JPH0817773A - 酸素除去方法、及び汚染物除去方法、及びそれらを用いた化合物半導体デバイスの成長方法、及びそれに用いる成長装置 - Google Patents

酸素除去方法、及び汚染物除去方法、及びそれらを用いた化合物半導体デバイスの成長方法、及びそれに用いる成長装置

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体上の汚染物、特には酸化膜を効率よく
除去する方法を提供する。 【構成】 酸化膜を除去する際に、水素プラズマと同時
にAs分子線を照射する。 【効果】 水素プラズマ、As分子線それぞれによる酸
化膜除去効果を合わせた以上の酸化膜除去効果が得ら
れ、低温での除去が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体デバイス、特には
光集積回路等の製造工程中に行われる、半導体上に付着
した汚染物を除去する工程、及び半導体の成長工程、及
びそれに用いる成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体のプロセス技術とくに光集
積回路のための成長技術は極めて重要である。しかし、
Siにくらべると信頼性や汎用性の点で遠く及ばない。
化合物半導体の成長を困難にしているのは以下の原因を
クリアできないことによる。 1)表面汚染の除去 2)安定な表面再構成 3)微細加工パターンを残したままのクリーニング 4)微細加工時のダメージの除去 上記のうち、1)および2)は成長を中断しただけで影
響をおよぼす原因であり、3)および4)は中断したあ
とフォトリソ工程等を含む微細加工を施したことで問題
になる原因である。さらに問題を複雑にしているのは、
材料系による原因の影響度の違いである。現在光デバイ
スで主に用いられている材料系は、GaInAsP/I
nP,AlGaAs/GaAsおよびAlGaInP/
GaAsであるが、それぞれにおいて成長を困難してい
る最大要因は異なっている。たとえば、GaInAsP
/InPでは、2),3),1),4)の順で影響度が
大きい。というのもGaInAsP/InP系では、微
細加工を施したGaInAsP層の上にInPないしは
GaInAsPを再成長することは困難である。その理
由は、表面にAsとPが混在しており、両者の飽和蒸気
圧と沸点が極めて異なっているために、2),3)およ
び1)が理想的に行なえないからである。またAlGa
As/GaAsでは1),4),3),2)の順で影響
度が大きい。Alを含んでいる場合にはAlが酸化しや
すいために、一度大気に取り出すとウエハにダメージを
与えることなしには酸化膜を除去することはほとんど不
可能とされている。現在のところ極めて限定された混晶
比あるいはデバイス構造の場合に適用例があるのみであ
る(ジャパニーズジャーナルオブアプライドフィイック
ス(Japanese Journal of App
lied Physics)誌、第24巻、第2号、1
985年、L89頁〜L90記載の” Single
Longitudinal−Mode Selfali
gned (AlGa)As Double Hete
rostructure Lasers Fabric
ated by Molecular Beam Ep
itaxy”)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に、従来は半
導体上の様々な汚染物を効率よく、なおかつ半導体への
ダメージを与えずに除去する方法は知られていなかっ
た。特に汚染物としての酸素は半導体上から半導体にダ
メージを与えずに除去するのは非常に困難であった。ま
た化合物半導体においては、その構成元素に脱離温度が
低いものが含まれている場合には汚染物除去工程におい
て基板温度を上げることができない為に汚染物除去効率
を上げることができない。また離脱温度が低い元素に対
しては分圧を与えることにより補うとしても、離脱温度
が低いものを複数含んでいる場合には、それぞれに同時
に分圧を与えることは難しい。その為、汚染物除去工程
において、所望の混晶比を保ったまま汚染物除去を行う
ことは困難であった。さらに今後、バンドエンジニアリ
ングの進展にともない、新たな材料の組み合わせ(たと
えばAlInP on GaInAsP など)が今後
必要とされる可能性がある。この際に、広範囲のクリー
ニング技術の必要性が高まることは明らかである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は上記困難
を克服し、半導体上の汚染物、特には酸素を効率よく、
