JPH08184520A - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ

Info

Publication number
JPH08184520A
JPH08184520A JP34010594A JP34010594A JPH08184520A JP H08184520 A JPH08184520 A JP H08184520A JP 34010594 A JP34010594 A JP 34010594A JP 34010594 A JP34010594 A JP 34010594A JP H08184520 A JPH08184520 A JP H08184520A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure receiving
receiving rod
piezoelectric body
diaphragm
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34010594A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Sakai
祥一 堺
Shigeo Okuma
重男 大隈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unisia Jecs Corp filed Critical Unisia Jecs Corp
Priority to JP34010594A priority Critical patent/JPH08184520A/ja
Publication of JPH08184520A publication Critical patent/JPH08184520A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度補償機能を有する圧力センサをコンパク
トに構成する。 【構成】 ケーシング本体11を熱膨張率の大きいC2
800等の銅合金から形成し、受圧ロッド16をこれよ
りも熱膨張率の小さいジルコニア等から形成する。これ
により、周囲温度が常温(20℃)から150℃程度ま
で上昇した場合でも、ダイヤフラム14の膨張を受圧ロ
ッド16の膨張よりも大きくでき、周囲温度が150℃
のときに圧電体18にかかる荷重を常温時よりも減少さ
せ、温度上昇による圧電体18の圧電定数変化分をほぼ
相殺することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用エンジ
ン等の燃焼圧を検出する燃焼圧センサに用いて好適な圧
力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、一端側に圧力に応じて撓み変形
するダイヤフラムが一体的に設けられたケーシング本体
と、一端側が前記ダイヤフラムに当接するように該ケー
シング本体内に設けられ、前記ダイヤフラムの変形に応
じて軸方向に変位する受圧ロッドと、該受圧ロッドの他
端側に位置して前記ケーシング本体内に設けられ、該受
圧ロッドの変位に応じた検出信号を出力する圧電体と、
前記ケーシング本体内に設けられ、該圧電体に予荷重を
与えるように、該圧電体をケーシング本体内で位置決め
した位置決め手段とからなる圧力センサは、例えば実開
昭60−535号公報等によって知られている。
【0003】そこで、この種の燃焼圧センサに用いられ
る圧電体を図6ないし図8に基づいて説明する。
【0004】図中、1はチタン酸鉛等の圧電材料からな
る圧電体で、該圧電体1の上下面には、導電性ペースト
等からなる電極1A,1Bが形成されている。そして、
該圧電体1は燃焼圧によるダイヤフラムの変位を受圧ロ
ッドを介して受承し、この燃焼圧に応じた電圧信号をコ
ントロールユニット(いずれも図示せず)に向けて出力
するようになっている。また、該圧電体1は図6に示す
如く、製造時に該各電極1A,1Bを介して高電界が加
えられることにより、自発分極の向きがある程度揃えら
れて分極軸Pが上下方向(軸方向)に形成され、該分極
軸Pに対して並行な応力軸Fから圧力(応力)が作用す
ると、圧電体1の内部に歪みが生じ、この圧力に応じた
電荷(電圧信号)を各電極1A,1Bを介して信号軸V
の方向に出力する所謂d33型素子として構成されてい
る。
