JPH08179561A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

Info

Publication number
JPH08179561A
JPH08179561A JP6336619A JP33661994A JPH08179561A JP H08179561 A JPH08179561 A JP H08179561A JP 6336619 A JP6336619 A JP 6336619A JP 33661994 A JP33661994 A JP 33661994A JP H08179561 A JPH08179561 A JP H08179561A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
developer
image
image forming
forming method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6336619A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuhiko Chiba
建彦 千葉
Kengo Hayase
堅悟 早瀬
Takao Ishiyama
孝雄 石山
Hitoshi Kanda
仁志 神田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP6336619A priority Critical patent/JPH08179561A/ja
Publication of JPH08179561A publication Critical patent/JPH08179561A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低速から高速複写機に至るまで細線再現性,
画像忠実性,画質安定性,定着性,OHP透過性に優れ
た、良画質のコピー画像を得ることができる画像形成方
法を提供する。 【構成】 現像剤を表面に担持する現像剤担持体とアモ
ルファスシリコン感光体とを現像部において一定の間隔
を設けて配置し、該現像剤を現像剤担持体上に塗布して
現像部に搬送し、現像する画像形成方法において、該現
像剤として少なくとも重合法によって得られたトナー及
び外部添加剤を含有する現像剤を用い、該トナーは、炭
素数が15以上の長鎖エステル部分を少なくとも1個以
上有するエステルワックスを、重合性単量体と単量体に
対して5乃至30重量%含有する単量体組成物を、直接
重合して得られたものであり、且つ、透過型電子顕微鏡
を用いたトナー断面層の観察で、該エステルワックスが
外殻樹脂層で内包化され、ルーゼックスで測定した形状
係数SF1が100乃至130を示すことを特徴とする
画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法,静電印刷
法などにおいて形成される静電荷像を2成分現像剤を用
いて現像する画像形成方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、直接又は間接電子写真現
像方法において、感光体としてアモルファスシリコン感
光体を使用し、現像剤として重合法によって得られたト
ナー粒子を少なくとも含有する現像剤を用いた画像形成
方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、電子写真プロセスを用いる現像剤
は、ポリエステル・スチレン−アクリル・エポキシ樹脂
等に着色剤や荷電制御剤さらには離型剤を加え溶融混練
し、均一に分散せしめた後、所定の粒度に粉砕しさらに
過剰の微/粗粉現像剤を分級器を用い除去する粉砕法に
よる製造方法が一般的である。
【0004】しかしながら、最近の更なる高画質化に伴
い現像剤を更に小粒径化することが必要となってきた。
【0005】もっとも、コールターカアウンターにより
測定した粒度が7μm以下になるに従い、従来では問題
にならなかった使用原材料の均一分散性や効率の高い粉
砕性、更にはシャープな粒度分布に現像剤を分級するこ
とが極めて難しくなる傾向にある。
【0006】これら粉砕法による現像剤の問題点を克服
するため、特公昭36−10231号、特公昭43−1
0799号及び特公昭51−14895号公報等により
懸濁重合法による現像剤の製造方法が提案されている。
懸濁重合法においては、重合性単量体・着色剤・重合開
始剤更に必要に応じて架橋剤・荷電制御剤・その他添加
剤を、均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とし
た後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続
相、たとえば水相中に適当な攪拌機を用いて分散し、同
時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有する現像剤を得
る方法である。
【0007】この製造方法は、粉砕工程を経ないため現
像剤に脆性を付与せしめる必要がなく、更に従来の粉砕
法では使用することができなかった低軟化点物質を多量
に使用することができる等の材料の選択幅が広がる。ま
た現像剤粒子表面に疎水性の材料である離型剤や着色剤
等が露出しづらく、このため現像剤保持部材・感光体・
転写ローラー・定着器等への汚染が少ない等の特徴を有
し最近注目されている。
【0008】更に近年、デジタルフルカラー複写機やプ
リンターが実用化され、現像力・階調性はもとより色む
らのない色再現性に優れた高画質画像が得られるように
なってきた。
【0009】デジタルフルカラー複写機においては、色
画像原稿をB(ブルー)・G(グリーン)・R(レッ
ド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像
に対応した20〜70μmのドット径からなる潜像をY
(イエロー)・M(マゼンダ)・C(シアン)・B(ブ
ラック)の各色現像剤を用い減色混合作用を利用して現
像するが、白黒複写機と較べ多量の現像剤を感光体から
転写材に転写させる必要があることや、将来の更なる高
画質化に対応すべく、より微小ドットに対応っした現像
剤の微小粒径化の要求が予想される。
【0010】また、将来のプリンターや複写機の高速化
やフルカラー化に伴い、低温定着性の向上も重要な要素
となり、この点からも比較的容易に粒度分布がシャープ
で微小粒径の現像剤が製造できる重合法は優れた特性を
有している。
【0011】フルカラー複写機に搭載されるトナーは、
定着工程で多色トナーが充分混色することが必要で、こ
のことにより色再現性の向上やOHP画像の透明性が必
須であり、黒トナーと較べカラートナーは、一般的にシ
ャープメルトな低分子量樹脂が要望される。
【0012】また、一般的に黒トナーは、定着時の高温
オフセット性を向上させる為に、ポリエチレンワックス
やポリプロピレンワックス等の比較的離型性の高い結晶
性の材料を用いているが、カラートナーに上記のような
ワックスを用いた場合にはこの離型剤の結晶性の高さの
ため、OHPに出力した際、著しく透明性が疎外され
る。
【0013】このため、通常、カラートナーの構成成分
として、離型剤を添加せずに加熱定着ローラーへシリコ
ーンオイル等を均一塗布せしめることで、結果的に耐高
温オフセット性の向上を図っている。しかしながらこの
