JPH08183850A - ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物およびこれらの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート、ポリカーボネート組成物およびこれらの製造方法

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JPH08183850A
JPH08183850A JP32776394A JP32776394A JPH08183850A JP H08183850 A JPH08183850 A JP H08183850A JP 32776394 A JP32776394 A JP 32776394A JP 32776394 A JP32776394 A JP 32776394A JP H08183850 A JPH08183850 A JP H08183850A
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JP
Japan
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polycarbonate
compound
mol
acid
metal compound
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Application number
JP32776394A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Sakashita
下 健 阪
Koji Nagai
井 孝 司 長
Tomoaki Shimoda
田 智 明 下
Tetsuji Kodaira
平 哲 司 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SABIC Innovative Plastics Japan KK
Original Assignee
GE Plastics Japan Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性に優れた新規ポリカーボネート、ポリ
カーボネート組成物およびその製造方法を提供する。 【構成】 下記の構成単位からなるポリカーボネート。 【化1】 本発明では、特定の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジ
エステルとを、(a)アルカリ化合物触媒の存在下に溶融
重縮合させてポリカーボネートを製造することが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、耐熱性に優れるとともに
色相および透明性などにも優れた新規なポリカーボネー
ト、ポリカーボネート組成物ならびにこれらの製造方法
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリカーボネートは、耐衝撃性な
どの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などにも
優れており、広く用いられている。
【0003】このようなポリカーボネートは、通常ビス
フェノールA(芳香族ジヒドロキシ化合物)とホスゲン
とを直接反応させる方法(界面法)、あるいはビスフェ
ノールAなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とジフェニル
カーボネートなどの炭酸ジエステルとを溶融状態でエス
テル交換反応(重縮合反応)させる溶融法などにより製
造されている。
【0004】これらのうちでも溶融法によってポリカー
ボネートを製造すると、原料としてホスゲンを用いる必
要がなく、しかも界面法と比較して安価にポリカーボネ
ートを製造することができる。
【0005】ところで上記のように通常芳香族ジヒドロ
キシ化合物としてビスフェノールAを用いて製造される
従来のポリカーボネートは、ガラス転移温度(Tg)が
150℃程度である。このようなポリカーボネートは、
たとえば自動車用ヘッドランプなどのように高温に晒さ
れる光学材料用途に用いるには耐熱性が不充分であり、
用途によってはより一層優れた耐熱性が望まれている。
またポリカーボネートは、製造時あるいは溶融成形時に
着色したりすることがある。
【0006】このため高温条件下においても利用できる
ような優れた耐熱性を有するとともに色相および透明性
にも優れたポリカーボネート、ポリカーボネート組成物
ならびにこのようなポリカーボネート、ポリカーボネー
ト組成物を得ることができるようなポリカーボネートの
製造方法の出現が望まれている。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、耐熱性に優れ
るとともに色相および透明性にも優れた新規なポリカー
ボネート、ポリカーボネート組成物ならびにこれらの製
造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るポリカーボネートは、下記
式[I]で示される構成単位を有する新規なポリカーボ
ネートである。
【0009】
【化3】
【0010】ここでRd およびRe は、水素原子または
1価の炭化水素基であり、Rf は2価の炭化水素基であ
る。Ra 、Rb およびRc は、ハロゲン原子、炭素数1
〜10の炭化水素基または少なくともその一部がハロゲ
ンで置換された炭素数1〜10の炭化水素基であり、R
a 、Rb およびRc は互いに同一であっても異なってい
てもよい。
【0011】p、qおよびrは、それぞれ置換基数を表
わし、pは0〜10の整数であり、qおよびrは0〜4
の整数であり、これらが2以上のとき、Ra 同士、Rb
同士またはRc 同士はそれぞれ同一であっても異なって
いてもよい。)。
【0012】本発明に係るポリカーボネートの極限粘度
[IV]は0.2〜1.2dl/gであることが好ましい。
本発明に係るポリカーボネートの製造方法では、たとえ
ば下記一般式[II]で示される芳香族ジヒドロキシ化合
物と、炭酸ジエステルとを、(a)アルカリ金属化合物お
よび/またはアルカリ土類金属化合物を含む触媒の存在
下で溶融重縮合させて上記のようなポリカーボネートを
製造している。
【0013】
【化4】
【0014】また本発明に係るポリカーボネート組成物
は、上記のような[A]ポリカーボネートと、[B]酸
性化合物と、必要に応じて[C]エポキシ化合物とから
形成される。
【0015】本発明に係るポリカーボネート組成物の製
造方法では、前記のようにして上記一般式[II]で示さ
れる芳香族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルと
を、アルカリ性化合物触媒の存在下で溶融重縮合させ、
得られた反応生成物である[A]ポリカーボネートに、
[B]酸性化合物および必要に応じて[C]エポキシ化
合物を添加することを特徴としている。
【0016】また本発明では、上記のように反応生成物
である[A]ポリカーボネートに、[B]酸性化合物お
よび必要に応じて[C]エポキシ化合物を添加した後、
減圧処理を施すことが好ましい。
【0017】上記のような本発明に係るポリカーボネー
トは、耐熱性および色相に優れている。また本発明に係
るポリカーボネート組成物は、耐熱性および色相に優れ
るとともに成形滞留安定性、耐水性および耐候性に優
れ、かつ長時間溶融状態においた場合の安定性にも優れ
ている。
【0018】さらに本発明に係るポリカーボネート組成
物を製造するに際して、製造時に減圧処理を施すと、ポ
リマー中の残留モノマーあるいはオリゴマーなどが低減
されており、成形時の金型汚れを低減することができ、
成形安定性などにも優れたポリカーボネート組成物を得
ることができる。
【0019】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリカーボネ
ート、ポリカーボネート組成物ならびにこれらの製造方
法を具体的に説明する。
【0020】ポリカーボネート 本発明に係るポリカーボネートは、下記式[I]で表わ
される構成単位からなる新規なポリカ−ボネ−トであ
る。
【0021】
【化5】
【0022】ここでRd およびRe は、水素原子または
1価の炭化水素基であり、Rf は2価の炭化水素基であ
る。Ra 、Rb およびRc は、ハロゲン原子、炭素数1
〜10の炭化水素基または少なくともその一部がハロゲ
ンで置換された炭素数1〜10の炭化水素基であり、R
a 、Rb およびRc は互いに同一であっても異なってい
てもよい。
【0023】p、qおよびrは、それぞれ置換基数を表
わし、pは0〜10の整数であり、qおよびrは0〜4
の整数であり、これらが2以上のとき、Ra 同士、Rb
同士またはRc 同士はそれぞれ同一であっても異なって
いてもよい。)。
【0024】この炭素数1〜10の炭化水素基として
は、たとえば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピ
