JP5049174B2 - 飛行時間型質量分析装置及びそれに用いられる荷電粒子検出装置 - Google Patents

飛行時間型質量分析装置及びそれに用いられる荷電粒子検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、イオン化した試料の検出器までの飛行時間に基づいて試料イオンの質量を測定する飛行時間型質量分析装置、及び、それに用いられる荷電粒子検出装置に関する。
試料をイオン化させて、その飛行時間の差異に基づいて質量分析を行う飛行時間(TOF:Time Of Flight)型質量分析装置(MS:Mass Spectrometer)が知られている。代表的なTOF−MSとしては、特許文献1に開示されているタイプの装置が知られている。
TOF−MSにおいては、図19に示されるように、真空容器110内の一端に検出器100を配置し、他端にサンプル120を、両者の間に開口を有する電極130を配置する。電極130を接地して、サンプル120に所定の電圧を付与すると、サンプル120から放出されたイオンは、サンプル120と電極130の間に形成される電界によって加速され、検出器100へ衝突する。サンプル120−電極130の間でイオンに与えられる加速エネルギーは、イオン電荷により決定するため、イオン電荷が同一であれば電極130を通過するときの速度はイオンの重量に依存する。電極130−検出器100間においては、イオンは定速で飛行するから、その間のイオンの飛行時間は、速度に逆比例することになる。つまり、この間の飛行時間を求めることでイオンの重量を判定することができる。
その検出器100としては、特許文献2〜4に開示されているタイプの検出器を用いることができる。基本的な等価回路図を図20に示す。この検出器100は、2枚の円盤状のマイクロチャネルプレート(MCP)20、21をMCP群2として用い、その荷電粒子入射面側にIN電極1を、出射面側にOUT電極3がそれぞれ配置され、IN電極1とOUT電極3とでMCP群2を挟み込む構成となっている。OUT電極3の後方には、所定の間隔をおいてアノード基板40が配置されている。特許文献2〜4に開示されている検出器100においては、このアノード基板40に機械的に接続されるフランジを用いてTOF−MS等の検出装置に固定を行っている。
特表2001−503196号公報 登録実用新案第3132425号公報 米国特許5770858号明細書 特開2007−87885号公報
TOF−MSにおいて、その質量分解能力を向上させるためには、検出器100のMCP群2の入射面をより一層平坦化するとともに、装置のイオン光軸に対して垂直に維持することが重要である。ところが、従来の構成によれば、アノード基板40にさらに機械的に接続されるフランジを用いて装置本体への固定を行っていたため、MCP群2の入射面を上記光軸に対して垂直に維持するためには微妙な調整を必要とし、その精度を確保することが困難であった。
そこで本発明は、装置のイオン光軸に対するMCPの入射面の精度を確保して質量分解能力を向上させたTOF−MSおよびそれに用いられる荷電粒子検出装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るTOF−MS用の荷電粒子検出装置は、イオン飛行領域を備える装置筐体内に、このイオン飛行領域を飛行したイオンを検出する荷電粒子検出装置を配置した飛行時間型質量分析装置で用いられる荷電粒子検出装置において、MCPと、MCPの荷電粒子入射面側に配置され、MCPの荷電粒子入射面を露出する開口を有している第1の電極と、MCPをはさんで、MCPの荷電粒子出射面側に配置され、MCPの荷電粒子出射面を露出する開口を有している第2の電極と、第2の電極をはさんで、MCPの荷電粒子出射面に対向して配置される第3の電極と、第3の電極のMCPに対向する面と反対の面側に配置される後方カバーとを有し、第1の電極は、装置筐体に固定されるフランジ部を備え、このフランジ部は、MCPの荷電粒子出射面側からみて後方カバーを含む後方カバーと第1の電極の間に配置されている構成部品より外側に突出して設けられていることを特徴とする。そして、本発明に係るTOF−MSは、この荷電粒子検出装置を備えているものである。
すなわち、本発明によれば、荷電粒子検出装置は、第1の電極に装置筐体に固定されるフランジ部を備えることになる。このフランジ部と装置筐体との間に絶縁体を配置していると好ましい。また、フランジ部を装置筐体に固定する電気絶縁性のネジ部材を備えているとよい。
荷電粒子検出装置は、フランジ部のMCPに向かう面もしくはその反対側の面を装置筐体に設けられた固定壁面に向けて固定されているとよい。