ようにして得られた出力転写部材は、その表面に余分の
シリコーンオイル等が付着するため、ユーザーが使用す
る際に不快感を生じ好ましくない。
【0014】このため、現像剤中に多量の低軟化点物質
を含有せしめたオイルレス定着用の現像剤の検討も行わ
れているが、低温定着性と透明性に優れ、同時に耐高温
オフセット性を示す現像剤は、未だ充分満足するものは
得られていない。
【0015】一方、一般に用いられる感光体としては現
在公知のSe,CdS,OPC(有機系感光体)、アモ
ルファスシリコン(以後、「a−Si」と呼ぶ)等があ
る。
【0016】Se系の感光体は電子写真技術の創世期か
ら用いられていた伝統的な感光体であり、その特性とし
ての感光度、耐久性が良好なため、実用における適用は
数多くなされている。現在では、純セレンに比べ感光性
が伸び、感光度が高いSeTeが主に使用されている
が、これでもSe感光体が本質的に所有している耐熱
性、耐摩耗性、機械強度、経時安定性に問題を有してい
る。また、毒性があるため、廃トナー等の処理には注意
が必要である。
【0017】OPC系は優れた増感剤の発見や増感法等
の開発により、かなり実用化はなされているが、耐久に
よってドラム上に傷がつき易いため、クリーニング不良
やOPC上へのトナー付着(フィルミング)等を生じ易
いという欠点がある。
【0018】このようにSe系,OPC系の感光体は感
度・耐久性・無公害性全てを満足するものではなく、高
速複写化の動きに対してはそれぞれの欠点をトナーある
いはプロセス的に補う必要がある。
【0019】これら感光体に対してa−Si感光体は特
公昭60−35059号公報に示されるように、本質的
に無害であり可視領域全域にわたって高い感光度を有
し、且つ高硬度(Se感光体のビッカース硬度60に対
してビッカース硬度1000〜1200)で機械摩耗性
に優れている。そして、そのa−Si感光体の光導電
性、耐久性をより向上させるための表面保護層が上記特
公昭60−35059号公報や特公平3−15739号
公報等で開示されているように設けられているため、ク
リーニング部材を感光体に十分圧接させてクリーニング
できるという特徴がある。
【0020】このため、粉砕法トナーではフィルミン
グ、クリーニング不良等の問題のためにトナーあるいは
プロセスを大きく変更する必要は少ない。
【0021】しかしながら、上記のような優れた特徴を
有する離型剤を含有する重合トナーとa−Si感光体を
同時に用いると、感光体にトナーが付着して疲労劣化す
る現象(トナーフィルミング)が生じ易いことがわかっ
てきた。
【0022】また、この現象はカラー複写プロセスの様
に多量の現像剤を一度に使用する場合に特に顕著であ
り、高温高湿下の環境で劣化が加速されることにより熱
等の影響による転写性の低下が重合トナーの画像に大き
く関与していることが観察されていた。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決し、a−Si感光体上に形成された
静電潜像を顕像化する画像形成方法を提供することにあ
る。
【0024】本発明の他の目的は、高速複写時において
も細線再現性、画像忠実性に優れた画像を得ることので
きる画像形成方法を提供することにある。
【0025】本発明の更なる目的は、画質安定性・定着
性・OHP透過性に優れた画像形成方法を提供すること
にある。
【0026】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
する本発明の構成は以下の通りである。
【0027】即ち、本発明は、現像剤を表面に担持する
現像剤担持体とアモルファスシリコン感光体とを現像部
において一定の間隔を設けて配置し、該現像剤を現像剤
担持体上に塗布して現像部に搬送し、現像する画像形成
方法において、該現像剤として少なくとも重合法によっ
て得られたトナー及び外部添加剤を含有する現像剤を用
い、該トナーは、炭素数が15以上の長鎖エステル部分
を少なくとも1個以上有するエステルワックスを、重合
性単量体と単量体に対して5乃至30重量%含有する単
量体組成物を、直接重合して得られたものであり、且
つ、透過型電子顕微鏡を用いたトナー断面層の観察で、
該エステルワックスが外殻樹脂層で内包化され、ルーゼ
ックスで測定した形状係数SF1が100乃至130を
示すことを特徴とする画像形成方法にある。
【0028】本発明の特徴の一つは、静電画像担持体と
しての導電体基盤上に、感光層としてa−Si層を有す
るa−Si感光体を使用することにある。
【0029】a−Si感光体は耐熱性・耐摩耗性に秀で
ており、耐久性に優れているため、a−Si感光体を使
用する本発明の画像形成方法は複写機等の高速化に利点
を有するものである。
【0030】また、a−Si感光体の構成として感光層
の下部に下部電荷注入防止層を設け、基盤からの電荷の
注入を防ぐこともできる。
【0031】更に耐久性向上のため、感光層の上部に表
面保護層を、静電化像保持体の表面からの潜像電荷の注
入を防ぐ上部電荷注入防止層を感光体の上部、あるいは
表面保護層と感光層の間に設けることもできる。
【0032】また、表面保護層と上部電荷注入防止層を
兼ねた層を感光層の上部に設けてもよい。
【0033】また、長波長光の干渉現象の出現を防止す
るための長波長光吸収層を設けることもできる。
【0034】このとき、各層を必要に応じてその特性を
実用に適合させるため、水素原子、ホウ素、アルミニウ
ム、ガリウム等の周期表第III族の原子、ゲルマニウ
ム、スズ等の周期表第IV族の原子、窒素、リン、ヒ素
等の周期表第V族の原子、酸素、イオウ、セレン等の周
期表第VI族の原子、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン
原子を単独または複合してa−Si形成時に導入して各
特性をコントロールすることができる。
【0035】このような静電荷像保持体を用いることに
より、半導体レーザー等からのレーザースポットでのデ
ジタル潜像を静電荷像保持体に形成することができる。
【0036】例えば、感光層に水素化a−Siを、リン
をドープした水素化a−Siを下部電荷注入防止層に、
ホウ素をドープした水素化a−Siを上部電荷注入防止
層に設ければ負電荷の静電荷像を保持する感光ドラムと
することができる。
【0037】一方、ホウ素をドープした水素化a−Si
を下部電荷注入防止層に、シリコンと炭素と水素からな
るアモルファス膜(以下、「水素化a−SiC」と呼
ぶ)を表面保護層に設ければ正電荷の静電荷像を保持す
る感光ドラムとすることができる。
【0038】本発明のもう一つの特徴は、炭素鎖15以
上の長鎖エステル官能基を有するエステルワックスを多
量に含有し、且つトナー構造として該ワックスを内包し
たカプセル構造のトナーを用いたことにある。
【0039】本発明の特徴とするエステルワックスが偏
在したトナーは、感光体上に形成された潜像のドット、
細線に至るまで忠実に再現することが可能であり、階調
性および解像性に優れた画像を与える。さらに離型剤で
あるエステルワックスの効果が定着時に発揮されるた
め、定着性にも優れた画像になる。
【0040】さらに、本発明に係るワックスは結晶性が
小さいので、OHP透明性も満足する。
【0041】本発明に係るトナーにおいて、このような
効果、特に高温高湿下のフィルミングが抑制される理由
は必ずしも明確ではないが、以下のように推定される。
【0042】従来、重合トナーは定着性を持たせるため
