JPH08183434A - ドップラ効果を利用したスリップ角計測装置 - Google Patents

ドップラ効果を利用したスリップ角計測装置

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JPH08183434A
JPH08183434A JP35195A JP35195A JPH08183434A JP H08183434 A JPH08183434 A JP H08183434A JP 35195 A JP35195 A JP 35195A JP 35195 A JP35195 A JP 35195A JP H08183434 A JPH08183434 A JP H08183434A
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JP
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slip angle
vehicle
point
ultrasonic
angle
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Application number
JP35195A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanobu Sakai
政信 酒井
Kunio Matsuura
邦夫 松浦
Mitsuhiro Makita
光弘 牧田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ドップラ効果を利用したスリップ角計測装置に
おいて、車両の走行に伴う受信角度の変動を考慮に入れ
ることにより、スリップ角が精度良く計測される装置を
提供する。 【構成】各超音波振動子12,13が受信した超音波の
ドップラシフト周波数f d1,fd2から、疑似スリップ角
演算回路26において、車両の走行に伴う受信角度の変
動を無視したときにスリップ角とみなされる疑似スリッ
プ角εを算出し、スリップ角演算回路28において、疑
似スリップ角εと車輪速VP とから、点Pでのタイヤス
リップ角αP を算出する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本件各発明は、音波のドップラ効
果を利用して走行中の車両のスリップ角を計測する装置
に関するものであり、特に、車両の走行に伴う受信角度
の変動を考慮に入れることにより、低速走行時以外でも
車両のスリップ角が正確に計測されるものに関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りゴムタイヤ付き車輪を装備して
いる車両において、タイヤのスリップ角(車輪の進行方
向と回転面とのなす角度)は車両挙動を示す重要な物理
量であり、タイヤスリップ角を検出し、その検出値を用
いて車両制御を行う要求が高まっているが、精度良くス
リップ角が検出される実用的なセンサがないのが現状で
ある。
【0003】従来より提案されているスリップ角計測装
置としては、音波のドップラ効果を利用するものがあ
り、例えば特開平4−220584号公報に記載されて
いる。この公報に記載されている装置では、図21に示
すように、タイヤの中心線方向をX軸、タイヤの回転軸
方向をY軸とすると、タイヤのスリップ角αは、車輪速
のX軸方向の成分VX とY軸方向の成分VY とから下記
の(1)式で表されるため、これら各方向の車輪速成分
X ,VY を、それぞれ超音波センサ91,92で検出
されたドップラシフト周波数fX ,fY に基づいて算出
する構成になっている。
【0004】 α=tan-1(VY /VX ) ………(1) すなわち、前記各超音波センサ91,92は、超音波の
送信機91a,92aと受信機91b,92bとを備
え、車輪速のX成分VX 計測用の超音波センサ91は、
送信面および受信面を、X軸より外側でこれに平行な
X’軸方向前方の測定路面93Xに所定角度で向け、車
輪速のY成分VY 計測用の超音波センサ92は、送信面
および受信面を、Y軸方向外側の測定路面93Yに所定
角度で向け、車輪のホイールまたはホイールと同等の運
動をする部分に、車輪の転がり方向の回転のみが拘束さ
れその他の方向では車輪の動きに同期するように設置さ
れている。
【0005】また、信号処理装置94が車体に搭載さ
れ、この信号処置装置94内の送信回路94aを介して
各超音波センサ91,92の送信機91a,92aに送
信信号Xt ,Yt がそれぞれ出力されることにより、各
送信機91a,92aから前記各測定路面93X,93
Yに所定周波数fS の超音波が送信され、当該各測定路
面93X,93Yから反射した超音波を受信機91b,
92bが受信する。この受信された超音波の受信信号X
r ,Yr から、受信回路94bで各受信超音波の周波数
1 ,f2 が検出され、この周波数f1 ,f2 は、ドッ
プラ効果により各方向の速度に応じて送信周波数fS
は異なるものとなり、これがドップラ周波数検出回路9
4cに入力され、各超音波センサ91,92におけるド
ップラ周波数fX ,fY が算出されるようになってい
る。そして、スリップ角演算回路94dにおいて、これ
らのドップラ周波数fX ,fY に基づいて、それぞれ車
輪速のX成分VX ,Y成分VY を算出し、前記(1)式
からスリップ角αを算出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにドップラ効果を利用して音波により速度を計測する
場合には、音速が車速の最高速度の6倍程度であるた
め、高速領域では計測誤差が大きくなるという問題点が
ある。また、音速は温度により変化するため、測定路面
およびその付近の温度により計測される車輪速が異なる
ことになるが、前記従来の装置では、離れた別々の測定
路面93X,93Yで計測された車輪速のX成分VX
Y成分VY に基づいてスリップ角を算出しているため、
音速の影響によるスリップ角の計測誤差が大きいという
問題点がある。
【0007】ここで、車輪の進行方向における速度を
V、超音波の送信軸と測定路面とのなす角をθS 、音速
をCS とすると、送信周波数fS と受信周波数fR との
差として算出されるドップラシフト周波数fd は、下記
の(2)式で表される。 fd =(2VfS cos θS )/(cS −Vcos θS ) ……(2) この(2)式の変形により、車輪速Vはドップラシフト
周波数fd を用いて下記の(3)式で表される。
【0008】 V=fd S /(2fS cos θS +fd cos θS ) ……(3) このように、ドップラシフト周波数fd から車輪速Vを
算出する場合には、音速cS が関わってくるため、前記
従来の装置のように、離れた別々の測定路面93X,9
3Yで計測された車輪速のX成分VX ,Y成分VY によ
りスリップ角αを正確に算出すためには、各測定路面9
3X,93Yと超音波センサ91,92との間での音速
を測定する必要がある。しかしながら、一般に音速を精
度良く測定することは困難である。
【0009】また、送信機から送信された超音波を、路
面での反射の後に受信機が受信するまでの間、車両の走
行に伴って、当該受信機も、送信機による超音波送信時
の位置から移動している。そのため、受信機による受信
角度は、車両の走行に伴って設定から変動することにな
る。音速が車速に対して十分に速いと見なされる低速走
行時には、このような受信角度の移動を無視して、前述
のようにして検出されるスリップ角を当該車両の実際の
スリップ角としてもそれほど大きな誤差がないものとな
るが、車速が高くなると誤差も大きくなるため、車両の
走行に伴うセンサジオメトリの変動を考慮しないと、正
確なスリップ角が算出されないことになる。
【0010】本件各発明は、このような従来技術の未解
決の問題点を解決することを課題とするものであり、ド
ップラ効果を利用したスリップ角計測装置において、車
両の走行と共に音波受信手段が移動することに伴い受信
角度が変動することを考慮に入れることにより、低速走
行時以外でも車両のスリップ角が正確に計測される装置
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係るドップラ効果を利用したスリップ角
計測装置は、車両の所定位置に設置され、当該車両が走
行する路面の所定点に送信軸を所定角度で向けて音波を
送信する音波送信手段と、当該車両の所定位置に設置さ
れ、前記音波送信手段により送信され前記所定点で反射
した音波を所定角度で受信する二つの音波受信手段と、
前記各音波受信手段により受信された音波のドップラ効
果に伴う送信時からの周波数変化量を検出するドップラ
シフト周波数検出手段と、前記ドップラシフト周波数検
出手段により検出された各音波受信手段での周波数変化
量に基づいて、当該車両の走行に伴う受信角度の変動を
無視したときに当該車両のスリップ角と見なされる疑似
スリップ角を算出する疑似スリップ角算出手段と、前記
所定点での車両の進行方向の速度を検出する車速検出手
段と、前記疑似スリップ角算出手段からの疑似スリップ
角算出値と前記車速検出手段からの車速検出値とに基づ
いて、当該車両の所定点でのスリップ角を算出するスリ
ップ角算出手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項2に係るドップラ効果を利用したス
リップ角計測装置は、前記請求項1の装置において、前
記車速検出手段が、前記所定点で反射して音波受信手段
が所定角度で受信した音波のスペックル変動周波数を検
出し、当該スペックル変動周波数検出値から当該所定点
での車両の進行方向の速度を算出するものであることを
特徴とするものである。
【0013】ここで、スペックル変動について説明す
る。不規則な凹凸のある路面に対して音波を照射する
と、その反射波には当該凹凸の移動に対応した不規則な
振幅変動が加わる。この振幅変動がスペックル変動であ
る。そして、この振幅変動の単位時間当たりの回数がス
ペックル変動周波数と称され、このスペックル変動周波
