JPH08181078A - MgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法並びに半導体積層構造の製造方法 - Google Patents
MgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法並びに半導体積層構造の製造方法Info
- Publication number
- JPH08181078A JPH08181078A JP32071594A JP32071594A JPH08181078A JP H08181078 A JPH08181078 A JP H08181078A JP 32071594 A JP32071594 A JP 32071594A JP 32071594 A JP32071594 A JP 32071594A JP H08181078 A JPH08181078 A JP H08181078A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- mgte
- compound semiconductor
- semiconductor
- group compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
- Led Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 良好な結晶品質を有したMgTe系II−VI族
化合物半導体の成長を可能にする。 【構成】 Zn,Cd,Mgから成る群より選ばれた少
なくともMgを含む2種以上のII族元素と、Te,S
e,Sから成る群より選ばれた少なくともTeを含む1
種以上のVI族元素とから成るMgTe系II−VI族化合物
半導体2を有機金属化学気相成長法により半導体基板1
上に成長させるようにしたMgTe系II−VI族化合物半
導体の成長方法であって、Te原料としてジエチルテル
ルを用い、かつ350℃<Tg≦550℃の成長温度T
gでMgTe系II−VI族化合物半導体を成長させる。
化合物半導体の成長を可能にする。 【構成】 Zn,Cd,Mgから成る群より選ばれた少
なくともMgを含む2種以上のII族元素と、Te,S
e,Sから成る群より選ばれた少なくともTeを含む1
種以上のVI族元素とから成るMgTe系II−VI族化合物
半導体2を有機金属化学気相成長法により半導体基板1
上に成長させるようにしたMgTe系II−VI族化合物半
導体の成長方法であって、Te原料としてジエチルテル
ルを用い、かつ350℃<Tg≦550℃の成長温度T
gでMgTe系II−VI族化合物半導体を成長させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、MgTe系II−VI族
化合物半導体の成長方法及びこの成長方法を用いた半導
体積層構造の製造方法に関するもので、例えば、MgT
e系II−VI族化合物半導体を用いた発光素子等の製造に
適用して好適なものである。
化合物半導体の成長方法及びこの成長方法を用いた半導
体積層構造の製造方法に関するもので、例えば、MgT
e系II−VI族化合物半導体を用いた発光素子等の製造に
適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】ZnMgTeを有機金属化学気相成長
(MOCVD)法により成長させる際に、従来より用い
られいる有機Te原料としては、ジイソプロピルテルル
(DIPTe)がある。(J.Crystal.Growth 138(1994)
1079)
(MOCVD)法により成長させる際に、従来より用い
られいる有機Te原料としては、ジイソプロピルテルル
(DIPTe)がある。(J.Crystal.Growth 138(1994)
1079)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】DIPTeを有機Te
原料としてZnTeをMOCVD法により成長させる際
に、その最適成長温度は350℃程度である。そこで3
50℃程度の成長温度でさらに有機Mg原料を加えてZ
nMgTeの成長を行おうとすると、有機Mg原料の分
解温度がこの温度よりも高いために分解効率が低くその
分解が不十分であり、光学的特性において深い準位から
の発光が支配的であるといった問題がある。そこで、有
機Mg原料が十分に分解しうるように成長温度を350
℃よりも高くしてZnMgTeの成長を行おうとする
と、ZnTeの最適成長温度よりも高い成長温度での成
長になるために、やはり結晶品質が悪化する。
原料としてZnTeをMOCVD法により成長させる際
に、その最適成長温度は350℃程度である。そこで3
50℃程度の成長温度でさらに有機Mg原料を加えてZ
nMgTeの成長を行おうとすると、有機Mg原料の分
解温度がこの温度よりも高いために分解効率が低くその
分解が不十分であり、光学的特性において深い準位から
の発光が支配的であるといった問題がある。そこで、有
機Mg原料が十分に分解しうるように成長温度を350
℃よりも高くしてZnMgTeの成長を行おうとする
