JPH0817687A - 電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ

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JPH0817687A
JPH0817687A JP17352094A JP17352094A JPH0817687A JP H0817687 A JPH0817687 A JP H0817687A JP 17352094 A JP17352094 A JP 17352094A JP 17352094 A JP17352094 A JP 17352094A JP H0817687 A JPH0817687 A JP H0817687A
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Shinichi Kaneko
信一 金子
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 基板の所定位置に装着することができると共
に、機械的外力がケース内部に影響することのない電解
コンデンサを提供する。 【構成】 弁作用金属からなる陽極箔1と陰極箔2間に
スペーサ3を介在すると共に、各電極箔にそれぞれ引出
端子4,5を取着して巻回してコンデンサ素子6を形成
する。樹脂からなる封口本体8とその外周に設けられた
ゴムからなる外周部7とから封口体Cを形成する。封口
本体には、コンデンサ素子の引出端子4,5との対応位
置に貫通孔を設ける。貫通孔に引出端子を挿入して引
出、引出端子基部の内部リード部4a.5aを貫通孔内
に密着固定する。上部開口型の外装ケース11内部に有
機半導体材料12を収納して加熱溶融する。その内部に
封口体を接続したコンデンサ素子を挿入し、封口体をケ
ースに密着させる。ケース外周及び上端にに加締部11
a,11bを形成し、ケースに封口体を密着固定させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機半導体材料を含浸
させてなる電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乾式箔形電解コンデンサにおい
ては、高純度アルミニウム箔からなる一対の陽極・陰極
箔に、同じくアルミニウムからなる一対の引出端子を接
続し、前記一対の陽極・陰極箔相互間にスペーサ紙を介
在して巻回してなるコンデンサ素子を使用している。こ
のコンデンサ素子は、アルミニウムの陽極箔・陰極箔の
表面積を拡大させるために、表面をエッチングにより粗
面化させている。さらに、陽極箔には誘電体酸化皮膜を
生成させている。このようなコンデンサ素子を使用して
なる電解コンデンサとして、例えば、コンデンサ素子に
駆動用電解液を含浸してケースに収納し、このケース開
口部を密閉するなどの外装を施してなる電解コンデンサ
が存在している。なお、ケース開口部を封口して密閉す
る手段として、従来は、一定間隔の引出端子の挿入孔が
形成され、弾性を有するゴムからなる封口体が用いられ
ている。
【0003】しかし、上記駆動用電解液としては、例え
ば、エチレングリコールなどの有機溶媒にアジピン酸ア
ンモニウムなどの有機カルボン酸塩を使用しているた
め、tanδ特性改善に限度があり、また、低温で比抵
抗が上がり、低温特性が極度に悪化してしまうため、広
域温度範囲で使用するには信頼性に欠ける。従って、駆
動用電解液を使用してなる電解コンデンサにおいては、
市場要求を十分に満足することは不可能である。
【0004】そのため、近年では、駆動用電解液に代え
て、TCNQ錯体からなる有機半導体を用いた電解コン
デンサが種々提案され、その一部は実用化されている。
このようなTCNQ錯体からなる有機半導体をコンデン
サ素子に含浸する手段として、一般に溶融含浸法、分散
含浸法、更には真空蒸着法などがあるが、TCNQ錯体
の特性は、いろいろな条件で変化し、極めて扱い難い物
質である。このため、使用に当たっては種々の工夫が講
