JPH08177200A - 成形板の取付け金具と取付け方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タッピングビスや工具を使用しないと共に穴
あけ等の作業を必要としないでかつ美観を損なわず、作
業性に優れている 【構成】 図１のａに示される蟻溝嵌合用金具２０は、
方形の金属製平板２に舌片３の上部を溶接して固定し、
下方に係合部を形成する。図１のｂに示される係留用金
具４０は、横長の金属製平板４の端部を直角に折り曲げ
て直角片６を形成し、他端部の下方の角に切除部７を有
しかつ横長板面には上方が自由端の舌片５１と他方端側
が自由端の舌片５２とが併設されている。これらの金具
の取付け方法は、金具２０を成形板の蟻溝に配置する。
ついでＣチャンネルのフランジ間に金具４０を配置して
他端を上方に傾斜させてから、該他端部の舌片５２をＣ
チャンネルのフランジに嵌め込むと共に直角片６をＣチ
ャンネルの対向面の側壁に当接固定する。この金具４０
の舌片５１に金具２０の舌片３を係合して成形板を取付
ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、成形板の取付け金具及
び該金具を用いて成形板を設置する取付け方法に関する
ものである。更に詳しくはコンクリート壁等を覆うよう
に成形板を金具を用いて簡単に取付けることができる優
れた成形板の取付け金具及び該金具を用いて取付け方法
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンクリート構造物には、美観そ
の他の目的で装飾板又は化粧材等を取り付けることが多
い。また近年、都市の過密化や土地の有効利用を図るた
めに地下空間の地下外周壁をコンクリートで構築するこ
とが行われるが、このようなコンクリート構造物は、コ
ンクリート壁にクラックが生じるとそこから地下水が侵
入し、美観を損なうので、コンクリート壁に沿って化粧
材（成形板）を配設して二重壁にし、これらの壁に挟ま
れた空間の下には排水溝を設けて湧き水を排出するよう
にしてある。

【０００３】図５は、従来のコンクリート構造物に設け
られる成形板の取付け構造を示す正面図であり、図５に
おいて、コンクリート柱１２の間のコンクリート壁１３
の表面には長尺の成形板１４が横長に整列して多段に取
り付けられている。また図６は図５の成形板の取付けら
れたコンクリート構造物１３を上面から観察したところ
を示しており、更に図７は、図５の成形板の取付けられ
たコンクリート構造物１３の側面から観察したところを
示している。図６乃至図７において、コンクリート壁１
３の表面にチャンネル１５が金具１６を介して立設され
ており、成形板１４はこのチャンネル１５にタッピング
ビスやボルト・ナット（図示せず）で固定されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなコンクリート構造物に設けられる成形板の取付け構
造として、従来は、タッピングビスやボルト・ナットを
用いて取り付けているが、タッピングビスを用いた場合
は、成形板１４の表面にはビスの頭が出てしまい、美観
が損なわれるばかりでなくこのビスの頭が時間が立つと
発錆し、いっそうの美観が損なわれる。またボルト・ナ
ットを用いた場合は、鋼材に予め取付け穴をあけておか
なければならないと共に、ナットを締める作業が加わり
作業時間がかかるという問題がある。更にこれらの固定
方法では成形板１４をチャンネル１５に固定した後は、
その位置を調整することが全くできないという問題もあ
る。

【０００５】そこで、本発明者等は、前記問題点につい
て種々検討した結果、金具の構造を工夫することにより
簡単にその取付けができる金具及びその取付け方法を見
出し、ここに本発明をなすに至った。したがって本発明
が解決しようとする第１の課題は、タッピングビスや工
具を使用しないと共に穴あけ等の作業を必要としないで
かつ美観を損なわない優れた成形板の取付け金具を提供
することにある。また本発明が解決しようとする第２の
課題は、特に上方部に簡単に取り付けられ、作業性に優
れた成形板の取付け金具を用いて取付け方法を提供する
ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の課題を解決する
ための手段は、以下の各発明によって達成される。

【０００７】（１）成形板の蟻溝嵌合用金具とＣチャン
ネル係留用金具とが互いに係合し得る金具の組合せにお
いて、前記蟻溝嵌合用金具は方形板に、下方に伸びた舌
片を有し、また前記チャンネル係留用金具は横長板の一
端部に直角片を有すると共に他端部の下方の角に切除部
を有しかつ横長板面には上方が自由端の舌片と他方端側
が自由端の舌片とが併設されて有することを特徴とする
成形板の取付け金具の組合せ。

