JPH08179045A - エネルギー線検出用アッセンブリ - Google Patents

エネルギー線検出用アッセンブリ

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JPH08179045A
JPH08179045A JP6317139A JP31713994A JPH08179045A JP H08179045 A JPH08179045 A JP H08179045A JP 6317139 A JP6317139 A JP 6317139A JP 31713994 A JP31713994 A JP 31713994A JP H08179045 A JPH08179045 A JP H08179045A
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electrode member
conductive layer
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energy ray
detecting assembly
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Yoshiki Matsuura
恵樹 松浦
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄型のエネルギー線検出用アッセンブリを提
供する。 【構成】 中央部分に貫通穴12を有する管部13と周
端に突起部14が一体化された円盤状の支持基板11
に、夫々薄い円環状のアノード電極部材15と出力電極
部材16と電子増倍素子17と出力電極部材18とシー
ルド板20が重ねられて、ネジ19によって全体的に支
持基板11に固定されている。上記各電極部材15,1
6,18はいずれも絶縁性を有する薄膜状のフィルムベ
ースに蒸着やメッキ等による導電層が積層されており、
夫々の導電層の形成位置をずらすことによって接触せず
且つ、高耐電圧性が得られるようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線やイオン、荷電
粒子、中性子、X線、紫外線等のエネルギー線を検出し
て、被測定対象を映像化あるいは定量・定性分析をする
ための電気信号を出力するエネルギー線検出用アッセン
ブリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子線やイオン、荷電粒子、中性子、X
線、紫外線等のエネルギー線を検出して、被測定対象を
映像化あるいは定量・定性分析をするための電気信号を
出力するエネルギー線検出用アッセンブリは、電子増倍
管(EM管)や光電子増倍管(PMT)、画像増強管
(イメージインテンシファイア)等が旧来から知られて
いる。
【0003】即ち、エネルギー線検出用アッセンブリ
は、被測定対象から発せられる微弱な物理化学的エネル
ギーを電気信号に変換して増幅し、被測定対象の物理化
学的特徴を信号処理可能な情報として出力する主要な構
成要素又はセンサーユニット或いは電子デバイスであ
る。そして、走査電子顕微鏡(SEM)や走査イオン顕
微鏡(SIM)、半導体線幅測長器、集束イオンビーム
加工器、その他の各種産業機器に内蔵される撮像装置の
二次元画像センサや各種分析装置の検出器として利用さ
れている。
【0004】しかし、上記列挙したエネルギー線検出用
アッセンブリは比較的大型であるため、各種産業機器の
小型・軽量化等の要求に応じるべく、より小型・軽量の
エネルギー線検出用アッセンブリの研究・開発が行われ
るようになった。
【0005】小型・軽量のエネルギー線検出用アッセン
ブリの従来例として、MCPアッセンブリを述べる。こ
れは、直径が数μm〜数十μmという非常に細い導電性
のガラスキャピラリを数百万本束ね、薄い板状に仕上げ
たマイクロチャンネルプレート(MCP)に所定の電極
を形成した物である。そして、厚さ方向に配列されてい
る上記各ガラスキャピラリは独立した電子増倍機能を発
揮し、MCPアッセンブリは全体として二次元電子増倍
機能を発揮するので、上記所定の電極から出力される電
気信号について画像再生等の信号処理を行うようにすれ
ば、被測定対象を画像化するための二次元撮像装置を実
現することができる。
【0006】従来のMCPアッセンブリの構造例を図1
0の断面図に基いて説明すれば、中央部分に貫通穴1が
