JPH08178768A - 力学量センサ - Google Patents
力学量センサInfo
- Publication number
- JPH08178768A JPH08178768A JP31727694A JP31727694A JPH08178768A JP H08178768 A JPH08178768 A JP H08178768A JP 31727694 A JP31727694 A JP 31727694A JP 31727694 A JP31727694 A JP 31727694A JP H08178768 A JPH08178768 A JP H08178768A
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- JP
- Japan
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- resistor
- thermal expansion
- substrate
- expansion coefficient
- glass
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 抵抗体のガラスと基板の熱膨張係数の違いに
より、製造時に抵抗体に圧縮応力が発生するのを防止
し、高感度の力学量センサを提供する。 【構成】 金属板とその表面に被覆された結晶化ガラス
層からなる基板、および基板の上に形成された抵抗体と
電極を具備し、抵抗体が導電成分を含むガラスからな
り、そのガラスの熱膨張係数と基板の熱膨張係数の差を
±15×10-7/℃以内とした力学量センサ。
より、製造時に抵抗体に圧縮応力が発生するのを防止
し、高感度の力学量センサを提供する。 【構成】 金属板とその表面に被覆された結晶化ガラス
層からなる基板、および基板の上に形成された抵抗体と
電極を具備し、抵抗体が導電成分を含むガラスからな
り、そのガラスの熱膨張係数と基板の熱膨張係数の差を
±15×10-7/℃以内とした力学量センサ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力、荷重などを検出
する機能を有する力学量センサに関するものである。
する機能を有する力学量センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】洗濯機の衣類の重量、浴槽の湯の量など
を検出するために、圧力や荷重の変化を電気信号に変換
できる力学量センサが要望される。最近、金属板の表面
に結晶化ガラス層を形成し、その上に導電成分を含むガ
ラスからなる抵抗体を設け、抵抗体に一対の電極を設け
た力学量センサが開発されている。この力学量センサ
は、圧力や荷重によって基板が変形すると、抵抗体の長
さや断面積が変化するから、圧力や荷重を抵抗体の抵抗
値変化として検出することができる。ここで、金属板は
鉄系のステンレス鋼、ホウロウ鋼板などであり、結晶化
ガラスは特願平1-24989号公報に開示されたSiO2−B
2O3−CaO−MgO系のガラスである。また、抵抗体
は酸化ルテニウムなどの導電成分を含むガラスから構成
される。例えば、酸化ルテニウム粉末、ガラス粉末、ア
クリル樹脂および有機溶剤を混合して作られるペースト
を基板上に塗布し、焼成して所定の形状に形成される。
抵抗体は、一般にはガラスの含有量の方が大きいため、
抵抗体の熱膨張係数は、ほぼガラスのそれに等しいとみ
て差し支えない。電極は銀パラジウム合金が代表的なも
のである。
を検出するために、圧力や荷重の変化を電気信号に変換
できる力学量センサが要望される。最近、金属板の表面
に結晶化ガラス層を形成し、その上に導電成分を含むガ
ラスからなる抵抗体を設け、抵抗体に一対の電極を設け
た力学量センサが開発されている。この力学量センサ
は、圧力や荷重によって基板が変形すると、抵抗体の長
さや断面積が変化するから、圧力や荷重を抵抗体の抵抗
値変化として検出することができる。ここで、金属板は
鉄系のステンレス鋼、ホウロウ鋼板などであり、結晶化
ガラスは特願平1-24989号公報に開示されたSiO2−B
2O3−CaO−MgO系のガラスである。また、抵抗体
は酸化ルテニウムなどの導電成分を含むガラスから構成
される。例えば、酸化ルテニウム粉末、ガラス粉末、ア
クリル樹脂および有機溶剤を混合して作られるペースト
を基板上に塗布し、焼成して所定の形状に形成される。
抵抗体は、一般にはガラスの含有量の方が大きいため、
抵抗体の熱膨張係数は、ほぼガラスのそれに等しいとみ
て差し支えない。電極は銀パラジウム合金が代表的なも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の力
学量センサにおいて、基板の熱膨張係数はおよそ120
×10-7/℃である。一方、抵抗体を作るのに用いられ
る市販のペーストは、アルミナ基板への塗布を前提とし
たもので、含まれるガラスの熱膨張係数はおよそ(50