ル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デ
シル、フェニル、メチルフェニル、ブチルフェニル、ナ
フチルなどが挙げられる。
【0025】このような式[I]で示される構成単位
は、下記のような芳香族ジヒドロキシ化合物[II]と、
炭酸ジエステルまたはホスゲンから導かれる。
【0026】
【化6】
【0027】このような式[II]で示される芳香族ジヒ
ドロキシ化合物としては、たとえば1-(4-ヒドロキシフ
ェニル)-4-(ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル
-シクロヘキサン、1-(3-ヒドロキシフェニル)-4-(ジ
メチル-3-ヒドロキシフェニル)メチル-シクロヘキサ
ン、1-(3-ヒドロキシフェニル)-4-(ジメチル-4-ヒド
ロキシフェニル)メチル-シクロヘキサン、1-メチル-1-
(4-ヒドロキシフェニル)-4-(ジメチル-4-ヒドロキシ
フェニル)メチル-シクロヘキサン、1-メチル-1-(4-ヒ
ドロキシフェニル)-4-(メチルシクロヘキシル-4-ヒド
ロキシフェニル)メチル-シクロヘキサン、1-メチル-1-
(4-ヒドロキシフェニル)-4-(ジシクロヘキシル-4-ヒ
ドロキシフェニル)メチル-シクロヘキサン、1-メチル-
1-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-4-(ジメチ
ル-3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル-シク
ロヘキサン、1-メチル-1-(3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ
フェニル)-4-(ジメチル-3,5-ジクロロ-4-ヒドロキシ
フェニル)メチル-シクロヘキサン、1-メチル-1-(3,5-
ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)-4-(ジメチル-3,5-
ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)メチル-シクロヘキサ
ン、2,3,6,5-テトラメチル-1-(4-ヒドロキシフェニ
ル)-4-(ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチル-シ
クロヘキサンなどが挙げられる。
【0028】これらのうちでは、1-メチル-1-(4-ヒド
ロキシフェニル)-4-(ジメチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)メチル-シクロヘキサンなどが好ましい。本発明に
係るポリカーボネートは、上記のような芳香族ジヒドロ
キシ化合物[II]と、炭酸ジエステルまたはホスゲンと
から導かれる構成単位[I]とともに、本発明の目的を
損なわない範囲でジカルボン酸あるいはジカルボン酸エ
ステルから導かれる単位を含有していてもよい。
【0029】このようなジカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸エステルとしては、たとえば、テレフタル酸、イソ
フタル酸、セバシン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、セ
バシン酸ジフェニル、テレフタル酸ジフェニル、イソフ
タル酸ジフェニル、デカン二酸ジフェニル、ドデカン二
酸ジフェニルなどが挙げられる。
【0030】本発明に係るポリカーボネートは、上記の
ようなジカルボン酸あるいはジカルボン酸エステルから
導かれる単位を、たとえば炭酸ジエステルから導かれる
単位を100モル%とした場合に50モル%以下好まし
くは30モル%以下の量で含有していてもよい。
【0031】このようなジカルボン酸あるいはジカルボ
ン酸エステルと、芳香族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジ
エステルまたはホスゲンとから導かれるポリカーボネー
トは、ポリエステルポリカーボネートともいわれてい
る。
【0032】また本発明に係るポリカーボネートは、本
発明の目的を損なわない範囲で、1分子中に3個以上の
官能基を有する多官能化合物から導かれる単位を含有し
ていてもよい。この多官能化合物としては、フェノール
性水酸基またはカルボキシル基を1分子中に3個以上有
する化合物が好ましく、特にフェノール性水酸基を3個
含有する化合物が好ましい。
【0033】このような多官能化合物としては、具体的
にはたとえば、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)
エタン、2,2',2"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ジイ
ソプロピルベンゼン、α-メチル -α,α',α'-トリス
(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジエチルベンゼン、α,
α',α"-トリス(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリ
イソプロピルベンゼン、フロログルシン、4,6-ジメチル
-2,4,6-トリ-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ヘプタン、
1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、2,2-ビ
ス-4,4-(4,4'-ジヒドロキシフェニル)-シクロヘキシ
ルプロパン、トリメリット酸、1,3,5-ベンゼントリカル
ボン酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
【0034】これらのうち、1,1,1-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル)エタン、α,α',α"-トリス(4-ヒドロキ
シフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンなどが
好ましい。
【0035】本発明に係るポリカーボネートは、このよ
うな多官能化合物から導かれる単位を、芳香族ジヒドロ
キシ化合物[II]から導かれる単位を100モル%とす
るとき、3モル%以下好ましくは0.1〜2モル%さら
に好ましくは0.1〜1モル%の量で含有していてもよ
い。
【0036】上記のような本発明に係るポリカーボネー
トの極限粘度[IV]は、0.2〜1.2dl/g好ましく
は0.3〜0.8dl/gであることが望ましい。なおこの
IV値は、ウベローデ粘度計を用いて、20℃の塩化メ
チレン中(0.5dl/g)で測定される値である。
【0037】本発明に係るポリカーボネートのガラス転
移温度(Tg)は、分子量にもよるが、200〜220
℃であることが望ましい。また本発明に係るポリカーボ
ネートの熱変形温度(HDT)は、185〜205℃で
あることが望ましい。
【0038】また本発明に係るポリカーボネートの黄色
度(YI)は、通常3以下好ましくは2.5以下であ
る。黄色度(YI)は、下記のように求めることができ
る。
【0039】ポリカーボネートの3mm厚のプレスシート
を試料として、日本電色工業(株)製 Color and Deff
erence Meter ND-1001 DP を用いて透過法により、X
値、Y値、Z値を測定する。これらの値を次式に代入し
てYI値を算出する。
【0040】YI =(100/Y)×(1.277X
−1.060Z) 上記のように本発明に係るポリカーボネートは、ガラス
転移温度(Tg)および熱変形温度(HDT)が高く耐
熱性に優れており、通常のビスフェノ−ルAのポリカー
ボネートと比較してより一層耐熱性に優れている。
【0041】また本発明に係るポリカーボネートは、黄
色度が低く、色相に優れているとともに透明性にも優れ
ている。ポリカーボネートの製造方法 上記のような本発明に係るポリカーボネートは、ホスゲ
ンを用いる方法によって製造することもでき、あるいは
ポリカーボネートオリゴマ−の固相重合法などにより製
造することもできるが、下記のような溶融法によってポ
リカーボネートを製造することが好ましい。
【0042】本発明では、上記式[II]で示される芳香
族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを、(a) ア
ルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合
物を含む触媒の存在下で溶融重縮合させて上記のような
ポリカーボネートを製造することが好ましい。
【0043】この溶融重縮合反応に用いられる芳香族ジ
ヒドロキシ化合物としては、ポリカーボネートの構成単
位の説明において示したような一般式[II]で示される
化合物が挙げられるが、これらのうちでも1-メチル-1-
