JPH08183613A - イットリウム−アルミニウム−ガーネット粉末の製造方法およびこれを用いたイットリウム−アルミニウム−ガーネット焼結体 - Google Patents

イットリウム−アルミニウム−ガーネット粉末の製造方法およびこれを用いたイットリウム−アルミニウム−ガーネット焼結体

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JPH08183613A JP6326434A JP32643494A JPH08183613A JP H08183613 A JPH08183613 A JP H08183613A JP 6326434 A JP6326434 A JP 6326434A JP 32643494 A JP32643494 A JP 32643494A JP H08183613 A JPH08183613 A JP H08183613A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】水酸化アルミニウム粉末とイットリウム化合物
溶液を混合し、中和して沈澱物を生成した後、得られた
沈澱物を仮焼する工程からYAG粉末を製造する。 【効果】水酸化アルミニウム粉末が核となって沈澱物が
生成するため、均一な粒状沈澱物を容易に製造すること
ができ、均一なYAG粉末を得ることができる。このY
AG粉末を用いて焼成すれば、低温、短時間の焼成で優
れた透光性の焼結体を得られるため、結晶粒子が小さ
く、強度、硬度の高いYAG焼結体を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イットリウム−アルミ
ニウム−ガーネット(以下YAGという)粉末の製造方
法、及びこのYAG粉末を用いてなる透光性に優れたY
AG焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりYAG(Y3 Al5 12)は結
晶型が立方晶であるため粒界散乱が起こりにくく、透明
体として良好であるため、各種の製法により透光性焼結
体を得る試みがなされている。
【0003】このようなYAGは、単結晶により作成す
る方法、Al2 3 粉末とY2 3粉末を混合してHI
P処理やホットプレス焼成する方法(特開平3−275
560号、特開平3−275561号公報等参照)等が
なされていた。
【0004】しかしながら、上記単結晶合成では高価で
あり任意の形状に作製することが困難であるという問題
があった。また、HIP処理による場合は、装置が大掛
かりとなって生産性が良くないという問題があった。さ
らにホットプレス焼成する場合は、成形型に用いるカー
ボンから焼結体に炭素が入り、透明度が下がるという欠
点があった。
【0005】そこで、予めYAG粉末を製造し、このY
AG粉末を用いて焼結体を得ることが行われている。
【0006】例えば、YAG粉末を共沈法で製造するた
めに、イットリウムイオンとアルミニウムイオンを含む
酸性水溶液を尿素で中和して沈澱物を生成させ、得られ
た沈澱物を仮焼してYAGを合成する方法(尿素沈澱
法:特開平2−92817号公報参照)や、イットリウ
ムイオンとアルミニウムイオンを含む酸性水溶液を水酸
化ナトリウム又はアンモニア水で中和して沈澱物を生成
させ、得られた沈澱物を仮焼してYAGを合成する方法
(アルカリ共沈法)がある。
【0007】さらに、アルミナ粉末とイットリア粉末を
混合した後、1000〜1600℃で仮焼し、これを粉
砕してYAG粉末を製造する方法(粉体混合法:特開平
6−107456号参照)もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の尿素
沈澱法では、硫酸イオン、尿素量、反応温度等の制御を
必要とすること、及び調整溶液の加熱開始から沈澱生
成、沈澱物取り出しまでに時間がかかる等の問題点があ
った。また、上記尿素沈澱法では、粒状の沈澱物を得る
ために硫酸イオンが必要であることから、沈澱物の仮焼