と、ZnTeの最適成長温度よりも高い成長温度での成
長になるために、やはり結晶品質が悪化する。
【0004】この発明の目的は、有機Mg原料が十分に
分解することができるような成長温度領域で、良好な結
晶品質を有したMgTe系II−VI族化合物半導体を成長
することができるMgTe系II−VI族化合物半導体の成
長方法及びこの成長方法を用いた例えばダブルヘテロ構
造等の半導体積層構造の製造方法を提供することにあ
る。
分解することができるような成長温度領域で、良好な結
晶品質を有したMgTe系II−VI族化合物半導体を成長
することができるMgTe系II−VI族化合物半導体の成
長方法及びこの成長方法を用いた例えばダブルヘテロ構
造等の半導体積層構造の製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、Zn,C
d,Mgから成る群より選ばれた少なくともMgを含む
2種以上のII族元素と、Te,Se,Sから成る群より
選ばれた少なくともTeを含む1種以上のVI族元素とか
ら成るMgTe系II−VI族化合物半導体を有機金属化学
気相成長法により半導体基板上に成長させるようにした
MgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法であって、
Te原料としてジエチルテルルを用い、かつ350℃<
Tg≦550℃、好ましくは400℃〜500℃、更に
好ましくは450℃の成長温度Tgで上記MgTe系II
−VI族化合物半導体を成長させるようにしたことを特徴
とするものである。
d,Mgから成る群より選ばれた少なくともMgを含む
2種以上のII族元素と、Te,Se,Sから成る群より
選ばれた少なくともTeを含む1種以上のVI族元素とか
ら成るMgTe系II−VI族化合物半導体を有機金属化学
気相成長法により半導体基板上に成長させるようにした
MgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法であって、
Te原料としてジエチルテルルを用い、かつ350℃<
Tg≦550℃、好ましくは400℃〜500℃、更に
好ましくは450℃の成長温度Tgで上記MgTe系II
−VI族化合物半導体を成長させるようにしたことを特徴
とするものである。
【0006】この発明において、半導体基板としては種
々のものを用いることができ、具体的には、Si基板
(5.431Å),GaAs基板(5.653Å),G
aSb基板(6.096Å),InAs基板(6.05
8Å),GaP基板(5.451Å),InP基板
(5.869Å),ZnSe基板(5.688Å),Z
nTe基板(6.104Å),CdTe基板(6.48
1Å)またはZnCdTe基板(6.104〜6.48
1Å)などを用いることができる。なお、各基板の名称
の次の括弧に格子定数の値を示した。
々のものを用いることができ、具体的には、Si基板
(5.431Å),GaAs基板(5.653Å),G
aSb基板(6.096Å),InAs基板(6.05
8Å),GaP基板(5.451Å),InP基板
(5.869Å),ZnSe基板(5.688Å),Z
nTe基板(6.104Å),CdTe基板(6.48
1Å)またはZnCdTe基板(6.104〜6.48
1Å)などを用いることができる。なお、各基板の名称
の次の括弧に格子定数の値を示した。
【0007】この発明において、MgTe系II−VI族化
合物半導体は、具体的には、ZnMgTe,CdMgT
e,ZnMgSeTe,CdMgSeTe,ZnMgS
Te,CdMgSTeまたはZnCdMgTeなどであ
る。
合物半導体は、具体的には、ZnMgTe,CdMgT
e,ZnMgSeTe,CdMgSeTe,ZnMgS
Te,CdMgSTeまたはZnCdMgTeなどであ
る。
【0008】また、この発明は、上述のMgTe系II−
VI族化合物半導体の成長方法を用いた例えばダブルヘテ
ロ構造等の半導体積層構造の製造方法であって、第1半
導体層(例えば活性層)とこれと異なる第2半導体層
(例えばクラッド層)の成長温度の差を50℃以内、好
ましくは30℃以内とするようにしたことを特徴とする
ものである。
VI族化合物半導体の成長方法を用いた例えばダブルヘテ
ロ構造等の半導体積層構造の製造方法であって、第1半
導体層(例えば活性層)とこれと異なる第2半導体層
(例えばクラッド層)の成長温度の差を50℃以内、好
ましくは30℃以内とするようにしたことを特徴とする
ものである。
【0009】この発明によるMgTe系II−VI族化合物
半導体の成長方法は、例えば、MgTe系II−VI族化合
物半導体を用いた発光素子、具体的には、発光ダイオー
ド、レーザダイオード、LCRT用(レーザ陰極線管)
ターゲットなどの製造に好適に適用される。
半導体の成長方法は、例えば、MgTe系II−VI族化合
物半導体を用いた発光素子、具体的には、発光ダイオー
ド、レーザダイオード、LCRT用(レーザ陰極線管)
ターゲットなどの製造に好適に適用される。
【0010】
【作用】上述のように構成されたこの発明によるMgT
e系II−VI族化合物半導体の成長方法によれば、DIP
Teよりも分解温度が高いDETeをTe原料として用