(4-ヒドロキシフェニル)-4-(ジメチル-4-ヒドロキシ
フェニル)メチル-シクロヘキサンなどが好ましく用い
られる。
【0044】また本発明で用いられる炭酸ジエステルと
しては、具体的に、ジフェニルカーボネート、ジトリー
ルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネー
ト、m-クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネー
ト、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボ
ネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネー
ト、ジシクロヘキシルカーボネートなどが挙げられる。
【0045】これらのうち特にジフェニルカーボネート
が好ましい。本発明では、上記のような炭酸ジエステル
は、前述したようなジカルボン酸あるいはジカルボン酸
エステルを、炭酸ジエステル100モル%中に、50モ
ル%以下好ましくは30モル%以下の量で含有していて
もよい。
【0046】本発明では、ポリカーボネートを製造する
に際して、上記のような炭酸ジエステルは、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物[II]1モルに対して、1.0〜1.30
モル、好ましくは1.01〜1.20モルさらに好ましく
は1.01〜1.10モルの量で用いられることが望まし
い。
【0047】また本発明では、ポリカーボネートを製造
するに際して、芳香族ジヒドロキシ化合物[II]と炭酸
ジエステルとともに、前述したような1分子中に3個以
上の官能基を有する多官能化合物とを用いることもでき
る。
【0048】このような多官能化合物は、芳香族ジヒド
ロキシ化合物[II]1モルに対して、通常は0.03モ
ル以下好ましくは0.001〜0.02モルさらに好まし
くは0.001〜0.01モルの量で用いられることが望
ましい。
【0049】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
では、上記のような芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジ
エステルとを、(a) アルカリ金属化合物および/または
アルカリ土類金属化合物を含む触媒の存在下に重縮合反
応させている。
【0050】このような(a) アルカリ金属化合物および
/またはアルカリ土類金属化合物(以下(a) アルカリ化
合物ともいう)としては、具体的には、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、
水酸化物、水素化物あるいはアルコラートなどが好まし
く挙げられる。
【0051】より具体的には、このようなアルカリ金属
化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢
酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カ
リウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウ
ム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリウ
ム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸
リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリ
ウム、リン酸水素二リチウム、ビスフェノールAの二ナ
トリウム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フェノール
のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが用いら
れる。
【0052】またアルカリ土類金属化合物としては、具
体的には、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシ
ウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸
水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウ
ム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチ
ウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロン
チウムなどが用いられる。
【0053】これらは、2種以上組合わせて用いてもよ
い。本発明において、(a) アルカリ化合物は、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物[II]1モルに対して1×10-8〜1
×10-3モル、好ましくは、5×10-8〜2×10 -6
ル、さらに好ましくは1×10-7〜1×10-6モルの量
で用いられる。
【0054】このように(a) アルカリ化合物を、芳香族
ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10-8〜1×1
-3モルの量で用いると、重合活性を高く維持できると
ともに色相に優れたポリカーボネートを製造することが
できる。また生成したポリカーボネートには、後述する
ように酸性化合物を添加してポリカーボネート組成物を
製造するが、この際酸性化合物をポリカーボネートの性
質に悪影響を及ぼさない量でこれらアルカリ化合物が示
す塩基性を充分に中和するかあるいは弱めさせることが
でき、色相、耐熱性、耐水性および耐候性に優れ、かつ
長時間の溶融安定性に優れたポリカーボネート組成物を
得ることができる。
【0055】本発明では、触媒として上記のような(a)
アルカリ化合物とともに(b) 含窒素塩基性化合物、(c)
ホウ酸化合物を用いることもできる。このような(b) 含
窒素塩基性化合物としては、たとえば高温で易分解性あ
るいは揮発性の含窒素塩基性化合物が挙げられ、具体的
には、以下のような化合物を挙げることができる。
【0056】テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド
(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(Bu4NOH)、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキ
シド(φ−CH2(Me)3NOH )などのアルキル、アリール、
アルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシ
ド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル
ベンジルアミン、トリフェニルアミンなどの三級アミン
類、R2NH(式中Rはメチル、エチルなどのアルキ
ル、フェニル、トルイルなどのアリール基などである)
で示される二級アミン類、RNH2(式中Rは上記と同
じである)で示される一級アミン類、4-ジメチルアミノ
ピリジン、4-ジエチルアミノピリジン、4-ピロリジノピ
リジンなどのピリジン類、2-メチルイミダゾール、2-フ
ェニルイミダゾールなどのイミダゾール類、あるいはア
ンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド
(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドラ
イド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアンモニウ
ムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)などの塩基性
塩。
【0057】これらのうち、テトラアルキルアンモニウ
ムヒドロキシド類、特に金属不純物の少ない電子用テト
ラアルキルアンモニウムヒドロキシド類が好ましく用い
られる。
【0058】上記のような(b) 含窒素塩基性化合物は、
芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、10-6〜1
-1モル好ましくは10-5〜10-2モルの量で用いるこ
とができる。
【0059】また(c) ホウ酸化合物としては、ホウ酸お
よびホウ酸エステルなどを挙げることができる。ホウ酸
エステルとしては、下記一般式で示されるホウ酸エステ
ルを挙げることができる。
【0060】B(OR)n(OH)3-n 式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル、フェニルな
どのアリールなどであり、nは1、2または3である。
【0061】このようなホウ酸エステルとしては、具体
的には、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸
