JPH08183493A

JPH08183493A - 錨の波除け付船舶

Info

Publication number: JPH08183493A
Application number: JP33767794A
Authority: JP
Inventors: Yasuji Hirono; 靖二廣野; Ryosuke Fujino; 良亮藤野
Original assignee: IHI Corp
Current assignee: IHI Corp
Priority date: 1994-12-28
Filing date: 1994-12-28
Publication date: 1996-07-16

Abstract

(57)【要約】【目的】荒天時においても錨が波浪の衝撃を受けるこ
となく、しかも簡単な構造で波浪の衝撃を避けることが
できる船舶を提供すこと。【構成】錨（２）を収納する場所の付近の外板（１）
に波除け（８）を設けたこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、収錨時の錨に波浪が衝
突しないようにした錨の波除け付船舶に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、船舶の錨は、図13及び14に示した
ように錨（２）のシャンク（３）に取り付けられた鎖
（４）が上甲板（10）上に設置されたウインドラス
（５）によって巻き上げられ、シャンク（３）がホース
パイプ（６）に収納され、シャンク（３）以外の部分が
外板（１）に固定されたベルマウス（７、７´）の上に
置かれた状態で収錨されていた。しかし、この状態だ
と、錨の大部分が外板から出たままの状態であるので、
荒天時に錨が波浪の衝撃を受け、錨の周辺の外板の損
傷、ホースパイプの破損、ウインドラスの損傷、鎖の破
損、錨の落下などの問題があった。特に、最近船舶が高
速化され、荒天時の波浪の影響は見逃せないものとなっ
た。そこで、最近は図11に示したように外板に凹部
（９）を設け、そこに錨を収納するようにした船舶、外
板の中に錨を収納するようにした船舶なども建造される
ようになってきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
錨を外板に設けた凹部に収納する方法は、船の構造上凹
部を深くすることができない場合は、錨の大部分が外板
面より出っ張ったままの状態であったので、荒天時に錨
が波浪の衝撃を受け、凹部を設た効果もそれ程のもので
はなかった。また、錨を外板の中に収納する方法は、錨
が従来の構造のままであると、外板に大きな穴を明ける
必要があるので、小さい穴でも収容できるような特殊な
錨の構造に変更する必要があり、また、錨を支障なく収
納するためにはウインドラスを上甲板上の高い位置に設
置しなければならない場合などの問題があった。本発明
は、荒天時においても錨が波浪の衝撃を受けることな
く、すなわち、錨の周辺の損傷などがなく、しかも簡単
な構造で波浪の衝撃を避けることができる船舶を提供す
ことを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の船舶においては、収錨時の錨に波浪が衝突
しないように錨（２）を収納する場所の付近の外板に波
除けを設けたことである。また、その波除けを収錨時の
錨の船首側から斜下までの外板に設けたことである。さ
らに、その波除けを錨を収納するために設けた凹部の付
近又は凹部の船首側から斜下までの外板に設けたことで
ある。

【０００５】さらに詳細に説明すると、波除けの形状
は、中空截頭円錐体の上部に平らな天井板を付けたも
の、中空球状体の一部、中空截頭円錐体に球状体の天井
板を付けたものなどの下方部、すなわち、錨の入口（出
口）の部分を切断した形状のもの（図３（ａ）〜
（ｃ））又は船首側から斜下までを残してその他の部分
を切断した形状のもの（図６）、天井板がなく、錨の周
囲の一部を囲うようにしたもの（図９）など、錨に波浪
が衝突するのを防止できるものである。また、波除けを
外板に固定する方法は、溶接、リベット、ボルト等であ
る。

【０００６】

【作用】本発明においては、船舶の錨を収納する場所の
付近の外板に波除けを設けたので、荒天時にも波浪が錨
に衝突することが少なく、したがって、錨の衝撃による
外板の損傷、ホースパイプの破損、ウインドラスの損
傷、鎖の破損等を生じることがない。