いることにより、有機Mg原料が十分に分解する成長温
度領域で結晶品質の良好なMgTe系II−VI族化合物半
導体の成長が可能となる。成長温度Tgが350℃より
低温になると深い準位の発光がでて光学的特性が悪くな
る。Tgが550℃を越える高温になると表面モフォロ
ジーが荒れる。
e系II−VI族化合物半導体の成長方法によれば、DIP
Teよりも分解温度が高いDETeをTe原料として用
いることにより、有機Mg原料が十分に分解する成長温
度領域で結晶品質の良好なMgTe系II−VI族化合物半
導体の成長が可能となる。成長温度Tgが350℃より
低温になると深い準位の発光がでて光学的特性が悪くな
る。Tgが550℃を越える高温になると表面モフォロ
ジーが荒れる。
【0011】また、上述の半導体積層構造の製造方法に
よれば、同一成長温度でII−VI族化合物半導体体による
高品質の第1,第2の半導体層の形成が可能となる。例
えばZnMgTeをクラッド層、ZnTeを活性層とす
るダブルヘテロ(DH)構造の成長を考えた場合、クラ
ッド層と活性層とを同一成長温度で成長できるため、高
品質なDH構造を成長することが可能である。
よれば、同一成長温度でII−VI族化合物半導体体による
高品質の第1,第2の半導体層の形成が可能となる。例
えばZnMgTeをクラッド層、ZnTeを活性層とす
るダブルヘテロ(DH)構造の成長を考えた場合、クラ
ッド層と活性層とを同一成長温度で成長できるため、高
品質なDH構造を成長することが可能である。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。
しながら説明する。
【0013】まず、この発明をZnMgTe層の成長に
適用した第1実施例について説明する。この第1実施例
においては、Te原料としてジエチルテルル(DET
e)を、Zn原料としてジメチルジンク(DMZn)
を、Mg原料としてビスメチルシクロペンタジエニルマ
グネシウム(MCP2 Mg)を用いたMOCVD法によ
り、図1に示すように、GaAs基板1上にZnMgT
e層2を成長させる。
適用した第1実施例について説明する。この第1実施例
においては、Te原料としてジエチルテルル(DET
e)を、Zn原料としてジメチルジンク(DMZn)
を、Mg原料としてビスメチルシクロペンタジエニルマ
グネシウム(MCP2 Mg)を用いたMOCVD法によ
り、図1に示すように、GaAs基板1上にZnMgT
e層2を成長させる。
【0014】図2に、Te原料としてのDETe流量を
1.0μmol/min ,Zn原料としてのDMZn流量を
1.4μmol/min ,Mg原料としてのMCP2 Mg流量
を0.1μmol/min とし、成長温度を450℃とした場
合におけるZnMgTeの4.2Kでのフォトルミネッ
センススペクトルの測定結果を示す。ただし、ZnMg
Te層2の厚さd1 は2.4μmである。波長515n
m付近のバンド端近傍発光aが明瞭に観察されており、
良好な光学的特性を示していると言える。なお、エレク
トロンプローブマイクロアナリシス(EPMA)法によ
りこの試料の組成を求めたところ、Mg組成10%であ
った。
1.0μmol/min ,Zn原料としてのDMZn流量を
1.4μmol/min ,Mg原料としてのMCP2 Mg流量
を0.1μmol/min とし、成長温度を450℃とした場
合におけるZnMgTeの4.2Kでのフォトルミネッ
センススペクトルの測定結果を示す。ただし、ZnMg
Te層2の厚さd1 は2.4μmである。波長515n
m付近のバンド端近傍発光aが明瞭に観察されており、
良好な光学的特性を示していると言える。なお、エレク
トロンプローブマイクロアナリシス(EPMA)法によ
りこの試料の組成を求めたところ、Mg組成10%であ
った。
【0015】これに対して、Te原料としてDIPTe
を用いて成長温度350℃で成長した場合には、深い準
位からの発光のみが観察される(J.Crystal.Growth 138
(1994)1079) 。同文献中に記されているバンドギャップ
よりも210meV低エネルギー側の発光とは、550
〜570nm付近の発光であるものと考えられる。
を用いて成長温度350℃で成長した場合には、深い準
位からの発光のみが観察される(J.Crystal.Growth 138
(1994)1079) 。同文献中に記されているバンドギャップ
よりも210meV低エネルギー側の発光とは、550
〜570nm付近の発光であるものと考えられる。
【0016】図3に、上記のフォトルミネッセンススペ
クトルの測定に用いた試料と同一の試料についてX線回
折スペクトルの測定結果を示す。このスペクトルより求
められるZn0.9 Mg0.1 Teの格子定数は6.13Å
となる。図3よりわかるように、Zn0.9 Mg0.1 Te
によるX線回折ピークの半値幅は、2.4μmの厚さに
対して550秒程度であり、GaAs基板1との間に約
8%の格子不整が存在しているにもかかわらず、良好な
結晶性を有していると言える。
クトルの測定に用いた試料と同一の試料についてX線回
折スペクトルの測定結果を示す。このスペクトルより求
められるZn0.9 Mg0.1 Teの格子定数は6.13Å
