JPH0817796A - ドライエッチング装置とその方法および半導体装置 - Google Patents

ドライエッチング装置とその方法および半導体装置

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JPH0817796A
JPH0817796A JP14601494A JP14601494A JPH0817796A JP H0817796 A JPH0817796 A JP H0817796A JP 14601494 A JP14601494 A JP 14601494A JP 14601494 A JP14601494 A JP 14601494A JP H0817796 A JPH0817796 A JP H0817796A
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JP
Japan
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dry etching
processed
plasma
high frequency
gas
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Application number
JP14601494A
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English (en)
Inventor
Masaru Izawa
勝 伊澤
Kosei Kumihashi
孝生 組橋
Yuzuru Oji
譲 大路
Kazunori Tsujimoto
和典 辻本
Kazunari Torii
和功 鳥居
Shinichi Taji
新一 田地
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】イオンがパターンによらず入射量が一定である
ことおよび底面で中性粒子に変化するという性質を用い
て、パターン底面への全中性粒子の入射量がパターンの
深さに依存しないように、イオンの入射量を制御する。
イオン入射量の制御方法としてマイクロ波パワーを実時
間制御する。 【効果】中性粒子の量がパターンに依存しないので、エ
ッチング速度のパターン依存性が抑えられ、深い構造を
もつエッチングが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体の微細加工に好
適なドライエッチング装置に係り、特に、深孔形状およ
び深溝形状を、安定かつ高信頼性のある加工を実現する
ドライエッチング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの微細化に伴い、LSIパターン
形成技術において、アスペクト比(パターンの深さ/溝
幅)の高いパターンを精度よく形成する技術が必要とな
っている。例えば、LSIパターン形成技術の一つであ
るドライエッチング技術では、ゲート加工エッチングで
レジストマスク1μm厚に対してパターン幅は0.1μm
となり、アスペクト比10程度の加工が必要となってい
る。
【0003】マイクロ波プラズマによるpoly−Siゲー
トエッチングの例として、1992年プロシーディング
・オブ・ドライプロセスシンポジウム(Proceeding of
DryProcess Symposium) p.211にアスペクト比5ま
でのpoly−Siゲート加工の例が報告されている。
【0004】この他、DRAMキャパシタ用や素子分離
のためのSi深溝エッチング技術として、臭素ガスを使
ったRIE(リアクティブイオンエッチング:Reactive
IonEtching)によるアスペクト比40のSi深溝エッチ
ングの例が、1991年インターナショナル・エレクトロン
・デバイスイズ・ミーティング(Internationalelectro
n devices meeting) 32.4.1に報告されている。ま
た塩素ガスを使ったRIEによるSi深溝エッチングを
アスペクト比26まで検討した報告が、1990年プロ
シーディング・オブ・ドライプロセスシンポジウム(Pr
oceedingof Dry Process Symposium) p.123にあ
る。
【0005】この他、コンタクトホール形成のためのS
iO2 深孔エッチング技術として、マイクロ波プラズマ
によるアスペクト比10程度までのSiO2 コンタクト
ホールエッチングの例が、1989年春季応用物理学関
係連合講演会1p−L−6や、1993年春季応用物理
学関係連合講演会31a−ZE−3に報告されている。
【0006】この他、パターン形成において前述の高ア
スペクト比加工の他、被処理物下地保護のため、下地が
被エッチング膜に比べエッチングされにくいという性質
(選択性)が高いことが必要となっている。そのような
エッチング技術としてプラズマ発生に必要なマイクロ波
をパルス化することによって選択比40を実現するとい
う報告が1993年プロシーディング・オブ・ドライプ
ロセスシンポジウム(Proceeding of Dry Process Symp
osium) p.79でなされた。
【0007】この他、プロセスを実時間制御することに
よって、プロセス精度を向上させる技術として特開平5
−35305号,特開平5−120256 号,特開平5−108107 号
公報がある。エッチングプロセスにおける同時測定およ
び実時間制御法として、パターンからの反射光を利用し
てエッチング制御を行う方法として特公平5−46095号公
報,プラズマの発光を用いる方法として特公平5−49756
号公報,被処理物の温度測定を行い被処理物の温度を一
定となすように温度制御する方法として特公平5−65589
号公報がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のパターン形成方
法やパターン形成装置を用いて高アスペクト比パターン
を形成するときには、パターン底面の加工速度にアスペ
クト比依存性があるという問題があった。すなわち、パ
ターンのアスペクト比が高くなるほど、パターン底面の
加工速度が減少した。加工速度の減少はアスペクト比1
0以上で顕著であった。例えば、ドライエッチング技術
において1990年プロシーディング・オブ・ドライプ
ロセスシンポジウム(Proceeding of Dry Process Sympo
sium) p.123の報告では、アスペクト比5程度のパ
ターンに比べ、アスペクト比10程度のパターンでは加
工速度が7割程度に遅くなった。
【0009】この他、1991年インターナショナル・
エレクトロン・デバイスイズ・ミーティング(Internat
ional electron devices meeting) 32.4.1の報告で
は、深溝パターン加工においてアスペクト比20では加
工速度が300nm/min であるのに対し、アスペクト
比24では60nm/min とアスペクト比20以上で加
工速度が1/5に減少した。
【0010】パターン形成技術では、粒子線やエネルギ
線を被処理物に入射させ、それらのエネルギによりパタ
ーン底面での化学反応を促進する。加工速度にアスペク
ト比依存がある理由の一つとして、これらの粒子線やエ
ネルギ線の入射が完全に垂直ではないために、パターン
のアスペクト比が大きくなるにつれその入射量が減少し
加工速度が減少することが考えられている。粒子線の一
つにイオンがある、イオンの方向性を向上させ加工速度
のアスペクト比依存性を低減させた例として、1989
年春季応用物理学関係連合講演会1p−L−6や、19
93年春季応用物理学関係連合講演会31a−ZE−3
がある。
【0011】加工速度がアスペクト比に依存するもう一
つの理由に、パターンのアスペクト比が大きくなると、
パターン底部の被エッチング面に被処理物と化学反応す
る中性粒子の供給量が減少することが上げられる。ここ
でいう中性粒子とは、供給ガスおよび供給ガスがプラズ
マ中で分解して生じたラジカルである。この考えに基づ
き、1992年プロシーディング・オブ・ドライプロセ
スシンポジウム(Proceeding of Dry Process Symposiu
m) p.211では、マイクロ波パワーを小さくして、入
射イオン量に対する中性粒子数の比を大きくすることに
より、アスペクト比5までのパターンで加工速度のアス
ペクト比依存性をなくした。
【0012】しかし、従来技術では、Siエッチングで
アスペクト比10以上のパターンでは、加工速度のアス
ペクト比依存性を回避できなかった。そのため、アスペ
クト比の異なるパターンを同一工程で形成するときに、
高アスペクト比パターンの底面で加工速度が極端に低下