本発明に係るTOF−MSのMCPは、第1の電極と第2の電極とに挟まれて固定されるが、MCPを含む荷電粒子検出装置は、第1の電極に設けたフランジ部を用いてTOF−MSの筐体に固定されているので、MCP入射面と装置筐体の取り付け面との間に介在する部材が減り、両者の位置精度を確保することが容易になり、装置のイオン光軸に対するMCPの入射面の精度を確保することができるので、その結果、質量分解能力が向上する。
取り付けを行う装置筐体と第1の電極との間に電位差がある場合には、両者の間に絶縁体を配置することが好ましい。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係るTOF−MSに用いられる荷電粒子検出装置の一実施形態を示す断面図であり、図2はその正面図、図3はその背面図である。図4〜図8は、それぞれ図2、図3におけるIV−IV線、V−V線、VI−VI線、VII−VII線、VIII−VIII線の分解断面図である。
この検出装置100においては、MCP群2として2枚の円盤状のMCP20、21を用いており、その荷電粒子入射面(前面)側にIN電極(第1の電極)1が、出射面(後面)側にOUT電極(第2の電極)3がそれぞれ配置され、IN電極1とOUT電極3とでMCP群2を挟み込む構成となっている。
IN電極1は、金属製(例えば、ステンレス製)で中央に開口10を有するドーナツ盤状であり、盤面には軸中心に対して90度ごとに4つの皿ねじ910が挿入される孔11が設けられている。IN電極1の外周には、TOF−MSの装置筐体に本検出装置100を固定する際のねじが挿入される孔15が形成されている。IN電極1の後面には、後方から延びる導電性(例えばステンレス製)で棒状のINリード70が電気的に接続されている。この接続位置は、孔11の隣接する2つの孔11の中間位置に位置することになる。このINリード70は、絶縁性のINリードインシュレータ700に挿入されて保持されるとともに、その他の構成部品とは絶縁されている。INリードインシュレータ700としては、例えば加工性、耐熱性、耐衝撃性、絶縁性に優れたPEEK(PolyEtherEtherKetone)樹脂を用いるとよい。
OUT電極3も、同様に金属製で中央に開口30を有するドーナツ盤状であるが、INリード70を収容するINリードインシュレータ700と接触しないよう、その一部が切りかかれた構造を有している。そして、盤面のIN電極1の孔11に対応する位置には同様の孔31が設けられている。OUT電極3の後面には、後方から延びる導電性(例えばステンレス製)で棒状のOUTリード71が電気的に接続されている。なお、OUTリード71は、正面から見てINリード70を軸中心に対して左回りに90度回転させた位置に配置されている。このOUTリード71もINリード70と同様に、絶縁性、例えばPEEK樹脂製のOUTリードインシュレータ701に挿入されて保持されるとともに、その他の構成部品とは絶縁されている。
なお、IN電極1とOUT電極3に挟まれた孔11、31に対応する位置には、絶縁性のドーナツ盤状のMCPインシュレータ901がそれぞれ配置されている。これらのMCPインシュレータ901は、例えば、PEEK樹脂製であり、その厚みはMCP群2より若干薄めに形成されている。この構成により、IN電極1とOUT電極3でMCP群2を挟み込んだときに、円盤状のMCP20、21の中心がIN電極1とOUT電極3のそれぞれの開口10、30の中心と一致するように精度よく組み立てることができる。
OUT電極3の後方には、所定の間隔をおいてアノード基板40が配置されている。このアノード基板40は、ガラスエポキシ樹脂で成形された円盤の表面および裏面に銅等の金属薄膜で所定のパターンを形成したものであり、表面と裏面のパターンは導通されている。そして、INリード70を収容するINリードインシュレータ700、および、OUTリード71を収容するOUTリードインシュレータ701と接触しないよう、その一部がきり欠かれた構造を有している。また、上述したように間隔をおいて配置するため、アノード基板40には、孔11、31に対応する箇所に孔が設けられるとともに、OUT電極3との間には、ともにドーナツ盤状の導電性の薄板801と絶縁性のインシュレータ902とが配置されている。薄板801としては、延性に優れた部材を用いるとよく、例えば、りん青銅板に金または銅メッキをほどこした部材を用いるとよい。また、インシュレータ902としては、例えばPEEK樹脂を用いることができる。
表面、裏面に形成されるパターンのうち表面のパターンは円形であり、OUT電極3の開口30と形状が一致する円形であって、開口30と表面パターンとは同軸に配置される。一方、裏面のパターンは、中心から径方向の一方に延びる概ね線状のパターンであり、外側の端部には後方から延びる導電性(例えばステンレス製)で棒状のアノードリード72が電気的に接続されている。なお、アノードリード72は、正面から見てOUTリード71を軸中心に対して左回りに90度回転させた位置に配置されている。つまり、INリード70とは軸中心に対して対称な位置に配置されることになる。このアノードリード72も、INリード70、OUTリード71と同様に、絶縁性、例えばPEEK樹脂製のアノードリードインシュレータ702に挿入されて保持されるとともに、その他の構成部品とは絶縁されている。
