JPH08189546A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

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JPH08189546A
JPH08189546A JP25859691A JP25859691A JPH08189546A JP H08189546 A JPH08189546 A JP H08189546A JP 25859691 A JP25859691 A JP 25859691A JP 25859691 A JP25859691 A JP 25859691A JP H08189546 A JPH08189546 A JP H08189546A
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JP
Japan
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vibration
stepping motor
vibration control
frame
holding portion
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JP25859691A
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Toshiharu Tamura
敏春 田村
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SYST INTELLIGENCE PROD KK
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SYST INTELLIGENCE PROD KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】駆動装置から発生する振動を効率良く減衰し、
騒音を低く抑えて装置の静粛化を計る。また、駆動装置
および装置への取り付け作業性を格段に向上させる。 【構成】防振性を有する材料で所定形状に形成された防
振部材と、当該防振部材の所定面に固着されるとともに
駆動装置または装置に固定するための固定部が設けられ
た第1の保持部と、前記防振部材の他の所定面に固着さ
れるとともに駆動装置または装置に固定するための固定
部が設けられた第2の保持部と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータ、ソレノイド等
の駆動装置から発生する振動を効果的に低減する防振装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、OA機器等に所定の動作を行わ
せるための駆動源として、モータ等の駆動装置が利用さ
れている。このようなモータにあっては、その動作に伴
い振動を発生する。このため、モータは第7図に示すよ
うな防振装置を用いて装置のフレーム等に取り付けられ
ている。第7図において1はモータであり、モータ1は
防振装置2を介して装置のフレーム3に固着される。防
振装置2はゴム等の弾性体を図示形状に成形したもので
あり、モータ1とフレーム3、またモータ1とフレーム
3とを固定するためのボルト4およびナット5が、フレ
ーム3と接触しないような構成となっている。なお、防
振装置2は、フレーム3に設けられた所定の取付穴3a
に圧入して装着する。モータ1は防振装置2を介して、
ボルト4およびナット5によりフレーム3に固定され
る。
【0003】これにより、モータ1の動作に伴い発生す
る振動は防振装置2によって減衰されつつフレーム3に
伝達されるので、装置の騒音が低減される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の防振装置にあっては、モータからの振動を減
少させ騒音を低減させることはできるものの、その防振
効果には限界があり、今以上の振動の減少、騒音の低減
が困難となっていた。このため、近時、特に要請されて
いる装置の静粛化という課題に対して、充分な解決を計
ることができないという問題点があった。
【0005】このような問題点は、駆動装置としてステ
ッピング・モータを使用した場合において極めて顕著と
なる。ステッピング・モータは駆動トルクが大きく、か
つ高精度に制御できるものの、ステップ制御で駆動され
るため振動が発生し易い。
【0006】また、現状の防振レベルでは機器の性能を
向上させることが難しい。例えばスキャナー、プリンタ
