JPH08177000A - 強化パルプ材成型品の製造法 - Google Patents
強化パルプ材成型品の製造法Info
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- JPH08177000A JPH08177000A JP34085594A JP34085594A JPH08177000A JP H08177000 A JPH08177000 A JP H08177000A JP 34085594 A JP34085594 A JP 34085594A JP 34085594 A JP34085594 A JP 34085594A JP H08177000 A JPH08177000 A JP H08177000A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】新聞紙、段ボール紙などの故紙、パルプ廃材を
原料として、湿式法により成形した成型品に高強度と高
機能を付与させる製造法である。 【構成】パルプ成型品を湿式法により成形するに当た
り、その原料に合成樹詣を配合添加し、湿式成形後に遠
赤外線加熱装置により加熱・乾燥すると共に合成樹脂を
軟化させ、次いで、その成型品を対向侠圧型により加圧
・圧縮・冷却して成形固化する製造法である。
原料として、湿式法により成形した成型品に高強度と高
機能を付与させる製造法である。 【構成】パルプ成型品を湿式法により成形するに当た
り、その原料に合成樹詣を配合添加し、湿式成形後に遠
赤外線加熱装置により加熱・乾燥すると共に合成樹脂を
軟化させ、次いで、その成型品を対向侠圧型により加圧
・圧縮・冷却して成形固化する製造法である。
Description
【0001】
【産業用の利用分野】本発明は新聞紙、段ボール紙など
の故紙、パルプ廃材を材料とした湿式成型品において、
物理的強度を高め、機能性を持たせることにより工業用
に使用することを可能にした成型品の製造法に関するも
のである。
の故紙、パルプ廃材を材料とした湿式成型品において、
物理的強度を高め、機能性を持たせることにより工業用
に使用することを可能にした成型品の製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の故紙、パルプ廃材利用の湿式成型
品の製造法は、故紙、パルプ廃材を細断・粉砕し、水中
にて充分に解繊してスラリーになし、そのスラリーを所
要の凹凸形状の透水性型の表面に、吸引作用により付着
積層させると同時に脱水して解繊パルプ層を透水性型の
表面に形成し、次いで解繊パルプ層を透水性型より離脱
し、その後乾燥して解繊パルプ層成型品となす方法であ
った。
品の製造法は、故紙、パルプ廃材を細断・粉砕し、水中
にて充分に解繊してスラリーになし、そのスラリーを所
要の凹凸形状の透水性型の表面に、吸引作用により付着
積層させると同時に脱水して解繊パルプ層を透水性型の
表面に形成し、次いで解繊パルプ層を透水性型より離脱
し、その後乾燥して解繊パルプ層成型品となす方法であ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の製造法に
よる場合、解繊パルプ層はパルプ繊維が互いに輻湊し、
組み合い、凝結して形状を形成するが、如何せんパルプ
繊維自体が短く、しかも引張強度も小さいために、成型
品の曲げ強度、圧縮強度などの物理的即ち機械的強度に
乏しく、従ってパルプ繊維凝結層の持つ緩衝性能を利用
する包装用材としての用途しか考えられなかった。この
欠陥を改善ナるために、解繊パルプ層成型品を透水性型
より離脱した後にプレスにより金型挟圧を行って圧縮す
ることによりパルプ繊維の凝結密度を高め、機械的強度
を増加する方法が採用されたが、この方法でも成型品を
包装用材以外の工業用に使用するまでに至らなかった。
近時、この種の解繊パルプ層成型品は原材料が、古新
聞、古雑誌、古段ボール紙などの故紙、或いは紙屑、パ
ルプ廃材のために極めて価格が安く、しかも資源節約の
見地からも、合成樹脂を原材料とする成型品、金属を原
