JP3561018B2 - エネルギー線検出用アッセンブリ - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子線やイオン、荷電粒子、中性子、X線、紫外線等のエネルギー線を検出して、被測定対象を映像化あるいは定量・定性分析をするための電気信号を出力するエネルギー線検出用アッセンブリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子線やイオン、荷電粒子、中性子、X線、紫外線等のエネルギー線を検出して、被測定対象を映像化あるいは定量・定性分析をするための電気信号を出力するエネルギー線検出用アッセンブリは、電子増倍管(EM管)や光電子増倍管 (PMT)、画像増強管(イメージインテンシファイア)等が旧来から知られている。
【0003】
即ち、エネルギー線検出用アッセンブリは、被測定対象から発せられる微弱な物理化学的エネルギーを電気信号に変換して増幅し、被測定対象の物理化学的特徴を信号処理可能な情報として出力する主要な構成要素又はセンサーユニット或いは電子デバイスである。そして、走査電子顕微鏡(SEM)や走査イオン顕微鏡(SIM)、半導体線幅測長器、集束イオンビーム加工器、その他の各種産業機器に内蔵される撮像装置の二次元画像センサや各種分析装置の検出器として利用されている。
【0004】
しかし、上記列挙したエネルギー線検出用アッセンブリは比較的大型であるため、各種産業機器の小型・軽量化等の要求に応じるべく、より小型・軽量のエネルギー線検出用アッセンブリの研究・開発が行われるようになった。
【0005】
小型・軽量のエネルギー線検出用アッセンブリの従来例として、MCPアッセンブリを述べる。これは、直径が数μm〜数十μmという非常に細い導電性のガラスキャピラリを数百万本束ね、薄い板状に仕上げたマイクロチャンネルプレート(MCP)に所定の電極を形成した物である。そして、厚さ方向に配列されている上記各ガラスキャピラリは独立した電子増倍機能を発揮し、MCPアッセンブリは全体として二次元電子増倍機能を発揮するので、上記所定の電極から出力される電気信号について画像再生等の信号処理を行うようにすれば、被測定対象を画像化するための二次元撮像装置を実現することができる。
【0006】
従来のMCPアッセンブリの構造例を図10の断面図に基いて説明すれば、中央部分に貫通穴1が形成された支持基板2に、シールド板3及びネジ4を介して絶縁体5が固着されると共に、絶縁体5の間には、アノード電極6と出力電極7及び入力電極8が固着され、更に、出力電極7と入力電極8の間にマイクロチャンネルプレート(MCP)9が挟持されている。尚、これらの各構成要素1〜9は、ネジ4を除き、貫通穴1に対して同心円状の形状を有している。そして、支持基板2を撮像装置本体の筐体10等に固定して使用されるようになっている。使用例として、半導体デバイスの配線Mの線幅を測定するための線幅測長器に適用される場合には、電極6に対して電極7,8に所定極性のバイアス電圧(高電圧)を印加した状態で、貫通穴1を介してZ方向から配線Mに対して一次電子ビームαを照射しつつ走査する。マイクロチャンネルプレート9は、配線Mから発せられる二次電子ビームβを受けて電子増倍し、電極6に配線MのプロファイルPに相当する電気信号を発生する。よって、この電気信号と一次電子ビームαの走査タイミングとを同期させつつ画像形成のための信号処理を行うことによって、配線Mの二次元画像を再生し、テレビジョンモニタ等に表示することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかるMCPアッセンブリのような構造にあっては、更に小型・軽量のエネルギー線検出用アッセンブリを実現しようとすると、図10中のZ方向の厚さを薄くすることが困難となるという問題があった。
【0008】
即ち、電極6,7,8の厚さが一般的な製造技術によればに0.1mm〜1mmとなり、更にこれらの電極6,7,8間やシールド板3、そして支持基板2等との耐電圧を考慮すると、電極6と7の間の絶縁体の厚さ、電極7と8の間の絶縁体の厚さ、電極6と支持基板2の間の絶縁体の厚さ、そして電極8とシールド板3との絶縁体の厚さ等を、夫々0.5mm〜数mmにしなければならず、全体として厚さを薄くすることが困難となっていた。
【0009】
更に、エネルギー線検出用アッセンブリの厚さを薄くすれば、一次ビームの出射口から被測定対象までの距離を短くすることが出来て、対物レンズの被測定対象物側の焦点距離を短くすることができるので、被測定物における照射面の面積を小さくすることができ、その結果、測定分解能を向上させることができることとなる。また、一次ビームの出射口から被測定対象までの距離を、照射ビーム径が適当に小さい状態で離すことができるので、被測定対象物を大きく傾斜させることが可能となり、コントラスト比の大きく立体感のある画像を得ることができる。
