JPH08177276A - ドアハンドル用グリップおよびその製造方法 - Google Patents

ドアハンドル用グリップおよびその製造方法

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JPH08177276A
JPH08177276A JP6322989A JP32298994A JPH08177276A JP H08177276 A JPH08177276 A JP H08177276A JP 6322989 A JP6322989 A JP 6322989A JP 32298994 A JP32298994 A JP 32298994A JP H08177276 A JPH08177276 A JP H08177276A
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JP
Japan
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grip
door handle
colorant
molded product
spread powder
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JP6322989A
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English (en)
Inventor
Haruo Kitamura
治雄 北村
Hideki Watanabe
英樹 渡邉
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Miyagawa Kasei Industry Co Ltd
Original Assignee
Miyagawa Kasei Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドアハンドル用グリップを、高級感に優れた
セラミックスで構成しながらも機械的強度を高いものと
するとともに、大理石のような濃淡模様を容易に付与で
きるようにする。 【構成】 グリップ3を、アルミナ、ジルコニアまたは
それらの混合物を含むファインセラミックスから構成す
る。このようなグリップ3を得るため、グリップ3の形
状をなすように成形された焼成前のセラミックス成形品
を用意し、このセラミックス成形品を、着色剤を混合し
た敷粉内に配置した状態で焼成する。着色剤を敷粉内に
おいて不均一に分布させておくことにより、得られたグ
リップ3の表面に濃淡模様が現われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ドアハンドル用グリ
ップおよびその製造方法に関するもので、特に、セラミ
ックスからなるグリップおよびその着色方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】この発明にとって興味あるドアハンドル
1が、図1に示されている。また、図2は、図1に示し
たドアハンドル1の分解図である。
【0003】ドアハンドル1は、L字状に延びるドアハ
ンドル本体2およびドアハンドル本体2上に嵌合される
筒状のグリップ3を備える。より詳細には、図2に示す
ように、ドアハンドル本体2の一方端にはシャフト4が
設けられ、シャフト4の根元部分にはフランジ5が形成
される。シャフト4上にグリップ3が嵌合された後、シ
ャフト4の端部に設けられた雄ねじ6にナット部材7が
螺合される。ナット部材7は、フランジ8を形成してい
て、前述したフランジ5とこのフランジ8との間にグリ
ップ3が挟まれることにより、グリップ3がドアハンド
ル本体2に対して取付けられる。
【0004】上述したドアハンドル1は、高級感に優れ
ており、そのため、高級な建築物に関連して多く用いら
れている。このようなドアハンドル1の高級感は、特に
その材質に負うところが大きい。すなわち、ドアハンド
ル1を高級感に優れたものとするため、一般に、ドアハ
ンドル本体2およびナット部材7がたとえば真鍮から構
成され、グリップ3が陶磁器から構成される。陶磁器製
のグリップ3の表面には、適宜の模様が付されることも
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、グリ
ップ3が、陶磁器、すなわち天然のセラミックスから構
成されるとき、次のような問題に遭遇することがあっ
た。
【0006】まず、陶磁器製のグリップ3は、高い寸法
精度をもって製造することが比較的困難である。そのた
め、グリップ3とドアハンドル本体2との嵌合状態が不
適正となることがしばしばある。
【0007】また、陶磁器製のグリップ3は、機械的強
度に劣るという問題もある。そのため、グリップ3が破
損しやすい。また、グリップ3を焼成により得た段階で
は、光沢が悪い。しかしながら、光沢を増すため、焼成
後のグリップ3に対して研磨を施すことも実質的に不可