形成された支持基板2に、シールド板3及びネジ4を介
して絶縁体5が固着されると共に、絶縁体5の間には、
アノード電極6と出力電極7及び入力電極8が固着さ
れ、更に、出力電極7と入力電極8の間にマイクロチャ
ンネルプレート(MCP)9が挟持されている。尚、こ
れらの各構成要素1〜9は、ネジ4を除き、貫通穴1に
対して同心円状の形状を有している。そして、支持基板
2を撮像装置本体の筐体10等に固定して使用されるよ
うになっている。使用例として、半導体デバイスの配線
Mの線幅を測定するための線幅測長器に適用される場合
には、電極6に対して電極7,8に所定極性のバイアス
電圧(高電圧)を印加した状態で、貫通穴1を介してZ
方向から配線Mに対して一次電子ビームαを照射しつつ
走査する。マイクロチャンネルプレート9は、配線Mか
ら発せられる二次電子ビームβを受けて電子増倍し、電
極6に配線MのプロファイルPに相当する電気信号を発
生する。よって、この電気信号と一次電子ビームαの走
査タイミングとを同期させつつ画像形成のための信号処
理を行うことによって、配線Mの二次元画像を再生し、
テレビジョンモニタ等に表示することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかるMCP
アッセンブリのような構造にあっては、更に小型・軽量
のエネルギー線検出用アッセンブリを実現しようとする
と、図10中のZ方向の厚さを薄くすることが困難とな
るという問題があった。
【0008】即ち、電極6,7,8の厚さが一般的な製
造技術によればに0.1mm〜1mmとなり、更にこれ
らの電極6,7,8間やシールド板3、そして支持基板
2等との耐電圧を考慮すると、電極6と7の間の絶縁体
の厚さ、電極7と8の間の絶縁体の厚さ、電極6と支持
基板2の間の絶縁体の厚さ、そして電極8とシールド板
3との絶縁体の厚さ等を、夫々0.5mm〜数mmにし
なければならず、全体として厚さを薄くすることが困難
となっていた。
【0009】更に、エネルギー線検出用アッセンブリの
厚さを薄くすれば、一次ビームの出射口から被測定対象
までの距離を短くすることが出来て、対物レンズの被測
定対象物側の焦点距離を短くすることができるので、被
測定物における照射面の面積を小さくすることができ、
その結果、測定分解能を向上させることができることと
なる。また、一次ビームの出射口から被測定対象までの
距離を、照射ビーム径が適当に小さい状態で離すことが
できるので、被測定対象物を大きく傾斜させることが可
能となり、コントラスト比の大きく立体感のある画像を
得ることができる。
【0010】しかし、上記のような構造的理由に起因し
てエネルギー線検出用アッセンブリの厚さを薄くするこ
とが困難であるために、測定分解能を更に向上させるこ
とや、立体感のある像を得るための障害となっていた。
【0011】本発明は、このような従来技術の課題に鑑
みて成されたものであり、より薄いエネルギー線検出用
アッセンブリを提供する等を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために本発明は、支持基板と、前記支持基板に重ねら
れ、絶縁材料からなる薄膜状のシートベースに所定パタ
ーンの導電層が形成された第1の電極部材と、前記第1
の電極部材に重ねられ、絶縁材料からなる薄膜状のシー
トベースに所定パターンの導電層が形成された第2の電
極部材と、前記第2の電極部材に重ねらる電子増倍素子
と、前記電子増倍素子に重ねられ、絶縁材料からなる薄
膜状のシートベースに所定パターンの導電層が形成され
た第3の電極部材と、前記第1ないし第3の電極部材及
び前記電子増倍素子を前記支持基板に固定する固定部材
とを具備する構造とした。
【0013】また、前記電子増倍素子には、マイクロチ
ャンネルプレート、積層型金属ダイノード、荷電粒子増
倍用の半導体を適用した。
【0014】また、前記第1〜第3の電極部材の各シー
トベースと各導電層は別体に形成され、前記重ね合わせ
によって一体化される構造とした。
【0015】また、前記第1〜第3の電極部材の各シー
トベースは、ポリイミド系樹脂、テフロン、マイカ、ポ
リカーボネート、アルミナ、マシナブルセラミック、ガ
ラス等の絶縁材料で形成した。
【0016】また、前記第1〜第3の電極部材の各導電
層は、前記各シートベースの各側縁よりも内側の部分に
形成した。
【0017】また、前記第1〜第3の電極部材の夫々に
は、前記各シートベースと一体に成型され且つ前記各導