等の機器において、高精度、高解像度で画像読取あるい
は画像記録を行おうとすると、モータからの振動が駆動
系に影響を及ぼし、例えば読取・記録画像のピッチず
れ、ジッタ等の発生の要因となっていた。
【0007】一方、これらの防振装置を用いてモータを
取り付ける場合には、事前に防振装置をフレームの取り
付け穴に圧入しておき、その上で防振装置の穴部とモー
タの取付穴とを合わせ、ボルトおよびナットで防振装置
を締め付けるように固定しなくてはならない。しかし、
防振装置は弾性体で形成されているため締め付けの度合
いが難しく、適切な固定状態を得るためには熟練を要す
る。このように防振装置のフレームへの圧入およびボル
ト・ナットによる取り付けは手間が掛かり、また労力を
要するため、取り付けの作業性を向上させる事が困難と
なっていた。
【0008】そこで本発明は、防振効果が高く、かつ取
付作業性を向上させた防振装置を提供することを目的と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、防振性を有する材料で所定形状に形成された
防振部材と、当該防振部材の所定面に固着されるととも
に作動体または装置に固定するための固定部が設けられ
た第1の保持部と、前記防振部材の他の所定面に固着さ
れるとともに作動体または装置に固定するための固定部
が設けられた第2の保持部と、を備えている。
【0010】
【作用】上記のように構成された防振装置を用いて駆動
装置を装置に組み付けると、駆動装置から発生した振動
は、充分な体積を有する防振部材によって効率良く減衰
され、装置側に伝達される振動は僅かなものとなり、騒
音も低く抑えられる。特に振動が発生し易い、ステッピ
ング・モータにおいてその防振効果が顕著に現れる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。第1〜3図は本発明の第1実施例を示す図であ
り、本実施例では駆動装置としてステッピング・モータ
を使用した場合について説明する。
【0012】第1図おいて11はステッピング・モータ
であり、ステッピング・モータ11は、防振装置12を
介して装置のフレーム13に取付けられている。
【0013】防振装置12は第2図に示すように防振部
材21、保持部(第1の保持部)22および保持部(第
2の保持部)23の組合わせにより構成されている。防
振部材21としては例えばゴム、エラストマー、硬質ス
ポンジ、ウレタン等の防振性を有する材料が所定形状
(実施例では所定厚さを有する板状)に形成されてい
る。保持部22、23は例えば所定の厚さの板金が使用
されている。保持部22にはステッピング・モータ11
の取付穴に対応したネジ部(固定部)22aが形成され
ており、保持部23にはフレーム13に形成された取付
け穴(図示せず)に対応したネジ部(固定部)23aが
形成されている。なお、保持部22、23および防振部
材21の中央部には所定寸法の穴部22b、23bおよ
び21aが形成されており、これらはステッピング・モ
ータ11の駆動軸11aを避けるために設けられてい
る。保持部22、23は防振部材21の所定面(本実施
例では対向する2面)にそれぞれ固着されている。
【0014】防振装置12の保持部22には、ステッピ
ング・モータ11が固定され、保持部23はフレーム1
3に固定される。これにより、ステッピング・モータ1
1は防振装置12を介して浮動的にフレーム13に保持
されることになる。
【0015】ここで、ステッピング・モータ11、防振
装置12およびフレーム13それぞれへの取付け手順と
しては、先にステッピング・モータ15を保持部22に
固定した後、保持部23をフレーム13に固定する方
法、また先に保持部23をフレーム13に固定した後、
保持部22にステッピング・モータ11を固定する方法
がある。したがって、作業行程その他に合わせて都合の
良い取り付け手順を選択することができる。
【0016】次に作用を説明する。本発明の防振装置1
1は防振効果が高く、かつ取付時の作業性が良いという
大きな特徴がある。
【0017】すなわち、ステッピング・モータ11の駆
動に伴い発生した振動は、保持部材22を介して防振部
材21に伝達され、防振部材21によって大幅に減衰さ
れる。これは、保持部22と防振部材23との当接面積
が大きく確保されているため、ステッピング・モータ1
1からの振動が当接する防振部材23の全面に伝達さ
れ、また防振部材21自体も伝達された振動を減衰する
のに充分な体積を有していることによる。
【0018】したがって、特に振動が発生し易い、ステ
ッピング・モータ11を使用する場合にあっても、フレ
