JPH10134763A - 電子増倍器 - Google Patents

電子増倍器

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JPH10134763A
JPH10134763A JP29213896A JP29213896A JPH10134763A JP H10134763 A JPH10134763 A JP H10134763A JP 29213896 A JP29213896 A JP 29213896A JP 29213896 A JP29213896 A JP 29213896A JP H10134763 A JPH10134763 A JP H10134763A
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JP
Japan
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sample
electron
microchannel plate
electron multiplier
multiplier
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Pending
Application number
JP29213896A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Ishikawa
昌義 石川
Kazuaki Okumura
和明 奥村
Hiroyuki Watanabe
宏之 渡辺
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J43/00Secondary-emission tubes; Electron-multiplier tubes
    • H01J43/04Electron multipliers
    • H01J43/06Electrode arrangements
    • H01J43/18Electrode arrangements using essentially more than one dynode
    • H01J43/24Dynodes having potential gradient along their surfaces
    • H01J43/246Microchannel plates [MCP]

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  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の試料を同時に搭載でき、所定の試料の
記録、確認を容易に行うことができる電子増倍器を得
る。 【解決手段】 電子増倍器は、マイクロチャンネルプレ
ート3の出力電極が形成された面のチャンネル形成部
に、境界部20aで分割されて複数個の試料搭載部を形
成する試料境界材20を備えている。また、試料境界材
20に搭載された試料2間又は試料2内を通過する電子
ビームBを反射させる電子反射体7と、複数のチャンネ
ル31が形成され、そのチャンネル31内へ電子反射体
7で反射された電子ビームを取り込み増倍して放出する
マイクロチャンネルプレート3とを備えている。試料境
界材20によって、複数の試料を一度に搭載できると共
に、各試料同士が混合するのを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子増倍器に関
し、特に、例えば反射型電子顕微鏡の内部に配置され、
試料への電子ビーム照射により発生する電子を増倍させ
る電子増倍器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子ビーム装置例えば電子顕微鏡
としては、反射型のものと透過型のものが知られてい
る。前者の反射型電子顕微鏡は、試料へ向けて電子ビー
ムを発射し、その電子ビームの照射で試料から二次電子
を生じさせ、その二次電子を検出し信号処理することに
より試料の像を観察可能としたものである。この反射型
電子顕微鏡に関連する従来技術としては、特開平2−2
75368号公報に記載された電子ビーム装置等が知ら
れている。
【0003】一方、後者の透過型電子顕微鏡は、試料へ
向けて電子ビームを発射しその試料を透過してくる透過
電子を検出して試料の像を観察可能としたものである。
この透過型電子顕微鏡に関連する従来技術としては、特
開平6−310076号公報に記載された走査電子線装
置等が知られている。
【0004】しかしながら、前述の反射型電子顕微鏡及
び透過型電子顕微鏡にあっては、次のような問題点があ
った。まず、反射型電子顕微鏡では、試料を透過する電
子により形成される透過電子像を観察することができな