じられている。特に、固体電解質の条件としては、コン
デンサ特性としてのtanδなど等価直列抵抗に影響す
るそれ自体としての抵抗値が小さく、且つ広域温度範
囲、特に高温下でも安定した比抵抗値があることが重要
である。
【0005】そして、コンデンサ素子に対するTCNQ
錯体からなる有機半導体の含浸に際しては、コンデンサ
素子の内部に、一様に必要量を浸透させることが要求さ
れる。このようなTCNQ錯体からなる有機半導体をコ
ンデンサ素子に必要量を含浸させる工業的な手段とし
て、従来から特許公報または技術文献によって、加熱溶
融液化含浸が有効として提案されている。この加熱溶融
液化含浸の具体的な手段としては、一般的に、所望のT
CNQ錯体からなる有機半導体を外装ケースに入れて加
熱溶融させ、これに予め加熱してなるコンデンサ素子を
収納する。これにより、コンデンサ素子を構成するスペ
ーサ紙の繊維と陽極箔の微細なエッチングピットを介し
て、TCNQ錯体からなる有機半導体液が素子全体に含
浸されるものである。
【0006】ここで、この工程中、外装ケースにコンデ
ンサ素子を収納する際に、次の点に注意する必要があ
る。すなわち、コンデンサ素子の陽極側引出端子には、
誘電体酸化被膜が生成されていない(未化成)。このよ
うな未化成の陽極側引出端子にTCNQ錯体からなる有
機半導体液が付着し、この状態でコンデンサに電圧が印
加されると、短絡が発生する。したがって、コンデンサ
素子の陽極側引出端子に、TCNQ錯体からなる有機半
導体液が付着しないようにする必要がある。このため、
加熱溶融液化含浸時には、外装ケースに入れるTCNQ
錯体は最小限の量に止め、ケース底面側となる素子端面
からの毛細管現象を利用してコンデンサ素子全体への含
浸を行っている。
【0007】以上のように、コンデンサ素子全体に一様
にTCNQ錯体からなる有機半導体液を含浸・固化させ
た後は、次のようにして外装ケースの開口部を封口す
る。すなわち、封口には、TCNQ錯体を溶解せず且つ
ケースとの密着強度が十分となる樹脂を、開口部に充填
固化させる方法が採用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の電解コンデンサには、次のような欠点があ
った。すなわち、コンデンサ素子がケース中心ではな
く、位置がずれて収納された場合は、引出端子の引出位
置もずれた位置となる。このような電解コンデンサで
は、実装基板に装着する際に、引出端子と基板に設けら
れた引出端子挿入孔の位置・間隔が合わず、場合によっ
ては電解コンデンサと隣接する他の部品との接触が発生
することにもなる。
【0009】また、従来の電解コンデンサでは、外装ケ
ースの開口部を樹脂を充填することにより封口する工程
で、引出端子に余分な力が加わり、陽・陰極の引出端子
の間隔が狂って樹脂中に固定されることも発生する。こ
の場合は、電解コンデンサの実装基板への装着が困難と
なる問題がある。
【0010】ここで、他の部品と接触することなく、確
実に基板に装着可能な電解コンデンサとするため、駆動
用電解液を使用した電解コンデンサの封口と同様に、引
出端子の挿入孔を有するゴムからなる封口体を使用する
ことも考えられる。これにより、陽極・陰極の引出端子
の間隔を一定にすると共に、引出端子と基板の引出端子
挿入孔の位置・間隔を合わせることができる。
【0011】しかし、この場合、ゴムは弾性を有するた
め、次のような問題が発生する。すなわち、封口体外部
に突出した引出端子に引張りや折曲げなどによる力(機
械的外力)が加わると、これがゴムからなる封口体に加
わる。この時、ゴムは弾性を有するため、機械的外力を
ケース内部方向に伝えることになる。この場合、ケース
内部では、封口体を介して機械的外力が働くと、コンデ
ンサ素子の誘電体酸化被膜や固体電解質である有機半導
体が破壊され易くなる。この結果、漏れ電流が増大し、
または、短絡不良などの問題が発生することにもなる。
【0012】以上のように、有機半導体を用い、ゴムか
らなる封口体を使用した場合、従来の電解コンデンサ
は、基板の正確な位置に装着できるなどの効果を有する
