JPH08187321A - パチンコ玉検出装置 - Google Patents

パチンコ玉検出装置

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JPH08187321A
JPH08187321A JP88895A JP88895A JPH08187321A JP H08187321 A JPH08187321 A JP H08187321A JP 88895 A JP88895 A JP 88895A JP 88895 A JP88895 A JP 88895A JP H08187321 A JPH08187321 A JP H08187321A
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JP
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ball
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pachinko
pachinko ball
balls
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JP88895A
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English (en)
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Takatoshi Takemoto
孝俊 武本
Shigeru Handa
繁 半田
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Ace Denken KK
Original Assignee
Ace Denken KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】パチンコゲーム機盤面上のパチンコ玉を磁気的
に検出するセンサの新たな用途として、アウト孔に回収
されるアウト玉の個数をより正確に把握することができ
るパチンコ玉検出装置を提供する。 【構成】アウト玉検索ポイントテーブル380により、
通常、パチンコゲーム機の盤面上の最下位置にあるアウ
ト孔の上方において、これより下側には入賞孔が存在し
ない位置であってかつアウト孔に達するには必ずいずれ
かのポイントを通過するような位置に、アウト玉検索用
の検知ポイント群を指定する。アウト玉検索部360
は、演算データ760に基づくフレーム検索処理部(1
90)のパチンコ玉の新たな位置の検索結果と前記指定
された検知ポイント群とを照合することにより、個々の
パチンコ玉がアウト玉となったか否かを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パチンコゲーム機に係
り、特にパチンコ玉を検出する手段を扉に有するパチン
コゲーム機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パチンコゲーム機は、パチンコ
球を移動させるための空間を構成する盤面(ベースボー
ド)と、それを一定間隔を保って覆うガラス板と、パチ
ンコ球を、盤面とガラス板とで仕切られる空間内に投射
するための投射機構とを有する。パチンコゲーム機は、
その盤面が、鉛直方向に実質的に平行となるように、設
置される。盤面には、パチンコ球がそこに入って盤面か
ら排出されると入賞となる複数個の入賞孔と、入賞孔に
入らなかったパチンコ球が最終的に集まって盤面から排
出される1つの排出孔とが設けられている。
【0003】また、盤面には、盤面に沿って落下するパ
チンコ球が頻繁に衝突して、その運動方向に揺らぎを生
ずるように、多数のピン(釘)が、パチンコ球の直径相
当の長さ分、盤面から突出した状態で、実質的に垂直に
設けられている。これらのピンは、衝突するパチンコ球
を反発したり屈折したりしつつ、ある場合には入賞孔に
導き、また、ある場合には入賞孔から外れるように誘導
するように、その盤面上の分布が決定されている。
【0004】図2に示すように、通常、パチンコパーラ
ーにおいて、パチンコゲーム機10は、利用者1000
が利用しやすいように、互いに背面を向け、2列を成
し、複数台、隣接して配置されている。さらに、パーラ
ー内には、このように配列された、いわゆる島状を成し
た、パチンコゲーム機10の群がいくつか設けられてい
る。ここで、図2中には、相対するパチンコゲーム機1
0の距離、および、隣接するゲーム機10間の間隔の一
般的なサイズを示している。
【0005】ところで、このようなパチンコゲーム機を
多数配置したパチンコパーラーでは、各パチンコゲーム
機における入賞状況を管理する必要がある。すなわち、
パチンコ球の軌跡に偏りがある機械、異常な軌跡となる
機械を発見して、交換、修理等を行なう必要があるから
である。例えば、異常に入賞しやすい機械を放置してお
くと、そのパチンコパーラーの経営上の損害が大きくな
るため、そのような機械を発見する必要がある。また、
反対に、異常に入賞しにくい機械が存在すると、そのパ
ーラーは、顧客に嫌われることになるので、そのような
機械を発見する必要がある。また、ゲーム実行中におい
ては、磁石等で、パチンコ球を誘導するような不正行為
を発見する必要があるからである。
【0006】従来、このような目的のためのパチンコ玉
検出装置として、本出願人は、特願平2−244898
号(特開平4−122375号公報)の明細書におい
て、送信線および受信線を用いてパチンコ玉のセンサを
構成することを提案した。すなわち、往路および復路か
らなる送信線を複数並列してパチンコゲーム機の扉のガ
ラス基板の片面に取付けるとともに、往路および復路か
らなる受信線を、複数並列して前記送信線と電磁的に結
合するよう、これと交差させて前記ガラス基板の反対面
に取付けて構成されるセンサが示されている。
【0007】このセンサによれば、管理装置の送信回路
および受信回路に、対応する送信線および受信線を接続
して、各送信線に信号電流を順次流し、各受信線につい
て、信号電流で誘導される誘導電流を順次とりだすこと
により、受信回路で受信した誘導電流からパチンコ玉の
有無を検出すると共に、信号電流が流れている送信線
と、誘導電流を受信している受信線との組合せを知っ
て、パチンコ玉の位置を検出することができる。
【0008】すなわち、このセンサは、送信線と受信線
との交叉部分が、それぞれ検知単位となる。そして、そ
れらの検知単位がマトリクス状に配置される。
【0009】このようなセンサにより、打玉数の計数、
すなわち、投射機構によりゲーム域内に打ち込まれる玉
の数を計数する場合には、打ち玉が通過する領域のいず
れかの検知単位に着眼して、その検知単位をパチンコ玉
が通過したか否かを監視して、通過したときの信号を検
出することにより行なう。玉数の計数は、その検出信号
をカウンタで計数することにより行なう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この種の検出装置によ
れば、パチンコゲーム機の盤面上のパチンコ玉の位置、
ひいては軌跡を表わすデータが容易かつ迅速に得られ
る。また、センサがパチンコ台のカバー(扉)に取り付
けられるので、カバーを交換するだけでパチンコ台その
ものの設計とは関係のない構造とすることができる、と
いう格別の利点を有する。
【0011】本発明は、上記のようなセンサの新たな用
途として、アウト孔に回収されるアウト玉の個数をより
正確に把握することができるパチンコ玉検出装置を提供
することを目的とする。
【0012】本発明の他の目的は、装置の処理負担を軽
減できるアウト玉検索の手段を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるパチンコ玉検出装置は、パチンコゲー
ム機のゲーム域が設定される盤面に対向して配置され、
一定の周期毎に盤面上に存在するパチンコ玉を磁気的に
検出する、マトリクス状に配置された複数の検知ポイン
トを有するセンサと、該センサの各検知ポイントにおけ
るセンサ出力を周期的に採取するセンサ出力採取手段
と、該採取されたセンサ出力に対して演算を施した演算
データを各検知ポイント毎に格納するメモリと、前記採
取されたセンサ出力に基づいて、盤面上へ打ち出された
入玉の現在位置を検索する入玉検索手段と、前記入玉検
索手段によりある周期内に検出された入玉について、次
の周期にメモリに格納された演算データに基づき、当該
パチンコ玉の新たな位置を検索し、該検索により検出さ
れた新たな位置について、さらに次の周期における演算
データに基づきさらに新たな位置を検索する、という処
理を繰り返すことにより、前記入玉について、その移動
位置を順次追跡していく追跡処理手段と、アウト孔の上
方において、これより下側には入賞孔が存在しない位置
であって、かつアウト孔に達するには必ずいずれかのポ
イントを通過するような位置にアウト玉検索用の検知ポ
イント群を指定するアウト玉検索ポイント指定手段と、
前記追跡処理手段によるパチンコ玉の新たな位置の検索
結果を、前記指定された検知ポイント群と照合して、個
々のパチンコ玉がアウト玉となったか否かを判定するア
ウト玉検索手段と、この装置において、好ましくは、盤
面上のパチンコ玉の存在しうる各位置について、当該位
置の周辺に複数の検知ポイントからなる検索フレームを
定義する検索フレーム定義手段をさらに備え、前記追跡
処理手段は、前記新たな位置を前記現在の位置に対する
検索フレーム内の検知ポイント群の検索により求める。
【0014】前記入玉検索手段で検出されたパチンコ玉
について、少なくとも当該パチンコ玉の現在位置をそれ
ぞれ登録し、前記追跡処理手段により参照・更新される
玉管理テーブル手段とさらに備え、前記アウト玉と判定
されたとき、その登録を削除する。
【0015】好ましくは、アウト玉の個数を計数するア
ウト玉計数手段をさらに備え、前記アウト玉と判定され
たとき、当該計数値をインクリメントする。
【0016】
【作用】パチンコ玉を磁気的に検出するセンサにより、
パチンコ玉の盤面上での位置を検出し、その移動経路を
追跡していけば、自ずからアウト玉が判明する。しか
し、アウト孔に入るまで見届けるのは、そのパチンコ玉
をより長い時間、管理・追跡する必要があり、処理負担
が大きい。そこで、ゲーム域内においてアウト孔の上方
に、パチンコ玉がこれを通過しなければアウト孔に到達
できないようなアウト玉検索ポイント部(アウトライン
とも呼ぶ)を設ける。追跡してきた玉がこのアウトライ
ン上で検出され、あるいはアウトラインを越えたことが
検出された場合に、パチンコ玉がアウト孔に入ったと判
定する。
【0017】アウト玉と判定された玉については、アウ
ト玉数をインクリメントした後、玉管理テーブル手段で
の管理はもはや必要としない。したがって、そのための
管理エリアを他の新たな玉用に解放することができる。
アウト孔直前まで追跡するよりも早い時点でアウト玉の
判定が行えるので、処理手段(例えばマイクロプロセッ
サ)の処理負担を軽減することができる。
【0018】なお、パチンコゲーム機の盤面上のパチン
コ玉の存在しうる各検知ポイントについて、当該位置の
周辺に複数の検知ポイントからなる検索フレームを定義
