JP4689421B2 - 荷電粒子検出装置 - Google Patents

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本発明は、飛行時間型質量分析法等で検出器として用いられ、電子やイオンを検出する荷電粒子検出装置に関する。
高分子の分子量を検出する手法として飛行時間型質量分析法(TOF−MS:Time Of Flight Mass Spectrometry)が知られている。図25は、このTOF−MSの測定法を示す図である。
図25に示されるように、TOF−MSにおいては、真空容器110内の一端に検出器100を配置し、他端にサンプル120が、両者の間に開口を有する電極130が配置される。電極130を接地して、サンプル120に所定の電圧を付与すると、サンプル120から放出されたイオンは、サンプル120と電極130の間に形成される電界によって加速され、検出器100へ衝突する。サンプル120−電極130の間でイオンに与えられる加速エネルギーは、イオン電荷により決定するため、イオン電荷が同一であれば電極130を通過するときの速度はイオンの重量に依存する。電極130−検出器100間においては、イオンは定速で飛行するから、その間のイオンの飛行時間は、速度に逆比例することになる。つまり、この間の飛行時間を求めることでイオンの重量を判定することができる。
この検出器としては、例えば特許文献1に示されるタイプの検出器を用いることができる。図26は、こうした検出器の一例を示す概略断面図である。この検出器100aは、2枚のマイクロチャネルプレート(MCP:Micro Channel Plate)20、21(以下、MCP群2と称する。)を中央に開口を有するIN電極1とOUT電極3で挟み込み、IN電極1の前方にフレーム105に保持された金網状のグリッド電極106を、OUT電極3の後方にアノード電極4を配置し、信号読み出し用のBNC端子(Bayonet Neil-Concelman connector)60のシールド側に導電性の筐体5xを、芯線601側に電極47を接続し、筐体5xとOUT電極3の間、および、電極47とアノード電極4の間にそれぞれ誘電体22、46を配置することでコンデンサを形成したものである。
この検出器100aにおいては、MCP群2に荷電粒子が入射すると、これに応じて多数の電子が放出される。こうして放出された電子がアノード電極4に到達し、電圧または電流変化として電気信号に変換され、芯線601から信号が出力される。この際に、アノード電極4と芯線601との間にコンデンサが形成されているため、検出信号を接地電位で外部に出力することが可能となり、また筐体5xとOUT電極3との間に形成されているコンデンサにより、出力信号の波形歪みやリンギングの発生を抑制することが可能となっている。
特開平6−28997号公報
特許文献1記載の検出器は、超高速電子検出器や光電子増倍管等を主な用途としており、アノード電極4をはじめとする電極への電圧付加状態は所定の状態に維持されている。一方、TOF−MS用の検出器においては、陽イオン検出時と陰イオン検出時とで付与する電圧をその正負を含めて異ならせる必要がある。しかしながら、各電極への電圧印加状態が異なると、それに応じて検出器の検出面近傍に形成される電界も異なってくる可能性がある。形成される電界パターンの違いが大きいと、陽イオン検出時と陰イオン検出時とで飛来してきたイオンの軌跡(飛行軌跡)がこの電界によって変更されるため、検出面へ到達するイオンの個数や飛行時間が変化し、検出特性が異なってしまう。さらに、出力波形も変化するため、一方の極性のイオンの検出に対して十分な波形歪みやリンギング対策を施したとしても他方の極性のイオンの検出においては不十分となる可能性がある。