ものの、引出端子に機械的外力が加わると、漏れ電流増
大や短絡不良などの電子部品の信頼性を損なう要因を引
き起こすという欠点があった。
【0013】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するために提案されたものであり、その第1の目的
は、基板の所定位置に正確に装着することができると共
に、機械的外力がケース内部に影響することのない電解
コンデンサを提供することである。また、第2の目的
は、コンデンサ素子の収容されるケースの気密性が向上
された電解コンデンサを提供することである。さらに、
第3の目的は、ケースが確実且つ高い気密性により封口
される電解コンデンサを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1記載の発明による電解コンデンサで
は、弁作用金属からなる陽極箔及び陰極箔のそれぞれに
引出端子を取着し、この陽極箔及び陰極箔間にスペーサ
紙を介在して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコ
ンデンサ素子に有機半導体材料を含浸すると共に、コン
デンサ素子をケース内に収容し、このケースの開口部を
封口体により封口してなる電解コンデンサにおいて、前
記封口体は、樹脂からなる円柱状の封口本体と、その外
周面に設けられた弾性部材からなる円筒状の外周部とか
ら構成され、前記封口本体には、前記コンデンサ素子の
陽極及び陰極の各引出端子がそれぞれ所定位置から引出
される貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0015】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載のケースには、封口体の固定手段として加締部が設
けられていることを特徴とする。
【0016】
【作用】以上のような構成を有する本発明の作用は次の
通りである。すなわち、請求項1記載の発明では、封口
体を構成する封口本体が樹脂からなるため、機械的外力
がケース内部に伝わることがない。しかも、この封口本
体には、陽極・陰極の各引出端子が所定位置から引出さ
れる貫通孔が設けられているため、コンデンサ素子がケ
ース中央に収容されると共に、電解コンデンサを基板の
所定の位置に正確に装着することができる。さらに、こ
の封口本体の外周面に弾性を有する外周部が設けられて
いるため、封口体とケースとを密着させることができ
る。
【0017】請求項2記載の発明では、ケースに加締部
が設けられていることにより、この加締部が封口体を押
圧することになり、封口体がケースに固定され、確実に
ケース開口部を封口することができる。
【0018】
【実施例】
(1)主な実施例の構成 以下、本発明による電解コンデンサの一実施例につい
て、図面を参照して具体的に説明する。この場合、図1
は本発明の一実施例により製造された電解コンデンサを
示す断面図、図2は同じ実施例において形成したコンデ
ンサ素子の構造を示す展開斜視図、図3は同じ実施例に
おける封口体を示す斜視図、図4は図2のコンデンサ素
子を図3の封口体に固定して一体化した状態を示す断面
図である。
【0019】まず、コンデンサ素子6を形成する。これ
は、図2に示すように、アルミニウム箔表面をエッチン
グ液で粗面化し、表面積を拡大した後、陽極酸化皮膜を
生成して陽極箔1を用意する。同様に、アルミニウム箔
表面をエッチング液で粗面化し、表面積を拡大して陰極
箔2を用意する。これらの陽極箔1、陰極箔2間に、ク
ラフト紙またはマニラ紙などからなるスペーサ3を介在
すると共に、陽極箔1及び陰極箔2の任意の箇所に、そ
れぞれ内部リード部4a,5aを介し、陽極及び陰極の
引出端子4,5を取着して巻回し、コンデンサ素子6を
形成する。
【0020】一方、封口体Cは、図3に示すように、円
筒状の外周部7と、その内部の円柱状の封口本体8とか
ら形成する。外周部7は、耐熱性及び弾性を有するゴム
などの材料により、外径がコンデンサ素子の収容される