することにより、追跡処理手段は、入玉検索手段で検出
されたパチンコ玉について、その現在位置に対して定義
された検索フレーム内の検知ポイント群についてのみ、
新たな位置を検索すればよい。これによっても処理手段
の処理負担が軽減される。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
【0020】実施例の説明に先立ち、本発明の実施例が
適用されるパチンコゲーム機および本実施例が前提とす
るパチンコ玉検出装置の構造および作用について説明す
る。
【0021】図3に本発明が適用されるパチンコゲーム
機の外観を示す。パチンコゲーム機は、パチンコ玉を移
動させるための空間を構成する盤面11と、それを一定
間隔を保って覆う表面ガラス体16と、パチンコ玉を、
盤面11とガラス体16とで仕切られる空間内に投射す
るための投射機構とを有する。パチンコゲーム機は、そ
の盤面11が、鉛直方向に実質的に平行となるように、
設置される。
【0022】盤面11には、案内レール12が設けられ
ている。そして、盤面11は、案内レール12で囲まれ
る内側の領域がゲーム域12aをなしている。案内レー
ル12は、投射機構で打ち込まれたパチンコ玉を、これ
に沿って案内して、ゲーム域12aの鉛直方向の上方位
置(上流部)に送る。
【0023】このゲーム域12aには、パチンコ玉がそ
こに入って盤面11から排出されると入賞となる複数個
の入賞孔14aと、上流から下流の間の盤面中央部に設
けられ、特別の入賞状態を実現するための入賞役物装置
14bと、これらの入賞孔14aに入らなかったパチン
コ玉が最終的に集まって、盤面11から排出される1つ
の排出孔15とが設けられている。入賞役物装置14b
は、パチンコ玉が特定の入賞孔14aに入るたびごと
に、その状態が変動して、ある条件が満たされると、多
数のパチンコ玉を賞として出す装置である。例えば、ス
ロットマシンのような回転ドラムを配置して、入賞ごと
にドラムを回転させ、予め定めた図柄が揃うと、特別の
入賞状態(例えば、フィーバー状態と呼ばれる)となっ
て、多数のパチンコ玉を出すように構成されたものがあ
る。正確に図示していないが、そのためには、一度に複
数個のパチンコ玉の入賞を可能にする、通常の入賞孔よ
り大きな開口を有する入賞孔が設けられる。
【0024】また、盤面11のゲーム域12aには、盤
面11に沿って落下するパチンコ玉Bが頻繁に衝突し
て、その運動方向に揺らぎを生ずるように、多数のピン
(釘)13が設けられている。これらのピン13は、図
4に示すように、パチンコ玉Bの直径相当の長さ分、盤
面11から突出した状態で、実質的に垂直に盤面11に
打ち込まれている。これらのピン13は、上述したよう
な目的で、盤面11上に分布して配置される。
【0025】また、パチンコゲーム機10の前面には、
パチンコ玉の打ち出し操作をする打ち出しハンドル33
と、賞として払い出されるパチンコ玉を受け取るととも
に新たに打ち出されるパチンコ玉を供給する受け皿34
とが設けられている。このハンドル33は、前記投射機
構の一部を構成するものである。パチンコ台の前面の、
開閉可能な扉となっているカバーのガラス面には、後述
する複数本の送信線22と、複数本の受信線26とが配
置される。
【0026】図4に示すように、盤面11を覆っている
カバーの前面ガラスは、パチンコゲーム機10の盤面1
1に沿っており、表面ガラス体16と内側ガラス体17
とによる2重構成となっている。また、内側ガラス体1
7は、ガラス基板17aと、この両面に接着された表面
ガラス17b,17cとで構成される。
【0027】次に、本発明のパチンコ玉検出装置の第1
の実施例について、図面を参照して説明する。
【0028】本実施例のパチンコ玉検出装置は、図6に
示すように、検出領域が面状の広がりを持ち、金属(パ
チンコ玉)センサとして機能するマトリクスセンサ20
と、このマトリクスセンサ20を駆動して、パチンコ玉
の存在の検知およびその位置の検出を行なう信号処理シ
ステム(信号処理装置)170とで構成される。
【0029】マトリクスセンサ20は、図5に示すよう
に、複数本の送信線22と、複数本の受信線26と、こ
れらを支持する基板とを有する。送信線22は、並行す
る往路62aと復路62bとを構成する一対の導線(ル
ープ)62で構成される。受信線26も同様に、一対の
導線62で構成される。本実施例では、この導線62
は、例えば、ポリウレタンで絶縁被覆した銅線からなる
ワイヤで構成される。一対の導線62は、その往路と復
路とが一端側において相互に接続され、他端側が、信号
の入出力端となるように構成される。
【0030】また、これらの送信線22と受信線26と
は、互いに交差するように配置される。具体的には、例
えば、送信線22が行方向に沿って一定間隔で配列さ
れ、受信線26が列方向に沿って一定間隔で配列され
る。送信線22と受信線26とをこのように配置して、
検知領域となる各送信線22と各受信線26との交点が
マトリクス状に配置される。なお、行方向および列方向
の配置は、任意であって、いずれが行であってもよい。
【0031】図6に戻り、信号処理システム170は、
マトリクスセンサ20を駆動するための送受信手段とし
て機能する送信・受信ボード171と、この送信・受信
ボード171を制御して検出信号を受信し、これに基づ
いて、パチンコ玉の有無を判定すると共に、パチンコ玉
を検知した位置を検出する処理を行なう信号処理手段と
して機能するコントロールボード172とを有する。
【0032】送信・受信ボード171は、後述するよう
に、各送信線22のうち指定された線に、それらを順次
走査して送信信号を送る送信回路40(図7参照)と、
各受信線26のうち、指定された線を順次走査して、各
受信線の受信信号を順次取り込む受信回路50(図9参
照)とを有する。
【0033】コントロールボード172は、送信・受信
ボード171に対して、走査すべき送信線および受信線
の指定を行ない、かつ、受信回路50において受信した
信号から、パチンコ玉の有無を判定すると共に、送信回
路40における送信線走査位置を示す情報および受信回
路50における受信線走査位置を示す情報に基づいて、
パチンコ玉を検知した位置を検出する。
【0034】コントロールボード172は、後述するよ
うに、パチンコ玉の存在位置を示す情報を時間的に蓄積
することことができる。この情報からパチンコ玉の移動
軌跡を求め、そのパチンコゲーム機の特性を知ることが
できる。
【0035】次に、マトリクスセンサ20について、さ
らに詳細に説明する。
【0036】マトリクスセンサ20は、図4に示すよう
に、盤面11を覆う2枚のガラス体のうち、内側、すな
わち、盤面側にある内側ガラス体17内に面状に構成さ
れており、従って、表面ガラス体16と盤面11との間
に設けられている。
【0037】図5に示すように、マトリクスセンサ20
では、複数本の送信線22が、これらが一方向に並列し
て内側ガラス体17のガラス基板17aの片面(表面側
の面)に配置して取付けられている。各送信線22は、
ガラス基板17aの端部でUターンした平行の折り返し
状となるようにして、ガラス基板17aに配置される。
【0038】また、複数の受信線26も、同様に、これ
らが一方向に並列して内側ガラス体17のガラス基板1
7aの反対面(盤面11側の面)に配置して取付けられ
ている。各受信線26は、ガラス基板17aの端部でU
ターンして平行の折り返し状となるようにして、ガラス
基板17aに配置される。そして、これらの送信線22
および受信線26の接続部として機能する送信端子部2
3および受信端子部27が、パチンコゲーム機に取り付
けたときの上下関係で、内側ガラス体17の下端に集中
して配置されている。
【0039】各受信線26は、各送信線22と電磁的に
結合するように、すなわち、送信線22からの磁束が鎖
交するような位置関係で、各送信線22に対する面平行
位置に直角の交差方向で配置される。内側ガラス体17
を基板とする各送信線22と各受信線26とで、面状の
マトリクスセンサ20が構成されている。
【0040】図5に示すように、交差する各送信線22
と各受信線26とにより囲まれる正方形状の各包囲部
(検出位置)は、パチンコ玉を感知する検知単位20
a,20a…をなしている。検知単位20a,20a…
は、本実施例では、パチンコ玉を検知できる大きさに設
定されている。
【0041】また、通常のパチンコゲーム機10に好適
なマトリクスセンサ20のパターンは、送信線22が3
2行、受信線26が32列で、検知単位20aの個数が
合計1024個のパターンであり、本実施例は、この3
2行、受信線26が32列の場合を例示している。な
お、図5では、外側以外のパターンを省略して図示して
いる。
【0042】送信線22,受信線26を構成するワイヤ
の太さは、好適に25μm〜30μmの値に設定され
る。本実施例の場合、図5に示すように、送信端子部2
3および受信端子部27の全体の幅c,dは、それぞれ
126mmであり、また、送信側折返基板19aおよび送
信側送信側引回基板19bの縦方向に伸びる部分の幅
e,fは、それぞれ10mm以下に形成される。また、送
信端子部23および受信端子部27のそれぞれ1本の幅
は、1.5mmである。
【0043】また、マトリクスセンサ20には、ガラス
基板17aの下端部に、コネクタ取付板66が設けられ
ている。コネクタ取付板66は、ガラス基板17aの下
端を両側から挟んで、内側ガラス体17に一体的に固定
されている。
【0044】そして、このコネクタ取付板66には、送
信コネクタ67aおよび受信コネクタ67bに接続され
る送信・受信ボード171(図6参照)が配置される。
送信・受信ボード171は、マトリクスセンサ20の複
数の送信線22へ送信する送信回路40(図7参照)
と、複数の受信線26から受信する受信回路50(図9
参照)と、送信コネクタ67aおよび受信コネクタ67
bとそれぞれ接続する接合コネクタ(図示略)とを有す
るものである。
【0045】ここで、接合コネクタは、送信コネクタ6
7aおよび受信コネクタ67bに対応して接続されるこ
とにより、送信端子部23を送信回路40に接続し、受
信端子部27を受信回路50に接続するものである。
【0046】なお、このようなマトリクスセンサの構造
は、本出願人が先に出願した特願平3−71013号、
特願平3−197923号等に詳細に開示されている。
【0047】次に、マトリクスセンサ20の信号処理を
行なう信号処理システムについて説明する。
【0048】図6に示すように、マトリクスセンサ20
は、送信・受信ボード171を介してマトリクスセンサ
20と離間して配置されるコントロールボード172の
制御下にある。コントロールボード172は、情報処理
装置30(図1に示す)を有する。コントロールボード
172は、通信回線179で、他のシステムと通信可能
となっている。また、コントロールボード172は、情
報処理装置30がカード173から各種パラメータ群を
読込むためのインターフェース部176を有している。
情報処理装置30は、中央処理ユニット(CPU)30
aと、そのプログラムおよびデータを記憶するためのメ
モリ30bとを少なくとも有する。
【0049】カード173は、インターフェース部17
6に着脱可能なメモリカードである。カード173に