数は、音波の特性と照射幅および検波距離等により設定
される値と、実験的に求められる値とを比例係数とし
て、物体の対地移動速度に比例した値となる。なお、ス
ペックル変動周波数を用いた速度計測に関しては、日本
音響学会誌46巻1号(1990)「粗面からのエコー
信号に現れるスペックル変動を利用した速度計測」に詳
述されている。
【0014】
【作用】請求項1に係るスリップ角計測装置では、前記
音波送信手段から、送信軸を路面の所定点に向けて所定
角度で音波が送信されると、前記二つの音波受信手段
は、前記音波送信手段により送信され前記路面を中心に
反射した音波を、それぞれ所定角度で受信する。そのた
め、各音波受信手段により受信された音波は、ドップラ
効果に伴い送信時の周波数とは異なる周波数となり、そ
の周波数変化量(前述の「ドップラシフト周波数」)f
d1,fd2が、ドップラシフト周波数検出手段により検出
される。そして、疑似スリップ角算出手段において、例
えば、前記検出された各ドップラシフト周波数fd1,f
d2と、送信角度や受信角度などのセンサジオメトリに応
じた値とから、当該車両の走行に伴う受信角度の変動を
無視したときに当該車両のスリップ角と見なされる、疑
似スリップ角が算出される。
【0015】ここで、前記疑似スリップ角算出手段で算
出される疑似スリップ角算出値の、前記所定点における
真のスリップ角に対するズレ量は、前記所定点での車両
の進行方向の速度に応じた値となるため、前記スリップ
角算出手段において、前記疑似スリップ角算出手段から
の疑似スリップ角算出値と前記車速検出手段からの車速
検出値とに基づいて、例えば、前記車速検出値に所定の
比例係数を乗じた値を前記ズレ分として算出し、当該ズ
レ分の算出値を前記疑似スリップ角算出値から減じるこ
とによって、当該車両の前記所定点における真のスリッ
プ角が算出される。
【0016】また、請求項1に係るスリップ角計測装置
を構成する前記車速検出手段としては、前記ドップラシ
フト周波数検出手段により検出されるドップラシフト周
波数と、前記疑似スリップ角算出手段により算出される
疑似スリップ角算出値と、前記音波送信手段から送信さ
れる音波の送信周波数と、当該音波の送信角度および受
信角度と、音速とにより、前記所定点での車両の進行方
向の速度を算出するものが、特に別のセンサ等を設ける
必要がないという点で有利であるが、このような構成で
は、低速時においてはドップラ効果による周波数変化量
が微小であることから、車速の検出誤差が大きくなる。
【0017】これに対して、請求項2に係るスリップ角
計測装置によれば、スペックル変動周波数はドップラシ
フト周波数よりも低速時における検出感度が高いため、
前記車速検出手段におけるスペックル変動周波数検出値
に基づいて検出された車速は検出精度の高いものとな
る。したがって、当該車速検出手段からの車速検出値に
基づいてスリップ角算出手段で算出されたスリップ角
は、前記ズレ分が精度良く補正されたものとなる。
【0018】
【実施例】以下、前記各発明に係るスリップ角計測装置
の実施例について、図面に基づいて説明する。先ず、図
2〜6により、当該スリップ角計測装置の第一実施例を
構成する超音波センサ1について説明する。
【0019】この超音波センサ1は、図2に示すよう
に、送信用の超音波振動子(音波送信手段)11と、受
信用の超音波振動子(音波受信手段)12,13と、所
定の形状に形成されて各超音波振動子11〜13の振動
面が所定位置に固定される板状のマウント14と、この
マウント14と各超音波振動子11〜13とを保護する
ハウジング15とからなる。
【0020】前記マウント14は、図3〜5に示すよう
に、所定長さの長板16の長さ方向両端に、三角形の板
状の端部材17,18が所定角度で同じ向きに連続し、
且つ、長板16と同じ形状の補助板19が、長板16に
対して幅方向の端面同士を重ねて所定角度で連続する形
状になっている。また、補助板19の端部材17,18
側の面には、車両への取付時の基準となる基準面19a
1 を形成する基準板19aが固定してある。
【0021】前記長板16の長さ方向中心位置には、送
信用の超音波振動子11の振動体が配置される取付穴1
6aが開けてあり、端部材17,18のほぼ中心位置に
は、受信用の超音波振動子12,13の振動体が配置さ
れる取付穴17a,18aが開けてある。そして、送信
用の超音波振動子11の取付穴16aの中心線O1 が、
この超音波センサ1の送信軸aS に対応し、受信用の超
音波振動子12,13の各取付穴17a,18aの各中
心線O2 ,O3 が、この超音波センサ1の二本の受信軸
r1,ar2に対応するため、取付穴16aの中心線O1
と取付穴17a,18aの各中心線O2 ,O3 とのなす
角ωが、予め設定されたセンサジオメトリにおける送信
軸aS と各受信軸ar1,ar2とのなす角に応じた値とな
るように、長板16と端部材17,18とを連続させる
角度ωが設定されている。また、取付穴16aと取付穴
17a,18aとの平面視における中心間距離L67,L
68は互いに等しくなっている。
【0022】マウント14の側面視において、前記各取
付穴16a,17a,18aの中心線O1 ,O2 ,O3
は一致し、これらの中心線O1 ,O2 ,O3 と、端部材
17,18および長板16の連続する端面14a(路面
と平行に設置される)とのなす角γが、予め設定された
センサジオメトリにおける送信軸aS および各受信軸a
r1,ar2と路面とのなす角(θrS)になるように、補助
板19と長板16とを連続させる角度δが設定されてい
る。なお、補助板19と基準板19aには、それぞれ対
応する位置に連通する取付穴19b,19cが開けてあ
り、これらの取付穴19b,19cにおいて、超音波セ
ンサ1全体が車両の所定位置に取り付けられる。
【0023】前記基準板19aは、補助板19よりも板
厚が薄く、幅と長さがやや小さい板材からなり、幅方向
の端面を補助板19と長板16とが連結される折れ線近
くに合わせて、補助板19と平行に配置されている。こ
れにより生じた補助板19と基準板19aとの段差19
bを利用して、マウント14がハウジング15への取付
けられる。
【0024】なお、マウント14を構成する長板16お
よび端部材17,18の内側面(ハウジング15に取り
付けられた状態で表側面となる面)と、取付穴16a,
17a,18aと、基準板19aの基準面19a1 とに
ついては、高い面精度で加工し、各超音波振動子11,
12,13の振動体を取付穴16a,17a,18aに
取り付けた時に、予め設定されたセンサジオメトリにお
ける送信軸aS と各受信軸ar1,ar2とのなす角と、送
信軸aS および各受信軸ar1,ar2と路面とのなす角
(θrS)とが精密に保持されるように、また、超音波セ
ンサ1の車両への取付時に、予め設定されたセンサジオ
メトリが精密に保持されるようにしてある。
【0025】図6は、この超音波センサ1の車両への取
付状態を示す部分断面図である。この図から分かるよう
に、この実施例のスリップ角計測装置はタイヤのスリッ
プ角を計測するものであり、前述の超音波センサ1は、
車輪110の転がり方向の回転のみが拘束され、その他
の方向へは車輪110の動きと同期するように、取付部
材5を介して車両に取り付けられている。
【0026】すなわち、超音波センサ1は直接的には、
取付部材5において車輪110の外側の車輪回転軸より
下側に配置された板状の取付部55に、前記マウント1
4の基準板19を重ね合わせて固定されている。この取
付部材5は、ホイールハブ111に取り付けられる円柱
状の車輪側部材51と、この車輪側部材51の外側に軸
受52を介して配置され、車体100に対して回転拘束
部材53を介して取り付けられる車体側部材54と、こ
の車体側部材54と一体に形成された前記取付部55と
で構成される。
【0027】前記車輪側部材51は、ホイールハブ11
1とはぼ同じ直径の小径部51aに、これよりやや大き
な直径の大径部51bが連続した形状をしており、ホイ
ールハブ111の取付穴に合わせて円柱の軸方向に平行
な貫通穴51cが開けてある。また、大径部51bの外
周には、軸受52の内輪52aを嵌入する溝51eが形
成されている。
【0028】前記車体側部材54は、円筒54aと当該
円筒54aの一端面を塞ぐ底板54bとで構成され、円
筒54aの開口端側の内周には、軸受52の外輪52b
を嵌入する溝54cが形成されている。また、底板54
には、超音波センサ1の基準板19aが重ね合わされ
る、当該底板54より厚さの薄い板状の取付部55が、
当該底板54と外面を合わせて連続形成されており、こ
の取付部55の外面は、前記基準板19aの基準面19
1 と同等の厳密な面精度に形成されている。また、底
板54の外面の取付部55に対向する側には、前記回転
拘束部材53の一端が連結されている。
【0029】この回転拘束部材53は、車体100から
外側に水平に延設される棒状の第一水平部材53aと、
この第一水平部材53aに連結部材53bを介して連結
される棒状の第二水平部材53cと、この第二水平部材
53cに連結部材53dを介して鉛直下向きに連結され
る棒状の鉛直部材53eと、この鉛直部材53eの先端
の、前記車体側部材54との連結部材53fとで構成さ
れる。前記連結部材53bは、前記第二水平部材53c
が、所定高さの水平面上で当該連結部材53b側端部の
一点を中心に回転することを許容するものであり、前記
連結部材53dは、前記鉛直部材53eが、前記第二水
平部材53cの回転円の接線で形成される鉛直面上で、
当該連結部材53d側端部の一点を中心に回転すること
を許容するものである。
【0030】そして、この取付部材5は、ホイールハブ
111に圧入してあるボルト5aを車体側部材51の貫
通穴51cの小径部51aに入れ、このボルト5aに大
径部51b側から入れたナット51dを螺合させた後
に、軸受52に車体側部材54を圧入することにより、
車輪110に対して取り付けられる。また、この取付部
材5の車体側部材54に対して、鉛直部材53e側が前
記連結部材53fにより連結された回転拘束部材53の
第一水平部材53aの先端を、取付金具53gにより車
体100に固定することにより、この取付部材5は車体