表面再構成がよく、半導体にダメージを与えずに除去す
る方法を提供することにある。それを実現する為に、本
発明では、先ず半導体上の酸素を除去する方法として、
水素プラズマ中でAs分子線を照射することによって酸
素を除去することを特徴とする酸素除去方法、を提供
し、更に、炭素等の酸素以外の汚染物も含めて除去する
方法として、主に酸素以外の汚染物を除去する第1の工
程と、水素プラズマ中でAs分子線を照射することによ
って酸素を除去する第2の工程を含むことを特徴とする
汚染物除去方法を提供する。
【0005】更にそれらを用いた半導体の成長方法とし
て、主に酸素以外の汚染物を除去する第1の工程と、水
素プラズマ中でAs分子線を照射することによって酸素
を除去する第2の工程と、成長を行う工程を有し、前記
各工程間を真空に保つ事を特徴とする成長方法、を提供
し、更にそれに用いる成長装置を提供する。
【0006】
【実施例】以下に本発明の詳細を具体例を上げながら説
明する。
【0007】(実施例1)本実施例は以下の工程からな
る。結晶成長1→ウエハ取り出し→微細加工(メサ形成
やグレーティング形成等)→主に酸素以外の表面不純物
除去→真空転送→酸化膜除去→真空転送→結晶回復→
(必要があれば酸素以外の表面不純物除去へもどる)→
真空転送→結晶成長2(再成長)。
【0008】図1は本発明を実現する装置の模式図であ
る。31はロードロック室、32はカーボンを主体とす
る不純物を除去する第1エッチング室、33は酸化膜を
除去する第2エッチング室、34は再成長を行う成長
室、35は各工程間をつなぐ真空トンネルである。
【0009】第1エッチング室22で主に酸素以外のカ
ーボンを中心とする汚染物を除去する。この時、酸素プ
ラズマを使用すると効率よく汚染物を除去することがで
きる。しかしながら酸素プラズマを使用すると、酸素に
関してはプロセス以前よりも取り込み量が増える。
【0010】第2エッチング室に真空トンネルを介して
転送されることで新たな汚染源にさらされることなく酸
化膜除去工程を行なうことができる。この酸化膜除去工
程が本発明のもっとも特徴的な工程である。通常の水素
プラズマだけではなくAsビームをウエハへ照射するこ
とで酸化膜の除去効果は増大する。かつ、低温化におい
てもその効果は大きいので、除去工程を低温で行うこと
ができる為、Pの脱離温度(〜350℃)以下で酸化膜
が除去でき、結晶へのダメージは極めて小さい。図2
は、酸化膜のエッチレートと基板温度の関係を水素プラ
ズマだけの場合、Asビーム照射だけの場合、その両方
を用いた場合について模式的に示したものである。As
分子線のみあるはECR励起の水素プラズマエッチング
にくらべ、両方を組み合わせることで、両者の和のエッ
チレート以上の酸化膜除去能力があるとともに結晶に対
し極めて低損傷な処理であることがわかった。そのメカ
ニズムはあきらかではないが、ECRで誘起されるH*
+H+ が、Asによる酸素脱離を加速するためと想定さ
れる。
【0011】このように、本願発明の酸素除去は低温で
行うことが可能であり、かつ半導体に与えるダメージも
少ないわけだが、更に第3の工程において、脱離した元
素を分子線を照射しながら熱履歴をかけることで補い、
完全に結晶回復をはかることができる。
【0012】第4の工程で再成長を行なう。
【0013】更に具体的に、デバイスに応用した場合に
関して説明する。
【0014】図3は3元ないし4元の光ガイド層にグレ
ーティングもつ集積型光デバイスの例である。
【0015】まず、n型InP基板10上に任意の結晶
成長法でn型InP第1クラッド層11、アンドープG
aInAsP第1コア層12、p型GaInAsP第2
クラッド層13を成長したあと、グレーティング20を
形成する。この時、通常のフォトリソグラフィ技術でグ
レーティングパターンを形成した後、塩素系のドライエ
ッチングを用い深さ100nmのグレーティングを形成
した。この結果、レジスト除去後も炭素が表面に残留し
ている。
【0016】この後、前述の汚染物除去方法を適用す
る。図1において、まず、ウエハをロードロック室31
に装填し、高真空排気したあと、真空トンネル35を介
して第1エッチング室32に転送し、高純度酸素をもち
いてECRエッチングする。エッチング条件は、ガス圧
3.0E−3 Torr、ECRパワー100W、エッ
チング時間10分を用いた。この条件では、微細加工し
たパターンに影響を与えることなく、炭素を主成分とし
た汚染源を除去できる。その半面、酸素が酸化膜として
表面を覆うようになる。
【0017】次に、真空トンネル35を介して、第2エ
ッチング室33に真空転送し、高純度水素をECR励起