そこで本発明は、異なる電圧印加状態においても荷電粒子の飛行軌跡を所望の状態に維持できるよう電界パターンを調整した荷電粒子検出装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る荷電粒子検出装置は、MCPと、このMCPの荷電粒子入射面側に配置され、MCPの荷電粒子入射面を露出する開口を有している第1の電極と、MCPをはさんで、MCPの電子出射面側に配置され、MCPの出射面を露出する開口を有している第2の電極と、第2の電極をはさんで、MCPの出射面に対向して配置される第3の電極と、第3の電極に電気的に接続される信号線を有する信号出力部と、前記信号出力部を挿通させるとともに、第3の電極のMCPに対向する面と反対の面側に配置される後方カバーとを有する荷電粒子検出装置において、第1の電極は、MCPに対向する面と反対の面および側面が露出されており、第1の電極と後方カバーの間に配置される構成部品は、第1の電極側からみて第1の電極の側面に対して同一かそれより内側に配置されているものである。
この構成によれば、MCPの荷電粒子入射面側に配置される第1の電極は、荷電粒子入射面側と側面が露出している。そして、第1の電極と後方カバーの間に配置される構成部品は、全て第1の電極の側壁より外側に突出しないように配置されている。このように第1の電極より側壁方向外側および荷電粒子入射面方向に他の電極、導電部品等が配置されていないため、第1の電極周囲に形成される電界パターンが比較的単純化される。
信号出力部の信号線と、第3の電極の間に電気的に接続され、第3の電極と後方カバーの間に配置される第1のコンデンサをさらに備えているこのコンデンサは、検出信号を接地電位で検出器の外部へと出力することを可能としている。
信号出力部は、信号線を包囲するシールド部を有する同軸ケーブルからなり、シールド部と、第2の電極との間に電気的に接続され、MCPと後方カバーの間に配置される第2のコンデンサをさらに備えてい。このコンデンサは出力信号のリンギングを抑制する。そして、第3の電極と、第2のコンデンサを固定・収容する絶縁性基板をさらに備えていると装置構成が簡易化されてよい。あるいは、第2のコンデンサは、各電極を固定する支柱内に配置されているか、支柱を兼ねていてもよい。または、第2のコンデンサは、円筒状に形成され、少なくとも第3の電極の外縁を覆って配置されていてもよい。この場合は、第2のコンデンサがシールドとして機能する。
第1の電極の外径は、後方カバーとの間に配置される他の部材の外径より大きくするとよい。外径を大きくすることで、後方カバーとの間に配置される他の部材を第1の電極の側壁から側方に突出させずに配置することが容易になる。
後方カバーが第1の電極側に突出する円筒部を有しているか、第1の電極が後方カバー側に突出する円筒部を有し、この円筒部内に第1の電極と後方カバーとの間に配置される構成部品を内部に収容するようにしてもよい。このようにすると、構成部品を第1の電極の側壁から側方に突出させずに配置することが容易になるとともに、構成部品を電磁気的にシールドすることができる。
本発明によれば、第1の電極および周囲の電界パターンが単純化されるため、それを調整して異なる電圧印加状態においても荷電粒子の飛行軌跡を所望の状態に維持することができる。これにより、正負いずれに荷電した粒子についても同様の精度で安定した検出を行うことができる。
また、コンデンサを用いることにより、検出信号を接地電位で検出の外部に出力することができるので、出力信号の処理系を簡素化できるとともに、リンギングを抑制することができ、検出精度を向上させる。上述したようなコンデンサの配置方法を用いることで、装置の小型化や製作プロセスの簡略化を実現することができる。
さらに、第2のコンデンサ、第1の電極、後方カバーのいずれかにより構成部品を覆う構成とすることで、これらを電磁気的にシールドして電界の乱れをさらに抑制し、性能を安定させることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係る荷電粒子検出装置の一実施形態を示す断面図であり、図2はその正面図、図3はその背面図である。図4〜図8は、それぞれ図2、図3におけるIV−IV線、V−V線、VI−VI線、VII−VII線、VIII−VIII線の分解断面図である。
この検出装置100においては、MCP群2として2枚の円盤状のMCP20、21を用いており、その荷電粒子入射面(前面)側にIN電極(第1の電極)1が、出射面(後面)側にOUT電極(第2の電極)3がそれぞれ配置され、IN電極1とOUT電極3とでMCP群2を挟み込む構成となっている。