に、特開昭61−46955号公報等で開示されるよう
に多量のワックス,ポリアルキレン等を含有したトナー
を得ていた。しかし、これらのトナーをa−Siのよう
に表面が非常に硬い感光体上で現像,転写を繰り返すと
クリーニング部材との接触時や現像剤担持体の穂の接触
等によってトナーが破壊され、離型剤が感光体表面に強
く付着してしまうということが分かった。
【0043】即ち、上記トナーのa−Si感光体上での
フィルミングとは、トナー破壊による離型剤の付着が原
因となると推定している。
【0044】さらに、付着したポリアルキレン等の離型
剤はドラム表面で薄く結晶化し、感光体の潜像形成を阻
害するため、耐久により画質が低下する。
【0045】このため、上記破壊または破壊の影響を軽
減する方向性をトナーより探索したところ、トナー樹脂
に対するある程度のなじみがあり、かつ透明な前述のエ
ステルワックスを前述のようにカプセル化することで、
フィルミングに対する多大な効果が得られることを見い
出したものである。
【0046】本発明に係るトナーは、高温高湿の環境に
あっても表層にエステルワックスがほぼ存在していない
ため、トナー間及びトナー/a−Si感光体間の凝集力
が小さく、容易に感光体表面から剥離し易い。そのため
本発明においては、転写性・クリーニング性が向上す
る。
【0047】また、わずかに付着するワックスもそれ自
体がほぼ透明であり、トナーと摩擦等によりトナー表面
に回収されるため、画質の低下も生じ難い。
【0048】さらに、エステルワックスがトナー内部に
偏在するため、トナー表面が相対的に硬くなり、物理的
衝撃に対しても強くなる。
【0049】本発明について更に詳細に説明する。
【0050】本発明に適するa−Si感光体の構成とし
ては、特公昭60−35059号公報や特公平3−15
739号公報の方法によって製造される感光体であれば
どのようなものでもよい。しかし、一般に静電潜像を形
成するために用いるコロナ帯電等の帯電手段の副生成物
であるオゾンの発生量が、負帯電性の感光体の方が多い
ことを考えると、正帯電性感光体の方が好ましい。
【0051】また、本発明に係るa−Si感光体にクリ
ーニング部材をつけてもよい。また、そのクリーニング
方法としては、ナイロン・シリコン等のブレードでクリ
ーニングするブレード法や、磁気ブラシ等でクリーニン
グするブラシ法など公知の技術のどれでもよく、上記の
方法の組み合わせでもよい。
【0052】本発明に係るトナーに用いられるエステル
ワックスとしては、ASTM D3418−8に準拠し
測定された主体極大ピーク値が、40〜90℃を示す化
合物が好ましい。極大ピークが40℃未満であると低軟
化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として高温オフ
セット性が弱くなりフルカラートナーには好ましくな
い。一方、極大ピークが90℃を超えると定着温度が高
くなり、定着画像表面を適度に平滑化せしめることが困
難となり、混色性の点から好ましくない。更に、直接重
合方法によりトナーを得る場合においては、水系で造粒
・重合を行うため極大ピーク値の温度が高いと、主に造
粒中に低軟化点物質が析出してきて懸濁系を阻害するた
め好ましくない。
【0053】本発明における上記極大ピーク値の温度の
測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用
いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点
を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用
いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空
パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行
った。
【0054】本発明に好ましい具体的なエステルワック
スの代表的な構造式を以下に一般構造式(1)〜(3)
として示す。
【0055】[エステルワックスの一般構造式(1)]
【0056】
【化1】 (a,b:0から4までの整数であり、a+b=4 R1,R2:互いの炭素数差が3以上の有機基 m,n:0から25までの整数であり、mとnが同時に
0になることはない)
【0057】[エステルワックスの一般構造式(2)]
【0058】
【化2】 (a,b:0から4までの整数であり、a+b=4,b
≠0 R1:炭素数が1から40までの有機基 m,n:0から25までの整数であり、mとnが同時に
0になることはない)
【0059】[エステルワックスの一般構造式(3)]
【0060】
【化3】 (a,b:0から3までの整数であり、1≦a+b≦3 R1,R2:炭素数が1から40までの有機基であり、か
つ互いの炭素数差が3以上 R3:水素原子もしくは炭素数が1以上の有機基。ただ
し、a+b=2のとき、R3のどちらか一方は炭素数が
1以上の有機基 k:1から3までの整数 m,n:0から25までの整数であり、mとnが同時に
0になることはない)
【0061】本発明で好ましく用いられるエステルワッ
クスは、硬度0.5〜5.0を有するものが好ましい。
エステルワックスの硬度は、直径20mmφで厚さが5
mmの円筒形状のサンプルを作成した後、島津製作所製
ダイナミック超微小硬度計(DUH−200)を用いビ
ッカース硬度を測定した値である。測定条件は、0.5
gの荷重で負荷速度が9.67mm/秒の条件で10μ
m変位させた後15秒間保持し、得られた打痕形状を測
定しビッカース硬度を求める。
【0062】上記硬度が0.5未満の低軟化点物質だと
定着器の圧力依存性及びプロセススピード依存性が大き
くなり、高温オフセット効果の発現が不十分となりやす
く、他方5.0を超える場合だとトナーの保存安定性に
乏しく、離型剤自身の自己凝集力も小さいため同様に高
温オフセットが不十分となりやすい。具体的化合物とし
ては、下記化合物が挙げられる。
【0063】
【化4】
【0064】
【化4】
【0065】近年、フルカラー両面画像の必要性も増し
てきており、両面画像を形成せしめる際に於いては、最
初に表面に形成された転写紙上のトナー像が次に裏面に
画像を形成する時にも定着器の加熱部を再度通過する可
能性が有り、よりトナーの高温オフセット性を十分に考
慮する必要がある。その為にも本発明に於いては、多量
の低軟化点物質の添加が必須となる。具体的には、低軟
化点物質をトナー中に5〜30重量%添加することが好
ましい。仮に5重量%未満の添加では十分な高温オフセ
ット性を示さず、更に両面画像の定着時に於いて裏面の
画像がオフセット現象を示す傾向がある。また、30重
量%を超える場合は、トナーの製造時に、たとえば粉砕
法による製造に於いて装置融着やトナーの融着が発生し
やすく、重合法による製造に於いても造粒時にトナー粒
子同士の合一が起きやすく、a−Si感光体に対しての
耐衝撃力が低下するためフィルミングが発生し易くな
る。
【0066】更に本発明に係るトナーは、透過型電子顕
微鏡(TEM)を用いたトナー断面層の観察で、前述の
エステルワックスが外殻樹脂層で内包化されているもの
である。
【0067】上記エステルワックスを内包化する手段と
しては、特開昭59−62870号公報のように懸濁重
合粒子を核としてシード重合する方法や、特開昭61−
46955号公報のようにエステルワックスと相溶性の