【0010】
しかし、上記のような構造的理由に起因してエネルギー線検出用アッセンブリの厚さを薄くすることが困難であるために、測定分解能を更に向上させることや、立体感のある像を得るための障害となっていた。
【0011】
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みて成されたものであり、より薄いエネルギー線検出用アッセンブリを提供する等を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明は、支持基板と、前記支持基板に重ねられ、絶縁材料からなる薄膜状のシートベースに所定パターンの導電層が形成された第1の電極部材と、前記第1の電極部材に重ねられ、絶縁材料からなる薄膜状のシートベースに所定パターンの導電層が形成された第2の電極部材と、前記第2の電極部材に重ねられる電子増倍素子と、前記電子増倍素子に重ねられ、絶縁材料からなる薄膜状のシートベースに所定パターンの導電層が形成された第3の電極部材と、前記第1ないし第3の電極部材及び前記電子増倍素子を前記支持基板に固定する固定部材と、を具備し、前記第1〜第3の電極部材の各導電層は、前記各シートベースの各側縁よりも内側の部分に形成される構造とした。
【0013】
また、前記電子増倍素子には、マイクロチャンネルプレート、積層型金属ダイノード、荷電粒子増倍用の半導体を適用した。
【0014】
また、前記第1〜第3の電極部材の各シートベースと各導電層は別体に形成され、前記重ね合わせによって一体化される構造とした。
【0015】
また、前記第1〜第3の電極部材の各シートベースは、ポリイミド系樹脂、テフロン、マイカ、ポリカーボネート、アルミナ、マシナブルセラミック、ガラス等の絶縁材料で形成した。
【0017】
また、前記第1〜第3の電極部材の夫々には、前記各シートベースと一体に成型され且つ前記各導電層と電気的に接続する導電層が形成されて成る引出し部を有する構造とした。
【0018】
【作用】
第1〜第3の電極部材は絶縁材料の薄いシートベースに配線用の導電層が積層され、各シートベース間で各導電層を挟むような構造にすることができるから、耐電圧性の確保及びチャージアップ効果の防止を確保しつつ全体として薄いエネルギー線検出用アッセンブリを実現することができる。特に、各導電層を前記各シートベースの各側縁よりも内側の部分に形成することによって、放電流の回り込みによる耐電圧の低下等の問題を改善することができる。
【0019】
【実施例】
(第1の実施例)
本発明によるエネルギー線検出用アッセンブリの第1の実施例を図面と共に説明する。尚、MCPアッセンブリの実施例を説明する。図1は外観構造を示す要部斜視図、図2は図1中のA−A線に沿った縦断面図、図3〜図5は構成要素の要部分解斜視図及び平面図、図6は後述するマイクロチャンネルプレートと電極部材との接続構造を示す要部縦断面図、図7は図1中のB−B線に沿った縦断面図である。
【0020】
図1及び図2において、円盤状の支持基板11は、その中央部分に貫通穴12を有する管部13が一体に成型されると共に、その周端の3箇所に略矩形状の突起部14が一体成型されている。
【0021】
この支持基板11の管部13と突起部14との間には、図3(d)に示すような略円環状の部分15aを有するアノード電極部材15と、同図(c)に示すような略円環状の部分16aを有する出力電極部材16と、同図(b)に示すような略円環状のマイクロチャンネルプレート17と、同図(a)(e)に示すような略円環状の部分18aを有する入力電極部材18が順次に重ね合わされ、更にこれらの部材15〜18は、3個のネジ19により3箇所の突起部14にネジ止めされた略環状のシールド板20と支持基板11の側端との間に適宜の力で締め付け固定されている。
【0022】
ここで、アノード電極部材15は、図3(d)及び図4に示すように、絶縁材から成る薄膜状のフィルムベースによって形成され、上記の円環状の部分15aの中央部分には支持基板11の管部13を嵌挿させるための貫通穴15bが形成されると共に、その環状部分15aの一端からは所定幅及び長さの帯状の引出し部15cが一体に成型されている。
【0023】
更に、環状部分15aの一側端には貫通穴15bを中心とする同心円状の導電層15dが積層されると共に、引出し部15cの一側端にも、導電層15dと電気的に接続する導電層15eが積層され、導電層15eの終端部分には、略円環状の端子15fが積層されている。尚、導電層15d,15e及び端子15fは、金属蒸着やメッキ等によってフィルムベースに一体に積層されている。