【０００８】（２）前記第１項に記載の取付け金具を用
いる成形板の取付け方法において、Ｃチャンネルを立設
した後、Ｃチャンネル係留用金具を上方が自由端の舌片
を上にした状態で配置し、ついで該係留用金具を前記Ｃ
チャンネルのフランジ間に斜めに傾斜した状態で挿入
し、直角片をＣチャンネルの対向面の側壁に当接すると
共に他端の舌片をフランジに嵌入することにより係留し
ておき、他方、成形板の蟻溝の所定の位置に、蟻溝嵌合
用金具の舌片が手前でかつ下方にした状態で嵌合して配
置した後、前記係留用金具と該蟻溝嵌合用金具とを係合
することを特徴とする成形板の取付け方法。

【０００９】以下、本発明を更に詳細に説明すると、本
発明は、成形板の蟻溝嵌合用金具とＣ型チャンネル係留
用金具とが互いに係合し得る金具の組合せによって、Ｃ
チャンネルに成形板を簡単に取付けられしかもその位置
の調整をすることができる。特に最上段又はそれに近い
場所に成形板を取り付ける時に容易に取り付けられると
いう優れた効果を奏する。本発明の取付け金具の組合せ
では、Ｃチャンネルに一方の金具を係留し、該金具の上
方に伸びる舌片と成形板の蟻溝に嵌合した他方の金具の
下方に伸びる舌片とを互いに係合するだけで成形板を取
り付けられるので、タッピングビスや工具を使用しない
と共に穴あけ等の作業を必要としない。したがって成形
板の表面の美観を損なわないという優れた効果を奏す
る。

【００１０】本発明に用いられる成形板の蟻溝嵌合用金
具は、方形の平板であって、この平板の縦幅が成形板の
蟻溝に嵌合される大きさを有する。この平板の表面に舌
片の自由端が下方に伸び、他端が固着されており、この
固着は溶接が好ましい。また本発明に用いられるＣチャ
ンネル係留用金具は、横長板の一端部に直角片を有する
と共に他端部の下方の角に切除部を有しかつ横長板面に
は上方が自由端の舌片と他方端側が自由端の舌片とが併
設されて有するものである。このように成形板の蟻溝嵌
合用金具とＣチャンネル係留用金具とは、それぞれの金
具の上方舌片と下方舌片とが噛み合うことにより係合
し、これによりコンクリート構造物に取付けされたＣチ
ャンネルに成形板に取付けられた金具を簡単かつ効率よ
く取付けて支えることがきる。

【００１１】本発明の成形板の取付け方法は、Ｃチャン
ネルを立設した後、該ＣチャンネルにＣチャンネル係留
用金具を上方が自由端の舌片を上にした状態で配置し、
ついで係留用金具の他端部が上方にくるように該係留用
金具を前記Ｃチャンネルのフランジ間に斜めに傾斜した
状態で挿入し、直角片をＣチャンネルの対向面の側壁に
当接すると共に他端の舌片をフランジに嵌入することに
より係留しておき、他方、成形板の蟻溝の所定の位置
に、蟻溝嵌合用金具の舌片が手前でかつ下方にした状態
で嵌合して配置した後、前記係留用金具と該蟻溝嵌合用
金具とを係合することにより、簡単にしかも作業効率よ
く成形板の取付けができるものである。本発明では、成
形板は、化粧材として用いられる押出成形板や型枠とし
て用いられるセメント系押出成形板等の各種の成形板を
用いることができるが、これらに限定されるものではな
い。

【００１２】

【作用】本発明において、成形板の蟻溝嵌合用金具は、
方形の平板に舌片を有することにより平板を成形板の蟻
溝に簡単に嵌合することができ、また舌片を下方に伸び
る状態で設けたことでＣチャンネル係留用金具に簡単に
係合することができる。一方、本発明に用いられるＣチ
ャンネル係留用金具において横長板の一端部に直角片を
有すると共に他端部の下方の角に切除部を有しかつ横長
板面には上方が自由端の舌片と他方端側が自由端の舌片
とが併設されて有するものであるので、該係留用金具を
Ｃチャンネルに簡単に係留するこができる。したがって
このように係留された金具に蟻溝に嵌合された成形板を
簡単に係合することがきるばかりでなく、特に最上段の
ようにやっと手の届くところにも容易に取付けられる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を実施例を図面にしたがって更
に詳しく説明するが、本発明はこれらの例より限定され
るものではない。