【０００７】

【実施例】以下本発明の実施例について図１〜12を参照
して説明する。実施例１図１及び図２に示すように錨（２）のシャンク（３）が
ホースパイプ（６）に収納され、シャンク（３）以外の
部分が外板（１）面より出っ張ったままの状態の錨の周
辺の外板に、錨（２）を覆うように図３の（ａ）に示し
た中空截頭円錐体の上部に平らな天井板を付けたものの
下方部に錨の入口（出口）の部分を設けた形状の波除け
（８）を溶接して取り付けた。実施例２実施例１の波除け（８）の代わりに図３の（ｂ）及び図
３の（ｃ）に示したもの、すなわち、中空球状体の一部
又は中空截頭円錐体に球面体の天井板を付けた形状のも
のの下方部に錨の入口（出口）の部分を設けた形状の波
除け（８）を溶接して取り付けた。

【０００８】実施例３図４及び５に示したように収錨された状態の錨（２）の
船首側から斜下に、図６で示したような中空截頭円錐体
の上部に平らな天井板を付けたもののぼぼ半分にした形
状の波除け（８）を船舶の外板（１）に溶接して取り付
けた。実施例４図７及び図８に示したように収錨された状態の錨（２）
の船首側から斜下に図９に示した断面が略三角形状の波
除け（８）を溶接して取り付けた。実施例５図10及び11に示したように船舶の外板（１）に設けた凹
部（９）に収納した錨（２）を覆うように、凹部（９）
の周囲に図12に示した波除け（８）を溶接して取り付け
た。

【０００９】上記実施例では、波除け（８）として図３
の（ａ）〜（ｃ）、図６、図９及び図12に示したものを
用いているが、波除け（８）は錨（２）に波浪が衝突す
るのを妨げるものであれば、いかなる形状のものでもよ
い。また、図２、図５、図８及び図11の例では、収錨時
の錨（２）の一部分が波除け（８）の外に露出するよう
に波除け（８）を設けているが、波除け（８）を大きく
して、又は形状を変えて錨（２）が波除け（８）の外に
露出しないように覆うようにすることもできる。さら
に、本発明は、上記に説明したもののみに限定されるこ
となく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更を加
え得ることはもちろんである。

【００１０】

【発明の効果】本発明は、収錨時の錨の周辺に波除けを
設けたことにより荒天時に波浪が錨に衝突することが少
なくなり、その結果外板、ボースパイプ、ウインドラス
及び鎖の破損が少なく、また錨が落下することがなくな
るという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の波除けを設けた船舶の錨収納部付近の
側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】図３は波除けの各種形状を示す正面図及び側面
図である。

【図４】本発明の別の形状の波除けを設けた船舶の錨収
納部付近の側面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ断面図である。

【図６】図４及び図５に示した波除けを示す正面図及び
側面図である。

【図７】本発明の別の形状の波除けを設けた船舶の錨収
納部付近の側面図である。

【図８】図７のＡ−Ａ断面図である。

【図９】図７及び図８に示した波除けを示す正面図及び
側面図である。

【図10】本発明の外板に設けた凹部に錨を収納した状態
の錨を覆うように波除けを設けた船舶の錨収納部付近の
側面図である。

【図11】図10のＡ−Ａ断面図である。

【図12】図10及び図11に示した波除けを示す正面図及び
側面図である。

【図13】従来の船舶の船首付近の側面図である。

【図14】図13のＡ−Ａ断面拡大図である。

【符号の説明】

１外板２錨３シャンク４鎖５ウインドラス６ホースパイプ７，７´ ベルマウス８波除け９凹部 10 上甲板

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】錨（２）を収納する場所の付近の外板
（１）に波除け（８）を設けたことを特徴とする錨の波
除け付船舶。
【請求項２】波除け（８）を設ける位置が錨を収納す
る場所の外板（１）の船首側から斜下までであることを
特徴とする請求項１記載の錨の波除け付船舶。
【請求項３】錨を収納する場所が外板面に設けた凹部
（９）であることを特徴とする請求項１又は請求項２記
載の錨の波除け付船舶。