外装ケースの内径と同一、またはわずかに大きくなるよ
うに形成する。一方、封口本体8は、耐熱性を有するフ
ッ素樹脂などの樹脂により、外径が外周部7の内径と同
一、またはわずかに大きくなるように形成する。また、
封口本体8には、2か所に、上下の端面を貫通する貫通
孔9,10を設ける。この貫通孔9,10の形成位置及
び相互の間隔は、引出端子4,5のコンデンサ素子6へ
の取付部材である内部リード部4a,5aに対応させた
所定位置に形成する。これらの貫通孔9,10の開口径
は、内部リード部4a,5aの直径よりも僅かに小さく
形成する。
【0021】なお、円筒状となる外周部7の一方の端縁
は、封口本体8を係止する係止突起7aとして内部方向
に突出させる。また、円柱状となる封口本体8の一方の
端面周囲には、前記係止突起7aと係合するように係止
溝8aを形成する。そして、係止突起7aと係止溝8a
とを係合させて、封口本体8の周囲に外周部7を密着固
定し、封口体Cを形成する。ここで、封口体Cは、係止
突起7a及び係止溝8aの形成されている面を上面とす
る。
【0022】この後、図4に示すように、コンデンサ素
子6を封口体Cに取り付ける。これは、封口本体8の貫
通孔9,10に、下面側から陽極・陰極の引出端子4,
5をそれぞれ挿入して、その端部を上面側の貫通孔9,
10から引出す。さらに、内部リード部4a,5aがそ
れぞれ貫通孔9,10内部に挿入されるまで、貫通孔
9,10から引出され突出した引出端子4,5端部を引
っ張る。これにより、内部リード部4a,5aを貫通孔
9,10内部に密着固定させる。
【0023】次に、図1に示すように、例えばアルミニ
ウムなどからなる上部の開口する外装ケース11内に、
TCNQ錯体からなる有機半導体を必要な一定量を入れ
て加熱溶融し、有機半導体溶融液とする。この後、前記
封口体Cに固定して一体化した前記コンデンサ素子6
を、予熱状態で外装ケース11内に収納し、有機半導体
溶融液をコンデンサ素子6に含浸する。この時、封口体
Cは、上面が外装ケース11の上縁よりも下方となる位
置まで、外装ケース内部に挿入される。これにより、封
口体Cの外周面(外周部7の外周面)と外装ケース11
の上部内周面とが密着する。
【0024】そして、コンデンサ素子6に有機半導体溶
融液を十分に含浸させた後、冷却により有機半導体12
を固化する。この後、図1に示すように、外装ケース1
1には、封口体Cとの密着面の外周、及び外装ケース1
1の上端縁に、加締部11a,11bを形成する。これ
により、加締部11a,11bが封口体Cのゴムからな
る外周部7を押圧し、封口体Cが外装ケース11に密着
固定される。このように、外装ケース11の開口部が封
口され、電解コンデンサが完成する。
【0025】(2)主な実施例の作用効果 以上のような電解コンデンサにおいては、封口体Cの外
装ケース11と接する外周部7が、ゴムにより構成され
ているため、外装ケース11と封口体Cとの密閉性が優
れた状態となる。これにより、外装ケース内部に外気が
流入することが発生せず、コンデンサ素子が外気の水分
や酸素により劣化することを確実に防止することができ
る。特に、封口体Cの外径となる外周部の外径がケース
の内径と同一またはそれよりも大きく形成されているた
め、封口体Cをケース11内に圧入した場合、封口体C
がケース11に密着する。さらに、外装ケース11に
は、封口体Cが装着された後に加締部が設けられるた
め、封口体Cは確実に外装ケース11に固定される。し
たがって、本実施例では、封口体Cによる外装ケース1
1の封口に関し、長期間、高気密性を維持することがで
きる。
【0026】しかも、封口本体8が樹脂により構成され
ているため、陽極・陰極の引出端子4,5に引張りや折
曲げなどによる力(機械的外力)が加わっても、この機
械的外力は封口本体8で止まる。このため、コンデンサ
素子に機械的外力が加わることは発生しない。したがっ
て、機械的外力によりコンデンサ素子の誘電体酸化被膜
や固体電解質である有機半導体が破壊されることは発生
せず、漏れ電流の増大や短絡不良などの発生を防止する
ことができる。