は、後述する種々のデータを外部から供給するために用
いられる。カードに搭載されるメモリとしては、RA
M、マスクROM、EPROM、ワンショットROM等
を用いることができる。なお、カードに代えて、フレキ
シブルディスクを使用することも可能である。
【0050】コントロールボード172に接続されてい
る記憶装置174は、パチンコゲーム機10の盤面11
と内側ガラス体17との間で動き回るパチンコ玉の軌跡
等の各種データを記録するための装置である。この記憶
装置174は、例えば、ハードディスク型記憶装置によ
り構成できる。この記憶装置174に記録されたデータ
は、パチンコ玉の軌跡を解析するためのソフトウェアを
組み込んだコンピュータ175にかけられて演算処理さ
れ、パチンコパーラーで必要なデータを得ることができ
る。なお、上述した各種ポイントを示すデータを、この
記憶装置174に記憶させる構成としてもよい。また、
この処理は、情報処理装置30に余力があれば、情報処
理装置30で行ってもよい。あるいは、通信回線179
で接続されたホストコンピュータ(図示せず)で行って
もよい。
【0051】前記送信回路40は、各送信線22に所定
の周波数の信号を順次送信する回路である。前記受信回
路50は、送信回路40と同期して各受信線26から信
号を順次受信する回路である。送信回路40による送信
線22への電圧波形としては、周波数1〜1.3MHz
の0Vを中心とした連続のサイン波が好適である。
【0052】送信回路40は、図7に示すように、送信
コネクタ41と、送信コネクタ41に接続した増幅器4
2と、送信線切替パルスが入力される毎に、信号電流を
送信すべき送信線を順次切り替える送信線切替回路43
aと、送信コネクタ67aを介して前記32回路の送信
線22の一端側にそれぞれ接続した32回路のトーテム
ポールドライバ45とにより構成されている。送信線切
替回路43aは、チャンネル切替ロジック43と、増幅
器42およびチャンネル切替ロジック43に接続され
て、増幅器42を、指定された送信線22のトーテムポ
ールドライバ45に接続すべく切替を行なうアナログマ
ルチプレクサ44とを有する。トーテムポールドライバ
45は、NPNトランジスタとPNPトランジスタと
を、それぞれのエミッタどうしおよびベースどうしを接
続して構成される。
【0053】チャンネル切替ロジック43は、図8に示
すように、カウンタIC43aを有し、クロック用とリ
セット用との2本の制御線で動作するものである。具体
的には、後述するシーケンス制御回路47から出力され
る送信線切替パルス信号が入力される毎に、アナログマ
ルチプレクサ44の接続状態を、指定された送信線と接
続されるように、順次切り替えるものである。
【0054】受信回路50は、図9に示すように、受信
コネクタ67bを介して前記32回路の受信線26にそ
れぞれ接続した32個のCT(変流器)51と、CT5
1に接続され、受信線切替パルス信号が入力される毎
に、検出対象となる受信線を順次切り替える受信線切替
回路54aと、受信線切替回路54aに接続される増幅
器53と、増幅器53および受信線切替回路54aに接
続される受信コネクタ55とを有する。受信線切替回路
54aは、アナログマルチプレクサ52と、アナログマ
ルチプレクサ52に接続されるチャンネル切替ロジック
54とを有する。従って、受信回路50は、各CT51
を介して各受信線26から信号を受信するようになって
いる。
【0055】CT51は、各受信線26とアナログマル
チプレクサ52とを絶縁するとともに、各受信線26か
らの信号を10倍の大きさに変換するものである。アナ
ログマルチプレクサ52は、チャンネル切替ロジック5
4の指令に基づき、指定されたCT51から信号を順次
受信するものである。増幅器53は、アナログマルチプ
レクサ52からの信号を増幅するものである。
【0056】チャンネル切替ロジック54は、送信回路
40のチャンネル切替ロジック43と同様の要素であ
る。この場合、シーケンス制御回路47から出力される
受信線切替パルス信号が入力され(スキャン周期)毎
に、その立ち下がりのタイミングで、アナログマルチプ
レクサ52の入力切替状態を変化させるものである。
【0057】図1に示すように、コントロールボード1
72は、情報処理装置30を有し、その送信側には、C
PUコネクタ46を介して情報処理装置30から入力さ
れるスタート信号に応じて送信クロックを送るシーケン
ス制御回路47と、この送信クロックを受けて送信信号
を出力するバンドパスフィルタ48と、送信信号を増幅
して送信コネクタ41へ送る増幅器49とを有してい
る。
【0058】また、コントロールボード172の受信側
には、受信コネクタ55からの受信信号を増幅する増幅
器71と、増幅信号を受けるバンドパスフィルタ72
と、バンドパスフィルタ72からの受信信号を受ける全
波整流・増幅器73と、全波整流・増幅器73からの受
信信号を受ける2段のローパスフィルタ74a,74b
と、ローパスフィルタ74bからの受信信号を受け、シ
ーケンス制御回路47により制御されてこの受信信号を
デジタルデータに変換して出力するA/Dコンバータ7
5と、このデジタルデータを生データXとして受け、こ
の生データXを検知位置における電磁特性の変化の有無
(パチンコ玉の有無)を表わす反応データZに変換する
データ変換回路部200と、シーケンス制御回路47に
より制御されてこの反応データZを書込み、CPUコネ
クタ46からの読出信号に応じてこの反応データZをC
PUコネクタ46を介して情報処理装置30に送る双方
向(デュアルポート)RAM76とを有している。
【0059】ここで、この受信側のアンプ類は、マトリ
クスセンサ20が盤面11の案内レール12(金属)に
反応しても、この反応による入力信号がA/Dコンバー
タ75の入力電圧範囲以上にならないように、その特性
が設定されている。
【0060】また、データ変換回路部200は、下記式
(1),(2)の演算を行なうもので、絶対値減算を行
なえる演算回路、データX0,Sや、演算結果を記憶す
るメモリ等より構成されるものである。
【0061】Y=|X−X0 | …(1) Z=Y−S …(2) ここで、X0 はオフセットデータ(パチンコ玉が無いと
きの生データX)を、Sは生データXのリップル分を除
去するための予め定められた変動幅の値を有するスライ
スデータを、Yは、前記リップル分を含む変化分データ
を表わす。
【0062】双方向RAM76は、シーケンス制御回路
47により制御されて、検知単位20a毎に前記反応デ
ータZを記憶するものである。すなわち、前記データ変
換回路部200から出力される反応データZをシーケン
ス制御回路47からの信号により指定される所定のアド
レスに登録するものである。また、双方向RAM76の
容量は、例えば、2048バイトである。
【0063】なお、コントロールボード172は、電源
ユニット77を有している。
【0064】情報処理装置30は、カード173の各種
パラメータ等を読込むとともに、双方向RAM76の反
応データZを読込み、反応データZを入力パラメータデ
ータと対応させて、パチンコ玉を監視するようになって
いる。
【0065】次に、このパチンコ玉検出装置の作用につ
いて説明する。
【0066】情報処理装置30からのアドレス信号およ
びコントロール信号は、CPUコネクタ46を経て出力
される。処理フローを図10に示す。
【0067】まず、打玉検出における装置の調整につい
て述べる。盤面11には、ピン13、案内レール12等
の種々の金属が配置されているため、それらの近傍の受
信線からの受信信号が、それらの金属の存在によって
は、飽和値とならないように、A/Dコンバータ75を
調整する。
【0068】パチンコゲーム機が起動されると、情報処
理装置30は、カード173の記憶内容を読み込んで、
メモリ30bに格納する。
【0069】情報処理装置30からシーケンス制御回路
47にスタート信号が送信されると、シーケンス制御回
路47が、16MHzの基本クロックを、必要なクロッ
ク周波数に応じて分周して、送信クロックを生成して、
出力する。シーケンス制御回路47からの送信クロック
は、バンドパスフィルタ48によりデジタル信号からア
ナログ信号へと波形整形された後、増幅器49により増
幅され、送信コネクタ41へと送られる。
【0070】さらに、送信信号は、送信回路40で増幅
器42により増幅される。アナログマルチプレクサ44
は、チャンネル切替ロジック43により切替えられたチ
ャンネルで、トーテムポールドライバ45を順次動作
し、それにより、トーテムポールドライバ45は、増幅
器42により増幅された信号を送信線22に順次出力す
る(ステップ91)。
【0071】すると、信号が送信された送信線22と交
差する各受信線26には、電磁誘導作用により起電力が
発生する。このとき、金属であるパチンコ玉が検知単位
20aに接近すると、その影響で、その検知単位20a
では、受信線26の起電力(誘導電流)の大きさが変化
する。
【0072】この理由は、現在のところ必ずしも明確に
解析されているわけではないが、次のように、考えるこ
とができる。まず、パチンコ玉は、鉄が主成分であるの
で、強磁性体である。このため、送信線22で発生し、
空間に拡がっていた磁束が、パチンコ玉に集束すること
になり、受信線を鎖交する磁束の分布が変化する。ま
た、パチンコ玉には、送信線22による磁束を打ち消す
方向に渦電流が発生する。これらのため、誘導電流が変
化する。いずれが支配的であるかは、パチンコ玉と送信
線22および受信線26との相対位置関係によって異な
る。また、受信線26に鎖交する磁束が増加するか否か
についても、パチンコ玉との相対位置関係によって異な
る。さらに、背景に金属が存在するか否かによっても異
なる。いずれであっても、変化を検出できればよい。
【0073】受信側では、受信回路50は、シーケンス
制御回路47により送信回路40と同期し、各CT51
を介して各受信線26から信号を受信する。図9に示す
ように、複数の受信線26にあらわれる誘導電流による
電圧が、CT51により10倍の大きさに変換される。
CT51により変換を行なうため、それだけ受信側の増
幅器の増幅度を大きくする必要がなくなる。CT51
は、マトリクスセンサ20の各受信線26と受信回路5
0のアナログマルチプレクサ52とを絶縁させ、パチン
コゲーム機10から受信回路50にノイズが入るのを防
止する。
【0074】アナログマルチプレクサ52は、CT51
を経た各受信線26からの信号を、チャンネル切替ロジ
ック54により切替え、順次出力する。アナログマルチ
プレクサ52からの信号は、増幅器53により100倍
に増幅される(ステップ92)。
【0075】受信信号は、受信コネクタ55、増幅器7
1、バンドパスフィルタ72を経て、増幅および検波が
行なわれる。バンドパスフィルタ72からの受信信号
は、アナログ信号となっており、このアナログ信号は、
全波整流・増幅器73で波形整形が行なわれる。その全
波整流・増幅器73からの信号は、ローパスフィルタ7
4a,74bで積分処理により平均化が行なわれる。
【0076】次に、受信信号は、A/Dコンバータ75
に送られる。A/Dコンバータ75は、例えば、12ビ
ット等の所定のビット単位で受信線26からの信号をデ