〜80)×10-7/℃である。このようにペーストに含
まれるガラスの熱膨張係数が基板より小さいと、焼成に
より形成された抵抗体中には圧縮応力が発生し、その結
果荷重に対する抵抗変化率が小さくなるという課題があ
った。
学量センサにおいて、基板の熱膨張係数はおよそ120
×10-7/℃である。一方、抵抗体を作るのに用いられ
る市販のペーストは、アルミナ基板への塗布を前提とし
たもので、含まれるガラスの熱膨張係数はおよそ(50
〜80)×10-7/℃である。このようにペーストに含
まれるガラスの熱膨張係数が基板より小さいと、焼成に
より形成された抵抗体中には圧縮応力が発生し、その結
果荷重に対する抵抗変化率が小さくなるという課題があ
った。
【0004】抵抗体中に圧縮応力が発生する理由を図1
を用いて以下に説明する。図において、10は抵抗体、
11は基板を表すものとする。両者が分離していると仮
定すると、焼成中は同じ長さであるが、冷却して室温に
戻ると、熱膨張係数の大きい基板11の方が短くなる。
しかし、実際には二者は結合しているから、抵抗体10
は縮められ、逆に基板は引き延ばされる。その結果、抵
抗体に圧縮応力、基板に引っ張り応力がそれぞれ発生す
るということになる。このようにして形成された抵抗体
は、初めから圧縮応力がかかっているから、基板が変形
してもその変化を打ち消すように働く。従って、このよ
うな力学量センサは、荷重に対する抵抗変化率が小さく
なる。本発明者らが検討したところによると、所定の精
度のセンサを得るには、抵抗変化率が1.6%以上必要
であることがわかった。本発明は上記した従来の問題点
を解消して、荷重に対する抵抗変化率が大きく、高感度
の力学量センサを提供することを目的とするものであ
る。
を用いて以下に説明する。図において、10は抵抗体、
11は基板を表すものとする。両者が分離していると仮
定すると、焼成中は同じ長さであるが、冷却して室温に
戻ると、熱膨張係数の大きい基板11の方が短くなる。
しかし、実際には二者は結合しているから、抵抗体10
は縮められ、逆に基板は引き延ばされる。その結果、抵
抗体に圧縮応力、基板に引っ張り応力がそれぞれ発生す
るということになる。このようにして形成された抵抗体
は、初めから圧縮応力がかかっているから、基板が変形
してもその変化を打ち消すように働く。従って、このよ
うな力学量センサは、荷重に対する抵抗変化率が小さく
なる。本発明者らが検討したところによると、所定の精
度のセンサを得るには、抵抗変化率が1.6%以上必要
であることがわかった。本発明は上記した従来の問題点
を解消して、荷重に対する抵抗変化率が大きく、高感度
の力学量センサを提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の力学量センサ
は、金属板とその表面に被覆された結晶化ガラス層から
なる基板、および前記基板の上に形成された抵抗体と電
極を具備し、前記抵抗体が導電成分を含むガラスからな
り、そのガラスの熱膨張係数と前記基板の熱膨張係数の
差を±15×10-7/℃以内としたものである。
は、金属板とその表面に被覆された結晶化ガラス層から
なる基板、および前記基板の上に形成された抵抗体と電
極を具備し、前記抵抗体が導電成分を含むガラスからな
り、そのガラスの熱膨張係数と前記基板の熱膨張係数の
差を±15×10-7/℃以内としたものである。
【0006】
【作用】上記の構成によって、抵抗体には初めから圧縮
応力を発生させることが無くなるので、高感度の力学量
センサを提供できる。
応力を発生させることが無くなるので、高感度の力学量
センサを提供できる。
【0007】
【実施例】以下、本発を実施例により説明する。図1は
実施例の力学量センサの平面図、図2はその縦断面図で
ある。基板3は、金属板1とその表面に被覆された結晶
化ガラス層2からなる。この基板の上に、抵抗体4と一
対の電極5が形成されている。ここで、金属板1はステ
ンレス鋼SUS430を用いた。また、結晶化ガラス層
2は、重量比でSiO2=14.3%、B2O3=21.
9%、CaO=17.1%、MgO=38.1%、La
2O3=4.8%、ZrO2=2.9%、P2O5=1.0
%からなる。抵抗体4は、酸化ルテニウム粉末10重量
%とガラス粉末90重量%の混合物にアクリル樹脂とテ
ルピネオールを混合してペーストとし、これを結晶化ガ
ラス層の表面に塗布し、焼成して形成した。ここで、抵
抗体のガラス粉末として以下の5種類のものをそれぞれ
用いて上記構成の力学量センサを作製し、各センサに荷
重5kg/cm2をかけたときの抵抗変化率を調べた。
その結果を表1および図3に示す。
実施例の力学量センサの平面図、図2はその縦断面図で
ある。基板3は、金属板1とその表面に被覆された結晶
化ガラス層2からなる。この基板の上に、抵抗体4と一
対の電極5が形成されている。ここで、金属板1はステ
ンレス鋼SUS430を用いた。また、結晶化ガラス層
2は、重量比でSiO2=14.3%、B2O3=21.