100に対して取り付けられる。
【0031】これにより、この取付部材5は、車輪11
0の転がり方向への回転に伴って、車輪側部材51のみ
が車輪110と一体に回転するが、車体側部材54は前
記回転拘束部材53により車輪110の転がり方向へは
回転しない。しかし、それ以外の、車輪110が向きを
変える挙動や、車体100の前後方向の姿勢変動に対し
ては、前記回転拘束部材53の作用で、車体側部材54
は車輪側部材53と一体となってこれを許容する動作を
する。
【0032】このようにして、取付部材5が車体100
および車輪110に取付られた結果下側に配置された取
付部55の外面に対して、超音波センサ1の基準板19
を重ね合わせて、取付部55側からボルトにより締結す
ることにより、超音波センサ1が車輪110の外側の所
定位置(超音波センサ1と車輪110との間に測定路面
が確保される位置)に取り付けられる。
【0033】次に、この超音波センサ1を作動させてス
リップ角を算出する信号処理装置2について、図7を用
いて説明する。なお、図7に示すように、この実施例の
スリップ角計測装置は、車体の重心点に設置されるヨー
レイトセンサ(回頭速度検出手段)3と、スリップ角計
測点付近の気温を検出する温度サンサ(車速検出手段)
4とを備えている。
【0034】この信号処理装置2は、送信回路(音波送
信手段)21、第一受信回路(音波受信手段)22、第
二受信回路(音波受信手段)23、第一ドップラシフト
周波数算出回路(ドップラシフト周波数検出手段)2
4、第二ドップラシフト周波数算出回路(ドップラシフ
ト周波数検出手段)25、疑似スリップ角演算回路(疑
似スリップ角算出手段)26、車輪速検出回路(車速検
出手段)27、スリップ角演算回路(スリップ角算出手
段)28、および補正回路29で構成される。
【0035】前記送信回路21は、送信用の超音波振動
子11に所定周波数fS の超音波を発振させるための電
圧信号CSS を出力するとともに、前記第一および第二
ドップラシフト周波数算出回路24,25と車輪速検出
回路27とに、送信周波数f S に相当する信号を出力す
るものである。そのために、例えば水晶発振子等を用い
た発振回路と電力増幅トランジスタとを備えている。
【0036】前記第一・第二受信回路22,23は、受
信用の超音波振動子12,13が受信した超音波の電圧
信号CSr1,CSr2が入力されて、この電圧信号C
r1,CSr2から超音波振動子12,13が受信した超
音波の周波数fr1,fr2を算出し、この周波数fr1,f
r2に相当する信号を前記第一・第二ドップラシフト周波
数算出回路24,25に出力するものである。そのため
に、増幅機能、フィルタリング機能、検波機能、整波機
能、およびカウンタ機能などを備えている。
【0037】また、前記第一・第二ドップラシフト周波
数算出回路24,25は、前記第一・第二受信回路2
2,23から入力された周波数fr1,fr2と前記送信回
路21から入力された送信周波数fS とから、その偏差
(fr1−fS ),(fr2−fS)に相当するドップラシ
フト周波数fd1,fd2を算出して、この値に相当する信
号を前記疑似スリップ角演算回路26と車輪速検出回路
27とに出力するものであり、減算器で構成されてい
る。
【0038】そして、前記疑似スリップ角演算回路26
は、前記第一ドップラシフト周波数算出回路24からの
ドップラシフト周波数fd1と、前記第二ドップラシフト
周波数算出回路25からのドップラシフト周波数f
d2と、設定されたセンサジオメトリに応じた各種角度デ
ータとから、後段に詳述される算出式に基づいて測定路
面の一点Pにおける疑似スリップ角εを算出し、この値
に相当する信号を前記車輪速検出回路27とスリップ角
演算回路28とに出力するものである。そのために、乗
算器、除算器、加減算器、演算器、および記憶器等を備
えている。
【0039】また、前記車輪速検出回路27は、送信回
路21からの送信周波数fS と、前記第一ドップラシフ
ト周波数算出回路24からのドップラシフト周波数fd1
と、予め記憶された音速CS と、予め記憶された後段に
詳述されるセンサジオメトリに応じた角度と、前記疑似
スリップ角演算回路26からの疑似スリップ角εと、温
度センサ4からの温度検出値Tとを用い、後段に詳述さ
れる算出式に基づいて測定路面の一点Pにおける車輪速
(車輪の進行方向の速度)VP を算出し、算出された車
輪速VP に相当する信号を前記スリップ角演算回路28
と補正回路29とに出力するものである。そのために、
乗算器、除算器、加減算器、演算器、および記憶器等を
備えている。
【0040】そして、前記スリップ角演算回路28は、
前記疑似スリップ角演算回路26からの疑似スリップ角
εと前記車輪速検出回路27からの車輪速VP とから、
後段に詳述される算出式に基づいて点Pにおける真のタ
イヤスリップ角αP を算出し、この値に相当する信号を
前記補正回路28に出力するものである。そのために、
乗算器、除算器、加減算器、演算器、および記憶器等を
備えている。
【0041】さらに、前記補正回路29は、前記スリッ
プ角演算回路28からのスリップ角αP と、前記車輪速
検出回路27からの車輪速VP と、ヨーレイトセンサ3
からのヨーレイト検出値φとを用い、後段に詳述される
算出式に基づいてタイヤ接地点でのスリップ角αを算出
することにより、測定点とタイヤ接地点とのずれ分に関
する補正を行うものであり、算出されたスリップ角αに
相当する信号を表示装置4に出力する。そのために、乗
算器、除算器、加減算器、演算器、および記憶器等を備
えている。
【0042】つぎに、この第一実施例におけるタイヤス
リップ角計測に関する基本原理について説明する。図8
は、この実施例における超音波センサ1のセンサジオメ
トリを示す斜視図であり、図9(a)はその平面図であ
り、図9(b)はその背面図である。図8から分かるよ
うに、この実施例では、車輪110の転がり方向に相当
するタイヤ中心線をX軸としたときに、このX軸に平行
で車輪110の外側に所定距離だけ離れたXS 軸に沿っ
て、各超音波振動子11〜13の振動面の中心が配置さ
れるように、超音波センサ1を車両に対して取り付けて
ある。また、各超音波振動子11〜13の振動面の中心
は、X軸に平行でX軸とXS 軸との間にあるX P 軸(X
S P 間距離:LY )と、車輪110の回転軸線に相当
するY軸との交点の路面への投影点に相当する点Pに向
けてある。そして、この点Pにおける車輪の進行方向の
速度をVP とする。
【0043】したがって、送信用の超音波振動子11か
ら送信された超音波はこの点Pを中心に反射して受信用
の超音波振動子12,13で受信される。ここで、超音
波振動子12,13の各受信軸ar1,ar2と超音波振動
子11の送信軸aS とのなす角度を、それぞれθd1,θ
d2とし、これらの角度θd1,θd2の路面への投影角度を
それぞれθd1’,θd2’とする。また、送信軸aS と路
面とのなす角度をθSとし、各受信軸ar1,ar2と路面
とのなす角度をそれぞれθrS1 ,θrS2 とする。また、
超音波センサ1は、図9(b)から分かるように、Y軸
より下側の、路面からの高さがLZ の所に設置されてい
る。
【0044】ここで、車両の走行に伴って超音波センサ
1も一体に移動するため、超音波振動子11から送信さ
れた超音波の周波数は、ドップラ効果により、点Pを中
心とした測定路面で反射する際に、センサジオメトリと
車輪速ベクトルVP とに応じた分だけ送信周波数fS
らシフトした値になる。さらに、超音波振動子12,1
3により受信される超音波の周波数fr1,fr2は、ドッ
プラ効果により、センサジオメトリと車輪速ベクトルV
P とに応じた分だけ、反射した超音波の周波数からさら
にシフトした値になる。
【0045】また、図9(a)から分かるように、平面
視において、点Pにおける車輪の進行方向の車輪速ベク
トルVP と、受信用の超音波振動子12が検出する受信
軸方向の車輪速ベクトルV1 とのなす角度をθ1 とし、
受信用の超音波振動子13が検出する受信軸方向の車輪
速ベクトルV2 とのなす角度をθ2 とすると、これらの
角度θ1 ,θ2 は、XP 軸とベクトルVP とのなす角に
相当する点Pでのタイヤスリップ角αP と、各受信軸a
r1,ar2と送信軸aS とのなす角度の路面への投影角度
θd1’,θd2’とで表される。
【0046】そのため、超音波振動子12,13により
受信される超音波の周波数fr1,f r2の、送信周波数f
S との偏差(fr1−fS ),(fr2−fS )に相当する
ドップラシフト周波数fd1,fd2は、これらの角度
αP ,θd1’,θd2’と、各受信軸ar1,ar2と送信軸
S と路面とのなす角度θS ,θrS1 ,θrS2 と、音速
S と、車速ベクトルVP とを用いて、下記の(4)式
および(5)式で示される。
【0047】
【数1】
【0048】
【数2】
【0049】ここで、前記(4)式および(5)式の分
母が等しいため、両ドップラシフト周波数fd1,fd2
比Rf =(fd2/fd1)を取ることにより、音速CS
含まない、ドップラシフト周波数fd1,fd2と点Pでの
タイヤスリップ角αP との関係式が得られる。当該関係
式を下記の(6)式に示す。
【0050】
【数3】
【0051】この(6)式を変形すると下記の(7)式
が得られ、
【0052】
【数4】
【0053】この(7)式の両辺を sinαP で割ると、
下記の(8)式が得られ、
【0054】
【数5】
【0055】この(8)式をスリップ角αP の項につい
て整理すると、下記の(9)式および(10)式を経
て、下記の(11)式が得られ、
【0056】
【数6】
【0057】
【数7】
【0058】
【数8】
【0059】スリップ角αP は下記の(12)式で表さ
れる。
【0060】
【数9】
【0061】特に、この実施例のセンサジオメトリで
は、LX1=LX2であるためθd1’=θ d2’且つθrS1
θrS2 となり、前記(12)式は、θd1’=θd2’=θ
d ’,θrS1 =θrS2 =θrSとして下記の(13)式に
整理され、
【0062】
【数10】