したり、低アスペクト比パターン底面で下地層が削れる
という問題が生じた。LSI加工では、アスペクト比の
異なるパターンを同一工程で形成する必要があり、微細
化に伴いアスペクト比の差が大きくなっている。よって
アスペクト比10以上の深孔や深溝パターンの加工でも
加工速度がアスペクト比に依存しないパターン形成技術
を確立することが課題である。
【0013】一方、高アスペクト比パターン加工では、
エッチングの進行に伴い反応生成物等の影響によってエ
ッチングプロセスに変化が生じる。このエッチングの変
化は時々刻々と変わるため、常に最適なエッチング条件
でエッチングが行われるには、エッチングを実時間制御
する必要がある。従来、被処理物表面の反射光(特公平
5−46095 号公報),プラズマ発光(特公平5−49756 号
公報)の同時測定によってエッチング条件を実時間制御
するプロセスも考案されているが、これらの制御は、主
にエッチングの終点を検知するもので、高アスペクト比
パターン加工に対する適用ではない。
【0014】測定結果をもとにエッチング条件を実時間
制御するには、測定結果とエッチング速度および装置内
の状態との関係が明らかになっている必要がある。エッ
チングが進むに伴い、真空処理室内のガス組成も変化し
ており、エッチング条件の実時間制御し加工精度を上げ
るには、同時測定値とエッチング条件の関係を明らかに
する手法の確立が課題である。また、同時測定を行わな
い場合でも、時間と伴にエッチング状態がどのように変
化するかを明らかにする必要がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】真空処理室内に導入され
た処理ガスの一部はイオンおよびラジカルとなる。被処
理物表面に深孔,深溝等のパターンがある場合、ラジカ
ルおよび未分解の処理ガス(これらをまとめて中性粒子
と呼ぶ)は、被処理物のパターンが深くなるに伴い、底
面に入射する量が少なくなる。一方、イオンは、電界に
よって加速されるため、イオンの入射量のパターン依存
性は小さい。一度、底面に入射したイオンは、表面に熱
エネルギを与えるため、表面に吸着したラジカルおよび
処理ガスにエネルギが伝わりエッチングが進行する。こ
の際、イオンは表面との相互作用によって電荷を失い、
ラジカルもしくは処理ガスと同じ組成になる。
【0016】このイオンが変化した中性粒子は、あたか
も底面から発生したかのごとくふるまうため、被処理物
のパターンが深くなるにともなって、パターン内に滞在
し底面に再度入射する量も増える。この結果、パターン
底面(被エッチング面)における中性粒子の全入射量
は、被処理物上部から直接入射する量とイオンが変化す
ることによって供給される量の和になる。
【0017】本発明では、このイオンの性質を利用し、
ラジカルおよび処理ガスの底面への全入射量が、被処理
物のパターンに依存しないようにイオン入射量を制御す
る。すなわち、深い溝や深孔で、真空処理室から入射す
る中性粒子の不足分を、イオン入射で補うことによっ
て、エッチング速度をパターンによらず一定にしたもの
である。
【0018】ところで、上述の解決手段だけでは、反応
生成物のパターン底面への再吸着を考慮していない。反
応生成物の吸着確率が、中性粒子の吸着確率の1/10
以上の場合、反応生成物によるエッチング速度の低下が
生じるため、反応生成物の影響を考慮したエッチングの
制御が必要である。パターン底面で発生した反応生成物
は、パターンのアスペクト比の増加に伴い、パターン内
に滞在し底面に再入射する量も増える。
【0019】従って、エッチング速度がアスペクト比に
依存しないようにするには、アスペクト比の増加と共に
中性粒子の全入射量を増やし、反応生成物のパターン底
面への吸着によるエッチング速度の低下を補償する必要
がある。
【0020】本発明では、前述のパターン底面でイオン
が中性粒子となる性質を利用し、アスペクト比の増加に
伴い、真空装置に導入するマイクロ波のパワーをあげ、
パターン底面へのイオン入射量を増加させることによっ
て、反応生成物によるエッチング速度の低下を抑える。
【0021】マイクロ波パワーを上げることによって被
処理物へのイオン入射量を増加させるには、なんらかの
方法によってプラズマの密度が高い状態を維持する必要
がある。通常のエッチング装置では、真空処理室装置外
部に取付けたソレノイドコイルによってプラズマを真空
処理室内に閉じ込める。1000W程度のマイクロ波パ
ワーを真空処理室内に導入する場合、さらにソレノイド
コイルを付加した装置が用いられる。本発明でも同様な
装置を用いこの問題に対処する。
【0022】また、マイクロ波パワーを上げ、イオン入
射量が増える被処理物表面に加わるエネルギが増加し、
温度が上昇する。このため、被処理物表面に形成された
マスクに耐熱性が無い場合、マスクが熱分解や融解を生
じるため微細加工できなくなる。この問題に対しては、
熱的に安定な無機マスクもしくは、ポリイミド,テフロ
ン等の耐熱性ポリマを使用することによって解決でき
る。さらに、マイクロ波パワーを上げると装置の負荷限
界を越える可能性がある。この問題は、マイクロ波をパ
ルス化することによって、真空処理室へ加えられる時間
あたりのパワーを抑えることによって解決できる。
【0023】
【作用】被エッチング処理物表面に溝や穴等のパターン
がある場合、パターン内に入射した中性粒子(処理ガス
またはラジカル)は、直接、底面に入射する粒子の他、
パターン内の側面で数回反射した後、パターンの底面、
すなわち、被エッチング面に到達するものがある。この
側面での反射は等方的であるため、パターン内に入射し
た粒子の一部分はパターン内から出てしまい底面へ到達
できない。パターン底面に到達できる粒子の割合は、パ
ターンの特徴を表すアスペクト比(深さ/パターンの
幅)に大きく依存する。
【0024】図10に溝パターンの底面に到達する粒子
の平らな表面に対する割合を計算した結果を示した。図
10に示すように、中性粒子の入射量は、アスペクト比
の増加と共に減少する関数で表すことができる。以後、
アスペクト比をAで表し、アスペクト比の関数として、
底面に到達する粒子の割合としてF(A)を用いる。
【0025】一度、底面に入射した粒子は、底面に吸
着、もしくは底面で反射する。どちらが生じるかは、中
性粒子の初期吸着確率Sと表面の吸着サイトが空いてい
る割合によって決まる。中性粒子によって表面が覆われ
ている割合をP(被覆率)で表すと、すでに粒子が吸着
している表面には新たに粒子が吸着できない場合、底面
に入射粒子が吸着する確率は、(1−P)Sとなる。こ
のような吸着確率を持つ粒子にはF,Cl,Oなどがあ
げられる他、多くの粒子で近似的に成り立つ。残りの1
−(1−P)Sが底面で反射する確率である。
【0026】底面で反射した粒子が、再び、パターンの
側面に入射すると等方的に反射するため、底面へ入射す
る場合と同じ法則に従う。故に底面で反射した粒子が被
処理物の外に出ていく割合はF(A)で表され、残りの
1−F(A)が底面に再入射する。このように再入射す
る効果を考慮するとパターン底面での中性粒子の入射量
Γnは数1で表される。
【0027】
【数1】
【0028】一方、真空処理室内で発生したイオンは、
電界によって被処理物表面に対し垂直方向に加速される
ため、被処理物表面に対して垂直に形成された溝や深孔
の底面(被エッチング面)へのイオン入射量と被処理物
表面の平坦な部分への入射量は等しくなる。底面へ入射
したイオンは、底面に熱エネルギを与えるとともに、イ
オンは電気的に中和され、中性粒子となる。その後の運
動は、上記の中性粒子の被処理物構造内部での運動と同
じになる。すなわち、底面で反射した場合、F(A)が
被処理物表面の外(真空処理室内)に出、残りの1−F
(A)が再度底面に中性粒子として入射する。一般のエ
ッチングでは、イオンは処理ガスから真空処理室内で発
生するため、イオンから変化した中性粒子と前述の処理
ガスから発生した中性粒子はほぼ同じ原子から構成され
る。イオンが入射後反射せずに吸着する場合も考慮する
と、イオンから変化した中性粒子の入射量Γmは、数2
で表される。
【0029】
【数2】
【0030】エッチング速度ERは真空処理室内から供
給された中性粒子およびイオンが変化した中性粒子の吸
着による被覆率P,イオン入射量Γion およびエッチン
グ率Yの関数で表される。すなわち、ER=P×Γion
×Y である。エッチング率Yは、一個のイオンあたり
のエッチング量で、概ね、イオン運動エネルギの平方根
に比例する。表面被覆率Pは、T.M.メイヤー(Mayer)
らのモデル(ジャーナルオブ バキューム サイエンス
アンド テクノロジー(J.Vac.Sci.Technol.)21, p7