ジタル信号に変換し、シーケンス制御回路47により制
御されて、変換後の信号(検知データ)を出力し、デー
タ変換回路部200による前述のデータ変換が施された
後、双方向RAM76に登録する(ステップ93)。
【0077】すなわち、双方向RAM76は、シーケン
ス制御回路47からの書込信号により、情報処理装置3
0の動作とは無関係に検知データを記録した後、シーケ
ンス制御回路47が出力するクロック信号に基づくスキ
ャン周期毎(例えば、28ms毎)に、アドレスを+1
アップして(ステップ94)、検知データの変換データ
(演算データ)を検知単位20a毎に異なるアドレスに
登録する。
【0078】そして、以上の動作は、前記スキャン周期
毎に繰返し行なわれる。すなわち、前記スキャン周期毎
に、受信回路50のアナログマルチプレクサ52が各受
信線26からの信号を切替え(ステップ95)、32本
の受信線26について32回の上記動作を行なう。これ
が完了すると(ステップ96)、その時点で、送信回路
40のアナログマルチプレクサ44が送信線22を切替
え(ステップ97参照)、再び、同様の処理が32回繰
返されて、順次各検知単位20aについての変換データ
が、双方向RAM76の異なるアドレスに検知単位20
aと対応付けられて登録される。
【0079】したがって、情報処理装置30は、双方向
RAM76に登録された検知データを読出すことで、上
記検出信号処理動作とは独立して、どの時点で、どの位
置(検知単位20a)にパチンコ玉が存在していたか
を、随時、任意の検索条件で判断することができる。
【0080】このため、情報処理装置30のCPU30
aは、必要に応じて、読出スタート信号により双方向R
AM76に記録された前記検知データをメモリ30bに
読込み、演算処理を行ない、検知データをカード173
に記憶されるパチンコ玉のパラメータデータと対応させ
てパチンコ玉を監視することができる。
【0081】本実施例では、各種パラメータをカード1
73に記憶させている。これは、パチンコゲーム機が交
換された場合に、新しい機械に対応した各種ポイントデ
ータを、カードで供給することにより、態様が迅速かつ
容易に行なえるようにするためである。しかし、本発明
は、これに限定されない。その他の記憶媒体、例えば、
メモリ30bに格納する構成としてもよい。
【0082】さて、以上のようなパチンコ玉検出装置を
用いて、より高精度にパチンコ玉の行方を追跡すること
ができる手法(軌跡アルゴリズムと呼ぶ)を、以下に詳
細に説明する。これは、双方向RAM76から読み出し
た演算データを用いてパチンコ玉の軌跡を追跡するため
のアルゴリズムである。
【0083】図57により、この軌跡アルゴリズム65
0の概略処理手順を示す。このフローに現れる種々のフ
ラグおよび処理の詳細は後述するので、ここではそれら
の名称のみを実行順に示すのみとする。この軌跡アルゴ
リズム650は、センサのスキャン周期毎に実行され
る。
【0084】まず、初期化処理として、入賞フラグをリ
セットし(651)、捕捉禁止フラグをリセットする
(652)。次に、通常玉のフレーム内検索処理を行い
(653)、次に入玉検索処理を行う(654)。さら
に、捕捉玉のフレーム内検索処理を行い(656)、捕
捉禁止フラグ272(図35)をセットする(65
7)。最後に、捕捉ブロック内検索処理658を行う。
後述するように、これらの各処理は、一定周期内に実行
する必要があり、その周期性が乱れそうなときには、ス
キップフラグがONされ、処理が途中であっても強制的
に終了させられる。したがって、比較的重要な処理を先
に実行し、そうでない処理を後に実行するように処理順
を設定してある。
【0085】図11に、投射機構により投射されたパチ
ンコ玉を最初に検出するための入玉検索のための手段を
説明する。図11には、投射された玉がゲーム域12a
に出る直前の案内レール12の案内通路の位置に10個
の入玉検索ポイント部900を設けている。これは、高
速に打ち込まれる1個1個のパチンコ玉を比較的精度よ
く把握するための設定領域である。また、利用するデー
タとしては、前記スライスデータ、オフセットデータに
よる減算を行わない生データを用いる。これは、異なる
時点の反応の変化量を見るためである。この生データ
は、A/Dコンバータ75から出力されたままのデータ
であり、本実施例では0〜255のレベルを有する。生
データを用いるために、メモリ(30b)上のスライス
データを格納しておくスライスエリア、およびオフセッ
トデータを格納しておくオフセットエリアの各々の入玉
ポイント部に対応するアドレスに00Hを設定してお
く。なお、両エリアにはそれぞれ、32×32(=10
24)ポイント分のアドレス(容量)を確保してある。
【0086】図12に、入玉検索処理のソフトウエア構
成を示す。この処理は、入玉検索部901によりスキャ
ン周期(ここでは28ms)毎に実行される。入玉検索
部901への入力は、双方向RAM76からのリードデ
ータ760、後述する入玉検索ポイントテーブル130
および固定検索フレームタイプ指定テーブル220のデ
ータ、入玉ウェイトカウンタ134のカウント値、入玉
ポイント部生データ格納領域の前回値138である。入
玉検索ポイントテーブル130および固定検索フレーム
タイプ指定テーブル220のデータは、カード173か
ら与えられる。入玉ウエイトカウンタ134の初期値を
格納する入玉ウエイト回数133の値もカード173か
ら与えられる。カード173は、可搬性の記録媒体であ
れば、フレキシブルディスクのようなものであってもよ
い。これらの入力に基づいて、入玉検索処理部901
は、リアルタイムの入玉数135、バッチの入玉数13
6、見逃し玉数139を出力する。さらに、玉管理テー
ブル150および追跡テーブル280への設定・更新
値、入玉ポイント部生データ格納領域の今回値137を
出力する。リアルタイムの入玉数135は、短時間の一
定周期(例えば4秒)毎にホストコンピュータに送られ
るデータであり、バッチの入玉数136はパチンコパー
ラーの営業終了後にまとめてホストコンピュータに送ら
れるデータ(その台の日の入玉総数)として用いる。
【0087】なお、図1の構成では、データ変換回路部
200を用いて上記式(1)、(2)の演算を行った
が、データ変換回路部200を省略し、この演算を情報
処理装置30で行ってもよい。その場合に、一旦、RA
M76に生データを取り込み、必要なポイントについ
て、上記式の演算を行い、RAM76に書き戻す。ま
た、生データを必要とする処理については別途そのため
の記憶テーブル(137、138等)を設けている。
【0088】図14、図15、図16に、入玉検索処理
に用いるテーブル構成を示す。図14(a)は、入玉検
索ポイントを定義する入玉検索ポイントテーブル130
を示す。このテーブルは、本例では最大10ポイントま
で定義できる。各ポイントにつき、その縦横の座標Tx
131,Rx132を設定する。ポイント#1から順に
つめて設定し、設定しないエントリ(エリア)には座標
0を格納しておく。検索時には、座標0を検出すると、
そこで検索を終了するようにしておく。図14(b)
は、入玉のウェイト回数エリア133、ウェイトカウン
タエリア134を示す。これらの機能については、後述
する。図14(c)(d)は、それぞれ、リアルタイム
とバッチの入玉数エリア135,136を示す。図15
(a)は、入玉ポイント部生データ格納領域の今回値エ
リア137と前回値エリア138を示す。前記入玉検索
ポイントテーブル130の最大10ポイントに対応して
それぞれ10ポイント分用意されている。図15(b)
は後述するように見逃した玉数を格納する見逃し玉数エ
リア139を示す。
【0089】図16(a)は、本実施例において一貫し
て用いる玉管理テーブル150を示す。このテーブル
は、通常玉エリア151と、捕捉玉エリア152からな
る。通常玉とは、入玉検索で細くされた玉を意味し、捕
捉玉とは、入玉検索で見逃され後に捕捉エリア(後述)
で捕捉された玉をいう。捕捉玉は、後述するように、通
常玉に復活する場合がある。通常玉と捕捉玉を一括し
て、玉管理テーブル150に登録された玉は管理玉と呼
ぶ。本実施例では、通常玉と捕捉玉の各々につき同時に
最大10個(計20個)の登録を可能としている。これ
は、盤面上に通常玉が最大10個同時に存在する場合に
対応できる数値である。通常、600ms位に1個のパ
チンコ玉が投射され、1個のパチンコ玉は数秒以内に入
賞孔またはアウト孔内に消えるので、この程度で十分で
あると考えられる。1個の管理玉について、15バイト
(1アドレス1バイト)のエリア154〜168が用意
される。154は、その管理玉エリアが現在空き状態に
あるか使用中かを示す使用/未使用フラグのエリアを示
す。ここでは、0が空き、1が使用中を示す。なお、本
明細書において、エリアを示す参照番号は、便宜上、そ
のエリアに格納される内容を示すものとして用いる場合
がある。155は、現在の玉座標Tx156,Ty15
7における固定検索フレーム(後述)のタイプを示し、
ここでは0〜49の50種類のタイプを指定できる。な
お、このエリア155の値が255の場合、その位置に
おいて、後述する変形フレームが指定されていることを
示す。158,159は、それぞれ、現在の玉座標の次
の時点の玉座標の候補となる一番強い反応の座標Tx,
Rxを示す。座標Tx,Rxは、マトリクスセンサの分
解能に対応し、それぞれ1〜32のいずれかの値であ
る。160は、一番強い反応の値を示す。本実施例にお
ける反応値の値は0〜255である。161は、後述す
る入賞玉の検索処理において用いる見逃し待ちカウンタ
であり、ここではその値の設定可能範囲は0〜99であ
る。162は、後述する重なり判定処理に用いる重なり
待ちカウンタであり、その設定可能範囲は0〜99であ
る。このエリアは、捕捉玉については、後述する捕捉玉
の復活処理に用いる復活待ちカウンタとして用い、その
設定可能範囲は0〜99である。163は、予備エリア
である。164は、重なり判定処理に用いる重なりフラ
グであり、0は管理玉の重なりなし、1は管理玉が重な
ったことをそれぞれ意味する。165〜168は予備の
エリアである。
【0090】図16(b)は、管理玉の移動軌跡(移動
ポイント)を追跡するための追跡テーブル280を示
す。追跡テーブル280は、通常玉と捕捉玉のそれぞれ
について、最大10個の管理玉の各々の玉跡の座標を1
28個まで格納することができる。大抵の場合、128
個で足りるが、これを越える場合には、古い座標から順
に上書きしていく。「ポインタ」は、玉跡の座標をセッ
トする位置を示す。
【0091】なお、本実施例における各種のカウンタお
よびフラグは、メモリの1アドレスを利用して構成して
いる。
【0092】さて、そこで図13により、入玉検索処理
901の手順を説明する。この処理は、スキャン周期
(28ms)毎に起動される。
【0093】まず、入玉ウェイトカウンタ134が0か
否かをチェックする(921)。この待機時間は、確実
に打玉を検知し、しかも重複してカウントしないよう
に、パチンコ玉が前記複数の打玉ポイントを通過するの
に要する時間よりも長く、玉を打出す周期よりも短い値
に設定する。ここでは、スキャン周期の回数で設定する
ので、17程度とする。ウェイトカウンタの0になるま
