JP2002192507A - 繊維板の製造方法 - Google Patents

繊維板の製造方法

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JP2002192507A
JP2002192507A JP2000393694A JP2000393694A JP2002192507A JP 2002192507 A JP2002192507 A JP 2002192507A JP 2000393694 A JP2000393694 A JP 2000393694A JP 2000393694 A JP2000393694 A JP 2000393694A JP 2002192507 A JP2002192507 A JP 2002192507A
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fiber
density
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JP2000393694A
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Shigeki Naito
茂樹 内藤
Arihiro Adachi
有弘 足立
Kiyoshi Okamoto
清 岡本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥工程を省略して製造工程を簡略化するこ
とができると共に、密度むらがなく、剥離強度や吸湿時
の寸法安定性が良好な繊維板を製造することができる繊
維板の製造方法を提供する。 【解決手段】 解繊した繊維長20mm以上の長繊維2
と粉末樹脂3との混合物からなるマット4を成形するマ
ット成形工程と、マット成形工程にて成形されたマット
4を加熱する予備加熱工程と、予備加熱後のマット4を
プレス成形するプレス成形工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケナフ等から得ら
れる長繊維と樹脂とを原料とした繊維板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から合板、パーティクルボード、M
DF(中質繊維板)は、床材・壁材・天井材等の建築部
材、扉部材、巾木・廻り縁等の造作部材、家具用材料な
どの幅広い分野で使用されている。
【0003】これら木質系ボードは、主に針葉樹或いは
広葉樹の木材を加工して得られる単板、木材小片(パー
ティクル)、木材繊維を接着して板状に成形したもので
ある。そのため、原木を製材して得られる挽板などに比
べ、品質が安定しており、異方性が少なく加工性に優れ
るなどの特徴を有している。
【0004】一方、近年の地球環境問題から、森林保護
を目的として森林伐採の規制が強化され始めており、従
来の針葉樹或いは広葉樹を原料とした木質系ボードに替
わって、非木材資源を用いたボードへの要望が高まって
きた。
【0005】このような非木質資源を利用したボードと
して、ケナフ(アオイ科の一年生草本類)の靭皮部分か
ら得られるケナフ繊維を原料として用いた繊維板が提案
されている。
【0006】本発明者らによって既に見出されている、
ケナフ繊維等の繊維を用いた繊維板の製造方法は、次に
示すようなものである。
【0007】まず、収穫した直径約2〜6cm、高さ2
〜4m程度のケナフを水中に浸漬することによって、靭
皮部と芯部とに分離し、ケナフ原料として用いる。次に
靭皮部から得られる幅1〜2cm、厚さ数mm、長さ2
〜4m程度のケナフ靭皮繊維束(長繊維束)を長さ方向
に切断した後、切断した長繊維束をオープナーなどの解
繊装置に供給して解繊処理を行う。
【0008】次に、このようにして形成されたケナフ長
繊維を図2(a)に示すようにマット化してコンベアベ
ルト12にて搬送し、図2(b)に示すようにマット
4′を液状フェノール樹脂が保持された容器13内の内
面に沿ってコンベアベルト14にて搬送することにより
マット4′を液状フェノール樹脂に浸漬して含浸させ
る。
【0009】次に、図2(c)に示すようにマット4′
を乾燥装置15内のコンベアベルト16に搬送して加熱
することにより含水率が10%程度となるまで充分乾燥
させ、更に、図2(d)に示すように加圧プレート1
1,11に挟持してプレス成形することにより板状に成
形し、図2(d)に示すように繊維板1′を得るもので
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
繊維板の製造方法では、マットに液状樹脂を含浸させた
状態で加熱乾燥することによって、マットの樹脂の分布
に偏りが生じやすくなり、この結果、得られる繊維板に
密度むらが発生してしまって、部分的な剥離強度の低下
が起こったり、吸湿時の寸法安定性が悪化したりしてし
まうものであった。また、このような剥離強度の低下や