57 (1982))に従うと数3で表される。
【0031】
【数3】
【0032】ここで、Γtは中性粒子の全入射量、mは
表面原子一個が表面から脱離することによって発生する
吸着サイトの数で、例えば、Siの塩素ガスエッチング
ではm=2となる。Γtは上記数1および数2の和で表
され、数3を用いたエッチング速度の式にはアスペクト
比依存性が含まれることになる。アスペクト比に依存す
る項は、Γtだけである。Γtがアスペクト比に依存し
ないような条件を見いだせば、エッチング速度のアスペ
クト比依存性をなくすことが可能である。
【0033】本発明のアイデアは、この条件を見いだす
ことに基礎をおいている。その条件は、数4を解くこと
によって得られる。数4を解くと数5が得られる。数5
を数3のΓtに代入しΓionを消去すると表面被覆率P
は数6となる。
【0034】
【数4】 Γt(A)=Γt(0) …(数4)
【0035】
【数5】
【0036】
【数6】
【0037】表面被覆率Pは、0から1までであること
を考慮すると、m×Y×Sの範囲は、0.77から1.0
でなければならない。この条件を満足するときに、イオ
ン入射量を数5で与えれば、エッチング速度が被処理物
表面のパターンに依存しないエッチングができる。実際
のエッチングで、中性粒子の初期吸着確率が0.3 から
1.0であること、mは1から2程度であることから、
エッチング率Yを1.0以下に抑さえる必要がある。
【0038】エッチング率Yは、装置内の電極にかける
高周波電界のパワーに平方根で比例するため、容易に制
御できる。この条件は、処理ガス,被処理物の材質に大
きく依存する。数5を満足する条件として概ね、エッチ
ング率1以下、イオン電流密度5mA/cm2 以上、真空
処理室内のイオンの割合2%以上、中性粒子の吸着確率
0.3から0.9程度が目安となる。
【0039】上記の内容をまとめると、アスペクト比の
増加と共に減少する中性粒子の入射量を、イオンとして
形状底面に供給することによって、中性粒子が底面での
不足を補うことによって、エッチング速度がアスペクト
比に依存しないエッチングを実現するのである。
【0040】その模式図を図11に示す。図12には、
上記のモデル式に基づくエッチング速度のアスペクト比
依存性の計算結果を示す。
【0041】反応生成物の底面への吸着が大きい場合、
アスペクト比の増加に伴い、反応生成物の底面への再入
射量が増えるため、その影響も大きくなり、上記の条件
を満足していてもエッチング速度は低下してしまう。こ
のように反応生成物がエッチング反応を阻害している場
合、アスペクト比の増加と共にイオン入射量を増加させ
ればよい。
【0042】その増加量は、反応生成物の吸着確率と反
応生成物のパターン底面への入射量の積によって表され
る量と同程度である。反応生成物の入射量は、エッチン
グ速度とパターン内での粒子の滞在量から求めることが
できる。イオン入射量を増加させる方法としてマイクロ
波パワーを上げる方法がある。マイクロ波パワーを上げ
るだけでは、十分なイオン電流が得られないときは、な
んらかの方法によってプラズマの密度の高い状態を維持
する必要がある。通常のエッチング装置では、真空処理
室装置外部に取付けたソレノイドコイルによってプラズ
マを真空処理室内に閉じ込める。1000W程度のマイ
クロ波パワーを真空処理室内に導入する場合、さらにソ
レノイドコイルを付加した装置が用いられる。
【0043】本発明では、十分なイオン電流密度をえる
ため、2種類のソレノイドコイルを有する装置を用い
る。
【0044】また、マイクロ波パワーを上げ、イオン入
射量が増える被処理物表面では、加わるエネルギが増加
し、表面の温度が上昇する。表面温度の上昇は、Siエ
ッチングの場合、1mA/cm2 あたり10℃程度である
ので30mA/cm2 のイオン電流では、被処理物処理台
を−100℃に冷却しても、表面温度は200℃程度ま
で上昇する可能性がある。このため、被処理物表面に形
成されたマスクに耐熱性が無い場合、マスクが熱分解や
融解を生じるため微細加工できなくなるので、熱的に安
定な無機マスクもしくは、ポリイミド,テフロン等の耐
熱性ポリマを使用する。
【0045】さらに、装置のマイクロ波パワーを上げて
いくと、装置への負荷が大きくなり、通常の装置ではそ
のパワーに耐えることが難しくなる。例えば前記の中性
粒子の全供給量がアスペクト比に依存しない条件が、一
般的な真空処理装置で実現できない条件であることも十
分に考えられる。真空処理室の構造および材質を強固な
ものにすればよいのであるが、コストは大きくなる。
【0046】そこで、この問題を解決する方法の一つに
マイクロ波のパルス化がある。パルス化により、真空処
理室へ加えられるパワーを抑えることができるので、装
置の大幅な改造は不要となる。パルス化により、エッチ
ング速度は、マイクロ波のパルス幅(時間)でのエッチ
ング速度とパルスとパルスの間のエッチング速度の平均
で与えられる。パルスとパルス間ではイオン入射量が減
るためエッチング速度は大幅に低下するので、パルスと
パルス間でのエッチングによる影響は小さく、エッチン
グ速度のアスペクト比依存性は、主にマイクロ波のパワ
ーによって決まる。従って、マイクロ波のパルス化によ
り、エッチング装置の大幅な変更なしにマイクロ波パワ
ーを上げ、エッチング速度のアスペクト比依存性を低減
できる。この際、通常のエッチング装置では、マイクロ
波パワーの増加に伴い、パルス幅を低下もしくはパルス
間隔を大きくし、装置への時間あたりの負荷を約300
0W秒以下に抑さえる必要がある。
【0047】さらに、イオン入射量によってエッチング
速度のアスペクト比依存性を制御できるという性質を利
用し、一回の加工で深い溝と浅い溝を同時に形成するこ
とができる。この場合、目的の形状に合わせて、マイク
ロ波パワーを制御する必要がある。
【0048】
【実施例】
(実施例1)本発明によるドライエッチング装置の一実
施例を図1に示す。この装置では真空処理室1にエッチ
ングガスを導入し、マイクロ波発生器2で2.45GH
z の高周波を発生させ、この高周波を導波管3を通し
マイクロ波導入窓14を介して真空処理室1に輸送して
ガスプラズマを発生させる。高効率放電のために磁場発
生用のソレノイドコイル4を真空処理室周辺に二つ配置
し、875ガウスの磁場が処理台のほぼ真上にくるよう
に二つのコイル電流を制御し、電子サイクロトロン共鳴
を用いて高密度プラズマを発生させた。真空処理室1に
は試料台5があり、この上にウエハ6を設置して、ガス
プラズマによりエッチング処理する。
【0049】エッチングガスは、ガス導入口7から真空
処理室1に導入され、排気ポンプ8により真空処理室1
の外に排気される。この際コンダクタンスバルブ9によ
り、排気速度を変えることができる。
【0050】ウエハを設置する試料台5にはRF電源1
3を備え、400Hzから13.56MHzまでのRFバイアス
を印加できるようにした。試料台5は冷却機構および加
熱機構を有し、ウエハ温度を制御したエッチングを実施
することができる。
【0051】処理ガスはガス管11を通し、ガス流量コ
ントローラ10を経て、バッファ室12を通してメッシ
ュ状の孔のガス導入口7から真空処理室1に導入する。
バッファ室12を設けたことと、メッシュ状の孔により
ガス開口面積を広くしたことにより、ガス導入時のガス
流速を音速の1/3以下にし、かつ均一な流れができ
る。さらに本装置は、ガス組成分析装置15とマイクロ
波パワーを制御するための制御用コンピュータ16が接
続されている。
【0052】反応生成物の分圧は、被処理物上の構造の
アスペクト比が大きくなるに伴い減少していく。反応生
成物の吸着を考慮したシミュレーションによると反応生
成物の分圧は、図2に示すように、アスペクト比の増加
とともに減少していく。従って、エッチング中にガス組
成を分析することによって、エッチング中の被処理物が
どこまでエッチングが進んだか情報を得ることができ
る。このシミュレーション結果をもとにガス組成分析装
置として質量分析計を用い、反応生成物減少分にともな
いマイクロ波パワーを増加させるように制御する。
【0053】本装置に処理ガスとして塩素ガスを40sc
cm流し、全圧が0.5mTorr 、試料台の温度が−100
℃なるようにして、幅0.3μm トレンチ構造が形成さ
れるようにSiO2 マスクを施したSiウエハのトレン
チ構造エッチングを行う。イオン運動エネルギが100
eV以下になるようにRFバイアスを13.56MHz、
1W/cm2 とするこの時のエッチング率は0.9 であ
る。またイオン電流密度が約8mA/cm2 になるように
マイクロ波パワーを500Wにする。理論的には、この