い。すなわち、試料の表面観察を行えるが、試料の内部
構造などを観察することはできず、そのような内部構造
などを観察する場合には別個の透過型顕微鏡が必要とな
る。
【0005】一方、透過型の走査電子線装置では、試料
下方の電子検出器を介して透過電子像が観察でき、試料
上方の電子検出器を介して反射電子像も観察できるが、
各電子像を得るためにそれぞれ専用の電子検出器が必要
となる。また、それに付随して各電子検出器の信号を選
択する信号選択回路も必要となる。このため、装置が複
雑化して装置のコストが高くなるという問題点があっ
た。
【0006】このような問題点は、本発明者らが既に特
許出願した「電子顕微鏡用電子増倍器」(特願平7−2
63,200号、平成7年10月11日出願)により解
決し、透過電子像及び反射電子像の双方を観察できる電
子顕微鏡用電子増倍器を得た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この特許出
願における電子顕微鏡用電子増倍器の試料台では、試料
をマイクロチャンネルプレートの試料搭載面に配置する
が、この場合、次のような問題が生ずる。
【0008】すなわち、試料が例えば花粉胞子などのよ
うに微細な場合、観察したい試料をモニター画像上で探
すのに時間を要する。また、一度のセッティングで類似
した複数の試料を観察する場合、試料が互いに混ざり合
うなどにより不都合である。さらに、モニター画像と試
料台との位置関係(例えば上下左右)が瞬時に把握でき
ず、観察に時間がかかるなどの問題点があった。
【0009】そこで本発明は、このような問題点を解決
するためになされたもので、複数の試料を同時に搭載で
き、所定の試料の記録、確認を容易に行うことができる
電子増倍器を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、周縁部の内側のチャンネル形成部に複数のチ
ャンネルが形成されると共に、一方の面に試料が搭載さ
れるマイクロチャンネルプレートと、マイクロチャンネ
ルプレートの一方の面に設けられ、チャンネル形成部を
複数個の試料搭載部に分割する試料境界材と、を備えた
ことを特徴とする電子増倍器である。
【0011】この発明によれば、試料が搭載されるチャ
ンネル形成部を複数個の試料搭載部に区画するので、複
数の試料を一度に搭載して比較、観察を行うことができ
る。また、境界部が所定の高さを有する場合には、試料
搭載部に搭載された試料が振動や衝撃により隣接する又
は他の試料搭載部に移動して混合するのを防止すること
ができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、試料境界材とマ
イクロチャンネルプレートのチャンネル形成部とを絶縁
性接着剤で接着したことを特徴とする。この発明によれ
ば、接着剤が絶縁性であるため、試料搭載部をチャンネ
ル形成部に接着する場合に、マイクロチャンネルプレー
トのチャンネルを通して出力電極と入力電極が互いに導
通するのを防止することができる。
【0013】請求項3に記載の発明は、試料境界材とマ
イクロチャンネルプレートの周縁部とを導電性接着剤で
接着したことを特徴とする。この発明によれば、導電性
接着剤を使用することによって、電子増倍器を例えば走
査電子顕微鏡に適用した場合、試料境界材とマイクロチ
ャンネルプレートの出力電極との導通が図れるので、試
料がチャージアップするのを防止することができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、試料境界材に各
試料搭載部を区別する番地が記入されていることを特徴
とする。この発明によれば、記入された番地によって複
数の試料搭載部を区別することができるので、画像観察
において所定の試料搭載部に搭載されたの試料の確認、
記録を容易に行うことができ、所定の試料へ到達する時
間を短縮することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
に係る電子増倍器の実施形態について説明する。なお、
実施の形態では、一例として電子増倍器を電子顕微鏡に
適用した場合について説明する。なお、各図中、同一符
号は同一又は相当部分を示しており、重複する説明は省
略する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態による電子増
倍器を示す概略構成図であり、図2は、図1の電子増倍
器を備えた電子顕微鏡を示す概略構成図である。本実施
形態に係る電子増倍器の説明に先立ち、電子増倍器1が
配設される電子顕微鏡10について説明する。
【0017】図2において、電子顕微鏡10は、試料2
の反射電子像を観察可能な反射型の顕微鏡であって、一
端に電子ビームBを発射する電子銃11が設けられ、そ
の他端には、任意に内部を真空にできる真空室12が設