材料とする成型品、木材を原材料とする成型品に代わる
可く種々検討されて来た。しかしながら、上記の通り解
繊パルプ層成型品は強度において劣弱なために、代替え
が考えられても、実行は困難であった。これに反し本発
明は従来の解繊パルプ層成型品の強度を極めて増大し、
工業用品に利用することを可能にした製造法に関するも
のである。
よる場合、解繊パルプ層はパルプ繊維が互いに輻湊し、
組み合い、凝結して形状を形成するが、如何せんパルプ
繊維自体が短く、しかも引張強度も小さいために、成型
品の曲げ強度、圧縮強度などの物理的即ち機械的強度に
乏しく、従ってパルプ繊維凝結層の持つ緩衝性能を利用
する包装用材としての用途しか考えられなかった。この
欠陥を改善ナるために、解繊パルプ層成型品を透水性型
より離脱した後にプレスにより金型挟圧を行って圧縮す
ることによりパルプ繊維の凝結密度を高め、機械的強度
を増加する方法が採用されたが、この方法でも成型品を
包装用材以外の工業用に使用するまでに至らなかった。
近時、この種の解繊パルプ層成型品は原材料が、古新
聞、古雑誌、古段ボール紙などの故紙、或いは紙屑、パ
ルプ廃材のために極めて価格が安く、しかも資源節約の
見地からも、合成樹脂を原材料とする成型品、金属を原
材料とする成型品、木材を原材料とする成型品に代わる
可く種々検討されて来た。しかしながら、上記の通り解
繊パルプ層成型品は強度において劣弱なために、代替え
が考えられても、実行は困難であった。これに反し本発
明は従来の解繊パルプ層成型品の強度を極めて増大し、
工業用品に利用することを可能にした製造法に関するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の製造法を要約し
て工程順に列記すると次の通りである。 第1工程;故紙、パルプ廃材を水中解繊してパルプスラ
リーを作成するに当たり、熱可塑性合成樹脂繊維細断物
または熱可塑性合成樹詣を被覆した繊維細断物(両方共
に以下樹脂繊維細断物と略称する)を所要量混合してパ
ルプスラリーを作成する。 第2工程;樹脂繊維細断物を含むパルプスラリーを所要
形状の透水性型の表面に吸引作用により脱水と同時に付
着積層させる湿式成型法を行い、これにより解繊パルプ
層成型品を形成する。 第3工程;解繊パルプ層成型品を遠赤外線加熱装置によ
り加熱・乾燥するに際して、解繊パルプ層成型品の層の
芯部を、含まれる樹脂繊維細断物の軟化温度以上に加熱
する条件に設定する。 第4工程;加熱・乾燥した解繊パルプ層成型品を加熱温
度若しくはそれに近い温度が保持されている間に、常時
冷却している対向挟圧型の間に挟入し、解繊パルプ層成
型品を両面から加圧・圧縮すると同時に冷却し、これに
より成形固化した後に脱型する。さて、第1工程におい
て最も重要なる部分はパルプスラリーに混合する樹脂繊
維細断物である。熱可塑性合成樹脂繊維としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリ塩
化ビニリデン、ポリビニールアルコールなどの単独物若
しくは共重合物を材料とする単独繊維、さらには上記の
合成樹脂繊維と同属の熱可塑性合成樹脂を他材質の繊維
の外周にコーティングした複合繊維、例えばポリエステ
ル繊維にポリエチレンをコーティング、ポリプロピレン
繊維にポリエチレンをコーティング、ポリプロピレン繊
維にエチレン・酢酸ビニール共重合物をコーティング、
酢酸繊維素繊維にポリエチレンをコーティング、綿・絹
・毛などの天然繊維に熱可塑性合成樹脂をコーティン
グ、熱硬化性合成樹脂繊維に熱可塑性合成樹脂をコーテ
ィング、したものなどである。そして、樹脂繊維細断物
の切断物の切断長は3mmから10mm程度であるが、
短いと成型品の曲げ強度を増大せしめないし、長過ぎる
とパルプスラリーの中で均一に分散することが困難とな
る。しかしながら、樹脂繊維細断物の長さは、使用する
樹脂繊維の太さ、表面滑性、比重などの条件により、均
一分散が得られる最大値を定められるために、一概に規
定できないが、パルプスラリー中で均一に分散する限度
まで長い樹脂繊維細断物を使用することに、設定する方