【0063】この(13)式のRf を(fd2/fd1)に
置き換えて、下記のようにセンサジオメトリに応じた比
例定数K1 を定義すると、スリップ角αP は下記の(1
4)式で表される。
【0064】
【数11】
【0065】但し、K1 = sinθd ' ・ cosθrS/( c
osθd ’・ cosθrS+ cosθS ) このようにして算出されるスリップ角αP は、送信用の
超音波振動子11による超音波Ssの送信時から、この
超音波Ssが点Pで反射して受信用の超音波振動子1
2,13で受信される受信時までの間に、車両が走行し
ているのにも関わらず、すべての超音波振動子11〜1
3の点Pに対する角度が送信時から変動していないこと
を前提にしたものである。
【0066】しかしながら、実際には、前記送信時と受
信時との間に、車両の走行に伴ってすべての超音波振動
子11〜13の点Pに対する角度は変動しており、送信
時とは異なるセンサジオメトリの受信時に検出されたド
ップラシフト周波数fd2,f d1を前記(14)式に代入
して算出されるスリップ角は、正確には点Pにおけるタ
イヤスリップ角αP とはならない。特に、車速が高い場
合には、センサジオメトリの設定値からのズレ量が大き
いため、前記(14)式により算出されるスリップ角と
真の点Pにおけるタイヤスリップ角αP との誤差が大き
くなる。
【0067】このような車両の走行に伴うセンサジオメ
トリの変動について、図10および11を用いて以下に
説明する。図10は、車両の走行に伴う受信用の超音波
振動子の移動経路と、当該超音波振動子で受信された超
音波の伝播経路とを示す鳥瞰図であり、図11(a)は
その平面図、(b)はその側面図である。これらの図か
ら分かるように、超音波の送信時に、それぞれ点P1
よび点P 2 にあった受信用超音波振動子12,13の振
動面の中心点は、点Pで反射して半球状に放射された超
音波を受信する時には、車両の走行に伴って例えば点P
1’および点P2 ’に移動している。ここで、前述のよ
うに、点Pを原点とする点P1 の座標を(LX ,LY
Z )、点P2 の座標は(−LX ,LY ,LZ )とし、
点P1 ’の座標を(X1 ,Y1 ,LZ )、点P2 ’の座
標を(X2 ,Y2 ,LZ )とする。
【0068】これにより、点Pで反射した超音波の超音
波振動子12への伝播距離に相当するP−P1 ’間の距
離|PP1 ’|は、√(X1 2 +Y1 2 +LZ 2 )で表
され、さらに音速CS と、超音波振動子12が受信した
超音波の点Pでの反射時から当該受信時までの時間t1
との積で表されるため、下記の(15)式が成立する。
【0069】 |PP1 ’|=√(X1 2+Y1 2+LZ 2 )=CS ・t1 ……(15) また、同様にP−P2 ’間の距離|PP2 ’|に関して
は、超音波振動子13が受信した超音波の点Pでの反射
時から当該受信時までの時間をt2 とすると、下記の
(16)式が成立する。 |PP2 ’|=√(X2 2+Y2 2+LZ 2 )=CS ・t2 ……(16) また、各超音波振動子12,13の振動面の中心点の移
動ベクトルP1 1 ’,P2 2 ’は、平面視において
は、点Pにおけるタイヤスリップ角αP 分だけXS 軸か
ら傾くが、側面視においてはZ=LZ の基準線からほと
んど傾かない。これは、超音波センサ1の設置高さと路
面との距離が短いため、路面で反射した超音波が受信用
の超音波振動子12,13に到達するまでの時間が短い
とともに、通常、車両の上下方向への移動速度は車両の
走行速度に比べて小さいためである。したがって、点P
1 ,P2 の車両の走行に伴う移動に関しては、設置高さ
における水平面上での移動のみを考慮すればよい。
【0070】これにより、P1 −P1 ’間の距離|P1
1 ’|は、√((X1 −LX 2+(Y1
Y 2 )で表され、さらに点Pにおける車輪速VP
前記時間t1との積で表されるため、下記の(17)式
が成立する。 |P1 1 ’|=√((X1 −LX 2 +(Y1 −LY 2 )=VP ・t1 ……(17) また、同様に、P2 −P2 ’間の距離|P2 2 ’|に
関しては下記の(18)式が成立する。
【0071】 |P2 2 ’|=√((X2 −LX 2 +(Y2 −LY 2 )=VP ・t2 ……(18) 前記(15)式〜(18)式を用いて、点Pから反射し
た超音波が受信用の各超音波振動子12,13に到達す
るまでにかかる時間t1 ,t2 は、それぞれ下記の(1
9)式,(20)式で表される。
【0072】
【数12】
【0073】
【数13】
【0074】前記(19)式,(20)式から、前記受
信投影角θd1’,θd2’および受信仰角θrS1 ,θrS2
と、前記時間t1 ,t2 との関係を示す下記の(21)
式〜(24)式が導出される。
【0075】
【数14】
【0076】
【数15】
【0077】
【数16】
【0078】
【数17】
【0079】すなわち、各ドップラシフト周波数算出手
段24,25で算出されたドップラシフト周波数fd1
d2は、受信時毎に異なる値として前記(21)式〜
(24)式で算出される、超音波の点Pでの反射から受
信までにかかる時間t1 ,t2に応じた前記受信投影角
θd1’,θd2’および受信仰角θrS1 ,θrS2 が、前記
(4)式,(5)式に代入されて算出される値に相当す
るものである。したがって、t1 =t2 =0として、前
記受信投影角θd1’,θd2’および受信仰角θrS 1 ,θ
rS2 が図8に示すように固定されていることを前提とす
る前記(14)式は、正確には点Pにおけるタイヤスリ
ップ角αP を算出できる式とはならない。すなわち、図
11(a)に示すように、受信される超音波が点Pで反
射した時点ではθd10 ’であった超音波振動子12側の
受信投影角は時間t1 後にΔθd1’だけ大きくなり、θ
d20 ’であった超音波振動子13側の受信投影角は時間
2後にΔθd2’だけ小さくなる。同様に、受信仰角θ
rS1 ,θrS2 についても、図11(b)に示すように、
時間t1 ,t2 後にΔθrS1 ,ΔθrS2 だけ変動する。
【0080】ここで、前記(21)式〜(24)式を用
いて算出された、これらの角度θd1’,θd2’,
θrS1 ,θrS2 の車輪速VP との相関を図12に、真の
点Pにおけるスリップ角αP との相関を図13に、音速
S との相関を図14に、それぞれグラフで示す。これ
らの図から、角度θd1’,θd2’,θrS1 ,θrS2 は車
輪速VP によって大きく変動し、真の点Pにおけるスリ
ップ角αP によっても変動するが、音速CS によっては
ほとんど変化しないことが分かる。したがって、センサ
ジオメトリの変動を無視した場合に前記(14)式で算
出される、ズレ分を含んだ疑似タイヤスリップ角に対し
て、車輪速VP と真の点Pにおけるスリップ角とに応じ
た補正を行えば、センサジオメトリの変動が考慮された
真の点Pにおけるスリップ角αP を算出することが可能
になる。
【0081】図15は、前記疑似スリップ角をεとし、
この疑似スリップ角εと点Pにおける真のスリップ角α
P との相関を、点Pにおける車輪速VP をパラメータと
して示したグラフである。また、図16は、点Pにおけ
る真のスリップ角αP をパラメータとする、疑似スリッ
プ角εの真のスリップ角αP からの偏差(ε−αP )と
点Pにおける車輪速VP との相関を示すグラフである。
【0082】図15から図から分かるように、疑似スリ
ップ角εと真のスリップ角αP とは車輪速VP 毎に直線
関係になっており、各直線はほぼ平行になっているた
め、疑似スリップ角εと真のスリップ角αP との関係は
下記の(25)式で表される。 ε=f(VP )+a・αP ……(25) (但し、f(VP )はVP を変数とする所定の関数、a
は所定の比例定数 ) また、図16から分かるように、ズレ量εoff に相当す
る前記偏差(ε−αP )は、真のスリップ角αP 毎に車
輪速VP と直線関係になっているため、ズレ量ε off
車輪速VP との関係は下記の(26)式で表される。
【0083】 εoff =b・VP ……(26) (但し、bは所定の比例定数) この比例定数bは、設定されたセンサジオメトリに応じ
た値となり、真のスリップ角αP 毎に変化するものであ
り、これを補正係数Hとすると、図17のグラフに示す
ように、この補正係数Hは真のスリップ角αP に応じて
二次曲線的に変化することが分かる。
【0084】したがって、先ず、設定されたセンサジオ
メトリに応じたスリップ角が“0”のときの補正係数H
0 を用いて、下記の(27)式から、車輪速VP 分の補
正量に相当するズレ量εoff を算出し、 εoff =H0 ・VP ……(27) この算出されたズレ量εoff を用いて、下記の(28)
式から、車輪速VP 分の補正がなされた真のスリップ角
αP と見なされる仮定値αr を算出し、 αr =ε−εoff ……(28) この算出されたスリップ角仮定値αr を用いて、下記の
(29)式から、真のスリップ角αP と車輪速VP との
両方が加味された補正量に相当する真のズレ量ε off
を算出することで、 εoff ’=(A・αr 2 +B・αr +C)VP ……(29) 下記の(30)式を用いて、疑似スリップ角εから真の
スリップ角αP を導出することができる。
【0085】 αP =ε−εoff ’ ……(30) そのため、この実施例では、前記疑似スリップ角演算回
路26においては、前記(14)式におけるαP をεに
置き換えた下記の(14’)式に従って疑似スリップ角
εを算出し、
【0086】
【数18】
【0087】この疑似スリップ角εと車輪速VP とか
ら、前記スリップ角演算回路28において、前記(2
7)式から(30)式を実行することにより、真の点P
におけるタイヤスリップ角αP を算出する。したがっ
て、疑似スリップ角演算回路26の記憶器には、設定さ
れた送信時のセンサジオメトリに応じて比例定数K1
記憶されている。
【0088】また、スリップ角演算回路28の記憶器に
は、設定された送信時のセンサジオメトリに応じて補正
係数H(この実施例のセンサジオメトリではH=0.
