JPH08188353A - エレベーターの遠隔異常診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 群管理運転制御方式によるエレベーターが異
常動作した時に、遠隔監視手段により遠隔地でエレベー
ターを遠隔監視する監視員が直ちに当該エレベーターの
乗客の利用状況に関する異常原因を判断することができ
るエレベーターの遠隔異常診断装置を提供する。 【構成】 異常検出装置２（ａ，ｂ）が複数台のエレベ
ーター（ａ号機、ｂ号機）の動作状態を常時監視して、
その異常動作を検出した時に異常信号を出力し、この異
常信号によりデータ収集装置３（ａ，ｂ）が予め収集し
て記憶装置に記憶させていた全てのエレベーターの動作
データを読み出させて通信回線Ｌを介して遠隔地にある
遠隔異常診断装置５に送信させ、遠隔異常診断装置５は
受信したエレベーターの動作データに基づいて、異常検
出装置２（ａ，ｂ）がエレベーターの異常動作を検出し
た時より前の全てのエレベーターの動作状態を時間経過
に従って表すエレベーターの運行図の編集データを作成
し、表示装置に転送してエレベーターの運行図を表示さ
せるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は複数台のエレベーターの
動作状態を常時監視して、その異常動作を検出した時に
遠隔地にある遠隔異常診断手段が通信回線を介して送信
されたエレベーターの動作データに基づいてエレベータ
ーの異常を診断するようにしたエレベーターの遠隔異常
診断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エレベーターに付設された各種センサー
等によりエレベーターの動作状態を検知し、その情報を
通信回線を介して遠隔地にある監視センターに送信させ
ることによりエレベーターを遠隔監視してエレベーター
に動作異常が発生すると直ちに異常警報を発するように
したエレベーターの遠隔監視方式が普及している。

【０００３】ところで、特開昭６０−１６１８７号公報
には、時間と共に変化するエレベーターの乗りかご位置
を記録すると共に、乗客が乗場釦を操作した時点からエ
レベーターが当該乗場に到着して先の乗場釦の操作によ
る呼び登録が解除されるまでの時間が記入されたエレベ
ーター運行図が表示装置に表示されるようにしたエレベ
ーターの運行管理装置が開示されている。エレベーター
の監視員はこのエレベーター運行図を見ることにより、
乗りかごの相互位置の変化や乗場呼びへの応答状況を把
握すると共に、当該ビルでのエレベーターの運行管理が
最適な状態にあるかどうかを判断することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記エレベーターの運
行管理装置によれば、エレベーターが異常動作した時は
故障警報が発せられるから、例えば、エレベーターの起
動異常やエレベーターの安全系統の異常等の発生をエレ
ベーターの監視員が直ちに認識することができる。しか
しながら、複数台のエレベーターを一括管理する群管理
運転制御方式にあっては、乗場呼び釦の操作による乗場
呼びに対して、複数台のエレベーターの中から最短時間
で応答できるかごを選択して先の乗場呼びに対する予約
をすると共に、当該かごの乗場の予約灯を点灯させて乗
客に乗場呼び予約を案内することにより乗客を安心させ
ているが、予約されたかごが途中で満員になったり、途
中階での乗客の乗降に時間が掛かり過ぎたりすると、か
ごの予約が変更される場合があり、このような乗場呼び
が変更された場合とか、乗場呼び釦を操作した後、乗り
かごが到着するまでの継続時間が長すぎる場合とかの乗
客の利用状況に関する異常原因を調べるには、１台だけ
のエレベーターの動作データを解析したのでは判断する
ことができない。

【０００５】本発明の目的は従来技術におけるかかる問
題点を解消して、群管理運転制御方式によるエレベータ
ーが異常動作した時に、遠隔監視手段により遠隔地でエ
レベーターを遠隔監視する監視員が直ちに当該エレベー
ターの乗客の利用状況に関する異常原因を判断すること
ができるエレベーターの遠隔異常診断装置を提供するこ
とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、複数台のエレベーターの動作状態を常時監
視して、その異常動作を検出した時に異常信号を出力す
る異常検出手段が前記異常信号を出力した時に、該異常
信号により複数台のエレベーターの動作データをそれぞ
れ収集して記憶手段に記憶させるデータ収集手段に、予
め記憶された全てのエレベーターの動作データを読み出
させて通信回線を介して遠隔地にある遠隔異常診断手段
に送信させ、遠隔異常診断手段は受信したエレベーター
の動作データに基づいて、異常検出手段がエレベーター
の異常動作を検出した時より前の全てのエレベーターの
動作状態を時間経過に従って表すエレベーターの運行図
の編集データを作成し、表示手段に転送してエレベータ
ーの運行図を表示させるようにしたものである。