するとともに、ガスセルを用いてAs分子線を加熱した
ウエハに照射しつつ、酸化膜を除去する。この時の条件
は、ガス圧5E−4 Torr、ECRパワー100
W、基板温度300℃、アルシン流量2SCCM, ク
ラッキング温度900℃、処理時間30分である。
【0018】ここで基板温度は300℃であり、Pの離
脱温度より低い為、Pはあまり離脱しないが、離脱する
ものもあるので、次に、真空トンネル35を介して、成
長室34にウエハを真空転送し、P分子線を当てなが
ら、熱処理を行なう。用いた条件は、フォスフィン流量
3SCCM、クラッキング温度900℃、基板温度53
0℃、アニール時間1時間である。アニールの終了はR
HEEDでその場でモニタすることができる。
【0019】表面状態が不十分な場合、前記工程を繰り
返すことで効果を上げることができる。
【0020】表面清浄化を確認できたら、p型GaIn
AsP第3クラッド層14、GaInAsP第2コア層
15、p型GaInAsP第4クラッド層16およびp
型GaInAsPキャップ層17の再成長を行う。
【0021】本願発明の酸素除去方法、及び汚染物除去
方法を用いることによって、半導体層の表面状態は改善
され、再成長が容易になると同時に、再成長した半導体
層の層質も改善される。
【0022】また本実施例においては、酸素除去工程に
おいて基板温度を300℃としたが、除去効率を上げる
為更に高い温度、例えば400℃などにしても良い。そ
の場合にはPが脱離しやすくなるので酸素を除去する際
に同時にPに対して分圧を与える。分圧の与え方として
は、雰囲気中に供給しても良いし、分子線を照射しても
良い。ただしこの時の基板温度は構成元素のうちPに次
いで離脱温度の低いAsの離脱温度を越えない様にする
のが望ましい。2つの元素に対して分圧を与えるのは、
半導体表面の空きサイトにどちらの元素が結合するか分
からない為、制御するのが困難だからである。
【0023】(実施例2)第1の実施例の材料系をGa
InAsPからAlGaAsへ変更した場合について説
明する。図3において、基板10はn型GaAs基板、
クラッド層11,13,14,16はすべてAlGaA
sとなっているものとして説明する。この場合、蒸気圧
が高いPを含まないため、表面再構成は比較的安定して
いる。その半面、Alを含むために不純物除去はGaI
nAsP系にくらべ困難である。第2クラッド層13に
グレーティングを形成したあとの汚染物除去工程に本発
明を適用した。
【0024】まず、主に酸素以外のカーボンを主成分と
する不純物除去工程には、物理的エッチングモードを高
めるために、酸素とアルゴンの混合ガス(分圧比9:
1)を用いた。エッチング条件は、ガス圧3.0E−3
Torr、ECRパワー100W、エッチング時間1
0分を用いた。この条件は、実施例1に比べ強いが、結
晶に対して微細加工したAlGaAsの結晶性を損なう
ほどではない。次に、酸化膜除去工程では、処理条件を
以下のように設定した。水素ガス圧5E−4 Tor
r、ECRパワー100W、基板温度520℃、アルシ
ン流量2SCCM,クラッキング温度900℃、処理時
間30分。基板温度を520℃に高めているのは、酸化
膜離脱を促進するためである。実施例1と異なり、離脱
温度の低いPを含まないため、温度を高く設定できた。
その後結晶回復工程で、As分子線を当てながら、温度
を560℃で約2時間保つことで結晶回復が実現でき
る。その後AlGaAsの再成長をMBEないしはCB
Eで実行する。
【0025】半導体がAlを含む場合は汚染物を除去す
るのが特に困難であるが、本願発明の酸素除去方法、汚
染物除去方法を用いることにより効率よく除去すること
が可能になる。
【0026】(実施例3)AlGaInAsP/AlG
aAs 図3において第2クラッド層が、Al、AsおよびPを
同時に含む、たとえばAlGaInAsPあるいはAl
GaAsPなどの場合について説明する。
【0027】カーボンを主体とする汚染物の除去工程で
は実施例2の条件を適用する事によってエッチングモー
ドを高める。一方酸化膜除去工程では離脱温度の低いP
を含んでいる事から、実施例1の条件を適用する。結晶
回復工程では実施例1の条件を適用すればよい。
【0028】
【発明の効果】本発明によって、効率よい汚染物の除
去、酸素の除去を低温で行うことが可能となる。また微
細加工を施したものであっても微細加工を崩すことなく
汚染物を除去する事が可能となる。またGaInAsP
のように蒸気圧の高い、すなわち脱離しやすいAsやP
のような元素を複数含んでいる場合でも表面構成を壊す
ことなく汚染物を除去する事が可能となる。またAlG