となる。図3よりわかるように、Zn0.9 Mg0.1 Te
によるX線回折ピークの半値幅は、2.4μmの厚さに
対して550秒程度であり、GaAs基板1との間に約
8%の格子不整が存在しているにもかかわらず、良好な
結晶性を有していると言える。
【0017】図4に、Te原料としてのDETe流量を
4.0μmol/min ,Zn原料としてのDMZn流量を
5.4μmol/min ,Mg原料としてのMCP2 Mg流量
を0.1μmol/min とし、成長温度を400℃とした場
合におけるZnMgTeの4.2Kでのフォトルミネッ
センススペクトルの測定結果を示す。波長540nm付
近の深い準位からの発光のみが見られている。なお、こ
の試料のMg組成は15%であった。
4.0μmol/min ,Zn原料としてのDMZn流量を
5.4μmol/min ,Mg原料としてのMCP2 Mg流量
を0.1μmol/min とし、成長温度を400℃とした場
合におけるZnMgTeの4.2Kでのフォトルミネッ
センススペクトルの測定結果を示す。波長540nm付
近の深い準位からの発光のみが見られている。なお、こ
の試料のMg組成は15%であった。
【0018】図1,図4より、同程度のMg組成である
にもかかわらず、400℃で成長した試料よりも450
℃で成長した試料の方が良好な光学的特性を有している
ことがわかる。これは成長温度が低いほど、Mg原料の
分解が不完全なためであると考えられる。また、成長温
度を高くするにつれて表面モフォロジーが荒れてくるこ
とから、成長温度をあまり高くし過ぎないことが必要で
あると考えられる。
にもかかわらず、400℃で成長した試料よりも450
℃で成長した試料の方が良好な光学的特性を有している
ことがわかる。これは成長温度が低いほど、Mg原料の
分解が不完全なためであると考えられる。また、成長温
度を高くするにつれて表面モフォロジーが荒れてくるこ
とから、成長温度をあまり高くし過ぎないことが必要で
あると考えられる。
【0019】以上のように、この第1実施例によれば、
MOCVD法によりZnMgTe層2を成長させる際の
Te原料としてDETeを用いていることにより、有機
Mg原料が十分に分解しうるような成長温度領域で、高
品質なZnMgTeを成長することができる。
MOCVD法によりZnMgTe層2を成長させる際の
Te原料としてDETeを用いていることにより、有機
Mg原料が十分に分解しうるような成長温度領域で、高
品質なZnMgTeを成長することができる。
【0020】次に、この発明をダブルヘテロ(DH)構
造の作製に適用した第2実施例について説明する。この
第2実施例においては、図5に示すように、MOCVD
法により、GaAs基板11上にZnTeバッファ層1
2を成長させ、さらにその上にTe原料としてのDET
e流量を1.0μmol/min ,Zn原料としてのDMZn
流量を1.4μmol/min ,Mg原料としてのMCP2 M
g流量を0.2μmol/min として成長温度450℃で、
ZnMgTeクラッド層13,ZnTe活性層14およ
びZnMgTeクラッド層15を順次成長させる。
造の作製に適用した第2実施例について説明する。この
第2実施例においては、図5に示すように、MOCVD
法により、GaAs基板11上にZnTeバッファ層1
2を成長させ、さらにその上にTe原料としてのDET
e流量を1.0μmol/min ,Zn原料としてのDMZn
流量を1.4μmol/min ,Mg原料としてのMCP2 M
g流量を0.2μmol/min として成長温度450℃で、
ZnMgTeクラッド層13,ZnTe活性層14およ
びZnMgTeクラッド層15を順次成長させる。
【0021】図6に、ZnTeバッファ層12の厚さを
2μm,Zn0.8 Mg0.2 Teクラッド層13および1
5の厚さを50nmとし、ZnTe活性層14の厚さd
2 を10nm,5nm,2.5nmと変化させて作製し
た3種類のDH構造の4.2Kでのフォトルミネッセン
ススペクトル測定結果を示す。図よりわかるように、Z
nTe活性層14の厚さd2 を薄くするにしたがって発
光波長が短波長側にシフトしており、またZnTe活性
層14の厚さd2 が5nm,2.5nmの場合には、
4.2KにおけるZnTeのバンドギャップに対応する
波長よりも短波長側での発光が見られている。このこと
から、量子閉じ込め効果が起こっており、このDH構造
がタイプI、すなわち電子、正孔ともに活性層に閉じ込
められるタイプのバンド構造を有していることがわか
る。このようにDH構造において量子閉じ込め効果が見
られたことから、非常に良好な構造を作製できていると
言える。
2μm,Zn0.8 Mg0.2 Teクラッド層13および1
5の厚さを50nmとし、ZnTe活性層14の厚さd
2 を10nm,5nm,2.5nmと変化させて作製し
た3種類のDH構造の4.2Kでのフォトルミネッセン
ススペクトル測定結果を示す。図よりわかるように、Z
nTe活性層14の厚さd2 を薄くするにしたがって発
光波長が短波長側にシフトしており、またZnTe活性
層14の厚さd2 が5nm,2.5nmの場合には、