悪い極性の樹脂を添加する方法などを用いることがで
き、特に限定されない。
【0068】本発明者らは、これらの公知の方法の中で
極性樹脂を添加する方法は、エステルワックスの偏在を
促進し、かつ公知のどの方法と組み合わせてもより効果
を発揮することを見出しており、本発明においては上記
極性物質を添加する方法が特に好ましい方法と考えてい
る。
【0069】本発明に用いられる極性物質としては、ス
チレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共
重合体,飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂等一般的
に用いられている材料が好ましく用いられる。
【0070】該極性樹脂は、単量体と反応しうる不飽和
基を分子中に含まないものが特に好ましい。仮に不飽和
基を有する極性樹脂を含む場合においては、外殻樹脂層
を形成する単量体と架橋反応が起き、フルカラー用トナ
ーとしては極めて高分子量になり、四色トナーの混色に
は不利となり好ましくない。
【0071】本発明において、トナーの断面層を測定す
る具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中に
トナーを十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2
日間硬化させ、得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、
必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した
後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状
のサンプルを切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM)を
用いトナーの断層形態を測定した。本発明においては、
用いる低軟化点物質と外殻を構成する樹脂との若干の結
晶化度の違いを利用して材料間のコントラストを付ける
ため四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好まし
い。
【0072】本発明に係るトナー粒子の断層面の代表的
な一例を図1に示す。図に示されるように、低軟化点物
質であるエステルワックスが外殻樹脂で内包化されてい
る事が観測された。
【0073】さらに、本発明に係るトナーは、ルーゼッ
クスで測定した形状係数SF1が100〜130を示す
ものである。これにより、高速複写時における転写性/
現像性を十分確保することができる。
【0074】本発明における形状係数を示すSF1と
は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用いト
ナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情
報はインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置
(Luzex3)に導入し解析を行い、下式より算出し
た値を定義した。
【0075】
【数1】 (式中、MXLNGは画像上現像剤の絶対最大長を示
し、AREAは現像剤の投影面積を示す。)
【0076】現像剤の形状係数SF1が130より大き
い現像剤形状は、球状から徐々に不定形に近づき、それ
につれて同時に転写効率が低下するため、ドラム上に転
写されずに残るトナーが多くなり、結果として高速複写
時にはフィルミングが発生し易くなる。
【0077】本発明に係るトナーは、実用上の耐フィル
ミング性及び転写/現像性を確保する為に、形状係数S
F1が100〜130であり、より好ましくは100〜
120の実質球形のトナーが好ましく、更に高画質化の
ためより微小な潜像ドットを忠実に現像するために、現
像剤よりも微小粒径の、具体的にはコールターカウンタ
ーにより測定された重量平均径が4μm〜8μmで個数
変動係数が35%以下の現像剤が本発明に使用する現像
剤として最も好ましい。
【0078】重量平均径が4μm未満の現像剤において
は、転写効率の悪さからa−Si感光体への転写残トナ
ーが多く発生し、画像の不均一ムラが生じるだけでな
く、ドラム融着が発生し易くなるため本発明の現像剤と
しては好ましくない。また、トナーの重量平均径が8μ
mを超える場合には、画質が劣るだけではなく各種部材
への現像剤の融着が起きやすくなる。そして、トナーの
個数変動係数が35%を超えると更にその傾向が強まり
問題となる。
【0079】本発明に使用できる重合性単量体としては
公知の材料であればどの材料でも利用できる。具体的に
は、スチレン,o(m−,p−)−メチルスチレン,m
(p−)−エチルスチレン系単量体;(メタ)アクリル
酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリ
ル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)ア
クリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メ
タ)酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチル
アミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量
体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メ
タ)アクリロニトリル,アクリル酸アミド等のエン系単
量体が好ましく用いられる。これらは、単独または一般
的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P1
39〜192(John Wiley & Sons社
製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜7
5℃を示すように単量体を適宜混合し用いられる。理論
ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存
安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題が生じ、一方
75℃を超える場合はあ定着点の上昇をもたらし、特に
フルカラートナーの場合においては各色トナーの混色が
不十分となり色再現性に乏しく、更にOHP画像の透明
性を著しく低下させ高画質の面から好ましくない。
【0080】なお、得られた主に外殻を形成する樹脂分
(以下、「外殻樹脂」と呼ぶ)の分子量は、GPC(ゲ
ルパーミエ−ションクロマトグラフィー)により測定さ
れる。
【0081】具体的なGPCの測定方法としては、予め
トナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20
時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトル
エンを留去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するが外殻
樹脂は溶解し得ない有機溶剤例えばクロロホルム等を加
え十分洗浄を行った後、THF(テトラヒドロフラン)