寸法安定性の悪化を抑制するために、マット4′に風速
20s/sのエアーを0.092m2(1尺2)あたり2
0分間吹き付けて風乾することにより含水率を30%ま
で低減した後、更に乾燥装置15内のコンベアベルト1
6に搬送して、80℃で5〜10分間加熱することによ
り乾燥するようにすることもできるが、この場合は乾燥
工程が煩雑となってしまって製造に手間がかかるもので
あり、また繊維板の密度むらも充分には解消できないも
のであった。
【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、製造工程を簡略化することができると共に、密度
むらがなく、剥離強度や吸湿時の寸法安定性が良好な繊
維板を製造することができる繊維板の製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
繊維板の製造方法は、解繊した繊維長20mm以上の長
繊維2と粉末樹脂3との混合物からなるマット4を成形
するマット成形工程と、マット成形工程にて成形された
マット4を加熱する予備加熱工程と、予備加熱後のマッ
ト4をプレス成形するプレス成形工程からなることを特
徴とするものである。
【0013】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、粉末樹脂3として粒径200μm以下のものを用い
ることを特徴とするものである。
【0014】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、長繊維2と粉末樹脂3とからなるマット4中に
おける粉末樹脂3の含有量を30〜40質量%とするこ
とを特徴とするものである。
【0015】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、粉末樹脂3として熱硬化性樹脂から
なるものを用いることを特徴とするものである。
【0016】また請求項5の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、粉末樹脂3として熱可塑性樹脂から
なるものを用いることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1に示す実施形
態に基づいて説明する。
【0018】本発明では、まず長繊維2と粉末樹脂3と
からなるマット4を形成する。
【0019】長繊維2としては、ケナフ長繊維2を用い
ることができる。ケナフ長繊維2は、ケナフ靭皮部から
得られるケナフ長繊維束を解繊すると共に所定の長さに
切断することにより得られる。長繊維2の長さは20m
m以上に形成するものであり、好ましくは40〜60m
mの範囲とする。長繊維2の繊維長をこの範囲とするこ
とにより、長繊維2と粉末樹脂3との混合性が良好とな
って、本発明で得られる繊維板1の吸湿時の寸法安定性
を向上すると共に、剥離強度も向上することができる。
【0020】粉末樹脂3としては、フェノール樹脂やメ
ラミン樹脂といった熱硬化性樹脂からなるものや、ポリ
プロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂といった熱可塑性樹
脂からなるものを用いることができる。粉末樹脂3の粒
径は平均200μm以下とすることが好ましく、このよ
うにすると長繊維2と粉末樹脂3との混合性が良好とな
り、本発明で得られる繊維板1の吸湿時の寸法安定性を
向上することができる。粉末樹脂3の粒径の下限は特に
制限されるものではないが、実際上は平均50μmが下
限となる。
【0021】まず、粉末樹脂3として熱硬化性樹脂を用
いる場合について説明する。
【0022】マット成形工程において長繊維2と粉末樹
脂3からマット4を形成するにあたっては適宜の方法を
用いることができるが、例えば図示のように長繊維2を
搬送用のコンベアベルト5で搬送してこのコンベアベル
ト5の端部から下方に順次落下させ、搬送用のコンベア
ベルト5の下方に配置されている成形用のコンベアベル
ト6上に均一に分散させる。また同時にこの成形用のコ
ンベアベルト6の上方から粉末樹脂3を落下させて、成
形用のコンベアベルト6上に均一に分散させる。粉末樹
脂3は、成形用のコンベアベルト6の上方に配置された
平行並列な一対の供給用ロール7の間から供給され、供
給用ロール7の回転を制御することにより供給量が制御
されている。
【0023】このとき成形用のコンベアベルト6が回転
することにより、成形用のコンベアベルト6の上面に長
繊維2と粉末樹脂3とが混合された状態で平面上に積層
してマット4が形成され、この成形用のコンベアベルト
6によってマット4が次工程である予備加熱工程に搬送
される。
【0024】ここで、成形されるマット4中における粉
末樹脂3の含有量は30〜40質量%の範囲とすること
が好ましく、このようにすると成形される繊維板1の吸
湿時の寸法安定性を更に向上することができる。粉末樹