ーム13側には極めて僅かな振動しか伝達されず騒音が
大幅に低減される。その結果、本発明の防振装置11を
使用した装置は、極めて静粛なものとなる。
【0019】このため、例えばスキャナー、プリンタ等
の機器において、高精度、高解像度で画像読取あるいは
画像記録を行う場合にあっても、ステッピング・モータ
11からの振動が駆動系に及ぼす影響は極めて低いもの
となる。したがって、前記機器の読取・記録画像のピッ
チずれ、ジッタ等の発生を最小限に抑え、高精度、高解
像度を実現することができる。
【0020】この防振装置11の実測データでは第3図
に示すように従来の防振装置と比較して大幅な騒音の低
減が確認された。すなわち、同一測定条件において、従
来の防振装置と本発明の防振装置11とを比較した場
合、ステッピング・モータの全駆動周波数領域における
騒音のレベルが従来の防振装置のそれを顕著に下回って
いる。なお、実測データに使用した防振装置11は、厚
さ4mm、硬度30゜のEPDM(エチレンプロピレン
・ゴム)が防振部材21として用いられている。このよ
うな防振部材21の厚さ、硬度は、取り付ける駆動装置
およびこれらの重さ、大きさ、その他の条件により任意
に変更すればよい。
【0021】また、防振装置11は保持部22、23の
それぞれを直接、ステッピング・モータ11およびフレ
ーム13へ固定するように構成されているため、ステッ
ピング・モータ11の取付け、およびフレーム13への
取付けに熟練を要することがないので、作業性が著しく
向上することとなった。
【0022】さらに本実施例では、保持部22、23の
ネジ部22a、23aをステッピング・モータ11の取
付穴に合わせて設けているので(前提として、フレーム
13の取付け穴をステッピング・モータ11の取り付け
穴に合わせる)、保持部22、23いずれの側にあって
もステッピング・モータ11またはフレーム13に固定
することができる。したがって、相手側を意識する事な
く取り付け作業を行う事ができるので効率的となる。
【0023】加えて、保持部22、23を共通部品とす
ることができるので、部品コストの低減にも寄与する。
【0024】また、本発明の第2実施例として、第4図
に示すように保持部22、23をそれぞれのネジ部22
a、23aが互いに干渉しないように配置すれば、取り
付け作業の効率化が計れ合理的である。
【0025】さらに、ネジ部22a、23aの何れかを
取り付け穴とし、フレーム13の取り付け穴13aをネ
ジ穴とすれば、ステッピング・モータ11側からフレー
ム13に取り付けることができるので、作業性が格段に
向上する。
【0026】第5、6図は本発明の第3実施例を示す図
であり、取付作業性をより一層高めるようにしたもので
ある。本実施例の説明にあたり、第1実施例と同一構成
部分については同一の構成番号を付記し説明を省略す
る。
【0027】第5、6図において31は防振装置であ
り、防振装置31は防振部材21、保持部22、保持部
32により構成されている。保持部32は対向する保持
部13より大きい板金が使用されており、保持部32に
は、少なくとも保持部13の領域を外した位置にフレー
ム13への取付穴32aが形成されている。この際、フ
レーム13に形成された取り付け穴13aはネジ穴とす
る。
【0028】このように、フレーム13に取付けるため
の保持部32をステッピング・モータ11が取付く保持
部22の寸法よりも大きくし、ステッピング・モータ1
1側からフレーム13への固定ができる。したがって、
取付作業性がより一層向上することとなる。
【0029】第7図は本発明の第4実施例を示す図であ
り、第1実施例の保持部に変えて駆動装置の本体を直
接、防振部材の一面側に固着したものである。本実施例
の説明にあたり、第1実施例と同一構成部分については
同一の構成番号を付記して説明を省略する。
【0030】第7図において41は防振装置であり、防
振装置41の防振部材21にはステッピング・モータ1
1が固着されている。すなわち、ステッピング・モータ
11の取付面11bが防振部材12の所定面に直接固着
され一体化されている。
【0031】これにより、ステッピング・モータ11と
防振装置41との固定、すなわち組立作業を省くことが
でき、取付作業性が格段に向上するとともに部品点数を
削減することができる。
【0032】なお、本実施例ではステッピング・モータ
11と防振装置41とを固着、一体化しているが、防振
装置41をフレーム13に固着し一体化することもでき
る。また、保持部23に代えて前記第3実施例の保持部
32を用いることもでき、このようにすれば取り付け作
業はより一層向上する。