電層と電気的に接続する導電層が形成されて成る引出し
部を有する構造とした。
【0018】
【作用】第1〜第3の電極部材は絶縁材料の薄いシート
ベースに配線用の導電層が積層され、各シートベース間
で各導電層を挟むような構造にすることができるから、
耐電圧性の確保及びチャージアップ効果の防止を確保し
つつ全体として薄いエネルギー線検出用アッセンブリを
実現することができる。特に、各導電層を前記各シート
ベースの各側縁よりも内側の部分に形成することによっ
て、放電流の回り込みによる耐電圧の低下等の問題を改
善することができる。
【0019】
【実施例】
(第1の実施例)本発明によるエネルギー線検出用アッ
センブリの第1の実施例を図面と共に説明する。尚、M
CPアッセンブリの実施例を説明する。図1は外観構造
を示す要部斜視図、図2は図1中のA−A線に沿った縦
断面図、図3〜図5は構成要素の要部分解斜視図及び平
面図、図6は後述するマイクロチャンネルプレートと電
極部材との接続構造を示す要部縦断面図、図7は図1中
のB−B線に沿った縦断面図である。
【0020】図1及び図2において、円盤状の支持基板
11は、その中央部分に貫通穴12を有する管部13が
一体に成型されると共に、その周端の3箇所に略矩形状
の突起部14が一体成型されている。
【0021】この支持基板11の管部13と突起部14
との間には、図3(d)に示すような略円環状の部分1
5aを有するアノード電極部材15と、同図(c)に示
すような略円環状の部分16aを有する出力電極部材1
6と、同図(b)に示すような略円環状のマイクロチャ
ンネルプレート17と、同図(a)(e)に示すような
略円環状の部分18aを有する入力電極部材18が順次
に重ね合わされ、更にこれらの部材15〜18は、3個
のネジ19により3箇所の突起部14にネジ止めされた
略環状のシールド板20と支持基板11の側端との間に
適宜の力で締め付け固定されている。
【0022】ここで、アノード電極部材15は、図3
(d)及び図4に示すように、絶縁材から成る薄膜状の
フィルムベースによって形成され、上記の円環状の部分
15aの中央部分には支持基板11の管部13を嵌挿さ
せるための貫通穴15bが形成されると共に、その環状
部分15aの一端からは所定幅及び長さの帯状の引出し
部15cが一体に成型されている。
【0023】更に、環状部分15aの一側端には貫通穴
15bを中心とする同心円状の導電層15dが積層され
ると共に、引出し部15cの一側端にも、導電層15d
と電気的に接続する導電層15eが積層され、導電層1
5eの終端部分には、略円環状の端子15fが積層され
ている。尚、導電層15d,15e及び端子15fは、
金属蒸着やメッキ等によってフィルムベースに一体に積
層されている。
【0024】更に、導電層15dは、貫通穴15bの内
縁よりも所定の間隔を隔てた部分であって且つ、円環部
分15aの外縁から所定の間隔を隔てた内側の部分に形
成されており、導電層15eは、引出し部15cの略中
央部分に形成されている。そして、このアノード電極部
材15は、環状部分15aと引出し部15cの裏面を支
持基板11に直接接触させて図2に示す如く支持基板1
1に固定されている。
【0025】出力電極部材16は、図3(c)及び図5
に示すように、絶縁材から成る薄膜状のフィルムベース
によって形成され、アノード電極部材15の環状部分1
5aと略等しい外径の環状部分16aと、環状部分16
aの一端より延びる所定幅及び所定長さの帯状の引出し
部16cが一体に成型されている。
【0026】また、環状部分16aの中央には、この環
状部分16aがアノード電極部材15の環状部分15a
に重ねられる状態では導電層15dを露出させ得る大径
の貫通穴16bが形成されている。更に、環状部分16
aの一側端には、貫通穴16bの内縁及び環状部分16
aの外縁から所定の間隔を隔てた部分に環状の導電層1
6dが積層され、引出し部16cの一側端にも、導電層
16dと電気的に接続する導電層16eが積層され、導
電層16eの終端部分には、略円環状の端子16fが積
層されている。尚、導電層16d,16e及び端子16
fは、金属蒸着やメッキ等によってフィルムベースに一
体に形成されている。
【0027】更に、引出し部16cの幅及び長さは、ア
ノード電極部材15の引出し部15cとほぼ同じサイズ
に形成され、導電層16eは、引出し部16eの側縁側
の所定の偏心位置に沿って積層されている。
【0028】そして、この出力電極部材16は、環状部