脂3の含有量がこの範囲に満たないと吸湿時の膨潤によ
る寸法変化が大きくなって好ましくない。また粉末樹脂
3の含有量がこの範囲を超えると、製造コストが増大す
るにもかかわらず寸法安定性の向上の効果が飽和するこ
ととなるため、やはり好ましくない。
【0025】予備加熱工程では、マット4を加熱装置8
内に搬送して、この加熱装置8内でマット4を加熱する
ことにより、マット4を構成する長繊維2に粉末粒子を
定着させて、マット4の取り回しを向上する。図示の加
熱装置8には、マット4を搬送するコンベアベルト9
と、コンベアベルト9上のマット4を加熱するヒータや
熱風送風器等の加熱器10とが内部に設けられており、
成形用のコンベアベルト6から加熱装置8内のコンベア
ベルト9に搬送されたマット4が加熱器10にて加熱さ
れるようになっている。加熱条件は粉末樹脂3の種類に
よって適宜設定されるものであるが、60〜120℃の
加熱温度で5〜10分間加熱することが好ましい。
【0026】予備加熱後のマット4は、コンベアベルト
9によって加熱装置8内から搬送し、プレス成形工程に
おいて一対の加圧プレート11,11間に挟持させて、
板状にプレス成形するものであり、これにより繊維板1
が成形される。このときマット4に対しては加熱プレス
を行なうものであり、これによりマット4を成形すると
共に、マット4を構成する粉末樹脂3を成形硬化して、
繊維板1が得られるものである。このときの加熱温度は
粉末樹脂3が硬化する温度であれば良いが、加熱温度が
高すぎると長繊維2が炭化するおそれがあるため、好ま
しくは150〜200℃の範囲で加熱する。またプレス
圧力とプレス時間とは、得られる繊維板1の強度性能や
吸湿時の寸法安定性に影響を及ぼすものであり、好まし
くはプレス圧力1.96〜4.90MPa(20〜50
kgf/cm2)、プレス時間5〜20分間の条件でプ
レス成形を行なうものである。またこのとき成形される
繊維板1の密度は、0.6〜0.9g/cm3となるよ
うにすることが好ましい。
【0027】次に、粉末樹脂3として熱可塑性樹脂を用
いる場合について説明する。
【0028】マット成形工程においては、熱硬化性樹脂
を用いる場合と特に変わるものではなく、上記の熱硬化
性樹脂を用いる場合と同様の条件にてマット4を成形す
ることができる。
【0029】予備加熱工程でも、熱硬化性樹脂を用いる
場合と同様に、マット4は適宜の加熱装置8に搬送し
て、マット4を加熱することにより、マット4を構成す
る長繊維2に粉末粒子を定着させて、マット4の取り回
しを向上するが、このとき加熱温度を、樹脂が融解する
温度以上とすることにより、粉末樹脂3を溶融状態とす
る。例えばポリプロピレンからなる粉末樹脂3を用いる
場合には150〜180℃程度で加熱を行なうものであ
る。
【0030】予備加熱工程を経たマット4は、粉末樹脂
3が溶融状態のまま、プレス成形工程に移送され、板状
にプレス成形するものであり、これにより繊維板1が成
形される。このときマット4に対しては粉末樹脂3を構
成する熱可塑性樹脂が硬化する温度で冷間プレスを行な
うものであり、これによりマット4を成形すると共に、
マット4を構成する粉末樹脂3を成形硬化して、繊維板
1が得られるものである。このときのプレス圧力とプレ
ス時間とは、得られる繊維板1の強度性能や吸湿時の寸
法安定性に影響を及ぼすものであり、好ましくはプレス
圧力1.96〜4.90MPa(20〜50kgf/c
2)、プレス時間10〜60分間の条件でプレス成形
を行なうものである。またこのとき成形される繊維板1
の密度は、0.6〜0.9g/cm3となるようにする
ことが好ましい。
【0031】このようにして粉末樹脂3として熱可塑性
樹脂からなるものを用いると、繊維板1を廃棄する際に
加熱溶融することにより熱可塑性樹脂を容易に回収する
ことができ、廃棄物の再利用が容易なものである。
【0032】上記のような繊維板の製造方法によれば、
マット4を長繊維2と粉末樹脂3にて形成しているため
に、マット4を乾式で成形することができて、プレス成
形の前のマット4を乾燥させるような必要がなく、また
液状の樹脂を用いる場合には乾燥工程においてマット4
中で樹脂の分布むらが生じるおそれがあるが、本発明で
は粉末樹脂3を用いるのでマット4中に樹脂を均一に分
散させることが容易なものとなり、密度むらのない均質
な繊維板1を得ることができるものである。
【0033】また、このように密度むらのない均質な繊
維板1が得られることから、繊維板1に部分的な強度の
低下が生じることがなく、繊維板1の剥離強度を向上す
ることができるものであり、また繊維板1の吸湿時の寸
法安定性を向上することもできるものである。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳述する。
【0035】(実施例1)長繊維2としては、繊維長2
0〜40mmのケナフ繊維を用い、粉末樹脂3として粒
径150μmのフェノール樹脂(群栄化学工業株式会社
