熱器7及び再熱
器8の入口近傍9への接続位置は、図1の実線で示した
廃ガス再循環通路15の矢印位置15a或いは2点鎖線
で示した廃ガス再循環通路15′の矢印位置15b、或
いは2点鎖線で示した廃ガス再循環通路15″の矢印位
置15cである第2放射冷却室入口近傍に設けられ、こ
れらの接続位置15a、15b或いは15cと過熱器7
及び再熱器8の入口とは、ある程度距離が設けられ、放
射冷却室からの廃ガスと再循環出口廃ガス21との混合
が行なわれる距離をとるように設定される。
【0024】上記廃ガス再循環通路の接続位置は、放射
冷却室の容量を最小にする為には、出来るだけ伝熱管群
の入口13に近い位置に戻す必要があるが、放射冷却室
からの廃ガスと再循環廃ガスとが均一に混合するために
は一定の距離が必要で、この距離を計算し、出来るだけ
伝熱管群の入口13に近い位置に戻した方が好ましい。
再循環廃ガスを第1放射冷却室4或いは第2放射冷却室
5の入口に戻した場合、戻した放射冷却室の廃ガス温度
と伝熱管群の入口13との廃ガス温度差が小さくなり、
戻した放射冷却室での熱伝達率が悪くなり結果的に放射
冷却室の吸収熱量が減少する。よって、放射冷却室と伝
熱管群の入口13との廃ガス温度差を大きくするために
は、出来るだけ伝熱管群の入口13に近い位置が好まし
い。
【0025】図2は、図1に示した実施例の焼却炉用廃
熱ボイラ1の I−I 線断面図であるが、過熱器7及び再
熱器8は、並列的に配置されている。
【0026】以上の構造を有する本実施例の焼却炉用廃
熱ボイラ1は、次のように作用する。即ち、焼却炉用廃
熱ボイラ1の出口廃ガス21の一部を過熱器7及び再熱
器8の入口近傍9に導く廃ガス再循環通路15を備えた
ので、出口廃ガス21を過熱器7及び再熱器8の入口近
傍9に適量再循環させることにより、焼却炉3の負荷や
ごみ質が変化しても過熱器7及び再熱器8の入口の廃ガ
ス温度を一定の温度に保つことが出来、廃ガス中の塩化
物等が溶融して過熱器7及び再熱器8の表面に付着した
り、溶融灰が付着したりすることを避けると共に、過熱
器7及び再熱器8の出口蒸気温度を所定の温度に高める
ことが出来、高い発電効率が得られる。
【0027】更に、上記実施例において、水冷壁6で発
生した蒸気を過熱する過熱器7で発生し他の蒸気利用機
器で仕事をした蒸気を再熱する再熱器8を備えたもので
あるので、出口廃ガス21を過熱器7及び再熱器8の入
口近傍9に適量再循環させることによって、過熱器7及
び再熱器8の入口の廃ガス温度を一定の温度に保つこと
が出来、従って、過熱器7及び再熱器8の蒸気温度を高
く保ことが出来、過熱器7で発生した蒸気を他の蒸気利
用機器で仕事をさせ、温度の低下した蒸気を更に再熱器
8を設けて再熱することが出来、容易に高い発電効率が
得られる。
【0028】次に、本実施例の焼却炉用廃熱ボイラの廃
ガス温度制御方法は、都市ごみ等の廃棄物を焼却する焼
却炉3の廃ガス20を、水冷壁6で放射冷却する第1放
射冷却室4及び第2放射冷却室5で冷却し、この冷却さ
れた廃ガスを第2放射冷却室5の下流に設けられ、この
廃ガスの熱を回収する過熱器7及び再熱器8に流通さ
せ、出口廃ガス21の一部を廃ガス再循環通路15の廃
ガス再循環量の調整ダンパ16、再循環ファン10を経
て、過熱器7及び再熱器8の入口近傍9に再循環させ
る。
【0029】過熱器7及び再熱器8の入口に導く出口廃
ガス21の廃ガス再循環量は、過熱器7及び再熱器8の
入口の廃ガス温度に基づいて決定される。即ち、出口廃
ガス21の廃ガス再循環量は、伝熱管群の入口13であ
る過熱器7及び再熱器8の入口の廃ガス温度が480℃
〜650℃程度となるように決定され、過熱器7及び再