分16aと引出し部16cの背面を、アノード電極部材
15の導電層15d,15eに直接接触させて、図2に
示す如く固着されている。即ち、環状部分15a,16
a同士及び引出し部15c,16c同士が位置ずれしな
いようにして組み付けられると共に、出力電極部材16
のベースフィルムが絶縁性を有するので、導電層15
d,15eと導電層16d,16eとは電気的に絶縁さ
れる。
【0029】更に、図3(c)(d)に示すように、導
電層15dと16dはいずれもベースフィルムの外縁よ
りも所定間隔を隔てた内側の部分であって且つ、貫通穴
15b,16bの内縁よりも所定間隔を隔てた外側の部
分に形成されているので、これらの導電層15dと16
d間における放電流の回り込みによる耐電圧の低下を防
止すると同時にチャージアップを防止する構造となって
いる。よって、耐電圧性に優れた構造となっている。
【0030】マイクロチャンネルプレート17は、図3
(b)に示すように、直径が数μm〜数十μmという非
常に細い導電性のガラスキャピラリを数百万本束ね、そ
のガラスキャピラリ群の両端を切断することによって薄
い板状に仕上げた構造を有すると共に、中央部分に支持
基板11の管部13を嵌挿させ得る内径の貫通穴17a
が設けられている。尚、マイクロチャンネルプレート1
7の外径は、出力電極部材16の円環部分16aの外径
と略等しく設計されている。そして、このマイクロチャ
ンネルプレート17の一側端を出力電極部材16の導電
層16dに接触させて、図2に示す如く固着されてい
る。
【0031】入力電極部材18は出力電極部材16と同
じ構造となっている。即ち、入力電極部材18は、図3
(a)に示すように、絶縁材から成る薄膜状のフィルム
ベースによって、環状部分18aとそれから延びる所定
幅及び長さの引出し部18cとが一体に成型され、環状
部分18aの中央部分には、出力電極部材16の貫通穴
16bと等しい内径の貫通穴18bが形成されている。
更に、図3(e)に示すように、入力電極部材18の背
面側には、同図(d)に示した出力電極部材16と等し
いパターンの環状の導電層18dと帯び状の導電層18
eが金属蒸着やメッキ等によって積層され、導電層18
eの終端には図5に示す端子16fと同様の端子用の導
電層(図示せず)が積層されている。
【0032】そして、入力電極部材18は、導電層18
dがマイクロチャンネルプレート17に接触するように
して固着される。したがって、入力電極部材18と出力
電極部材16は、いずれも環状の導電層18dと16d
がマイクロチャンネルプレート17の両端を挟むように
して対向配置されて、図2に示す如く固着される。但
し、このように入力電極部材18と出力電極部材16が
マイクロチャンネルプレート17を挟んで対向配置され
ると、導電層18eと16eは、夫々の引出し部18
c,16cの長手方向に沿った仮想中心軸に対して左右
に偏心した位置関係となる。
【0033】そして、図1及び図2に示す如く、入力電
極部材18上に環状のシールド板20が装着されて、シ
ールド板20の所定箇所に形成されているネジ穴を介し
てネジ19を支持突起14に取り付けることによって、
上記の電極部材15〜18が支持基板11に固定されて
いる。尚、ネジ14は薄い平形若しくは円錘状の頭部を
有しているので、ネジ14を上記の如く支持突起14に
螺合すると、その平形の頭部はシールド板20のネジ穴
内に埋没してしまい、シールド板20の表面と面一の状
態になる結果、ネジ19の頭部がシールド板20から突
出しない構造となっている。
【0034】次に、図6に基づいて、マイクロチャンネ
ルプレート17と出力電極部材16及び入力電極部材1
8との接続構造を更に詳述する。マイクロチャンネルプ
レート17は所定の厚さを有するので、マイクロチャン
ネルプレート17の外縁近傍には、出力電極部材16及
び入力電極部材18とによって部分的に画成される隙間
21を生じることとなる。しかし、入力電極部材18は
そのベースフィルムの可撓性によって比較的自在に曲り
得るので、同図に示す如く、引出し部18cの途中部分
が適宜に曲げられて、出力電極部材16の引出し部16
cとアノード電極部材15の引出し部15cと共に一体
に束ねられて使用され得るようになっている。尚、同図
では、入力電極部材18の引出し部18cを曲げる場合
を示すが、出力電極部材16とアノード電極部材15の
引出し部16cと15c入力電極部材18の引出し部1