【0005】そして、この種の圧電体1を用いた燃焼圧
センサはエンジンの燃焼室に取付けられ、燃焼時の高い
圧力(燃焼圧)をダイヤフラムで受承し、該ダイヤフラ
ムの軸方向の変位を受圧ロッドを介して圧電体1に伝え
ることにより、該圧電体1は燃焼圧に応じた電圧信号を
コントロールユニット等に出力し、コントロールユニッ
トはこの電圧信号に基づいて燃焼圧の大小を判定し、エ
ンジンへの燃料噴射時期や点火タイミング等を制御する
ようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ケーシング本体と一体のダイヤフラムの変
位を受圧ロッドを介して圧電体1に伝達することによ
り、燃焼室内の高温が圧電体1に直接的に伝わって該圧
電体1が破損するのを防止している。しかし、該圧電体
1を燃焼圧センサに使用する場合には、燃焼圧センサの
ケーシング本体,受圧ロッド等を介して燃焼室内の高温
が伝達され、これにより圧電体1の周囲温度が上昇する
と、該圧電体1は図7に示すような温度特性をもち、例
えば周囲温度が20℃〜150℃の範囲で変化すると、
その圧電定数の変化率は、約30%にも達してしまう。
【0007】このため、圧電体1をそのまま燃焼圧セン
サに用いたのでは温度変化に伴って検出信号が図8の如
く変動してしまい、燃焼圧を正確に出力することができ
ないという問題がある。
【0008】そこで、圧電体1の近傍に熱電対やサーミ
スタ等の温度センサを設け、該温度センサによって圧電
体1の周囲温度を検出し、コントロールユニットはこの
検出温度に基づいて該圧電体1の検出信号を補正するよ
うにしている。しかし、この温度センサと圧電体1は異
なる信号を出力するから、コントロールユニットの電子
回路や補正プログラム等が複雑化してコストが大幅に増
大するばかりか、温度センサを取付ける分だけ燃焼圧セ
ンサ全体が大型化して取付け自由度が低下する上に、温
度センサが経年劣化した場合は正確に補正することが出
来ないという問題がある。
【0009】然るに、従来技術による燃焼圧センサに用
いられている材料について検討すると、ダイヤフラムと
一体をなすケーシング本体にはC2800等の銅合金
(真鍮)が用いられ、受圧ロッドにはS45C等の炭素
鋼が用いられている。
【0010】そして、ケーシング本体を形成する銅合金
の熱膨張率は19×10-6程度であり、また弾性係数
(ヤング率)は20℃から150℃まで温度変化したと
きに約12〜13%減少(−12〜−13%)すること
が知られている。
【0011】また、受圧ロッドを形成する炭素鋼の熱膨
張率は10.7×10-6程度であり、また弾性係数(ヤ
ング率)は20℃から150℃まで温度変化したときに
約6%減少(−6%)することが知られている。
【0012】そこで、発明者達は、ケーシング本体と受
圧ロッドの材料について鋭意検討した結果、従来技術に
よるものは、ダイヤフラムを含むケーシング本体と受圧
ロッドに銅合金を使用し、受圧ロッドとして炭素鋼を使
用した場合、20〜150℃の温度範囲内での温度変化
に対し、両者の熱膨張率差が大きいため圧電体に作用す
る荷重の変化が大きすぎ、また両者の弾性率の変化率が
大きいため受圧ロッドに作用する荷重が相対的に大きく
なるという未解決な問題点を知るに至った。
【0013】本発明は上述した従来技術による問題に鑑
みなされたもので、本発明は圧電体の温度が変化した場
合でも、温度依存性のない安定した検出信号を出力でき
るようにした圧力センサを提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、一端側に圧力に応じて撓み変形するダ
イヤフラムが設けられたケーシング本体と、一端側が前
記ダイヤフラムに当接するように該ケーシング本体内に
設けられ、前記ダイヤフラムの変形に応じて軸方向に変
位する受圧ロッドと、該受圧ロッドの他端側に位置して
前記ケーシング本体内に設けられ、該受圧ロッドの変位
に応じた検出信号を出力する圧電体と、前記ケーシング
本体内に設けられ、該圧電体に予荷重を与えるように、
該圧電体を受圧ロッドとの間で位置決めした位置決め手
段とから圧力センサを構成している。
【0015】そして、請求項1に記載の発明が採用する
構成の特徴は、周囲温度の変化による前記圧電体の温度
特性に基づき、前記ケーシング本体が有する熱膨張率に
対し、前記受圧ロッドの熱膨張率が小さくなる関係もっ
た材料によって形成したことにある。