【0024】
更に、導電層15dは、貫通穴15bの内縁よりも所定の間隔を隔てた部分であって且つ、円環部分15aの外縁から所定の間隔を隔てた内側の部分に形成されており、導電層15eは、引出し部15cの略中央部分に形成されている。そして、このアノード電極部材15は、環状部分15aと引出し部15cの裏面を支持基板11に直接接触させて図2に示す如く支持基板11に固定されている。
【0025】
出力電極部材16は、図3(c)及び図5に示すように、絶縁材から成る薄膜状のフィルムベースによって形成され、アノード電極部材15の環状部分15aと略等しい外径の環状部分16aと、環状部分16aの一端より延びる所定幅及び所定長さの帯状の引出し部16cが一体に成型されている。
【0026】
また、環状部分16aの中央には、この環状部分16aがアノード電極部材15の環状部分15aに重ねられる状態では導電層15dを露出させ得る大径の貫通穴16bが形成されている。更に、環状部分16aの一側端には、貫通穴16bの内縁及び環状部分16aの外縁から所定の間隔を隔てた部分に環状の導電層16dが積層され、引出し部16cの一側端にも、導電層16dと電気的に接続する導電層16eが積層され、導電層16eの終端部分には、略円環状の端子16fが積層されている。尚、導電層16d,16e及び端子16fは、金属蒸着やメッキ等によってフィルムベースに一体に形成されている。
【0027】
更に、引出し部16cの幅及び長さは、アノード電極部材15の引出し部15cとほぼ同じサイズに形成され、導電層16eは、引出し部16eの側縁側の所定の偏心位置に沿って積層されている。
【0028】
そして、この出力電極部材16は、環状部分16aと引出し部16cの背面を、アノード電極部材15の導電層15d,15eに直接接触させて、図2に示す如く固着されている。即ち、環状部分15a,16a同士及び引出し部15c,16c同士が位置ずれしないようにして組み付けられると共に、出力電極部材16のベースフィルムが絶縁性を有するので、導電層15d,15eと導電層16d,16eとは電気的に絶縁される。
【0029】
更に、図3(c)(d)に示すように、導電層15dと16dはいずれもベースフィルムの外縁よりも所定間隔を隔てた内側の部分であって且つ、貫通穴15b,16bの内縁よりも所定間隔を隔てた外側の部分に形成されているので、これらの導電層15dと16d間における放電流の回り込みによる耐電圧の低下を防止すると同時にチャージアップを防止する構造となっている。よって、耐電圧性に優れた構造となっている。
【0030】
マイクロチャンネルプレート17は、図3(b)に示すように、直径が数μm〜数十μmという非常に細い導電性のガラスキャピラリを数百万本束ね、そのガラスキャピラリ群の両端を切断することによって薄い板状に仕上げた構造を有すると共に、中央部分に支持基板11の管部13を嵌挿させ得る内径の貫通穴17aが設けられている。尚、マイクロチャンネルプレート17の外径は、出力電極部材16の円環部分16aの外径と略等しく設計されている。そして、このマイクロチャンネルプレート17の一側端を出力電極部材16の導電層16dに接触させて、図2に示す如く固着されている。
【0031】
入力電極部材18は出力電極部材16と同じ構造となっている。即ち、入力電極部材18は、図3(a)に示すように、絶縁材から成る薄膜状のフィルムベースによって、環状部分18aとそれから延びる所定幅及び長さの引出し部18cとが一体に成型され、環状部分18aの中央部分には、出力電極部材16の貫通穴16bと等しい内径の貫通穴18bが形成されている。更に、図3(e)に示すように、入力電極部材18の背面側には、同図(d)に示した出力電極部材16と等しいパターンの環状の導電層18dと帯び状の導電層18eが金属蒸着やメッキ等によって積層され、導電層18eの終端には図5に示す端子16fと同様の端子用の導電層(図示せず)が積層されている。
【0032】
そして、入力電極部材18は、導電層18dがマイクロチャンネルプレート17に接触するようにして固着される。したがって、入力電極部材18と出力電極部材16は、いずれも環状の導電層18dと16dがマイクロチャンネルプレート17の両端を挟むようにして対向配置されて、図2に示す如く固着される。但し、このように入力電極部材18と出力電極部材16がマイクロチャンネルプレート17を挟んで対向配置されると、導電層18eと16eは、夫々の引出し部18c,16cの長手方向に沿った仮想中心軸に対して左右に偏心した位置関係となる。
【0033】