8c側に曲げて束ねたり、これらの引出し部15c,1
6c,18cを適宜に曲げつつ相互に束ねて使用するこ
ともできる。
【0035】次に、図7に基づいて、上記電極部材1
5,16,17の引出し部15c,16c,18cが束
ねられたときの構造を説明する。同図に示すように、ア
ノード電極部材15の引出し部15cに形成されている
導電層15eは、幅方向に対して中心に位置することと
なり、入力電極部材16の引出し部16cに形成されて
いる導電層16eは、その中心に対して偏心した位置と
なり、出力電極部材18の引出し部18cに形成された
導電層18eは、その中心を境にして導電層16eとは
反対側に位置するようになる。したがって、これらの導
電層15e,16e,18eは相互に離隔され、導電層
15e,16e,18e相互間の耐電圧性が保たれるよ
うになっている。
【0036】尚、この実施例では、2層のマイクロチャ
ンネルプレート17を使用する場合を述べたが、それよ
り多数層のマイクロチャンネルプレートを使用し、各層
間に適宜に中間電極層を設けるようにしてもよい。ま
た、支持基板11を絶縁材で成型し、入力電極部材18
のシールド板側の面(導電層18dと18eを設けた反
対側の面)に導電電極を形成し、シールド板20に所定
極性の電圧を印加して使用することもできる。
【0037】更に、この実施例では、各電極部材15,
16,18のベースフィルムとして、絶縁性を有するポ
リイミド系樹脂を適用した。かかる材料を使用すると、
低誘電率を実現することができ、図2に示す如く、各電
極部材15,16,18を積層した場合に静電容量を低
減することができる。更に、ベースフィルムを100μ
m以下の薄膜状に成型しても、厚さ方向の絶縁性を高く
することができる。更に、真空中で使用してもガス等の
不純物の放出が少なくなる。更に、真空中でのガス抜き
を行うために約400℃以下で使用しても、分解や変性
を生じることがない。可撓性を有するので、引出し部1
5c,16c,18cを容易に曲げて配線のための引き
回しが容易となる等の効果を得ることができる。
【0038】このような構造を有する本実施例のMCP
アッセンブリを、例えば図2に示す如く、半導体デバイ
スの配線(被測定対象)Mの線幅を測定するための線幅
測長器の筐体22に固定し、アノード電極部材15と出
力電極部材16及び入力電極部材18の各導電層15
d,15eと16d,16eと18d,18eに所定極
性の高電圧バイアスを印加した状態で、貫通穴12を介
してZ方向から配線Mに対して一次電子ビームαを照射
しつつ走査すると、配線Mから発せられる二次電子ビー
ムβをマイクロチャンネルプレート17が受けて電子増
倍し、アノード電極部材15の端子15fに配線Mのプ
ロファイルPに相当する電気信号が発生する。よって、
この電気信号と一次電子ビームαの走査タイミングとを
同期させつつ画像形成のための信号処理を行うことによ
って、配線Mの二次元画像を再生し、テレビジョンモニ
タ等に表示することができる。
【0039】このように、この実施例によれば、各電極
部材15,16,18の導電層15d,15e,16
d,16e,18d,18eを図3に示すように、夫々
のベースフィルムの内縁と外縁よりも所定の間隔を隔て
て内側に形成することにより耐電圧の向上を図ったの
で、その分、厚さを増すことによって耐電圧を稼ぐ必要
がなくなり、その結果、厚さの薄いMCPアッセンブリ
を実現することができる。
【0040】また、可撓性を有する絶縁材をベースフィ
ルムに適用して引出し部15c,16c,18cを成型
したので、このMCPアッセンブリより隔たった箇所に
設けられている電源ラインや信号ラインに接続する際
に、容易に配線のための引き回しを行うことができる結
果、種々の産業機器への装着を容易にして設計の自由度
を向上させることができるという効果がある。
【0041】尚、この実施例では、マイクロチャンネル
プレート17を適用したMCPアッセンブリについて説
明したが、このマイクロチャンネルプレート17の代わ
りに他の種類の電子増倍素子(例えば、積層型金属ダイ
ノード、荷電粒子増倍用の半導体)や、メッシュ、光電
面、蛍光面、複数個の分割型アノードやその他の読み出
し素子等を、上記同様の構造を有する電極部材間に介在
させる薄型のエネルギー線検出用アッセンブリに適用す
ることもできる。また、前記ポリイミド系樹脂の他に、
テフロン、マイカ、ポリカーボネート、アルミナ、マシ
ナブルセラミック、ガラス等の絶縁材料を適用してもよ
い。