【0016】また、請求項2に記載の発明が採用する構
成の特徴は、周囲温度の変化による前記圧電体の温度特
性に基づき、前記ケーシング本体が有する弾性係数の変
化率を前記受圧ロッドの弾性係数の変化率に近い値とな
る関係をもった材料によって形成したことにある。
【0017】
【作用】上記構成により、請求項1の発明によれば、圧
力センサの周囲温度が変化したときに、ケーシング本体
と受圧ロッドとの熱膨張に差が生じ、これによって圧電
体に付与する予荷重を増減させることができるから、こ
のときの熱膨張差を圧電体の温度特性に合せ込むことに
より、温度変化による圧電体の圧電定数変化分をこれら
の熱膨張差で相殺することができる。
【0018】また、請求項2の発明によれば、圧力セン
サの周囲温度が変化したときに、ケーシング本体と受圧
ロッドとの弾性係数の変化率を近くすることにより、圧
電体に付与する予荷重を相対的に小さくすることができ
るから、温度変化による圧電体の圧電定数変化分をこれ
ら各弾性係数の関係で相殺することができる。これによ
り、温度変化による圧電体の検出信号の増加分を、圧電
体に作用する荷重(応力)の減少分で相殺することがで
きる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例による圧力センサを、
燃焼圧センサとして用いた場合を例に挙げ、図1ないし
図5に基づき詳述する。
【0020】まず、図1ないし図3は本発明の第1の実
施例を示し、本実施例の特徴は、ケーシング本体を熱膨
張率の大きな材料によって形成し、受圧ロッドを熱膨張
率の小さな材料によって形成したことにある。
【0021】図中、11は燃焼圧センサのケーシングを
後述のカバー15と共に構成するケーシング本体を示
し、該ケーシング本体11は大径の筒状に形成された大
径筒部12と、該大径筒部12の下端側に設けられ、下
向きに縮径するテーパ状に形成された肩部13と、後述
のダイヤフラム14とから有底の段付筒状に構成されて
いる。ここで、該ケーシング本体11は従来技術のもの
と同様に例えばC2800等の銅合金(真鍮)から形成
され、後述する受圧ロッド16よりも大きな、例えば1
9×10-6程度の熱膨張率を有している。
【0022】そして、該ケーシング本体11は、肩部1
3をエンジンのシリンダヘッドに設けた段付穴の段部
(いずれも図示せず)に当接させた状態で取付けられ、
このときにダイヤフラム14はシリンダヘッドから燃焼
室内に臨むようになっている。
【0023】14はケーシング本体11の肩部13から
下向きに突出して該ケーシング本体11と銅合金によっ
て一体形成されたダイヤフラムを示し、該ダイヤフラム
14は薄肉の円筒状に形成された小径部14Aと、該小
径部14Aの先端部に形成された厚肉円板状の受圧部1
4Bとから構成されている。そして、該ダイヤフラム1
4は燃焼室内の圧力(燃焼圧)を受圧部14Bで受圧す
ると、この圧力に応じて小径部14Aが軸方向に撓ん
で、後述の受圧ロッド16を軸方向に変位させるように
なっている。
【0024】15はケーシング本体11の上端側にレー
ザ溶接等の手段を用いて固着された段付円筒状のカバー
を示し、該カバー15には上向きに突出する小径筒状の
縮径部15Aが形成されている。
【0025】16はケーシング本体11内に軸方向に変
位可能に設けられたジルコニア等のセラミック材料から
なる受圧ロッドを示し、該受圧ロッド16は下端側の球
面部16Aがダイヤフラム14の受圧部14Bに当接さ
れ、上端側の平坦部16Bが絶縁性のセラミック材料等
からなる円板状の下側プレート17に当接している。こ
こで、該受圧ロッド16は従来技術による炭素銅に代え
てジルコニア等のセラミック材料が用いられるもので、
この場合ジルコニアは8.0×10-6程度の熱膨張率を
有しており、この値は前記ケーシング本体11の熱膨張
率よりも小さくなっている。
【0026】ここで、本実施例では、該受圧ロッド16
と前記ケーシング本体11の熱膨張との差により、該受
圧ロッド16から後述する圧電体18に付与される予荷
重が、150℃で常温下よりも約20〜30%減少する
ように長さ寸法等が決められている。
【0027】そして、該受圧ロッド16は燃焼圧によっ
て軸方向に撓むダイヤフラム14の変位を下側プレート
17等を介して後述する圧電体18側に伝達すると共
に、燃焼室からの高温が圧電体18に直接伝わるのを防