IN電極1は、金属製(例えば、ステンレス製)で中央に開口10を有するドーナツ盤状であり、盤面には軸中心に対して90度ごとに4つの皿ねじ910が挿入される孔11が設けられている。IN電極1の後面には、後方から延びる導電性(例えばステンレス製)で棒状のINリード70が電気的に接続されている。この接続位置は、孔11の隣接する2つの孔11の中間位置に位置することになる。このINリード70は、絶縁性のINリードインシュレータ700に挿入されて保持されるとともに、その他の構成部品とは絶縁されている。INリードインシュレータ700としては、例えば加工性、耐熱性、耐衝撃性、絶縁性に優れたPEEK(PolyEtherEtherKetone)樹脂を用いるとよい。
OUT電極3も、同様に金属製で中央に開口30を有するドーナツ盤状であるが、INリード70を収容するINリードインシュレータ700と接触しないよう、その一部が切りかかれた構造を有している。そして、盤面のIN電極1の孔11に対応する位置には同様の孔31が設けられている。OUT電極3の後面には、後方から延びる導電性(例えばステンレス製)で棒状のOUTリード71が電気的に接続されている。なお、OUTリード71は、正面から見てINリード70を軸中心に対して左回りに90度回転させた位置に配置されている。このOUTリード71もINリード70と同様に、絶縁性、例えばPEEK樹脂製のOUTリードインシュレータ701に挿入されて保持されるとともに、その他の構成部品とは絶縁されている。
なお、IN電極1とOUT電極3に挟まれた孔11、31に対応する位置には、絶縁性のドーナツ盤状のMCPインシュレータ901がそれぞれ配置されている。これらのMCPインシュレータ901は、例えば、PEEK樹脂製であり、その厚みはMCP群2より若干薄めに形成されている。この構成により、IN電極1とOUT電極3でMCP群2を挟み込んだときに、円盤状のMCP20、21の中心がIN電極1とOUT電極3のそれぞれの開口10、30の中心と一致するように精度よく組み立てることができる。
OUT電極3の後方には、所定の間隔をおいてアノード基板40が配置されている。このアノード基板40は、ガラスエポキシ樹脂で成形された円盤の表面および裏面に銅等の金属薄膜で所定のパターンを形成したものであり、表面と裏面のパターンは導通されている。そして、INリード70を収容するINリードインシュレータ700、および、OUTリード71を収容するOUTリードインシュレータ701と接触しないよう、その一部がきり欠かれた構造を有している。また、上述したように間隔をおいて配置するため、アノード基板40には、孔11、31に対応する箇所に孔が設けられるとともに、OUT電極3との間には、ともにドーナツ盤状の導電性の薄板801と絶縁性のインシュレータ902とが配置されている。薄板801としては、延性に優れた部材を用いるとよく、例えば、りん青銅板に金または銅メッキをほどこした部材を用いるとよい。また、インシュレータ902としては、例えばPEEK樹脂を用いることができる。
表面、裏面に形成されるパターンのうち表面のパターンは円形であり、OUT電極3の開口30と形状が一致する円形であって、開口30と表面パターンとは同軸に配置される。一方、裏面のパターンは、中心から径方向の一方に延びる概ね線状のパターンであり、外側の端部には後方から延びる導電性(例えばステンレス製)で棒状のアノードリード72が電気的に接続されている。なお、アノードリード72は、正面から見てOUTリード71を軸中心に対して左回りに90度回転させた位置に配置されている。つまり、INリード70とは軸中心に対して対称な位置に配置されることになる。このアノードリード72も、INリード70、OUTリード71と同様に、絶縁性、例えばPEEK樹脂製のアノードリードインシュレータ702に挿入されて保持されるとともに、その他の構成部品とは絶縁されている。
裏面のパターンの中央には、銅製のアノード端子41がねじ43により接続されている。このアノード端子41とアノード基板40によりアノード電極(第3の電極)4を構成している。また、裏面のパターン上には、チップ抵抗42が配置されている。