裏面のパターンの中央には、銅製のアノード端子41がねじ43により接続されている。このアノード端子41とアノード基板40によりアノード電極(第3の電極)4を構成している。また、裏面のパターン上には、チップ抵抗42が配置されている。
アノード電極4の後方には、後方カバー5が配置される。この後方カバー5は、ドーナツ盤状の基板50と円筒部51と、同じくドーナツ盤状の基板52からなり、基板50、52間に挟み込まれ、ねじ920、930によって固定される円筒部51により、基板50の内周と基板52の外周とを接続することで、深皿状の部材として構成される。基板50、52、円筒部51はいずれも金属製(例えばステンレス製)であり、基板50には、ねじ孔503が設けられており、アノード電極4の背面にインシュレータ903と薄板802をはさんで後方カバー5を配置し、このねじ孔503にねじ910を締結することにより各電極1、3、4とMCP群2を後方カバー5に固定する。薄板802としては、薄板801と同様の部材を用いるとよい。インシュレータ903には、例えばPEEK樹脂を用いることができる。また、基板50には、各リードインシュレータ700〜702が挿入される孔を有している。
基板52の中央には、ねじ940により、信号出力部であるBNC端子6が接続されている。BNC端子6の外側600は、後方カバー5の基板50に電気的に接続される。一方、BNC端子6の内側の芯線601は、アノード端子41にコンデンサ(第1のコンデンサ)62を介して接続されている。このコンデンサ62には、出力を絶縁することで、信号出力レベルをGNDレベルとする機能も有している。
また、前述した薄板801と802の間には、コンデンサ(第2のコンデンサ)80が接続される。コンデンサ80は、周方向で等間隔離れて計4つ取り付けられている。これらのコンデンサ80は、基板50とOUT電極3の間に取り付けられることになる。
ここで、IN電極1は、MCP群2に対向する面と反対の面および側面が全て露出されており、IN電極1と後方カバー5の間に配置される部材(MCP群2、OUT電極3、アノード電極4、)は、後方カバー5を含めて、いずれもIN電極1より外径が小さく、その他の部材(コンデンサ62、80等)も正面(IN電極1側、荷電粒子入射方向)から見てIN電極1の側壁より内側に位置するよう配置されている。構成部材のうち後方カバー5の基板50の側壁より外側に突出しているのはIN電極1のみであり、この突出部分に上記孔15が形成されている。この突出部分が後述するフランジ部に該当する。
本検出装置100は、図20に示される等価回路図と同様の回路を有する。測定時には、BNC端子6の芯線601側、外側の両方の電位を接地電位とし、陰イオン測定時には、リード70〜72に、正電圧を印加する。このとき、リード70〜72にそれぞれ供給する電圧V1〜V3の関係は、0<V1<V2<V3とする。逆に陽イオン測定時には、リード70〜72に、負電圧を印加する。このとき、リード70〜72にそれぞれ供給する電圧V1〜V3の関係は、V1<V2<V3<0とする。また、V2−V1、V3−V2の電位差は陰イオン測定時と陽イオン測定時で同一の値に設定される。
図9は、この荷電粒子検出装置を検出器227として採用したTOF−MS200の概略図である。
このTOF−MS200は、真空状態に維持される4つの減圧チャンバー206、209、213、218を接続した構成となっており、各減圧チャンバー206、209、213、218は、ポンプ207、210、214、219を備える。第1減圧チャンバー206の前段には、オリフィス205を先端に有するサンプリングコーン204をはさんで試料のプラズマを作成する高周波誘導結合形熱プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)トーチ202が配置されており、そこで生成されたプラズマ203がオリフィス205から第1減圧チャンバー206に導入される。
第1減圧チャンバー206と後段の第2減圧チャンバー209とは、スキマー208により接続される。第2減圧チャンバー209と、後段の第3減圧チャンバー213とは、円錐状摘出レンズ212をはさんで接続される。第3減圧チャンバー209内には、プラズマ化したイオンを後段の第4減圧チャンバー218へと導入する6極ロッド・アッセンブリ215が配置される。第3減圧チャンバー213と第4減圧チャンバー218とは、壁部217で隔てられ、オリフィス216により接続されている。