4.2KにおけるZnTeのバンドギャップに対応する
波長よりも短波長側での発光が見られている。このこと
から、量子閉じ込め効果が起こっており、このDH構造
がタイプI、すなわち電子、正孔ともに活性層に閉じ込
められるタイプのバンド構造を有していることがわか
る。このようにDH構造において量子閉じ込め効果が見
られたことから、非常に良好な構造を作製できていると
言える。
【0022】次に、この発明を半導体レーザの製造に適
用した第3実施例について説明する。この第3実施例に
おいては、図7に示すように、MOCVD法により、例
えばGaAsよりなる半導体基板21上に、350℃<
Tg≦550℃の成長温度Tg、例えば450℃程度の
成長温度で、ドナー不純物として例えばI(ヨウ素)が
添加されたn型ZnMgTeクラッド層22,ZnTe
活性層23およびアクセプタ不純物として例えばN(窒
素)が添加されたp型ZnMgTeクラッド層24を順
次成長させる。次いで、半導体基板21の表面に例えば
Inからなる一方の電極25を、p型ZnMgTeクラ
ッド層24上に例えばAu,In等よりなる他方の電極
26をオーミックに接続するように形成する。
用した第3実施例について説明する。この第3実施例に
おいては、図7に示すように、MOCVD法により、例
えばGaAsよりなる半導体基板21上に、350℃<
Tg≦550℃の成長温度Tg、例えば450℃程度の
成長温度で、ドナー不純物として例えばI(ヨウ素)が
添加されたn型ZnMgTeクラッド層22,ZnTe
活性層23およびアクセプタ不純物として例えばN(窒
素)が添加されたp型ZnMgTeクラッド層24を順
次成長させる。次いで、半導体基板21の表面に例えば
Inからなる一方の電極25を、p型ZnMgTeクラ
ッド層24上に例えばAu,In等よりなる他方の電極
26をオーミックに接続するように形成する。
【0023】このMOCVD法による成長においては、
Te原料としてジエチルテルル(DETe),Zn原料
としてジメチルジンク(DMZn),Mg原料としてビ
スメチルシクロペンタジエニルマグネシウム(MCP2
Mg)を用いる。また、n型ZnMgTeクラッド層2
2のIのドーパントとしては例えばヨウ化エチル(C 2
H5 I)を用い、p型ZnMgTe24のNのドーパン
トとしては例えばアンモニア(NH3 )を用いる。この
第3実施例によれば、半導体レーザを構成する各層を同
一成長温度かつ良好な光学的特性で作製することができ
る。
Te原料としてジエチルテルル(DETe),Zn原料
としてジメチルジンク(DMZn),Mg原料としてビ
スメチルシクロペンタジエニルマグネシウム(MCP2
Mg)を用いる。また、n型ZnMgTeクラッド層2
2のIのドーパントとしては例えばヨウ化エチル(C 2
H5 I)を用い、p型ZnMgTe24のNのドーパン
トとしては例えばアンモニア(NH3 )を用いる。この
第3実施例によれば、半導体レーザを構成する各層を同
一成長温度かつ良好な光学的特性で作製することができ
る。
【0024】次に、この発明を半導体レーザの製造に適
用した第4実施例について説明する。この第4実施例に
おいては、図8に示すように、MOCVD法により、例
えばGaAsよりなる半導体基板31上に、350℃<
Tg≦550℃の成長温度Tg、例えば450℃程度の
成長温度で、ドナー不純物として例えばIが添加された
n型CdMgTeクラッド層32,CdTe活性層33
およびアクセプタ不純物として例えばNが添加されたp
型CdMgTeクラッド層34を順次成長させる。次い
で半導体基板31の表面にオーミック接触する例えばI
nよりなる一方の電極35を、p型CdMgTeクラッ
ド層34上にオーミック接触する例えばAu,In等よ
りなる他方の電極36を形成する。
用した第4実施例について説明する。この第4実施例に
おいては、図8に示すように、MOCVD法により、例
えばGaAsよりなる半導体基板31上に、350℃<
Tg≦550℃の成長温度Tg、例えば450℃程度の
成長温度で、ドナー不純物として例えばIが添加された
n型CdMgTeクラッド層32,CdTe活性層33
およびアクセプタ不純物として例えばNが添加されたp
型CdMgTeクラッド層34を順次成長させる。次い
で半導体基板31の表面にオーミック接触する例えばI
nよりなる一方の電極35を、p型CdMgTeクラッ
ド層34上にオーミック接触する例えばAu,In等よ
りなる他方の電極36を形成する。
【0025】このMOCVD法による成長においては、
Te原料としてジエチルテルル(DETe),Cd原料
としてジメチルカドミウム(DMCd),Mg原料とし
てビスメチルシクロペンタジエニルマグネシウム(MC
P2 Mg)を用いる。また、n型CdMgTeクラッド
層32のIのドーパントとして例えばヨウ化エチル(C
2 H5 I)を用い、p型CdMgTeクラッド層34の
Nのドーパントとしては例えばアンモニア(NH3 )を
用いる。この第4実施例によれば、第3実施例と同様
に、半導体レーザを構成する各層を同一成長温度かつ良
好な光学的特性で作製することができる。
Te原料としてジエチルテルル(DETe),Cd原料
としてジメチルカドミウム(DMCd),Mg原料とし