けられている。真空室12内には、電子増倍器1を設置
した移動台13と、電子検出器14とが配設されてい
る。
【0018】移動台13は、試料2を保持した電子増倍
器1を設置しており、互いに直交する水平軸(X軸、Y
軸)に沿って任意に移動可能とされ、水平方向の軸(T
軸)を中心として任意に傾斜可能とされ、かつ移動台1
2の中心位置を通る垂直軸(R軸)を中心として回転可
能とされている。
【0019】また、電子検出器14は、電子を検出して
電気信号に変換する機器であって、例えば、検出すべき
電子を収集するコレクタ14a、電子の入射により蛍光
を発するシンチレータ14b及びその蛍光を受けて光電
子を発生させ増倍して電気信号として出力する光電子増
倍管14cにより構成されている。
【0020】このような電子顕微鏡10によれば、電子
銃11から電子ビームBが発射され、電子銃11と真空
室12間に設けられた所定の電子レンズ15により絞ら
れ、さらに偏向コイル16により走査されて、移動台1
3上にセットされた試料2に照射される。電子ビームB
の照射時に発生する二次電子は、電子検出器14で検出
され電気信号として出力され、増幅器17で増幅され、
さらに映像信号としてCRT18へ入力される。そし
て、そのCRT18の偏向コイルを前述の電子ビームB
の偏向コイル16と走査電源19により同期させること
により、CRT18に試料2の拡大された反射電子像を
表示することができる。
【0021】次に、図1、図3、図4及び図5を参照し
て、本実施形態に係る電子増倍器1について説明する。
図1は、本実施形態の電子増倍器が図2に示す電子顕微
鏡に適用された場合において、その周辺も含めて概略構
成を示す図である。図3は、本実施形態による電子増倍
器のマイクロチャンネルプレート及び電子反射体を示す
一部破断された斜視図、図4は本実施形態による電子増
倍器の試料境界材及びマイクロチャンネルプレートを示
す概略構成図であり、(a)はその斜視図、(b)は平
面図、図5は本実施形態による電子増倍器の試料境界材
及びマイクロチャンネルプレートを示す側断面図であ
る。
【0022】電子増倍器1は、図1に示すように、電子
顕微鏡10内の移動台13上に設置されている。電子増
倍器1の本体部分上部には、マイクロチャンネルプレー
ト3が設けられている。このマイクロチャンネルプレー
ト3は、図3に示すように、銅などの導電性部材からな
るリング体6の上面に載置されており、そのリング体6
はガラス等からなる板状の絶縁材5を介してアルミニウ
ム等の導電性部材からなる基台4の上面に載置されてい
る。また、マイクロチャンネルプレート3は、リング体
6上で基台4に固定される板バネ8で掛止され、リング
体6上から容易に外れないようになっており、必要に応
じて板バネ8を外して交換できる構造となっている。
【0023】マイクロチャンネルプレート3の一方の面
には出力電極が全面に形成され、他方の面には入力電極
が全面に形成されている。これらの出力電極及び入力電
極は、インコネルやNi−Cr等を蒸着して形成される
が、図には示されていない。
【0024】マイクロチャンネルプレート3は、観察対
象である試料2を設置するための設置台として機能する
と共に、その表裏を通過する電子を増倍させる機能を有
している。
【0025】すなわち、このマイクロチャンネルプレー
ト3には、その表裏方向へ向けて多数のチャンネル31
が設けられ、各チャンネル31の内壁には二次電子放出
体の膜(図示しない)が形成されている。電子の入射面
(入力電極の形成された面)に対し放出面(出力電極の
形成された面)の電位が高くなるように、入力電極と出
力電極との間に電圧を加えることにより、電子がその入
射面のチャンネル31内へ入り込み、チャンネル31の
内壁で反射されその反射ごとに増倍されて放射面から抜
け出ることになる。
【0026】また、図1に示すように、マイクロチャン
ネルプレート3から所定の距離を隔てて、電子ビームB
の進行方向に電子反射体7が設けられている。すなわ
ち、電子反射体7は、リング体6に囲まれる絶縁材5の
上面に固定され、マイクロチャンネルプレート3とその
リング体6の高さ分だけ隔てられて配置されている。こ
の電子反射体7はアルミニウム等の導電性材料からな
り、絶縁材5上に配置されることにより接地される基台
5と電気的に遮断された構造となっている。
【0027】この電子反射体7におけるマイクロチャン
ネルプレート3と対向する面には、反射面71が形成さ
れており、この反射面71で試料2間又は試料2内を抜
けて、マイクロチャンネルプレート3のチャンネル31
内を通過してくる電子ビームBを反射するようになって
いる。
【0028】マイクロチャンネルプレート3上には、図
4に示すような試料搭載面を複数個に分割する仕切り用
の試料境界材20が載置される。この試料境界材20
は、例えば導電性金属、導電性樹脂、絶縁性金属等の導