に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブ
ランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製
150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、
802、803、804、805、806、807を連
結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を
測定し得る。得られた樹脂成分の数平均分子量(Mn)
は、5,000〜1,000,000であり、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
n)は、2〜100を示す外殻樹脂が本発明には好まし
い。
【0082】本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤
としてカーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー
/マゼンダ/シアン着色剤を用いた黒色に調色されたも
のが利用される。
【0083】イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合
物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,
アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代
表っされる化合物が用いられる。具体的には、C.I.
ピグメントイエロー12,13,14,15,17,6
2,74,83,93,94,95,109,110,
111,128,129,147,168等が好適に用
いられる。
【0084】マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合
物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キ
ナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール
化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合
物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.
I.ピグメントレッド2,3,5,6,723,48;
2,48;3,48;4,57;1,81;1,14
4,146,166,169,177,184,18
5,202,206,220,221,254が特に好
ましい。
【0085】本発明に用いられるシアン着色剤として
は、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アンスラ
キノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。
具体的には、C.I.ピグメントブルー1,7,15,
15;1,15;2,15;3,15;4,60,6
2,66等が特に好適に利用できる。
【0086】これらの着色剤は、単独又は混合し更には
固溶体の状態で用いることができる。また、色相角,彩
度,明度,耐候性,OHP透明性,トナー中への分散性
の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100
重量部に対し1〜20重量部添加して用いられる。
【0087】黒色着色剤として磁性体を用いた場合に
は、他の着色剤と異なり樹脂100重量部に対し40〜
150重量部添加して用いられる。
【0088】本発明に係る現像剤に用いられる荷電制御
剤としては、公知のものが利用できるが、無色でトナー
の帯電スピードが早く且つ一定の帯電量を安定して維持
できる荷電制御剤が好ましい。更に、本発明において、
直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系
への可溶け化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。具体
的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ
酸、ダイカルボン酸の金属化合物,スルホン酸、カルボ
ン酸を側鎖に持つ高分子型化合物,ホウ素化合物,尿素
化合物,ケイ素化合物,カリークスアレーン等が利用で
き、ポジ系として四級アンモニウム塩,該四級アンモニ
ウム塩を側鎖に有する高分子型化合物,グアニジン化合
物,イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。該荷
電制御剤は樹脂100重量部に対し0.5〜10重量部
が好ましい。
【0089】しかしながら、本発明において、荷電制御
剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合
においては、キャリヤーとの摩擦帯電を利用し、非磁性
一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合にお
いてもブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極
的に利用することで、トナー中に必ずしも荷電制御剤を
含む必要はない。
【0090】本発明に直接重合方法を利用する場合に
は、重合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス
−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベン
ゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシ
ド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒ
ドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キシド、ラウロイルペンオキシド等の過酸化系重合開始
剤が用いられる。
【0091】該重合開始剤の添加量は、目的とする重合
度により変化するが、一般的には単量体に対し0.5〜
20重量%添加され用いられる。開始剤の種類は、重合
方法により若干異なるがあ、十時間半減期温度を参考
に、単独又は混合し利用される。
【0092】重合度を制御するため公知の架橋剤・連鎖
移動剤・重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能で
ある。
【0093】本発明に係るトナーの製造に懸濁重合を利
用する場合には、用いる分散剤として例えば無機系酸化
物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,
リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭
酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウ
ム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸
カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,ア