【０００７】

【作用】異常検出手段は複数台のエレベーターの動作状
態を常時監視して、その異常動作を検出した時に異常信
号を出力する。データ収集手段は異常信号を受信する
と、記憶手段に記憶された全てのエレベーターの動作デ
ータを読み出させて通信回線を介して遠隔地にある遠隔
異常診断手段に送信する。遠隔異常診断手段は受信した
エレベーターの動作データに基づいて、異常検出手段が
エレベーターの異常動作を検出した時より前の全てのエ
レベーターの動作状態を時間経過に従って表すエレベー
ターの運行図の編集データを作成し、表示手段に転送し
てエレベーターの運行図を表示させる。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を詳
細に説明する。図１、図２および図３はそれぞれ本発明
の実施例に係るエレベーターの遠隔異常診断装置の構成
を示すブロック図、同じく、動作を示す流れ図およびエ
レベーターの動作異常時に表示部に表示されるエレベー
ター運行図の例を示す説明図である。

【０００９】図１において、１（ａ，ｂ）はそれぞれの
エレベーターの運転を制御するエレベーター制御装置、
２（ａ，ｂ）はエレベーターの動作を常時監視し、エレ
ベーターの異常動作を検出した時に異常信号を出力する
異常検出装置、３（ａ，ｂ）はエレベーターの動作デー
タを収集して内蔵する記憶装置に格納するデータ収集装
置、４ａ，４ｂはエレベーターが設置されたビルＢと遠
隔監視センターＣにそれぞれ配設され、通信回線Ｌを介
して相互に行われる通信の制御を行う通信装置、５は遠
隔監視センターＣ内に配設され、遠隔地にあるビルＢに
設置されたエレベーター（ａ号機、ｂ号機）の異常動作
を遠隔監視する遠隔異常診断装置である。

【００１０】異常検出装置２（ａ，ｂ）およびデータ収
集装置３（ａ，ｂ）はそれぞれエレベーター制御装置１
（ａ，ｂ）に接続され、データ収集装置３（ａ，ｂ）は
それぞれ通信装置４ａに接続されている。通信装置４ａ
はデータ収集装置３（ａ，ｂ）が収集したエレベーター
の動作データを通信回線Ｌを介して遠隔監視センターＣ
の通信装置４ｂに送信する。なお、図示しないが、デー
タ収集装置３（ａ，ｂ）には記憶装置が記憶した動作デ
ータを読み出す読出部が、遠隔異常診断装置５にはデー
タ収集装置３（ａ，ｂ）から転送され、通信装置４
（ａ，ｂ）を介して受信したエレベーターの動作データ
を表示する表示部がそれぞれ設けられている。本実施例
では説明を簡単にするために、遠隔監視センターＣは１
つのビルＢに設置されたａ号機、ｂ号機から成る２台の
エレベーターを監視するように構成されているが、もち
ろん、複数のビルに設置された多数のエレベーターを監
視するような構成であっても良い。

【００１１】かかる構成を有した実施例の動作を図２に
示した流れ図を参照して説明する。エレベーターの作動
中はデータ収集装置３（ａ，ｂ）はエレベーター制御装
置１（ａ，ｂ）から転送されたエレベーターの動作デー
タ、即ち、時々刻々変化する乗りかごの移動軌跡デー
タ、上方および下方の乗場呼び発生データ、行先階呼び
発生データ、乗りかごの満員データ、乗場呼びに対する
予約データ等を取り込んで、それぞれ記憶装置に記憶す
る（Ｓ１，Ｓ２，Ｓ３）。異常検出装置２（ａ，ｂ）は
エレベーター制御装置１（ａ，ｂ）から転送されたエレ
ベーターの動作データを常時監視し、エレベーターの異
常動作を検出した時、例えば、異常に長い乗場呼びの継
続時間や乗場呼びの変更を検出した時（Ｓ４，Ｓ５の何
れかがＹｅｓ）、データ収集装置３（ａ，ｂ）に異常信
号を出力する。データ収集装置３（ａ，ｂ）は異常信号
を受信すると読取部に指令を発して、記憶装置が記憶し
たエレベーターの異常動作直前の所定時間内のエレベー
ターの動作データを読み出させる（Ｓ６）。

【００１２】そして、通信装置４ａは記憶装置から読み
出された前記動作データを通信回線Ｌを介して遠隔監視
センターＣの遠隔異常診断装置５に送信する（Ｓ７）。
遠隔異常診断装置５はデータ収集装置３（ａ，ｂ）から
転送されたエレベーターの動作データに基づいてエレベ
ーター運行図を与える編集データを作成し、表示部のモ
ニター画面上にエレベーター運行図を表示させる（Ｓ
８）。