製;「PG4471」)を用いた。
【0036】この長繊維2と粉末樹脂3にて、粉末樹脂
3の含有量が30質量%のマット4を成形し、このマッ
ト4を100℃で10分間加熱することにより予備加熱
した。
【0037】次いで、予備加熱後のマット4に対して、
加熱温度180℃、プレス圧力2.45MPa、プレス
時間10分間の条件で加熱プレスを行ない、200mm
×200mm×3mmの寸法を有する、密度0.7g/
cm3の繊維板1を得た。
【0038】(実施例2)マット4中の粉末樹脂3の含
有量を40質量%とした以外は実施例1と同様の条件
で、200mm×200mm×3mmの寸法を有する、
密度0.7g/cm 3の繊維板1を得た。
【0039】(実施例3)長繊維2として、繊維長40
〜60mmのケナフ繊維を用いた以外は実施例1と同様
の条件で、200mm×200mm×3mmの寸法を有
する、密度0.7g/cm3の繊維板1を得た。
【0040】(実施例4)長繊維2としては、繊維長2
0〜40mmのケナフ繊維を用い、粉末樹脂3として粒
径150〜200μmの範囲のポリプロピレン樹脂を用
いた。
【0041】この長繊維2と粉末樹脂3にて、粉末樹脂
3の含有量が30質量%のマット4を成形し、このマッ
ト4を180℃で10分間加熱することにより予備加熱
した。
【0042】次いで、予備加熱後のマット4に対して、
90℃の温度にて、プレス圧力2.45MPa、プレス
時間60分間の条件で冷間プレスを行ない、200mm
×200mm×3mmの寸法を有する、密度0.9g/
cm3の繊維板1を得た。
【0043】(実施例5)マット4中の粉末樹脂3の含
有量を40質量%とした以外は実施例5と同様の条件
で、200mm×200mm×3mmの寸法を有する、
密度0.9g/cm 3の繊維板1を得た。
【0044】(実施例6)長繊維2として、繊維長40
〜60mmのケナフ繊維を用いた以外は実施例5と同様
の条件で、200mm×200mm×3mmの寸法を有
する、密度0.9g/cm3の繊維板1を得た。
【0045】(比較例1)長繊維2としては、繊維長2
0〜40mmのケナフ繊維を用い、液状樹脂としてフェ
ノール樹脂(富陽製)を用いた。
【0046】そして、長繊維2にてマット4を成形し、
このマット4を液状樹脂中に浸漬して液状樹脂を含浸さ
せた。このときマット4中の液状樹脂の含有量を30質
量%とした。
【0047】この液状樹脂を含浸させたマット4に風速
20s/sのエアーを0.092m 2(1尺2)あたり2
0分間吹き付けて風乾することにより含水率を30%ま
で低減した後、更に80℃で10分間加熱することによ
り含水率を10%まで低下させて乾燥した。
【0048】次いで、乾燥後のマット4に対して、加熱
温度165℃、プレス圧力3.43MPa、プレス時間
10分間の条件で加熱プレスを行ない、200mm×2
00mm×3mmの寸法を有する、密度0.7g/cm
3の繊維板を得た。
【0049】(比較例2)繊維長1〜18mmのケナフ
繊維を用いた以外は、実施例1と同様の条件で、200
mm×200mm×3mmの寸法を有する、密度0.7
g/cm3の繊維板を得た。
【0050】(評価試験)各実施例及び比較例で得られ
た繊維板を切断して得られる2cm×2cmの小片の両
面にそれぞれ治具を接着し、この治具をそれぞれ反対方
向に向けて10mm/minの引っ張り速度で移動させ
た。そして、繊維板が治具に引っ張られて剥離した際
の、繊維板にかかった引っ張り応力から、剥離強度を評
価し、次に示す評価基準にて評価した。 ◎:1.47MPs以上 ○:0.98〜1.46MPs △:0.49〜0.97MPs ×:0.48MPs以下 また、繊維板を水中に24時間浸漬することにより吸湿
させ、吸湿後の繊維板1の厚みの変化量を測定し、次に
示す評価基準にて評価した。 ◎:10%以下 ○:11〜15% △:16〜20% ×:21%以上 更に、繊維板を破砕して複数の小片に分離し、小片の密
度を測定して、繊維板全体の密度に対する小片の密度の
ばらつきを測定し、繊維板内の密度のばらつきを次に示
す評価基準にて評価した。 ○:小片の密度のばらつきが繊維板の密度±0.05以
内 ×:小片の密度のばらつきが繊維板の密度±0.05の
範囲外 以上の結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】この結果から明らかなように、液状樹脂を
用いた比較例1では密度のばらつきが大きく、また粉末
樹脂3を用いてはいるが繊維の長さが短い比較例1では
密度ばらつきは改善されているものの剥離強度や吸湿時
の寸法安定性は不充分なものであった。
【0053】これに対して、20mm以上の長繊維2と
粉末樹脂3を用いている各実施例のものでは、密度ばら
つきがなく、剥離強度や吸湿時の寸法安定性も高いもの
であった。
【0054】更に、40〜60mmの長繊維2を用いて
いる実施例3や実施例7では、剥離強度や寸法安定性が