条件で中性粒子入射量のアスペクト比依存性はなくな
る。
【0054】プラズマ電子密度の測定では真空処理室内
のイオンの割合は3%である。この条件で幅0.3μm
の溝パターンのエッチングを行うとアスペクト比10の
トレンチパターンまでは、約350nm/min の速度で
エッチングが進む。同じエッチング条件でアスペクト比
10以上の溝を形成するとエッチング速度は低下する。
アスペクト比12でエッチング速度は10%低下し、ア
スペクト比15では30%の低下である。
【0055】図2を計算したモデル式に基づいて、反応
生成物の分圧の実時間測定の結果から、コンピュータに
よってエッチングパターンのアスペクト比を予測し、ア
スペクト比が大きくなるにつれ、コンピュータに接続さ
れたマイクロ波発生装置のパワーを制御する。マイクロ
波パワーの初期値を500Wにしてエッチングを行う
と、時間と伴にマイクロ波パワーは上昇する。エッチン
グ速度はアスペクト比30までほぼ一定で、マイクロ波
パワーを3000Wにしてエッチングを続けるとアスペ
クト比60までエッチングが進む。マイクロ波パワー3
000Wでイオン電流密度は、約30mA/cm2 であ
る。
【0056】被処理物をGaAsにしても、ほぼ同様の
結果が得られる。
【0057】イオンの代わりに中性ビームを用い、同様
に中性ビームを制御すると、アスペクト比20までエッ
チング速度の低下は見られない。
【0058】(実施例2)実施例1の装置を用いてCF
4ガスによる直径0.3μmのSiO2 膜深孔加工を行
う。処理ガスとしてCF4ガスを40sccm流し、全圧が
0.5mTorrになるようにする。イオン運動エネルギが
500eVになるようにRFバイアスを13.56MHz、
10W/cm2 にする。この時のエッチング率は0.9 で
ある。またイオン電流密度が10mA/cm2 になるよう
にマイクロ波パワーを700Wにする。この時の平面の
エッチング速度は300nm/min である。反応生成物
としてCOの濃度を実時間測定しながらエッチングを進
め、COの分圧が約5%低下する毎にマイクロ波パワー
を50Wずつあげる。マイクロ波パワーを上げるとCO
の分圧の低下は2%に抑えられる。本実施例では、アス
ペクト比7までエッチング速度の低下は見られず、アス
ペクト比15の深孔がSiO2 膜上に加工できる。ほぼ
同じ条件で酸化チタン,酸化タンタルのエッチングを行
うと、ほぼアスペクト比10までのエッチングが可能で
ある。
【0059】(実施例3)実施例1の装置で、プラズマ
による腐食を防ぐため、ガス分析装置をコンダクタンス
バルブと排気ポンプの間に取付け、マスクとしてSiO
2を用い、幅0.2μmの溝をタングステンシリサイドに
加工する。処理ガスとして塩素ガスを400sccm流し、全
圧が5mTorr、ウエハ温度が−50℃になるようにす
る。イオン運動エネルギが100eVになるようにRF
バイアスを13.56MHz ,1W/cm2にする。この
時のエッチング率は約0.7である。またイオン電流密
度が20mA/cm2 になるようにマイクロ波パワーを2
000Wにする。
【0060】反応生成物としてSiCl2 の濃度を実時
間測定しながらエッチングを進め、SiCl2 の分圧が
約5%低下する毎にマイクロ波パワーを50Wずつあげ
る。マイクロ波パワーを上げるとSiCl2 の分圧の低
下は2%に抑さえられる。本実施例では、アスペクト比
5までエッチング速度の低下は見られず、アスペクト比
10の溝がタングステンシリサイド上に加工できる。マ
イクロ波パワーの増加とともにウエハ温度を約10℃ず
つ下げると、加工形状が改善され、溝は太くならない。
【0061】(実施例4)本発明によるドライエッチン
グ装置の第二の実施例を図3に示す。本実施例の装置
は、実施例1の装置に処理ガスのガス流量が制御できる
ように制御用コンピュータ16とガス流量コントローラ
10が出力パワー制御ケーブル18によって接続されて
いる。
【0062】本装置を用いてCF4/CHF3混合ガスに
よる直径0.3μm の深孔加工に適用する。被処理物と
してして図4に示すSi基板105上にSiO2 膜10
2および窒化ケイ素膜101が形成されているものを用
いる。本実施例で、窒化ケイ素膜101に深孔109を
形成する。処理ガスとしてCHF3/CF4の1:1混合
ガスを40sccm流し、全圧が0.5mTorrなるようにす
る。イオン運動エネルギが250eVになるようにRF
バイアスを13.56MHz,7W/cm2にする。この時
のエッチング率は0.9 である。またイオン電流密度が
10mA/cm2になるようにマイクロ波パワーを700
Wにする。この条件で平面のエッチングを行うと窒化ケ
イ素とSiO2 のエッチング速度の比は、10:1であ
る。
【0063】本実施例の被処理物をエッチングすると、
アスペクト比4のところまで窒化ケイ素をエッチングす
るとSiO2 が部分的に現われる。この時のエッチング
速度は400nm/min である。そのままエッチングを
続けるとSiO2 の一部と窒化ケイ素膜がさらにエッチ
ングされる。この深孔内での窒化ケイ素のSiO2 に対
するエッチング速度の比は、6程度になる。アスペクト
比4でマイクロ波パワーを上げ、イオン電流密度を20
mA/cm2 にすると、窒化ケイ素のエッチング速度は大
きくなり、エッチング速度比は8:1になる。
【0064】さらに、コンピュータ制御によってエッチ
ングの経過と共に処理ガスのガス流量をCF4 について
は1分毎に1.5sccmずつ減らし、CHF3の組成を1分
毎に1.5sccm ずつ増やすと深孔内での窒化ケイ素とS
iO2 のエッチング速度比は平面と同じ10:1まで改
善される。
【0065】(実施例5)本発明によるドライエッチン
グ装置の第三の実施例を図5に示す。この装置では真空
処理室1にエッチングガスを導入し、マイクロ波発生器
2で2.45GHzの高周波を発生させ、この高周波を導
波管3を通しマイクロ波導入窓4を介して真空処理室1
に輸送してガスプラズマを発生させる。高効率放電のた
めに磁場発生用の2種類のソレノイドコイル4を真空処
理室周辺に配置し、875ガウスの磁場による電子サイ
クロトロン共鳴を用いて高密度プラズマを発生させた。
真空処理室1には試料台5があり、この上にウエハ6を
設置して、ガスプラズマによりエッチング処理する。
【0066】エッチングガスは、ガス導入口7から真空
処理室1に導入され、排気ポンプ8により真空処理室1
の外に排気される。この際コンダクタンスバルブ9によ
り、排気速度を変えることができる。
【0067】ウエハを設置する試料台5にはRF電源1
3を備え、400Hzから13.56MHzまでのRF
バイアスを印加できるようにした。試料台5は冷却機構
および加熱機構を有し、ウエハ温度を制御したエッチン
グを実施することができる。
【0068】処理ガスはガス管11を通し、ガス流量コ
ントローラ10を経て、バッファ室12を通してメッシ
ュ状の孔のガス導入口7から真空処理室1に導入する。
バッファ室12を設けたことと、メッシュ状の孔により
ガス開口面積を広くしたことにより、ガス導入時のガス
流速を音速の1/3以下にし、かつ均一な流れができ
る。
【0069】本装置に処理ガスとして塩素ガスを40s
ccm流し、全圧が0.5mTorr 、ウエハの温度が−1
00℃になるようにして、幅0.3μm トレンチ構造が
形成されるようにSiO2 マスクを施したSiウエハの
トレンチ構造エッチングを行う。イオン運動エネルギが
100eV以下になるようにRFバイアスを13.56M
Hz,1W/cm2 とする。この時のエッチング率は0.9
である。またイオン電流密度が8mA/cm2 になるよう
にマイクロ波パワーを約500Wにする。理論的には、
この条件で中性粒子入射量のアスペクト比依存性はなく
なる。プラズマ電子密度の測定では真空処理室内のイオ
ンの割合は3%である。この条件で幅0.3μmの溝パ
ターンのエッチングを行うとアスペクト比7のトレンチ
パターンまでは、約350nm/min の速度でエッチン
グが進む。同じエッチング条件でアスペクト比7以上の
溝を形成するとエッチング速度は低下する。アスペクト
比10でエッチング速度は10%低下し、アスペクト比
15では30%の低下である。
【0070】エッチング速度の低下を抑えるため、アス
ペクト比7までエッチングが進んだ後、1分毎にマイク
ロ波パワーを100Wずつ上げる。その結果、アスペク
ト比20までエッチング速度は低下しない。その後、マ
イクロ波パワーを3000Wまで上げ、エッチングを進
めると、アスペクト比50までエッチングは進行する。
この際、ウエハの表面温度は約180℃まで上昇する。
【0071】(実施例6)本発明による他の実施例を示