ICPトーチ202で生成されたプラズマ203内に試料に特有のイオンが生成され、イオンは、軸線211上を通過して第4減圧チャンバー218内に導かれる。第4減圧チャンバー218内には、軸線211上に静電集束レンズ220、イオン推進器221が配置され、イオン推進器に対向する下端に静電イオンミラー226が配置され、これと対向する上端にイオン検出器227が配置される。イオン推進器221は、パルス発生器222によりパルス上に試料イオンを射出し、イオンは静電イオンミラー226で反射されることで弾道223上を飛行してイオン検出器227へ到達する。イオンが飛行する領域224をドリフト領域と称する。イオン検出器227には、アンプ228と高電圧供給電源231が接続され、これらはクロック生成器229に接続されて、パルス発生器222の作動を制御する。装置の制御装置としては、ディジタル・コンピュータ230が用いられる。
この装置においては、軸線225に対して検出器227の入力面及び装置の検出器227固定面の垂直度が保たれることが質量分解能向上には重要である。
図10は、上述した検出器100のTOF−MS筐体への固定の様子を示す図である。図10に示される実施形態では、検出器100のIN電極1の外周のフランジ部に設けた孔(上述の孔15)に差し込んで貫通させたネジ911を筐体壁面300に設けたネジ孔302に固定することで、検出器100の筐体への固定を行う。この実施形態では、筐体の孔301を通過した荷電粒子を検出器100で検出する。本実施形態では、IN電極1の両面の平行度を確保しておくことで、イオン飛行領域に対して所定の位置精度を備える筐体壁面300と検出器100のMCP入射面との平行度を確保することができる。その結果、MCP入射面を所望の軸線に対して垂直に保つことが容易になり、質量分解能向上に役立つ。
図11は、TOF−MS筐体への固定方法の異なる態様を示す図である。この実施形態では、筐体壁面310と検出器100のIN電極1の外周のフランジ部との間に絶縁体からなるリング315を配置している点が相違し、IN電極1を貫通したネジ911aを筐体壁面310に設けられたネジ孔312に固定して検出器100の筐体への固定を行う点は共通する。図12(a)は、このリング315の形状を示したものであり、中央に荷電粒子が通過する円形の開口を有し、リング本体には、ネジ911aが貫通する孔を有している。リング315に代えて、図12(b)に示されるように、中央にネジ911aが貫通する孔を有する円筒状のスペーサ316を各ネジ911aに対応させて配置してもよい。この場合、ネジ911aとしてはPEEKなどの絶縁体を使用する。IN電極1と筐体壁面310とで電位差がある場合には、このように間に絶縁体を配置するとよい。
図13は、図10または図11の手法で検出器100を取り付けたTOF−MSの概略図である。このTOF−MS250の真空容器を構成する筐体251は、内部で3つのチャンバー252a、252b、252cに分かれており、試料面Aに試料を配置し、そこから軸線に沿って進行したイオンをリニア検出器100aで検出する一方、ここで反転したイオンをリフレクトロン検出器100bで検出するものである。この構成の場合には、試料面Aと、リニア検出器100aの取付面B、試料面Aと、リフレクトロン検出器100bの取付面Cの各平行性を保持することで、各検出器の100a、100bの入射面の精度を維持することが容易になる。
図14は、検出器100のTOF−MS筐体への固定の異なる形態を示す図である。この実施形態では、検出器100の荷電粒子入射面を筐体壁面320とは逆の向きに向けて固定する点で図10に示される形態と相違する。筐体壁面320からは、円筒状あるいは角筒状のイオン飛行領域に対して所定の位置精度を備える固定壁325が突出しており、検出器100はその内部に収容され、固定壁325の先端に設けられたネジ孔にIN電極1を貫通したネジ911をねじ込むことで検出器100が固定される。筐体壁面320には、検出器100へ電源を供給するためのケーブルや信号出力ケーブルを通すための孔321、322が設けられている。筐体作成時に、筐体壁面320の表面Bと固定壁325の先端面B’との平行性を精度よく製造することで、MCP入射面を所望の軸線に対して垂直に保つことが容易になり、質量分解能向上に役立つ。
図15は、検出器100のTOF−MS筐体への固定のさらに異なる形態を示す図である。この実施形態では、図14の実施形態と異なり、固定壁345への検出器100の固定に際し、図12(b)に示されるようなスペーサ346を用いた点と、固定壁345が筐体壁面330から直接突出しているのではなく、固定壁340の反対側の端面に固定されて固定壁340の側壁より外側に突出している円板状ないし矩形板上のフランジ壁340を設け、これを筐体壁面330にネジ344によりネジ止めして固定している点が相違する。ここで、フランジ壁340と筐体壁面330の間にシール341を設けることで、フランジ壁340と筐体壁面330の間から空気が侵入して、真空性が劣化するのを防止している。この実施形態においても、図14の検出器と同様の効果が得られる。さらに、検出器100の交換・保守が容易になる。なお、これら3つのチャンバー252a、252b、252cにより真空容器を構成している。