ルミナ,磁性体,フェライト等が挙げられる。有機系化
合物としては、ポリビニルアルコール,ゼラチン,メチ
ルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,
エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナト
リウム塩,デンプン等を水相に分散させて使用される。
これらの分散剤は、重合性単量体100重量部に対して
0.2〜2.0重量部を使用することが好ましい。
【0094】これら分散剤は、市販のものをそのまま用
いても良いが、細かい均一な粒度を有す分散粒子を得る
ために、分散媒中にて高速攪拌下にて該無機化合物を生
成させて得ることもできる。例えば、リン酸三カルシウ
ムの場合、高速攪拌下において、リン酸ナトリウム水溶
液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方
法に好ましい分散剤を得ることができる。また、これら
分散剤の微細化のため0.001〜0.1重量部の界面
活性剤を併用してもよい。具体的には市販のノニオン,
アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えば
ドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウ
ム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリ
ウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,
ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ま
しく用いられる。
【0095】本発明に係るトナーの製造に直接重合方法
を用いる場合においては、以下の如き製造方法によって
具体的にトナーを製造することが可能である。単量体中
に低軟化点物質からなる、離型剤,着色剤,荷電制御
剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー
・超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた
単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の攪拌
機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せ
しめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサ
イズを有するように攪拌速度・時間を調整し、造粒す
る。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持
され、且つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば
良い。重合温度は40℃以上、一般的にはあ50〜90
℃の温度に設定して重合を行う。また、重合反応後半に
昇温しても良く、更にトナー定着時の臭いの原因等とな
る未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために
反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去して
も良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過
により回収し、乾燥する。懸濁重合においては、通常単
量体系100重量部に対して水300〜3000重量部
を分散媒として使用するのが好ましい。
【0096】
【実施例】以下製造例及び実施例によって本発明を説明
する。
【0097】(トナーの製造例1)本実施例に用いるシ
アントナーは、次の如くして調製した。高速攪拌装置T
K−ホモミキサーを備えた21リットル用四つ口フラス
コ中にイオン交換水750重量部と0.1モル/l−N
3 PO4 水溶液450重量部を添加し回転数を12,
000回転に調整し、65℃に加温せしめた。ここに
1.0モル/l−CaCl2 水溶液68重量部を徐々に
添加し微小な難水溶性分散剤Ca3 (PO42 を含む
分散媒系を調製した。一方、分散質系は、 スチレン単量体 125重量部 メチルメタクリレート単量体 35重量部 n−ブチルアクリレート 40重量部 C.I.ピグメントブルー15:3 14重量部 飽和ポリエステル 10重量部 (テレフタール酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA、酸価15,ピ ーク分子量6000) グアニジン化合物 2重量部 化合物(1)(最大ピーク値59.4℃) 40重量部
【0098】上記混合物をアトライターを用い3時間分
散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部を添加
した分散物を分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ1
5分間造粒した。その後、高速攪拌器からプロペラ攪拌
羽根に攪拌器を変え、内温を80℃に昇温させ50回転
で重合を10時間継続させた。重合終了後スラリーを冷
却し、希塩酸を添加し分散剤を除去せしめ更に洗浄し乾
燥を行うことでシアントナー[C1]を得た。
【0099】コールターカウンターで測定したシアント
ナー[C1]の重量平均径は、6μmで個数変動係数が
28%であり、SF−1が108であった。得られたシ
アントナー[C1]の断層写真の模式図を図1に示す。
低軟化点物質である化合物(1)が外殻樹脂で覆われた
構造を示している。得られたトナーにBET法による比
表面積が220m2 /gの正荷電性疎水性シリカを1.
2%外添し流動性に優れたトナーを得た。
【0100】その他のイエロー、マゼンダ、ブラックト
ナーは、着色剤をC.I.ピグメントイエロー17、
C.I.ピグメントレッド202、グラフトカーボンブ
ラックに変え同様の方法でのSF−1が105〜113
の重合トナーを得た。すなわち、イエロートナー[Y
1],マゼンダトナー[M1]及び黒色トナー[B1]
を得た。
【0101】(トナーの製造例2)また、処方のなかで
0.1モル/l−Na3 PO4 水溶液を0.3モル/l
とし、造粒回転数を9,500回転に調整した他は、ト
ナーの製造例1と同様の方法で製造し、分級することで
シアントナー[C2]を得た。
【0102】コールターカウンターで測定したシアント
ナー[C2]の重量平均径は、5.4μmで個数変動係
数が49%であり、SF−1が106であった。得られ
たシアントナー[C2]の断層写真はトナーの製造例1
と同様、低軟化点物質である化合物(1)が外殻樹脂で
覆われた構造を示している。なお、得られたトナーは正
荷電性疎水性シリカを1.2%外添し、トナーの製造例
1と同様に流動性に優れたトナーを得た。
【0103】(トナーの製造例3)トナー1の製造例1
の処方のなかで、イオン交換水750重量部を300重
量部とし、ノニオン系界面活性剤0.5部を添加した他
は全てトナーの製造例1と同様の方法で製造し、分級す
ることでシアントナー[C3]を得た。
【0104】コールターカウンターで測定したシアント
ナー[C3]の重量平均径は、6μmで個数変動係数が
38%であり、SF−1が131であった。得られたシ