止するようになっている。
【0028】18はケーシング本体11の大径筒部12
内に位置して後述するコンタクトプレート20のコンタ
クト部20A上に設けられ、チタン酸鉛等の圧電性材料
から環状に形成された圧電体を示し、該圧電体18の両
端面側にはシート状の上側電極,下側電極(いずれも図
示せず)が形成され、該圧電体18の下側電極はコンタ
クトプレート20のコンタクト部20Aに接触し、上側
電極は導電性の金属材料からワッシャ状に形成された2
枚の上側プレート19,19、後述の止めねじ22を介
してケーシング本体11にアースされている。そして、
該圧電体18はダイヤフラム14が燃焼室内の燃焼圧を
受圧し、受圧ロッド16を介してこの燃焼圧を受承する
ことにより軸方向に圧縮され、このときの圧縮歪に対応
した起電力を燃焼圧の検出信号として出力するようにな
っている。
【0029】20はケーシング本体11内に設けられた
導電性の金属材料からなるコンタクトプレートを示し、
該コンタクトプレート20は、下端側に位置して円板状
に形成され、圧電体18に接触するコンタクト部20A
と、該コンタクト部20Aの中央から軸方向上向きに突
設され、上端側がリード線21にカシメ固定された筒状
の軸部20Bとから構成され、該コンタクトプレート2
0は前記下側プレート17と後述の絶縁チューブ25,
26によりケーシング本体11から絶縁されている。そ
して、該コンタクトプレート20は圧電体18からの検
出信号をリード線21を介してコントロールユニット
(図示せず)に伝達する。
【0030】22はケーシング本体11の大径筒部12
内に螺着された位置決め手段としての止めねじを示し、
該止めねじ22は導電性の金属材料から略円筒状に形成
され、その外周面にはおねじ部22Aを有している。そ
して、該止めねじ22は上側プレート19を介して圧電
体18を下向きに押圧することにより、該圧電体18に
所定の予荷重を与え、ケーシング本体11の大径筒部1
2内で圧電体18を軸方向に位置決めしている。そし
て、大径筒部12内には該止めねじ22の上側に、位置
決め手段となる他の止めねじ23が螺着され、止めねじ
22の緩み止めをしている。
【0031】24はカバー15の縮径部15Aの上端側
に嵌合固着されたシール部材を示し、該シール部材24
はリード線21の抜け止めを行うと共に、外部の雨水等
がカバー15内へ浸入するのを防止するようになってい
る。
【0032】25はコンタクトプレート20のコンタク
ト部20A外周側に設けられた下側絶縁チューブを示
し、該下側絶縁チューブ25は耐熱性の絶縁材料から大
径な筒状に形成されている。そして、該下側絶縁チュー
ブ25は、下側プレート17、圧電体18、コンタクト
部20A等を囲繞してこれらをケーシング本体11から
絶縁するようになっている。
【0033】26はコンタクトプレート20の軸部18
B外周側に設けられた上側絶縁チューブで、該上側絶縁
チューブ26は熱収縮性の絶縁樹脂材料から小径な筒状
に形成され、該上側絶縁チューブ26はコンタクトプレ
ート20の軸部20Bの外周側を止めねじ22,23、
ケーシング本体11から絶縁するようになっている。本
実施例による燃焼圧センサは以上の如き構成を有するも
ので、該燃焼圧センサをエンジンのシリンダヘッドに設
けた段付穴に取付ければ、エンジンの燃焼室内に吸込ま
れた混合気に点火プラグによって点火するときに、この
混合気が燃焼して燃焼室内に非常に高い燃焼圧が発生す
るから、この燃焼圧はケーシング本体11の一部を構成
するダイヤフラム14の受圧部14Bで受圧され、小径
部14Aを燃焼圧に応じて軸方向に撓ませる。
【0034】そして、この燃焼圧は受圧ロッド16を介
して圧電体18に伝えられ、該圧電体18はこのときの
燃焼圧に応じて圧縮され、燃焼圧に対応した起電力を検
出信号としてコンタクトプレート20,リード線21等
を介して外部のコントロールユニットに出力する。そし
て、コントロールユニットはこの検出信号に基づいて燃
焼圧の大,小を判定し、エンジン本体1の点火時期を制
御したり、エンジン本体1の負荷状態を検出したりする
ようになっている。
【0035】ここで、ダイヤフラム14および受圧ロッ
ド16の熱膨張と該ダイヤフラム14および圧電体18
に作用する荷重の関係について図2に基づき説明する。
なお、図2中では、下側プレート17,上側プレート1
9およびコンタクトプレート20のコンタクト部20A