が良い。また、樹脂繊維細断物とパルプ繊維固形物の混
合比率は重量比で5:95〜30:70の間で選択する
のが好ましいが、前記した樹脂繊維細断物の長さの場合
と同様なことが言える。即ち、樹脂繊維の太さ、表面滑
性、比重などの条件により、混合率は左右されるため
に、目的とする成型品の性能に従って設定するものであ
る。さらに樹脂繊維細断物に使用する合成樹脂繊維の材
質はポリプロピレン、ポリエチレンのように分子結晶構
造が鎖状を形成し、分子配列方向が一方向と言う材質が
強化に当たり最適である。以上述べた様に樹脂繊維細断
物は短く裁断したもので良いため、合成樹脂繊維を使用
する各分野から排出される廃棄物、屑にても充分に原料
として使用できる。次の第2工程の湿式成型法は公知の
方法である。一般的にパルプスラリー中に透水性型の表
面を漬けて静止し、次いで透水性型の内部方向へ吸引す
れば、パルプスラリーは透水性型の表面に吸い寄せられ
て付着すると同時に脱水されて解繊パルプ繊維が付着堆
積し、層を形成する。この層は解繊パルプ繊維の凝集結
合状であり、その解繊パルプ繊維中に樹脂繊維細断物が
分散・含有されており、多少の水分も残留している。次
いで、透水性型の表面より解繊パルプ繊維層を剥離すれ
ば、透水性型表面の形状に対称となった形状の成型品が
得られる。第3工程において最も重要な部分は、解繊パ
ルプ層成型品を加熱・乾燥するに際して、加熱方法とし
て遠赤外線を利用することであり、また加熱温度を条件
付けたことである。周知のように、遠赤外線は波長が長
く、被加熱物に照射された場合、被加熱物の芯部より効
率的に加熱する。従って解繊パルプ層成形品を遠赤外線
加熱装置により加熱すれば、層の芯部まで万遍無く熱せ
られて温度が上昇し、残留した水分は揮発されて乾燥す
る。そして、遠赤外線により加熱する温度を解繊パルプ
層成形品に含まれる樹脂繊維細断物が軟化する温度以上
に上昇させることである。一例を述べれば、含まれる樹
脂繊維細断物の材質がポリプロピレンの場合、照射表面
温度180℃、加熱時間20分間の条件で設定すれば解
繊パルプ層成型品の芯部において、140℃以上の温度
になり、樹脂繊維細断物の個々の繊維表面は軟化若しく
は融解を始め、相互に融着し解繊パルプ層内において、
相互に融着した樹脂繊維細断物が網状結合構造を形成す
る。即ち、この工程にて遠赤外線加熱方式が最も重要な
条件となっているが、若し通常の熱風、高圧蒸気などの
乾燥・加熱方式であると、その加熱は層の表面から始ま
り順次内部へと進入する。しかしながら、層の構成が解
繊パルプ及び樹脂繊維細断物であるため、熱の不良導体
であり、容易に効率良く熱は内部に進入しない。従って
層の芯部の樹脂繊維細断物が互いに融着する温度にまで
加熱するに相当長い時間を要することはもとより、加熱
行為自体が不完全さを免れない。しかも、層は水分を残
留しているために、その欠陥は増大することになる。本
発明の方法によれば、加熱を遠赤外線方式になしたため
に、上記の通常加熱方式による欠陥は全く解消され、解
繊パルプ層全体に亘って樹脂繊維細断物の三次元網状結
合構造を形成し且つ層の内部から表面に至るまで均一に
強化されることになる。解繊パルプ層成型品を遠赤外線
加熱方式で加熱・乾燥した後は、加熱温度若しくはそれ
に近い温度を保持した状態で次の工程に移行する。第4
工程において重要な条件は、解繊パルプ層成型品が加熱
温度若しくはそれに近い温度を保持している状態で加圧
・圧縮すると同時に冷却して網状融着した樹脂繊維細断
物を固めることである。即ち、解繊パルプ層成型品を両
面から強く加圧して圧縮し、層内部の組織を緻密にして
層の強度を高める。圧縮の程度は使用途に対応できる強
度を得る様に設定する。そして、加圧・圧縮するに際し
て、同時に冷却するが、それは対向挟圧型の内部に冷却
水を循環させるか、或いは対向挟圧型を冷却空気で冷や
すことにより対向挟圧型を常時低温域雰囲気に保持する
ことにより達成される。この工程において、解繊パルプ
層成型品において、高い温度を保持していた樹脂繊維細