アントナー[C3]の断層写真はおおむね低軟化点物質
である化合物(1)が外殻樹脂で覆われた構造を示して
いるが、いくつかのトナー粒子においてはカプセル構造
が損なわれていることが確認された。なお、得られたト
ナーは正荷電性疎水性シリカを1.2%外添し、トナー
の製造例1と同様に流動性に優れたトナーを得た。
【0105】(トナーの製造例4)トナー1の製造例1
の処方のなかで、化合物(1)のエステルワックスをサ
ゾールワックス18重量部に変更した他は、全てトナー
の製造例1と同様の方法で処理し、重量平均径は6μm
で、個数変動係数が29%であり、SF−1が104の
シアントナー[C4]を得た。
【0106】得られたシアントナー[C4]の断層写真
はトナーの製造例1と同様、低軟化点物質である化合物
(1)が外殻樹脂で覆われた構造を示している。なお、
得られたトナーは正荷電性疎水性シリカを1.2%外添
し、トナーの製造例1と同様に流動性に優れたトナーを
得た。
【0107】(トナーの製造例5)トナー1の製造例1
の処方のなかで、化合物(1)のエステルワックスを下
記構造式
【0108】
【化5】 で示される化合物(5)に変更した他は、全てトナーの
製造例1と同様の方法で処理し、重量平均径は6.3μ
mで、個数変動係数が21%であり、SF−1が106
のシアントナー[C5]を得た。
【0109】得られたシアントナー[C5]の断層写真
はトナーの製造例1と同様、低軟化点物質である化合物
(5)が外殻樹脂で覆われた構造を示しているが、処方
量に対して中心部のワックス層がかなり小さくなってい
ることにより、外殻樹脂とワックスの相溶性がトナーの
製造例1と比較して大きくなっていることが観察され
た。なお、得られたトナーは正荷電性疎水性シリカを
1.2%外添し、トナーの製造例1と同様に流動性に優
れたトナーを得た。
【0110】なお、上記各トナーの製造例で得られた各
トナー7重量部をそれぞれアクリルコートされたフェラ
イトキャリア93重量部と混合し現像剤とした。
【0111】(ドラムの製造例)一方、a−Si感光体
ドラムは次のようにして製造した。a−Si感光体ドラ
ムは高周波プラズマCVD装置を使用し、SiH4 ,H
2 ,CH4 ,PH3 ,B26 ,GeH4 等のガスを用
いグロー放電法で作成した。
【0112】80φ×360mmのアルミニウムシリン
ダーである基体上に微量のホウ素をドープした水素化a
−Siを蒸着することによって下部電荷注入阻止層及び
感光層を設けて、この上に炭素と水素からなるアモルフ
ァス膜(表面膜)を設けた。
【0113】このようにして得られたa−Si感光体ド
ラムをCLC500(キヤノン社製)に装着し、正帯電
性トナーが使用できるようにレーザー光量等を調節し
た。
【0114】現像条件は、表面暗部電位400V、表面
明部電位100VにおいてDCバイアス280Vで行っ
た。
【0115】また、クリーニング部材として、表面にナ
イロンコートされたゴムブレードを用い、ドラム上の当
圧15kg/cmになるように接触させた。
【0116】なお、本発明における定着性および透明性
の評価方法は以下に説明する。
【0117】1)定着性(混色領域)について まず、現像剤の未定着画像を上記CLC500(キヤノ
ン社製)改造機によって作成する。
【0118】市販のフルカラー複写機であるCLC50
0(キヤノン社製)の定着器を用い、オイルを定着ロー
ラーに塗布せず、定着性、耐オフセット性および混色領
域の評価をし、かつ透明性評価のための定着画像を得
る。なお、このときのローラー材質としては、上部,下
部ともにフッ素系のものを使用する。また、定着条件と
しては、転写剤がSK紙(日本製紙社製)の場合にはニ
ップ6.5mm、プロセススピード120mm/sec
とし、転写材画OHPシートの場合には、ニップ6.5
mm、プロセススピード30mm/secとし、80℃
から230℃の温度範囲内で5℃おきに温調をかけて行
う。
【0119】本発明における定着性とは、定着画像(低
温オフセットした画像も含む)を50g/cm2 の荷重
をかけ、シルボン紙[Lenz Cleaning P
aper “dasper(R)”(Ozu Pape
r Co.Ltd)]で擦り、擦り前後の濃度低下率が
10%以上になる範囲の画像を用い、この領域(非オフ
セット領域)にある画像をハンディ光沢計グロスチェッ
カー−IG−310(堀場製作所社製)を用いてグロス
を測定し、グロス7以上最高値までと定義し領域を決定
する。
【0120】2)透明性について 得られた定着画像の各画像濃度に対する透過率を測定
し、画像濃度1.5での数値を用い、透明性を評価し
た。以下に透過率の測定方法を述べる。
【0121】透過率の測定は、島津磁気分光光度計UV
2200(島津製作所社製)を使用し、OHPフィルム
単独の透過率を100%とし、 マゼンダトナーの場合:650nm シアントナーの場合 :500nm イエロートナーの場合:600nm 最大吸収波長における透過率を測定する。
【0122】実施例1 上記CLC500改造機を利用し、32℃85%RHの
高温高湿下で上記シアントナー[C1]を用いた二成分
現像剤で単色の耐刷試験を行い、オイル塗布しない熱ロ
ーラー定着器を用い定着を行った。2万枚の画出しを行
った結果、初期と耐久後の画像濃度に変化はなく、且つ
フィルミングのない高画質の画像が得られた。
【0123】また、部材へのトナー融着も発生が認めら
れなかった。この時の感光体から中間転写体への転写効
率は95%であり、高い転写効率を示した。
【0124】更に。両面画像を形成させたが、転写材の
表裏面共にオフセットの発生は認められなかった。
【0125】転写部材をOHPとし、のり量0.8mg
/cm2 でのOHP透過率を測定したところ88%であ
り、透明性に優れたものであった。
【0126】実施例2 トナーをシアントナー[C2]に変更し、実施例1と全
く同様に耐刷試験を行ったところ、実施例1と同様に初
期と耐久後の画像濃度に変化はなく、OHP画像の透過
率も78%と優れたものであった。しかし、カブリが2
万枚耐久後発生し、実施例1と比較すると耐久後の画質
が若干劣るものであった。
【0127】実施例3,4 トナーをマゼンダトナー[M1]に変更し、実施例1と
全く同様に耐刷試験を行ったところ、実施例1と同様に
初期と耐久後の画像濃度に変化はなく、且つフィルミン
グの無い高画質の画像が得られた。また、OHP画像の
透過率も82%とシアントナー[C1]と比べ遜色ない
優れたものであった。
【0128】さらに、イエロートナー[Y1],マゼン
ダトナー[M1],シアントナー[C1],及び黒色ト
ナー[B1]の4色で同様に耐刷試験を行ったところ、
耐フィルミング性/耐久安定性に優れているだけでな
く、極めて原稿画像に忠実な画像が得られ、混色性にも
優れたものであった。
【0129】比較例1 トナーをシアントナー[C3]に変更し、実施例1と全
く同様に耐刷試験を行ったところ、定着性には優れたも
のであったが、転写効率が2000枚目には84%まで
低下し、画質に劣るものとなった。さらに耐久を重ねて
行くと6000枚でドラム上にフィルミングが生じてし
まい、実用上使用できないものとなった。
【0130】比較例2 トナーをシアントナー[C4]に変更し、実施例1と全
く同様に耐刷試験を行ったところ、フィルミングはしな
いものの、定着性が実施例1よりやや劣り、転写効率が
4000枚目には86%まで低下し、画質に劣るものと
