JPH08181301A - 量子ドット構造及びその製造方法 - Google Patents

量子ドット構造及びその製造方法

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JPH08181301A
JPH08181301A JP32490494A JP32490494A JPH08181301A JP H08181301 A JPH08181301 A JP H08181301A JP 32490494 A JP32490494 A JP 32490494A JP 32490494 A JP32490494 A JP 32490494A JP H08181301 A JPH08181301 A JP H08181301A
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JP
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compound semiconductor
semiconductor layer
layer
quantum dot
trapezoidal
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JP32490494A
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English (en)
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Yoshihiro Sugiyama
芳弘 杉山
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 量子ドット構造及びその製造方法に関し、量
子ドットを制御された位置に、又、高密度で形成するこ
とを比較的簡単な技術で可能にしようとする。 【構成】 特定方向に傾斜させた主表面をもつ半絶縁性
GaAs基板21上に開口22Aをもつ絶縁膜22が形
成され、開口22A内にGaAs台形層23が形成さ
れ、台形層23の頂面に在るテラス上にInGaAs量
子ドット領域24A及びGaAsバリヤ領域24Bが交
互に連接して形成され、量子ドット領域24A及びバリ
ヤ領域24B上に量子ドット領域24Aを量子ドットと
する為のGaAs上側バリヤ層25が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細な電子デバイスや
光デバイスを実現するのに好適な量子ドット構造及びそ
の製造方法に関する。
【0002】現在、量子ドット・メモリ、量子細線レー
ザ、量子箱レーザなどが実験室規模で実現されつつある
が、量子ドット自体の形成が困難である為、その問題を
解消する必要があり、本発明は、それに応えることが可
能である。
【0003】
【従来の技術】近年、分子腺エピタキシャル成長(mo
lecular beam epitaxy:MBE)
法を適用することに依って、GaAs基板上にIn組成
が0.5程度の格子定数が大きく異なるInGaAs層
を積層して量子井戸構造を作製した場合、直径が30
〔nm〕〜40〔nm〕の量子ドットが得られると報告
されている(要すれば、「D.Leonard et
al.“Direct formation of q
uantum−sized dots fromuni
form islands of InGaAs on
GaAs surfaces”Appl.Phys.
Lett.63(1933)pp.3202−320
5」(公知例1)、を参照)。
【0004】また、原子層エピタキシャル成長(ato
mic layer epitaxy:ALE)法を適
用することに依って、直径が15〔nm〕〜20〔n
m〕、また、間隔が100〔nm〕程度の量子ドットを
形成できることが報告されている(要すれば、「向井、
大塚、その他、“Self−Formed In0.5
0.5 As Quantum Dots on GaA
s Substrates Emitting at
1.3μm” Jan.J.Appl.Phys.Vo
l.33(1994)pp.L1710−L1712」
(公知例2)、を参照)。
【0005】更にまた、有機金属気相成長(metal
organic vapor phase epita
xy:MOVPE)法を適用することに依って、前記と
同様な量子ドットが形成できることが報告されている
(要すれば、「西岡、その他、“Highly Uni