そして、図1及び図2に示す如く、入力電極部材18上に環状のシールド板20が装着されて、シールド板20の所定箇所に形成されているネジ穴を介してネジ19を支持突起14に取り付けることによって、上記の電極部材15〜18が支持基板11に固定されている。尚、ネジ14は薄い平形若しくは円錘状の頭部を有しているので、ネジ14を上記の如く支持突起14に螺合すると、その平形の頭部はシールド板20のネジ穴内に埋没してしまい、シールド板20の表面と面一の状態になる結果、ネジ19の頭部がシールド板20から突出しない構造となっている。
【0034】
次に、図6に基づいて、マイクロチャンネルプレート17と出力電極部材16及び入力電極部材18との接続構造を更に詳述する。マイクロチャンネルプレート17は所定の厚さを有するので、マイクロチャンネルプレート17の外縁近傍には、出力電極部材16及び入力電極部材18とによって部分的に画成される隙間21を生じることとなる。しかし、入力電極部材18はそのベースフィルムの可撓性によって比較的自在に曲り得るので、同図に示す如く、引出し部18cの途中部分が適宜に曲げられて、出力電極部材16の引出し部16cとアノード電極部材15の引出し部15cと共に一体に束ねられて使用され得るようになっている。尚、同図では、入力電極部材18の引出し部18cを曲げる場合を示すが、出力電極部材16とアノード電極部材15の引出し部16cと15c入力電極部材18の引出し部18c側に曲げて束ねたり、これらの引出し部15c,16c,18cを適宜に曲げつつ相互に束ねて使用することもできる。
【0035】
次に、図7に基づいて、上記電極部材15,16,17の引出し部15c,16c,18cが束ねられたときの構造を説明する。同図に示すように、アノード電極部材15の引出し部15cに形成されている導電層15eは、幅方向に対して中心に位置することとなり、入力電極部材16の引出し部16cに形成されている導電層16eは、その中心に対して偏心した位置となり、出力電極部材18の引出し部18cに形成された導電層18eは、その中心を境にして導電層16eとは反対側に位置するようになる。したがって、これらの導電層15e,16e,18eは相互に離隔され、導電層15e,16e,18e相互間の耐電圧性が保たれるようになっている。
【0036】
尚、この実施例では、2層のマイクロチャンネルプレート17を使用する場合を述べたが、それより多数層のマイクロチャンネルプレートを使用し、各層間に適宜に中間電極層を設けるようにしてもよい。また、支持基板11を絶縁材で成型し、入力電極部材18のシールド板側の面(導電層18dと18eを設けた反対側の面)に導電電極を形成し、シールド板20に所定極性の電圧を印加して使用することもできる。
【0037】
更に、この実施例では、各電極部材15,16,18のベースフィルムとして、絶縁性を有するポリイミド系樹脂を適用した。かかる材料を使用すると、低誘電率を実現することができ、図2に示す如く、各電極部材15,16,18を積層した場合に静電容量を低減することができる。更に、ベースフィルムを100μm以下の薄膜状に成型しても、厚さ方向の絶縁性を高くすることができる。更に、真空中で使用してもガス等の不純物の放出が少なくなる。更に、真空中でのガス抜きを行うために約400℃以下で使用しても、分解や変性を生じることがない。可撓性を有するので、引出し部15c,16c,18cを容易に曲げて配線のための引き回しが容易となる等の効果を得ることができる。
【0038】
このような構造を有する本実施例のMCPアッセンブリを、例えば図2に示す如く、半導体デバイスの配線(被測定対象)Mの線幅を測定するための線幅測長器の筐体22に固定し、アノード電極部材15と出力電極部材16及び入力電極部材18の各導電層15d,15eと16d,16eと18d,18eに所定極性の高電圧バイアスを印加した状態で、貫通穴12を介してZ方向から配線Mに対して一次電子ビームαを照射しつつ走査すると、配線Mから発せられる二次電子ビームβをマイクロチャンネルプレート17が受けて電子増倍し、アノード電極部材15の端子15fに配線MのプロファイルPに相当する電気信号が発生する。よって、この電気信号と一次電子ビームαの走査タイミングとを同期させつつ画像形成のための信号処理を行うことによって、配線Mの二次元画像を再生し、テレビジョンモニタ等に表示することができる。
【0039】
このように、この実施例によれば、各電極部材15,16,18の導電層15d,15e,16d,16e,18d,18eを図3に示すように、夫々のベースフィルムの内縁と外縁よりも所定の間隔を隔てて内側に形成することにより耐電圧の向上を図ったので、その分、厚さを増すことによって耐電圧を稼ぐ必要がなくなり、その結果、厚さの薄いMCPアッセンブリを実現することができる。