1)が記憶されている。一方、ここで使用する車輪速V
P としては、前記(4)式,(5)式の変形により得ら
れる下記の(31)式,(32)式のいずれかにより、
【0089】
【数19】
【0090】
【数20】
【0091】ドップラシフト周波数fd1またはfd2、セ
ンサジオメトリに応じた角度θd1' ,θrS1 ,θS また
はθd2' ,θrS2 ,θS 、送信周波数fS 、疑似スリッ
プ角ε、および音速CS を用いて算出することが考えら
れるが、前記角度θd1' ,θrS 1 およびθd2' ,θrS2
は、前記(21)式〜(24)式で示すように、車輪速
P の関数となっているため求めることができない。そ
のため、この実施例では、角度θd1' とθrS1 (または
θd2' とθrS2 )の組み合わせを、前記(31)式,
(32)式の分母の第一項における正弦と余弦との積が
一定となるようにする(具体的には、θd1' =55°、
θrS1 =40°)ことで、これらの角度を定数Kd ,K
e とした下記の(33)式から車輪速VP を求める。こ
れにより、計算誤差を1%未満にすることができる。
【0092】
【数21】
【0093】また、音速CS は、前述のように、温度に
より大きく変化するものであるため、この実施例では、
音速CS を温度Tの関数としておき、温度センサ4から
の温度検出値Tによって使用する音速CS を算出する。
したがって、車輪速検出回路27の記憶器には、センサ
ジオメトリに応じた角度θS と定数Kd ,Ke が記憶さ
れている。
【0094】一方、前記スリップ角演算回路28で算出
される点Pにおけるタイヤスリップ角αP は、車体の回
頭速度が“0”である場合にはタイヤの接地点Aでのス
リップ角(タイヤスリップ角として実際に必要な値)と
等しいが、実際の車両挙動においては車体の回頭速度を
考慮して、この点Pと接地点Aとのずれ分の距離Eの補
正を行う必要がある。
【0095】図18(a)は、車両に対する超音波セン
サ1の配置を示す平面図であり、図18(b)は、後左
輪側を例にとって、点Pと点Aとにおける速度ベクトル
の違いを示す概要図である。図18(a),(b)にお
いて、CGは車体の重心点、CLvは車体の幅方向中心
線(以下「車体中心線」と称する。)、X軸は図8と同
様に、車輪の転がり方向に相当するタイヤ中心線、XP
軸は図8と同様に、X軸に平行で点Pを通る線、Hは点
Pと点Aとを通る直線(車体中心線CLvに垂直)の車
体中心線CLvとの交点、Cは重心GCと点Hとの距
離、Dは点Aと点Hとの距離、Eは点Pと点Aとの距
離、Fは重心GCと点Aとの距離、点Gは重心GCと点
Pとの距離である。
【0096】図18(b)に示すように、車体中心線C
LvとX軸とが平行である場合を考え、車体速ベクトル
をVV 、車体の回頭速度(ヨーレイト)をφとすると、
タイヤ接地点である点Aでの車輪速ベクトルVA は、重
心GCから点Aに平行移動した車体速ベクトルVV と、
回頭時に回頭半径の接線方向に生じる回頭速度ベクトル
(F・φ)との和となる。そして、この点Aでの車輪速
ベクトルVA とX軸とのなす角度が、タイヤ接地点であ
る点Aでのタイヤスリップ角αとなり、この真のタイヤ
スリップ角αと、点Pでのタイヤスリップ角αP との間
にずれ角εが存在することが分かる。
【0097】ここで、車体スリップ角(車体中心線CL
vと車体速ベクトルVV とのなす角度)をβとし、点A
での車輪速ベクトルVA を、X軸方向の成分とX軸に垂
直なY軸方向の成分とに分解すると、X成分VAXは下記
の(34)式で、Y成分VAYは下記の(35)式で表さ
れる。 VAX=VV ・ cosβ+D・φ ‥‥‥(34) VAY=VV ・ sinβ−C・φ ‥‥‥(35) また、点Pでの車輪速ベクトルVP を、X軸方向の成分
とX軸に垂直なY軸方向の成分とに分解すると、X成分
PXは下記の(19)式で、Y成分VPYは下記の(3
7)式で表される。
【0098】 VPX=VV ・ cosβ+(D+E)φ ‥‥‥(36) VPY=VV ・ sinβ−C・φ ‥‥‥(37) これらの式から、各車輪速ベクトルのX成分VAX,VPX
の関係は下記の(38)式で、Y成分VAY,VPYの関係
は下記の(39)式で表される。 VAX=VPX−E・φ ‥‥‥(38) VAY=VPY ‥‥‥(39) したがって、これらの式から、点Aでの真のタイヤスリ
ップ角αは下記の(40)式で表される。
【0099】 α= tan-1(VAY/VAX)= tan-1(VPY/(VPX−E・φ)) ‥‥‥(40) 一方、点Pでの車輪速ベクトルVP のX成分VPXは(V
P cosαP )であり、Y成分VPYは(VP sinαP )で
あるため、これらを前記(40)式に代入して変形する
ことにより、真のタイヤスリップ角αの算出式として、
下記の(41)式が得られる。
【0100】
【数22】
【0101】この(41)式から分かるように、ヨーレ
イトφが“0”であればα=αP となり接地点Aでのタ
イヤスリップ角αは点Pでのタイヤスリップ角αP に等
しくなるが、φ≠0のときには、ヨーレイトφと距離E
と車輪速VP とに応じて両者は異なる値となる。図19
は、距離Eが0.2m、車輪速VP が13.9m/sで
あるときの、点Pでのタイヤスリップ角αP を接地点A
でのタイヤスリップ角αとした場合の計測誤差と、ヨー
レイトとの関係を示すグラフである。この図から分かる
ように、ヨーレイトに比例してスリップ角の計測誤差が
大きくなるため、この実施例のように、ヨーレイトセン
サ3によりヨーレイトφを直接検出して距離E分の補正
を行うことで、タイヤ接地点Aとは異なる点Pで計測さ
れたスリップ角αP からでも、タイヤ接地点Aでのスリ
ップ角αを精度良く検出することができる。
【0102】したがって、車輪速検出回路29の記憶器
には、タイヤ接地点Aと点Pとの距離Eが記憶されてい
る。以上に述べた構成により、この実施例のスリップ角
計測装置では、例えばイグニッションONと同時にタイ
ヤスリップ角の計測が開始されると、送信回路21か
ら、送信用の超音波振動子11に向けて電圧信号CSS
が出力されるとともに、前記第一および第二ドップラシ
フト周波数算出回路24,25に向けて送信周波数fS
に相当する信号が出力される。これに伴い、送信用の超
音波振動子11から、前述の(図8参照)センサジオメ
トリに応じた路面(点Pを中心とする路面)に向けて、
所定周波数fS の超音波が送信される。この送信された
超音波は前記路面で反射して受信用の各超音波振動子1
2,13に受信される。そして、超音波振動子12が受
信した超音波の電圧信号CSr1が、第一受信回路22に
入力され、超音波振動子13が受信した超音波の電圧信
号CSr2が、第二受信回路23入力される。
【0103】これに伴い、各受信回路22,23におい
て、各超音波振動子12,13が受信した超音波の周波
数fr1,fr2が算出され、周波数fr1に相当する信号が
第一ドップラシフト周波数算出回路24に、周波数fr2
に相当する信号が第二ドップラシフト周波数算出回路2
5に出力される。ここで、前述のように、ドップラ効果
により受信された超音波の周波数fr1,fr2は、送信周
波数fS とは異なるものとなっており、各ドップラシフ
ト周波数算出回路24,25において、その偏差(fr1
−fS ),(fr2−fS )に相当するドップラシフト周
波数fd1,fd2が算出されて、これらの値が疑似スリッ
プ各演算回路26に出力される。また、ドップラシフト
周波数fd1は車輪速検出回路27にも出力される。
【0104】そして、疑似スリップ角演算回路26にお
いて、前記第一ドップラシフト周波数算出回路24から
のドップラシフト周波数fd1と、前記第二ドップラシフ
ト周波数算出回路25からのドップラシフト周波数fd2
と、予め記憶された比例定数K1 とから、前記(1
4’)式に基づいて疑似スリップ角εが算出されてこの
値がスリップ角演算回路28に出力される。一方、車輪
速検出回路27では、予め記憶された角度定数Kd ,K
εと、温度センサ4からの温度検出値Tにより算出され
た音速CS と、第一ドップラシフト周波数算出回路24
からのドップラシフト周波数fd1と、送信回路21から
の送信周波数fS と、疑似スリップ角演算回路26から
の疑似スリップ角εとから、前記(33)式に基づいて
点Pにおける車輪速VP が算出されて、この値がスリッ
プ角演算回路28と補正回路29にと出力される。
【0105】これに伴い、スリップ角演算回路28にお
いて、前記疑似スリップ角演算回路26からの疑似スリ
ップ角εと車輪速検出回路27からの車輪速検出値VP
とを用いて、前記(27)式から(30)式に基づく演
算処理が実行されることにより、点Pにおけるタイヤス
