JPH08185734A - 集合絶縁電線の製造方法 - Google Patents
集合絶縁電線の製造方法Info
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- JPH08185734A JPH08185734A JP33958094A JP33958094A JPH08185734A JP H08185734 A JPH08185734 A JP H08185734A JP 33958094 A JP33958094 A JP 33958094A JP 33958094 A JP33958094 A JP 33958094A JP H08185734 A JPH08185734 A JP H08185734A
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- Processes Specially Adapted For Manufacturing Cables (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 複数本の絶縁電線素線を撚り合わせるか、あ
るいは長手方向平行に断面が概ね円形状に束ね合わせた
後焼付用塗料を塗布し、ダイス絞りにより余剰の塗料を
除去した後一体化硬化成形し、さらにその外周上に焼付
用塗料を塗布し硬化成形する集合絶縁電線の製造方法に
おいて、一体化硬化成形する焼付温度を外周上に焼付用
塗料を塗布し硬化成形する焼付温度よりも高くすること
を特徴とする集合絶縁電線の製造方法。 【効果】 コイル加工時の作業性に優れ、融着層や潤滑
層を設けても導体占有率の低下が少なく、かつフェノー
ル臭、クレゾール臭のような不快臭が少ない。
るいは長手方向平行に断面が概ね円形状に束ね合わせた
後焼付用塗料を塗布し、ダイス絞りにより余剰の塗料を
除去した後一体化硬化成形し、さらにその外周上に焼付
用塗料を塗布し硬化成形する集合絶縁電線の製造方法に
おいて、一体化硬化成形する焼付温度を外周上に焼付用
塗料を塗布し硬化成形する焼付温度よりも高くすること
を特徴とする集合絶縁電線の製造方法。 【効果】 コイル加工時の作業性に優れ、融着層や潤滑
層を設けても導体占有率の低下が少なく、かつフェノー
ル臭、クレゾール臭のような不快臭が少ない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集合絶縁電線の製造方
法に関するものである。さらに詳しくは、素線同士が密
着しているためコイル加工時の作業性に優れ、かつ自己
融着性や自己潤滑性を付与しても導体占有率の低下が小
さいためコイルの発熱量低減に効果的で、かつフェノー
ル臭あるいはクレゾール臭のような不快な臭気が少ない
集合絶縁電線の製造方法に関するものである。
法に関するものである。さらに詳しくは、素線同士が密
着しているためコイル加工時の作業性に優れ、かつ自己
融着性や自己潤滑性を付与しても導体占有率の低下が小
さいためコイルの発熱量低減に効果的で、かつフェノー
ル臭あるいはクレゾール臭のような不快な臭気が少ない
集合絶縁電線の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディスプレイ用偏向コイルやトランスな
ど高周波用コイルに使用される巻線では、発熱等の損失
を抑えるために、導体径の細い絶縁電線が使用される。
しかしながら、細線を多数本巻く方法では繰り出し本数
が多くなり、また断線しやすいという問題を有する。そ
こで、多数本の素線を撚り合わせたリッツ線が多く使用
されている。特にディスプレイ偏向ヨークでは、従来、
主に導体径φ0.4〜0.3mm程度の単線が使用されて
いたが、ディスプレイの大型化および高精細化にともな
い大電流および高周波電流が使用されるようになり、発
熱量低減のために導体径φ0.2〜0.1mmのリッツ線
が多く使用されるようになった。
ど高周波用コイルに使用される巻線では、発熱等の損失
を抑えるために、導体径の細い絶縁電線が使用される。
しかしながら、細線を多数本巻く方法では繰り出し本数
が多くなり、また断線しやすいという問題を有する。そ
こで、多数本の素線を撚り合わせたリッツ線が多く使用
されている。特にディスプレイ偏向ヨークでは、従来、
主に導体径φ0.4〜0.3mm程度の単線が使用されて
いたが、ディスプレイの大型化および高精細化にともな
い大電流および高周波電流が使用されるようになり、発
熱量低減のために導体径φ0.2〜0.1mmのリッツ線
が多く使用されるようになった。
【0003】しかしながら、図1に示したように、導体
1に絶縁層2を形成した絶縁電線素線3を撚り合わせた
だけのリッツ線では、素線3同士が接着されていないた
め撚りが緩みやすく、コイル加工時やヨーク組立時に浮
き出した線が引っかかり断線することが多い。また、図
2に示した、導体1に絶縁層2及び融着層4(又は潤滑
層5)を形成した自己融着性絶縁電線素線あるいは自己