は燃焼圧センサの軸方向(荷重方向)に占める寸法の割
合が小さく、これらの熱膨張は無視できると考えられる
ため、これらを省いて示している。
【0036】まず、ケーシング本体11に止めねじ22
を螺着することにより、ダイヤフラム14の受圧部14
Bと止めねじ22のおねじ部22A間、ダイヤフラム1
4の受圧部14Bと圧電体18間にはそれぞれ予荷重が
与えられ、これらの予荷重は図2に示す如く、分配比k
1:k2 なる割合でダイヤフラム14と圧電体18側に
付与されている。
【0037】また、受圧部14BにFなる荷重(燃焼
圧)が作用したときに、圧電体18に加わる荷重fは、
分配比k1:k2を用いて、
【0038】
【数1】 で表される。ここで、前記分配比(k1:k2)は、例え
ば20℃の常温下で(4.8:5.2)前後となってお
り、このとき数1より、fは常温(20℃)時に0.5
2Fとなる。
【0039】一方、エンジンの燃焼室からの熱により、
燃焼圧センサが150℃まで温度上昇したときには、圧
電体18の圧電定数が図7の如く、30%程度上昇す
る。
【0040】然るに、本実施例では、ケーシング本体1
1を熱膨張率の大きいC2800等の銅合金から形成
し、受圧ロッド16を銅合金よりも熱膨張率の小さいジ
ルコニアから形成することにより、周囲温度が常温から
150℃程度に上昇した場合にダイヤフラム14の膨張
を受圧ロッド16の膨張よりも大きくすることができ
る。
【0041】そこで、例えばケーシング本体11のダイ
ヤフラム14および受圧ロッド16を、これらが150
℃で熱膨張したときに、ダイヤフラム14に分配される
予荷重と受圧ロッド16に分配される予荷重との分配比
が3:2となるように、ダイヤフラム14および受圧ロ
ッド16の常温時の寸法を予め設定しておけば、150
℃におけるfの値は数1から0.4Fとなり、周囲温度
が150℃のときには常温時よりも圧電体18にかかる
荷重を約23%減少させることができる。
【0042】また、20℃と150℃の中間において
も、図3に示す如く、予荷重が直線的、連続的に変化す
るため、図7の如く変化する圧電体18の圧電定数を容
易に相殺し、温度上昇による圧電体18の圧電定数変化
分を補正することができる。
【0043】従って、本実施例によれば、燃焼室内の燃
焼圧を高精度に検出できると共に、温度補正機能を有す
る燃焼圧センサをコンパクトに構成でき、従来技術で用
いた温度センサや補正用の電子回路等を不要にでき、コ
ントロールユニットの回路構成を簡略化することができ
る。
【0044】次に、図4および図5は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、度変化による受圧ロ
ッドが有する弾性変化率に対し、ケーシング本体を温度
変化による弾性係数の変化率の値が近い材料によって形
成したことにある。なお、本実施例では前記第1の実施
例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略するものとする。
【0045】図中、31は燃焼圧センサを構成するケー
シング本体を示し、該ケーシング本体31は前述した従
来技術のケーシング本体11とほぼ同様に、大径筒部3
2,肩部33を有する段付筒状に形成されるものの、該
ケーシング本体31は、従来技術による銅合金に代え、
SUS304等のステンレス鋼から形成されている。こ
こで、このSUS304は20℃から150℃まで温度
変化するときに、弾性係数(ヤング率)の変化率が約1
0%減少(−10%)するもので、銅合金の弾性係数の
変化率の減少割合(−12〜−13%)よりも小さくな
っている。
【0046】34は前記ケーシング本体31の肩部33
の先端側にケーシング本体31と一体形成して設けられ
たダイヤフラムを示し、該ダイヤフラム34は前記第1
の実施例で述べたダイヤフラム14と同様に、小径部3
4Aと受圧部34Bからなる筒状に形成されている。
【0047】35は前記ケーシング本体31内に軸方向
に変位可能に設けられた受圧ロッドを示し、該受圧ロッ
ド35は前記第1の実施例で述べた受圧ロッド35とほ
ぼ同様に、球面部35Aと受圧部35Bを有する棒状に
形成され、前記ダイヤフラム34の受圧部34Bと下側
プレート17との間に設けられている。しかし、本実施
例による受圧ロッド35は、従来技術によるものと同様
にS45C等の炭素鋼から構成され、このS45Cは2