能である。なぜなら、上述のように、陶磁器製のグリッ
プ3は、機械的強度が低く、研磨に耐え得ないからであ
る。したがって、陶磁器製のグリップ3に対して光沢を
与えるためには、比較的煩雑な釉薬処理に頼らなければ
ならない。
【0008】それゆえに、この発明の目的は、上述した
問題を解決し得るドアハンドル用グリップを提供しよう
とすることである。
【0009】また、上述したようなグリップ3におい
て、着色または適宜の模様を付すことは、ドアハンドル
1の高級感をさらに増すとともに、品種の多様化にも貢
献する。しかしながら、陶磁器製のグリップ3におい
て、このような着色または模様を付そうとする場合、グ
リップ3を得るための工程数が増加し、その結果、グリ
ップ3を得るためのコストが増大する。
【0010】そこで、この発明の他の目的は、ドアハン
ドル用グリップにおいて着色または模様を能率的に付す
ことができる、ドアハンドル用グリップの製造方法を提
供しようとすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】まず、この発明は、ドア
ハンドル本体上に嵌合されるグリップに向けられ、前述
した技術的課題を解決するため、このようなグリップ
は、アルミナ、ジルコニアまたはそれらの混合物を含む
ファインセラミックスからなることを特徴としている。
【0012】また、この発明に係るドアハンドル用グリ
ップの製造方法では、ドアハンドル本体上に嵌合される
グリップを製造する方法が提供され、前述した技術的課
題を解決するため、グリップの形状をなすように成形さ
れた焼成前のセラミックス成形品が用意され、このセラ
ミックス成形品が、着色剤を混合した敷粉内に配置され
た状態で焼成される。
【0013】
【発明の作用および効果】この発明に係るドアハンドル
用グリップは、アルミナ、ジルコニアまたはそれらの混
合物を含む純度の高いファインセラミックスからなるの
で、機械的強度を優れたものとすることができる。機械
的強度を示す尺度の1つである曲げ強度について比較す
ると、陶磁器すなわち天然のセラミックスでは、500
〜900kgf/cm2 であり、アルミナでは、300
0〜4000kgf/cm2 であり、ジルコニアでは、
8000〜15000kgf/cm2 であることから、
従来の陶磁器に比べて、3〜30倍の機械的強度が得ら
れることがわかる。
【0014】また、この発明に係るドアハンドル用グリ
ップは、上述のように、機械的強度が優れているため、
容易に研磨を適用することができる。そのため、研磨に
より優れた光沢を出すことができ、従来のように、光沢
を出すため、釉薬処理をする必要がない。なお、この発
明によるドアハンドル用グリップにおいて、釉薬処理を
施すことを妨げるものではない。また、このように研磨
されたグリップには、緻密な表面状態が現われ、それに
よって、高級感を一層発揮させることができる。
【0015】また、この発明によるドアハンドル用グリ
ップは、優れた寸法精度をもって得ることができる。す
なわち、アルミナ、ジルコニアまたはそれらの混合物を
含む純度の高いファインセラミックスは、焼成前のセラ
ミックス成形品を得るため、射出成形を容易に適用する
ことができる。このように、射出成形によりセラミック
ス成形品が製造された場合、これを焼成して得られたド
アハンドル用グリップの寸法は、目的とする寸法の±
0.5%以内のばらつきに抑えることができる。
【0016】また、この発明によるドアハンドル用グリ
ップの製造方法によれば、焼成前のセラミックス成形品
を焼成するときに、これをその内部に埋める敷粉に適宜
の着色剤を混合しておくだけで、焼成工程と同時に、グ
リップに対して着色を施すことができる。この着色剤に
は、通常、たとえば酸化クロムまたは酸化コバルトのよ
うな金属を含有するものが用いられ、このような着色剤
を変更することにより、色を任意に変更することができ
る。
【0017】また、敷粉内での着色剤の分布密度は、着
色の濃度を左右する。したがって、着色剤を均一に分布
させた敷粉を用いたときには、一様な着色を施すことが
でき、他方、着色剤を不均一に分布させた敷粉を用いれ
ば、たとえば大理石のような濃淡模様が不均一な着色に
よって表わされることができる。
【0018】
【実施例】再び、図1および図2を参照して、ドアハン
ドル1のためのドアハンドル本体2上に嵌合されるたと
えば筒状のグリップ3は、アルミナ、ジルコニアまたは
それらの混合物を含むファインセラミックスから構成さ
れる。このようなグリップ3を得るため、グリップ3の
形状をなすように成形された焼成前のセラミックス成形
品が用意される。セラミックス成形品は、鋳込成形また
はCIPにより得ることができる。また、セラミックス
成形品は、射出成形により得ることもできる。射出成形
によりセラミックス成形品を得る場合には、これを焼成
する前に、脱脂工程に付される。
【0019】上述したセラミックス成形品は、次いで、
敷粉内に配置され、その状態で焼成され、所望のグリッ
プ3が得られる。