アノード電極4の後方には、後方カバー5が配置される。この後方カバー5は、ドーナツ盤状の基板50と円筒部51と、同じくドーナツ盤状の基板52からなり、基板50、52間に挟み込まれ、ねじ920、930によって固定される円筒部51により、基板50の内周と基板52の外周とを接続することで、深皿状の部材として構成される。基板50、52、円筒部51はいずれも金属製(例えばステンレス製)であり、基板50には、ねじ孔503が設けられており、アノード電極4の背面にインシュレータ903と薄板802をはさんで後方カバー5を配置し、このねじ孔503にねじ910を締結することにより各電極1、3、4とMCP群2を後方カバー5に固定する。薄板802としては、薄板801と同様の部材を用いるとよい。インシュレータ903には、例えばPEEK樹脂を用いることができる。また、基板50には、各リードインシュレータ700〜702が挿入される孔を有している。
基板52の中央には、ねじ940により、信号出力部であるBNC端子6が接続されている。BNC端子6の外側600は、後方カバー5の基板50に電気的に接続される。一方、BNC端子6の内側の芯線601は、アノード端子41にコンデンサ(第1のコンデンサ)62を介して接続されている。このコンデンサ62には、出力を絶縁することで、信号出力レベルをGNDレベルとする機能も有している。
また、前述した薄板801と802の間には、コンデンサ(第2のコンデンサ)80が接続される。コンデンサ80は、周方向で等間隔離れて計4つ取り付けられている。これらのコンデンサ80は、基板50とOUT電極3の間に取り付けられることになる。
ここで、IN電極1は、MCP群2に対向する面と反対の面および側面が全て露出されており、IN電極1と後方カバー5の間に配置される部材のうち、MCP群2、OUT電極3、アノード電極4はいずれもIN電極1より外径が小さく、その他の部材(コンデンサ62、80等)も正面(IN電極1側、荷電粒子入射方向)から見てIN電極1の側壁より内側に位置するよう配置されている。構成部材のうちIN電極1の側壁より外側に突出しているのは後方カバー5の基板50のみである。
図9は、この検出装置100の等価回路図である。測定時には、BNC端子6の芯線601側、外側の両方の電位を接地電位とし、陰イオン測定時には、リード70〜72に、正電圧を印加する。このとき、リード70〜72にそれぞれ供給する電圧V〜Vの関係は、0<V<V<Vとする。逆に陽イオン測定時には、リード70〜72に、負電圧を印加する。このとき、リード70〜72にそれぞれ供給する電圧V〜Vの関係は、V<V<V<0とする。また、V−V、V−Vの電位差は陰イオン測定時と陽イオン測定時で同一の値に設定される。
本検出装置100と従来の検出器とで検出を行った場合の出力信号波形を比較して図10に示す。図10(a)は検出装置100における陰イオン検出時の出力信号波形であり、図10(b)は従来の検出器における陰イオン検出時の出力信号波形である。図10(b)に示されるように従来の検出器では、A部分にリンギングが発生することがあったが、本検出装置では、図10(a)に示されるようにリンギングの発生を抑制し、波形の歪みを抑制することができることがわかった。リンギング抑制に、コンデンサを配置すること自体は従来から行われており、本比較における従来の検出器にもリンギング抑制用のコンデンサは配置されている。しかしながら、本検出装置100においては、信号出力ライン上に配置するコンデンサ62とOUT電極3とシールドラインとの間に配置するコンデンサ80を設け、両者を電極に近接して配置しているので、電極のリアクタンス成分によりコンデンサ効果が減殺されることがなく、十分なリンギング抑制効果を発揮している。
図11〜図14は、従来の検出器と本検出装置100において形成される電界を比較した図である。図11、図12が従来の検出器において、図13、図14がこの検出装置100において形成される電界を示しており、このうち、図11、図13が陽イオン検出時、図12、図14が陰イオン検出時に形成される電界を示している。