0℃から150℃まで温度変化するときにも弾性係数
(ヤング率)の変化率は約60%減少(−6%)する。
【0048】本実施例による燃焼圧センサは以上の如き
構成を有するもので、その基本的作動については前記第
1の実施例によるものと格別差異はない。
【0049】然るに、本実施例では、ケーシング本体3
1の材料として、温度上昇による弾性係数の減少率が約
−10%である比較的小さいSUS304等のステンレ
ス鋼から形成し、従来技術のように銅合金を用いたもの
に比較し、該ケーシング本体31の弾性係数の変化率を
S45C等の炭素鋼からなる受圧ロッド35に近づける
ようにしたから、以下に述べる作用、効果を奏する。
【0050】即ち、図5に模式的に示す如く、ダイヤフ
ラム34、受圧ロッド35を、それぞれ弾性係数k1
2の弾性体としてみると、本実施例においても前記数
1の関係が成り立つ。
【0051】ここで、本実施例ではケーシング本体31
の材料として、従来技術による銅合金に比較し、受圧ロ
ッド35の弾性変化率に近い値をもったSUS304等
のステンレス鋼を用いている。
【0052】この結果、前述した数1と図5から明らか
なように、ケーシング本体31にステンレス鋼を用いた
場合には、従来技術のように銅合金を用いた場合に比較
して、弾性係数K1の変化率が小さいので、その分だけ
受圧部34Bに作用する荷重(応力)Fは、弾性係数K
1からなるダイヤフラム34によって消費されることに
なる。即ち、受圧ロッド35から圧電体18に作用する
荷重は、従来技術に比較して小さくなる。
【0053】このように、本実施例では、温度上昇によ
るケーシング本体31の弾性係数の変化率を、受圧ロッ
ド35が有する弾性係数の変化率に近い値に近づけるこ
とにより、受圧部34Bに作用する荷重をケーシング本
体31と一体のダイヤフラム34で消費させ、圧電体1
8に付与される予荷重を温度の上昇に伴って減少させる
ようにし、例えば常温時に4.8:5.2とした予荷重
の分配比が高温(150℃)時に3:2となるように設
計すれば、前記第1の実施例と同様にして圧電体18の
圧電定数の変化分を補正することができる。
【0054】この結果、圧電体18による検出信号の増
加分を、受圧ロッド35に作用する応力の減少分で相殺
することができる。
【0055】従って、本実施例によっても、燃焼室内の
燃焼圧を高精度に検出できると共に、温度補正機能を有
する燃焼圧センサをコンパクトに構成でき、コントロー
ルユニットの回路構成を簡略化できる等の効果を奏す
る。
【0056】なお、前記各実施例では、常温時における
予荷重の分配比を4.8:5.2とし、高温(150
℃)時にはこの分配比が3:2となるように構成するも
のとして説明したが、本発明はこれに限るものではな
く、要は高温時において圧電体18側に作用する予荷重
の分配比がケーシング本体1のダイヤフラム14側より
も小さくなるように、実験等に基づいて構成すればよ
い。
【0057】また、前記各実施例では、圧力センサとし
て燃焼圧センサを例に挙げて説明したが、本発明は空
気、工業用ガス等の気体や燃料、水等の液体の圧力を検
出する圧力センサにも適用することができる。
【0058】さらに、前記各実施例では圧電体18の位
置決め手段となる2個の止めねじ22,23を有するダ
ブルナットとしたが、止めねじ23を廃止してもよい。
【0059】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明では、一端側
に圧力に応じて撓み変形するダイヤフラムが設けられた
ケーシング本体と、一端側が前記ダイヤフラムに当接す
るように該ケーシング本体内に設けられ、前記ダイヤフ
ラムの変形に応じて軸方向に変位する受圧ロッドと、該
受圧ロッドの他端側に位置して前記ケーシング本体内に
設けられ、該受圧ロッドの変位に応じた検出信号を出力
する圧電体と、前記ケーシング本体内に設けられ、該圧
電体に予荷重を与えるように、該圧電体を受圧ロッドと
の間で位置決めした位置決め手段とから圧力センサを構
成し、請求項1の発明では、周囲温度の変化による前記
圧電体の温度特性に基づき、前記ケーシング本体が有す
る熱膨張率に対し、前記受圧ロッドの熱膨張率が小さく
なる関係をもった材料によって形成したから、圧力セン
サの周囲温度が変化したときに、ケーシング本体と受圧
ロッドとの熱膨張に差が生じ、これによって圧電体に付
与する予荷重を増減させることができ、このときの熱膨