【0040】
また、可撓性を有する絶縁材をベースフィルムに適用して引出し部15c,16c,18cを成型したので、このMCPアッセンブリより隔たった箇所に設けられている電源ラインや信号ラインに接続する際に、容易に配線のための引き回しを行うことができる結果、種々の産業機器への装着を容易にして設計の自由度を向上させることができるという効果がある。
【0041】
尚、この実施例では、マイクロチャンネルプレート17を適用したMCPアッセンブリについて説明したが、このマイクロチャンネルプレート17の代わりに他の種類の電子増倍素子(例えば、積層型金属ダイノード、荷電粒子増倍用の半導体)や、メッシュ、光電面、蛍光面、複数個の分割型アノードやその他の読み出し素子等を、上記同様の構造を有する電極部材間に介在させる薄型のエネルギー線検出用アッセンブリに適用することもできる。また、前記ポリイミド系樹脂の他に、テフロン、マイカ、ポリカーボネート、アルミナ、マシナブルセラミック、ガラス等の絶縁材料を適用してもよい。
【0042】
また、形状に関しては、この実施例では略円形の場合を示したが、これに限定されるものではなく、矩形状のものやその変形、又はその他各種の形状のものでもよい。また、電子増倍素子は、穴の開いていないものであってもよい。
【0043】
(第2の実施例)
次に、第2の実施例を図8に基づいて説明する。尚、同図において図2と同一または相当する構成要素を同一符号にて示す。この実施例の特徴は、アノード電極部材15と出力電極部材16とマイクロチャンネルプレート17と入力電極部材18及びシールド板20を支持基板11に固着させるための構造にある。即ち、支持基板11に一体に形成された複数箇所の突起部分14と管部13との間に第1の実施例と同様に各部材15〜18を重ね更にシールド板20をその上に重ねた状態で、シールド板20と突起部14を接着剤23にて固着させることによって、各部材15〜18とシールド板20を接着剤23と共に支持基板11に固定している。
【0044】
かかる構造によれば、第1の実施例のようなネジ19が不要であり、更に薄型で外径を小さくしたMCPアッセンブリを実現することができる。また、シールド板20の背面と支持基板11の側面を接着剤23で固着することにより、接着剤23でのチャージアップ効果を防止することができる。また、接着剤23には導電性を有する接着剤を使用してもよい。また、この構造は、MCPアッセンブリに限らず他のエネルギー線検出用アッセンブリにも適用することができる。
【0045】
(第3の実施例)
第3の実施例を図9に基づいて説明する。尚、同図において図8と同一または相当する構成要素を同一符号にて示す。この実施例の特徴は、アノード電極部材15と出力電極部材16とマイクロチャンネルプレート17と入力電極部材18及びシールド板20を支持基板11に固着させるための構造にある。即ち、この実施例では、アノード電極部材15と出力電極部材16と入力電極部材18の円環状の部分15a,16a,18a(図3参照)の外径をマイクロチャンネルプレート17の外径と等しく設計し、突起部14の形成されていない支持基板11に第2の実施例と同様に各部材15〜18を重ねた状態で、これらの各部材15〜18の側縁を接着剤23で固着し、更に、シールド板20をその接着剤23に固着させることによって、各部材15〜18とシールド板20を接着剤23と共に支持基板11に固定している。
【0046】
この実施例によれば、より簡素な製造過程で、更に外径の小さなMCPアッセンブリを製造することが可能となる。更に、シールド板20の外径を大きくしてその裏面を接着剤23で固着することにより、チャージアップ効果を防止することができる。また、この構造は、MCPアッセンブリに限らず他のエネルギー線検出用アッセンブリにも適用することができる。
【0047】
(第4の実施例)
第1〜第3の実施例では、図3に示すように、アノード電極部材15と出力電極部材16と入力電極部材18は、夫々絶縁材から成る薄膜状のベースフィルムに所定パターンの導電層15d,15e,16d,16e,18d,18eを蒸着やメッキ等によって一体に形成されており、かかる一体化された電極部材15,16,18を重ねるようにしているが、これらのベースフィルムと導電層を別体で形成しておき、MCPアッセンブリを組み立てる際に、支持基板11に順次にこれらのベースフィルムと導電層を組み付けることにより、実質的に第1〜第3の実施例と同様の構造のMCPアッセンブリを実現する。この実施例によっても、ベースフィルムと導電層がシールド板で固定されるので、位置ずれ等の問題を生じることが無く、厚さ方向の耐電圧を低下させたり、チャージアップ効果等の問題を生じることなく構成することができる。