fom InGaAs Quantum Dots(〜
15nm) Grown by MOCVD on G
aAs” 13thSymposium on All
oy Semiconductor Phsics a
nd Electronics,B−5,July 2
0−22,1994,Izu−Nagaoka,」(公
知例3)、を参照)。
【0006】図13は公知例1に見られる量子ドット構
造を表す要部切断説明図である。
【0007】図に於いて、(A)は要部切断側面、
(B)は井戸層の平面(平面TEM(transmis
sion electron microscopy)
像)、1は主表面の面指数が(001)であるGaAs
基板、2はAlGaAsバッファ層、3はGaAsバリ
ヤ層、4はInGaAs井戸層、4AはInGaAs量
子ドット、5はGaAsバリヤ層をそれぞれ示してい
る。
【0008】この量子ドット構造では、井戸層4の構成
材料であるInGaAsのIn組成は約0.5であっ
て、かなりInリッチの状態にしてあり、この状態で井
戸層となるような薄膜を形成するとInGaAs量子ド
ット4Aが生成されるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術に於いて
は、量子井戸構造を作製する要領で量子ドットを形成し
ている為、量子ドットが二次元平面内にランダムに位置
する。また、量子ドットの密度は、成長の条件にもよる
が、高々100〔nm〕四方に一つの割合である。
【0010】量子ドット間のトンネル相互作用などの物
性解明は、量子ドットの応用に必要不可欠であるが、こ
こに至るまでは、量子ドットの位置制御、高密度化もま
まならない状況であって、半導体デバイスの開発には程
遠い。
【0011】本発明は、量子ドットを制御された位置
に、しかも、高密度で形成することを比較的簡単な技術
で可能にしようとする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では、基板上に基
板面と特異面(ファセット)とが表出された台形を形成
し、その台形を構成する材料に比較して熱分解温度が低
い材料を用いて更に成長を行うと、基板面と特異面との
成長速度の相違が強調され、特異面では成長が殆ど行わ
れず、基板面、即ち、台形頂面に原子が集まり、そし
て、格子定数の大きな相違の為、歪みエネルギを緩和し
ようとしてドット構造を形成する自己組織化が促進さ
れ、量子ドットが実現されることを利用する。
【0013】また、基板には傾斜をもたせ、その傾斜角
度にも依るが、例えば10〔nm〕程度のテラス幅をも
ったステップ状にしてあり、従って、MBE法やMOV
PE法に於けるステップフローモードを利用すれば、ス
テップのところから原子が埋まるようになるので、材
料、例えばInGaAsなどをテラス幅の任意のところ
に成長制御できるようにしたことが基本になっている。
【0014】図1及び図2は本発明の原理を説明する為
の量子ドット構造を表す要部平面説明図及び要部切断説
明図である。
【0015】図1に於いて、(A)は要部平面、(B)
は(A)に見られる円で囲んだ部分を拡大した要部平面
をそれぞれ示している。
【0016】図2に於いて、(A)は図1の線X−Xに
沿う要部切断正面、(B)は図1の線Y−Yに沿う要部
切断側面、(C)は(B)に見られる円で囲んだ部分を
拡大した要部切断側面をそれぞれ示している。
【0017】図1及び図2に於いて、11は面指数(0
01)から僅かにオフしている主表面をもつGaAs基
板、12はSiO2 からなる絶縁膜、13はGaAsか
らなる台形半導体層、13Aは台形半導体層13に於け
るファセット、14は量子ドット層、14Aは例えばI
nGaAsからなる量子ドット領域、14Bは例えばG
aAsやInAlGaAsPなどからなるバリヤ領域、
θは基板11の主表面(従って、台形半導体層13の頂
面)がなす傾斜角、Lは台形半導体層13の頂面に生成
されるテラスの幅をそれぞれ示している。
【0018】図示された量子ドット構造に於いては、基
板11の主表面に傾斜をもたせてある為、図2の(C)
に見られるように台形半導体層13の頂面には階段状の
テラスが生成される。
【0019】テラスの高さは1原子層であってa0 /2
(a0 =基板11の格子定数)で表され、tanθ=
(a0 /2)/Lとなる。
【0020】通常、ファセット13A上に於ける結晶成
長は、基板面、従って、台形半導体層13の頂面に於け
る結晶成長に比較して少なくすることが可能であり、実
際に例えば(100)面と(111)B面とでは、(1