図16は、図14または図15の手法で検出器100を取り付けたTOF−MSの概略図である。筐体自体は、図13に示されるTOF−MSと同様の構成である。この構成の場合には、試料面Aと、リニア検出器100cの取付面B及びB’、試料面Aと、リフレクトロン検出器100dの取付面C及びC’の各平行性を保持することで、各検出器の100c、100dの入射面の精度を維持することが容易になる。
図17に示されるTOF−MS260の真空容器を構成する筐体261は、内部で3つのチャンバー262、263、264に分かれている点は、図13に示される実施形態と共通し、リニア検出器100e、リフレクトロン検出器100fの配置位置がチャンバーの連結方向ではなく、これに直交する方向で対向している点が相違する。この構成の場合には、試料面A’と、リニア検出器100eの取付面B、試料面A’と、リフレクトロン検出器100fの取付面Cの各平行性を保持することで、各検出器の100e、100fの入射面の精度を維持することが容易になる。
図18に示されるTOF−MS260は、チャンバーの構成は、図17に示される形態と同様であり、検出器100g、100hの取付手法は、図16に示される形態と共通する。この構成の場合も、試料面A’と、リニア検出器100gの取付面B及びB’、試料面A’と、リフレクトロン検出器100hの取付面C及びC’の各平行性を保持することで、各検出器の100g、100hの入射面の精度を維持することが容易になる。なお、これら3つのチャンバー262、263、264により真空容器を構成している。
本発明に係るTOF−MSは、上記形態に限られず、検出器100の設置箇所は必要に応じて変更することができる。上述した構成の荷電粒子検出装置を検出器として用いることで、所望の荷電粒子の入射軸線に対して、荷電粒子検出装置の入射面の直交性を保つよう保持することが容易になる。
以上説明した実施形態においては、MCP群2として2枚のMCPを用いているが、検出器の用途に応じて任意の枚数(1枚または3枚以上でもよい。)のMCPを用いる構成とすることが可能である。また、信号出力部としてBNC端子6を用いているが、その他の出力端子を用いてもよく、または、同軸ケーブルで出力する形式であってもよい。また、各リード70〜72として金属棒を用いる形態を説明したが、同軸ケーブルやその他の導線を用いる形態としてもよい。
また、以上の説明では、荷電粒子検出装置の装置筐体への固定には、装置筐体側へ雌ねじを設けて荷電粒子検出装置側に設けた貫通孔を貫通させた雄ねじにより固定する形態を説明したが、固定はこれに限られるものではなく、例えば、荷電粒子検出装置側に雌ねじを設けたり、荷電粒子検出装置と装置筐体の双方に貫通孔を設け、ボルトとナットを用いて固定してもよく、両者に爪を設けて嵌合させるソケット式の構成としてもよい。
本発明に係るTOF−MSに用いられる荷電粒子検出装置の一実施形態を示す断面図である。 図1の荷電粒子検出装置の正面図である。 図1の荷電粒子検出装置の背面図である。 図2、図3におけるIV−IV線分解断面図である。 図2、図3におけるV−V線分解断面図である。 図2、図3におけるVI−VI線分解断面図である。 図2、図3におけるVII−VII線分解断面図である。 図2、図3におけるVIII−VIII線分解断面図である。 図1の荷電粒子検出装置を検出器として採用したTOF−MSの概略図である。 図1の荷電粒子検出装置のTOF−MS筐体への固定の様子を示す図である。 図1の荷電粒子検出装置のTOF−MS筐体への固定の様子の異なる態様を示す図である。 図1の荷電粒子検出装置のTOF−MS筐体への固定の際に用いる絶縁体を示す図である。 図1の荷電粒子検出装置を取り付けたTOF−MSの概略図である。 図1の荷電粒子検出装置のTOF−MS筐体への固定の様子の異なる態様を示す図である。 図1の荷電粒子検出装置のTOF−MS筐体への固定の様子の異なる態様を示す図である。 図1の荷電粒子検出装置を取り付けた別の形態のTOF−MSの概略図である。 図1の荷電粒子検出装置を取り付けた別の形態のTOF−MSの概略図である。 図1の荷電粒子検出装置を取り付けた別の形態のTOF−MSの概略図である。 TOF−MSの測定法を示す図である。 検出装置の等価回路図である。
符号の説明