てビスメチルシクロペンタジエニルマグネシウム(MC
P2 Mg)を用いる。また、n型CdMgTeクラッド
層32のIのドーパントとして例えばヨウ化エチル(C
2 H5 I)を用い、p型CdMgTeクラッド層34の
Nのドーパントとしては例えばアンモニア(NH3 )を
用いる。この第4実施例によれば、第3実施例と同様
に、半導体レーザを構成する各層を同一成長温度かつ良
好な光学的特性で作製することができる。
【0026】高品質なダブルヘテロ構造を作製するため
には、できるだけ同一成長温度でクラッド層、活性層と
もに成長することが望ましい。例えばZnTeを活性
層,ZnMgTeをクラッド層とするダブルヘテロ構造
を作製することを考えた場合、DETeをTe原料とす
ることによって、ZnTeの最適成長温度とZnMgT
eのそれとを近くすることが可能である。
には、できるだけ同一成長温度でクラッド層、活性層と
もに成長することが望ましい。例えばZnTeを活性
層,ZnMgTeをクラッド層とするダブルヘテロ構造
を作製することを考えた場合、DETeをTe原料とす
ることによって、ZnTeの最適成長温度とZnMgT
eのそれとを近くすることが可能である。
【0027】この活性層とクラッド層の成長温度の差は
50℃以内、好ましくは30℃以内とすることによっ
て、高品質なダブルヘテロ構造を作製できる。即ち、こ
の成長温度差以内とすることによって、例えばZnTe
活性層中にZnが抜ける等の不都合はなく、また活性層
の膜厚を薄くしたときにも異なる構造のものにならず、
高品質のZnTe活性層が成長される。
50℃以内、好ましくは30℃以内とすることによっ
て、高品質なダブルヘテロ構造を作製できる。即ち、こ
の成長温度差以内とすることによって、例えばZnTe
活性層中にZnが抜ける等の不都合はなく、また活性層
の膜厚を薄くしたときにも異なる構造のものにならず、
高品質のZnTe活性層が成長される。
【0028】尚、上例では、GaAs基板上にZnMg
Te,ZnTe又はCdMgTe,CdTeのII−VI族
化合物半導体を成長したが、その他、半導体基板として
は、Si基板,GaAs基板,GaSb基板,InAs
基板,GaP基板,InP基板,ZnSe基板,ZnT
e基板,CdTe基板またはZnCdTe基板等を用い
ることができる。MgTe系II−VI族化合物半導体とし
ては、ZnMgTe,CdMgTe,ZnMgSeT
e,CdMgSeTe,ZnMgSTe,CdMgST
eまたはZnCdMgTe等を用いることができる。
Te,ZnTe又はCdMgTe,CdTeのII−VI族
化合物半導体を成長したが、その他、半導体基板として
は、Si基板,GaAs基板,GaSb基板,InAs
基板,GaP基板,InP基板,ZnSe基板,ZnT
e基板,CdTe基板またはZnCdTe基板等を用い
ることができる。MgTe系II−VI族化合物半導体とし
ては、ZnMgTe,CdMgTe,ZnMgSeT
e,CdMgSeTe,ZnMgSTe,CdMgST
eまたはZnCdMgTe等を用いることができる。
【0029】Se原料としてはジメチルセレン(DMS
e)又はジエチルセレン(DESe)を用い、S原料と
してはジエチルサルファ(DES)を用いることができ
る。
e)又はジエチルセレン(DESe)を用い、S原料と
してはジエチルサルファ(DES)を用いることができ
る。
【0030】以上、この発明の実施例について具体的に
説明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるも
のではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
説明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるも
のではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
【0031】例えば、上述の第3実施例および第4実施
例においては、この発明を半導体レーザの製造に適用し
た場合について説明したが、この発明は、図7および図
8に示す構造と全く同様の構造の発光ダイオードの構造
に適用することも可能である。
例においては、この発明を半導体レーザの製造に適用し
た場合について説明したが、この発明は、図7および図
8に示す構造と全く同様の構造の発光ダイオードの構造
に適用することも可能である。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によるMg
Te系II−VI族化合物半導体の成長方法によれば、Te
原料としてジエチルテルルを用い、かつ350℃<Tg
≦550℃の成長温度TgでMgTe系II−VI族化合物
半導体を成長させるようにしているので、高品質なMg
Te系II−VI族化合物半導体の成長が可能である。
Te系II−VI族化合物半導体の成長方法によれば、Te
原料としてジエチルテルルを用い、かつ350℃<Tg
≦550℃の成長温度TgでMgTe系II−VI族化合物
半導体を成長させるようにしているので、高品質なMg
Te系II−VI族化合物半導体の成長が可能である。