【００１３】図３に示したエレベーター運行図は異常信
号の出力に伴って表示部のモニター画面上に表示された
エレベーターの異常動作直前の所定時間内のエレベータ
ーの動作データに基づいて作成されたものの一例を示し
たものであり、横軸は時刻、縦軸の数字はビルＢの階床
を表す。エレベーター運行図中の符号ａで示す中太線は
時刻と共に変化するａ号機の乗りかごの移動軌跡を表
し、符号ｂで示す細線は同じく、ｂ号機の乗りかごの移
動軌跡を表す。横軸に平行に並ぶ三角記号の配列は乗場
呼びがあったことを表し、１個の三角形が５秒間の乗場
呼びの継続時間を示し、上向きの三角形（Ｕ）は上昇方
向の乗場呼び、下向きの三角形（Ｄ）は下降方向の乗場
呼びを示す。○印（Ｅ）はａ号機の乗りかごの行先階呼
び発生、グラフ上部の横軸に平行な太線は最上位から順
にそれぞれａ号機の開釦スイッチの押下状態、安全接触
子（セイフティシュー）のオン動作状態および満員信号
のオン動作状態をそれぞれ表す。なお、このエレベータ
ー運行図において、表示色を号機毎に異ならせて区別し
て表示し、より判り易い表示にしても良い。

【００１４】この例では、１０時１８分頃にａ号機の乗
りかごの安全接触子がオン動作し続けたため、ａ号機の
乗りかごが停止した儘の状態が継続し、上昇方向の乗場
呼びおよび下降方向の乗場呼びにも応答できないでいる
ことが一目で判る。このように、本実施例では異常検出
装置２（ａ，ｂ）がエレベーターの異常動作を検出して
異常信号を出力した時には、データ収集装置３（ａ，
ｂ）は記憶装置が記憶したビルＢのエレベーターの異常
動作直前の所定時間内のエレベーターの動作データを全
て読み出させて遠隔監視センターＣの遠隔異常診断装置
５に送信し、遠隔異常診断装置５はデータ収集装置３
（ａ，ｂ）から転送されたエレベーターの動作データに
基づいてエレベーター運行図を与える編集データを作成
し、表示部のモニター画面上にエレベーター運行図を表
示させるから、遠隔監視センターＣの監視員はビルＢの
全てのエレベーターの動作状態が表示されるエレベータ
ー運行図を見ることにより直ちに異常発生原因を判断す
ることができる。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、異
常検出手段がエレベーターの異常動作を検出した時に記
憶手段に記憶された全てのエレベーターの動作データを
読み出させて通信回線を介して遠隔地にある遠隔異常診
断手段に送信させ、遠隔異常診断手段は受信したエレベ
ーターの動作データに基づいて、異常検出手段がエレベ
ーターの異常動作を検出した時より前の全てのエレベー
ターの動作状態を時間経過に従って表すエレベーターの
運行図の編集データを作成し、表示手段に転送してエレ
ベーターの運行図を表示させるようにしたので、群管理
運転制御方式によるエレベーターが異常動作した時に、
遠隔地で遠隔監視手段によりエレベーターを遠隔監視す
る監視員が直ちに当該エレベーターの乗客の利用状況に
関する異常原因を判断することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るエレベーターの遠隔異常
診断装置の構成を示すブロック図

【図２】実施例の動作を示す流れ図

【図３】表示部に表示されるエレベーター運行図の例を
示す説明図

【符号の説明】

１（ａ，ｂ） エレベーター制御装置 ２（ａ，ｂ） 異常検出装置 ３（ａ，ｂ） データ収集装置 ４（ａ，ｂ） 通信装置 ５ 遠隔異常診断装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数台のエレベーターの運転状態を管理
   制御するエレベーター制御手段と、複数台の前記エレベ
   ーターの動作データをそれぞれ収集して記憶手段に記憶
   させるデータ収集手段と、複数台の前記エレベーターの
   動作状態を常時監視して、その異常動作を検出した時に
   異常信号を出力する異常検出手段と、前記記憶手段に記
   憶された前記エレベーターの動作データを前記データ収
   集手段に読み出させて通信回線を介して遠隔地にある遠
   隔異常診断手段に送信させるようにしたエレベーターの
   遠隔異常診断装置おいて、前記異常検出手段が前記異常
   信号を出力した時に、前記データ収集手段に前記記憶手
   段に記憶された全ての前記エレベーターの動作データを
   読み出させて通信回線を介して遠隔地にある遠隔異常診
   断手段に送信させ、前記遠隔異常診断手段は受信した前
   記エレベーターの動作データに基づいて、前記異常検出
   手段が前記エレベーターの異常動作を検出した時より前
   の全ての前記エレベーターの動作状態を時間経過に従っ
   て表すエレベーターの運行図の編集データを作成し、表
   示手段に転送して前記エレベーターの運行図を表示させ
   るようにしたことを特徴とするエレベーターの遠隔異常
   診断装置。