時にSOX ガスが発生してしまうという欠点もあった。
さらに、得られたYAG粉末を焼成する際にSiO2
添加しなければ焼結体が得られないという不都合もあっ
た。
【0009】また、アルカリ共沈法では、ゲル状の沈澱
物しか得られないため、濾過性が悪く沈澱中に不純物が
充分に除去できないという欠点があった。
【0010】さらに、粉体混合法では、均一混合のため
に長時間を要することと、均一化が充分に図れないこ
と、不純物が混入しやすいこと等の問題があった。
【0011】また、上記の方法では均一なYAG粉末が
得にくいため、このYAG粉末を用いて焼成する場合
に、高温で長時間の焼成が必要であり、その結果得られ
た焼結体は、平均結晶粒径50〜60μmと大きく、強
度、硬度等の機械的特性が低いものであった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な問題点に対して充分に検討を行った結果、水酸化アル
ミニウム粉末とイットリウム化合物溶液との混合液をア
ルカリ中和し、得られた沈澱物を仮焼してYAG粉末を
得ることによって、上記のような粉体混合法や尿素沈澱
法を用いることなく、工業的生産可能なYAG粉末を低
コストで得られることを見出した。
【0013】つまり、従来の共沈法は溶液同士を混合す
るのに対し、本発明では水酸化アルミニウムの粉末とイ
ットリウム化合物溶液とを混合したものであり、粉末と
溶液とを混合してアルカリ中和し、沈澱物を得るように
したこと(以下、半共沈法という)を特徴とする。その
ため、混合液中に存在する水酸化アルミニウム粉末が核
となり、イットリウム化合物溶液がこの核の表面に付
着、または内部に浸透した状態となり、これを中和する
ことにより水酸化アルミニウムの核の内部または表面に
沈澱が生成することになる。したがって、液相中で均一
組成の沈澱が得られるとともに、水酸化アルミニウムの
核が濾過性を向上させる役目も果たすのである。
【0014】また、本発明の半共沈法によれば、粒状の
沈澱物を得るために硫酸イオンを必要とせず、沈澱物の
仮焼時におけるSOX ガスの発生を防止できる。これ
は、沈澱物の大きさや形状は水酸化アルミニウム粉末の
大きさ、形状で決定されるため、工程途中で硫酸イオン
によりコントロールする必要がないためである。そし
て、本発明の半共沈法によれば、粒状の沈澱物が得られ
るため、仮焼時の二次凝集を防止できる。
【0015】さらに、本発明の半共沈法により得られた
YAG粉末は、均一組成とできることから、比較的低
温、短時間で焼成でき、焼結体の平均結晶粒径を30μ
m以下として、強度、硬度を高くすることができる。ま
た、本発明の半共沈法により得られたYAG粉末は、S
iO2 等の添加物を加えずに焼成できるため、最終的な
YAG焼結体は不純物を除いて100%YAGで構成す
ることができる。
【0016】なお、本発明の製造方法で用いる水酸化ア
ルミニウム粉末としては、Al純度が95.0%以上、
好ましくは99.0%以上のものを用いる。これは、A
l純度が95.0%未満であると不純物の影響で焼成時
のコントロールができなくなるためである。また、水酸
化アルミニウム粉末は、不純物であるNa2 OとSiO
2 の量がそれぞれ5.0%以下、好ましくは1.0%以
下のものを用いる。これは、Na2 OまたはSiO2
5.0%よりも多く存在すると、粉末の仮焼時にルツボ
や匣鉢と反応したり、粉末が付着したり、成形体の焼成
時に粒界にガラス相が生成したり、アルミナシリケート
が存在して失透の原因になったり、また粒成長が起こっ
て均一な組織をつくることができなくなるためである。
【0017】さらに、この水酸化アルミニウム粉末は、
平均粒子径が0.1〜100μm、好ましくは0.4〜
30μmの範囲内のものを用いる。これは平均粒子径が
0.1μm未満であると凝集が生じて充分に均一化する
ことができず、一方100μmを超えると攪拌混合時の
均一化が困難となるためである。
【0018】イットリウム化合物溶液としては、ハロゲ
ン化イットリウム溶液、硫酸イットリウム溶液、硝酸イ