潤滑性絶縁電線素線3aを撚り合わせた自己融着性ある
いは自己潤滑性のリッツ線では、上記の問題に加えて、
融着層あるいは潤滑層が集合線断面中に占める面積が大
きいため、導体占有率が小さくなりオーム抵抗が増加す
るという問題がある。
1に絶縁層2を形成した絶縁電線素線3を撚り合わせた
だけのリッツ線では、素線3同士が接着されていないた
め撚りが緩みやすく、コイル加工時やヨーク組立時に浮
き出した線が引っかかり断線することが多い。また、図
2に示した、導体1に絶縁層2及び融着層4(又は潤滑
層5)を形成した自己融着性絶縁電線素線あるいは自己
潤滑性絶縁電線素線3aを撚り合わせた自己融着性ある
いは自己潤滑性のリッツ線では、上記の問題に加えて、
融着層あるいは潤滑層が集合線断面中に占める面積が大
きいため、導体占有率が小さくなりオーム抵抗が増加す
るという問題がある。
【0004】これを改良するために、図3に断面を示し
たように、絶縁電線素線3を撚り合わせたうえに、一括
して融着層4を設けた所謂シースドリッツ線が考案され
ている。また実開昭61−36944には、図3に断面
を示したように、絶縁電線素線3が長手方向に平行に束
ねられ各素線が接着され、さらに外周に融着層4を配し
た自己融着性集合絶縁電線が開示されている。これらの
集合電線は、各素線3が接着されているため断線はほと
んどない。また、融着層4が集合電線の外周のみに設け
られているため、導体占有率の減少が小さくコイルの発
熱量低減に効果的である。さらに、細線の場合高価とな
る自己融着絶縁電線素線を必要としないため、安価に集
合線を製造できる。特に後者の場合は、撚り加工などの
複雑な工程を必要としないため、特に有利である。しか
しながら、このように素線束内部にワニスを塗布含浸さ
せ焼き付けた集合絶縁電線では、ワニスの溶剤として用
いるフェノール類が集合電線内部層6に多く残留し、そ
の結果、コイルを巻線加工する際や電気機器に組み込ま
れて使用される際に揮発し異臭を発するという欠点を有
していた。
たように、絶縁電線素線3を撚り合わせたうえに、一括
して融着層4を設けた所謂シースドリッツ線が考案され
ている。また実開昭61−36944には、図3に断面
を示したように、絶縁電線素線3が長手方向に平行に束
ねられ各素線が接着され、さらに外周に融着層4を配し
た自己融着性集合絶縁電線が開示されている。これらの
集合電線は、各素線3が接着されているため断線はほと
んどない。また、融着層4が集合電線の外周のみに設け
られているため、導体占有率の減少が小さくコイルの発
熱量低減に効果的である。さらに、細線の場合高価とな
る自己融着絶縁電線素線を必要としないため、安価に集
合線を製造できる。特に後者の場合は、撚り加工などの
複雑な工程を必要としないため、特に有利である。しか
しながら、このように素線束内部にワニスを塗布含浸さ
せ焼き付けた集合絶縁電線では、ワニスの溶剤として用
いるフェノール類が集合電線内部層6に多く残留し、そ
の結果、コイルを巻線加工する際や電気機器に組み込ま
れて使用される際に揮発し異臭を発するという欠点を有
していた。
【0005】ここでフェノール類とは、フェノール、ク
レゾール、キシレノールなどのフェノール性水酸基を有
する有機溶剤およびこれらの混合物、例えばクレゾール
酸などを示す。これらの有機溶剤は、溶解性に優れ、比
較的安価で、かつエナメル線焼付時の作業性に優れるた
め、ほとんどのエナメル電線用焼付塗料に溶剤として用
いられている。しかしながら、これらの有機溶剤が絶縁
電線に残留すると、コイル使用時など昇温されたときに
揮発し、特有の不快なフェノール臭を発し、作業環境の
悪化や人体への悪影響を惹き起こす原因となる。
レゾール、キシレノールなどのフェノール性水酸基を有
する有機溶剤およびこれらの混合物、例えばクレゾール
酸などを示す。これらの有機溶剤は、溶解性に優れ、比
較的安価で、かつエナメル線焼付時の作業性に優れるた
め、ほとんどのエナメル電線用焼付塗料に溶剤として用
いられている。しかしながら、これらの有機溶剤が絶縁
電線に残留すると、コイル使用時など昇温されたときに
揮発し、特有の不快なフェノール臭を発し、作業環境の
悪化や人体への悪影響を惹き起こす原因となる。
【0006】通常のエナメル絶縁電線や自己融着絶縁電
線では、導体を除く皮膜におけるフェノール類の含有量
は1.0重量%以下であり、臭いはほとんど問題となら
ない。しかしながら、図3に示したような、絶縁素線束
の内部にも接着層として塗料を含浸させ焼き付けた集合
電線では、素線束内の塗料中の溶剤が外部に拡散しにく
いため、2.0重量%以上のフェノール類が残留する。
このため、コイルの巻線加工時やコイルの使用時など昇
温された際にフェノール類が揮発し、特有の不快なフェ
ノール臭を発することが問題となっていた。
線では、導体を除く皮膜におけるフェノール類の含有量
は1.0重量%以下であり、臭いはほとんど問題となら
ない。しかしながら、図3に示したような、絶縁素線束
の内部にも接着層として塗料を含浸させ焼き付けた集合