リップ角αP が算出されて、この値が補正回路29に出
力される。そして、補正回路29においては、前記スリ
ップ角演算回路28からのスリップ角αP と、前記車輪
速検出回路27からの車輪速VP と、ヨーレイトセンサ
3からのヨーレイト検出値φとから、前記(41)式に
基づいてタイヤ接地点でのスリップ角αが算出されて、
この値が、予め接続された図示されない表示装置等に出
力されて、当該表示装置に、例えば、タイヤスリップ角
αの現時点での計測値が表示される。
【0106】次に、超音波センサ1の受信利得の安定化
に関して説明する。前述の図8に示すように、この実施
例の超音波センサ1においては、点Pを中心とする測定
路面から反射される超音波の受信軸ar1,ar2が、受信
用超音波振動子12,13の振動面の中心に一致するよ
うに配置することで、車両の走行に伴う超音波センサ1
の移動を無視すれば、反射される超音波を最大利得で受
信できようにしてある。しかしながら、実際には、音速
に対して車両の走行速度は通常走行で1/10程度であ
るため、車両の走行に伴う当該車両に搭載された超音波
センサ1の移動を無視できない。特に、超音波は感度の
指向性が高いため、超音波振動子11から超音波が送信
された時点と、この超音波が路面で反射されて超音波振
動子12,13が受信する時点とで、受信用の超音波振
動子12,13の位置が変化することにより、超音波振
動子12,13の受信利得が低下することが避けられな
い。
【0107】具体的には、前出の図11(a),(b)
から分かるように、ある時点で位置P1 ,P2 に存在し
ていた受信用の超音波振動子12,13の振動面の中心
点P 1 ,P2 は、車両の走行に伴い、この時点で送信用
の超音波振動子11から路面に向けて送信された超音波
が、点Pを中心に反射して各受信用の超音波振動子1
2,13に到達した時点では、位置P1 ’,P2 ’まで
移動している。
【0108】ここで、受信用の超音波振動子12,13
がそれぞれ位置P1 ,P2 に存在している場合の、点P
を中心に反射された超音波の伝播経路(伝播される超音
波の中心線)をそれぞれLr1,Lr2とし、受信用の超音
波振動子12,13がそれぞれ位置P1 ’,P2 ’に存
在している場合の、点Pを中心に反射された超音波の伝
播経路をそれぞれLr1’,Lr2’とすると、伝播経路L
r1とLr1’とがなすズレ角(平面視ではΔθd1’、側面
視ではΔθrS1 ’)および伝播経路Lr2とLr2’とがな
すズレ角(平面視ではΔθd2’、側面視ではΔ
θrS2 ’)分だけ、超音波の受信軸ar1,ar2が受信用
超音波振動子12,13の振動面の中心からずれること
になる。
【0109】また、前述のように、超音波センサ1の車
両の走行に伴う移動に関しては、設置高さにおける水平
面上での移動のみを考慮すればよいため、この実施例で
は、受信用の超音波振動子12,13として、想定され
る最大車速に応じた前記ズレ角Δθd1’,ΔθrS1 ’,
Δθd2’の最大値を有効指向半角とするものを選定する
ことにより、当該車両が前記最大車速で走行した場合に
も、路面から反射した超音波を高い利得で受信できるよ
うにしている。また、所定の超音波振動子に対してその
振動板を加工したり、音響レンズを取り付けたりするこ
とにより、受信利得の安定化を行うこともできる。
【0110】このように、前記第一実施例のスリップ角
計測装置によれば、車両の移動に伴って受信時のセンサ
ジオメトリが設定されたものと異なることを考慮し、受
信時に検出されたドップラシフト周波数fd2,fd1を用
いて、一先ずセンサジオメトリの変動を無視した疑似ス
リップ角εを算出してから、車輪速検出値VP に応じて
センサジオメトリの変動分を補正することにより、複雑
な角度補正演算を行うことなく点Pにおける真のタイヤ
スリップ角αP を計測することができる。したがって、
車速が高い場合であっても、所定点におけるタイヤスリ
ップ角を正確に計測することができる。
【0111】また、この実施例では、各超音波振動子1
1〜13の振動面中心の配置に相当するセンサジオメト
リを、図8に示すように、計測点である点Pと送信用の
超音波振動子11の振動面の中心点とを含む鉛直面の両
側に、受信用の超音波振動子12,13を配置し、送信
軸aS および受信軸ar1,ar2を点Pに向けたものとし
てあるため、疑似スリップ角εの算出式が音速の項を含
まないものとなり、図21に示すような、別の路面で計
測された点Pにおける車輪速のX成分VX とY成分VY
とによりスリップ角を算出する従来の装置と比べて、精
度良くタイヤスリップ角αP を計測することができる。
【0112】図20は、前記各発明に係るスリップ角計
測装置の第二実施例の概略構成を示すブロック図であ
り、この装置におけるセンサジオメトリは前出の図8に
示す第一実施例と同様である。この図から分かるよう
に、この実施例の装置は、送信用の超音波振動子(音波
送信手段)11および受信用の二つの超音波振動子(音
波受信手段)12,13を備えた、前記第一実施例と同
様の超音波センサ1と、この超音波センサ1を作動させ
てスリップ角を算出するための信号処理装置6と、車体
の重心点に設置されるヨーレイトセンサ3とで構成され
ている。
【0113】なお、この第二実施例でも、前記第一実施
例と同様に、受信用の超音波振動子12,13として、
想定される最大車速に応じた前記ズレ角Δθd1’,Δθ
rS1’,Δθd2’の最大値を有効指向半角とするものを
選定することにより、当該車両が前記最大車速で走行し
た場合にも、路面から反射した超音波を高い利得で受信
できるようにしている。
【0114】一方、前記信号処理装置6は、図20から
分かるように、送信回路(音波送信手段)61、第一受
信回路(音波受信手段)62a、第一受信周波数検出回
路(ドップラシフト周波数検出手段)62b、第二受信
回路(音波受信手段)63a、第二受信周波数検出回路
(ドップラシフト周波数検出手段)63b、第一ドップ
ラシフト周波数算出回路(ドップラシフト周波数検出手
段)64、第二ドップラシフト周波数算出回路(ドップ
ラシフト周波数検出手段)65、疑似スリップ角演算回
路(疑似スリップ角算出手段)66、スペックル変動周
波数検出回路(車速検出手段)67a、車輪速検出回路
(車速検出手段)67b、スリップ角演算回路(スリッ
プ角算出手段)68、および補正回路69で構成され
る。
【0115】前記送信回路61は、送信用の超音波振動
子11に、所定周波数fS の超音波を発振させるための
電圧信号CSS を出力するとともに、前記第一および第
二ドップラシフト周波数算出回路64,65に送信周波
数fS に相当する信号を出力するものであり、前記第一
実施例の送信回路21と同様に構成される。前記第一受
信回路62aは、受信用の超音波振動子12が受信した
超音波の電圧信号CSr1が入力され、この電圧信号CS
r1を増幅して雑音部分を除去して得られた電圧信号CS
r1’を、前記第一受信周波数検出回路62bとスペック
ル変動周波数検出回路67aとに出力するものであり、
増幅機能とフィルタリング機能とを備えている。
【0116】前記第二受信回路63aは、受信用の超音
波振動子13が受信した超音波の電圧信号CSr2が入力
され、この電圧信号CSr2を増幅して雑音部分を除去し
て得られた電圧信号CSr2’を、前記第二受信周波数検
出回路63bに出力するものであり、増幅機能とフィル
タリング機能とを備えている。前記第一・第二受信周波
数検出回路62b,63bは、前記電圧信号CSr1’,
CSr2’が入力され、この電圧信号CSr1’,CSr2
から、当該超音波振動子12,13が受信した超音波の
周波数fr1,fr2を算出し、この周波数fr1,fr2に相
当する信号を前記第一・第二ドップラシフト周波数算出
回路64,65に出力するものであり、ヘテロダイン検
波機能、整波機能、およびカウンタ機能等を備えてい
る。
【0117】前記第一・第二ドップラシフト周波数算出
回路64,65は、前記第一受信周波数検出回路62
b,63bから入力された周波数fr1,fr2と前記送信
回路61から入力された送信周波数fS とから、その偏
差(fr1−fS ),(fr2−f S )に相当するドップラ
シフト周波数fd1,fd2を算出して、この値に相当する
信号を、前記疑似スリップ角演算回路66に出力するも
のであり、前記第一実施例の第一・第二ドップラシフト
周波数算出回路24,25と同様に構成されている。
【0118】前記スペックル変動周波数検出回路67a
は、超音波振動子12で受信され、第一受信回路62a
で増幅およびフィルタリングされて得られた超音波の電
圧信号CSr1’から、スペックル変動周波数fSPを検出
して、このスペックル変動周波数fSPに相当する信号を
車輪速算出回路67bに出力するものであり、エンベロ