電性材料、又は粘性塗料を盛り上げる等により作製する
ことができる。図4では、マイクロチャンネルプレート
3上に試料境界材20として導電性金属メッシュを接着
した場合を示しており、境界部20aにより9個に分割
された試料搭載部20bが形成されている。この境界部
20aは所定の高さを有するので、試料搭載部20bに
搭載された試料2が振動や衝撃により隣接する又は他の
試料搭載部20bに移動して混合するのを防止すること
ができる。
【0029】試料境界材20とマイクロチャンネルプレ
ート3とを接着する場合、導電性接着剤を使用すると毛
細管現象により導電性接着剤がチャンネル31内に侵入
し、出力電極と入力電極とが互いに導通してしまうこと
があるため、絶縁性接着剤を使用する必要がある。一
方、電子増倍器1を走査電子顕微鏡等で用いる場合、電
位が0Vでなくしかも試料境界材20がマイクロチャン
ネルプレート3から浮き上がっていると、試料がチャー
ジアップする原因となる。
【0030】従って、このような場合には、試料境界材
20とマイクロチャンネルプレート3とを電気的に導通
させることが望ましい。例えば、図5に示すように、チ
ャンネル31が形成されていないマイクロチャンネルプ
レート3の有効面(チャンネル形成部)を絶縁性接着剤
21で接着し、マイクロチャンネルプレート3の周縁部
を導電性接着剤22例えば銀ペースト、カーボンペース
ト、インジウムペースト、又は半田等により接着するこ
とができる。
【0031】マイクロチャンネルプレート3及び電子反
射体7には、図1に示すように、給電手段9が接続され
ている。給電手段9は、マイクロチャンネルプレート3
の表裏間へ印加する可変電源91と、マイクロチャンネ
ルプレート3裏面と電子反射体7間へ印加する可変電源
92とを備えており、各々に任意の電圧を供給できるよ
うになっている。また、スイッチ93、94を切り替え
ることにより、電子顕微鏡10の観察モードを切り替え
ることができる。すなわち、電子反射体7及びマイクロ
チャンネルプレート3へ電圧が供給されれば試料2の透
過電子像が得られ、一方、電子反射体7及びマイクロチ
ャンネルプレート3へ電圧が供給されず接地状態とされ
れば試料2の反射電子像が得られることとなる。
【0032】次に、本実施形態による電子増倍器1を備
えた電子顕微鏡10の動作について説明する。
【0033】まず、図1に示すように、マイクロチャン
ネルプレート3上に設けられた試料境界材20の各試料
搭載部20bに、観察対象である複数の試料2をそれぞ
れ搭載する。試料2の保持方法としては、上面固定方
法、内部埋め込み方法、下面密着方法、その他の方法が
あるが、試料2の材質や観測の形態に応じて適宜選択し
て採用すればよい。
【0034】試料2を試料搭載部20bに搭載した後、
マイクロチャンネルプレート3を電子増倍器1のリング
体6上に載置し、板バネ8で外れないように掛止させ
る。そして、その電子増倍器1を反射型の電子顕微鏡1
0内にセットする。すなわち、顕微鏡10における真空
室12内に設けられた移動台13上に電子増倍器1の本
体部分(給電手段9を除く部分)を配置する。続いて、
真空室12内のエアを排気して真空とする。
【0035】試料2の透過電子像を観察する場合につい
て説明すると、給電手段9により、マイクロチャンネル
プレート3の上面(電子ビームBの照射面)側の出力電
極を接地し、その下面側の入力電極に−700V程度の
電圧を印加し、そのマイクロチャンネルプレート3下面
に対し100V電位が下がるように電子反射体7に−8
00V程度の電圧を印加する。それと共に、電子顕微鏡
側の電子検出器14のコレクタ14aが+100V、シ
ンチレータ14bが+10kVの電位となるようにそれ
ぞれ電圧を印加し、図1に示すように、マイクロチャン
ネルプレート3上の試料2へ向けて電子ビームBを照射
させる。
【0036】電子ビームBが試料2以外の位置又は試料
2の薄い部分へ照射されると、その電子ビームBは試料
2間すなわち試料2のない部分又は試料2内を通り、チ
ャンネル31を通って、電子反射体7の反射面71に照
射される。反射面71に照射された電子ビームBは、そ
の反射面71で反射電子として反射されると共に、二次
電子を生じさせる。
【0037】その際、反射面71に凸部又は凹部が形成
されることにより、それらの反射電子及び二次電子が拡
散された状態で反射面71から放たれることとなる。放
たれた反射電子及び二次電子は、100V電位が高くな
っているマイクロチャンネルプレート3側へ確実に誘導
されていく。
【0038】そして、反射電子及び二次電子は、マイク
ロチャンネルプレート3のチャンネル31内へ入り込
み、その内壁で反射されるごとに増倍されてマイクロチ
ャンネルプレート3の上面側へ抜けて行く。その際、そ
れらの反射電子及び二次電子が下方から試料2へ照射さ
れる形となり、電子ビームBの照射により正に帯電して