断物は圧縮されると同時に急激に冷却されるために、相
互に網状に結合した部分である融着箇所は固化すると共
に、かつ軟化状態の樹脂繊維組織も圧縮された構造で固
定される。従って、樹脂繊維の網状結合組織は圧縮時の
可塑成形の状態で冷却固定され、その後の使用の際に加
わる外部歪力による変形力が加わっても樹脂繊維の網状
結合組織の抵抗により強度を保持して変形を阻止するも
のである。冷却・圧縮を施して固定化した解繊パルプ層
成型品は対向挟圧型の開放により離脱し、次いで公知の
トリミング工程、或いは必要により塗装などの化粧工
程、付属品取着工程などを経て最終製品となすものであ
る。
て工程順に列記すると次の通りである。 第1工程;故紙、パルプ廃材を水中解繊してパルプスラ
リーを作成するに当たり、熱可塑性合成樹脂繊維細断物
または熱可塑性合成樹詣を被覆した繊維細断物(両方共
に以下樹脂繊維細断物と略称する)を所要量混合してパ
ルプスラリーを作成する。 第2工程;樹脂繊維細断物を含むパルプスラリーを所要
形状の透水性型の表面に吸引作用により脱水と同時に付
着積層させる湿式成型法を行い、これにより解繊パルプ
層成型品を形成する。 第3工程;解繊パルプ層成型品を遠赤外線加熱装置によ
り加熱・乾燥するに際して、解繊パルプ層成型品の層の
芯部を、含まれる樹脂繊維細断物の軟化温度以上に加熱
する条件に設定する。 第4工程;加熱・乾燥した解繊パルプ層成型品を加熱温
度若しくはそれに近い温度が保持されている間に、常時
冷却している対向挟圧型の間に挟入し、解繊パルプ層成
型品を両面から加圧・圧縮すると同時に冷却し、これに
より成形固化した後に脱型する。さて、第1工程におい
て最も重要なる部分はパルプスラリーに混合する樹脂繊
維細断物である。熱可塑性合成樹脂繊維としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリ塩
化ビニリデン、ポリビニールアルコールなどの単独物若
しくは共重合物を材料とする単独繊維、さらには上記の
合成樹脂繊維と同属の熱可塑性合成樹脂を他材質の繊維
の外周にコーティングした複合繊維、例えばポリエステ
ル繊維にポリエチレンをコーティング、ポリプロピレン
繊維にポリエチレンをコーティング、ポリプロピレン繊
維にエチレン・酢酸ビニール共重合物をコーティング、
酢酸繊維素繊維にポリエチレンをコーティング、綿・絹
・毛などの天然繊維に熱可塑性合成樹脂をコーティン
グ、熱硬化性合成樹脂繊維に熱可塑性合成樹脂をコーテ
ィング、したものなどである。そして、樹脂繊維細断物
の切断物の切断長は3mmから10mm程度であるが、
短いと成型品の曲げ強度を増大せしめないし、長過ぎる
とパルプスラリーの中で均一に分散することが困難とな
る。しかしながら、樹脂繊維細断物の長さは、使用する
樹脂繊維の太さ、表面滑性、比重などの条件により、均
一分散が得られる最大値を定められるために、一概に規
定できないが、パルプスラリー中で均一に分散する限度
まで長い樹脂繊維細断物を使用することに、設定する方
が良い。また、樹脂繊維細断物とパルプ繊維固形物の混
合比率は重量比で5:95〜30:70の間で選択する
のが好ましいが、前記した樹脂繊維細断物の長さの場合
と同様なことが言える。即ち、樹脂繊維の太さ、表面滑
性、比重などの条件により、混合率は左右されるため
に、目的とする成型品の性能に従って設定するものであ
る。さらに樹脂繊維細断物に使用する合成樹脂繊維の材
質はポリプロピレン、ポリエチレンのように分子結晶構
造が鎖状を形成し、分子配列方向が一方向と言う材質が
強化に当たり最適である。以上述べた様に樹脂繊維細断
物は短く裁断したもので良いため、合成樹脂繊維を使用
する各分野から排出される廃棄物、屑にても充分に原料
として使用できる。次の第2工程の湿式成型法は公知の
方法である。一般的にパルプスラリー中に透水性型の表
面を漬けて静止し、次いで透水性型の内部方向へ吸引す
れば、パルプスラリーは透水性型の表面に吸い寄せられ
て付着すると同時に脱水されて解繊パルプ繊維が付着堆
積し、層を形成する。この層は解繊パルプ繊維の凝集結