1…IN電極、2…MCP群、3…OUT電極、4…アノード電極、5…後方カバー、5x…筐体、6…BNC端子、10…開口、11、15…孔、30…開口、31…孔、32…誘電体、33、62,80…コンデンサ、40…アノード基板、41…アノード端子、42…チップ抵抗、50、52…基板、51…円筒部、70〜72…リード、100…検出器、300、310、320、330…筐体壁面、315…リング、316…スペーサ、601…芯線、700〜702…リードインシュレータ、801、802…薄板、901〜904…インシュレータ。

Claims (6)

  1. イオン飛行領域を備える装置筐体内に、前記イオン飛行領域を飛行したイオンを検出する荷電粒子検出装置を配置した飛行時間型質量分析装置で用いられる荷電粒子検出装置において、
    マイクロチャネルプレートと、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子入射面側に配置され、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子入射面を露出する開口を有している第1の電極と、前記マイクロチャネルプレートをはさんで、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子出射面側に配置され、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子出射面を露出する開口を有している第2の電極と、前記第2の電極をはさんで、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子出射面に対向して配置される第3の電極と、前記第3の電極の前記マイクロチャネルプレートに対向する面と反対の面側に配置される後方カバーとを有し、
    前記第1の電極は、装置筐体に固定されるフランジ部を備え、前記フランジ部は、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子出射面側からみて前記後方カバーを含む前記後方カバーと前記第1の電極の間に配置されている構成部品より外側に突出して設けられていることを特徴とする荷電粒子検出装置。
  2. イオン飛行領域を備える装置筐体内に、前記イオン飛行領域を飛行したイオンを検出する荷電粒子検出装置を配置した飛行時間型質量分析装置において、
    前記荷電粒子検出装置は、マイクロチャネルプレートと、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子入射面側に配置され、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子入射面を露出する開口を有している第1の電極と、前記マイクロチャネルプレートをはさんで、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子出射面側に配置され、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子出射面を露出する開口を有している第2の電極と、前記第2の電極をはさんで、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子出射面に対向して配置される第3の電極と、前記第3の電極の前記マイクロチャネルプレートに対向する面と反対の面側に配置される後方カバーとを有し、
    前記第1の電極は、装置筐体に固定されるフランジ部を備え、前記フランジ部は、前記マイクロチャネルプレートの荷電粒子出射面側からみて前記後方カバーを含む前記後方カバーと前記第1の電極の間に配置されている構成部品より外側に突出して設けられていることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
  3. 前記フランジ部と前記装置筐体との間に絶縁体を配置していることを特徴とする請求項2記載の飛行時間型質量分析装置。
  4. 前記フランジ部を前記装置筐体に固定する電気絶縁性のネジ部材を備えていることを特徴とする請求項2記載の飛行時間型質量分析装置。
  5. 前記荷電粒子検出装置は、前記フランジ部の前記マイクロチャネルプレートに向かう面を前記装置筐体に設けられた固定壁面に向けて固定されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の飛行時間型質量分析装置。
  6. 前記荷電粒子検出装置は、前記フランジ部の前記マイクロチャネルプレートに向かう面と反対側の面を前記装置筐体に設けられた固定壁面に向けて固定されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の飛行時間型質量分析装置。
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