いた試料2が中和されてチャージアップが回避される。
マイクロチャンネルプレート3上へ放出された反射電子
及び二次電子は、その上方に配設された高電位の電子検
出器14のコレクタ14a側へ誘導され、シンチレータ
14bへ入射され蛍光となって光電子増倍管14cで電
気信号として検出される。
【0039】なお、試料2上へ照射された電子ビームB
は、試料2表面で反射され二次電子を生じさせるが、マ
イクロチャンネルプレート3で増倍されることもなく、
その数量は前述の反射面71からの反射電子及び二次電
子が増倍されたものに比べ非常に小さい(1000分の
1〜10000分の1程度)ので、電子検出器14でも
無視し得る数量しか検出されない。
【0040】このようにして電子検出器14で得られた
電気信号は、図2に示す増幅器17で増幅され、電子ビ
ームBと同期して走査されるCRT18の映像信号とし
て入力されることにより、CRT18で試料2の透過電
子像として表示される。ここで得られる透過電子像は、
試料2の厚く電子が透過しない部分が暗く、試料2のな
い部分が明るく、試料2の薄く電子の一部が透過する部
分は中間の明るさで表示される。また、前述のように、
試料2部分はそれ以外の部分に比べ信号強度が1000
分の1〜10000分の1程度であるので、非常にコン
トラストの明瞭なものとなる。また、透過電子像は電子
ビームBの照射量を低減しても明瞭であるから、電子ビ
ームの照射量を低減することで電子ビームを細く絞り、
解像度の高い透過電子像とすることも可能である。
【0041】次に、試料2の反射電子像を観察する場合
について説明すると、図1に示す給電手段9のスイッチ
93、94を切り替えることで容易に観察可能となる。
すなわち、スイッチ93、94を切り替えてマイクロチ
ャンネルプレート3及び電子反射体7への電圧印加を停
止し接地状態とし、それらの増倍機能及び反射機能を停
止させる。その状態で電子ビームBを試料搭載部2bに
搭載された試料2へ照射させると、試料2以外へ照射さ
れた電子ビームBは電子検出器14で検出されず、試料
2の表面で生ずる二次電子のみが電子検出器14で検出
されることとなる。そこで、増幅器17の利得を適宜調
整すれば、通常の反射型電子顕微鏡で得られる反射電子
像が観察可能となる。
【0042】なお、前述した実施形態では、試料境界材
20として図4及び図5に示したものを使用したが、各
試料搭載部20bの区別を明確にするために、図6に示
すように、番地(アドレス)A−1ないしC−3を記入
することができる。番地の記入方法としては、エキシマ
レーザーなどのレーザー加工やフォトエッチングなどの
方法により微細な表記が可能である。
【0043】このような番地を記入することによって、
試料2を複数個の試料搭載部20bに搭載する際に、任
意の番地に試料2を配置して観察でき、複数個の試料2
の比較が一度のセッティングで可能となる。また、分割
された試料搭載部20bを番地付けすることで、画像観
察において所望の試料への到達時間を短縮することがで
きると共に、間違った位置に配置した試料2の観察を防
止することもできる。さらに、使用済みの試料搭載部2
0bの確認や記録を容易に行うことができ、使用済みの
試料搭載部20bへ別の試料2が混入するのを防止する
ことができる。
【0044】なお、前述した実施形態では、マイクロチ
ャンネルプレート3を板バネ8でリング体6上に固定す
る電子増倍器について説明したが、図7及び図8に示す
ような電子増倍器であっても同様に適用することができ
る。図7は電子増倍器及びこれが取り付けられる基台等
の構造を、同図(a)のX−X線で切断し分解して示す
図であり、図7は背景を含めて切断面を示した分解断面
図、図8は同じく背景を除いて切断面のみを示した分解
端面図である。
【0045】これらの図に示す電子増倍器では、マイク
ロチャンネルプレート3の周縁部を第1の筒状部材23
及び第2の筒状部材24で挟持し、これを基台4に装着
する構造となっている。第1の筒状部材23は、マイク
ロチャンネルプレート3を保護すると共に、基台4への
装着を容易にするために円筒形状を有する。第2の筒状
部材24も同様に、基台4にセットされる回路基板25
の板バネ26との電気的接触を行い易いように、かつマ
イクロチャンネルプレート3の接着を行い易いように、
支持片24aを持った円筒形状を有する。このような構
造の電子増倍器の場合であっても、前述と同様に試料境
界材20を設けることができる。
【0046】なお、マイクロチャンネルプレート3、試
料境界材20、第1の筒状部材23及び第2の筒状部材
24は、予め一体として構成することができ、基台4へ
の装着を容易に行うことができる。
【0047】さらに、他の構造を有する電子増倍器であ
っても、同様に試料境界材を設けることができ、前述と
同様な効果を奏する。
【0048】また、前述した実施形態では、本発明によ