では、そのカウンタ値をデクリメント(−1)して(9
29)、この処理を終了する。カウンタ値が0になれ
ば、待機時間が終了したと判断して、ステップ922以
降の処理へ進む。ステップ922では、マトリクスセン
サの検出データの最大値を格納する変数maxを0にク
リアする。そこで、ステップ923〜928で、複数の
入玉検索ポイントの値をチェックして意味のあるデータ
の最大値を求める。すなわち、入玉ポイント#1〜#1
0について終了しない間(923)、かつ、そのテーブ
ルエントリに有効値が設定されている間(924)、そ
の入玉ポイントの今回値と前回値の生データの差(変化
量)の絶対値を変数datとして求め(925)、その
値が予め定めたスライス(閾値または基準値)より大き
いかを調べる(926)。このスライスは、各入玉検索
ポイント毎に別々の値を設定することができる。図11
から分かるように各入玉検索ポイントによってその検知
単位の領域とパチンコ玉の通路との重なり具合に差があ
り、かつ、周囲の金属レールとの距離の差等があり、こ
れらの差をスライスの値に反映させることができる。ス
ライスより小さければ、有意な値ではないとして、ステ
ップ23に戻る。スライスより大きければ、入玉ポイン
ト#1〜#10のうちいままで調べたデータ中の最大値
より大きければ(927)その値を新たなmaxに代入
する(928)。このようにして、入玉ポイント#1〜
#10の有意な検出データ変化量のうちの最大の値が得
られる。なお、ステップ928では最大値となった入玉
ポイントの座標も頂点ポイントとして記憶しておく。
【0094】入玉ポイント#1〜#10について終了し
たとき(923)、または、以降のテーブルエントリに
有効値が設定されていないと判明した(座標0を検出し
た)とき(924)、ステップ930へ進む。ここで
は、変数maxが0より大きいか、すなわち、入玉が検
出されたかを調べる(930)。入玉がないと判定され
たときはこの処理を終了する。あると判定されたとき
は、リアルタイムおよびバッチ双方の入玉数135,1
36をインクリメント(+1)する(931)。次に、
次回の入玉検索処理に備えて、入玉のウェイト回数13
3をウェイトカウンタ134にセットする(932)。
そこで、玉管理テーブル150(図16(a))に空き
エントリがあるか調べる(933)。空きがなければ、
その玉を見逃し玉として見逃し玉数139をインクリメ
ントして(936)、この処理を終了する。空きがある
場合には、玉管理テーブル150に新たな管理玉として
登録する(934)。すなわち、管理玉の使用/未使用
フラグ154を1にし、前記記憶した頂点の座標を現在
の玉座標(現在位置)156,157に格納する。ま
た、その現在位置における固定検索フレームのタイプ1
55を後述する固定検索フレームタイプ指定テーブル2
20の参照により設定する。さらに、各種カウンタ、フ
ラグの初期値を設定する。最後に、パチンコ玉の盤面上
での軌跡を追跡するための追跡テーブル280に最初の
座標を登録し(935)、処理を終了する。
【0095】次に、フレームの検索処理、すなわち、検
索フレーム内玉反応の検索処理について、説明する。管
理玉が現在の位置から次の時点にどこへ移動するかは、
短時間では、その現在位置の周囲のある範囲内であるこ
とが推定される。検索フレームとは、そのような範囲を
示し、その範囲の中で最も反応値の大きいポイントをそ
の管理玉の新たな位置とみなすためのものである。
【0096】図17、図18により、この処理で利用す
る検索フレームの構成およびその指定の仕方を説明す
る。
【0097】図17は、本実施例で用いる固定検索フレ
ーム(単に固定フレームともいう)を示す。この固定フ
レームは、四角形を基本としたフレームであり、その大
きさおよび位置は、現在の玉座標182(図では例では
Tx=8,Rx=6)を基準として、その左上に位置す
る四角形の左上隅181の相対座標(図の例ではTx=
−2,Rx=−2)と、右下に位置する四角形の右下隅
183の相対座標(図の例ではTx=1,Rx=2)で
指定する。
【0098】図18は、それぞれ本実施例で用いる自在
検索フレーム(単に自在フレームともいう)を示す。こ
の自在フレームは形に制限のないフレームであり、現在
の玉座標を基準として、すべてのフレーム構成ポイント
を相対座標で指定する。図では丸数字1が現在位置であ
り、丸数字2〜13がフレーム構成ポイントである。自
在フレームは、現在位置におけるパチンコ玉が次に進む
方向が既知の狭い範囲の方向に限定される場合に適して
いる。図示の例は、例えば、投射されたパチンコ玉がゲ
ーム域に放出される付近のポイントに適用しうる。検索
ポイントのチェックは短時間に行う必要があるので、一
度にチェックできるポイント数には限りがある。したが
って、このようにチェック対象を限定することは有用で
ある。また、同じ数のポイントをチェックするにして
も、一方向に偏ってポイントを設定できるので、高速の
玉の移動にも対処できる利点がある。
【0099】どのポイントにどのような検索フレームを
設定するかは、パチンコゲーム機の機種毎に変わりう
る。
【0100】図19、20により、このような検索フレ
ームの検索順序を示す。図19は固定検索フレーム18
0のポイント検索順序を示し、この例では左上隅から下
へ進み、次に1ポイント右にずれて下へ進み、同様な手
順を右下隅まで繰り返す。図20は、自在検索フレーム
184についてのポイント検索順序を示し、この例で
は、丸数字の小さい順に検索する。これらは、単なる一
例であり、これに限るものではない。
【0101】図21に、フレーム検索処理のソフトウエ
ア構成を示す。この処理は、フレーム検索処理部190
によりスキャン周期毎に実行される。その入力は、カー
ド173からアップロードされるパラメータ群と、スキ
ップフラグ230、およびRAM76からのリードデー
タ760である。パラメータ群は、固定検索フレームタ
イプ指定テーブル220、自在検索フレームタイプ指定
テーブル222、固定検索フレームタイプ情報テーブル
224、および自在検索フレームタイプ情報テーブル2
26、重なり待ち回数234である。これらのテーブル
の詳細については次に説明する。この処理で利用するリ
ードデータ760は、生データに上記オフセットおよび
スライスを反映した演算データである。これらの入力デ
ータに基づいて、フレーム検索処理部190は、玉管理
テーブル150の内容を更新する。
【0102】フレーム検索処理の具体的な手順を説明す
る前に、この処理で用いるテーブル構成を説明する。
【0103】図23(a)は、固定検索フレームのタイ
プ指定テーブル220の構成例を示す。このテーブル
は、32×32(すなわち1024)の個々のポイント
について、そのポイントに割り当てられた固定検索フレ
ームのタイプを示す。本実施例では、50個のタイプが
利用でき、その値は0〜49のいずれかである。なお、
そのポイントに自在検索フレームが割り当てられる場合
には、数値255が設定される。図23(b)は、自在
検索フレームのタイプ指定テーブル222の構成例を示
し、1024個の各ポイントについて49個のタイプが
指定できる。その数値は1〜49のいずれかである。但
し、数値0が設定されたときは、そのポイントには固定
検索フレームが割り当てられていることを示す。
【0104】図24(a)は、固定検索フレームのタイ
プ情報テーブル224の構成例を示す。この例では、5
0種類の各タイプ毎に、図20(a)で前述したような
管理玉の現在位置を基準とした四角形の対角点の相対座
標Tx,Rxで指定される。Tx,Rxの範囲は−31
〜31である。
【0105】図24(b)は、自在検索フレームのタイ
プ情報テーブル226の構成例を示す。このテーブル
は、49種の各タイプ毎に、現在位置を基準とした50
個のポイントの相対座標を設定することができる。T
x,Rxの範囲は−31〜31である。
【0106】図25(a)は、スキップフラグ230を
示す。本実施例の各処理は、スキャン周期ごとに実行す
る必要があるため、その周期内の特定の時点でスキップ
フラグ230をONに設定することにより、その周期に
おける当該処理を強制的に終了させるためのものであ
る。このような場合に、本処理では、重要性の高い通常
玉の処理を優先するために、捕捉玉の処理のみをスキッ
プするようにしている。図25(b)は、管理玉同士の
重なりおよびその解消の回数を表す重なり数、および重
なり解消数を格納するエリア231,232を示す。図
25(d)は、通常玉になった捕捉玉の数を格納するエ
リア233を示す。図25(e)は、後述する管理玉同
士の重なりが発生したとき、スキャン周期何回分まで重
なりの状態を許容するかを示す重なり待ち回数234を
示す。図25(f)は、玉を見逃した後、スキャン周期
何回分待って入賞とするかを、1024個の各ポイント
毎に設定できる見逃し待ち回数テーブル505を示す。
待ち回数の設定可能範囲は実施例では0〜99である。
【0107】図22により、フレーム検索処理部190
の実行するフレーム内反応検索処理の手順を説明する。
この処理は、スキャン周期毎に、通常玉および捕捉玉の
双方について実行される。
【0108】以下のステップを玉管理エリアの管理玉#
1〜#10について、順次実行し(201)、すべて終
われば、この処理を終了する。また、スキップフラグが
ONの場合、それが捕捉玉についての処理ならば(20
2)、処理を終了する。選択した玉管理エリアについて
の使用/未使用フラグ154が0(未使用)ならばステ
ップ201に戻る(203)。その玉管理エリアが使用
中の場合、固定検索フレームのタイプ155または固定
検索フレームタイプ指定テーブル220(図23)から
その管理玉の現在位置のフレームタイプを取得する(2
04)。そのタイプの値が255であれば(205)、
自在検索フレームタイプ指定テーブル222からその管
理玉の現在位置の自在検索フレームのタイプを見つけ、
そのタイプの自在検索フレーム内を検索する(20
7)。すなわち、そのフレームに指定された各ポイント
の反応値(ここでは演算データ)をチェックする。ステ
ップ205でタイプが255ではない場合、指定された
タイプの固定検索フレーム内の検索を同様に行う(20
6)。次に、そのフレーム内の一番強い反応値およびそ
の座標を玉管理テーブルのエリア158〜160に登録
する(208)。ここで、通常玉の場合と捕捉玉の場合
に分かれる(209)。通常玉の場合、フレーム内に反
応があったか否か(210)で「通常玉反応あり」21
1と「通常玉反応なし」214に処理が分かれる。捕捉
玉の場合、フレーム内に反応があったか否か(213)
で「捕捉玉反応あり」216と「捕捉玉反応なし」21
9に処理が分かれる。
【0109】図26および図27により、「通常玉反応
あり」のステップ211の詳細フローを説明する。
【0110】まず、玉管理テーブル150から当該検索
フレーム内で一番強い玉反応の座標158、159を取
得する(2111)。後述する見逃し待ちをリセットし
(2112)、重なり判定を行う(2113)。重なり
判定は、複数の検索フレーム内の玉が重なったときの処
理であり、その詳細は後述する。重なり発生がなければ
(2114)、図27の処理へ進む。重なりがあれば、
当該管理玉の重なりフラグ164をチェックする(21