す。実施例5の装置を用いて、処理ガスとして塩素ガス
を240sccm流し、全圧が3mTorr、ウエハ温度が−1
20℃になるようにして、直径0.3μm の深孔が形成
されるようにSiO2 マスクを施したSiウエハのトレ
ンチ構造エッチングを行う。イオン運動エネルギが10
0eV以下になるようにRFバイアスを800KHz,
1W/cm2 とするこの時のエッチング率は0.95 であ
る。またイオン電流密度が35mA/cm2 になるように
マイクロ波パワーを約2500Wにする。プラズマ電子
密度の測定では真空処理室内のイオンの割合は3%であ
る。深孔パターンのエッチングを行うとアスペクト比1
5のトレンチパターンまでは、約900nm/min の速
度でエッチングが進む。同じエッチング条件でアスペク
ト比15以上の溝を形成するとエッチング速度は低下す
る。アスペクト比20でエッチング速度は10%低下す
る。このエッチング条件では、アスペクト比45までエ
ッチングできる。ヘリコン共振型RIEを用いてもほぼ
同様な結果が得られる。
【0072】(実施例7)本発明による他の実施例を示
す。実施例5の装置を用いて幅0.07μm から0.1
μm の不純物がドーピングされたPoly−Siのトレン
チ加工を行う。処理ガスとしてSF6 ガスを140sccm
流し、全圧が3mTorr、ウエハ温度が−150℃になるよ
うにする。イオン運動エネルギが100eV以下になる
ようにRFバイアスを13.56MHz,2W/cm2にす
る。この時のエッチング率はほぼ1.5である。またイオ
ン電流密度が20mA/cm2 になるようにマイクロ波パ
ワーを約1500Wにする。
【0073】被処理物としてして図6に示すSi基板1
05上にゲート電極103,SiO2膜102およびドー
プドPoly−Si膜110が形成されているものを用い
る。さらに被処理物に、SiO2 マスクを設け、幅0.
07μm,0.08μm,0.1μmのトレンチが形成さ
れるようにマスクに溝112,113,114を設け
る。
【0074】エッチング速度のアスペクト比依存性を計
算した結果を図7に示す。計算から、約6mA/cm2
エッチング速度のアスペクト比依存性が最大になる。こ
の結果をもとに被処理物のエッチング速度がアスペクト
比の増加と共に減少するように、エッチング開始3分後
にマイクロ波パワーを約750Wまで下げる。このとき
のイオン電流密度は約8mA/cm2 である。マイクロ波
パワーを減少させることによって、幅0.07μmのト
レンチでは、幅0.1μmのトレンチに比べエッチング
速度が低下する。この結果、エッチング終了時にエッチ
ングされたトレンチの深さは、トレンチの幅に依存す
る。
【0075】エッチング終了後、容量絶縁膜116形成
のためドープドpoly−Si表面に酸化タンタル膜をCV
Dで形成する。エッチング終了時のpoly−Si上に加工
された溝のアスペクト比は約7である。
【0076】酸化タンタル形成後の被処理物を図8に示
す。この絶縁膜により容量30fFのコンデンサが形成
される。本発明によりオーバーエッチングすることなし
に、異なったアスペクト比をもつ形状を同時に加工する
ことができる。このことは、同時に、エッチングにおけ
る下地との選択性を考慮する必要がないため、RFバイ
アスを大きくし、エッチング速度を速くすることができ
る。
【0077】(実施例8)本発明によるドライエッチン
グ装置の第四の実施例を図9に示す。この装置は、実施
例4の装置に、真空処理室内に導入するマイクロ波をパ
ルス制御する制御装置19とパルス制御可能なマイクロ
波発生装置2および真空処理室の冷却装置22が付加さ
れている。本装置では、マイクロ波は1μsから10m
sのパルスとして真空装置内に導入される。
【0078】本装置を用いて、CF4/C224混合ガ
スを処理ガスとして用い、直径0.2μmのSiO2 膜深
孔加工を行う。CF4ガスを150sccm、C224を1
00sccm流し、全圧が3mTorr、ウエハ温度が−70℃
となるようにする。イオン運動エネルギが約500eV
になるようにRFバイアスを13.56MHz ,約10
W/cm2 にする。この時のエッチング率は0.9 であ
る。またイオン電流密度が50μs程度の時間に約30
mA/cm2 になるようにマイクロ波の瞬間最大出力を約
3000Wとする。マイクロ波パルスの間隔を約50μ
s、パルス幅を約50μsとする。
【0079】この条件でエッチングを行うと、アスペク
ト比10までエッチング速度の低下はほとんどない。さ
らにエッチングを進めると、アスペクト比20の深孔が
形成できる。マイクロ波パルスのパワーを5000Wま
であげることにより、パルス幅を50μs、パルス間隔
を100μsにすると、アスペクト比30までエッチン
グできる。パワーを5000Wのまま、パルス幅を5m
s、パルス間隔を10msにしてもほぼ同様な結果にな
る。
【0080】(実施例9)本発明による他の実施例を示
す。実施例8の装置を用い、銅の半導体装置の配線加工
を行う。Cl2/SiCl4混合ガスを処理ガスとして用
い、幅0.2μm配線を形成するため、アスペクト比
2、幅0.1μm の溝をエッチングによって形成する。
【0081】Cl2ガスを200sccm、SiCl4ガスを
100sccm、全圧が20mTorr、ウエハ温度が−30℃
になるようにする。イオン運動エネルギが約500eV
になるようにRFバイアスを13.56MHz,約10
W/cm2にする。この時のエッチング率は1.2 であ
る。またイオン電流密度が100μs程度の時間に約6
0mA/cm2 になるようにマイクロ波の瞬間最大出力を
約7000Wとする。
【0082】このエッチングにより、エッチング速度約
1μm/分で銅配線が加工される。この条件でタングス
テン,チタンおよび白金を加工することもできる。アル
ミニウムの場合、ウエハ温度を−100℃、マイクロ波
パワー3000Wでエッチングを行うことにより、加工
が行える。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、エッチング反応を引き
起こす中性粒子の入射量が被処理物の表面パターンに依
存しないように制御できるため、エッチング速度は、あ
らゆる底面で等しくなる。その結果、Siトレンチエッ
チング,SiO2 コンタクトホールエッチング等の高い
方向性が必要なエッチングで、エッチングプロセスとし
て安定かつ信頼性の高いエッチングを行うことができ
る。また、エッチング率を抑え、イオンの運動量を小さ
くできるため、薄膜間の選択性の高いエッチングが可能
となる。
【0084】本発明の効果は前述のエッチング装置に限
らず、例えば、RIEやマグネトロン型RIE等の他の
装置でも、同様の効果がある。さらに、処理ガスとして
前述のガスに限らずF2,HBr,Br2などのハロゲン
を含むガスおよび酸素を含むガスを用いた場合も同様の
効果がある。また本発明ガス組成およびガス流量の制御
は、前述の2種類のガスの流量および組成の制御に限ら
ず、1種類および3種類以上でも同様の効果が得られ
る。また本発明の効果は、真空処理室内で生じるイオン
の代わりに指向性の高い中性ビームを用いても同様の効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のドライエッチング装置の一実施例の断
面図。
【図2】本発明の実施例1に用いる反応生成物の分圧の
アスペクト比依存性を示した特性図。
【図3】本発明のドライエッチング装置の第二の一実施
例の断面図。
【図4】本発明の実施例3で用いる被処理物の断面図。
【図5】本発明のドライエッチング装置の第三の一実施
例の断面図。
【図6】本発明の実施例6で用いる被処理物の断面図。
【図7】本発明の実施例6で用いるエッチング速度のア
スペクト比依存性とイオン電流密度の関係を示した特性
図。
【図8】本発明の実施例6で用いる被処理物処理後の断
面図。
【図9】本発明のドライエッチング装置の第四の一実施
例の断面図。
【図10】本発明の溝の底面に入射する粒子数の割合を
示した特性図。
【図11】本発明の中性粒子の溝への供給を表した説明
図。
【図12】本発明の計算シミュレーション結果の説明
図。
【符号の説明】
1…真空処理室、2…マイクロ波発生器、3…導波管、
4…ソレノイドコイル、5…試料台、6…ウエハ、7…
ガス導入口、8…排気ポンプ、9…コンダクタンスバル
ブ、10…ガス流量コントローラ、11…ガス配管、1
2…バッファ室、13…RF電源、14…マイクロ波導
入窓、15…ガス組成分析装置、16…制御用コンピュ
ータ、17…コンピュータ用入力ケーブル、18…出力