る電子増倍器を電子顕微鏡に適用した場合について説明
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、エネ
ルギー分析器や角度分析器など種々の機器にも同様に適
用することができ、前述と同様な効果を奏する。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の試料を任意の試料搭載部に配置、観察でき、複数
の試料の比較を一度のセッティングで行うことができ
る。また、試料搭載部に搭載された試料が振動や衝撃に
より隣接する又は他の試料搭載部に移動して混合するの
を防止することができる。さらに、分割された試料搭載
部を番地付けすることで、画像観察において、所望とす
る試料への到達時間を短縮でき、間違った位置に配置し
た試料を観察してしまうことを防止することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による電子増倍器を示す概
略構成図である。
【図2】図1に示す電子増倍器を備えた電子顕微鏡を示
す概略構成図である。
【図3】図1に示す電子増倍器のマイクロチャンネルプ
レート及び電子反射体を一部破断して示す概略斜視図で
ある。
【図4】図1に示す電子増倍器の試料境界材及びマイク
ロチャンネルプレートを示す概略構成図であり、(a)
は試料境界材の斜視図、(b)は試料境界材の平面図で
ある。
【図5】電子増倍器試料境界材及びマイクロチャンネル
プレートを示す側断面図である。
【図6】番地が形成された試料境界材を示す平面図であ
る。
【図7】本発明の他の実施形態による電子増倍器及び基
台の要部を分解して示す分解断面図であり、(a)はそ
の平面図、(b)は分解断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態による電子増倍器及び基
台の要部を分解して示す分解端面図であり、(a)はそ
の平面図、(b)は分解端面図である。
【符号の説明】
B…電子ビーム、1…電子増倍器、2…試料、3…マイ
クロチャンネルプレート、4…基台、5…絶縁材、6…
リング体、7…電子反射体、8…板バネ、9…給電手
段、10…電子顕微鏡、11…電子銃、12…真空室、
13…移動台、14…電子検出器、14a…コレクタ、
14b…シンチレータ、14c…光電子増倍管、15…
電子レンズ、16…偏向コイル、17…増幅器、18…
CRT、19…走査電源、20…試料境界材、20a…
境界部、20b…試料搭載部、21…絶縁性接着剤、2
2…導電性接着剤、23…第1の筒状部材、24…第2
の筒状部材、24a…支持片、25…回路基板、26…
板バネ、31…チャンネル、71…反射面、91,92
…可変電源、93,94…スイッチ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周縁部の内側のチャンネル形成部に複数
    のチャンネルが形成されると共に、一方の面に試料が搭
    載されるマイクロチャンネルプレートと、 前記マイクロチャンネルプレートの前記一方の面に設け
    られ、前記チャンネル形成部を複数個の試料搭載部に分
    割する試料境界材と、 を備えたことを特徴とする電子増倍器。
  2. 【請求項2】 前記試料境界材と前記マイクロチャンネ
    ルプレートの前記チャンネル形成部とは、絶縁性接着剤
    で接着されていることを特徴とする請求項1に記載の電
    子増倍器。
  3. 【請求項3】 前記試料境界材と前記マイクロチャンネ
    ルプレートの前記周縁部とは、導電性接着剤で接着され
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子増
    倍器。
  4. 【請求項4】 前記試料境界材には、前記各試料搭載部
    を区別する番地が記入されていることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の電子増倍器。
JP29213896A 1996-11-01 1996-11-01 電子増倍器 Pending JPH10134763A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015037832A (ja) * 2008-02-29 2015-02-26 バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングBayer Intellectual Property GmbH マイクロ固定具
CN104567946A (zh) * 2015-01-22 2015-04-29 清华大学 微通道板探测器及光子、电子、离子成像探测仪

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