合状であり、その解繊パルプ繊維中に樹脂繊維細断物が
分散・含有されており、多少の水分も残留している。次
いで、透水性型の表面より解繊パルプ繊維層を剥離すれ
ば、透水性型表面の形状に対称となった形状の成型品が
得られる。第3工程において最も重要な部分は、解繊パ
ルプ層成型品を加熱・乾燥するに際して、加熱方法とし
て遠赤外線を利用することであり、また加熱温度を条件
付けたことである。周知のように、遠赤外線は波長が長
く、被加熱物に照射された場合、被加熱物の芯部より効
率的に加熱する。従って解繊パルプ層成形品を遠赤外線
加熱装置により加熱すれば、層の芯部まで万遍無く熱せ
られて温度が上昇し、残留した水分は揮発されて乾燥す
る。そして、遠赤外線により加熱する温度を解繊パルプ
層成形品に含まれる樹脂繊維細断物が軟化する温度以上
に上昇させることである。一例を述べれば、含まれる樹
脂繊維細断物の材質がポリプロピレンの場合、照射表面
温度180℃、加熱時間20分間の条件で設定すれば解
繊パルプ層成型品の芯部において、140℃以上の温度
になり、樹脂繊維細断物の個々の繊維表面は軟化若しく
は融解を始め、相互に融着し解繊パルプ層内において、
相互に融着した樹脂繊維細断物が網状結合構造を形成す
る。即ち、この工程にて遠赤外線加熱方式が最も重要な
条件となっているが、若し通常の熱風、高圧蒸気などの
乾燥・加熱方式であると、その加熱は層の表面から始ま
り順次内部へと進入する。しかしながら、層の構成が解
繊パルプ及び樹脂繊維細断物であるため、熱の不良導体
であり、容易に効率良く熱は内部に進入しない。従って
層の芯部の樹脂繊維細断物が互いに融着する温度にまで
加熱するに相当長い時間を要することはもとより、加熱
行為自体が不完全さを免れない。しかも、層は水分を残
留しているために、その欠陥は増大することになる。本
発明の方法によれば、加熱を遠赤外線方式になしたため
に、上記の通常加熱方式による欠陥は全く解消され、解
繊パルプ層全体に亘って樹脂繊維細断物の三次元網状結
合構造を形成し且つ層の内部から表面に至るまで均一に
強化されることになる。解繊パルプ層成型品を遠赤外線
加熱方式で加熱・乾燥した後は、加熱温度若しくはそれ
に近い温度を保持した状態で次の工程に移行する。第4
工程において重要な条件は、解繊パルプ層成型品が加熱
温度若しくはそれに近い温度を保持している状態で加圧
・圧縮すると同時に冷却して網状融着した樹脂繊維細断
物を固めることである。即ち、解繊パルプ層成型品を両
面から強く加圧して圧縮し、層内部の組織を緻密にして
層の強度を高める。圧縮の程度は使用途に対応できる強
度を得る様に設定する。そして、加圧・圧縮するに際し
て、同時に冷却するが、それは対向挟圧型の内部に冷却
水を循環させるか、或いは対向挟圧型を冷却空気で冷や
すことにより対向挟圧型を常時低温域雰囲気に保持する
ことにより達成される。この工程において、解繊パルプ
層成型品において、高い温度を保持していた樹脂繊維細
断物は圧縮されると同時に急激に冷却されるために、相
互に網状に結合した部分である融着箇所は固化すると共
に、かつ軟化状態の樹脂繊維組織も圧縮された構造で固
定される。従って、樹脂繊維の網状結合組織は圧縮時の
可塑成形の状態で冷却固定され、その後の使用の際に加
わる外部歪力による変形力が加わっても樹脂繊維の網状
結合組織の抵抗により強度を保持して変形を阻止するも
のである。冷却・圧縮を施して固定化した解繊パルプ層
成型品は対向挟圧型の開放により離脱し、次いで公知の
トリミング工程、或いは必要により塗装などの化粧工
程、付属品取着工程などを経て最終製品となすものであ
る。
【発明の効果】本発明の方法により製造された解繊パル
プ層成型品はパルプ材組織の中に、樹脂繊維細断物が相
互に融着連結した網状結合組織を介在複合していると共
に複合組織自体も緻密構造に圧縮成形されているため
に、曲げ・引張り・座屈・捻り・破壊などの物理強度が
極めて高く、機能性を求める自動車などの車輌用部品、
建築物・家具用部品などはもとより電気機器部品にも応
用できる。しかも、材料の解繊パルプは廃棄される故