15)。重なりフラグがOFFであれば、重なりフラグ
をONし(2116)、「重なり数」をインクリメント
して(2117)、ステップ2119へ進む。重なりフ
ラグが既にONであれば、重なり待ちカウンタ162を
インクリメントして(2117)、ステップ2119へ
進む。ステップ2119では、重なり待ちカウンタ16
2を重なり待ち回数234と比較して重なり待ちが完了
したかを調べる。完了していなければ、この処理を終了
する(2119)。完了していれば、当該通常玉につい
て玉管理テーブル150から削除し(2120)、追跡
テーブル280をクリアする(2121)。このよう
に、通常玉については重なりが発生しても直ちにその玉
を削除するのではなく、一定の猶予期間をみてそれでも
重なっていれば削除するようにしている。
【0111】ステップ2114において、重なり発生が
ない場合、図27に移り、アウト玉検索を行う(212
2)。これの詳細は後述する。この玉がアウト玉と判定
されたとき、重なりフラグ164を調べる(212
4)。重なりフラグがOFFならばステップ2126へ
進む。ONならば、重なり解消数232をインクリメン
トしてステップ2126へ進む。ステップ2126では
アウト玉数381をインクリメントする。続いて、当該
通常玉について、玉管理テーブル150から削除し(2
128)、追跡テーブル280をクリアする(212
9)。
【0112】ステップ2123で当該通常玉がアウト玉
ではないと判定された場合、まず、その重なりフラグ1
64を調べる(2130)。このフラグがOFFであれ
ばステップ2134へジャンプする。ONであれば、そ
の重なり解消数232をインクリメントし(213
1)、重なりフラグ164をオフし(2132)、重な
り待ちカウンタ162をリセットする(2133)。
【0113】続くステップ2134では、一番強い玉反
応座標158,159を現在の玉座標156,157と
して玉管理テーブル150を更新する(2134)。ま
た、その位置の固定検索フレームタイプ155を更新す
る。さらに、追跡テーブル280の更新(座標追加)を
行い(2135)、処理を終了する。
【0114】図28により、通常玉反応なしの処理21
4の詳細手順を説明する。
【0115】まず、重なりフラグ164を調べ(214
1)、このフラグがOFFのとき見逃し待ち完了か否か
を見逃し待ちカウンタ161のカウント値によりチェッ
クする(2142)。完了でなければ、見逃し待ちカウ
ンタ161をインクリメントして(2153)、本処理
を終了する。見逃し待ち完了であれば、入賞検索を行う
(2143)。この詳細については後述する。入賞と判
定されなかった場合(2144)、通常玉を見失ったこ
とになるので、見逃し玉数139をインクリメントして
(2148)、本処理を終了する。入賞と判定された場
合、後述する入賞軌跡作成処理を行う(2145)。そ
の後、当該通常玉について、玉管理テーブル150から
削除し(2146)、追跡テーブル280をクリアする
(2147)。
【0116】ステップ2141で重なりフラグがONで
あって場合、重なり待ち完了か否かを調べ(214
9)、完了でなければ重なり待ちカウンタをインクリメ
ントして(2152)、本処理を終了する。重なり待ち
完了の場合、一定の猶予期間の間も重なりが解消されな
かったことになるので、当該通常玉を誤検出等によるも
のと判断して、玉管理テーブル150から削除し(21
50)、追跡テーブル280をクリアする(215
1)。
【0117】図29により、捕捉玉反応ありの処理21
6の処理手順を説明する。
【0118】まず、玉管理テーブル150から当該検索
フレーム内で一番強い玉反応の座標158,159を取
得する(2161)。次に、見逃し待ちカウンタ161
をリセットし(2162)、重なり判定を行う(216
3)。重なり判定の詳細フローについては、後述する。
重なりが発生した場合(2164)、復活待ちカウンタ
162をリセットし(2165)、玉管理テーブル15
0から削除して(2166)、本処理を終了する。この
ように本実施例では、捕捉玉について重なりが発生した
場合には、誤検出と判断して直ちに当該捕捉玉を削除し
ている。
【0119】ステップ2164において重なりがないと
判定された場合、復活待ちカウンタ161をデクリメン
トして(2167)、そのカウント値に基づき復活待ち
が完了したかを調べる(2168)。完了した場合、後
述する捕捉玉の復活処理を行う(2169)。続いて、
当該捕捉玉を捕捉玉エリアから削除し(2171)、復
活玉数233をインクリメントして、本処理終了する。
【0120】ステップ2168において復活待ち完了と
判定された場合、アウト玉検索処理(後に詳述)を行う
(2173)。当該復活玉がアウト玉になったと判定さ
れれば(2174)、復活玉数233をインクリメント
し(2175)、アウト玉数381をインクリメントす
る(2176)。続いて玉管理テーブル150から当該
捕捉玉を削除し(2178)、本処理を終了する。ステ
ップ2174でアウト玉と判定されなかった場合、一番
強い玉反応座標158,159を現在の玉座標156,
157とする(2179)。また、その位置の固定検索
フレームタイプ155を更新する。さらに、追跡テーブ
ル280を更新し(2180)、本処理を終了する。
【0121】次に、図30により捕捉玉反応なしの処理
219の処理手順を説明する。
【0122】まず、見逃し待ちが完了したかを調べ(2
191)、完了していなければ見逃し待ちカウンタをイ
ンクリメントして(2198)、本処理を終了する。完
了していれば、後述する入賞検索を行い(2192)、
入賞したか否かを調べる(2193)。入賞しない場
合、ステップ2196へジャンプする。入賞した場合、
後述する入賞軌跡作成処理を行い(2194)、復活玉
数233をインクリメントする(2195)。ステップ
2196では、当該捕捉玉について、玉管理テーブル1
50から削除し(2196)、追跡テーブル280をク
リアして(2197)、本処理を終了する。
【0123】次に、捕捉ブロック内の玉反応検索につい
て説明する。捕捉ブロックとは、入玉検索で見逃した、
あるいは検索フレームによる追跡で見逃した玉を捉える
ための予め定めた盤面上エリアである。このような捕捉
ブロックで捉えた玉を捕捉玉と呼んでいる。本実施例で
は、30個までの捕捉ブロックを設定できる。また、各
捕捉ブロック241は、最大20個のポイントをそのブ
ロック構成ポイントとして指定できる。
【0124】図31に捕捉ブロックの設定例を示す。こ
の例に示すように、各ブロックを構成するポイントは、
Tx,Rx座標で指定される。
【0125】後に詳細なフローを説明するが、図32に
より、捕捉ブロックの働きについて概説する。図32
(a)に示すように、捕捉ブロック241内でのポイン
トの反応値(演算データ)が基準値以上で最も強い反応
のポイント(図では反応値”50”)を捕捉玉として、
前述した玉管理テーブル150の捕捉玉エリア152に
登録する。この捕捉玉が後述する方法により誤検出でな
いことがある確度で確認されたとき、以後このパチンコ
玉を通常玉として管理する。但し、図32(b)に示す
ように、その時点におけるいずれかの管理玉の検索フレ
ームと捕捉ブロックが重なるとき、重なっているポイン
トについては、捕捉ブロック内の玉反応検索は行わな
い。検索フレーム内では、現在登録されている管理玉の
影響が大きく、捕捉玉の正確な判定が困難だからであ
る。入玉検索ポイントと重なっている場合も同様であ
る。
【0126】図33に、捕捉ブロック内の検索処理のソ
フトウエア構成を示す。この処理は、捕捉ブロック検索
処理部250によりスキャン周期ごとに実行される。捕
捉ブロック検索処理部250は、カード173から捕捉
ポイント指定テーブル270、捕捉用スライスレベル2
73および入玉検索ポイントテーブル130を受けると
ともに、RAM76からのリードデータ(演算データ)
760を受ける。また、スキップフラグ230および捕
捉禁止フラグテーブル272の設定内容も受ける。これ
らに基づいて、玉管理テーブル150および追跡テーブ
ル280の更新を行う。
【0127】図35に、捕捉ブロック検索処理で用いる
テーブル構成を説明する。図35(a)は、最大30個
のブロックの各々を構成する最大20個のポイントの座
標を定義する捕捉ポイント指定テーブル270を示す。
検索時には、順次ブロック#1から検索していく。途中
で座標0を検出したときには検索を終了する。図35
(b)は、1024個のポイントの各々について、捕捉
許可(0)又は捕捉禁止(1)を設定する捕捉禁止フラ
グ272を示す。このフラグ272は、追跡している管
理玉の検索フレームの範囲内は捕捉を禁止するためのも
のであり、図57の処理において設定される。図35
(c)は、捕捉玉か否かの判定時の基準値として機能す
る捕捉用のスライスレベルを示す。
【0128】図34により、捕捉ブロック検索処理部2
50の捕捉ブロック内の玉反応検索処理の詳細フローを
説明する。
【0129】順次30個の捕捉ブロックについて、以下
のステップ252〜264を繰り返し(251)、この
処理を終了する。まず、当該捕捉ブロックの捕捉ポイン
ト#1〜#20のすべてについて処理が終了するまで以
下のステップ253〜259を行う(252)。スキッ
プフラグがONであれば、その場でこの処理を終了する
(253)。当該捕捉ポイントが入玉検索ポイントと重
なっている場合には、次の捕捉ポイントの検索に移る
(254)。また、当該捕捉ポイントの捕捉禁止フラグ
がONの場合も次の捕捉ポイントの検索に移る(25
5)。これらの条件判定を通過した捕捉ポイントについ
て、その反応データ(演算データ)から、その捕捉スラ
イスレベルを減算した結果を新たな反応データとする
(256)。この反応データが正でなければ有意なデー
タではないとして、次の捕捉ポイントへ移行する。正で
あれば、変数maxと比較して(258)、maxより
大きければ、この反応値を新たなmaxとする(25
9)。このようにして、当該捕捉ブロックについて、有
意な反応データのうち最大のデータが変数maxとして
得られる。この変数maxが正でなければ(260)、
捕捉玉は存在しないとして、ステップ251へ戻り次の
捕捉ブロックを検索する。変数maxが正であれば、捕
捉玉が存在すると判断して、この捕捉玉登録のための玉
管理テーブル150の捕捉玉エリア152(図16)の
空きを探す(261)。空きがなければ、現時点の登録
は行わずステップ251へ戻る。空きがあれば、玉管理
テーブル150のその空きエリアに新たな捕捉玉の登録
を行う(262)。また、追跡テーブル280の対応す
る捕捉エリアにも登録する(263)。最後に、当該捕
捉ブロックの復活待ち回数(図38で後述)を当該捕捉
玉の復活待ちカウンタ163(図16)に設定する(2
64)。
【0130】次に、このようにして捕捉された捕捉玉の
復活処理について説明する。玉管理テーブル150に登
録した捕捉玉は、ノイズ等の影響によりご検出されたも
のである可能性があるので、捕捉されて直ちに通常玉と
同等には扱わないこととした。そのため、スキャン周期
の予め設定した復活待ち回数だけ継続して追跡できた場
合に、通常玉として復活させるようにしている。復活の
際には、その玉の情報を復活玉エリアから通常玉エリア