11)B面のほうが遙に少ない。一般に、結晶の成長速
度は、(111)B≪(111)A<(100)、であ
る。
【0021】図1及び図2について説明した量子ドット
構造を製造するには、基板11の主表面を〔110〕方
向に傾斜を付与し、その上にSiO2 からなる絶縁膜1
2を形成し、絶縁膜12にストライプ溝を形成し、表出
された基板11上に台形半導体層13を形成し、台形半
導体層13の頂面にステップフローモードのMBE法を
適用してInGaAs/GaAsを成長させた場合、基
板11の傾斜角が1°であれば、約8〔nm〕間隔で量
子ドット領域14Aを形成することができる。
【0022】勿論、量子ドット領域14Aの間には、電
子がトンネリング可能なバリヤ領域14Bが形成されて
いる為、各量子ドット領域14A間のトンネリングに依
る輸送現象などを調べることができ、これは、単電子素
子や量子ドット・メモリなど量子半導体素子の実現に道
を開くものと考えて良い。
【0023】図から明らかなように、本発明に依る量子
ドット領域14Aは、列をなすように形成することがで
き、この構造は、量子箱細線(要すれば、「榊、“Qu
antum Wire Superlattices
and Coupled Quantum Box A
rrays: A Novel Method toS
uppress Optical Phonon Sc
atteringin Semiconductor
s” Jan.J.Appl.Phys.Vol.2
8,No.2,Feb.1989,pp.L314−L
316」(公知例4)、を参照)と同様になり、従っ
て、光学フォノン散乱が抑制され、電子の移動度が向上
するであろうことが充分に期待できる。
【0024】尚、台形半導体層13に於ける頂面の幅
は、結晶の成長速度に依って制御することができ、従っ
て、テラス幅Lと前記頂面の幅との兼ね合いは、一つの
テラス幅L内に入れる量子ドット領域14Aの数で任意
に決めることができる。
【0025】前記したところから、本発明に依る量子構
造及びその製造方法に於いては、 (1)テラス構造を生成する為に結晶面の特定方向に僅
かに傾斜させた主表面をもつ化合物半導体基板(例えば
半絶縁性GaAs基板21)と、前記化合物半導体基板
上に形成され且つ前記傾斜方向と同一方向に延在するス
トライプの開口(例えば開口22A)を有して選択成長
用マスクの作用をする絶縁膜(例えば絶縁膜22)と、
前記開口内に表出された前記化合物半導体基板上に積層
形成され格子定数が前記化合物半導体基板と本質的に同
じであると共に前記ストライプに沿う側面が特異面をな
し且つ頂面にテラス(例えば図2に於ける(C)参照)
が生成された化合物半導体台形層(例えばGaAs台形
層23)と、前記化合物半導体台形層の頂面に在るテラ
ス上のストライプ方向に交互に連接した状態に形成され
前記化合物半導体台形層と格子定数を異にすると共に禁
制帯幅が小さい第一の化合物半導体層(例えばInGa
As量子ドット領域24A)及び前記第一の化合物半導
体層の禁制帯幅に比較して大きい禁制帯幅を有する第二
の化合物半導体層(例えばGaAsバリヤ領域24B)
と、前記第一の化合物半導体層の禁制帯幅に比較して大
きい禁制帯幅を有すると共に格子定数が前記化合物半導
体台形層の格子定数と実質的に等しく且つ少なくとも前
記第一の化合物半導体層及び前記第二の化合物半導体層
を覆って前記第一の化合物半導体層を量子ドットとして
構成する為の第三の化合物半導体層(例えばGaAs上
側バリヤ層25)とを備えてなることを特徴とするか、
或いは、
【0026】(2)前記(1)に於いて、第一の化合物
半導体層及び第二の化合物半導体層及びそれ等を覆う第
三の化合物半導体層からなる構成の複数が積層形成され
てなることを特徴とするか、或いは、
【0027】(3)テラス構造を生成する為に結晶面の
特定方向に僅かに傾斜させた主表面をもつ化合物半導体
基板(例えば半絶縁性GaAs基板21)に前記傾斜方
向と同一方向に延在するストライプの開口(例えば開口
22A)を有する絶縁膜(例えば絶縁膜22)を形成す
る工程と、次いで、前記絶縁膜を選択成長用マスクとし
て前記開口内の前記化合物半導体基板上に格子定数が前
記化合物半導体基板と本質的に同じであると共に前記ス
トライプに沿う側面が特異面をなし且つ頂面にテラス
(例えば図2に於ける(C)参照)をもつ化合物半導体
台形層(例えばGaAs台形層23)を積層成長させる
工程と、次いで、ステップフローモードの結晶成長技術
を適用して化合物半導体台形層の頂面に在るテラス上の