パワー制御用ケーブル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻本 和典 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鳥居 和功 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 田地 新一 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (62)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空処理室内に少なくとも1種の処理ガス
    を導入する手段を有し、前記処理ガスを真空室外に排気
    する排気装置を有し、前記真空処理室内に高周波を印加
    できる電極を有し、前記真空処理室内に設置した被処理
    物を処理するドライエッチング装置において、前記被処
    理物が前記処理ガスで処理される時間と伴にイオン電流
    密度を増加させることを特徴とするドライエッチング装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記被処理物が前記処
    理ガスで処理された時間に伴ってイオン電流密度を8m
    A/cm2 から30mA/cm2 まで増加するドライエッチ
    ング装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記被処理物の表面形
    状の深さ/幅の増加に伴ってイオン電流密度を増加させ
    るドライエッチング装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記被処理物の表面形
    状の7以上でイオン電流密度を8mA/cm2 から30mA
    /cm2 まで増加させるドライエッチング装置。
  5. 【請求項5】真空処理室内に少なくとも1種の処理ガス
    を導入する手段を有し、前記処理ガスを真空室外に排気
    する排気装置を有し、プラズマを生成するための高周波
    を前記真空処理室内に導入する手段を有し、前記真空処
    理室内に高周波を印加できる電極を有し、前記真空処理
    室内に設置した被処理物を処理するドライエッチング装
    置において、前記被処理物が前記処理ガスで処理される
    時間と伴に前記プラズマを生成するための前記高周波の
    パワーを増加させることを特徴とするドライエッチング
    装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記被処理物が前記処
    理ガスで処理された時間に伴ってプラズマを生成するた
    めの前記高周波のパワーを800Wから3000Wまで
    増加させるドライエッチング装置。
  7. 【請求項7】真空処理室内に少なくとも1種の処理ガス
    を導入する手段を有し、前記処理ガスを真空室外に排気
    する排気装置を有し、プラズマを生成するための高周波
    を前記真空処理室内に導入する手段を有し、前記真空処
    理室内に高周波を印加できる電極を有し、前記真空処理
    室内に設置した被処理物を処理するドライエッチング装
    置において、前記被処理物の表面形状の深さ/幅の増加
    に伴って前記高周波のパワーを増加させることを特徴と
    するドライエッチング装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記被処理物の表面形
    状の深さ/幅7以上で前記プラズマを生成するための前
    記高周波のパワーを増加させるドライエッチング装置。
  9. 【請求項9】少なくとも1種の処理ガスを用い、高周波
    によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中で前記処
    理ガスから生成したイオンを被処理物に入射することに
    よって前記被処理物をエッチングするドライエッチング
    方法において、前記被処理物が前記処理ガスで処理され
    る時間と伴に前記イオンによるイオン電流密度を増加さ
    せることを特徴とするドライエッチング方法。
  10. 【請求項10】少なくとも1種の処理ガスを用い、高周
    波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中で前記
    処理ガスから生成したイオンを被処理物に入射すること
    によって前記被処理物をエッチングするドライエッチン
    グ方法において、前記被処理物の表面形状の深さ/幅の
    増加に伴って前記イオンによるイオン電流密度を増加さ
    せることを特徴とするドライエッチング方法。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記被処理物の表
    面形状の深さ/幅が7以上でイオン電流密度を8mA/
    cm2 から30mA/cm2 まで増加させるドライエッチン
    グ方法。
  12. 【請求項12】少なくとも1種の処理ガスを用い、第1
    の高周波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中
    で前記処理ガスからイオンを生成し、被処理物に印加す
    る第2の高周波によってイオンを加速し前記被処理物に
    入射することによって前記被処理物をエッチングするド
    ライエッチング方法において、前記被処理物が前記処理
    ガスで処理される時間と伴に前記第1の高周波のパワー
    を増加させることを特徴とするドライエッチング方法。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記被処理物の表
    面形状の深さ/幅の増加に伴って前記第1の高周波のパ
    ワーを増加させるドライエッチング方法。
  14. 【請求項14】請求項12において、前記被処理物の表
    面形状の深さ/幅の7以上で前記第1の高周波のパワー
    を増加させるドライエッチング方法。
  15. 【請求項15】請求項12において、前記被処理物が前
    記処理ガスで処理される時間と伴に前記第1の高周波の
    パワーを800Wから3000Wまで増加させるドライ
    エッチング方法。
  16. 【請求項16】真空処理室内に少なくとも1種の処理ガ
    スを導入する手段を有し、前記処理ガスを真空室外に排
    気する排気装置を有し、ガス組成分析装置を有し、前記
    真空処理室内に高周波を印加できる電極を有し、前記真
    空処理室内に設置した被処理物を処理するドライエッチ
    ング装置において、前記ガス組成分析装置から得られる
    測定結果を基に、エッチング条件を実時間制御すること
    を特徴とするドライエッチング装置。
  17. 【請求項17】請求項16において、前記ガス組成分析
    装置から得られるエッチング反応生成物の分圧の測定結
    果を基に、エッチング条件を実時間制御するドライエッ
    チング装置。
  18. 【請求項18】請求項17において、前記ガス組成分析
    装置から得られるエッチング反応生成物の分圧の低下に
    伴ってイオン電流密度を増加させるドライエッチング装
    置。
  19. 【請求項19】請求項16において、プラズマを生成す
    るための高周波を前記真空処理室内に導入する手段を有
    し、前記ガス組成分析装置から得られる測定結果を基に
    前記プラズマを生成するための前記高周波のパワーを変
    化させるドライエッチング装置。
  20. 【請求項20】請求項19において、前記ガス組成分析
    装置から得られるエッチング反応生成物の分圧の変化に
    伴って前記プラズマを生成するための前記高周波のパワ
    ーを変化させるドライエッチング装置。
  21. 【請求項21】請求項19において、前記ガス組成分析
    装置から得られるエッチング反応生成物の分圧の低下に
    伴って前記プラズマを生成するための前記高周波のパワ
    ーを増加させるドライエッチング装置。
  22. 【請求項22】請求項16において、前記ガス組成分析
    装置から得られる測定結果を基に前記処理ガスのガス流
    量もしくは組成をかえるドライエッチング装置。
  23. 【請求項23】請求項22において、前記ガス組成分析
    装置から得られるエッチング反応生成物の分圧の低下に
    伴って前記処理ガスのガス流量もしくは組成をかえるド
    ライエッチング装置。