【0042】また、形状に関しては、この実施例では略
円形の場合を示したが、これに限定されるものではな
く、矩形状のものやその変形、又はその他各種の形状の
ものでもよい。また、電子増倍素子は、穴の開いていな
いものであってもよい。
【0043】(第2の実施例)次に、第2の実施例を図
8に基づいて説明する。尚、同図において図2と同一ま
たは相当する構成要素を同一符号にて示す。この実施例
の特徴は、アノード電極部材15と出力電極部材16と
マイクロチャンネルプレート17と入力電極部材18及
びシールド板20を支持基板11に固着させるための構
造にある。即ち、支持基板11に一体に形成された複数
箇所の突起部分14と管部13との間に第1の実施例と
同様に各部材15〜18を重ね更にシールド板20をそ
の上に重ねた状態で、シールド板20と突起部14を接
着剤23にて固着させることによって、各部材15〜1
8とシールド板20を接着剤23と共に支持基板11に
固定している。
【0044】かかる構造によれば、第1の実施例のよう
なネジ19が不要であり、更に薄型で外径を小さくした
MCPアッセンブリを実現することができる。また、シ
ールド板20の背面と支持基板11の側面を接着剤23
で固着することにより、接着剤23でのチャージアップ
効果を防止することができる。また、接着剤23には導
電性を有する接着剤を使用してもよい。また、この構造
は、MCPアッセンブリに限らず他のエネルギー線検出
用アッセンブリにも適用することができる。
【0045】(第3の実施例)第3の実施例を図9に基
づいて説明する。尚、同図において図8と同一または相
当する構成要素を同一符号にて示す。この実施例の特徴
は、アノード電極部材15と出力電極部材16とマイク
ロチャンネルプレート17と入力電極部材18及びシー
ルド板20を支持基板11に固着させるための構造にあ
る。即ち、この実施例では、アノード電極部材15と出
力電極部材16と入力電極部材18の円環状の部分15
a,16a,18a(図3参照)の外径をマイクロチャ
ンネルプレート17の外径と等しく設計し、突起部14
の形成されていない支持基板11に第2の実施例と同様
に各部材15〜18を重ねた状態で、これらの各部材1
5〜18の側縁を接着剤23で固着し、更に、シールド
板20をその接着剤23に固着させることによって、各
部材15〜18とシールド板20を接着剤23と共に支
持基板11に固定している。
【0046】この実施例によれば、より簡素な製造過程
で、更に外径の小さなMCPアッセンブリを製造するこ
とが可能となる。更に、シールド板20の外径を大きく
してその裏面を接着剤23で固着することにより、チャ
ージアップ効果を防止することができる。また、この構
造は、MCPアッセンブリに限らず他のエネルギー線検
出用アッセンブリにも適用することができる。
【0047】(第4の実施例)第1〜第3の実施例で
は、図3に示すように、アノード電極部材15と出力電
極部材16と入力電極部材18は、夫々絶縁材から成る
薄膜状のベースフィルムに所定パターンの導電層15
d,15e,16d,16e,18d,18eを蒸着や
メッキ等によって一体に形成されており、かかる一体化
された電極部材15,16,18を重ねるようにしてい
るが、これらのベースフィルムと導電層を別体で形成し
ておき、MCPアッセンブリを組み立てる際に、支持基
板11に順次にこれらのベースフィルムと導電層を組み
付けることにより、実質的に第1〜第3の実施例と同様
の構造のMCPアッセンブリを実現する。この実施例に
よっても、ベースフィルムと導電層がシールド板で固定
されるので、位置ずれ等の問題を生じることが無く、厚
さ方向の耐電圧を低下させたり、チャージアップ効果等
の問題を生じることなく構成することができる。また、
この構造は、MCPアッセンブリに限らず他のエネルギ
ー線検出用アッセンブリにも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
電子増倍素子に接続すべき各電極部材間での耐電圧性を
面方向で確保したので、これらの電極部材を薄くするこ
とができ、その結果、全体として薄いエネルギー線検出
用アッセンブリを実現することができる。また、外部配
線するための引出し部も同様に積層構造にし且つ面方向
で耐電圧性を確保するようにしたので薄くすることがで
き、更に可撓性を有する素材を適用することによって配
線等のための引き回しを容易にすることができる。そし