【００１４】実施例 図１は、本発明に用いられる金具の組合せを示す斜視図
であり、図１のａは、成形板に取り付ける蟻溝嵌合用金
具を示し、図１のｂは、Ｃチャンネル係留用金具を示
す。図１のａに示される蟻溝嵌合用金具２０は、方形の
金属製平板２に舌片３の上部を溶接して固定し、下方に
係合部を形成する。図１のｂに示される係留用金具４０
は、横長の金属製平板４の端部を直角に折り曲げて直角
片６を形成し、他端部の下方の角に切除部７を有しかつ
横長板面には上方が自由端の舌片５１と他方端側が自由
端の舌片５２とが併設されて有するものである。

【００１５】図２は、係留用金具４０をＣチャンネルに
係留したところを示す斜視図であり、図３は、蟻溝嵌合
用金具を嵌合した成形板を示す斜視図である。図４は、
図３のＡ−Ａ′線で切断された面を示す断面図である。
図３において、蟻溝嵌合用金具２０を成形板１の蟻溝１
１に、該成形板の端部から挿入して嵌合し、所望の位置
に配置する。ついで図２に示されるように、立設された
Ｃチャンネル８のフランジ８１、８２間の所望の位置に
係留用金具４０を配置し、ついで該係留用金具４０の他
端部を上方に傾斜させてから、該他端部の舌片５２をＣ
チャンネル８のフランジ８１に嵌め込むと共に直角片６
をＣチャンネル８の対向面の側壁に当接して固定して係
留する。この係留用金具４０の舌片５１に蟻溝嵌合用金
具の舌片３を係合することにより成形板を取付ける。

【００１６】

【発明の効果】本発明の取付け金具の組合せにより、タ
ッピングビスや工具を使用しないと共に穴あけ等の作業
を必要としないでかつ美観を損なわないで、成形板を取
付けることができる。また本発明の金具の取付け方法に
より、簡単に取り付けられ、作業性に優れた成形板の取
付けができ、しかも特に最上段のようにやっと手の届く
ところにも容易に取付けられるという優れた効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に用いられる金具の組合せを示す斜視図
である。ａは蟻溝嵌合用金具であり、ｂは係留用金具で
ある。

【図２】本発明に用いられる係留用金具を係留したＣチ
ャンネルを示す斜視図である。

【図３】本発明に用いられる蟻溝嵌合用金具を嵌合した
成形板を示す斜視図である。

【図４】図３のＡ−Ａ′線で切断された面を示す断面図
である。

【図５】従来のコンクリート壁に設けられた成形板を示
す正面図である。

【図６】図５において、Ａ−Ａ′線で切断した面を示す
断面図である。

【図７】図５において、Ｂ−Ｂ′線で切断した面を示す
断面図である。

【符号の説明】 １ 成形板 １１ 蟻溝 ２０ 蟻溝嵌合用金具 ２ 方形板 ３、５１、５２ 舌片 ４ 横長板 ４０ 係留用金具 ６ 直角片 ７ 切除部 ８ Ｃチャンネル ８１、８２ フランジ

フロントページの続き (72)発明者 飛内 圭之 埼玉県大宮市北袋町一丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社セメント研究所内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 成形板の蟻溝嵌合用金具とＣチャンネル
   係留用金具とが互いに係合し得る金具の組合せにおい
   て、前記蟻溝嵌合用金具は方形板に、下方に伸びた舌片
   を有し、また前記チャンネル係留用金具は横長板の一端
   部に直角片を有すると共に他端部の下方の角に切除部を
   有しかつ横長板面には上方が自由端の舌片と他方端側が
   自由端の舌片とが併設されて有することを特徴とする成
   形板の取付け金具の組合せ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の取付け金具を用いる成
   形板の取付け方法において、Ｃチャンネルを立設した
   後、Ｃチャンネル係留用金具を上方が自由端の舌片を上
   にした状態で配置し、ついで該係留用金具を前記Ｃチャ
   ンネルのフランジ間に斜めに傾斜した状態で挿入し、直
   角片をＣチャンネルの対向面の側壁に当接すると共に他
   端の舌片をフランジに嵌入することにより係留してお
   き、他方、成形板の蟻溝の所定の位置に、蟻溝嵌合用金
   具の舌片が手前でかつ下方にした状態で嵌合して配置し
   た後、前記係留用金具と該蟻溝嵌合用金具とを係合する
   ことを特徴とする成形板の取付け方法。