ープ検波機能、整波機能、およびカウンタ機能等を備え
ている。
【0119】ここで、スペックル変動周波数fSPと前記
車輪速VP との間には下記の(42)式で示す相関があ
る。
【0120】
【数23】
【0121】(式中、N:実験により求められる定数 W:送信された超音波の照射ビームの幅 λ:送信された超音波の波長 LZ :送信点からの対地距離 ) したがって、前記車輪速算出回路67bでは、スペック
ル変動周波数検出回路67aで検出されたスペックル変
動周波数fSPを用いて、下記の(43)式から車輪速V
P を算出する。
【0122】
【数24】
【0123】そのために、前記車輪速算出回路67b
は、前記(43)式に基づく演算処理が実行可能なよう
に構成・接続された、記憶器、乗算器、除算器、加減算
器、演算器を備えている。なお、前記疑似スリップ角演
算回路66、スリップ角演算回路68、および補正回路
69は、それぞれ、前記第一実施例の疑似スリップ角演
算回路26、スリップ角演算回路28、および補正回路
69と基本的には同様のものである。
【0124】以上に述べた構成により、この実施例のス
リップ角計測装置では、例えばイグニッションONと同
時にタイヤスリップ角の計測が開始されると、送信回路
21から、送信用の超音波振動子11に向けて電圧信号
CSS が出力されるとともに、前記第一および第二ドッ
プラシフト周波数算出回路64,65に向けて送信周波
数fS に相当する信号が出力される。これに伴い、送信
用の超音波振動子11から、前述の(図8参照)センサ
ジオメトリに応じた路面(点Pを中心とする路面)に向
けて、所定周波数fS の超音波が送信される。この送信
された超音波は前記路面で反射して受信用の各超音波振
動子12,13に受信される。そして、超音波振動子1
2が受信した超音波の電圧信号CSr1が、第一受信回路
62に入力され、超音波振動子13が受信した超音波の
電圧信号CSr2が、第二受信回路63に入力される。
【0125】これに伴い、各受信回路62a,63aを
介して各受信周波数検出回路62b,63bにおいて、
各超音波振動子12,13が受信した超音波の周波数f
r1,fr2が算出され、周波数fr1に相当する信号が第一
ドップラシフト周波数算出回路64に、周波数fr2に相
当する信号が第二ドップラシフト周波数算出回路65に
出力される。ここで、前述のように、ドップラ効果によ
り受信された超音波の周波数fr1,fr2は、送信周波数
S とは異なるものとなっており、各ドップラシフト周
波数算出回路64,65において、その偏差(fr1−f
S ),(fr2−fS )に相当するドップラシフト周波数
d1,fd2が算出されて、これらの値が疑似スリップ各
演算回路66に出力される。
【0126】そして、疑似スリップ角演算回路66にお
いて、前記第一ドップラシフト周波数算出回路64から
のドップラシフト周波数fd1と、前記第二ドップラシフ
ト周波数算出回路65からのドップラシフト周波数fd2
と、予め記憶された比例定数K1 とから、前記(1
4’)式に基づいて疑似スリップ角εが算出されてこの
値がスリップ角演算回路68に出力される。
【0127】一方、スペックル変動周波数検出回路67
aでは、第一受信回路62aからの電圧信号CSr1’か
らスペックル変動周波数fSPが検出されて、この値に相
当する信号が車輪速検出回路67に入力され、車輪速検
出回路67では、予め記憶された前記定数N、照射ビー
ム幅W、波長λ、対地距離LZ と、前記スペックル変動
周波数検出回路67aから検出されたスペックル変動周
波数fSPとを用いて、前記(43)式に従って、点Pに
おける車輪速VP が算出されて、この値がスリップ角演
算回路68と補正回路69にと出力される。
【0128】これに伴い、スリップ角演算回路68にお
いて、前記疑似スリップ角演算回路66からの疑似スリ
ップ角εと車輪速検出回路67からの車輪速検出値VP
とを用いて、前記(27)式から(30)式に基づく演
算処理が実行されることにより、点Pにおけるタイヤス
リップ角αP が算出されて、この値が補正回路69に出
力される。そして、補正回路69においては、前記スリ
ップ角演算回路68からのスリップ角αP と、前記車輪
速検出回路67からの車輪速VP と、ヨーレイトセンサ
3からのヨーレイト検出値φとから、前記(41)式に
基づいてタイヤ接地点でのスリップ角αが算出されて、
この値が、予め接続された図示されない表示装置等に出
力されて、当該表示装置に、例えば、タイヤスリップ角
αの現時点での計測値が表示される。
【0129】このように、前記第二実施例のスリップ角
計測装置によれば、車両の移動に伴って受信時のセンサ
ジオメトリが設定されたものと異なることを考慮し、受
信時に検出されたドップラシフト周波数fd2,fd1を用
いて、一先ずセンサジオメトリの変動を無視した疑似ス
リップ角εを算出してから、車輪速検出値VP に応じて
センサジオメトリの変動分を補正することにより、複雑
な角度補正演算を行うことなく点Pにおける真のタイヤ
スリップ角αP を計測することができる。したがって、
車速が高い場合であっても、所定点におけるタイヤスリ
ップ角を正確に計測することができる。
【0130】また、この実施例では、各超音波振動子1
1〜13の振動面中心の配置に相当するセンサジオメト
リを、図8に示すように、計測点である点Pと送信用の
超音波振動子11の振動面の中心点とを含む鉛直面の両
側に、受信用の超音波振動子12,13を配置し、送信
軸aS および受信軸ar1,ar2を点Pに向けたものとし
てあるため、疑似スリップ角εの算出式が音速の項を含
まないものとなり、図21に示すような、別の路面で計
測された点Pにおける車輪速のX成分VX とY成分VY
とによりスリップ角を算出する従来の装置と比べて、精
度良くタイヤスリップ角αP を計測することができる。
【0131】さらに、センサジオメトリ変動分の補正に
使用する車輪速検出値VP が、スペックル変動周波数か
ら算出されるものであって、このスペックル変動周波数
はドップラシフト周波数よりも低速時における検出感度
が高いため、車速が低い場合でも車輪速検出の精度が高
く、センサジオメトリ変動分の補正を効果的に行うこと
ができる。したがって、このような車輪速検出値VP
基づいてスリップ角演算回路で算出されたタイヤスリッ
プ角αP は、センサジオメトリの変動に応じたズレ分が
精度良く補正されたものとなるため、この第二実施例の
装置は前記第一実施例のものよりもタイヤスリップ角の
計測精度が高くなる。
【0132】以上のことから分かるように、この実施例
のスリップ角計測装置は、請求項1〜2に係る発明の実
施例に相当するものであり、送信用の超音波振動子11
と送信回路61とが音波送信手段に相当し、受信用の超
音波振動子12,13と第一受信回路62aと第二受信
回路63aとが音波受信手段に相当し、第一受信周波数
検出回路62b、第二周波数検出受信回路63b、第一
ドップラシフト周波数算出回路64、および第二ドップ
ラシフト周波数算出回路65がドップラシフト周波数検
出手段に相当し、疑似スリップ角演算回路66が疑似ス
リップ角算出手段に相当し、スペックル変動周波数検出
回路67aと車輪速検出回路67bとが車速検出手段に
相当し、スリップ角演算回路28がスリップ角算出手段
に相当する。
【0133】なお、前記第一および第二実施例のスリッ
プ角計測装置は、タイヤスリップ角を計測するものであ
り、計測対象となる各車輪の近くの路面に超音波を送信
するために、例えば前記図7のようにして、超音波セン
サ1を、取付部材5を介して車輪110と車体100と
の間に取り付けているが、同様の超音波センサ1を車体
100の重心点CG近くに取り付けて、当該重心点CG
の真下を測定路面の中心点Pとすることにより、車体重
心点のスリップ角を計測することができる。この場合に
は、重心点CGの真下を測定路面の中心とすることがで
きるため、前記第一および第二実施例のように、信号処
理装置2,6に補正回路29,69を設ける必要がな
い。
【0134】また、前記第一実施例では車輪速検出回路
27を信号処理装置2内に備え、第一ドップラシフト周
波数算出回路24で算出されたfd1に基づいて車輪速V
P を検出しており、前記第二実施例では車輪速検出手段
としてスペックル変動周波数検出回路67aと車輪速算
出回路67bとを信号処理装置2内に備え、スペックル
変動周波数検出回路67aで算出されたfSPに基づいて
車輪速VP を検出しているが、車輪速検出手段として別
のセンサ等を備えていてもよい。
【0135】また、前記各実施例では、各超音波振動子
11〜13の振動面中心の配置に相当するセンサジオメ
トリを、図8に示すように、計測点である点Pと送信用
