JPH08186895A - 電磁型発音体におけるコイルとヨークのショート防止構造 - Google Patents

電磁型発音体におけるコイルとヨークのショート防止構造

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JPH08186895A
JPH08186895A JP33928794A JP33928794A JPH08186895A JP H08186895 A JPH08186895 A JP H08186895A JP 33928794 A JP33928794 A JP 33928794A JP 33928794 A JP33928794 A JP 33928794A JP H08186895 A JPH08186895 A JP H08186895A
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yoke
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特別な部材を使用することなく、作業性、信
頼性及び歩留りを向上させ、工数、コストを削減した電
磁型発音体におけるコイルとヨークのショート防止構造
を提供することにある。 【構成】 ヨーク28はその外周が絶縁被膜36により
覆われている。このため、コイル30がヨーク28に接
触しても電気的に導通することがなく、確実にショート
することを防止することができる。特に、絶縁被膜36
は気相コーティングにて形成されているので、エッジ部
分等も平坦な部分と同様に均一にコーティングされてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヨークの上にコイルと
磁石を配置した磁気回路により振動板を振動させて音を
発生させる電磁型発音体に関するものであり、特に、そ
のヨークとコイルのショート防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁型発音体は、図6及び図7に示すよ
うに、中央にセンターポール部2aが突出する円板状の
ヨーク2とその上に同心状に配置されるコイル4及びリ
ング状の磁石6とから構成された磁気回路により、振動
板8を振動させて音を発生させるものである。この電磁
型発音体におけるコイル4は、外部との電気的接続を図
るため、ヨーク2の下側に設けられた基板10にコイル
端末4aが半田付けされることにより導通を得ていた。
このコイル4を構成するコイル線は、図8に示すよう
に、銅等の導体12と、その外周に重ねて形成された絶
縁層14と接着層16とから構成されている。このた
め、図7に示すコイル端末4aを基板10の方向へ導く
ため引っ張ってほぐすと又はこすれてしまうと、図9に
示すように、そのほぐれた部分のコイル線の接着層16
と絶縁層14が破れて導体12が露出してしまう。この
露出した導体12がヨーク2に接触するとコイル4とヨ
ーク2がショートし、音の発生に支障をきたすことにな
る。
【0003】上記のようなショート不良を防ぐため、従
来は次のような対策がとられていた。即ち、図10及び
図11に示すようにプラスチック製のボビン18を用い
たり、図12及び図13に示すようにコイル4とヨーク
2との間に絶縁スペーサー20を設けることにより、コ
イル端末4aがヨーク2に接触しないようにしていた。
また、図14及び図15に示すように、コイル端末4a
に接着剤22を塗布して絶縁及び固定を行ってショート
を防ぐこともあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図10及び図11に示
すようにボビン18を使用すると、このボビン18をプ
ラスチック成形するために金型が必要となり、その金型
のメンテナンスも継続的に必要となってしまう。また、
組み立てる際にも、ボビン18の浮き上がりを防ぐた
め、ヨーク2に接着剤を塗布した後ボビン18を取り付
け、このときに、図11に示すように、ボビン18の下
面より突出する突起状のガイド部18aをヨーク2のガ
イド孔2bと基板10のガイド孔10aに挿入し、接着
剤を乾燥させた後、基板10の下面側でガイド部18a
の先端を熱カシメして固定していた。このように、ボビ
ン18を使用すると金型の費用及びメンテナンス、組立
工数の増加、及びそれらによるコストの上昇等、多くの
課題があった。
【0005】また、図12及び図13に示すように絶縁
スペーサー20を使用した場合には、この絶縁スペーサ
ー20を形成するためのプレス抜き用の金型が必要であ
り、ヨーク2に固定するため接着剤の塗布及び乾燥炉で
の乾燥作業等も必要となる。また、円板状の絶縁スペー
サー20には、ヨーク2のセンターポール部2aとコイ
ル4の内径部との間に介在する部分がないので、コイル
4の内径部を保護することができず、更に、静電気の発
生で組立時に絶縁スペーサー20同士が重なり合って取
れなくなったりゴミが付着することもあった。このよう
に、絶縁スペーサー20を使用した場合にも、金型、接
着剤、洗浄、静電気等により作業性が悪く、工数、歩留
り、コスト面の課題があった。
【0006】更に、図14及び図15に示すように接着
剤22を使用した場合には、ディスペンサーによる塗布
量のバラツキや接着剤の飛び散り、これらが原因で起き
る磁石6の浮き、また塗布量のバラツキによる接着剤の
厚み不均一に起因するコイルショート、乾燥作業の必要
性等、多くの作業等を必要とするものであり、工数、歩
留り、コスト面での課題があった。
【0007】また、これら何れの対策においても接着剤
が使用されているが、その乾燥が十分でないと硬化不良
が生じる場合もあった。
【0008】本発明は上記課題に鑑みなされたもので、
その目的は、特別な部材を使用することなく、作業性、
信頼性及び歩留りを向上させ、工数、コストを削減した
電磁型発音体におけるコイルとヨークのショート防止構
造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁型発音体に
おけるコイルとヨークのショート防止構造は、ヨークの
上にコイルと磁石を配置した磁気回路により振動板を振
動させて音を発生する電磁型発音体において、前記ヨー
クの表面に絶縁被膜を形成したことを特徴とするもので
ある。
【0010】
【作用】本発明におけるヨークはその外周が絶縁被膜に
より覆われている。このため、コイルがヨークに接触し