ストライプ方向に前記化合物半導体台形層と格子定数を
異にすると共に禁制帯幅が小さい第一の化合物半導体層
(例えばInGaAs量子ドット領域24A)及び前記
第一の化合物半導体層の禁制帯幅に比較して大きい禁制
帯幅を有する第二の化合物半導体層(例えばGaAsバ
リヤ領域24B)を前記化合物半導体台形層の頂面に在
るテラス上のストライプ方向に交互に連接した状態に形
成する工程と、次いで、前記第一の化合物半導体層の禁
制帯幅に比較して大きい禁制帯幅を有すると共に格子定
数が前記化合物半導体台形層の格子定数と実質的に等し
い第三の化合物半導体層(例えばGaAs上側バリヤ層
25)を少なくとも前記第一の化合物半導体層及び前記
第二の化合物半導体層を覆うように形成して前記第一の
化合物半導体層を量子ドットとして構成する工程とが含
まれてなることを特徴とするか、或いは、
【0028】(4)前記(3)に於いて、化合物半導体
基板の傾斜方向が〔110〕である場合に第一の化合物
半導体層並びに第二の化合物半導体層をステップフロー
モードのガス・ソース分子線エピタキシャル成長法を適
用して成長させることを特徴とするか、或いは、
【0029】(5)前記(3)に於いて、化合物半導体
基板の傾斜方向が〔−110〕である場合に第一の化合
物半導体層並びに第二の化合物半導体層をステップフロ
ーモードの有機金属気相成長法を適用して成長させるこ
とを特徴とする。
【0030】
【作用】前記手段を採ることに依り、規則正しい周期構
造をなす量子ドットを高線密度に、しかも、比較的容易
に実現することができるので、この量子ドット・デバイ
スを用いることで、量子ドット間に於ける電子の輸送現
象を調べることが可能となり、単電子素子や量子ドット
・メモリなど、量子半導体装置を開発することが可能に
なる。
【0031】
【実施例】図3は本発明に於ける物の一実施例を表す要
部平面説明図、図4は同じく要部切断説明図である。
尚、図4の(A)は要部切断正面、図4の(B)は要部
切断側面である。
【0032】図3並びに図4に於いて、21は面指数
(001)から〔110〕方向に1°オフした主表面を
もつ半絶縁性GaAs基板、22はストライプの開口2
2AをもったSiO2 からなる絶縁膜、23はGaAs
台形層、23Aは面指数(111)Bのファセット、2
4は量子ドット層、24AはInGaAs量子ドット領
域、24BはGaAsバリヤ領域、25はGaAs上側
バリヤ層をそれぞれ示している。尚、台形層23に見ら
れる多数の線はテラスに於ける段差を表している。
【0033】図5乃至図7は本発明に於ける方法の一実
施例を説明する為の工程要所に於ける量子ドット構造を
表す要部切断正面図であり、以下、これ等の図を参照し
つつ解説する。
【0034】図5(A)参照 5−(1)化学気相成長(chemical vapo
r deposition:CVD)法を適用すること
に依り、面指数(001)から〔110〕方向に1°オ
フした主表面をもつ半絶縁性GaAs基板21上に厚さ
が例えば100〔nm〕のSiO2 からなる絶縁膜22
を形成する。
【0035】図5(B)参照 5−(2)リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセ
スを適用することに依り、絶縁膜22上に〔110〕方
向に長軸が向いた0.5〔μm〕×10〔μm〕の開口
30Aをもつレジスト膜30を形成する。
【0036】この場合、電子ビーム露光法を利用すれ
ば、開口30Aの幅、及び、開口30A間の距離、即
ち、線間距離を容易に小さくすることができる。
【0037】図6(A)参照 6−(1)エッチャントをHF:NH4 F=1:20の
エッチング液とするウエット・エッチング法を適用する
ことに依り、レジスト膜30をマスクとしてSiO2
らなる絶縁膜22のエッチングを行って開口22Aを形
成する。尚、この場合、開口22Aの線幅は0.7〔μ
m〕となる。
【0038】6−(2)レジスト剥離液中に浸漬してレ
ジスト膜30を除去する。
【0039】図6(B)参照 6−(3)ガス・ソースMBE法を適用することに依
り、開口22A内に表出されている基板21上にGaA
sからなる台形層23を形成する。
【0040】この台形層23は、両側のファセットに於
ける面指数が(111)Bであることから、層厚d〔n
m〕は、台形の上底を2a〔nm〕、また、下底を2b
〔nm〕とすると、 d=(b−a)・tan(1/√3) の式に依って、予め設計することができる。
【0041】図7(A)参照 7−(1)MBE法のステップフローモードを適用する