【0033】さらに前記第1〜3実施例においては、駆
動装置としてステッピング・モータを用いた場合につい
て述べたが、これに限らない。駆動装置としては、ステ
ッピング・モータ以外のモータ、ソレノイド等のアクチ
ュエータ、またはこれらを他の部品と組み合わせたユニ
ットを含み、前記実施例と同様な効果を得ることができ
る。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、防振性を有する材料で
所定形状に形成された防振部材の所定面に保持部を固着
し、この保持部に駆動装置および装置の取り付けを行っ
ているので、駆動装置から発生した振動を効率良く減衰
し、騒音を低く抑えて装置の静粛化を計ることができ
る。また、駆動装置および装置への取り付け作業性を格
段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の全体構成を示す斜視図で
ある。
【図2】本発明の第1実施例の防振装置を示す斜視図で
ある。
【図3】本発明の効果を示した実測データ図である。
【図4】本発明の第2実施例の防振装置を示す斜視図で
ある。
【図5】本発明の第3実施例の全体構成を示す斜視図で
ある。
【図6】本発明の第3実施例を示す側面図である。
【図7】本発明の第4実施例の全体構成を示す斜視図で
ある。
【図8】従来の防振装置を用いた例を示す図である。
【符号の説明】
11 ステッピング・モータ(駆動装置) 12、21、31 防振装置 13 フレーム 22 保持部(第1の保持部) 23、32 保持部(第2の保持部)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータ、ソレノイド等
の駆動装置から発生する振動を効果的に低減する防振装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、OA機器等に所定の動作を行わ
せるための駆動源として、モータ等の駆動装置が利用さ
れている。このようなモータにあっては、その動作に伴
い振動を発生する。このため、モータは第7図に示すよ
うな防振装置を用いて装置のフレーム等に取り付けられ
ている。第7図において1はモータであり、モータ1は
防振装置2を介して装置のフレーム3に固着される。防
振装置2はゴム等の弾性体を図示形状に成形したもので
あり、モータ1とフレーム3、またモータ1とフレーム
3とを固定するためのボルト4およびナット5が、フレ
ーム3と接触しないような構成となっている。なお、防
振装置2は、フレーム3に設けられた所定の取付穴3a
に圧入して装着する。モータ1は防振装置2を介して、
ボルト4およびナット5によりフレーム3に固定され
る。
【0003】これにより、モータ1の動作に伴い発生す
る振動は防振装置2によって減衰されつつフレーム3に
伝達されるので、装置の騒音が低減される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の防振装置にあっては、モータからの振動を減
少させ騒音を低減させることはできるものの、その防振
効果には限界があり、今以上の振動の減少、騒音の低減
が困難となっていた。このため、近時、特に要請されて
いる装置の静粛化という課題に対して、充分な解決を計
ることができないという問題点があった。
【0005】このような問題点は、駆動装置としてステ
ッピング・モータを使用した場合において極めて顕著と
なる。ステッピング・モータは駆動トルクが大きく、か
つ高精度に制御できるものの、ステップ制御で駆動され
るため振動が発生し易い。これは、ステッピング・モー
タが入力された駆動パルス信号に応じて、内部のロータ
がステップ駆動することにより回転する構成に起因す
る。
【0006】また、現状の防振レベルでは機器の性能を
向上させることが難しい。例えばスキャナー、プリンタ
等の機器において、高精度、高解像度で画像読取あるい
は画像記録を行おうとすると、ステッピング・モータか
らの振動が駆動系に影響を及ぼし、例えば読取・記録画
像のピッチずれ、ジッタ等の発生の要因となっていた。
【0007】前記に関連し、機器の動作を高速化するこ
とも難しい。これは振動が駆動系に影響を及ぼすことに
よってステッピング・モータが脱調し易くなり、駆動パ
ルス信号の周波数を高くする(すなわち、高回転駆動す
る)ことができないからである。
【0008】 一方、これらの防振装置を用いてモータを
取り付ける場合には、事前に防振装置をフレームの取り
付け穴に圧入しておき、その上で防振装置の穴部とモー
タの取付穴とを合わせ、ボルトおよびナットで防振装置