ても電気的に導通することがなく、確実にショートする
ことを防止することができる。特に、絶縁被膜は気相コ
ーティングにて形成されているので、エッジ部分等も平
坦な部分と同様に均一にコーティングされ、ヨーク上に
設置される磁石等に浮きが生じることがなく、磁石等の
接着時の密着性も高めることができるものである。
【0011】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係るショート防止
構造を示す電磁型発音体の断面図である。この電磁型発
音体は、円筒形状のカバー24と、その内部に支持され
た振動板26と、中心より突出するセンターポール部2
8aが振動板26に対向するように配置された円板状の
ヨーク28と、このヨーク28の上に同心状に配置され
たコイル30と磁石32と、カバー24の下方の開口部
をふさぐと共にヨーク28等を支えコイル30のコイル
端末が接続される基板34と、から構成されている。
【0012】本実施例におけるヨーク28の表面には、
図2及び図3に示すように、化学蒸着のひとつである気
相コーティングにより絶縁被膜36が形成されている。
図4及び図5に示すように、ヨーク28の上にコイル3
0が取り付けられると、このコイル30とヨーク28と
の間に絶縁被膜36が介在することになり、これらは絶
縁される。尚、ヨーク28は全表面が絶縁被膜36で覆
われているので、円板状のヨーク28の本体とコイル3
0との間を絶縁するだけでなく、ヨーク28のセンター
ポール部28aとコイル30の内径部との間にも介在し
て、より絶縁を確かなものにすると共に、センターポー
ル部28aが接触してコイル30の内径部を損傷するこ
とも防いでいる。また、ヨーク28と基板34との間も
ヨーク28の下面に形成された絶縁被膜36で絶縁され
るので、コイル端末と基板34との接続部分が基板34
の上面に設けられていても確実に絶縁することができ
る。
【0013】この絶縁被膜36を形成する気相コーティ
ングは、従来の液状コーティングや粉体コーティングで
は困難であった被着物の鋭角部やエッジ部へのコーティ
ングを平坦な面と同じように均一に行うことができる手
法である。また、コーティング厚のコントロールが容易
で、防湿、防錆、防食等、数々の優れた特徴を持ってい
る。このため、この気相コーティングは、ヨーク28の
ような三次元構造体で柔らかく腐食し易い特殊金属から
なるものをコーティングするのに最適である。
【0014】尚、本実施例においては、予め巻回されて
形成されたコイル30をヨーク28に取り付ける構造と
なっているが、コイル30とヨーク28との間が絶縁被
膜36により確実に絶縁されるので、ヨーク28のセン
ターポール部28aにコイル線を直巻してコイル30を
形成することも可能である。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、ヨークの表面に絶縁被
膜を形成してコイルとの絶縁を図っているので、コイル
端末とヨークとのショートを防止することは勿論、従来
のボビン、絶縁スペーサー、接着剤によるショート防止
のように余計なスペースや部材を必要とせず、作業性や
信頼性の向上を図ることができる。
【0016】また、ボビンや絶縁スペーサー等を廃止す
ることができるので、カバー内のスペースを有効に利用
することができ、電磁型発音体を小型化、薄型化するこ
とも可能となる。
【0017】更に、ヨークにコイルを直巻することも可
能となり、これにより予め形成されたコイルとヨークを
接着する組立作業を廃止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るショート防止構造を示
す電磁型発音体の断面図である。
【図2】図1に示すヨークの斜視図である。
【図3】図2に示すヨークの正面図である。
【図4】図2に示すヨークにコイルと磁石を取り付けた
状態を示す斜視図である。
【図5】図4に示すヨーク等の断面図である。
【図6】従来のヨークとコイルを示す斜視図である。
【図7】図6に示すヨーク等が組み込まれた従来の電磁
型発音体の断面図である。
【図8】図6に示すコイル線の断面図である。
【図9】図6に示すコイル端末部分の被覆がはがれた状
態を示すコイル線の断面図である。
【図10】ボビンを用いた従来のショート防止構造を示
す斜視図である。
【図11】図10に示す構造を用いた電磁型発音体の断
面図である。
【図12】絶縁スペーサーを用いた従来のショート防止
構造を示す斜視図である。
【図13】図12に示す構造を用いた電磁型発音体の断
面図である。
【図14】接着剤を用いた従来のショート防止構造を示
す斜視図である。
【図15】図14に示す構造を用いた電磁型発音体の断
面図である。
【符号の説明】
28 ヨーク 30 コイル 36 絶縁被膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨークの上にコイルと磁石を配置した磁
    気回路により振動板を振動させて音を発生する電磁型発
    音体において、前記ヨークの表面に絶縁被膜を形成した
    ことを特徴とする電磁型発音体におけるコイルとヨーク
    のショート防止構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1215935A2 (en) * 2000-12-15 2002-06-19 Star Micronics Co., Ltd. Electroacoustic transducer
JP2011097126A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Hosiden Corp 電磁型電気音響変換器

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1215935A2 (en) * 2000-12-15 2002-06-19 Star Micronics Co., Ltd. Electroacoustic transducer
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US6654478B2 (en) 2000-12-15 2003-11-25 Star Micronics Co., Ltd. Electroacoustic transducer
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