電線では、素線束内の塗料中の溶剤が外部に拡散しにく
いため、2.0重量%以上のフェノール類が残留する。
このため、コイルの巻線加工時やコイルの使用時など昇
温された際にフェノール類が揮発し、特有の不快なフェ
ノール臭を発することが問題となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解消し、不快なフェノール臭が少ない集合
絶縁電線の製造方法を提供するものである。
術の問題点を解消し、不快なフェノール臭が少ない集合
絶縁電線の製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決せんとして鋭意研究の結果、素線を接着一体化する
ための素線束内部層が形成される工程の焼付を通常より
高い温度で行い、素線束外周上に塗料を塗布し硬化成形
する工程の焼付を通常の温度で行うことにより、線材特
性を損なうことなくフェノール類の残留量を著しく低減
できることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発
明は、複数本の絶縁電線素線を撚り合わせるか、あるい
は長手方向平行に断面が概ね円形状に束ね合わせた後焼
付用塗料を塗布し、ダイス絞りにより余剰の塗料を除去
した後一体化硬化成形し、さらにその外周上に焼付用塗
料を塗布し硬化する集合絶縁電線の製造方法において、
一体化硬化成形する焼付温度を外周上に焼付用塗料を塗
布し硬化成形する焼付温度よりも高くすることを特徴と
する集合絶縁電線の製造方法を内容とする。
解決せんとして鋭意研究の結果、素線を接着一体化する
ための素線束内部層が形成される工程の焼付を通常より
高い温度で行い、素線束外周上に塗料を塗布し硬化成形
する工程の焼付を通常の温度で行うことにより、線材特
性を損なうことなくフェノール類の残留量を著しく低減
できることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発
明は、複数本の絶縁電線素線を撚り合わせるか、あるい
は長手方向平行に断面が概ね円形状に束ね合わせた後焼
付用塗料を塗布し、ダイス絞りにより余剰の塗料を除去
した後一体化硬化成形し、さらにその外周上に焼付用塗
料を塗布し硬化する集合絶縁電線の製造方法において、
一体化硬化成形する焼付温度を外周上に焼付用塗料を塗
布し硬化成形する焼付温度よりも高くすることを特徴と
する集合絶縁電線の製造方法を内容とする。
【0009】
【作用】本発明の集合絶縁電線の製造方法によれば、最
初の一体化硬化工程における塗料の溶剤の蒸発が促進さ
れるため、集合線内部層のフェノール類の残留量が減少
する。また、本発明によれば、素線同士が密着している
ためコイル加工時の作業性に優れ、かつ融着性や潤滑性
を付与しても導体占有率の低下が小さいためコイルの発
熱量低減に効果的で、かつフェノール臭あるいはクレゾ
ール臭のような不快な臭気の少ない集合絶縁電線が提供
される。
初の一体化硬化工程における塗料の溶剤の蒸発が促進さ
れるため、集合線内部層のフェノール類の残留量が減少
する。また、本発明によれば、素線同士が密着している
ためコイル加工時の作業性に優れ、かつ融着性や潤滑性
を付与しても導体占有率の低下が小さいためコイルの発
熱量低減に効果的で、かつフェノール臭あるいはクレゾ
ール臭のような不快な臭気の少ない集合絶縁電線が提供
される。
【0010】
【実施例】絶縁電線素線としては、各種のエナメル電線
や押出被覆電線あるいは無機絶縁電線などが使用できる
が、通常、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合
金などの導体上に、ポリウレタン、ポリウレタンイミ
ド、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエステル
アミド、ポリエステルアミドイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リビニルホルマール、ポリヒダントイン、ポリヒダント
インエステルなどの1種又は2種以上を主成分とする絶
縁塗料を焼き付けた絶縁電線が使用される。また、導体
の形状としては平角線など断面形状が多角形の線材も使
用できるが、通常断面形状が円形の線材が使用される。
特に偏向ヨークコイルには、断面形状が円形の銅線上
に、ポリウレタン、ポリウレタンイミド、ポリエステ
ル、ポリエステルイミド、ポリエステルアミド、ポリエ
ステルアミドイミドあるいはポリアミドイミドから選ば
れる1種又は2種以上の熱硬化性樹脂を焼き付けた絶縁
電線が適している。
や押出被覆電線あるいは無機絶縁電線などが使用できる
が、通常、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合
金などの導体上に、ポリウレタン、ポリウレタンイミ
ド、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエステル
アミド、ポリエステルアミドイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リビニルホルマール、ポリヒダントイン、ポリヒダント
インエステルなどの1種又は2種以上を主成分とする絶
縁塗料を焼き付けた絶縁電線が使用される。また、導体
の形状としては平角線など断面形状が多角形の線材も使
用できるが、通常断面形状が円形の線材が使用される。
特に偏向ヨークコイルには、断面形状が円形の銅線上
に、ポリウレタン、ポリウレタンイミド、ポリエステ
ル、ポリエステルイミド、ポリエステルアミド、ポリエ
ステルアミドイミドあるいはポリアミドイミドから選ば
れる1種又は2種以上の熱硬化性樹脂を焼き付けた絶縁
電線が適している。
【0011】素線同士を接着し一体化する焼付用塗料と
しては、素線同士の接着力が十分得られ、かつ絶縁電線
としての特性を阻害しないもので、焼き付けにより硬化
する塗料が好ましい。また、図4に示す如く、焼付用塗
料7が素線束内部に充填されるためには、樹脂分濃度が
好ましくは5〜40重量%、より好ましくは5〜20重
量%である。樹脂分濃度が濃すぎると、図5に示すよう
に、焼付用塗料7が集合線の外周にまで食み出してしま
い、特性が低下する。
しては、素線同士の接着力が十分得られ、かつ絶縁電線
としての特性を阻害しないもので、焼き付けにより硬化
する塗料が好ましい。また、図4に示す如く、焼付用塗
料7が素線束内部に充填されるためには、樹脂分濃度が
好ましくは5〜40重量%、より好ましくは5〜20重
量%である。樹脂分濃度が濃すぎると、図5に示すよう
に、焼付用塗料7が集合線の外周にまで食み出してしま
い、特性が低下する。
【0012】焼き付けにより硬化する塗料としては、一
般に電線用に使用されている絶縁塗料、融着塗料あるい
は潤滑塗料がある。ここで融着塗料あるいは潤滑塗料と
は、それぞれ融着層あるいは潤滑層を形成する塗料を指
す。また、通常電線には使用されない有機樹脂、例えば
最大伸び率が10%以下で電線外周の皮膜に用いた場合
クレーズが起こりやすいような材料を有機溶剤などに溶
解した塗料も使用可能である。これらのうちで好ましい
ものは、特に一般に電線用に使用されている塗料であ
り、特に熱可塑性樹脂からなる電線用塗料は、硬化時の
副生物がないため発泡等が少なく、作業性に優れてい
る。
般に電線用に使用されている絶縁塗料、融着塗料あるい
は潤滑塗料がある。ここで融着塗料あるいは潤滑塗料と
は、それぞれ融着層あるいは潤滑層を形成する塗料を指
す。また、通常電線には使用されない有機樹脂、例えば
最大伸び率が10%以下で電線外周の皮膜に用いた場合
クレーズが起こりやすいような材料を有機溶剤などに溶
解した塗料も使用可能である。これらのうちで好ましい
ものは、特に一般に電線用に使用されている塗料であ
り、特に熱可塑性樹脂からなる電線用塗料は、硬化時の
副生物がないため発泡等が少なく、作業性に優れてい
る。
【0013】絶縁塗料としては、ポリウレタン、ポリウ
レタンイミド、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポ
リエステルアミド、ポリエステルアミドイミド、ポリア
ミドイミド、ポリビニルホルマール、ポリヒダントイ
ン、ポリヒダントインエステルなどの熱硬化性樹脂を主
成分とする塗料や、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ポリエステルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリエステルアミドイミドなどの熱可塑性樹脂を主成分
とする塗料が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み
合わせて用いられる。融着塗料としては、ポリアミド、
ポリビニルブチラール、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、エポキシ、フェノキシなどの熱可塑性樹脂を主
成分とする塗料が挙げられ、これらは単独又は2種以上
組み合わせて用いられる。潤滑塗料としては、ポリアミ
ドなどの熱可塑性樹脂を主成分とする塗料が一般的で、
これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。こ
れらのうちで、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、エポキシ、フェノ
キシなどの熱可塑性樹脂の1種又は2種以上を主成分と
する電線用塗料が特に適している。
レタンイミド、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポ
リエステルアミド、ポリエステルアミドイミド、ポリア
ミドイミド、ポリビニルホルマール、ポリヒダントイ
ン、ポリヒダントインエステルなどの熱硬化性樹脂を主
