JPH0818101B2 - 中央部に略球状の膨出部を有する筒状部品の鍛造・圧造成形方法 - Google Patents

中央部に略球状の膨出部を有する筒状部品の鍛造・圧造成形方法

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JPH0818101B2
JPH0818101B2 JP5247641A JP24764193A JPH0818101B2 JP H0818101 B2 JPH0818101 B2 JP H0818101B2 JP 5247641 A JP5247641 A JP 5247641A JP 24764193 A JP24764193 A JP 24764193A JP H0818101 B2 JPH0818101 B2 JP H0818101B2
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基次 赤松
成行 松宮
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アカマツフォーシス株式会社
株式会社朝日螺子製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中央部に略球状の膨出
部を有する筒状部品を、円柱状のブランクから鍛造・圧
造成形する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び解決すべき課題】従来、自動車等に於
て、クッションゴムの支持に図13に示す如く、中央部
に球面瘤(91)を膨出した軸体(9)が用いられている。2
つの部品間に介在させたクッションゴム内に該軸体(9)
を挿通して使用する。軸体(9)の球面瘤(91)がクッショ
ンゴムとのずれを防止する。
【0003】上記瘤付き軸体(9)は、バー材から切削加
工されているが、直径が瘤(91)の最大径であるバー材か
ら削り出さねばならず、削り代が多くなり材料歩留りが
悪い。又、製造能率が悪く、コスト高を招来する。
【0004】図6に示す如く、中央部に略球状の膨出部
(17)を膨出した筒状部品(1)にシャフト(92)を挿通すれ
ば、部品点数は増えるが材料を大幅に節約できる。出願
人は、上記筒状部品(1)を経済的、且つ能率的に形成す
べく、鍛造・圧造成形によって製造することを試みた。
【0005】図2の中実ブランク(1b)に対し、図14に
示す如く、該ブランク(1b)の両端からパンチ(50)(50)を
打込んで、中央部に隔壁(10a)のある筒体(10)を製作
し、次工程で、筒体(10)の隔壁(10a)を打ち抜き、更
に、次工程で、球面部を有する型穴に筒体を拘束し、筒
体の両端から互いに内向き加圧にした。結果は、筒体の
中央部を球形に膨らませることはできなかった。
【0006】この理由を考察するに、図14に示す如
く、該ブランク(1b)の両端からパンチ(50)(50)を打込ん
で、中央部に隔壁(10a)のある筒体(10)を製作した際、
筒体(10)隔壁(10a)の中央部の加工硬化が他の部分に比
べて大となり、この加工硬化の大なる部分を球面に膨ら
ませることに無理が生じるとの結論を得た。
【0007】出願人は、上記経験を踏んで、鋭意努力の
結果、偏肉、亀裂がなく、切削加工よりも外形が美し
く、鍛造・圧造成形に特有の鍛流線によって強度的に優
れ、耐久性の高い略球状の膨出部を有する筒状部品の製
造に成功し、以下にこの製造方法を明らかにするもので
ある。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明の筒状部品の鍛造・圧造
成形方法は、中実ブランク(1b)に打込みピン(6)を該ブ
ランクの反対側端面近くまで深く打込んで、底付き円筒
部材(1c)を形成し、次工程で、該底付き円筒部材(1c)の
底部を打抜いて両端開口の筒部材(1d)を形成し、次工程
で 該筒部材(1d)の中央部を少し膨らませ、最終工程に
よって筒部材の中央を球面状に膨らませることを特徴と
する。
【0009】
【作用及び効果】中実ブランク(1b)に打込みピン(6)を
該ブランクの反対側端面近くまで深く打込んで、底付き
円筒部材(1c)を形成するため、底部(14)の外周と筒体の
繋がり部近傍に生じる加工硬化は、円筒部材(1c)の端部
側で生じるため、後工程で球形に膨らませる円筒部材の
中央部の加工硬化は小さく且つ均一化しており、無理な
く膨らませることができる。
【0010】又、円筒部材の中央を最終の球形に膨らす
前に、該部分を予備膨出しているため、最終工程で無理
なく球形に膨らませることができ、偏肉、亀裂のない美
しい略球状の膨出部を有する筒状部品を製造できる。更
に、筒状部品(1)は、鍛造・圧造により材料の流れは途
切れておらず、即ち、鍛造・圧造成形に特有の鍛流線に
よって、強度的に優れ、耐久性を向上できる。筒状部品
(1)にシャフト(92)を嵌めても、略球状の膨出部(17)と