  24. 【請求項24】請求項5,7,19,20または21に
    おいて、前記プラズマを生成するための前記高周波のパ
    ワーを500Wから3000Wまでの間でコンピュータ
    で制御するドライエッチング装置。
  25. 【請求項25】少なくとも1種の処理ガスを用い、高周
    波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中で前記
    処理ガスから生成したイオンを被処理物に入射すること
    によって前記被処理物をエッチングするドライエッチン
    グ方法において、プラズマ中のガス組成の変化を基に、
    エッチング条件を実時間制御することを特徴とするドラ
    イエッチング方法。
  26. 【請求項26】請求項25において、前記被処理物から
    発生する反応生成物の分圧の変化に伴って前記イオンに
    よるイオン電流密度を変化させるドライエッチング方
    法。
  27. 【請求項27】請求項25において、前記被処理物から
    発生する反応生成物の分圧の低下に伴って前記イオンに
    よるイオン電流密度を増加させるドライエッチング方
    法。
  28. 【請求項28】少なくとも1種の処理ガスを用い、第1
    の高周波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中
    で前記処理ガスからイオンを生成し、被処理物に印加す
    る第2の高周波によってイオンを加速し前記被処理物に
    入射することによって前記被処理物をエッチングするド
    ライエッチング方法において、プラズマ中のガス組成の
    変化に伴って前記第1の高周波のパワーを変化させるこ
    とを特徴とするドライエッチング方法。
  29. 【請求項29】請求項28において、前記被処理物から
    発生する反応生成物の分圧の変化に伴って前記第1の高
    周波のパワーを変化させるドライエッチング方法。
  30. 【請求項30】請求項28において、前記被処理物から
    発生する反応生成物の分圧の低下に伴って前記第1の高
    周波のパワーを増加させるドライエッチング方法。
  31. 【請求項31】請求項25において、前記プラズマ中の
    ガス組成の変化に伴って、前記処理ガスのガス流量もし
    くは組成をかえるドライエッチング方法。
  32. 【請求項32】請求項31において、前記被処理物から
    発生する反応生成物の分圧の変化に伴って前記処理ガス
    のガス流量もしくは組成をかえるドライエッチング方
    法。
  33. 【請求項33】請求項25において、前記プラズマ中の
    ガス組成変化に伴って前記イオンによるイオン電流密度
    および前記処理ガスのガス流量もしくは組成を同時に変
    化させるドライエッチング方法。
  34. 【請求項34】請求項25において、前記被処理物から
    発生する反応生成物の分圧の変化に伴って前記イオンに
    よるイオン電流密度および前記処理ガスのガス流量もし
    くは組成を同時に変化させるドライエッチング方法。
  35. 【請求項35】請求項28において、前記プラズマ中の
    ガス組成変化に伴って前記第1の高周波のパワーおよび
    前記処理ガスのガス流量もしくは組成を同時に変化させ
    るドライエッチング方法。
  36. 【請求項36】請求項28において、前記被処理物から
    発生する反応生成物の分圧の変化に伴って前記第1の高
    周波のパワーおよび前記処理ガスのガス流量もしくは組
    成を同時に変化させるドライエッチング方法。
  37. 【請求項37】請求項12,13,14,15,28,
    29,30,35または36において、第1の高周波の
    パワーを500Wから3000Wまでの間でコンピュー
    タで制御するドライエッチング方法。
  38. 【請求項38】少なくとも1種の処理ガスを用い、高周
    波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中で前記
    処理ガスから生成したイオンを被処理物に入射すること
    によって前記被処理物をエッチングするドライエッチン
    グ方法において、前記被処理物のエッチングされる部分
    における前記処理ガスおよび前記処理ガスから前記プラ
    ズマ中で生成される中性粒子および前記イオンが被処理
    物に入射することによって生じる中性粒子の全入射量
    が、前記被処理物の表面形状に依存しないことを特徴と
    するドライエッチング方法。
  39. 【請求項39】請求項38において、前記中性粒子の全
    入射量が、前記被処理物の表面形状に依存しないように
    前記イオンによるイオン電流密度を制御するドライエッ
    チング方法。
  40. 【請求項40】少なくとも1種の処理ガスを用い、第1
    の高周波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中
    で前記処理ガスからイオンを生成し、被処理物に印加す
    る第2の高周波によってイオンを加速し前記被処理物に
    入射することによって前記被処理物をエッチングするド
    ライエッチング方法において、前記被処理物のエッチン
    グされる部分における前記処理ガスおよび前記処理ガス
    から前記プラズマ中で生成される中性粒子および前記イ
    オンが被処理物に入射することによって生じる中性粒子
    の全入射量が、前記被処理物の表面構造に依存しないよ
    うに前記第1の高周波のパワーを制御することを特徴と
    するドライエッチング方法。
  41. 【請求項41】少なくとも1種の処理ガスを用い、高周
    波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中で前記
    処理ガスから生成したイオンを被処理物に入射すること
    によって前記被処理物をエッチングするドライエッチン
    グ方法において、全圧3mTorr以上、エッチング率1以
    下、かつ前記イオンによるイオン電流密度が30mA/
    cm2 以上でエッチングを行うことを特徴とするドライエ
    ッチング方法。
  42. 【請求項42】少なくとも1種の処理ガスを用い、高周
    波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中で前記
    処理ガスから生成したイオンを被処理物に入射すること
    によって前記被処理物をエッチングするドライエッチン
    グ方法において、全圧0.5mTorr以上3mTorr以下,
    エッチング率1以下、かつイオン電流密度が8mA/cm
    2 以上であることを特徴とするドライエッチング方法。
  43. 【請求項43】少なくとも1種の処理ガスを用い、高周
    波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中で前記
    処理ガスから生成したイオンを被処理物に入射すること
    によって前記被処理物をエッチングするドライエッチン
    グ方法において、前記イオンの平均運動エネルギが10
    0eV以下、かつ前記イオンによるイオン電流密度が8
    mA/cm2 以上であることを特徴とするドライエッチン
    グ装置。
  44. 【請求項44】少なくとも1種の処理ガスを用い、高周
    波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中で前記
    処理ガスから生成したイオンを被処理物に入射すること
    によって前記被処理物をエッチングするドライエッチン
    グ方法において、前記被処理物における被エッチング物
    が絶縁物で、前記イオンの平均運動エネルギが500eV
    以下、かつ前記イオンによるイオン電流密度が8mA/
    cm2 以上であることを特徴とするドライエッチング方
    法。
  45. 【請求項45】真空処理室内に少なくとも1種の処理ガ
    スを導入する手段を有し、前記処理ガスを真空室外に排
    気する排気装置を有し、プラズマを生成するための高周
    波を前記真空処理室内に導入する手段を有し、前記真空
    処理室内に高周波を印加できる電極を有する前記真空処
    理室内に設置した被処理物を処理するドライエッチング
    装置において、プラズマを生成するための前記高周波が