を締め付けるように固定しなくてはならない。しかし、
防振装置は弾性体で形成されているため締め付けの度合
いが難しく、適切な固定状態を得るためには熟練を要す
る。このように防振装置のフレームへの圧入およびボル
ト・ナットによる取り付けは手間が掛かり、また労力を
要するため、取り付けの作業性を向上させる事が困難と
なっていた。
【0009】 そこで本発明は、防振効果が高く、かつ取
付作業性を向上させた防振装置を提供することを目的と
している。
【00010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、防振性を有する材料で所定形状に形成された
防振部材と、当該防振部材の所定面に固着されるととも
に作動体または装置に固定するための固定部が設けられ
た第1の保持部と、前記防振部材の他の所定面に固着さ
れるとともに作動体または装置に固定するための固定部
が設けられた第2の保持部と、を備えている。
【0011】
【作用】上記のように構成された防振装置を用いて駆動
装置を装置に組み付けると、駆動装置から発生した振動
は、充分な体積を有する防振部材によって効率良く減衰
され、装置側に伝達される振動は僅かなものとなり、騒
音も低く抑えられる。特に振動が発生し易い、ステッピ
ング・モータにおいてその防振効果が顕著に現れる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。第1〜3図は本発明の第1実施例を示す図であ
り、本実施例では駆動装置としてステッピング・モータ
を使用した場合について説明する。
【0013】 第1図おいて11はステッピング・モータ
であり、ステッピング・モータ11は、防振装置12を
介して装置のフレーム13に取付けられている。
【0014】 防振装置12は第2図に示すように防振部
材21、保持部(第1の保持部)22および保持部(第
2の保持部)23の組合わせにより構成されている。防
振部材21としては例えばゴム、エラストマー、硬質ス
ポンジ、ウレタン等の防振性を有する材料が所定形状
(実施例では所定厚さを有する板状)に形成されてい
る。保持部22、23は例えば所定の厚さの板金が使用
されている。保持部22にはステッピング・モータ11
の取付穴に対応したネジ部(固定部)22aが形成され
ており、保持部23にはフレーム13に形成された取付
け穴(図示せず)に対応したネジ部(固定部)23aが
形成されている。なお、保持部22、23および防振部
材21の中央部には所定寸法の穴部22b、23bおよ
び21aが形成されており、これらはステッピング・モ
ータ11の駆動軸11aを避けるために設けられてい
る。保持部22、23は防振部材21の所定面(本実施
例では対向する2面)にそれぞれ固着されている。
【0015】 防振装置12の保持部22には、ステッピ
ング・モータ11が固定され、保持部23はフレーム1
3に固定される。これにより、ステッピング・モータ1
1は防振装置12を介して浮動的にフレーム13に保持
されることになる。
【0016】 ここで、ステッピング・モータ11、防振
装置12およびフレーム13それぞれへの取付け手順と
しては、先にステッピング・モータ15を保持部22に
固定した後、保持部23をフレーム13に固定する方
法、また先に保持部23をフレーム13に固定した後、
保持部22にステッピング・モータ11を固定する方法
がある。したがって、作業行程その他に合わせて都合の
良い取り付け手順を選択することができる。
【0017】 次に作用を説明する。本発明の防振装置1
1は防振効果が高く、かつ取付時の作業性が良いという
大きな特徴がある。
【0018】 すなわち、ステッピング・モータ11の駆
動に伴い発生した振動は、保持部材22を介して防振部
材21に伝達され、防振部材21によって大幅に減衰さ
れる。これは、保持部22と防振部材23との当接面積
が大きく確保されているため、ステッピング・モータ1
1からの振動が当接する防振部材23の全面に伝達さ
れ、また防振部材21自体も伝達された振動を減衰する
のに充分な体積を有していることによる。
【0019】 したがって、特に振動が発生し易い、ステ
ッピング・モータ11を使用する場合にあっても、フレ
ーム13側には極めて僅かな振動しか伝達されず騒音が
大幅に低減される。その結果、本発明の防振装置11を
使用した装置は、極めて静粛なものとなる。
【0020】 このため、例えばスキャナー、プリンタ等
の機器において、高精度、高解像度で画像読取あるいは
画像記録を行う場合にあっても、ステッピング・モータ
11からの振動が駆動系に及ぼす影響は極めて低いもの