トリブチル、ホウ酸トリヘキシル、ホウ酸トリヘプチ
ル、ホウ酸トリフェニル、ホウ酸トリトリル、ホウ酸ト
リナフチルなどが挙げられる。
【0062】このような(c) ホウ酸またはホウ酸エステ
ルは、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、10
-8〜10-1モル、好ましくは10-7〜10-2モル、さら
に好ましくは10-6〜10-4モルの量で用いることがで
きる。
【0063】本発明では、触媒として、上記のような
(a) アルカリ化合物と、(b) 含窒素塩基性化合物とを組
み合わせて、(a) アルカリ化合物と、(c) ホウ酸または
ホウ酸エステルとを組み合わせて、さらに、(a) アルカ
リ化合物と、(b) 含窒素塩基性化合物と、(c) ホウ酸ま
たはホウ酸エステルとを組み合わせて用いることが好ま
しい。
【0064】触媒として(a) アルカリ化合物とともに
(b) 含窒素塩基性化合物を併用すると、重縮合反応を高
活性で行なうことができるとともに、耐熱性、耐水性、
色相および透明性に優れ、しかも高分子量のポリカーボ
ネートを生成させることができる。
【0065】また(a) アルカリ化合物とともに(c) ホウ
酸またはホウ酸エステルを併用すると、エステル交換反
応、重縮合反応を十分な速度で進行させることができる
とともに、色相、耐熱性および耐水性などに優れたポリ
カーボネートを生成させることができる。特に(c) ホウ
酸またはホウ酸エステルの使用量が上記のような量であ
ると、熱老化後に分子量の低下を起こしにくいポリカー
ボネートが得られるので好ましい。
【0066】本発明ではまた、以下に示すような酸性触
媒を上記の触媒と組み合わせて用いることもできる。こ
の酸性触媒としては、ルイス酸化合物が挙げられ、具体
的にたとえば、ホウ酸亜鉛、酢酸亜鉛、シュ酸亜鉛、フ
ェニル酢酸亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸
亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛
−クロム酸化物、亜鉛−クロム−銅酸化物などの亜鉛化
合物、酢酸カドミウム、シュウ酸カドミウム、酸化カド
ミウム、ステアリン酸カドミウムなどのカドミウム化合
物、酸化ケイ素、シリカアルミナ、シリカマグネシアな
どのケイ素化合物、酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニ
ウムなどのゲルマニウム化合物、酢酸第一スズ、シュウ
酸第一スズ、オクチル酸スズ、塩化第一スズ、塩化第二
スズ、酸化第一スズ、酸化第二スズ、テトラフェニルス
ズなどのスズ化合物、酢酸鉛、ホウ酸鉛、クエン酸鉛、
水酸化鉛、酸化鉛、リン酸鉛、フタル酸鉛、ステアリン
酸鉛などの鉛化合物、酢酸アンチモン、シュウ酸アンチ
モン、トリフェニルアンチモン、三酸化アンチモン、五
酸化アンチモン、トリフェノキシアンチモン、トリメト
キシアンチモン、三塩化アンチモンなどのアンチモン化
合物、酢酸ビスマス、シュウ酸ビスマス、トリフェニル
ビスマス、三酸化ビスマス、三塩化ビスマスなどのビス
マス化合物、三塩化チタン、四塩化チタン、二酸化チタ
ン、テトラフェノキシチタン、テトライソプロポキシチ
タンなどのチタン化合物などが挙げられる。
【0067】このような触媒を用いた芳香族ジヒドロキ
シ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応は、従来知ら
れている芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
の重縮合反応条件と同様な条件下で行なうことができ
る。
【0068】具体的には、第一段目の反応を80〜25
0℃、好ましくは100〜230℃、さらに好ましくは
120〜190℃の温度で、0〜5時間、好ましくは0
〜4時間、さらに好ましくは0〜3時間、常圧下、芳香
族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを反応させ
る。
【0069】次いで反応系を減圧にしながら反応温度を
高めて、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと
の反応を行ない、最終的には5mmHg以下好ましくは1
mmHg以下の減圧下で240〜320℃の温度で芳香族
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの重縮合反応を
行なう。
【0070】上記のような反応は、連続式で行なっても
よくまたバッチ式で行なってもよい。また上記の反応を
行なうに際して用いられる反応装置は、槽型であっても
管型であっても塔型であってもよい。
【0071】ポリカーボネート組成物 本発明に係るポリカーボネート組成物は、上記のような
[A]ポリカーボネートと、[B]酸性化合物とからな
る。
【0072】また本発明に係るポリカーボネート組成物
は、さらに[C]エポキシ化合物を含有していることが
好ましい。[A]ポリカーボネートは、上述したように
製造時に触媒として用いた(a) アルカリ金属化合物また
はアルカリ土類金属化合物を含有している。
【0073】本発明で用いられる[B]酸性化合物は、
このような[A]ポリカーボネート中の(a) アルカリ金
属化合物またはアルカリ土類金属化合物を中和すること
ができれば、ルイス酸化合物であってもブレンステッド
酸化合物あるいはイオウ原子を含む強酸のエステルであ
ってもよい。
【0074】本発明で用いられる[B]酸性化合物は、
25℃の水溶液中でのpKaが3以下であることが好ま
しい。pKaがこのような値を示す酸性化合物を用いる
ことにより、触媒として用いられたアルカリ金属または
アルカリ土類金属を中和でき、得られるポリカーボネー
トを安定化させることができるという利点がある。
【0075】ルイス酸化合物としては、具体的には、ホ
ウ酸亜鉛、リン酸ホウ素などのホウ素化合物、B(OC
33 、B(OEt )3 、B(OPh)3 などのホウ
酸エステル、ステアリン酸アルミニウム、ケイ酸アルミ
ニウムなどのアルミニウム化合物、炭酸ジルコニウム、
アルコキシドジルコニウム、ヒドロキシカルボン酸ジル
コニウムなどのジルコニウム化合物、リン化ガリウム、
アンチモン化ガリウムなどのガリウム化合物、酸化ゲル
マニウム、有機ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合
物、テトラまたはヘキサオルガノスズ、PhOSn(B
u)2OSn(Bu)2OPhなどのスズ化合物、酸化ア
ンチモン、アルキルアンチモンなどのアンチモン化合
物、酸化ビスマス、アルキルビスマスなどのビスマス化
合物、(CH3COO)2Zn 、ステアリン酸亜鉛などの
亜鉛化合物、アルコキシチタン、酸化チタンなどのチタ
ン化合物などが挙げられる。
【0076】なお上記式中、Phはフェニル基、Etは
エチル基、Buはブチル基を表わす。ブレンステッド酸
化合物としては、具体的には、リン酸、亜リン酸、次亜
リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、ホウ酸、塩酸、臭化
水素酸、硫酸、亜硫酸、アジピン酸、アゼライン酸、ド
デカン酸、L-アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香
酸、ギ酸、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、サリチル
酸、ニコチン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、ベ
ンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸、ベンゼン
スルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリ
スチレン、アクリル酸メチル−スルホン化スチレン共重
合体などのスルホン酸類の化合物などが挙げられる。
【0077】イオウ原子を含む酸のエステルとしては、
具体的に、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p-トルエンス
ルホン酸のメチル、エチル、ブチル、オクチルあるいは
フェニルエステル、ベンゼンスルホン酸のメチル、エチ
ル、ブチル、オクチル、フェニルエステルなどの酸残基
部分のpKaが3以下の化合物が用いられる。
【0078】このような[B]酸性化合物のうち、イオ
ウ原子、リン原子などを含有する酸性化合物が好まし
く、特にイオウ原子を含有する酸性化合物が好ましい。
これらは、2種以上組合わせて用いてもよい。
【0079】本発明に係るポリカーボネート組成物は、
上記のような[B]酸性化合物を、[A]ポリカーボネ
ート中に残存する(a) アルカリ化合物などのアルカリ性
を中和するかあるいはこれらによる影響を弱めることが
できる量で含有していればよく、具体的には、[A]ポ