aAsのように強固な酸化膜を構成している場合でも強
力に除去できる様になる。脱離しやすい元素を複数含
み、同時に強固な酸化膜ができる原因になるAlの様な
元素を含んでいる場合でも汚染物を除去する事が可能と
なる。上記の様に汚染物を効率よく除去できる為、その
上に成長する事が容易になり、成長したものの層質もよ
くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素除去方法、及び汚染物除去方法を
行う装置構成例を示す図。
【図2】本発明の酸素除去方法の効果を示すグラフ。
【図3】本発明を適用した実施例の光デバイスの模式
図。
【符号の説明】 31 ロードロック室 32 主に酸素以外の汚染物を除去するエッチング室 33 酸化膜を除去するエッチング室 34 成長室 35 真空トンネル

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体における酸素除去方法であって、
    水素プラズマ中でAs分子線を照射することによって酸
    素を除去することを特徴とする酸素除去方法。
  2. 【請求項2】 半導体が化合物半導体であることを特徴
    とする請求項1記載の酸素除去方法。
  3. 【請求項3】 化合物半導体がIII−V族混晶の化合
    物半導体であることを特徴とする請求項1及び2記載の
    酸素除去方法。
  4. 【請求項4】 請求項2及び3記載の酸素除去方法にお
    いて、酸素を除去する際に化合物半導体を構成する元素
    のうちの半導体から離脱する離脱温度の低い元素に対し
    て分圧を与えることを特徴とする酸素除去方法。
  5. 【請求項5】 分圧を与える元素がPであることを特徴
    とする請求項4記載の酸素除去方法。
  6. 【請求項6】 水素プラズマをECR励起に依って供給
    することを特徴とする請求項1乃至5記載の酸素除去方
    法。
  7. 【請求項7】 As分子線をAsの水素化物をクラッキ
    ングすることに依って得ることを特徴とする請求項1乃
    至6記載の酸素除去方法。
  8. 【請求項8】 分圧を与える方法が、雰囲気中に分圧を
    与える元素を供給するものであることを特徴とする請求
    項4及び5記載の酸素除去方法。
  9. 【請求項9】 分圧を与える方法が、分圧を与える元素
    の分子線を照射するものであることを特徴とする請求項
    4及び5記載の酸素除去方法。
  10. 【請求項10】 半導体における汚染物除去方法であっ
    て、主に酸素以外の汚染物を除去する第1の工程と、水
    素プラズマ中でAs分子線を照射することによって酸素
    を除去する第2の工程を含むことを特徴とする汚染物除
    去方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の汚染物除去方法にお
    いて、前記第1の工程と第2の工程を複数回繰り返すこ
    とを特徴とする汚染物除去方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の工程が、酸素、あるいは酸
    素とアルゴンの混合ガスを用いたドライエッチングであ
    ることを特徴とする請求項10及び11記載の汚染物除
    去方法。
  13. 【請求項13】 前記第1の工程と第2の工程の間を真
    空に保つ事を特徴とする請求項10乃至12記載の汚染
    物除去方法。
  14. 【請求項14】 半導体を成長させる成長方法であっ
    て、主に酸素以外の汚染物を除去する第1の工程と、水
    素プラズマ中でAs分子線を照射することによって酸素
    を除去する第2の工程と、成長を行う工程を有し、前記
    各工程間を真空に保つ事を特徴とする成長方法。
  15. 【請求項15】 前記第2の工程の後に、離脱した元素
    の分子線を照射しながら熱履歴をかけることによって結
    晶回復を行う第3の工程を更に有することを特徴とする
    請求項14記載の成長方法。
  16. 【請求項16】 請求項14もしくは15記載の成長方
    法に用いる成長装置。
JP14460494A 1994-06-27 1994-06-27 酸素除去方法、及び汚染物除去方法、及びそれらを用いた化合物半導体デバイスの成長方法、及びそれに用いる成長装置 Expired - Fee Related JP3495786B2 (ja)

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