    パルスかつ最大瞬間出力が3000W以上であることを
    特徴とするドライエッチング装置。
  46. 【請求項46】請求項45において、プラズマを生成す
    るための前記高周波が50μs以上の間隔で50μsか
    ら10msの幅のパルスであるドライエッチング装置。
  47. 【請求項47】少なくとも1種の処理ガスを用い、第1
    の高周波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中
    で前記処理ガスからイオンを生成し、被処理物に印加す
    る第2の高周波によってイオンを加速し前記被処理物に
    入射することによって前記被処理物をエッチングするド
    ライエッチング方法において、前記第1の高周波がパル
    スかつ最大瞬間出力が3000W以上であることを特徴
    とするドライエッチング方法。
  48. 【請求項48】請求項47において、プラズマを生成す
    るための前記高周波が50μs以上の間隔で50μsか
    ら10msの幅のパルスであるドライエッチング方法。
  49. 【請求項49】真空処理室内に少なくとも1種の処理ガ
    スを導入する手段を有し、前記処理ガスを真空室外に排
    気する排気装置を有し、前記真空処理室内で発生するイ
    オンの速度を加速させる電極を有し、前記真空処理室内
    に設置した被処理物を処理するドライエッチング装置に
    おいて、前記被処理物のエッチングされる部分における
    前記処理ガスから生じる中性粒子の割合を前記イオンに
    よる電流密度を制御することによって前記被処理物表面
    上の異なった形状に対するエッチングがほぼ同時に終了
    することを特徴とするドライエッチング装置。
  50. 【請求項50】請求項49において、プラズマを生成す
    るための高周波を前記真空処理室内に導入する手段を有
    し、前記被処理物のエッチングされる部分における前記
    処理ガスから生じる中性粒子の割合を前記プラズマを生
    成するための前記高周波のパワーを制御することによっ
    て前記被処理物表面上の異なった形状に対するエッチン
    グがほぼ同時に終了するドライエッチング装置。
  51. 【請求項51】少なくとも1種の処理ガスを用い、被処
    理物に印加する高周波によってイオンを加速し前記被処
    理物に入射することによって前記被処理物をエッチング
    するドライエッチング方法において、前記被処理物のエ
    ッチングされる部分における前記処理ガスから生じる中
    性粒子の割合を前記イオンによる電流密度を制御するこ
    とによって前記被処理物表面上の異なった形状に対する
    エッチングがほぼ同時に終了することを特徴とするドラ
    イエッチング方法。
  52. 【請求項52】少なくとも1種の処理ガスを用い、第1
    の高周波によってプラズマを発生させ、前記プラズマ中
    で前記処理ガスからイオンを生成し、被処理物に印加す
    る第2の高周波によってイオンを加速し前記被処理物に
    入射することによって前記被処理物をエッチングするド
    ライエッチング方法において、前記被処理物のエッチン
    グされる部分における前記処理ガスから生じる中性粒子
    の割合を前記第1の高周波のパワーを制御することによ
    って前記被処理物表面上の異なった形状に対するエッチ
    ングがほぼ同時に終了することを特徴とするドライエッ
    チング方法。
  53. 【請求項53】容量絶縁膜と前記容量絶縁膜に接続され
    た二つの電極を有する半導体装置において、前記電極の
    うち少なくとも一つの電極も構造に複数種類の異なった
    深さの溝もしくは穴を有することを特徴とする半導体装
    置。
  54. 【請求項54】請求項53において、前記電極のうち少
    なくとも一つ電極の構造に形成された溝がアスペクト比
    7以上である半導体装置。
  55. 【請求項55】一つのスイッチ用トランジスタと一つの
    電荷蓄積容量を有するメモリセルを含み、前記電荷蓄積
    容量が前記スイッチ用トランジスタの上部に形成された
    半導体記憶装置において、前記電荷蓄積容量と前記スイ
    ッチ用トランジスタを電気的に接続する電極の構造に複
    数種類の異なった深さの溝もしくは穴を有することを特
    徴とする半導体記憶装置。
  56. 【請求項56】請求項55において、前記電荷蓄積容量
    と前記スイッチ用トランジスタの間に形成された電極
    に、アスペクト比7以上の異なった深さの溝もしくは穴
    を有する半導体装置。
  57. 【請求項57】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,16,17,18,19,20,21,22,2
    3,24,45,46,49または50において、前記
    プラズマを制御するための複数種類以上の磁界を発生さ
    せる手段を有するドライエッチング装置。
  58. 【請求項58】請求項9,10,11,12,13,1
    4,15,25,26,27,28,29,30,3
    1,32,33,34,35,36,37,38,3
    9,40,41,42,43,44,47,48,51
    または52において、複数種類の磁界によって前記高周
    波によって発生するプラズマを安定に高密度化するドラ
    イエッチング方法。
  59. 【請求項59】請求項58において、Siの塩素ガスエ
    ッチングの被処理物を100℃以下に冷却するドライエ
    ッチング方法。
  60. 【請求項60】請求項9,10,11,12,13,1
    4,15,25,26,27,28,29,30,3
    1,32,33,34,35,36,37,38,3
    9,40,41,42,43,44,47,48,5
    1,52,58または59において、エッチングしない
    部分を保護するマスク材料が、前記プラズマによって熱
    分解しないように、前記マスク材料を無機物とするドラ
    イエッチング方法。
  61. 【請求項61】請求項9,10,11,12,13,1
    4,15,25,26,27,28,29,30,3
    1,32,33,34,35,36,37,38,3
    9,40,41,42,43,44,47,48,5
    1,52,58または59において、エッチングしない
    部分を保護するマスク材料が、前記プラズマによって熱
    分解しないように、前記マスク材料に200℃以下で熱
    分解しない、もしくは200℃以下で融解しない材料を
    用いるドライエッチング方法。
  62. 【請求項62】請求項1,2,3,4,5,6,7,
    8,9,10,11,12,13,14,15,16,
    17,18,19,20,21,22,23,24,2
    5,26,27,28,29,30,31,32,3
    3,34,35,36,37,38,39,40,4
    1,42,43,44,45,46,47,48,4
    9,50,51,52,57,58,59,60または
    61のいずれか一つの装置もしくは方法を用い、請求項
    53,54,55または56の半導体装置を製造する方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002500442A (ja) * 1997-12-29 2002-01-08 ラム リサーチ コーポレーション 半導体デバイスのためのセルフアライメントコンタクト
WO2003060975A1 (fr) * 2002-01-03 2003-07-24 Alcatel Procede et dispositif de gravure anisotrope du silicium a haut facteur d'aspect
JP2007129060A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Tokyo Electron Ltd 半導体装置の製造方法、半導体装置の製造装置、制御プログラム及びコンピュータ記憶媒体
JP2022172744A (ja) * 2021-05-07 2022-11-17 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法および基板処理装置

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