従来の検出器においては、図11、図12に示されるように、陽イオン検出時と陰イオン検出時とで形成される電界のパターンが大きく異なっている。検出器に向かって飛来してきたイオンの軌跡は、形成される電界パターンにより影響を受けるが、陽イオン検出時と陰イオン検出時とで形成される電界のパターンが異なることにより、軌跡が受ける影響も異なってくるため、検出面近傍における軌跡が異なってしまう。この結果、陽イオン検出時と陰イオン検出時とで検出器の検出特性が異なることになる。
これに対して、検出装置100においては、図13、図14に示されるように、陽イオン検出時と陰イオン検出時とで形成される電界のパターンをほぼ同様にすることができた。この結果、陽イオン検出時と陰イオン検出時とで検出器に向かって飛来してきたイオンが、形成される電界パターンにより受ける影響をほぼ等しくすることができるので、陽イオン検出時と陰イオン検出時とで検出器の検出特性も略同等になる。
従来の検出器では、最前面に接地されている部位があることから、後方の電位によって側方や前面に漏れだす電界の形状が異なってしまう。これがイオンの飛行軌跡に影響を及ぼしてしまうことになる。これに対して、本検出装置100においては、IN電極1のMCP群2に対向する面と反対の面および側面が全て露出され、最も前面に位置するIN電極1より径方向外側に他の電極3、4が突出しないよう配置することで、側方や前面への電界の漏れや乱れを抑えている。さらに、IN電極1が高電圧でフローティングされているため、質量数の高いイオンの検出も可能となるという効果も得られる。
また、リンギング抑制用のコンデンサ80もIN電極1の外径より内側に配置されているので、形成される電界の乱れを生じさせることがなく、検出効率を向上させる効果も得られる。
図15、図16は、本発明に係る荷電粒子検出装置の第2の実施形態を示す正面図およびXVI−XVI線断面図である。この実施形態では、第1の実施形態におけるコンデンサ80(電極としての薄板801、802を含む)に代えて円筒状のコンデンサ81を用いている点が相違する。円筒状のコンデンサ81は、側壁は絶縁され、両端面がそれぞれ電極として機能する。このコンデンサ81は、アノード電極4(アノード基板40)の孔およびアノード電極4と後方カバー5の間に配置される絶縁性の円筒状のインシュレータ904の孔内に挿入され、両端面をOUT電極3と後方カバー5に接触させた状態でねじ910により固定されることで、OUT電極3と後方カバー5の間に電気的に接続される。
リンギング抑制用のコンデンサを円筒状に形成し、支柱としての機能を兼用することで、このコンデンサの配置が容易になり、装置のコンパクト化と、製造プロセスの簡略化を実現できる。
図17、図18は、この第2の実施形態の変形例であり、それぞれ図15におけるXVII−XVII線断面、XVIII−XVIII線断面に対応する断面図である。図17に示される変形例においては、薄い円筒(円盤)状のコンデンサ905を用い、そのアノード電極4、後方カバー5側の端面のアノード電極4との導通を遮断しつつ、後方カバー5との導通を確保するため、アノード電極4の孔にアノード電極4に接触する側が絶縁性で、反対側の両露出面が導体(例えば金属箔)で形成された部材906を配置するとともに、インシュレータ904に代えて円筒状の導体907を配置している。この変形例においても上述した第2の実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
図18に示される変形例においては、図17に示される変形例におけるコンデンサ905に代えて、導電性の薄板908と誘電体性の薄板909とを用いて、薄板909を薄板908と部材906の導体とで挟み込むことで、コンデンサ機能を実現している。この変形例においても上述した第2の実施形態および変形例と同様の作用・効果を得ることができる。
図19、図20は、本発明に係る荷電粒子検出装置の第3の実施形態を示す正面図およびXX−XX線断面図である。この実施形態では、第1の実施形態におけるコンデンサ80(電極としての薄板801、802を含む)に代えて円筒状のコンデンサ33を用いている点が相違する。この円筒状のコンデンサ33は、第2の実施形態における円筒状のコンデンサ81と異なり、その外周がOUT電極3と略同等であり、内周は、アノード電極4のアノード基板40の外径より大きく、アノード基板40およびインシュレータ903を内部に収容している。