9%、CaO=17.1%、MgO=38.1%、La
2O3=4.8%、ZrO2=2.9%、P2O5=1.0
%からなる。抵抗体4は、酸化ルテニウム粉末10重量
%とガラス粉末90重量%の混合物にアクリル樹脂とテ
ルピネオールを混合してペーストとし、これを結晶化ガ
ラス層の表面に塗布し、焼成して形成した。ここで、抵
抗体のガラス粉末として以下の5種類のものをそれぞれ
用いて上記構成の力学量センサを作製し、各センサに荷
重5kg/cm2をかけたときの抵抗変化率を調べた。
その結果を表1および図3に示す。
【0008】
【表1】
【0009】表1から明らかなように、熱膨張係数が基
板のそれに近いガラス番号3、4は、抵抗変化率が大き
いことわかる。以上のようにして、各種熱膨張係数のガ
ラスについて検討した結果、抵抗変化率を目標値である
1.6%以上とするためには、抵抗体に含まれるガラス
の熱膨張係数を(105〜135)×10-7/℃の範囲
とする、すなわち抵抗体に含まれるガラスの熱膨張係数
と基板の熱膨張係数の差を±15×10-7/℃以内にす
ることが望ましいことが判明した。なお、抵抗体に用い
るガラスの組成は、上記ガラス番号3、4に限定される
ものでなく、熱膨張係数の条件を満たせばどのようなガ
ラスも使用可能である。
板のそれに近いガラス番号3、4は、抵抗変化率が大き
いことわかる。以上のようにして、各種熱膨張係数のガ
ラスについて検討した結果、抵抗変化率を目標値である
1.6%以上とするためには、抵抗体に含まれるガラス
の熱膨張係数を(105〜135)×10-7/℃の範囲
とする、すなわち抵抗体に含まれるガラスの熱膨張係数
と基板の熱膨張係数の差を±15×10-7/℃以内にす
ることが望ましいことが判明した。なお、抵抗体に用い
るガラスの組成は、上記ガラス番号3、4に限定される
ものでなく、熱膨張係数の条件を満たせばどのようなガ
ラスも使用可能である。
【0010】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、抵抗体に
含まれるガラスの熱膨張係数と基板の熱膨張係数とを適
切に調製することにより、製造時に抵抗体に発生する圧
縮応力をなくし、荷重による変化を受け易く、高感度の
力学量センサを提供することができる。
含まれるガラスの熱膨張係数と基板の熱膨張係数とを適
切に調製することにより、製造時に抵抗体に発生する圧
縮応力をなくし、荷重による変化を受け易く、高感度の
力学量センサを提供することができる。
【図1】本発明の一実施例における力学量センサの平面
図である。
図である。
【図2】同センサの縦断面図である。
【図3】抵抗体に含まれるガラスの熱膨張係数と抵抗体
の抵抗変化率との関係を示す図である。
の抵抗変化率との関係を示す図である。
【図4】従来の力学量センサにおいて製造時に抵抗体に
圧縮応力が発生する原理を説明する模式図である。
圧縮応力が発生する原理を説明する模式図である。
1 金属板 2 結晶化ガラス層 3 基板 4 抵抗体 5 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 喜博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 長谷川 真也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田浦 方三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 金属板とその表面に被覆された結晶化ガ
ラス層からなる基板、および前記基板の上に形成された
抵抗体と電極を具備し、前記抵抗体が導電成分を含むガ
ラスからなり、そのガラスの熱膨張係数と前記基板の熱
膨張係数の差が±15×10-7/℃以内であることを特
徴とする力学量センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31727694A JPH08178768A (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 力学量センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31727694A JPH08178768A (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 力学量センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08178768A true JPH08178768A (ja) | 1996-07-12 |
Family
ID=18086430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31727694A Pending JPH08178768A (ja) | 1994-12-20 | 1994-12-20 | 力学量センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08178768A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001088482A1 (en) * | 2000-05-15 | 2001-11-22 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Sensor element and its manufacturing method |
JP2008032753A (ja) * | 2002-08-07 | 2008-02-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 荷重センサ及びその製造方法 |
JP2011258751A (ja) * | 2010-06-09 | 2011-12-22 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置とその製造方法 |
US20110317741A1 (en) * | 2010-06-23 | 2011-12-29 | Endress + Hauser Wetzer Gmbh + Co. Kg | Resistance Temperature Sensor |
-
1994
- 1994-12-20 JP JP31727694A patent/JPH08178768A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001088482A1 (en) * | 2000-05-15 | 2001-11-22 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Sensor element and its manufacturing method |
US6732583B1 (en) * | 2000-05-15 | 2004-05-11 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Sensor element and its manufacturing method |
JP2008032753A (ja) * | 2002-08-07 | 2008-02-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 荷重センサ及びその製造方法 |
JP2011258751A (ja) * | 2010-06-09 | 2011-12-22 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体装置とその製造方法 |
US20110317741A1 (en) * | 2010-06-23 | 2011-12-29 | Endress + Hauser Wetzer Gmbh + Co. Kg | Resistance Temperature Sensor |
US8777484B2 (en) * | 2010-06-23 | 2014-07-15 | Endress + Hauser Wetzer Gmbh + Co. Kg | Resistance temperature sensor |
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