シャフト(92)との間は、中空となり、軽量化に寄与でき
る。
【0011】
【実施例】図6は、完成品の筒状部品(1)を示してお
り、中央部に略球状の膨出部(17)を膨出し、両端が円筒
体(16)(16)である。実施例の筒状部品(1)は全長45m
m、円筒体(16)の外形は約20mm、略球状の膨出部(17)
の外径は、約30mm、肉厚は、全体に約4mmである。
【0012】図7乃至図12は、円柱状のブランクから
上記筒状部品(1)を鍛造・圧造する6段階の工程を示し
ており、該工程は、1番から6番の固定ダイス(31)(32)
(33)(34)(35)(36)の型孔(41)(42)(43)(44)(45)(46)に、
1番から4番まではパンチ(51)(52)(53)(54)を打込み、
5番、6番では、夫々パンチ側打込みダイス(7)(8)を
打ち込んで行なう。各固定ダイス(31)(32)(33)(34)(35)
(36)は、パーツホーマと称される横型トランスファープ
レスのダイブロック(図示せず)に、横一列に等間隔に固
定配備される。
【0013】図1から図6は、上記図7乃至図12の鍛
造・圧造工程におけるブランクだけを取り出して示した
ものである。図1乃至図12に於て、下部はダイス側、
上部はパンチ側であり、図1乃至図6に於て、各右側半
分は断面を示している。
【0014】図7に示す第1工程により、1番ダイス(3
1)の1番型穴(41)に、1番パンチ(51)によって円柱状ブ
ランク(1a)を打込み、ブランク(1a)の型穴(41)の奥側先
端にテーパ面(11)を形成する。
【0015】図8に示す第2工程により、図7のブラン
ク(1a)を反転して、2番パンチ(52)によって、2番ダイ
ス(32)の型穴(42)に打込み、該パンチ(52)の先端の食込
みによって、端面に浅い凹み(13)を形成したブランク(1
b)を形成する。第1工程で形成されたテーパ面(11)はパ
ンチ側の加圧によって潰され、外周縁は丸みが形成され
る。
【0016】図9に示す第3工程により、図8のブラン
ク(1b)を再び反転して、3番パンチ(53)によって、3番
ダイス(33)の型穴(43)に打込み、該型穴(43)中央に待機
する打込みピン(6)をブランクのパンチ側端面に接近す
る程度に深く食込ませて、底付き円筒部材(1c)を形成す
る。底付き円筒部材(1c)の底部(14)は、該円筒(1c)のパ
ンチ側先端近傍に位置し、後記する略球状の膨出部(17)
の形成領域から外れている。
【0017】図10に示す第4工程により、図9の底付
き円筒部材(1c)を、筒状の4番パンチ(54)によって、4
番ダイス(34)の型穴(44)に打込み、4番ダイス(34)の型
穴(44)中央に待機する孔抜きピン(61)によって底付き円
筒部材の底部(14)を打ち抜き、両端開口の筒部材(1d)を
形成する。底部(14)であった抜きカス(19)は、筒状4番
パンチ(54)に案内されて外部に排出される。
【0018】図11に示す第5工程により、図10の両
端開口筒部材(1d)を、5番のパンチ側ダイス(7)にて、
5番ダイス(35)の型穴(45)に打込む。5番ダイス(35)の
型穴(45)は、奥側の丸穴(45a)及び該丸穴(45a)に連続
し、少し拡大して開口する拡大穴(45b)からなり、型穴
(45)の中央にはピン(65)が臨出しており、ピン(65)と丸
穴(45)との間の環状空間は、成形すべき筒状部品(1)の
円筒体(16)に対応している。
【0019】5番のパンチ側ダイス(7)にも、上記5番
ダイス(35)と同様にして、丸穴(75a)と拡大穴(75b)から
なる型穴(75)及び型穴(75)に臨出するピン(74)が設けら
れており、5番のパンチ側ダイス(7)によって、5番ダ
イス(35)に打込まれた両端開口の筒部材(1d)の両端は、
型穴(45)(75)のピン(65)(74)と丸穴(45a)(75a)との環状
空間に対応して円筒体(16)(16)に形成され、中央部は、
拡大穴(45a)(75a)に対応して断面台形状に膨らんだ予備
成形部(15)が形成される。
【0020】図12に示す第6工程により、図11の予
備膨出筒部材(1e)を、6番のパンチ側ダイス(8)にて、
6番ダイス(35)の型穴(46)に打込む。6番ダイス(36)の
型穴(46)は、奥側の丸穴(46a)及び該丸穴(46a)に連続
し、半球状に拡大して開口する球面穴(46b)からなり、
型穴(46)の中央にはピン(66)が臨出しており、ピン(66)
と丸穴(46)との環状空間は、成形すべき筒状部品(1)の
円筒体(16)に対応している。球面穴(46b)は、筒状部品
(1)の略球状の膨出部(17)の球面に対応している。
【0021】6番のパンチ側ダイス(8)にも、上記6番
ダイス(36)と同様にして、丸穴(85a)と球面穴(85b)から
なる型穴(85)及び型穴(85)に臨出するピン(84)が設けら
れており、6番のパンチ側ダイス(8)によって、6番ダ