熱器8の入口の廃ガス温度が480℃より低くなった場
合は、廃ガス再循環量の調整ダンパ16を大きく開いて
廃ガス再循環量を多くし、過熱器7及び再熱器8の入口
の廃ガス温度が650℃より高くなった場合は、廃ガス
再循環量の調整ダンパ16を閉め廃ガス再循環量を少な
くする。このように、廃ガス再循環量の調整ダンパ16
を開閉する事により過熱器7及び再熱器8の入口の廃ガ
ス温度を480℃〜650℃の所定の温度範囲になるよ
うに制御される。
【0030】図3は、図1の実施例の温度バランスを示
す曲線図である。基準ごみ質燃焼時、過熱器7及び再熱
器8の入口ガス温度Tg1を550℃に設定し、焼却炉用
廃熱ボイラの出口廃ガス21の温度を190℃とすると
第2放射冷却室5の入口廃ガス温度は635℃となる。
廃ガス再循環量の出口廃ガス21の量に対する割合をx
とすれば廃ガス温度バランスは 635+190x=(1+x)×550 という式で表わされる。上式をxについて解くとx≒
0.24。よって焼却炉用廃熱ボイラの出口廃ガス21
の量の約24%を再循環させることになる。
【0031】本実施例の焼却炉用廃熱ボイラの廃ガス温
度制御方法は、過熱器7及び再熱器8の入口の廃ガス量
が多くなっていることと、同廃ガス温度を高くしている
ことから過熱器7の入口蒸気温度Ts2を290℃から出
口蒸気温度Ts1を400℃まで高めることが出来、再熱
器8の方は、その入口蒸気温度Ts2を235℃から出口
蒸気温度Ts1を380℃まで高めることが出来る。この
時、過熱器7及び再熱器8の出口ガス温度Tg2は352
℃になる。過熱器7及び再熱器8の入口ガス温度T
g1は、550℃であるので灰の溶融温度650℃以下に
なっており過熱器7及び再熱器8の伝熱管表面の腐食や
溶融灰の付着を防止することが出来る。
【0032】このように、廃棄物を焼却する焼却炉3で
発生した廃ガスを、水冷壁6で放射冷却し、伝熱管群の
入口の廃ガス温度に基づいて決定された出口廃ガス21
を混合することによって、一定の温度にすることが出
来、焼却炉の負荷やごみ質が変化しても伝熱管群の入口
の廃ガス温度を一定に保つことが出来、廃ガス中の塩化
物等が溶融して伝熱管群の表面に付着し腐食させること
もなく、且つ溶融灰が伝熱管群の表面に付着することも
なく、伝熱管群の出口蒸気温度を所定の温度に高めるこ
とが出来、高い発電効率が得られ、焼却炉用廃熱ボイラ
の廃ガス温度制御が容易で制御性の良い方法である。
【0033】
【発明の効果】本発明の焼却炉用廃熱ボイラによれば、
焼却炉用廃熱ボイラの出口廃ガスの一部を伝熱管群の入
口近傍に導く廃ガス再循環通路を備えたので、焼却炉の
負荷やごみ質が変化しても伝熱管群の入口の廃ガス温度
を一定に保つことが出来、廃ガス中の塩化物等が溶融し
て伝熱管群の表面を腐食したり、溶融灰が付着したりす
ることがなく、伝熱管群の出口蒸気温度を所定の温度に
高めることが出来、高い発電効率が得られる。
【0034】更に、上記発明において、伝熱管群は再熱
器を備えたので、上記発明の効果に加え、伝熱管群の入
口の廃ガス温度を一定に保つことにより、温度の低下し
た蒸気を再熱器によって再熱することが出来、従来設け
ることが出来なかった再熱器を設けることにより容易に
高い発電効率を得ることが出来る。
【0035】又、本発明の焼却炉用廃熱ボイラの廃ガス
温度制御方法によれば、出口廃ガスの一部を伝熱管群の
入口近傍に導くと共に、この廃ガス再循環量は伝熱管群
の入口の廃ガス温度に基づいて決定されるので、上記焼
却炉用廃熱ボイラの効果と同様に、焼却炉の負荷やごみ
質が変化しても伝熱管群入口の廃ガス温度は一定の温度
になり、廃ガス中の塩化物等による伝熱管群管壁表面の
腐食及び溶融灰の付着を防止すると共に、伝熱管群の出