となる。したがって、前記機器の読取・記録画像のピッ
チずれ、ジッタ等の発生を最小限に抑え、高精度、高解
像度を実現することができる。
【0021】 この防振装置11の実測データでは第3図
に示すように従来の防振装置と比較して大幅な騒音の低
減が確認された。すなわち、同一測定条件において、従
来の防振装置と本発明の防振装置12とを比較した場
合、ステッピング・モータ11の全駆動周波数領域にお
ける騒音のレベルが従来の防振装置のそれを顕著に下回
っている。なお、実測データに使用した防振装置11
は、厚さ4mm、硬度30゜のEPDM(エチレンプロ
ピレン・ゴム)が防振部材21として用いられている。
このような防振部材21の厚さ、硬度は、取り付ける駆
動装置およびこれらの重さ、大きさ、その他の条件によ
り任意に変更すればよい。
【0022】また、防振効果が高いために駆動パルス信
号の周波数を高くすることができ、ステッピング・モー
タ11を高回転駆動させることができるようになった。
すなわち、従来の防振装置ではステッピング・モータか
らの振動が、例えば駆動系のギアに影響を与え、噛合す
るギアの当たりを不安定なものとし、滑らかな動力の伝
達に支障を来たしていた。これが、ステッピング・モー
タ11の駆動における負荷となり、入力された駆動パル
ス信号とステッピング・モータ11の実際の駆動(回
転)とに差を生じさせることとなる。この差がステッピ
ング・モータ11を高回転駆動時に顕著となり、脱調と
いう現象が発生する。ところが、本発明の防振装置12
では防振効果が高いため、脱調を抑制でき、その効果と
して駆動パルス信号の周波数を高めることができるよう
になった。なお、本発明の防振装置12では従来のもの
に比較して、駆動パルス信号周波数を30%程度、高め
られることが明らかとなった。
【0023】 また、防振装置12は保持部22、23の
それぞれを直接、ステッピング・モータ11およびフレ
ーム13へ固定するように構成されているため、ステッ
ピング・モータ11の取付け、およびフレーム13への
取付けに熟練を要することがないので、作業性が著しく
向上することとなった。
【0024】 さらに本実施例では、保持部22、23の
ネジ部22a、23aをステッピング・モータ11の取
付穴に合わせて設けているので(前提として、フレーム
13の取付け穴をステッピング・モータ11の取り付け
穴に合わせる)、保持部22、23いずれの側にあって
もステッピング・モータ11またはフレーム13に固定
することができる。したがって、相手側を意識する事な
く取り付け作業を行う事ができるので効率的となる。
【0025】 加えて、保持部22、23を共通部品とす
ることができるので、部品コストの低減にも寄与する。
【0026】 また、本発明の第2実施例として、第4図
に示すように保持部22、23をそれぞれのネジ部22
a、23aが互いに干渉しないように配置すれば、取り
付け作業の効率化が計れ合理的である。
【0027】 さらに、ネジ部22a、23aの何れかを
取り付け穴とし、フレーム13の取り付け穴13aをネ
ジ穴とすれば、ステッピング・モータ11側からフレー
ム13に取り付けることができるので、作業性が格段に
向上する。
【0028】 第5、6図は本発明の第3実施例を示す図
であり、取付作業性をより一層高めるようにしたもので
ある。本実施例の説明にあたり、第1実施例と同一構成
部分については同一の構成番号を付記し説明を省略す
る。
【0029】 第5、6図において31は防振装置であ
り、防振装置31は防振部材21、保持部22、保持部
32により構成されている。保持部32は対向する保持
部13より大きい板金が使用されており、保持部32に
は、少なくとも保持部13の領域を外した位置にフレー
ム13への取付穴32aが形成されている。この際、フ
レーム13に形成された取り付け穴13aはネジ穴とす
る。
【0030】 このように、フレーム13に取付けるため
の保持部32をステッピング・モータ11が取付く保持
部22の寸法よりも大きくし、ステッピング・モータ1
1側からフレーム13への固定ができる。したがって、
取付作業性がより一層向上することとなる。
【0031】 第7図は本発明の第4実施例を示す図であ
り、第1実施例の保持部に変えて駆動装置の本体を直
接、防振部材の一面側に固着したものである。本実施例
の説明にあたり、第1実施例と同一構成部分については
同一の構成番号を付記して説明を省略する。
【0032】 第7図において41は防振装置であり、防
振装置41の防振部材21にはステッピング・モータ1
1が固着されている。すなわち、ステッピング・モータ