この構成により、第2の実施形態と同様にリンギング抑制用のコンデンサを容易に配置することができるとともに、コンデンサ33が後方カバー5とともにアノード電極4と信号出力部であるBNC端子6との間を外側から覆う形となり、電磁的なシールドとして機能するので、アノード電極4〜BNC端子6間への疑似信号の入射を抑制し、出力特性を向上させる効果も得られる。もちろん、上述した第1の実施形態、第2の実施形態と同様の作用・効果も得られる。
図21、図22は、本発明に係る荷電粒子検出装置の第4の実施形態を示す正面図およびXXII−XXII線断面図である。この実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様の構成を有している。ここでは、コンデンサ62、80については図示を省略している。本実施形態と第1の実施形態との相違点は、IN電極1を円盤状ではなく、背面側が開いた箱型の形状として、MCP群2、OUT電極3、アノード基板40等の後方カバー5までの間に配置される構成部品を側壁15によって包囲される空間16内に収容している点にある。
このように、構成することで、側壁15がシールド部として機能し、形成される電界に対する外部からの影響を抑制することができ、検出性能を向上させる効果が得られる。
図23、図24は、第4の実施形態の変形例を示す正面図およびXXIV−XXIV線断面図である。この変形例では、IN電極1は第1の実施形態と変更なく、後方カバー5の基板50に前方に突出する側壁505を設け、これに包囲される空間506内にIN電極1との間に配置される構成部品(MCP群2、OUT電極3、アノード基板40等)を収容している点が相違している。つまり、IN電極1の側壁15に代えて後方カバー5の基板50の側壁505をシールド部として機能させている。この形態によっても第4の実施形態と同様の作用・効果が得られる。
以上説明した実施形態においては、MCP群2として2枚のMCPを用いているが、検出器の用途に応じて任意の枚数(1枚または3枚以上でもよい。)のMCPを用いる構成とすることが可能である。また、信号出力部としてBNC端子6を用いているが、その他の出力端子を用いてもよく、または、同軸ケーブルで出力する形式であってもよい。また、各リード70〜72として金属棒を用いる形態を説明したが、同軸ケーブルやその他の導線を用いる形態としてもよい。
本発明に係る荷電粒子検出装置の一実施形態を示す断面図である。 図1の荷電粒子検出装置の正面図である。 図1の荷電粒子検出装置の背面図である。 図2、図3におけるIV−IV線分解断面図である。 図2、図3におけるV−V線分解断面図である。 図2、図3におけるVI−VI線分解断面図である。 図2、図3におけるVII−VII線分解断面図である。 図2、図3におけるVIII−VIII線分解断面図である。 図1〜図8に示す検出装置の等価回路図である。 図1〜図9に示す検出装置100と従来の検出器とで検出を行った場合の出力信号波形を比較して示す図である。 従来の検出器において陽イオン検出時に形成される電界を示す図である。 従来の検出器において陰イオン検出時に形成される電界を示す図である。 本検出装置において陽イオン検出時に形成される電界を示す図である。 本検出装置において陰イオン検出時に形成される電界を示す図である。 本発明に係る荷電粒子検出装置の第2の実施形態を示す正面図である。 図15のXVI−XVI線断面図である。 第2実施形態の変形例における図15のXVII−XVII線断面に相当する断面図である。 第2実施形態の変形例における図15のXVIII−XVIII線断面に相当する断面図である。 本発明に係る荷電粒子検出装置の第3の実施形態を示す正面図である。 図19のXX−XX線断面図である。 本発明に係る荷電粒子検出装置の第4の実施形態を示す正面図である。 図21のXXII−XXII線断面図である。 第4の実施形態の変形例を示す正面図である。 図23のXXIV−XXIV線断面図である。 