【0033】また、MgTe系II−VI族化合物半導体か
らなる半導体積層構造の製造方法によれば、その第1及
び第2の半導体層の成長温度差を50℃以内、望ましく
は同一温度とすることにより、高品質のMgTe系II−
VI族化合物半導体による例えばダブルヘテロ構造等の半
導体積層構造が製造できる。
らなる半導体積層構造の製造方法によれば、その第1及
び第2の半導体層の成長温度差を50℃以内、望ましく
は同一温度とすることにより、高品質のMgTe系II−
VI族化合物半導体による例えばダブルヘテロ構造等の半
導体積層構造が製造できる。
【図1】この発明の第1実施例によるZnMgTe層の
成長方法を説明するための断面図である。
成長方法を説明するための断面図である。
【図2】この発明の第1実施例によるZnMgTe層の
成長方法により成長されたZnMgTe層のフォトルミ
ネッセンススペクトルの測定結果を示す図である。
成長方法により成長されたZnMgTe層のフォトルミ
ネッセンススペクトルの測定結果を示す図である。
【図3】この発明の第1実施例によるZnMgTe層の
成長方法により成長されたZnMgTe層のX線回折ス
ペクトルの測定結果を示す図である。
成長方法により成長されたZnMgTe層のX線回折ス
ペクトルの測定結果を示す図である。
【図4】この発明の第1実施例によるZnMgTe層の
成長方法により成長されたZnMgTe層のフォトルミ
ネッセンススペクトルの測定結果を示す図である。
成長方法により成長されたZnMgTe層のフォトルミ
ネッセンススペクトルの測定結果を示す図である。
【図5】この発明の第2実施例によるDH構造の作成方
法を説明するための断面図である。
法を説明するための断面図である。
【図6】この発明の第2実施例によるDH構造の作成方
法により作製されたDH構造のフォトルミネッセンスス
ペクトルの測定結果を示す図である。
法により作製されたDH構造のフォトルミネッセンスス
ペクトルの測定結果を示す図である。
【図7】この発明の第3実施例による半導体レーザの製
造方法を説明するための断面図である。
造方法を説明するための断面図である。
【図8】この発明の第4実施例による半導体レーザの製
造方法を説明するための断面図である。
造方法を説明するための断面図である。
1,11 GaAs基板 2 ZnMgTe層 12 ZnTeバッファ層 13,15 ZnMgTeクラッド層 14,23 ZnTe活性層 21,31 半導体基板 22 n型ZnMgTeクラッド層 24 p型ZnMgTeクラッド層 32 n型CdMgTeクラッド層 33 CdTe活性層 34 p型CdMgTeクラッド層
Claims (4)
- 【請求項1】 Zn,Cd,Mgから成る群より選ばれ
た少なくともMgを含む2種以上のII族元素と、Te,
Se,Sから成る群より選ばれた少なくともTeを含む
1種以上のVI族元素とから成るMgTe系II−VI族化合
物半導体を有機金属化学気相成長法により半導体基板上
に成長させるようにしたMgTe系II−VI族化合物半導
体の成長方法であって、 Te原料としてジエチルテルルを用い、かつ350℃<
Tg≦550℃の成長温度Tgで上記MgTe系II−VI
族化合物半導体を成長させるようにしたことを特徴とす
るMgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法。 - 【請求項2】 上記半導体基板はSi基板,GaAs基
板,GaSb基板,InAs基板,GaP基板,InP
基板,ZnSe基板,ZnTe基板,CdTe基板また
はZnCdTe基板であることを特徴とする請求項1に
記載のMgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法。 - 【請求項3】 上記MgTe系II−VI族化合物半導体は
ZnMgTe,CdMgTe,ZnPMgSeTe,C
dMgSeTe,ZnMgSTe,CdMgSTeまた
はZnCdMgTeであることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2に記載のMgTe系II−VI族化合物半導体
の成長方法。 - 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3に記
載のMgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法を用い
た半導体積層構造の製造方法であって、第1半導体層と
之と異なる第2半導体層の成長温度の差を50℃以内と
することを特徴とする半導体積層構造の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32071594A JPH08181078A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | MgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法並びに半導体積層構造の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32071594A JPH08181078A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | MgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法並びに半導体積層構造の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08181078A true JPH08181078A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18124525