リカーボネート中の(a) アルカリ化合物1モルに対して
0.1〜50モル好ましくは0.5〜30モルの量で含有
している。
【0080】特に[B]酸性化合物がルイス酸または3
より大きいpKaを有するブレンステッド酸である場合
には、0.1〜50モル好ましくは0.1〜30モルの量
で用いられ、また[B]酸性化合物が3以下のpKaを
有するブレンステッド酸あるいはイオウ原子を含む酸の
エステルである場合には、0.1〜50モル好ましくは
0.1〜15モルさらに好ましくは0.1〜7モルの量で
用いられる。
【0081】また本発明に係るポリカーボネート組成物
は、特定量の水を含有していてもよく、具体的に[A]
ポリカーボネートに対して、5〜1000ppm好ましく
は10〜500ppmさらに好ましくは20〜300ppm
の量の水を含有していてもよい。
【0082】このように[B]酸性化合物とともに特定
量の水を含有するポリカーボネート組成物は、[A]ポ
リカーボネート中の塩基性触媒の中和効率が高められ、
より一層溶融時の滞留安定性に優れ、色相、透明性、耐
水性および耐候性にも優れている。
【0083】なお水を1000ppmより多く含有する
と、ポリカ−ボネ−トの加水分解が起こり易くなってポ
リカ−ボネ−トの物性が低下してしまうことがある。ま
た本発明に係るポリカーボネート組成物は、[C]エポ
キシ化合物を、[A]ポリカーボネート100重量部に
対して、0.0001〜0.2重量部、好ましくは0.0
01〜0.1重量部の量で含有していることが望まし
い。
【0084】本発明で用いられる[C]エポキシ化合物
としては、1分子中にエポキシ基を1個以上有する化合
物が挙げられ、具体的には、エポキシ化大豆油、エポキ
シ化アマニ油、フェニルグリシジルエーテル、アリルグ
リシジルエーテル、t-ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-6- メチ
ルシクロヘキシルメチル3,4-エポキシ-6- メチルシクロ
ヘキサンカルボキシレート、2,3-エポキシシクロヘキシ
ルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、4-(3,4-エポキシ-5- メチルシクロヘキシル)ブチ
ル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-
エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロヘキ
シルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、3,4-エポキシ-6- メチルシクロヘキシルメチル-6-
メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビスフェノー
ル-Aジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノー
ル-Aグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエス
テル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、
ビス- エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、ビス
- エポキシエチレングリコール、ビス- エポキシシクロ
ヘキシルアジペート、ブタジエンジエポキシド、テトラ
フェニルエチレンエポキシド、オクチルエポキシタレー
ト、エポキシ化ポリブタジエン、3,4-ジメチル-1,2- エ
ポキシシクロヘキサン、3,5-ジメチル-1,2- エポキシシ
クロヘキサン、3-メチル-5-t-ブチル-1,2- エポキシシ
クロヘキサン、オクタデシル-2,2- ジメチル-3,4- エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート、N-ブチル-2,2-
ジメチル-3,4- エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、シクロヘキシル-2- メチル-3,4- エポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート、N-ブチル-2- イソプロピル-
3,4- エポキシ-5-メチルシクロヘキサンカルボキシレー
ト、オクタデシル-3,4- エポキシシクロヘキサンカルボ
キシレート、2-エチルヘキシル-3',4'- エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート、4,6-ジメチル-2,3- エポキ
シシクロヘキシル-3',4'- エポキシシクロヘキサンカル
ボキシレート、4,5-エポキシ無水テトラヒドロフタル
酸、3-t-ブチル-4,5- エポキシ無水テトラヒドロフタル
酸、ジエチル4,5-エポキシ- シス-1,2- シクロヘキサン
ジカルボキシレート、ジ-n- ブチル-3-t- ブチル-4,5-
エポキシ- シス-1,2- シクロヘキサンジカルボキシレー
トなどが挙げられる。
【0085】これらは、2種以上組合わせて用いてもよ
い。このように[C]エポキシ化合物を含有するポリカ
ーボネート組成物は、[B]酸性化合物が過剰に残存し
ていても、[C]エポキシ化合物がこれと反応すること
により中性化されており、耐熱性に優れるとともに色
相、透明性、耐水性および耐候性などに優れている。
【0086】本発明に係るポリカーボネート組成物は、
耐熱性、色相、透明性、耐水性および耐候性に優れてい
るだけでなく、使用時においても長時間に亘って色相安
定性に優れたポリカーボネートの成形品を提供しうるの
で、シート、レンズ、コンパクトディスクなどの光学用
用途、自動車などの屋外で使用される用途および各種機
器のハウジングなどのあらゆる用途に好適に使用でき
る。
【0087】このような本発明に係るポリカーボネート
組成物は、上述したように芳香族ジヒドロキシ化合物と
炭酸ジエステルとを共重合させ、得られた反応生成物で
ある[A]ポリカーボネートに、[B]酸性化合物およ
び必要に応じて[C]エポキシ化合物を添加することに
より製造される。
【0088】本発明に係るポリカーボネート組成物の製
造方法では、反応生成物として得られた[A]ポリカー
ボネートに、[B]酸性化合物と[C]エポキシ化合物
とを加える方法に特に限定はなく、たとえば溶融状態に
ある[A]ポリカーボネートに[B]、[C]を加えて
混練してもよく、[A]ポリカーボネートの溶液に
[B]と[C]とを加えて撹拌してもよい。
【0089】より具体的には、重縮合反応が終了して得
られる溶融状態にある反応器内または押出機内の[A]
ポリカーボネートに、直接[B]酸性化合物と必要に応
じて[C]エポキシ化合物を別々にあるいは同時に加え
混練する方法、得られた[A]ポリカーボネートをペレ
ット化し、このペレットを[B]酸性化合物と必要に応
じて[C]エポキシ化合物とともに一軸または二軸押出
機などに供給して溶融混練する方法、得られた[A]ポ
リカーボネートを適当な溶媒たとえば塩化メチレン、ク
ロロホルム、トルエン、テトラヒドロフランなどに溶解
させて溶液を調製し、この溶液に[B]酸性化合物と必
要に応じて[C]エポキシ化合物を別々にまたは同時に
加え撹拌する方法などを挙げることができる。
【0090】[A]ポリカーボネートに[B]酸性化合
物と[C]エポキシ化合物とを添加する順序は、どちら
が先であってもよい。本発明に係るポリカーボネート組
成物の製造方法においては、上記のように重縮合反応に
よって得られた[A]ポリカーボネートに、[B]酸性
化合物と必要に応じて[C]エポキシ化合物とを添加し
た後に、減圧処理を施すことが好ましい。
【0091】ポリカーボネート組成物の減圧処理は、た
とえば減圧装置付反応器、減圧装置付押出機などを用い
て行なうことができる。減圧装置付反応器としては、縦
型槽型反応器、横型槽型反応器いずれでもよく、好まし
くは横型槽型反応器が好ましく用いられる。
【0092】減圧処理は、240〜350℃程度の温度
で行なうことが好ましい。減圧処理が上記のような反応
器において行われるときには、0.05〜750mmHg
好ましくは0.05〜5mmHgの圧力条件下で、5分〜
3時間程度の時間実施されることが好ましい。
【0093】また減圧処理が押出機において行なわれる
ときには、1〜750mmHg好ましくは5〜700mmH
gの圧力条件下で、10秒〜15分間程度実施されるこ
とが好ましい。この押出機としては、ベント付の一軸押
出機、二軸押出機いずれが用いられてもよく、押出機で
ポリカーボネート組成物を減圧処理しながらペレタイズ
することもできる。
【0094】このようにして反応生成物であるポリカー
ボネートに酸性化合物と必要に応じてエポキシ化合物を
添加した後に減圧処理を施すと、残留モノマーおよびオ
リゴマーなどを低減させたポリカーボネート組成物を得
ることができる。
【0095】なお本発明に係るポリカーボネート組成物
は、本発明の目的を損なわない範囲で、耐熱安定剤、紫