ことに依り、In組成比が例えば0.5程度であるIn
GaAsを成長させる。
【0042】この成長を行った場合、歪みが存在するこ
と、そして、InGaAsの熱分解温度が390〔℃〕
と低いことから、Inの小滴(droplet)を含ん
だInGaAs領域が形成される。
【0043】7−(2)引き続き、GaAsの成長を行
うと、台形層23の頂面に在る1テラス内にInGaA
s領域とGaAs領域とが横方向に連接して形成された
量子ドット層24を得ることができる。尚、GaAs領
域は断面の関係で図示されていない。
【0044】前記GaAs領域は、バリヤの作用をする
ものである為、InGaAsに対してバリヤとなる他の
材料、例えばAlGaAsやInGaPなど、適宜のも
のに代替して良い。
【0045】図7(B)参照 7−(3)前記7−(1)及び7−(2)の工程を例え
ば5回乃至6回程度繰り返すことに依り、InGaAs
/GaAsからなる横方向超格子が得られ、この後、通
常の技術を適用してGaAsからなる上側バリヤ層25
を成長させて量子ドット構造が完成され、前記InGa
As領域は、InGaAs量子ドット領域として動作し
得るものとなり、図7に於いては、図3及び図4と同
様、これを記号24Aで指示してある。
【0046】前記説明した工程に依って作製される量子
ドット構造の台形層23に於ける頂面に生成される各テ
ラスの幅L〔nm〕は、傾斜角度θ°、基板格子定数α
〔nm〕、ステップ高さ1原子層、tan(θ)≒θと
すると、 L=α/4θ・180/π で表すことができる。例えば、θ=1°の場合、L=
8.1〔nm〕となり、従って、周期が8.1〔nm〕
の量子ドット列が得られることになる。
【0047】尚、InGaAsからなる量子ドット領域
24Aは、テラス幅の任意の位置に成長可能であるか
ら、位置制御可能な高線密度の量子ドット構造を実現す
ることができる。
【0048】図8は本発明に於ける物の他の実施例を表
す要部平面説明図、図9は同じく要部切断説明図であ
る。尚、図9の(A)は要部切断正面、図9の(B)は
要部切断側面である。
【0049】図8及び図9に於いて、31は面指数(0
01)から〔−110〕方向に1°オフした主表面をも
つ半絶縁性GaAs基板、32はストライプの開口をも
ったSiO2 からなる絶縁膜、33はGaAs台形層、
33Aは面指数(111)Aのファセット、34は量子
ドット層、34AはInGaAs量子ドット領域、34
BはGaAsバリヤ領域、35はGaAs上側バリヤ層
をそれぞれ示している。尚、台形層33に見られる多数
の線はテラスに於ける段差を表している。
【0050】図10乃至図12は本発明に於ける方法の
一実施例を説明する為の工程要所に於ける量子ドット構
造を表す要部切断正面図であり、以下、これ等の図を参
照しつつ解説する。尚、さきに説明した実施例では、結
晶成長技術にMBE法を適用しているのに対し、本実施
例では、MOVPE法を採用したところに主たる相違点
がある。
【0051】図10(A)参照 10−(1)CVD法を適用することに依り、面指数
(001)から〔−110〕方向に1°オフした主表面
をもつ半絶縁性GaAs基板31上に厚さが例えば10
0〔nm〕のSiO2 からなる絶縁膜32を形成する。
【0052】図10(B)参照 10−(2)リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロ
セスを適用することに依り、絶縁膜32上に〔−11
0〕方向に長軸が向いた0.5〔μm〕×10〔μm〕
の開口40Aをもつレジスト膜40を形成する。
【0053】図11(A)参照 11−(1)エッチャントをHF:NH4 F=1:20
のエッチング液とするウエット・エッチング法を適用す
ることに依り、レジスト膜40をマスクとしてSiO2
からなる絶縁膜32のエッチングを行って開口32Aを
形成する。尚、この場合、開口32Aの線幅は0.7
〔μm〕となる。
【0054】11−(2)レジスト剥離液中に浸漬して
レジスト膜40を除去する。
【0055】図11(B)参照 11−(3)MOVPE法を適用することに依って、開
口32A内に表出されている基板31上にGaAsから
なる台形層33を形成する。
【0056】この台形層33に於ける両側のファセット
33Aの面指数は(111)Aであることから、成長速
度は(001)面に比較すれば小さくはあるが、ファセ
ット33A上にも結晶が成長される。
【0057】図12(A)参照 12−(1)MOVPE法のステップフローモードを適