張差を圧電体の温度特性に合せ込むことにより、温度変
化による圧電体の圧電定数変化分を前記熱膨張差で相殺
することができる。
【0060】また、請求項2に記載の発明では、周囲温
度の変化による前記圧電体の温度特性に基づき、前記ケ
ーシング本体が有する弾性係数の変化率を前記受圧ロッ
ドの弾性係数の変化率に近い値となる関係をもった材料
によって形成したから、圧力センサの周囲温度が変化し
たときに圧電体に付与する予荷重を減少させ、温度変化
による圧電体の圧電定数変化分を相殺し、もって圧電体
による出力増加分をこの荷重減少分によって相殺するこ
とができる。
【0061】従って、本発明によれば、温度変化による
圧電体の圧電定数変化分を補正でき圧電体によってダイ
ヤフラムに作用する圧力を高精度に検出できると共に、
温度補正機能を有する圧力センサをコンパクトに構成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による燃焼圧センサを示
す半断面図である。
【図2】ダイヤフラム,受圧ロッドの熱膨張と圧電体に
作用する荷重について模式的に示す説明図である。
【図3】圧電体に作用する予荷重と温度変化との関係を
示す特性線図である。
【図4】本発明の第2の実施例による燃焼圧センサを示
す半断面図である。
【図5】ダイヤフラム,受圧ロッドの弾性係数の変化と
圧電体に作用する荷重について模式的に示す説明図であ
る。
【図6】従来技術による燃焼圧センサに用いられる圧電
体の一部を拡大して示す縦断面図である。
【図7】図6中の圧電体の圧電定数と温度変化との関係
を示す特性線図である。
【図8】図6中の圧電体の検出信号と温度変化との関係
を示す特性線図である。
【符号の説明】
11,31 ケーシング本体 14,34 ダイヤフラム 16,35 受圧ロッド 18 圧電体 22,23 止めねじ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側に圧力に応じて撓み変形するダイ
    ヤフラムが設けられたケーシング本体と、一端側が前記
    ダイヤフラムに当接するように該ケーシング本体内に設
    けられ、前記ダイヤフラムの変形に応じて軸方向に変位
    する受圧ロッドと、該受圧ロッドの他端側に位置して前
    記ケーシング本体内に設けられ、該受圧ロッドの変位に
    応じた検出信号を出力する圧電体と、前記ケーシング本
    体内に設けられ、該圧電体に予荷重を与えるように、該
    圧電体を受圧ロッドとの間で位置決めした位置決め手段
    とからなる圧力センサにおいて、周囲温度の変化による
    前記圧電体の温度特性に基づき、前記ケーシング本体が
    有する熱膨張率に対し、前記受圧ロッドの熱膨張率が小
    さくなる関係をもった材料によって形成したことを特徴
    とする圧力センサ。
  2. 【請求項2】 一端側に圧力に応じて撓み変形するダイ
    ヤフラムが設けられたケーシング本体と、一端側が前記
    ダイヤフラムに当接するように該ケーシング本体内に設
    けられ、前記ダイヤフラムの変形に応じて軸方向に変位
    する受圧ロッドと、該受圧ロッドの他端側に位置して前
    記ケーシング本体内に設けられ、該受圧ロッドの変位に
    応じた検出信号を出力する圧電体と、前記ケーシング本
    体内に設けられ、該圧電体に予荷重を与えるように、該
    圧電体をケーシング本体内で位置決めした位置決め手段
    とからなる圧力センサにおいて、周囲温度の変化による
    前記圧電体の温度特性に基づき、前記ケーシング本体が
    有する弾性係数の変化率を前記受圧ロッドの弾性係数の
    変化率に近い値となる関係をもった材料によって形成し
    たことを特徴とする圧力センサ。
JP34010594A 1994-12-27 1994-12-27 圧力センサ Pending JPH08184520A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34010594A JPH08184520A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 圧力センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34010594A JPH08184520A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 圧力センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08184520A true JPH08184520A (ja) 1996-07-16