ットリウム溶液、又は酢酸イットリウム溶液等の酸性イ
ットリウム溶液のうち1種または2種以上を含む酸性の
溶液を用いる。なお、上記ハロゲン化イットリウム溶液
としては、フッ化イットリウム、塩化イットリウム、臭
化イットリウム、ヨウ化イットリウム等があるが、これ
らの中でフッ化イットリウムを除く、その他のハロゲン
化イットリウム溶液を用いることが好ましい。これは、
フッ化イットリウムは溶解度が低く、また溶解したフッ
素イオンが水酸化アルミニウムと反応し、フッ化アルミ
ニウムを形成してコントロールが難しいためである。
【0019】また、イットリウム化合物溶液中のイット
リウムの純度は95.0%以上、好ましくは99.0%
以上とする。これは、イットリウムの純度が95.0%
未満であると不純物の影響で焼成のコントロールが困難
となり、均一なYAGの生成ができなくなるためであ
る。
【0020】次に、上記の水酸化アルミニウム粉末とイ
ットリウム化合物溶液とを、Y2 3 とAl2 3 換算
でY2 3 /Al2 3 の重量比が1.27〜1.50
の範囲となるように混合する。これは、重量比が上記範
囲外であると、焼結体中にYAM(イットリウム−アル
ミニウム−モノクリニック)の結晶が生成したり、過剰
なY2 3 またはAl2 3 の存在が焼結体に影響し
て、失透したり均質なYAGの生成を阻害するためであ
る。なお、上記混合溶液中の水酸化アルミニウム粉末は
ほとんど溶解しておらず、白色のスラリー溶液となる。
【0021】次に、この混合溶液を30分以上攪拌し、
水酸化アルミニウム粉末が沈降せず、均一組成となるよ
うに維持した状態でアルカリ中和を行う。
【0022】アルカリ中和剤としては、水酸化ナトリウ
ムで代表されるアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウ
ムで代表されるアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素ナトリ
ウムで代表されるアルカリ金属の炭酸水素塩、あるいは
炭酸水素アンモニウム、水酸化アンモニウム、アルカリ
土類金属の水酸化物または炭酸塩等、アルカリ性を示す
有機化合物の1種または2種以上の溶液を用いる。好ま
しくは、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素アンモニウ
ムを用いると、不純物除去が容易であり、経済的であ
る。
【0023】混合溶液に対するアルカリ中和剤を用いた
中和反応は、いずれか一方の溶液に他方を加える方法
や、スターティックミキサー等のように送液配管中での
連続中和等により行う。ただし、中和時は均一性を保つ
ために溶液を攪拌混合しつづけることが望ましい。
【0024】また、反応温度は0〜100℃、好ましく
は10〜50℃とするが、これは100℃を超えると混
合溶液から酸性の上記ガスが発生したり、アルカリ剤と
してアンモニウム化合物を用いたときにはアンモニウム
ガスが発生してしまうためであり、一方0℃未満である
と中和反応が充分に起こらないためである。
【0025】さらに、中和反応時のpHは5〜10と
し、好ましくは6〜9.5の範囲が良い。これは、pH
が5未満であると中和されたイットリウム沈澱物が再溶
解し、一方pHが10を超えるとアルミニウムの再溶解
が始まり、いずれの場合も組成が求める範囲から外れる
原因となるためである。
【0026】なお、アルカリ中和剤の必要量は、イット
リウム化合物溶液の酸度に影響される。そのため、上記
のように中和時のpHを規定することによりアルカリ中
和剤の必要量を決定する。
【0027】次に、アルカリ中和後、少なくとも30分
以上攪拌し、沈澱物を濾過、水洗する。この濾過方法
は、ブフナロート等の器具を利用したり、ベルトフィル
ター等の真空濾過機、フィルタープレス、遠心式脱水機
等を使用して、その装置で同時に水洗も行う。水洗時に
は、通常イオン交換水を用いるが、pH5〜10のアン
モニア化合物溶液を使用しても良く、いずれの場合も充
分に水洗を行う。