用することに依り、In組成比が例えば0.5程度であ
るInGaAsを成長させる。
【0058】この成長を行った場合に於いても、Inの
小滴を含んだInGaAs領域が形成され、そのInG
aAs領域は、前記したように、台形層33の頂面に於
けるテラスのみならず、ファセット33A上にも形成さ
れる。
【0059】12−(2)引き続き、GaAsの成長を
行うと、台形層33の頂面に在る1テラス内にInGa
As領域とGaAs領域とが横方向に連接して形成され
た量子ドット層34を得ることができる。尚、GaAs
領域は断面の関係で図示されていない。
【0060】前記GaAs領域は、バリヤの作用をする
ものである為、InGaAsに対してバリヤとなる他の
材料、例えばAlGaAsやInGaPなど、適宜のも
のに代替することができる。
【0061】図12(B)参照 12−(3)前記12−(1)及び12−(2)の工程
を例えば5回乃至6回程度繰り返すことに依り、InG
aAs/GaAsからなる横方向超格子が得られ、この
後、通常の技術を適用してGaAsからなる上側バリヤ
層35を成長させて量子ドット構造が完成され、前記I
nGaAs領域は、InGaAs量子ドット領域として
動作し得るものとなり、図12に於いては、図8及び図
9と同様、これを記号34Aで指示してある。
【0062】本実施例に於いて、量子ドット構造を形成
すると、台形層33の頂面、即ち、(001)面だけで
なく、ファセット33Aにも形成される可能性はある
が、ステップ制御が困難となるのは明らかであるから、
使用できるのは(001)面のみである。
【0063】前記何れの実施例に於いても、GaAs基
板にInGaAs量子ドットを形成したものであるが、
この他、InP基板を用いて、InPとは格子が整合し
ない材料を積層すれば、量子ドット構造を作製すること
ができる。
【0064】また、前記何れの実施例に於いても、量子
ドット及びバリヤはノンドープとしたが、必要に応じて
不純物をドーピングして良い。
【0065】
【発明の効果】本発明に依る量子ドット構造及びその製
造方法に於いては、テラス構造を生成する為に結晶面の
特定方向に僅かに傾斜させた主表面をもつ化合物半導体
基板上に傾斜方向と同一方向に延在するストライプの開
口を有して選択成長用マスクの作用をする絶縁膜が形成
され、開口内の基板上に格子定数が基板と本質的に同じ
であると共に前記ストライプに沿う側面が特異面をなし
且つ頂面にテラスが生成された化合物半導体台形層が積
層形成され、台形層の頂面に在るテラス上に台形層と格
子定数を異にすると共に禁制帯幅が小さい第一の化合物
半導体層及び第一の化合物半導体層の禁制帯幅に比較し
て大きい禁制帯幅を有する第二の化合物半導体層がスト
ライプ方向に交互に連接した状態に形成され、第一の化
合物半導体層の禁制帯幅に比較して大きい禁制帯幅を有
すると共に格子定数が台形層の格子定数と実質的に等し
く且つ少なくとも第一の化合物半導体層及び第二の化合
物半導体層を覆って第一の化合物半導体層を量子ドット
とする為の第三の化合物半導体層が形成される。
【0066】前記構成を採ることに依り、規則正しい周
期構造をなす量子ドットを高線密度に、しかも、比較的
容易に実現することができるので、この量子ドット構造
を用いることで、量子ドット間に於ける電子の輸送現象
を調べることが可能となり、単電子素子や量子ドット・
メモリなど、量子半導体装置を開発することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する為の量子ドット構造を
表す要部平面説明図である。
【図2】本発明の原理を説明する為の量子ドット構造を
表す要部切断説明図である。
【図3】本発明に於ける物の一実施例を表す要部平面説
明図である。
【図4】本発明に於ける物の一実施例を表す要部切断説
明図である。
【図5】本発明に於ける方法の一実施例を説明する為の
工程要所に於ける量子ドット構造を表す要部切断正面図
である。
【図6】本発明に於ける方法の一実施例を説明する為の
工程要所に於ける量子ドット構造を表す要部切断正面図
である。
【図7】本発明に於ける方法の一実施例を説明する為の
工程要所に於ける量子ドット構造を表す要部切断正面図
である。
【図8】本発明に於ける物の他の実施例を表す要部平面
説明図である。
【図9】本発明に於ける物の他の実施例を表す要部切断
説明図である。
【図10】本発明に於ける方法の一実施例を説明する為
の工程要所に於ける量子ドット構造を表す要部切断正面
図である。
【図11】本発明に於ける方法の一実施例を説明する為