の超音波振動子11の振動面の中心点とを含む鉛直面の
両側に、受信用の超音波振動子12,13を配置し、送
信軸aS および受信軸ar1,ar2を点Pに向けたものと
してあるが、請求項1および2に係るスリップ角計測装
置は、図21に示すような、別の路面で計測された点P
における車輪速のX成分VX とY成分VY とによりスリ
ップ角を算出する装置をも含むものである。この場合に
は、受信時に検出されたドップラシフト周波数fdX,f
dYを用いて、例えば、前出の(3)式により車輪速の各
成分VX ,VY を算出し、これらの値に基づいて、前出
の(1)式のαを疑似スリップ角εとした算出式により
一先ず疑似スリップ角εを算出し、この値を例えば前記
スペックル変動周波数に基づく車輪速検出値によって補
正することにより、真のスリップ角αを算出する構成が
考えられる。
【0136】また、前記各実施例においては、信号処理
装置2,6をハードウエアによる回路構成としたが、超
音波の送受信以外の、ドップラシフト周波数の算出から
点Aでのタイヤスリップ角αの算出までの部分は、マイ
クロコンピュータにより構成することもできる。また、
前記各実施例では、音波として超音波を使用する場合に
ついてのみ説明したが、本件各発明のスリップ角計測装
置で使用可能な音波は超音波に限定されないことは言う
までもない。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および2
に係るスリップ角計測装置によれば、車両と共に音波受
信手段が移動することに伴って受信角度が設定から変動
することを考慮し、前記変動を無視した場合に当該車両
のスリップ角と見なされる疑似スリップ角を算出して、
この疑似スリップ角を車速検出値に基づいて補正するこ
とにより真のスリップ角を算出する構成としたため、複
雑な角度補正演算を行うことなく真のタイヤスリップ角
を正確に計測することができる。
【0138】特に、請求項2に係るスリップ角計測装置
によれば、車速検出手段がスペックル変動周波数検出値
から車速を検出するものとしたことで、車速検出手段と
して特別なセンサ等を設ける必要がなく、且つ精度良く
車速が検出されるため、当該スリップ角計測装置の構成
を大がかりにしないで計測精度を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスリップ角計測装置の基本構成図であ
る。
【図2】第一実施例のスリップ角計測装置を構成する超
音波センサを示す斜視図である。
【図3】図2の超音波センサを構成するマウントを示す
斜視図である。
【図4】図3のマウントの補助板を取り除いた部分を示
す横断面図である。
【図5】図3のマウントの両端部材を取り除いた部分を
示す縦断面図である。
【図6】図2の超音波センサの車両への取付状態を示す
部分断面図である。
【図7】第一実施例のスリップ角計測装置の概略構成を
示すブロック図である。
【図8】第一実施例における超音波の送信および受信の
センサジオメトリを示す斜視図である。
【図9】第一実施例における超音波の送信および受信の
センサジオメトリを示す(a)平面図と(b)背面図で
ある。
【図10】車両の走行に伴う受信用の超音波振動子の移
動経路と、当該超音波振動子で受信された超音波の伝播
経路とを示す鳥瞰図である。
【図11】車両の走行に伴う受信用の超音波振動子の移
動経路と、当該超音波振動子で受信された超音波の伝播
経路とを示す図であって、(a)は平面図であり、
(b)は側面図である。
【図12】車両の走行に伴うセンサジオメトリの変動に
関して、受信投影角θd1’,θd2’および受信仰角θ
rS1 ,θrS2 の、車輪速VP との相関を示すグラフであ
る。
【図13】車両の走行に伴うセンサジオメトリの変動に
関して、受信投影角θd1’,θd2’および受信仰角θ
rS1 ,θrS2 の、点Pにおける真のスリップ角αP との
相関を示すグラフである。
【図14】車両の走行に伴うセンサジオメトリの変動に
関して、受信投影角θd1’,θd2’および受信仰角θ
rS1 ,θrS2 の、音速CS との相関を示すグラフであ
る。
【図15】疑似スリップ角εと点Pにおける真のスリッ
プ角αP との相関を、点Pにおける車輪速VP をパラメ
ータとして示したグラフである。
【図16】点Pにおける真のスリップ角αP をパラメー
タとする、疑似スリップ角εの点Pにおける真のスリッ
プ角αP からのズレ量εoff と点Pにおける車輪速VP
との相関を示すグラフである。
【図17】点Pにおける車輪速VP をパラメータとす
る、補正係数Hと点Pにおける真のスリップ角αP との
相関を示すグラフである。
【図18】(a)は、車両に対する超音波センサの配置
を示す平面図であり、(b)は、後左輪側を例にとっ
て、点Pと点Aとにおける速度ベクトルの違いを示す概
要図である。
【図19】タイヤスリップ角の測定点がタイヤ接地点と
異なることにより生じる計測誤差と、ヨーレイトとの関
係の一例を示すグラフである。
【図20】第二実施例のスリップ角計測装置の概略構成
を示すブロック図である。
【図21】スリップ角計測装置の従来例を示す概略構成
図である。
【符号の説明】
1 超音波センサ 4 温度センサ(車速検出手段) 11 送信用の超音波振動子(音波送信手段) 12,13受信用の超音波振動子(音波受信手段) 21,61送信回路(音波送信手段) 22 第一受信回路(音波受信手段) 23 第二受信回路(音波受信手段) 24,64第一ドップラシフト周波数算出回路(ドップ
ラシフト周波数検出手段) 25,65第二ドップラシフト周波数算出回路(ドップ
ラシフト周波数検出手段) 26,66疑似スリップ角演算回路(疑似スリップ角算
出手段) 27 車輪速検出回路(車速検出手段) 67a スペックル変動周波数検出回路(車速検出手
段) 67b 車輪速算出回路(車速検出手段) 28,68スリップ角演算回路(スリップ角算出手段) 62a 第一受信回路(音波受信手段) 63a 第二受信回路(音波受信手段) 62b 第一受信周波数検出回路(ドップラシフト周波
数検出手段) 63b 第二受信周波数検出回路(ドップラシフト周波
数検出手段) 100 車体 110 車輪

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の所定位置に設置され、当該車両が
    走行する路面の所定点に送信軸を所定角度で向けて音波
    を送信する音波送信手段と、当該車両の所定位置に設置
    され、前記音波送信手段により送信され前記所定点で反
    射した音波を所定角度で受信する二つの音波受信手段
    と、前記各音波受信手段により受信された音波のドップ
    ラ効果に伴う送信時からの周波数変化量を検出するドッ
    プラシフト周波数検出手段と、前記ドップラシフト周波
    数検出手段により検出された各音波受信手段での周波数
    変化量に基づいて、当該車両の走行に伴う受信角度の変
    動を無視したときに当該車両のスリップ角と見なされる
    疑似スリップ角を算出する疑似スリップ角算出手段と、
    前記所定点での車両の進行方向の速度を検出する車速検
    出手段と、前記疑似スリップ角算出手段からの疑似スリ
    ップ角算出値と前記車速検出手段からの車速検出値とに
    基づいて、当該車両の所定点でのスリップ角を算出する
    スリップ角算出手段とを備えたことを特徴とするドップ
    ラ効果を利用したスリップ角計測装置。
  2. 【請求項2】 前記車速検出手段は、前記所定点で反射
    して音波受信手段が所定角度で受信した音波のスペック
    ル変動周波数を検出し、当該スペックル変動周波数検出
    値から当該所定点での車両の進行方向の速度を算出する
    ものであることを特徴とする請求項1記載のドップラ効
    果を利用したスリップ角計測装置。
JP35195A 1995-01-05 1995-01-05 ドップラ効果を利用したスリップ角計測装置 Pending JPH08183434A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003118558A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Honda Motor Co Ltd 車体ヨーレイト推定装置
US11427172B2 (en) * 2016-10-19 2022-08-30 Robert Bosch Gmbh Lateral dynamic control for regenerative and friction brake blending

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