【0028】濾過、水洗後に得られる沈澱物のケーキ
は、白色で、水酸化アルミニウムの平均粒子径や濾過機
の脱水能力によって含水率が異なるが、仮焼後の物性に
は影響を及ぼさない。
【0029】次に、この沈澱物のケーキを700〜15
00℃で仮焼するが、これは水酸化物または炭酸塩であ
る沈澱物を酸化物にするためであり、また仮焼によって
ある程度のYAGを生成させ、YAGの異常粒成長を抑
制し、活性化を保持するためである。このとき仮焼温度
を700〜1500℃としたのは、700℃未満である
と酸化が不十分で、YAGの合成が困難となり、一方1
500℃を超えると生成したYAGの活性化が低下して
焼結性が悪くなるとともに、粉砕性が悪くなるためであ
る。
【0030】この仮焼によって、Y、Alの水酸化物、
炭酸塩がそれぞれY2 3 、Al23 になり、これが
さらにYAMからYAGへと変化していく。この時、Y
AMからYAGへの変化時に体積膨張させることで、成
形後の焼成では体積膨張を生じさせずに焼成することが
でき、これにより焼結体中のボイドや欠陥の発生を抑
え、均一な組織の焼成体を作製することができるのであ
る。
【0031】以上の工程によって、得られたYAGを粉
砕して原料粉末とし、これを所定形状に成形し、水素、
窒素、真空中等の還元性雰囲気中で1600〜1900
℃で焼成することによって、YAG焼結体を得ることが
できる。
【0032】ここで、焼成温度を1600〜1900℃
とするのは、1600℃未満では焼結が不十分で充分な
緻密化ができないためであり、1900℃を超えると異
常粒成長が起こって、気孔を粒子内に取り込み緻密性が
低下するためである。また、還元性雰囲気中で焼成する
のは、大気中に比べて水素や窒素は拡散が速いために緻
密化が容易に起こるためであり、真空中も同様である。
【0033】このようにして得られたYAG焼結体は、
厚さ1mm当たりの可視光の直線透過率が70%以上の
高い透光性を有し、かつ平均結晶粒子径30μm以下
で、高い強度、硬度を有している。そのため、時計用窓
材、高圧放電灯の放電管、光ファイバコネクタ部材等の
各種産業機械用部材や、あるいは各種装飾用部材として
好適に用いることができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明実施例を説明する。
【0035】実施例1 純度99.5%、平均粒子径0.6μm、BET比表面
積8.0m/gの水酸化アルミニウム粉末194.7g
と、純度99.5%のイットリウムを含む塩酸イットリ
ウム溶液(Y2 3 含有量は10%)1712gとを攪
拌混合した。この混合液に対して、アルカリ中和剤とし
て炭酸ナトリウム溶液(濃度10%)を5000g添加
し、30分間攪拌混合した。この時のpHは7.5であ
った。
【0036】次に、得られた沈澱物をブフナロートを用
いて濾過分離し、さらに2000gの純粋で水洗した。
得られた沈澱物は1540gであった。
【0037】この沈澱物をアルミナ製の匣鉢を用いて5
00〜1700℃の種々の温度で2時間仮焼した。これ
を、高純度アルミナボール600gと溶媒としてイソプ
ロピルアルコール(IPA)300gをポリポットに投
入し、回転ミルで24時間粉砕した。粉砕後の粉末を3
25メッシュに通して乾燥させた後、80メッシュを通
して均一なYAGの粉末を得た。
【0038】このようにして得られたYAG粉末を一軸
プレス及び冷間水圧プレス(CIP)を用いて2.5g
/cm3 以上の生密度の成形体を作製した。この成形体
を表1に示す焼成温度、焼成時間、昇温速度、焼成雰囲
気で1600〜1900℃の温度で2〜20時間焼成し
た。
【0039】得られた焼結体をX線回折装置により測定
したところ、YAGの生成を確認した。また、得られた
焼結体を厚み1mmに研磨した後、粒径1μmのダイヤ
モンドペーストで鏡面研磨を行った後、波長600nm
の可視光の直線透過率を測定した。
【0040】結果は表1に示す通りである。表1中、本
発明の範囲外である、仮焼を行わなかったもの(No.