の工程要所に於ける量子ドット構造を表す要部切断正面
図である。
【図12】本発明に於ける方法の一実施例を説明する為
の工程要所に於ける量子ドット構造を表す要部切断正面
図である。
【図13】公知例1に見られる量子ドット構造を表す要
部切断説明図である。
【符号の説明】
21 基板 22 絶縁膜 22A 開口 23 台形層 23A ファセット 24 量子ドット層 24A 量子ドット領域 24B バリヤ領域 25 上側バリヤ層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テラス構造を生成する為に結晶面の特定方
    向に僅かに傾斜させた主表面をもつ化合物半導体基板
    と、 前記化合物半導体基板上に形成され且つ前記傾斜方向と
    同一方向に延在するストライプの開口を有して選択成長
    用マスクの作用をする絶縁膜と、 前記開口内に表出された前記化合物半導体基板上に積層
    形成され格子定数が前記化合物半導体基板と本質的に同
    じであると共に前記ストライプに沿う側面が特異面をな
    し且つ頂面にテラスが生成された化合物半導体台形層
    と、 前記化合物半導体台形層の頂面に在るテラス上のストラ
    イプ方向に交互に連接した状態に形成され前記化合物半
    導体台形層と格子定数を異にすると共に禁制帯幅が小さ
    い第一の化合物半導体層及び前記第一の化合物半導体層
    の禁制帯幅に比較して大きい禁制帯幅を有する第二の化
    合物半導体層と、 前記第一の化合物半導体層の禁制帯幅に比較して大きい
    禁制帯幅を有すると共に格子定数が前記化合物半導体台
    形層の格子定数と実質的に等しく且つ少なくとも前記第
    一の化合物半導体層及び前記第二の化合物半導体層を覆
    って前記第一の化合物半導体層を量子ドットとして構成
    する為の第三の化合物半導体層とを備えてなることを特
    徴とする量子ドット構造。
  2. 【請求項2】第一の化合物半導体層及び第二の化合物半
    導体層及びそれ等を覆う第三の化合物半導体層からなる
    構成の複数が積層形成されてなることを特徴とする請求
    項1記載の量子ドット構造。
  3. 【請求項3】テラス構造を生成する為に結晶面の特定方
    向に僅かに傾斜させた主表面をもつ化合物半導体基板に
    前記傾斜方向と同一方向に延在するストライプの開口を
    有する絶縁膜を形成する工程と、 次いで、前記絶縁膜を選択成長用マスクとして前記開口
    内の前記化合物半導体基板上に格子定数が前記化合物半
    導体基板と本質的に同じであると共に前記ストライプに
    沿う側面が特異面をなし且つ頂面にテラスをもつ化合物
    半導体台形層を積層成長させる工程と、 次いで、ステップフローモードの結晶成長技術を適用し
    て化合物半導体台形層の頂面に在るテラス上のストライ
    プ方向に前記化合物半導体台形層と格子定数を異にする
    と共に禁制帯幅が小さい第一の化合物半導体層及び前記
    第一の化合物半導体層の禁制帯幅に比較して大きい禁制
    帯幅を有する第二の化合物半導体層を前記化合物半導体
    台形層の頂面に在るテラス上のストライプ方向に交互に
    連接した状態に形成する工程と、 次いで、前記第一の化合物半導体層の禁制帯幅に比較し
    て大きい禁制帯幅を有すると共に格子定数が前記化合物
    半導体台形層の格子定数と実質的に等しい第三の化合物
    半導体層を少なくとも前記第一の化合物半導体層及び前
    記第二の化合物半導体層を覆うように形成して前記第一
    の化合物半導体層を量子ドットとして構成する工程とが
    含まれてなることを特徴とする量子ドット構造の製造方
    法。
  4. 【請求項4】化合物半導体基板の傾斜方向が〔110〕
    である場合に第一の化合物半導体層並びに第二の化合物
    半導体層をステップフローモードのガス・ソース分子線
    エピタキシャル成長法を適用して成長させることを特徴
    とする請求項3記載の量子ドット構造の製造方法。
  5. 【請求項5】化合物半導体基板の傾斜方向が〔−11
    0〕である場合に第一の化合物半導体層並びに第二の化
    合物半導体層をステップフローモードの有機金属気相成
    長法を適用して成長させることを特徴とする請求項3記
    載の量子ドット構造の製造方法。
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