TOF−MSの測定法を示す図である。 図25の測定に用いる検出器の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1…IN電極、2…MCP群、3…OUT電極、4…アノード電極、5…後方カバー、5x…筐体、6…BNC端子、10…開口、11…孔、15…側壁、16…空間、30…開口、31…孔、32…誘電体、33、62,80、81、905…コンデンサ、40…アノード基板、41…アノード端子、42…チップ抵抗、47…電極、50、52…基板、51…円筒部、70〜72…リード、100…検出器、105…フレーム、106…グリッド電極、110…真空容器、120…サンプル、130…電極、503…孔、505…側壁、506…空間、601…芯線、700〜702…リードインシュレータ、801、802…薄板、901〜904…インシュレータ、906…部材、907…導体、908、909…薄板。

Claims (8)

  1. マイクロチャネルプレートと、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子入射面側に配置され、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子入射面を露出する開口を有している第1の電極と、前記マイクロチャネルプレートをはさんで、前記マイクロチャネルプレートの電子出射面側に配置され、前記マイクロチャネルプレートの出射面を露出する開口を有している第2の電極と、前記第2の電極をはさんで、前記マイクロチャネルプレートの出射面に対向して配置される第3の電極と、前記第3の電極に電気的に接続される信号線を有する信号出力部と、前記信号出力部を挿通させるとともに、前記第3の電極の前記マイクロチャネルプレートに対向する面と反対の面側に配置される後方カバーとを有する荷電粒子検出装置において、
    前記第1の電極は、前記マイクロチャネルプレートに対向する面と反対の面および側面が露出されており、前記第1の電極と前記後方カバーの間に配置される構成部品は、前記第1の電極側からみて前記第1の電極の側面に対して同一かそれより内側に配置されているとともに、前記信号出力部は、信号線を包囲するシールド部を有する同軸ケーブルからなり、
    前記信号出力部の信号線と、前記第3の電極の間に電気的に接続され、前記第3の電極と前記後方カバーの間に配置される第1のコンデンサと、
    前記シールド部と、前記第2の電極との間に電気的に接続され、前記マイクロチャネルプレートと前記後方カバーの間の前記第1の電極の側壁よりも内側に配置される第2のコンデンサをさらに備えていることを特徴とする荷電粒子検出装置。
  2. 前記第3の電極と、前記第2のコンデンサを固定・収容する絶縁性基板をさらに備えていることを特徴とする請求項記載の荷電粒子検出装置。
  3. 前記第2のコンデンサは、前記各電極を固定する支柱内に配置されていることを特徴とする請求項記載の荷電粒子検出装置。
  4. 前記第2のコンデンサは、前記各電極を固定する支柱を兼ねることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子検出装置。
  5. 前記第2のコンデンサは、円筒状に形成され、少なくとも前記第3の電極の外縁を覆って配置されていることを特徴とする請求項記載の荷電粒子検出装置。
  6. 前記第1の電極の外径は、前記後方カバーとの間に配置される他の部材の外径より大きいことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の荷電粒子検出装置。
  7. 前記後方カバーは、前記第1の電極側に突出し、前記第1の電極との間に配置される構成部品を内部に収容する円筒部を有していることを特徴とする請求項記載の荷電粒子検出装置。
  8. 前記第1の電極は、前記後方カバー側に突出し、前記後方カバーとの間に配置される構成部品を内部に収容する円筒部を有していることを特徴とする請求項記載の荷電粒子検出装置。
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