また、この構造は、MCPアッセンブリに限らず他のエネルギー線検出用アッセンブリにも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、電子増倍素子に接続すべき各電極部材間での耐電圧性を面方向で確保したので、これらの電極部材を薄くすることができ、その結果、全体として薄いエネルギー線検出用アッセンブリを実現することができる。また、外部配線するための引出し部も同様に積層構造にし且つ面方向で耐電圧性を確保するようにしたので薄くすることができ、更に可撓性を有する素材を適用することによって配線等のための引き回しを容易にすることができる。そして、従来の厚さ方向で耐電圧性を確保する構造よりも、本発明によれば、1/2〜1/5程度の薄さを実現することが可能となった。
【0049】
そして、例えば走査電子顕微鏡(SEM)や走査イオン顕微鏡(SIM)、半導体線幅測長器、イオンビーム加工器等の各種産業機器に適用した場合には、走査ビームと被測定対象との間隔を短くすることが可能となるから、所謂動作距離を短くすることができ、測定分解能を向上させることができ、産業機器の精度向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の外観構造を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿った断面構造を示す縦断面図である。
【図3】第1の実施例の各構成要素の要部形状を示すための要部分解斜視図である。
【図4】第1の実施例のアノード電極部材の形状を示す平面図である。
【図5】第1の実施例の出力電極部材の形状を示す平面図である。
【図6】マイクロチャンネルプレートと出力電極部材及び入力電極部材との接続構造を示す部分断面図である。
【図7】電極部材の引出し部の構造を示す要部縦断面図である。
【図8】第2の実施例の構造を示す縦断面図である。
【図9】第3の実施例の構造を示す縦断面図である。
【図10】従来のエネルギー線検出用アッセンブリの構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
11…支持基板、12…貫通穴、13…管部、14…突起部、15…アノード電極部材、16…出力電極部材、17…マイクロチャンネルプレート、18…入力電極部材、15a,16a,18a…環状部分、15b,16b,17a,18b…貫通穴、15c,16c,18c…引出し部、15d,15e,16d,16e,18d,18e…導電層、19…ネジ、20…シールド板、23…接着剤。

Claims (5)

  1. 支持基板と、
    前記支持基板に重ねられ、絶縁材料からなる薄膜状のシートベースに所定パターンの導電層が形成された第1の電極部材と、
    前記第1の電極部材に重ねられ、絶縁材料からなる薄膜状のシートベースに所定パターンの導電層が形成された第2の電極部材と、
    前記第2の電極部材に重ねられる電子増倍素子と、
    前記電子増倍素子に重ねられ、絶縁材料からなる薄膜状のシートベースに所定パターンの導電層が形成された第3の電極部材と、
    前記第1ないし第3の電極部材及び前記電子増倍素子を前記支持基板に固定する固定部材と、を具備し、
    前記第1〜第3の電極部材の各導電層は、前記各シートベースの各側縁よりも内側の部分に形成されることを特徴とするエネルギー線検出用アッセンブリ。
  2. 前記電子増倍素子は、マイクロチャンネルプレート、積層型金属ダイノード、荷電粒子増倍用の半導体のいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー線検出用アッセンブリ。
  3. 前記第1〜第3の電極部材の各シートベースと各導電層は別体に形成され、前記重ね合わせによって一体化される構造であることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー線検出用アッセンブリ。
  4. 前記第1〜第3の電極部材の各シートベースは、ポリイミド系樹脂、テフロン、マイカ、ポリカーボネート、アルミナ、マシナブルセラミック、ガラス等の絶縁材料のいずれかで形成されることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー線検出用アッセンブリ。
  5. 前記第1〜第3の電極部材の夫々には、前記各シートベースと一体に成型され且つ前記各導電層と電気的に接続する導電層が形成されて成る引出し部を有することを特徴とする請求項1に記載のエネルギー線検出用アッセンブリ。
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