紙、屑紙より、樹脂繊維細断物は廃棄される切断層より
供給を受ければ省資源はもとより、コストの大幅低下を
もたらして応用範囲が拡大する等、幾多の特徴を有する
ものである。
プ層成型品はパルプ材組織の中に、樹脂繊維細断物が相
互に融着連結した網状結合組織を介在複合していると共
に複合組織自体も緻密構造に圧縮成形されているため
に、曲げ・引張り・座屈・捻り・破壊などの物理強度が
極めて高く、機能性を求める自動車などの車輌用部品、
建築物・家具用部品などはもとより電気機器部品にも応
用できる。しかも、材料の解繊パルプは廃棄される故
紙、屑紙より、樹脂繊維細断物は廃棄される切断層より
供給を受ければ省資源はもとより、コストの大幅低下を
もたらして応用範囲が拡大する等、幾多の特徴を有する
ものである。
Claims (1)
- 【請求項1】故紙、パルプ廃材を水中解繊してパルプス
ラリーを作成するに当たり、熱可塑性合成樹脂繊維細断
物或いは熱可塑性合成樹脂を被覆した繊維細断物を混合
してパルプスラリーにする第1工程と、繊維細断物を含
むパルプスラリーを所要形状の透水性型の表面に吸引作
用により脱水と同時に付着積層させる湿式成形法を行っ
て解繊パルプ層成型品を形成する第2工程と、解繊パル
プ層成形品を遠赤外線加熱装置により加熱・乾燥すると
共に層の芯部を繊維細断物の表面の軟化温度以上に加熱
する第3工程と、解繊パルプ層成型品を加熱温度若しく
はそれに近い温度が保持されている間に冷却・対向挟圧
型により加圧・圧縮・冷却して成形固化する第4工程と
の組み合わせからなることを特徴とする強化パルプ材成
型品の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34085594A JPH08177000A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 強化パルプ材成型品の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34085594A JPH08177000A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 強化パルプ材成型品の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08177000A true JPH08177000A (ja) | 1996-07-09 |
Family
ID=18340936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34085594A Pending JPH08177000A (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 強化パルプ材成型品の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08177000A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008153922A (ja) * | 2006-12-18 | 2008-07-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | スピーカ用振動板の製造方法およびスピーカ用振動板およびこれを用いたスピーカ |
-
1994
- 1994-12-22 JP JP34085594A patent/JPH08177000A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008153922A (ja) * | 2006-12-18 | 2008-07-03 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | スピーカ用振動板の製造方法およびスピーカ用振動板およびこれを用いたスピーカ |
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