成分とする塗料や、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ポリエステルイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリエステルアミドイミドなどの熱可塑性樹脂を主成分
とする塗料が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み
合わせて用いられる。融着塗料としては、ポリアミド、
ポリビニルブチラール、ポリスルホン、ポリエーテルス
ルホン、エポキシ、フェノキシなどの熱可塑性樹脂を主
成分とする塗料が挙げられ、これらは単独又は2種以上
組み合わせて用いられる。潤滑塗料としては、ポリアミ
ドなどの熱可塑性樹脂を主成分とする塗料が一般的で、
これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。こ
れらのうちで、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、エポキシ、フェノ
キシなどの熱可塑性樹脂の1種又は2種以上を主成分と
する電線用塗料が特に適している。
【0014】本発明において、外周上に塗布硬化成形す
る焼付温度は塗料の種類や炉長あるいは線速により異な
るが、250〜550℃が好ましい。特に融着塗料では
250〜350℃が好ましい。また、一体化硬化成形す
る焼付温度は、上記外周上の焼付温度より50〜150
℃、特に80〜120℃高温であることが好ましい。上
記温度よりも高温となると、塗料材料の熱劣化や発泡に
より作業性や特性が低下する。
る焼付温度は塗料の種類や炉長あるいは線速により異な
るが、250〜550℃が好ましい。特に融着塗料では
250〜350℃が好ましい。また、一体化硬化成形す
る焼付温度は、上記外周上の焼付温度より50〜150
℃、特に80〜120℃高温であることが好ましい。上
記温度よりも高温となると、塗料材料の熱劣化や発泡に
より作業性や特性が低下する。
【0015】本発明の集合絶縁電線は、その最外周を絶
縁層しても構わないが、最外周を融着層あるいは潤滑層
とする場合が一般的である。融着層としては、ポリアミ
ド、ポリビニルブチラール、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、エポキシ、フェノキシなどの熱可塑性樹脂
を主成分とする材料が一般的で、これらは単独又は2種
以上組み合わせて用いられる。潤滑層としては、ポリア
ミドなどの熱可塑性樹脂を主成分とする材料が一般的
で、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられ
る。これら融着層あるいは潤滑層を形成する方法として
は、これを形成する材料を有機溶剤に溶解した融着塗料
あるいは潤滑塗料を、集合絶縁電線最外周に1〜数回塗
布焼き付けを繰り返し、所望の厚みを得る方法が好まし
い。この融着塗料あるいは潤滑塗料の有機溶剤として
は、クレゾール酸を含む有機溶剤が一般的に使用され
る。
縁層しても構わないが、最外周を融着層あるいは潤滑層
とする場合が一般的である。融着層としては、ポリアミ
ド、ポリビニルブチラール、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、エポキシ、フェノキシなどの熱可塑性樹脂
を主成分とする材料が一般的で、これらは単独又は2種
以上組み合わせて用いられる。潤滑層としては、ポリア
ミドなどの熱可塑性樹脂を主成分とする材料が一般的
で、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられ
る。これら融着層あるいは潤滑層を形成する方法として
は、これを形成する材料を有機溶剤に溶解した融着塗料
あるいは潤滑塗料を、集合絶縁電線最外周に1〜数回塗
布焼き付けを繰り返し、所望の厚みを得る方法が好まし
い。この融着塗料あるいは潤滑塗料の有機溶剤として
は、クレゾール酸を含む有機溶剤が一般的に使用され
る。
【0016】次に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 外径φ0.17mmの絶縁電線素線7本を撚りピッチ20
mmで撚り合わせた後、その素線束にポリアミド樹脂をク
レゾール酸に15重量%溶解した融着塗料を塗布し、ダ
イスにて余剰の塗料を絞り取り、炉長約3mの横型焼付
炉で400℃、10m/分で焼き付け、一体化硬化成形
した後、その素線束外周上に同様の融着塗料を塗布し、
300℃で4回焼き付けを繰り返し硬化成形し、集合絶
縁電線を得た。本実施例により得られた集合絶縁電線の
フェノール類残留量を表1に示した。フェノール類残留
量は、所定長さの試料中のフェノール、クレゾール、お
よびキシレノールの含有量を熱分解ガスクロマトグラフ
ィーで定量し、試料の導体を除いた質量に対する重量百
分率で示した。表1のとおり、フェノール類残留量は
0.6重量%と小さかった。