イス(36)に打込まれた予備膨出筒部材(1e)の中央部は、
球面穴(46a)(85a)に対応して球面に膨らむ。
【0022】上記の如く、中実ブランク(1b)に打込みピ
ン(6)を該ブランクの反対側端面近くまで深く打込ん
で、底付き円筒部材(1c)を形成するため、底部(14)の外
周と筒体の繋がり部近傍に生じる加工硬化は、円筒部材
(1c)の端部側で生じるため、後工程で球形に膨らませる
円筒部材の中央部の加工硬化は小さく且つ均一化してお
り、無理なく膨らませることができる。
【0023】又、円筒部材の中央を最終の球形に膨らす
前に、該部分を予備膨出しているため、最終工程で無理
なく球形に膨らませることができ、偏肉、亀裂のない美
しい略球状の膨出部(17)を有する筒状部品を製造でき
る。更に、筒状部品(1)は、鍛造・圧造により材料の流
れは途切れておらず、即ち、鍛造・圧造成形に特有の鍛
流線によって、強度的に優れ、耐久性を向上できる。筒
状部品(1)にシャフト(92)を嵌めても、略球状の膨出部
(17)とシャフト(92)との間は、中空となり、軽量化に寄
与できる。
【0024】本発明は上記実施例の構成に限定されるこ
とはなく、特許請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1工程の、一部を断面で表したブランクの正
面図である。
【図2】第2工程の、一部を断面で表したブランクの正
面図である。
【図3】第3工程の、一部を断面で表した底付き円筒部
材の正面図である。
【図4】第4工程の、一部を断面で表した両端開口筒部
材の正面図である。
【図5】第5工程の、一部を断面で表した予備膨出部材
の正面図である。
【図6】第6工程の、一部を断面で表した筒状部品の正
面図である。
【図7】第1工程の断面図である。
【図8】第2工程の断面図である。
【図9】第3工程の断面図である。
【図10】第4工程の断面図である。
【図11】第5工程の断面図である。
【図12】第6工程の断面図である。
【図13】従来例の部品の正面図である。
【図14】筒体を成形する失敗例の説明図である。
【符号の説明】
(1) 筒状部品 (16) 円筒体 (17) 略球状の膨出部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−40642(JP,A) 特開 昭62−6729(JP,A) 実開 平1−105042(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に略球状の膨出部を有し、両端が
    円筒体(16)(16)である筒状部品(1)を、複数のダイスを
    隣接配備したトランスファープレスにて鍛造・圧造成形
    する方法であって、 中実ブランク(1b)に打込みピン(6)を該ブランクの反対
    側端面の近傍まで深く打込んで底付き円筒部材(1c)を形
    成し、次工程で、該底付き円筒部材(1c)の底部を打抜い
    て両端開口の筒部材(1d)を形成し、次工程で 該筒部材
    (1d)の中央部を少し膨らませ、最終工程によって筒部材
    の中央を球面状に膨らませることを特徴とする中央部に
    略球状の膨出部を有する筒状部品の鍛造・圧造成形方
    法。
JP5247641A 1993-10-04 1993-10-04 中央部に略球状の膨出部を有する筒状部品の鍛造・圧造成形方法 Expired - Lifetime JPH0818101B2 (ja)

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JPH07100580A JPH07100580A (ja) 1995-04-18
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100941157B1 (ko) * 2007-02-16 2010-02-10 소순민 항아리 형상의 원통봉 제조에 사용되는 다이스
KR100885939B1 (ko) * 2007-02-16 2009-02-26 소순민 측면이 오목하게 파여진 원통형 소재의 제조공정및 그 제조공정에 사용되는 다이스
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JPS6040642A (ja) * 1983-08-12 1985-03-04 Sakamura Seiatsu Kk 中凹み中空筒の製造方法
JPS626729A (ja) * 1985-07-04 1987-01-13 Aida Eng Ltd バルブ用ボ−ルの製造方法
JPH0715650Y2 (ja) * 1988-01-06 1995-04-12 三菱自動車工業株式会社 切断かえり付パイプ材の球状体成形装置

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