外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチ
ブロッキング剤、滑剤、防曇剤、染料、顔料、天然油、
合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤などを
含んでいてもよい。
【0096】これらのうちでも、以下に示すような耐熱
安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤などが好ましく
用いられる。これらは2種以上組み合わせて用いること
もできる。
【0097】このような耐熱安定剤としては、具体的に
は、フェノール系安定剤、有機チオエーテル系安定剤、
有機ホスファイト系安定剤、ヒンダードアミン系安定
剤、エポキシ系安定剤などが挙げられる。
【0098】フェノール系安定剤としては、たとえば、
n-オクタデシル-3-(4-ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチル
フェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン-3-
(3',5'-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4- ヒドロ
キシ-5-t- ブチルフェニル)ブタン、ジステアリル(4-
ヒドロキシ-3- メチル-5-t- ブチル)ベンジルマロネー
ト、4-ヒドロキシメチル-2,6- ジ-t- ブチルフェノール
などが挙げられる。
【0099】チオエーテル系安定剤としては、たとえ
ば、ジラウリル・チオジプロピオネート、ジステアリル
・チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3'-チオジプ
ロピオネート、ジトリデシル-3,3'-チオジプロピオネー
ト、ペンタエリスリトール- テトラキス-(β- ラウリル
- チオプロピオネート)などが挙げられる。
【0100】有機ホスファイト系安定剤としては、たと
えば、ビス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)ペンタエリス
リチルジホスファイト、ジフェニルデシルホスファイ
ト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、フェニルイ
ソオクチルホスファイト、2-エチルヘキシルジフェニル
ホスファイトなどのアリールアルキルホスファイト、ト
リメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ
ブチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリ
ノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオ
クタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリ
チルジホスファイト、トリス(2-クロロエチル)ホスフ
ァイト、トリス(2,3-ジクロロプロピル)ホスファイト
などのトリアルキルホスファイト、トリシクロヘキシル
ホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイト、
トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイ
ト、トリス(エチルフェニル)ホスファイト、トリス
(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)ホスファイト、トリス
(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ヒドロキシ
フェニル)ホスファイトなどのトリアリールホスファイ
ト、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェー
ト、トリデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフ
ェート、ジステアリルペンタエリスリチルジホスフェー
ト、トリス(2-クロロエチル)ホスフェート、トリス
(2,3-ジクロロプロピル)ホスフェートなどのトリアル
キルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェートな
どのトリシクロアルキルホスフェート、トリフェニルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(ノニ
ルフェニル)ホスフェート、2-エチルフェニルジフェニ
ルホスフェートなどのトリアリールホスフェートなどが
挙げられる。
【0101】またヒンダードアミン系安定剤としては、
たとえば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピ
ペリジル)セバケート、1-[2-{3-(3,5-ジ-t- ブチル
-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル]-4- {3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}-2,2,6,6- テトラメチルピペ
リジン、8-ベンジル-7,7,9,9- テトラメチル-3- オクチ
ル-1,2,3- トリアザスピロ[4,5] ウンデカン-2,4- ジオ
ン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリ
ジン、2-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)
-2-n- ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4
- ピペリジル)、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4
- ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート
などが挙げられる。
【0102】これらは、2種以上組合わせて用いてもよ
い。またこれら耐熱安定剤は、固体状で添加してもよ
く、液体状で添加してもよい。本発明に係るポリカーボ
ネート組成物は、耐熱安定剤を、[A]ポリカーボネー
ト100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ま
しくは0.005〜0.5重量部、さらに好ましくは0.
01〜0.3重量部の量で含有していてもよい。
【0103】また紫外線吸収剤としては、一般的な紫外
線吸収剤でよく、特に限定されないが、たとえばサリチ
ル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレー
ト系紫外線吸収剤などを挙げることができる。
【0104】サリチル酸系紫外線吸収剤としては、具体
的には、フェニルサリシレート、p-t-ブチルフェニルサ
リシレートが挙げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収
剤としては、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒド
ロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ
-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-
ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-
2'-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキ
シ-5- スルホベンゾフェノントリヒドレート、2-ヒドロ
キシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テト
ラヒドロキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒド
ロキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロ
キシ-2-メトキシフェニル)メタン、2-ヒドロキシ-4-メ
トキシベンゾフェノン-5-スルホン酸などが挙げられ
る。
【0105】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチル-フェニル)ベンゾト
リアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチル-フ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t
-ブチル-5'-メチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリア
ゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチル- フェ
ニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキ
シ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-
(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(3",4",5",6"-テ
トラヒドロフタルイミドメチル)-5'-メチルフェニル]
ベンゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス[4-(1,1,3,3
-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-
イル)フェノール]などが挙げられる。
【0106】シアノアクリレート系紫外線吸収剤として
は、2-エチルヘキシル-2- シアノ-3,3-ジフェニルアク
リレート、エチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレー
トなどが挙げられる。これらは2種以上組合せて用いて
もよい。
【0107】本発明に係るポリカーボネート組成物は、
紫外線吸収剤を、[A]ポリカーボネート100重量部
に対して、通常0.001〜5重量部、好ましくは0.0
05〜1.0重量部、さらに好ましくは0.01〜0.5
重量部の量で含有していてもよい。
【0108】また離型剤としては、一般的に離型剤とし
て知られているものが、特に限定されることなく広く用
いられる。たとえば天然、合成パラフィン類、ポリエチ
レンワックス類、フルオロカーボン類などの炭化水素系
離型剤、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸などの
高級脂肪酸、オキシ脂肪酸類などの脂肪酸系離型剤、ス
テアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミドなどの
脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド類などの脂
肪酸アミド系離型剤、ステアリルアルコール、セチルア
ルコールなどの脂肪族アルコール、多価アルコール、ポ
リグリコール、ポリグリセロール類などのアルコール系
離型剤、ブチルステアレート、ペンタエリスリトールテ
トラステアレートなどの脂肪族酸低級アルコールエステ
ル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコ
ールエステル類などの脂肪酸エステル系離型剤、シリコ
ーンオイル類などのシリコーン系離型剤を用いることが
でき、これらを2種以上組合せて用いてもよい。
【0109】ポリカーボネート組成物は、離型剤を、
[A]ポリカーボネート100重量部に対して、通常、
0.001〜5重量部、好ましくは0.005〜1重量
部、さらに好ましくは0.01〜0.5重量部の量で含有
していてもよい。
【0110】着色剤としては、顔料であってもよく、染
料であってもよく、また無機系着色剤、有機系着色剤の
いずれを用いても、またこれらを組み合わせて用いても
よい。
【0111】無機系着色剤として、具体的には、二酸化
チタン、ベンガラなどの酸化物、アルミナホワイトなど
の水酸化物、硫化亜鉛などの硫化物、セレン化物、紺青
などのフェロシアン化物、ジンククロメート、モリブデ
ンレッドなどのクロム酸塩、硫酸バリウムなどの硫酸
塩、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、群青などの硅酸塩、
マンガンバイオレットなどのリン酸塩、カーボンブラッ
クなどの炭素、ブロンズ粉、アルミニウム粉などの金属
粉着色剤などが挙げられる。
【0112】有機系着色剤としては、具体的には、ナフ
トールグリーンBなどのニトロソ系、ナフトールイエロ
−Sなどのニトロ系、リソールレッド、ボルドー10
B、ナフトールレッド、クロモフタールイエローなどの
アゾ系、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー
などのフタロシアニン系、インダントロンブルー、キナ
クリドンバイオレット、ジオクサジンバイオレットなど
の縮合多環系着色剤などが挙げられる。
【0113】本発明に係るポリカーボネート組成物は、
着色剤を、[A]ポリカーボネート100重量部に対し
て、通常1×10-6〜5重量部、好ましくは1×10-5
〜3重量部、さらに好ましくは1×10-5〜1重量部の
量で含有していてもよい。
【0114】本発明では、上記のような他の成分特に耐
熱安定剤を、[B]または[C]と同様に[A]ポリカ
ーボネートが溶融状態にある間に添加すると、製造時の
熱履歴回数が少ないポリカーボネート組成物を製造する
ことができて好ましい。また得られたポリカーボネート
組成物のペレットは耐熱安定剤を含有しているので、再
溶融時の熱分解を抑制することができる。
【0115】上記のような本発明に係るポリカーボネー
トまたはポリカーボネート組成物には、目的に応じて他
のポリマー、配合剤などをブレンドして用いることもで
きる。
【0116】
【発明の効果】本発明に係る新規なポリカーボネート
は、耐熱性に優れるとともに色相および透明性にも優れ
ている。
【0117】本発明に係るポリカーボネートの製造方法
によれば、上記のようなポリカーボネートを安価に製造
することができる。またホスゲンなどを用いていないの
で、安全衛生面においても好ましい。
【0118】また本発明に係るポリカーボネート組成物
は、耐熱性に優れるとともに透明性および色相に優れて
おり、特に使用時に長期に亘って色相安定性に優れてい
る。本発明のポリカーボネートまたはポリカーボネート
組成物は、一般の成形材料として、またシートなどの建
築材料、自動車用ヘッドランプレンズ、メガネなどの光
学用レンズ類、光学用記録材料などに好適に用いられ
る。
【0119】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0120】以下の実施例において得られたポリカーボ
ネートおよびその成形体について、以下のようにして物
性を測定した。 極限粘度[IV]; 塩化メチレン中(0.5g/dl)、2
0℃でウベローデ粘度計を用いて測定した。
【0121】光線透過率;3mm厚のプレスシートについ
て、日本電色工業(株)製 NDH-200を用いて測定した。 ヘイズ; 3mm厚のプレスシートについて、日本電色工業
(株)製 NDH-200を用いて測定した。
【0122】黄色度[YI];3mm厚のプレスシートに
ついて、日本電色工業(株)製 Color and Defference
Meter ND-1001 DP を用い透過法で測定したX値、Y
値、Z値を、次式に代入して算出した。
【0123】YI =(100/Y)×(1.277X
−1.060Z) ガラス転移温度(Tg);パーキンエルマー社製 MODEL
DSC-2 示差走査熱量計を用いて、10℃/minの昇温速
度で樹脂の示差熱分析を行って求めた。
【0124】熱変形温度(HDT);0.5 ×0.5 ×5
(インチ)の射出試験片について、264 psi の荷重をか
けて測定した。
【0125】
【実施例1】ニッケル(Ni)製撹拌翼を取り付けた5
00mlのガラスリアクター中に、1-メチル-1-(4-ヒド
ロキシフェニル)-4-(ジメチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)メチル-シクロヘキサン0.60モルと、ジフェニル
カーボネート0. 67モルとを入れ、N2 雰囲気下、1
80℃で30分間撹拌した。
【0126】その後、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシドの15%水溶液を、1-メチル-1-(4-ヒドロキシ
フェニル)-4-(ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチ
ル-シクロヘキサン1モルに対してテトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシドが2.5×10-4モルになる量で、
また水酸化ナトリウムを、1-メチル-1-(4-ヒドロキシ
フェニル)-4-(ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メチ
ル-シクロヘキサン1モルに対して1×10-6モルの量
で加えて、N2 雰囲気下、180℃で30分間、エステ
ル交換反応を行なった。
【0127】その後、210℃に昇温して、圧力を徐々
に200mmHgまで減圧して1時間、さらに240℃まで
昇温して200mmHgで20分間、圧力を徐々に150mm
Hgまで減圧して20分間、さらに100mmHgまで減圧し
20分間、15mmHgまで減圧し15分間反応させた後、
305℃に昇温し、最終的に0.5mmHgまで減圧して1.