1)、仮焼温度が700〜1500℃の範囲外のもの
(No.13、14)、あるいは焼成時の雰囲気が還元
性でないもの(No.15)はいずれも焼結体の透光性
が悪かった。
【0041】これらに対し、本発明の製造方法により得
られた試料は、いずれも焼結体の直線透過率が70%以
上と優れた透光性を示した。
【0042】
【表1】
【0043】実施例2 上記と同様にして、アルカリ中和剤として炭酸ナトリウ
ム溶液の代わりに、水酸化アンモニウム(濃度10%)
を5000g使用して同様の沈澱物を得た。得られた沈
澱物は1356gであった。この沈澱物をアルミナ製匣
鉢を用いて1000℃の温度で2時間仮焼した。仮焼に
よって得られた酸化物は289gであった。
【0044】これを高純度アルミナボール600gとI
PA300gとともにポリポットに投入し、回転ミルで
24時間粉砕した。粉砕した粉末を325メッシュに通
して乾燥させた後、80メッシュを通して均一な粉末を
得た。
【0045】この粉末を一軸プレス及びCIPを用いて
2.5g/cm3 以上の生密度の成形体を作製した。こ
の成形体を焼成温度1800℃、焼成時間10時間、昇
温速度50℃/時、真空雰囲気中で焼成した。
【0046】得られた焼結体を厚み1mmに研磨した
後、1μmのダイヤモンドペーストで鏡面仕上げを行っ
た。この焼結体の波長600nmの可視光の直線透過率
を測定したところ、81%と極めて高い透光性を示し
た。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、水酸化ア
ルミニウム粉末とイットリウム化合物溶液を混合し、中
和して沈澱物を生成した後、得られた沈澱物を仮焼する
工程からYAG粉末を製造することによって、水酸化ア
ルミニウム粉末が核となって沈澱物が生成するため、均
一な粒状沈澱物を容易に製造することができ、均一なY
AG粉末を得ることができる。
【0048】そのため、このYAG粉末を用いて焼成す
れば、低温、短時間の焼成で優れた透光性の焼結体を得
られるため、結晶粒子が小さく、強度、硬度の高いYA
G焼結体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸野 敏和 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内 (72)発明者 揃 和紀 鹿児島県国分市山下町1番1号 京セラ株 式会社鹿児島国分工場内 (72)発明者 中谷 利雄 大阪府高槻市西真上1−19−9 (72)発明者 柿田 進一 兵庫県神戸市北区桂木3−9−12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化アルミニウム粉末とイットリウム化
    合物溶液を混合し、中和して沈澱物を生成した後、得ら
    れた沈澱物を仮焼し、粉砕する工程からなるイットリウ
    ム−アルミニウム−ガーネット粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】純度95.0%以上で平均粒子径0.1〜
    100μmの水酸化アルミニウム粉末と、純度95.0
    %以上のイットリウム化合物溶液とを、Y23 とAl
    2 3 換算でY2 3 /Al2 3 の重量比が1.27
    〜1.50の範囲となるように混合し、この混合液をp
    H5〜10の範囲にアルカリ中和した後、得られた沈澱
    物を濾過し、700〜1500℃で仮焼して、粉砕する
    ことを特徴とする請求項1記載のイットリウム−アルミ
    ニウム−ガーネット粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の製造方法によって
    得られたイットリウム−アルミニウム−ガーネット粉末
    を所定形状に成形した後、還元性雰囲気中、1600〜
    1900℃の温度で焼成してなるイットリウム−アルミ
    ニウム−ガーネット焼結体。
JP32643494A 1994-12-27 1994-12-27 イットリウム−アルミニウム−ガーネット粉末の製造方法およびこれを用いたイットリウム−アルミニウム−ガーネット焼結体 Expired - Fee Related JP3563464B2 (ja)

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