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32071594A Pending JPH08181078A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | MgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法並びに半導体積層構造の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08181078A (ja) |
-
1994
- 1994-12-22 JP JP32071594A patent/JPH08181078A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7102173B2 (en) | Nitride semiconductor device and method of manufacturing the same | |
US6861271B2 (en) | Forming indium nitride (InN) and indium gallium nitride (InGaN) quantum dots grown by metal-organic-vapor-phase-epitaxy (MOCVD) | |
US6791257B1 (en) | Photoelectric conversion functional element and production method thereof | |
US20070158661A1 (en) | ZnO nanostructure-based light emitting device | |
JP2001160627A5 (ja) | ||
JP2001160627A (ja) | Iii族窒化物系化合物半導体発光素子 | |
JP2008538164A (ja) | 金属酸化物半導体膜、構造および方法 | |
JP2002249400A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法およびその利用 | |
JPH0936427A (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
US6429032B1 (en) | Nitride semiconductor and a method thereof, a nitride semiconductor device and a method thereof | |
US20050076828A1 (en) | Process for fabrication of III nitride-based compound semiconductors | |
JP4333426B2 (ja) | 化合物半導体の製造方法、及び半導体装置の製造方法 | |
JP3143040B2 (ja) | エピタキシャルウエハおよびその製造方法 | |
JP2713094B2 (ja) | 半導体発光素子およびその製造方法 | |
WO2003017386A1 (en) | Ii-vi compound semiconductor crystal and photo-electric conversion function element | |
JP3334598B2 (ja) | InP基板上II−VI族化合物半導体薄膜 | |
JPH05243613A (ja) | 発光素子およびその製造方法 | |
US20050066885A1 (en) | Group III-nitride semiconductor substrate and its manufacturing method | |
JPH08181078A (ja) | MgTe系II−VI族化合物半導体の成長方法並びに半導体積層構造の製造方法 | |
US5204283A (en) | Method of growth II-VI semiconducting compounds | |
JP2995186B1 (ja) | 半導体発光素子 | |
JP4024965B2 (ja) | エピタキシャルウエハおよび発光ダイオード | |
JPH0831757A (ja) | Te系II−VI族化合物半導体の成長方法 | |
JP3762575B2 (ja) | 発光ダイオード | |
JPH09129920A (ja) | 発光素子用3−5族化合物半導体及び発光素子 |