【0020】上述した焼成工程において、敷粉内に着色
剤を混合しておくことにより、この着色剤に基づく着色
が、得られたグリップ3に付与される。着色剤を均一に
分布させた敷粉を用いた場合、グリップ3の表面には、
一様を着色が施される。他方、着色剤を不均一に分布さ
せた敷粉を用いると、大理石のような濃淡模様を表わし
たグリップ3を得ることができる。
【0021】以下に、この発明に従って実施した実験例
について説明する。 実験例1 純度99.6%のアルミナを含む泥しょうを、石こう型
に入れ、約1時間放置し、約5mmの厚みで着肉させ
た。次いで、型内の余剰の泥しょうを排出し、脱型後、
セラミックス成形品を1〜3日、室内で乾燥させた。
【0022】乾燥したセラミックス成形体を、所定の寸
法に加工し、さらに、バリ処理等の表面の面精度を向上
させるための処理を行なった。
【0023】他方、図3に示すように、粒子径が約50
μmのアルミナの敷粉9を用意し、そこに、酸化クロム
からなる着色剤10を少量不均一に混合した。より具体
的には、所定の量の敷粉9をばらまき、敷粉9の層を形
成し、この層の上に、少量の着色剤10の粉末をばらま
き、着色剤10の層を形成し、さらに、その上に、同様
の操作を繰返し、敷粉9の層および着色剤10の層を交
互に形成して、敷粉9内に着色剤10を不均一に分布さ
せた。このように、着色剤10を混合した敷粉9内に、
セラミックス成形品11を埋込み、その状態で、160
0℃の温度を付与し、セラミックス成形品11の焼成を
行なった。
【0024】このような焼成により得られたグリップ3
の表面には、酸化クロムに基づくピンク色の着色が施さ
れ、また、この着色は、図4に示すように、大理石のよ
うな濃淡を表わしていた。なお、図4において、濃淡模
様が斑点の分布密度の差によって表わされているが、こ
れは、図面作成上の便宜にすぎず、実際には、濃淡模様
において、図4に示したような斑点は目視できない。
【0025】上述のように焼成されたグリップ3は、次
いで、バレル研磨に付され、それによって優れた光沢が
与えられた。このようにして得られたグリップ3を、図
1および図2に示すように、ドアハンドル本体2に組込
むことにより、高級感に優れたドアハンドル1を得るこ
とができた。
【0026】実験例2 純度99.6%のアルミナに、熱可塑性樹脂およびワッ
クス可塑剤等を40〜50vol%配合し、加熱混練し
て得られた材料を射出成形して、筒状のセラミックス成
形品を得た。次に、これを大気中で加熱脱脂した。
【0027】他方、アルミナからなる敷粉に、着色剤と
しての少量の酸化コバルトを均一に分布させたものを用
意した。このような着色剤を混合した敷粉内に、上述し
たセラミックス成形品を埋込み、1600℃の温度でこ
れを焼成した。これによって、青色の着色が一様に施さ
れたグリップ3が得られた。
【0028】上述したグリップ3を、次いで、バレル研
磨に付し、優れた光沢のものとした後、図1および図2
に示すように、ドアハンドル本体2に組込むことによ
り、高級感に優れたドアハンドル1を得ることができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にとって興味あるドアハンドル1を示
す斜視図である。
【図2】図1に示したドアハンドル1を分解して示す斜
視図である。
【図3】この発明に従って実施された実験例1において
セラミックス成形品11を焼成する工程を示す図解的断
面図である。
【図4】図3に示した焼成工程によって得られたグリッ
プ3の表面の濃淡模様を図解的に示す展開図である。
【符号の説明】
1 ドアハンドル 2 ドアハンドル本体 3 グリップ 9 敷粉 10 着色剤 11 セラミックス成形品

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドアハンドル本体上に嵌合されるグリッ
    プであって、アルミナ、ジルコニアまたはそれらの混合
    物を含むファインセラミックスからなることを特徴とす
    る、ドアハンドル用グリップ。
  2. 【請求項2】 ドアハンドル本体上に嵌合されるグリッ
    プの製造方法であって、 前記グリップの形状をなすように成形された焼成前のセ
    ラミックス成形品を用意し、 前記セラミックス成形品を、着色剤を混合した敷粉内に
    配置した状態で焼成する、各工程を備える、ドアハンド
    ル用グリップの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記着色剤を混合した敷粉は、着色剤を
    均一に分布させている、請求項2に記載のドアハンドル
    用グリップ。
  4. 【請求項4】 前記着色剤を混合した敷粉は、着色剤を
    不均一に分布させている、請求項2に記載のドアハンド
    ル用グリップの製造方法。
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Effective date: 19970701