Family

ID=18333771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34010594A Pending JPH08184520A (ja) 1994-12-27 1994-12-27 圧力センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08184520A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7988068B2 (en) 2005-06-27 2011-08-02 Fujifilm Corporation Liquid ejection head
JP2014510233A (ja) * 2011-04-07 2014-04-24 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料インジェクタ
JP2016521954A (ja) * 2013-06-06 2016-07-25 ジョージア テック リサーチ コーポレイション 油圧圧力変動からの圧電体エネルギーを回収するためのシステムおよび方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7988068B2 (en) 2005-06-27 2011-08-02 Fujifilm Corporation Liquid ejection head
JP2014510233A (ja) * 2011-04-07 2014-04-24 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料インジェクタ
JP2016521954A (ja) * 2013-06-06 2016-07-25 ジョージア テック リサーチ コーポレイション 油圧圧力変動からの圧電体エネルギーを回収するためのシステムおよび方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5517073A (en) Pressure sensor
EP0430445B1 (en) Piezoelectric pressure sensor
US6973820B2 (en) Combustion pressure sensor designed to ensure stability of output characteristic and sensitivity
US8109250B2 (en) Glow plug with integrated pressure sensor
KR101302439B1 (ko) 압력감지 글로우 장치
JP5339898B2 (ja) 一体化された圧力センサを備えたグロープラグ及びグロープラグのボディ
JP2009058156A (ja) 燃焼圧センサ付きグロープラグ
US20040206186A1 (en) Engine cylinder pressure sensor
JPH08184520A (ja) 圧力センサ
JP2558556B2 (ja) 圧力センサ
JP2526246Y2 (ja) 圧力センサ
JP2575184Y2 (ja) 圧力センサ
JP2005024537A (ja) 燃焼圧センサ
JPH04249730A (ja) 圧力センサ
JPH03185326A (ja) 圧電型圧力センサ
JPH05164644A (ja) 圧力センサ
JP2623387B2 (ja) 圧力センサ
JPH05164643A (ja) 圧電型圧力センサ
JPH04262218A (ja) 圧力センサ
JP2009150325A (ja) 燃焼圧センサ
JP2005002909A (ja) 燃焼圧センサおよびその出力調整方法
JPH05164645A (ja) 圧力センサ
JPH04249729A (ja) 圧力センサ
JPH04248431A (ja) 圧力センサ
JP2583946Y2 (ja) 圧力センサ