口蒸気温度を所定の温度に高めることが出来、高い発電
効率を得ることが出来る。
【0036】更に、上記焼却炉用廃熱ボイラの廃ガス温
度制御方法の発明において、伝熱管群の入口の廃ガス温
度が所定の温度範囲の下限を下まわった場合には、廃ガ
ス再循環量を増加させ、伝熱管群の入口の廃ガス温度が
所定の温度範囲の上限を越えた場合には、廃ガス再循環
量を減少させるので、上記焼却炉用廃熱ボイラの廃ガス
温度制御方法の発明の効果に加え、焼却炉用廃熱ボイラ
の廃ガスの温度制御が容易で制御性の良い方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼却炉用廃熱ボイラ及び焼却炉用
廃熱ボイラの廃ガス温度制御方法の一実施例を説明する
系統図である。
【図2】図1に示した I−I 線断面図である。
【図3】図1の実施例の温度バランスを示す曲線図であ
る。
【図4】従来技術に係る焼却炉用廃熱ボイラ及び焼却炉
用廃熱ボイラの廃ガス温度制御方法を説明する系統図で
ある。
【図5】図4に示した II−II 線断面図である。
【図6】図4の温度バランスを示す曲線図である。
【図7】A灰中の塩化物の加熱時間と加熱温度の関係曲
線図である。
【図8】B灰中の塩化物の加熱時間と加熱温度の関係曲
線図である。
【符号の説明】
1 焼却炉用廃熱ボイラ 3 焼却炉 4 第1放射冷却室(放射冷却室) 5 第2放射冷却室(放射冷却室) 6 水冷壁 7 過熱器(伝熱管群) 8 再熱器(伝熱管群) 9 入口近傍 15 廃ガス再循環通路 20 廃ガス 21 出口廃ガス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を焼却する焼却炉の廃ガスを水冷
    壁で放射冷却する放射冷却室で冷却し、該冷却された廃
    ガスを前記放射冷却室の下流に設けられた伝熱管群に流
    通させる焼却炉用廃熱ボイラにおいて、該焼却炉用廃熱
    ボイラの出口廃ガスの一部を前記伝熱管群の入口近傍に
    導く廃ガス再循環通路を備えたものであることを特徴と
    する焼却炉用廃熱ボイラ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記伝熱管群は、前
    記水冷壁で発生した蒸気を過熱する過熱器で発生し他の
    蒸気利用機器で仕事をした蒸気を再熱する再熱器を備え
    たものであることを特徴とする焼却炉用廃熱ボイラ。
  3. 【請求項3】 廃棄物を焼却する焼却炉の廃ガスを水冷
    壁で放射冷却する放射冷却室で冷却し、該冷却された廃
    ガスを前記放射冷却室の下流に設けられ、前記廃ガスの
    熱を回収する伝熱管群に流通させる焼却炉用廃熱ボイラ
    の廃ガス温度制御方法において、前記焼却炉用廃熱ボイ
    ラの出口廃ガスの一部を前記伝熱管群の入口近傍に導く
    と共に、該伝熱管群の入口近傍に導く出口廃ガスの廃ガ
    ス再循環量を、前記伝熱管群の入口の廃ガス温度に基づ
    いて決定することを特徴とする焼却炉用廃熱ボイラの廃
    ガス温度制御方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記伝熱管群の入口
    の廃ガス温度が所定の温度範囲の下限を下まわった場合
    には、前記廃ガス再循環量を増加させ、前記伝熱管群の
    入口の廃ガス温度が所定の温度範囲の上限を越えた場合
    には、前記廃ガス再循環量を減少させることを特徴とす
    る焼却炉用廃熱ボイラの廃ガス温度制御方法。
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