5時間反応させ、極限粘度[IV]が0.50dl/gの
ポリカーボネートを得た。
【0128】得られたポリカーボネートのガラス転移温
度(Tg)は209℃であり、黄色度(YI)は1.6
であった。このポリカーボネートについて測定した物性
を表1に示す。
【0129】さらに反応器からポリマ−を取り出す前
に、p-トルエンスルホン酸ブチルを、添加した水酸化ナ
トリウムの2倍モル量加えて、15分間攪拌してポリカ
ーボネート組成物を得た。このポリカーボネート組成物
の極限粘度[IV]、Tg、YIは、上記のポリカーボ
ネートと同じであった。
【0130】
【実施例2】実施例1において、最終反応時間を2時間
とした以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート
およびポリカーボネート組成物を得た。
【0131】得られたポリカーボネートの極限粘度[I
V]は0. 55dl/gであり、ガラス転移温度(Tg)
は212℃であり、黄色度(YI)は1.7であった。
このポリカーボネートについて測定した物性を表1に示
す。
【0132】ポリカーボネート組成物の極限粘度[I
V]、Tg、YIは、上記のポリカーボネートと同じで
あった。
【0133】
【実施例3】実施例1において、最終反応時間を1時間
とした以外は、実施例1と同様にしてポリカーボネート
およびポリカーボネート組成物を得た。
【0134】得られたポリカーボネートの極限粘度[I
V]は0. 36dl/gであり、ガラス転移温度(Tg)
は202℃であり、黄色度(YI)は1.5であった。
このポリカーボネートについて測定した物性を表1に示
す。
【0135】ポリカーボネート組成物の極限粘度[I
V]、Tg、YIは、上記のポリカーボネートと同じで
あった。
【0136】
【比較例1】実施例3において、芳香族ジヒドロキシ化
合物としてビスフェノールA(BPA)0. 6モルのみ
を用いた以外は、実施例3と同様にしてポリカーボネー
トを得た。
【0137】得られたポリカーボネートは、極限粘度
[IV]が0.56dl/gであり、ガラス転移温度(T
g)が149℃であり、黄色度(YI)が1.7であっ
た。このポリカーボネートについて測定した物性を表1
に示す。
【0138】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 KKJ (72)発明者 小 平 哲 司 栃木県真岡市鬼怒ヶ丘2−2 日本ジーイ ープラスチックス株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で示される構成単位を有する
    ことを特徴とするポリカーボネート: 【化1】 ここでRd およびRe は、水素原子または1価の炭化水
    素基であり、Rf は2価の炭化水素基である。Ra 、R
    b およびRc は、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化
    水素基または少なくともその一部がハロゲンで置換され
    た炭素数1〜10の炭化水素基であり、Ra 、Rb およ
    びRc は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    p、qおよびrは、それぞれ置換基数を表わし、pは0
    〜10の整数であり、qおよびrは0〜4の整数であ
    り、これらが2以上のとき、Ra 同士、Rb 同士または
    c 同士はそれぞれ同一であっても異なっていてもよ
    い。)。
  2. 【請求項2】極限粘度[IV]が0.2〜1.2dl/gで
    あることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネー
    ト。
  3. 【請求項3】下記一般式[II]で示される芳香族ジヒド
    ロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを、(a) アルカリ金
    属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含む
    触媒の存在下に溶融重縮合させることを特徴とするポリ
    カーボネートの製造方法: 【化2】 ここでRd およびRe は、水素原子または1価の炭化水
    素基であり、Rf は2価の炭化水素基である。Ra 、R
    b およびRc は、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化
    水素基または少なくともその一部がハロゲンで置換され
    た炭素数1〜10の炭化水素基であり、Ra 、Rb およ
    びRc は互いに同一であっても異なっていてもよい。
    p、qおよびrは、それぞれ置換基数を表わし、pは0
    〜10の整数であり、qおよびrは0〜4の整数であ
    り、これらが2以上のとき、Ra 同士、Rb 同士または
    c 同士はそれぞれ同一であっても異なっていてもよ
    い。)。
  4. 【請求項4】触媒として、 上記式[II]で示される芳香族ジヒドロキシ化合物1モ
    ルに対して、 (a) 1×10-8〜1×10-3モルのアルカリ金属化合物
    および/またはアルカリ土類金属化合物と、 (b) 1×10-6〜1×10-1モルの含窒素塩基性化合物
    を用いることを特徴とする請求項3に記載のポリカーボ
    ネートの製造方法。
  5. 【請求項5】触媒として、 上記式[II]で示される芳香族ジヒドロキシ化合物1モ
    ルに対して、 (a) 1×10-8〜1×10-3モルのアルカリ金属化合物
    および/またはアルカリ土類金属化合物と、 (b) 1×10-6〜1×10-1モルの含窒素塩基性化合物
    と、 (c) 1×10-8〜1×10-1モルのホウ酸またはホウ酸
    エステルとを用いることを特徴とする請求項3に記載の
    ポリカーボネートの製造方法。
  6. 【請求項6】[A]請求項1に記載のポリカーボネート
    と、 [B]酸性化合物とからなり、 該[B]酸性化合物が、[A]ポリカーボネート中に含
    まれる(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ
    土類金属化合物の合計1モルに対して0.1〜50モル
    の量で存在していることを特徴とするポリカーボネート
    組成物。
  7. 【請求項7】[A]請求項1に記載のポリカーボネート
    と、 [B]酸性化合物とからなり、 [C]エポキシ化合物とからなり、 該[B]酸性化合物が、[A]ポリカーボネート中に含
    まれる(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ
    土類金属化合物の合計1モルに対して0.1〜50モル
    の量で存在し、 該[C]エポキシ化合物が、[A]ポリカーボネート1
    00重量部に対して0.0001〜0.2重量部の量で存
    在していることを特徴とするポリカーボネート組成物。
  8. 【請求項8】前記[B]酸性化合物が、[A]ポリカー
    ボネート中に含まれる(a) アルカリ金属化合物および/
    またはアルカリ土類金属化合物の合計1モルに対して、
    0.1〜7モルの量で存在していることを特徴とする請
    求項6または7に記載のポリカーボネート組成物。
  9. 【請求項9】前記[B]酸性化合物が、ブレンステッド
    酸、ルイス酸またはイオウ原子を含む酸のエステルであ
    ることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のポ
    リカーボネート組成物。
  10. 【請求項10】イオウ原子を含む酸のエステルは、その
    酸残基のpKaが3以下であることを特徴とする請求項
    9に記載のポリカーボネート組成物。
  11. 【請求項11】上記一般式[II]で示される芳香族ジヒ
    ドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを、(a) アルカリ
    金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含
    む触媒の存在下で溶融重縮合させ、 得られた反応生成物である[A]ポリカーボネートに、
    [B]酸性化合物を添加することを特徴とするポリカー
    ボネート組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】上記一般式[II]で示される芳香族ジヒ
    ドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを、(a) アルカリ
    金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含
    む触媒の存在下で溶融重縮合させ、 得られた反応生成物である[A]ポリカーボネートに、
    [B]酸性化合物と[C]エポキシ化合物を添加するこ
    とを特徴とするポリカーボネート組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】上記一般式[II]で示される芳香族ジヒ
    ドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを、(a) アルカリ
    金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含
    む触媒の存在下で溶融重縮合させ、 得られた反応生成物である[A]ポリカーボネートに、
    [B]酸性化合物を添加した後、減圧処理を施すことを
    特徴とするポリカーボネート組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】上記一般式[II]で示される芳香族ジヒ
    ドロキシ化合物と、炭酸ジエステルとを、(a) アルカリ
    金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物を含
    む触媒の存在下で溶融重縮合させ、 得られた反応生成物である[A]ポリカーボネートに、
    [B]酸性化合物と[C]エポキシ化合物を添加を添加
    した後、減圧処理を施すことを特徴とするポリカーボネ
    ート組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】前記[B]酸性化合物が、ブレンステッ
    ド酸、ルイス酸または酸残基がpKaで3以下のイオウ
    原子を含む酸のエステルであることを特徴とする請求項
    11〜14のいずれかに記載のポリカーボネート組成物
    の製造方法。
  16. 【請求項16】前記[B]酸性化合物として、 前記(a) アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土
    類金属化合物の合計1モルに対して、 0.1〜30モルの量のルイス酸を用いるか、あるいは
    0.1〜7モルの量のブレンステッド酸またはイオウ原
    子を含む酸のエステルを用いることを特徴とする請求項
    15に記載のポリカーボネート組成物の製造方法。
  17. 【請求項17】前記[B]酸性化合物は、25℃の水溶
    液中におけるpKaが3以下であることを特徴とする請
    求項11〜14のいずれかに記載のポリカーボネート組
    成物の製造方法。
  18. 【請求項18】前記[B]酸性化合物が、イオウ原子ま
    たはリン原子を含むことを特徴とする請求項11〜14
    のいずれかに記載のポリカーボネート組成物の製造方
    法。
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