へ移動させる。但し、通常玉エリアに空きがない場合は
この復活玉は捨てるものとする。これは現在の通常玉を
優先して追跡するためである。復活待ち中に、捕捉玉が
他の玉と重なった場合には、後述する重なり判定処理に
より、その捕捉玉を玉管理テーブル150から削除す
る。
【0131】図36に、捕捉玉の復活処理のソフトウエ
ア構成を示す。この処理は、図29に示した処理の中
で、捕捉玉復活処理部331が実行し、カード173か
らの復活待ち回数テーブル330の情報を受けて、玉管
理テーブル150の参照および更新、追跡テーブル28
0の更新を行う。
【0132】図38に、捕捉玉の復活処理に用いるテー
ブルを示す。このテーブルは、各捕捉ブロック毎に、復
活待ち回数を設定しうる復活待ち回数テーブル330で
ある。
【0133】図37により、捕捉玉の復活処理のフロー
を説明する。この処理は、スキャン周期毎に各捕捉玉に
ついて実行される。
【0134】まず、当該捕捉玉の復活待ちカウンタ16
3が0になったか、すなわち復活待ち回数分待ったかを
調べる(321)。まだであれば、この処理を終了す
る。カウンタ値が0であれば、玉管理テーブル150の
通常エリアに空きがあるかを調べる(322)。空きが
なければ、処理を終了する。空きがあれば、捕捉エリア
に登録してある当該捕捉玉の情報を通常エリアに移す
(323)。同様に、追跡テーブル280の捕捉玉エリ
アに登録してある当該捕捉玉の情報を通常エリアに移し
て(324)、処理を終了する。このように、一定の猶
予期間に、所定の条件を満たせば捕捉玉が、見逃されて
いた正規の玉であるとして通常玉に格上げされる。
【0135】次に、アウト孔に入った玉を検出するアウ
ト玉検索について説明する。この処理は、スキャン周期
毎に実行される。図39に示すように、ゲーム域内にお
いてアウト孔15の上方に、パチンコ玉がこれを通過し
なければアウト孔15に到達できないようなアウト玉検
索ポイント部(アウトラインとも呼ぶ)361を設け
る。このアウトライン361より下側には入賞孔は存在
しないようにする。逆にいえば、これより下には入賞孔
が存在しない様な位置にアウトラインを設ける。また、
アウト孔に入るには、必ずいずれかのポイントを通るよ
うな位置に検索ポイント群を配置する。検索フレームに
より追跡してきた玉がこのアウトライン上で検出され、
あるいはアウトラインを越えたことが検出された場合
に、パチンコ玉がアウト孔15に入ったと判定する。こ
のアウトライン361の検索ポイントは、本実施例では
最高32個まで設定できる。
【0136】図40に、アウト玉検索処理のソフトウエ
ア構成を示す。この処理は、アウト玉検索処理部360
によりスキャン周期毎に実行される。アウト玉検索処理
部360は、カード173から与えられるアウト玉検索
ポイントテーブル380の情報とRAM76からのリー
ドデータ(演算データ)760に基づいて、アウト玉数
381および重なり解消数232を出力するとともに、
玉管理テーブル150および追跡テーブル280を更新
する。
【0137】図42に、アウト玉検索処理において用い
るテーブル構成を示す。図42(a)は、アウト玉検索
ポイントを最大32個までその座標で指定できるアウト
玉検索ポイントテーブル380を示す。座標は、ポイン
ト#1から順次設定し、座標0を検出した場合には途中
でも検索を終了するようにする。図42(b)は、アウ
ト玉の個数を格納するアウト玉数381を示す。2バイ
トのエリアを有するので、65535個までの数値格納
することができる。
【0138】図41により、アウト玉検索処理部360
の処理フローを説明する。この処理は、図27、図29
に示した処理の中で呼ばれ、管理玉(通常玉および捕捉
玉)毎に実行される。
【0139】本処理では、各アウト玉検索ポイントにつ
いて以下のステップを繰り返し(361)、処理を終了
する。まず、当該検索ポイントのRxに対して、各管理
玉(通常玉)の検索フレーム内の最大玉反応の座標Rx
が一致したかを調べる(362)。いずれの検索フレー
ムにおいても一致がなければステップ361へ戻り次の
検索ポイントの処理を行う。一致した検索フレームにつ
いては、その最大玉反応の座標Txが検索ポイントのT
xと同じかあるいはより大きい(下側にある)かを調べ
る(363)。否であれば、ステップ361へ戻る。否
でなければ、アウト玉と判定する(364)。なお、玉
がアウト孔に入れば、その管理玉を玉管理テーブル15
0から削除し、追跡テーブル280の該当部分をクリア
する必要があるが、その場合には、検索フレームによる
玉の追跡から玉が見失われることになるので、それらの
処理は、後述する入賞玉の検出処理において一括して行
われる。
【0140】次に、入賞玉検索処理について説明する。
パチンコ玉が入賞孔に入ったことは、管理玉の現在位置
が入賞孔の近傍の領域内に入ったときに以後の玉反応が
なくなる、すなわち見逃した場合、入賞孔に入った可能
性が高いということを利用して判定する。ただし、見逃
して直ちに入賞と判定するのではなく、一定の猶予期
間、すなわち見逃し待ち回数分のスキャン周期を待っ
て、入賞と判定する。これにより、誤判定の可能性を低
減する。図43に示すように、本実施例では、入賞孔の
個数(15個)の各々についてその近傍の9個のポイン
トを入賞検索ポイント部460として指定する。
【0141】図44に、入賞玉検索処理のソフトウエア
構成を示す。この処理は、入賞玉検索処理部470によ
りスキャン周期毎に実行される。入賞玉検索処理部47
0は、カード173からのパラメータ群(後述する入賞
玉検索ポイントテーブル500、見逃し待ち回数505
および払い出し玉数テーブル507)と、入賞フラグ5
10と、RAM76からのリードデータ(演算データ)
760とを入力データとして受ける。また、追跡テーブ
ル280および玉管理テーブル150を参照・更新す
る。さらに、入賞玉数(バッチ)520、入賞玉数(リ
アルタイム)522を更新する。入賞玉数のバッチおよ
びリアルタイムの意味は前述した入玉数と同様である。
【0142】入賞玉検索の処理手順を説明する前に、使
用するテーブル構成を説明する。
【0143】図46(a)は、入賞孔毎に、その近傍の
入賞玉検索ポイント9個の座標を設定する入賞玉検索ポ
イントテーブル500を示す。座標0の設定は、検索終
了に利用する。図46(b)は、各入賞孔毎に払い出し
玉の個数を設定する払い出し玉数テーブル507を示
す。これは、各入賞孔毎の出玉数を算出するためのデー
タであり、(払い出し玉数)×(入賞玉数)によりその
入賞孔の出玉数が算出される。この出玉数は、前記入玉
数、アウト玉数等とともに、周期的に(例えば4秒毎
に)ホストコンピュータへ送信される。その時間間隔内
にその格納エリアの容量を超えた場合にはオーバーフロ
ーとする。
【0144】また、図48は、入賞孔ごとに設けられる
入賞フラグ510を示す。このフラグの内容は、0のと
き同一レコード(同一スキャン周期)内でその入賞孔に
玉が入賞していない、1のとき同一レコード内でその入
賞孔に玉が入賞している、をそれぞれ示す。入賞フラグ
510の役目は次の通りである。入賞検索処理は、入賞
玉検索処理470の中で行われるので、やはり管理玉毎
に順に実行される。ある管理玉が入賞したことが既に確
認された入賞孔については同時点に他の管理玉が入るこ
とはないと考え入賞フラグ510をONにし、以後、同
一レコード内では当該入賞孔についての入賞検索を省略
する。これにより処理時間を短縮できる。なお、入賞フ
ラグ510は、スキャン周期毎に(遅くとも入賞玉検索
処理の開始時に)リセットされる。図48は、1024
個のポイントの各々について、玉の通過回数を積算する
ための軌跡テーブル512を示す。
【0145】図49(a)(b)は、それぞれ入賞孔毎
にバッチおよびリアルタイムの入賞玉数を格納する入賞
玉数テーブル520、522を示す。
【0146】図45に、入賞検索処理470のフローを
示す。この処理は、図28および図30に示した処理の
中で呼ばれる。
【0147】入賞孔#1〜#15の各々について、以下
のステップを繰り返し(481)、この処理を終了す
る。ステップ482では、入賞フラグ510がONか、
すなわち同一レコード内で入賞しているかを調べる。入
賞フラグ510がONの場合には、ステップ481へ戻
り、次の入賞孔についての判定を行う。入賞フラグがO
Nでなければ、入賞検索ポイント#1〜#9の各々につ
いて、順次以下のステップを繰り返す。当該ポイントが
指定されていなければ(484)、ステップ481へ戻
る。指定されていれば、当該管理玉の現在の位置がその
検索ポイントと一致するかを調べる(485)。一致し
ていなければ、ステップ487へ戻り次の検索ポイント
のチェックに移る。一致していれば、入賞による見失い
と判断して入賞とする。そこで、入賞フラグ510をO
Nする(486)。次いで、リアルタイムおよびバッチ
の入賞玉数522、520をそれぞれインクリメントす
る(488、489)。前述した出玉の算出も行われ
る。これで、入賞検索処理を終了する。
【0148】このようにして判定した入賞玉について、
図50に示すように入玉から入賞までのスキャン周期毎
の軌跡(移動ポイント)が、図51に示すように追跡テ
ーブル280(図16(b))に蓄積されている。この
ような移動ポイント列を、同図(b)のように1024
個のポイント対応の記憶エリアを有する軌跡テーブル5
12に積算していくことにより、その玉の軌跡が表れ
る。これは、ホストコンピュータ等によりこの軌跡テー
ブル512の内容を読み出して、ディスプレイに表示さ
せれば、視覚的に玉の軌跡を認識することができる。
【0149】図52に、入賞玉軌跡作成処理のソフトウ
エア構成を示す。この処理は、図28および図30に示
した処理の中で入賞を検出する毎に、入賞玉軌跡作成処
理部550により実行される。入賞玉軌跡作成処理部5
50は、追跡テーブル280の内容に基づいて、軌跡テ
ーブル512への書き込みを行う。
【0150】図54に示すように、この処理に用いるテ
ーブルは、1024個のポイント毎に、積算の有無を表
すフラグを格納する積算済みフラグテーブル570であ
る。本例では、このフラグは、0のとき未積算、1のと
き積算済みを示す。フラグの初期値は0である。
【0151】図53により、入賞玉軌跡作成処理の手順
を説明する。
【0152】まず、追跡テーブル280から、当該入賞
玉についての登録数(登録したポイント座標の数)を取
得する(551)。そこで、以下の処理をこの登録数分
繰り返す(552)。ステップ553では、追跡テーブ
ル280から移動ポイントを1つ取り出し(553)、
積算済みフラグテーブル570を参照してそのポイント
が積算済みが調べる(554)。積算済みならばステッ
プ552に戻り次の移動ポイントに移る。積算済みでな
ければ、積算済みフラグをONにする(555)。これ
により、以降、同じポイントが出現しても、軌跡テーブ
ル512への積算は行われなくなる。次のステップ55
6で当該移動ポイントについて、軌跡テーブル512へ
の積算を行う。これをすべての移動ポイントについて実
行すると、図51(b)に示すような軌跡テーブル51
2の積算結果が得られる。
【0153】次に、重なり判定について説明する。これ
は、玉管理テーブル150に登録した複数の管理玉の検