なった。さらにOHP画像の透過率が38%と実用上使
用できないものとなった。
【0131】比較例3 トナーをシアントナー[C5]に変更し、実施例1と全
く同様に耐刷試験を行ったところ、定着性が実施例1よ
り劣り、転写効率が2000枚目には68%まで低下
し、画質に劣るものとなった。さらに耐久を重ねて行く
と4000枚でドラム上にフィルミングが生じてしま
い、実用上使用できないものとなった。
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、低速から高速複写機に
至るまで細線再現性,画像忠実性,画質安定性,定着
性,OHP透過性に優れた、良画質のコピー画像を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エステルワックスが外殻樹脂に内包化されてい
る本発明に用いられるトナーの断層面の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/08 331 372 (72)発明者 神田 仁志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像剤を表面に担持する現像剤担持体と
    アモルファスシリコン感光体とを現像部において一定の
    間隔を設けて配置し、該現像剤を現像剤担持体上に塗布
    して現像部に搬送し、現像する画像形成方法において、 該現像剤として少なくとも重合法によって得られたトナ
    ー及び外部添加剤を含有する現像剤を用い、 該トナーは、炭素数が15以上の長鎖エステル部分を少
    なくとも1個以上有するエステルワックスを、重合性単
    量体と単量体に対して5乃至30重量%含有する単量体
    組成物を、直接重合して得られたものであり、 且つ、透過型電子顕微鏡を用いたトナー断面層の観察
    で、該エステルワックスが外殻樹脂層で内包化され、 ルーゼックスで測定した形状係数SF1が100乃至1
    30を示すことを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 該現像剤が、コールターカウンターによ
    り測定された重量平均径が4乃至8μmであり、個数変
    動係数が35%以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の画像形成方法。
JP6336619A 1994-12-26 1994-12-26 画像形成方法 Withdrawn JPH08179561A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6336619A JPH08179561A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6336619A JPH08179561A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 画像形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08179561A true JPH08179561A (ja) 1996-07-12

Family

ID=18301033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6336619A Withdrawn JPH08179561A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08179561A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002107994A (ja) * 2000-07-25 2002-04-10 Konica Corp 静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法
JP2003122042A (ja) * 2001-10-19 2003-04-25 Canon Inc 画像形成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002107994A (ja) * 2000-07-25 2002-04-10 Konica Corp 静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法
JP2003122042A (ja) * 2001-10-19 2003-04-25 Canon Inc 画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3066943B2 (ja) 画像形成方法
EP0880080B1 (en) Toner for developing electrostatic images and image forming method
JP3287733B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
US5679490A (en) Toner for developing electrostatic images, and process for producing the same
JPH11133657A (ja) 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
JP3907314B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
DE60037564T2 (de) Trockentoner, Verfahren zu dessen Herstellung, Bildherstellungsverfahren
US20010018158A1 (en) Image forming method
JPH10123760A (ja) 静電荷像現像用マゼンタトナー及びその製造方法
JP3745173B2 (ja) イエロートナー、イエロートナーの製造方法及び画像形成方法
JP3287752B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4408119B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
JP2000019918A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置ユニット
JP3253228B2 (ja) 画像形成方法及びトナー
JPH08179561A (ja) 画像形成方法
JP3368024B2 (ja) フルカラー画像形成方法
JP3563925B2 (ja) 静電荷像現像用ネガ帯電性マゼンタトナー
JPH1115204A (ja) 画像形成方法
JP3127339B2 (ja) フルカラー画像形成方法
JP3372683B2 (ja) 静電荷像現像用カラートナー
JP3792912B2 (ja) 画像形成方法
JP2004226454A (ja) 画像形成方法
JP2001296684A (ja) トナー及び画像形成方法
JP3789043B2 (ja) 画像形成方法
JP3486429B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020305