て、従来の厚さ方向で耐電圧性を確保する構造よりも、
本発明によれば、1/2〜1/5程度の薄さを実現する
ことが可能となった。
【0049】そして、例えば走査電子顕微鏡(SEM)
や走査イオン顕微鏡(SIM)、半導体線幅測長器、イ
オンビーム加工器等の各種産業機器に適用した場合に
は、走査ビームと被測定対象との間隔を短くすることが
可能となるから、所謂動作距離を短くすることができ、
測定分解能を向上させることができ、産業機器の精度向
上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の外観構造を概略的に示
す斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面構造を示す縦断面
図である。
【図3】第1の実施例の各構成要素の要部形状を示すた
めの要部分解斜視図である。
【図4】第1の実施例のアノード電極部材の形状を示す
平面図である。
【図5】第1の実施例の出力電極部材の形状を示す平面
図である。
【図6】マイクロチャンネルプレートと出力電極部材及
び入力電極部材との接続構造を示す部分断面図である。
【図7】電極部材の引出し部の構造を示す要部縦断面図
である。
【図8】第2の実施例の構造を示す縦断面図である。
【図9】第3の実施例の構造を示す縦断面図である。
【図10】従来のエネルギー線検出用アッセンブリの構
造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
11…支持基板、12…貫通穴、13…管部、14…突
起部、15…アノード電極部材、16…出力電極部材、
17…マイクロチャンネルプレート、18…入力電極部
材、15a,16a,18a…環状部分、15b,16
b,17a,18b…貫通穴、15c,16c,18c
…引出し部、15d,15e,16d,16e,18
d,18e…導電層、19…ネジ、20…シールド板、
23…接着剤。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板と、 前記支持基板に重ねられ、絶縁材料からなる薄膜状のシ
    ートベースに所定パターンの導電層が形成された第1の
    電極部材と、 前記第1の電極部材に重ねられ、絶縁材料からなる薄膜
    状のシートベースに所定パターンの導電層が形成された
    第2の電極部材と、 前記第2の電極部材に重ねられる電子増倍素子と、 前記電子増倍素子に重ねられ、絶縁材料からなる薄膜状
    のシートベースに所定パターンの導電層が形成された第
    3の電極部材と、 前記第1ないし第3の電極部材及び前記電子増倍素子を
    前記支持基板に固定する固定部材と、を具備することを
    特徴とするエネルギー線検出用アッセンブリ。
  2. 【請求項2】 前記電子増倍素子は、マイクロチャンネ
    ルプレート、積層型金属ダイノード、荷電粒子増倍用の
    半導体のいずれか1つであることを特徴とする請求項1
    に記載のエネルギー線検出用アッセンブリ。
  3. 【請求項3】 前記第1〜第3の電極部材の各シートベ
    ースと各導電層は別体に形成され、前記重ね合わせによ
    って一体化される構造であることを特徴とする請求項1
    に記載のエネルギー線検出用アッセンブリ。
  4. 【請求項4】 前記第1〜第3の電極部材の各シートベ
    ースは、ポリイミド系樹脂、テフロン、マイカ、ポリカ
    ーボネート、アルミナ、マシナブルセラミック、ガラス
    等の絶縁材料のいずれかで形成されることを特徴とする
    請求項1に記載のエネルギー線検出用アッセンブリ。
  5. 【請求項5】 前記第1〜第3の電極部材の各導電層
    は、前記各シートベースの各側縁よりも内側の部分に形
    成されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー
    線検出用アッセンブリ。
  6. 【請求項6】 前記第1〜第3の電極部材の夫々には、
    前記各シートベースと一体に成型され且つ前記各導電層
    と電気的に接続する導電層が形成されて成る引出し部を
    有することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー線
    検出用アッセンブリ。
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