索フレーム同士が完全に一致した場合に、所定の条件の
下で誤検出による玉であったとして、一方の玉の登録を
抹消するものである。具体的には、ある管理玉の検索フ
レームにおける最大反応ポイントが既に更新した他の管
理玉の新たな位置を一致するか否かを検出する。前述し
たように、通常玉同士の場合には、予め定めた猶予期間
(重なり待ち回数分のスキャン周期)継続して重なった
ときに、登録抹消を行う。捕捉玉が他の管理玉と重なっ
た場合には、直ちにその捕捉玉の登録抹消を行う。これ
は、通常玉に比べ、捕捉玉の方が信頼性が低いからであ
る。
【0154】図55に、重なり判定処理のソフトウエア
構成を示す。この処理は、重なり判定処理部630が、
図26および図29に示した処理内において実行する処
理であり、玉管理テーブル150および追跡テーブル2
80を更新する。
【0155】図56により、重なり判定処理部630の
処理手順を説明する。
【0156】まず、当該管理玉が通常玉か捕捉玉かを調
べ(631)、通常玉であればステップ632へ進み、
捕捉玉であればステップ640へ進む。ステップ632
では、当該通常玉と比較すべき通常玉の#1〜#10
(自分自身は除く)について順次以下のステップの処理
を繰り返して、本処理を終了する。比較対象に捕捉玉を
含まないのは、当該管理玉が通常玉であり、通常玉が捕
捉玉と重なっても通常玉の方を削除することはないから
である。なお、捕捉玉と通常玉との重なりは、後のステ
ップ641において判定される。ステップ633におい
て、自分の新たな玉位置と、他の比較対象管理玉の既に
移動した位置とが同じである否かを調べる。同じでなけ
ればステップ632へ戻り、次の比較対象玉へ移る。同
じであれば、当該通常玉について重なりが発生したと判
定する(634)。
【0157】当該管理玉が捕捉玉である場合(63
1)、比較対象として通常玉#1〜#10と捕捉玉#1
〜#10(自分自身を除く)の各々について、順次、以
下のステップの処理を行う(640)。ステップ641
において、自分の新たな玉位置と、他の比較対象管理玉
の既に移動した位置とが同じである否かを調べる。同じ
でなければステップ640へ戻り、次の比較対象玉へ移
る。同じであれば、当該通常玉について重なりが発生し
たと判定する(642)。
【0158】なお、本発明によるパチンコ玉検出装置
は、パチンコパーラーのすべてのパチンコゲーム機に設
置してもよいし、異なる機種毎に1台ずつ設置するよう
にしてもよい。あるいは、特定のパチンコゲーム機の特
徴を検査するような用途に用いることもできる。
【0159】
【発明の効果】本発明によれば、上記のようなセンサの
新たな用途として、アウト孔に回収されるアウト玉の個
数をより正確に把握することができるパチンコ玉検出装
置を提供することができる。また、装置の処理負担を軽
減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コントロールボードの受信および送信回路のブ
ロック図である。
【図2】パチンコパーラーにおけるパチンコゲーム機の
配置例を示す図である。
【図3】本発明のパチンコ玉検出装置が適用されたパチ
ンコゲーム機とパチンコ玉検出装置の検出部(マトリク
スセンサ)とを概念的に分解して示した斜視図である。
【図4】パチンコゲーム機の盤面の側断面図である。
【図5】パチンコ玉検出装置の検出部(マトリクスセン
サ)を示す正面図である。
【図6】パチンコ玉検出装置の概略構成図である。
【図7】送信・受信ボードの送信回路のブロック図であ
る。
【図8】チャンネル切替ロジックの主要部を示すブロッ
ク図である。
【図9】送信・受信ボードの受信回路のブロック図であ
る。
【図10】パチンコ玉検出装置のスキャンニングのフロ
ーチャートである。
【図11】実施例における入玉検索ポイント部の説明図
である。
【図12】入玉検索処理のソフトウエア構成を示すブロ
ック図である。
【図13】入玉検索処理のフローチャートである。
【図14】入玉検索処理に関するテーブル構成の説明図
である。
【図15】入玉検索処理に関するテーブル構成の説明図
である。
【図16】入玉検索処理に関するテーブル構成の説明図
である。
【図17】実施例における固定検索フレームの説明図で
ある。
【図18】実施例における自在検索フレームの説明図で
ある。
【図19】固定検索フレームの検索順序の説明図であ
る。
【図20】自在検索フレームの検索順序の説明図であ
る。
【図21】フレーム検索処理のソフトウエア構成の説明
図である。
【図22】フレーム検索処理のフローチャートである。
【図23】フレーム検索処理に関するテーブル構成の説
明図である。
【図24】フレーム検索処理に関するテーブル構成の説
明図である。
【図25】フレーム検索処理に関するテーブル構成の説
明図である。
【図26】図22の一部の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図27】図26の処理の続きを示すフローチャートで
ある。
【図28】図22の一部の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図29】図22の一部の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図30】図22の一部の詳細を示すフローチャートで
ある。
【図31】実施例における捕捉ブロックの説明図であ
る。
【図32】捕捉ブロックの機能の説明図である。
【図33】捕捉ブロック検索処理のソフトウエア構成の
説明図である。
【図34】捕捉ブロック検索処理のフローチャートであ
る。
【図35】捕捉ブロック検索処理に関するテーブル構成
の説明図である。
【図36】実施例における捕捉玉の復活処理のソフトウ
エア構成の説明図である。
【図37】捕捉玉の復活処理のフローチャートである。
【図38】捕捉玉の復活処理に関するテーブル構成の説
明図である。
【図39】実施例におけるアウト玉検索処理の説明図で
ある。
【図40】アウト玉検索処理のソフトウエア構成の説明
図である。
【図41】アウト玉検索処理のフローチャートである。
【図42】アウト玉検索処理に関するテーブル構成の説
明図である。
【図43】実施例における入賞玉検索処理の説明図であ
る。
【図44】入賞玉検索処理のソフトウエア構成の説明図
である。
【図45】入賞玉検索処理のフローチャートである。
【図46】入賞玉検索処理に関するテーブル構成の説明
図である。
【図47】入賞玉検索処理に関するテーブル構成の説明
図である。
【図48】入賞玉検索処理に関するテーブル構成の説明
図である。
【図49】入賞玉検索処理に関するテーブル構成の説明
図である。
【図50】実施例における入賞玉軌跡作成処理の説明図
である。
【図51】図50に対応する追跡テーブルおよび軌跡テ
ーブルの内容の説明図である。
【図52】入賞玉軌跡作成処理のソフトウエア構成の説
明図である。
【図53】入賞玉検索処理のフローチャートである。
【図54】入賞玉検索処理に関するテーブル構成の説明
図である。
【図55】実施例における重なり判定処理のソフトウエ
ア構成の説明図である。
【図56】重なり判定処理のフローチャートである。
【図57】実施例における軌跡アルゴリズムの概略処理
手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…パチンコゲーム機(パチンコ台)、11…盤面、
12…案内レール、13…釘、14a…セーフ孔、15
…アウト孔、20…マトリクスセンサ、30…情報処理
装置、76…双方向RAM、150…玉管理テーブル、
280…追跡テーブル、460…入賞玉検索ポイント、
760…リードデータ、900…入玉検索ポイント。
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パチンコゲーム機のゲーム域が設定される
    盤面に対向して配置され、一定の周期毎に盤面上に存在
    するパチンコ玉を磁気的に検出する、マトリクス状に配
    置された複数の検知ポイントを有するセンサと、 該センサの各検知ポイントにおけるセンサ出力を周期的
    に採取するセンサ出力採取手段と、 該採取されたセンサ出力に対して演算を施した演算デー
    タを各検知ポイント毎に格納するメモリと、 前記採取されたセンサ出力に基づいて、盤面上へ打ち出
    された入玉の現在位置を検索する入玉検索手段と、 前記入玉検索手段によりある周期内に検出された入玉に
    ついて、次の周期にメモリに格納された演算データに基
    づき、当該パチンコ玉の新たな位置を検索し、該検索に
    より検出された新たな位置について、さらに次の周期に
    おける演算データに基づきさらに新たな位置を検索す
    る、という処理を繰り返すことにより、前記入玉につい
    て、その移動位置を順次追跡していく追跡処理手段と、 アウト孔の上方において、これより下側には入賞孔が存
    在しない位置であって、かつアウト孔に達するには必ず
    いずれかのポイントを通過するような位置にアウト玉検
    索用の検知ポイント群を指定するアウト玉検索ポイント
    指定手段と、 前記追跡処理手段によるパチンコ玉の新たな位置の検索
    結果を、前記指定された検知ポイント群と照合して、個
    々のパチンコ玉がアウト玉となったか否かを判定するア
    ウト玉検索手段と、を備えるパチンコ玉検出装置。
  2. 【請求項2】前記演算データは、盤面上にパチンコ玉が
    存在しないときのセンサ出力に相当するオフセットを前
    記センサ出力から除去したデータである請求項1記載の
    パチンコ玉検出装置。
  3. 【請求項3】前記演算データは、前記オフセット除去し
    たデータから、さらにセンサ出力のリップル分に相当す
    るスライス値を除去したデータである請求項2記載のパ
    チンコ玉検出装置。
  4. 【請求項4】盤面上のパチンコ玉の存在しうる各位置に
    ついて、当該位置の周辺に複数の検知ポイントからなる
    検索フレームを定義する検索フレーム定義手段をさらに
    備え、前記追跡処理手段は、前記新たな位置を前記現在
    の位置に対する検索フレーム内の検知ポイント群の検索
    により求める請求項1、2または3記載のパチンコ玉検
    出装置。
  5. 【請求項5】前記入玉検索手段で検出されたパチンコ玉
    について、少なくとも当該パチンコ玉の現在位置をそれ
    ぞれ登録し、前記追跡処理手段により参照・更新される
    玉管理テーブル手段とさらに備え、前記アウト玉と判定
    されたとき、その登録が削除される請求項1、2、3ま
    たは4記載のパチンコ玉検出装置。
  6. 【請求項6】アウト玉の個数を計数するアウト玉計数手
    段をさらに備え、前記アウト玉と判定されたとき、当該
    計数値がインクリメントされる請求項1〜5のいずれか
    に記載のパチンコ玉検出装置。
JP88895A 1995-01-06 1995-01-06 パチンコ玉検出装置 Pending JPH08187321A (ja)

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