11の取付面11bが防振部材12の所定面に直接固着
され一体化されている。
【0033】 これにより、ステッピング・モータ11と
防振装置41との固定、すなわち組立作業を省くことが
でき、取付作業性が格段に向上するとともに部品点数を
削減することができる。
【0034】 なお、本実施例ではステッピング・モータ
11と防振装置41とを固着、一体化しているが、防振
装置41をフレーム13に固着し一体化することもでき
る。また、保持部23に代えて前記第3実施例の保持部
32を用いることもでき、このようにすれば取り付け作
業はより一層向上する。
【0035】 さらに前記第1〜3実施例においては、駆
動装置としてステッピング・モータを用いた場合につい
て述べたが、これに限らない。駆動装置としては、ステ
ッピング・モータ以外のモータ、ソレノイド等のアクチ
ュエータ、またはこれらを他の部品と組み合わせたユニ
ットを含み、前記実施例と同様な効果を得ることができ
る。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、防振性を有する材料で
所定形状に形成された防振部材の所定面に保持部を固着
し、この保持部に駆動装置および装置の取り付けを行っ
ているので、駆動装置から発生した振動を効率良く減衰
し、騒音を低く抑えて装置の静粛化を計ることができ
る。また、駆動装置および装置への取り付け作業性を格
段に向上させることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の全体構成を示す斜視図で
ある。
【図2】本発明の第1実施例の防振装置を示す斜視図で
ある。
【図3】本発明の効果を示した実測データ図である。
【図4】本発明の第2実施例の防振装置を示す斜視図で
ある。
【図5】本発明の第3実施例の全体構成を示す斜視図で
ある。
【図6】本発明の第3実施例を示す側面図である。
【図7】本発明の第4実施例の全体構成を示す斜視図で
ある。
【図8】従来の防振装置を用いた例を示す図である。
【符号の説明】 11 ステッピング・モータ(駆動装置)12、31、41 防振装置21 防振部材 13 フレーム 22 保持部(第1の保持部) 23、32 保持部(第2の保持部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防振性を有する材料で所定形状に形成さ
    れた防振部材と、当該防振部材の所定面に固着されると
    ともに駆動装置または装置に固定するための固定部が設
    けられた第1の保持部と、前記防振部材の他の所定面に
    固着されるとともに駆動装置または装置に固定するため
    の固定部が設けられた第2の保持部と、を備えた事を特
    徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の保持部および第2の保持部が
    それぞれ対面して前記防振部材に固着されるとともに、
    該第1の保持部および、または第2の保持部に設けられ
    た固定部が前記防振部材を避けて、または前記防振部材
    が前記第1の保持部および、または第2の保持部に設け
    られた固定部を避けて形成された事を特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の防振装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の保持部および第2の保持部に
    設けられた固定部が互いに干渉しないように第1の保持
    部および第2の保持部、または固定部が配設された事を
    特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
    防振装置。
  4. 【請求項4】 前記防振部材の所定面側に前記第1の保
    持部または第2の保持部に代えて、駆動装置または装置
    の本体が固着された事を特徴とする特許請求の範囲第1
    項または第2項記載の防振装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012219827A (ja) * 2011-04-04 2012-11-12 Kokoku Intech Co Ltd 防振マウント
CN108054862A (zh) * 2017-12-24 2018-05-18 中山市得高行知识产权中心(有限合伙) 一种无人机发动机减震防护装置

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