特に優れた繊維板1が得られた。
【0055】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る繊
維板の製造方法は、解繊した繊維長20mm以上の長繊
維と粉末樹脂との混合物からなるマットを成形するマッ
ト成形工程と、マット成形工程にて成形されたマットを
加熱する予備加熱工程と、予備加熱後のマットをプレス
成形するプレス成形工程からなるため、マットを長繊維
と粉末樹脂にて形成することでマットを乾式で成形する
ことができて、プレス成形の前にマットを乾燥させるよ
うな必要がなく、しかもマット中に樹脂を均一に分散さ
せることが容易なものとなり、密度むらがなく均質で、
剥離強度や吸湿時の寸法安定性が高い繊維板を得ること
ができるものである。
【0056】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、粉末樹脂として粒径200μm以下のものを用いる
ため、長繊維と粉末樹脂とを更に均一に混合することが
でき、より密度むらのない繊維板を得ることができるも
のである。
【0057】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、長繊維と粉末樹脂とからなるマット中における
粉末樹脂の含有量を30〜40質量%とするため、吸湿
時の寸法安定性を更に向上することができるものであ
る。
【0058】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、粉末樹脂として熱硬化性樹脂からな
るものを用いるため、マット中の粉末樹脂を加熱硬化す
ることにより、繊維板を得ることができるものである。
【0059】また請求項5の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、粉末樹脂として熱可塑性樹脂からな
るものを用いるため、繊維板を廃棄した際の廃棄物の再
利用が容易となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(d)は本発明の繊維板の製造方法
の各工程を示す概略図である。
【図2】(a)乃至(e)は従来の繊維板の製造方法の
各工程を示す概略図である。
【符号の説明】
1 繊維板 2 長繊維 3 粉末樹脂 4 マット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:08 B29K 105:08 B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 岡本 清 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 2B260 AA12 BA07 BA15 BA18 BA19 BA26 CA02 CD02 CD03 CD04 CD06 DA01 DA04 DA07 DA17 DA18 DD03 EA05 EB02 EB06 EB13 EB21 EC01 EC03 EC18 2E162 CC00 FD01 4F204 AA37 AC02 AC04 AG01 AH74 FA01 FA20 FB01 FB21 FE06 FE16 FE30 FF21 FH06 FH30 FN11 FN15 FQ01 FQ15 FW06 FW15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 解繊した繊維長20mm以上の長繊維と
    粉末樹脂との混合物からなるマットを成形するマット成
    形工程と、マット成形工程にて成形されたマットを加熱
    する予備加熱工程と、予備加熱後のマットをプレス成形
    するプレス成形工程からなることを特徴とする繊維板の
    製造方法
  2. 【請求項2】 粉末樹脂として粒径200μm以下のも
    のを用いることを特徴とする請求項1に記載の繊維板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 長繊維と粉末樹脂とからなるマット中に
    おける粉末樹脂の含有量を30〜40質量%とすること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の繊維板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 粉末樹脂として熱硬化性樹脂からなるも
    のを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の繊維板の製造方法。
  5. 【請求項5】 粉末樹脂として熱可塑性樹脂からなるも
    のを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の繊維板の製造方法。
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