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。 実施例1 外径φ0.17mmの絶縁電線素線7本を撚りピッチ20
mmで撚り合わせた後、その素線束にポリアミド樹脂をク
レゾール酸に15重量%溶解した融着塗料を塗布し、ダ
イスにて余剰の塗料を絞り取り、炉長約3mの横型焼付
炉で400℃、10m/分で焼き付け、一体化硬化成形
した後、その素線束外周上に同様の融着塗料を塗布し、
300℃で4回焼き付けを繰り返し硬化成形し、集合絶
縁電線を得た。本実施例により得られた集合絶縁電線の
フェノール類残留量を表1に示した。フェノール類残留
量は、所定長さの試料中のフェノール、クレゾール、お
よびキシレノールの含有量を熱分解ガスクロマトグラフ
ィーで定量し、試料の導体を除いた質量に対する重量百
分率で示した。表1のとおり、フェノール類残留量は
0.6重量%と小さかった。
【0017】実施例2 素線を長手方向平行に束ね合わせた以外は実施例1と同
様の方法で集合絶縁電線を作成した。得られた集合絶縁
電線のフェノール類残留量を表1に示した。表1のとお
り、フェノール類残留量は0.8重量%と小さかった。
様の方法で集合絶縁電線を作成した。得られた集合絶縁
電線のフェノール類残留量を表1に示した。表1のとお
り、フェノール類残留量は0.8重量%と小さかった。
【0018】実施例3 素線同士を接着し一体化硬化する塗料の樹脂分濃度を2
0重量%にした以外は実施例2と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は1.0重量%と小さかった。
0重量%にした以外は実施例2と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は1.0重量%と小さかった。
【0019】実施例4 外周に塗布硬化する塗料を、樹脂分濃度15重量%のF
種エステルイミド絶縁塗料とし、その焼付温度を500
℃に変更した以外は、実施例2と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は0.9重量%と小さかった。
種エステルイミド絶縁塗料とし、その焼付温度を500
℃に変更した以外は、実施例2と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は0.9重量%と小さかった。
【0020】実施例5 外周に塗布硬化する塗料を、ポリアミド樹脂をクレゾー
ル酸に15重量%溶解した潤滑塗料に変更した以外は、
実施例2と同様の方法で集合絶縁電線を作成した。得ら
れた集合絶縁電線のフェノール類残留量を表1に示し
た。表1のとおり、フェノール類残留量は0.8重量%
と小さかった。
ル酸に15重量%溶解した潤滑塗料に変更した以外は、
実施例2と同様の方法で集合絶縁電線を作成した。得ら
れた集合絶縁電線のフェノール類残留量を表1に示し
た。表1のとおり、フェノール類残留量は0.8重量%
と小さかった。
【0021】比較例1 素線同士を接着し一体化硬化する塗料の焼き付け温度を
300℃とした以外は実施例1と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。本比較例により得られた集合絶縁電線
のフェノール類残留量を表1に示した。表1のとおり、
フェノール類残留量は2.8重量%と大きかった。
300℃とした以外は実施例1と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。本比較例により得られた集合絶縁電線
のフェノール類残留量を表1に示した。表1のとおり、
フェノール類残留量は2.8重量%と大きかった。
【0022】比較例2 素線同士を接着し一体化硬化する塗料の焼き付け温度を
300℃とした以外は実施例2と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は3.0重量%と大きかった。
300℃とした以外は実施例2と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は3.0重量%と大きかった。
【0023】比較例3 素線同士を接着し一体化硬化する塗料の焼き付け温度を
300℃とした以外は実施例3と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は3.2重量%と大きかった。
300℃とした以外は実施例3と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は3.2重量%と大きかった。
【0024】比較例4 素線同士を接着し一体化硬化する塗料の焼き付け温度を
300℃とした以外は実施例4と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は3.0重量%と大きかった。
300℃とした以外は実施例4と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は3.0重量%と大きかった。
【0025】比較例5 素線同士を接着し一体化硬化する塗料の焼き付け温度を
300℃とした以外は実施例5と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は2.7重量%と大きかった。
300℃とした以外は実施例5と同様の方法で集合絶縁
電線を作成した。得られた集合絶縁電線のフェノール類
残留量を表1に示した。表1のとおり、フェノール類残
留量は2.7重量%と大きかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の製造方法によ
り、素線同士が密着しているためコイル加工時の作業性
に優れ、かつ融着層や潤滑層を設けても導体占有率の低
下が少なく、かつフェノール臭あるいはクレゾール臭の
ような不快な臭気の少ない集合絶縁電線が提供される。
り、素線同士が密着しているためコイル加工時の作業性
に優れ、かつ融着層や潤滑層を設けても導体占有率の低
下が少なく、かつフェノール臭あるいはクレゾール臭の
ような不快な臭気の少ない集合絶縁電線が提供される。
【図1】集合絶縁電線(リッツ線)を示す概略断面図で
ある。
ある。
【図2】自己融着性(又は潤滑性)の集合絶縁電線(リ
ッツ線)を示す概略断面図である。
ッツ線)を示す概略断面図である。
【図3】自己融着性集合絶縁電線を示す概略断面図であ
る。
る。
【図4】焼付用塗料の好ましい塗布状態を示す概略断面
図である。
図である。
【図5】焼付用塗料の好ましくない塗布状態を示す概略
断面図である。
断面図である。
1 導体 2 絶縁層 3 絶縁電線素線 3a 自己潤滑性絶縁
電線素線 4 融着層 5 潤滑層 6 集合電線内部層 7 焼付用塗料
電線素線 4 融着層 5 潤滑層 6 集合電線内部層 7 焼付用塗料
Claims (6)
- 【請求項1】 複数本の絶縁電線素線を撚り合わせる
か、あるいは長手方向平行に断面が概ね円形状に束ね合
わせた後焼付用塗料を塗布し、ダイス絞りにより余剰の
塗料を除去した後一体化硬化成形し、さらにその外周上
に焼付用塗料を塗布し硬化成形する集合絶縁電線の製造
方法において、一体化硬化成形する焼付温度を外周上に
焼付用塗料を塗布し硬化成形する焼付温度よりも高くす
ることを特徴とする集合絶縁電線の製造方法。 - 【請求項2】 絶縁電線素線を一体化する焼付用塗料と
して、熱可塑性樹脂を主体とした塗料を使用する請求項
1記載の集合絶縁電線の製造方法。 - 【請求項3】 一体化硬化成形した外周上に塗布し硬化
成形する塗料として、絶縁塗料を使用する請求項1又は
2記載の集合絶縁電線の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3で得られた集合絶縁電線の
最外周に、さらに絶縁塗料を塗布焼き付けし絶縁層を形
成する集合絶縁電線の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜3で得られた集合絶縁電線の
最外周に、さらに融着塗料を塗布焼き付けし融着層を形
成する自己融着性集合絶縁電線の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜3で得られた集合絶縁電線の
最外周に、さらに潤滑塗料を塗布焼き付けし潤滑層を形
成する自己潤滑性集合絶縁電線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33958094A JPH08185734A (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 集合絶縁電線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33958094A JPH08185734A (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 集合絶縁電線の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08185734A true JPH08185734A (ja) | 1996-07-16 |
Family
ID=18328822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33958094A Withdrawn JPH08185734A (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 集合絶縁電線の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08185734A (ja) |
-
1994
- 1994-12-28 JP JP33958094A patent/JPH08185734A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020305 |