【0027】さらに、引出端子4,5のコンデンサ素子
6への取付部材である内部リード部4a,5aが、封口
体Cの所定位置に形成された貫通孔9,10に固定され
る。これは、外装ケース11の封口を、従来のように樹
脂の充填・固化させて行うことに比べ、充填時に引出端
子4,5に余分な力が加わることがない。この結果、コ
ンデンサ素子が、常に外装ケースの中心に収容されると
共に、引出端子4,5が、外装ケース11の所定位置か
ら引き出される。これにより、電解コンデンサを基板に
装着する際には、他の部品に接触することや、装着がで
きないなどの問題は発生せず、常に所定の位置に装着す
ることができる。また、封口体Cは予め形成しておくこ
とができるため、樹脂の充填・固化工程が必要なくな
り、電解コンデンサの製造工程を簡素化し、短時間に製
造することが可能となる。
【0028】したがって、本実施例では、外気による劣
化が防止され、漏れ電流の増大や短絡不良などの発生が
なく、所定位置に装着可能な信頼性及び安全性の高い電
解コンデンサとすることができる。
【0029】続いて、実際に前記の工程に基づいて、本
発明の電解コンデンサ(本発明品A)を製造すると共
に、従来の電解コンデンサ(従来品B)を製造した。す
なわち、本発明及び従来例共に、幅3mm、長さ55m
mの陽極箔を使用したコンデンサ素子を形成した。そし
て、有機半導体材料として、N−nブチルイソキノリニ
ウムのTCNQ錯体を、コンデンサ素子への含浸に必要
な一定量を円筒状アルミケースに収納し、加熱溶融し
た。この外装ケースに前記コンデンサ素子を収容し、コ
ンデンサ素子に有機半導体材料を含浸させた。
【0030】この状態で、本発明品Aにおいては、樹脂
からなる封口本体の外周にゴムからなる外周部の設けら
れた封口体により、外装ケースの開口部を封口して、定
格16V−22μFの電解コンデンサを完成した。これ
に対し、従来品Bは、樹脂を外装ケースの開口部に充填
・固化させて封口し、定格16V−22μFの電解コン
デンサを完成した。
【0031】このようにして完成した本発明による電解
コンデンサ(本発明品A)と従来技術による電解コンデ
ンサ(比較品B)について、105℃での寿命試験おけ
る静電容量分布を調査したところ、図5に示すような結
果が得られた。図5から明らかなように、従来品Bに比
べ、本発明品Aの静電容量特性は、高いレベルで均一化
されている。
【0032】これは、従来品Bの場合、外装ケースと樹
脂による封口部分との間に剥離が生じ、外装ケースの内
部に外気が流入して、外気中の酸素や水分とコンデンサ
素子とが接触し、これにより静電容量が変化している。
これに対し、本発明品Aは、静電容量の変化が小さいこ
とから、外装ケースの開口部が封口体により確実に封口
されていることがわかる。
【0033】(3)他の実施例 なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものでは
なく、封口体の構成は、樹脂からなる封口本体と、弾性
部材としてゴム以外の弾性を有する樹脂からなる外周部
から構成することも可能である。また、封口体を樹脂の
みにより構成することも可能である。
【0034】さらに、本発明は、有機半導体の種類がN
−nブチルイソキノリニウムのTCNQ錯体に限定され
るものではなく、N−メチル−3−nプロピルイミダゾ
ルのTCNQ錯体、N−nアミルイソキノリニウムのT
CNQ錯体、またはその他の有機半導体を使用すること
も可能であり、その場合にも、前記実施例と同様の優れ
た作用効果を得られるものである。
【0035】また、本発明は、前記実施例の寸法及び定
格を有する電解コンデンサに限定されるものではなく、
多種多様な寸法及び定格を有する各種電解コンデンサに
適用可能であり、その場合にも、前記実施例と同様の優
れた作用効果を得られるものである。すなわち、本発明
は、コンデンサ素子の収容される外装ケースを封口する
封口体の構成に特徴を有するものであるため、この特徴
を有する電解コンデンサである限り、他の具体的な構成
は適宜変更可能であり、これらの他の構成に拘らず、前
記実施例と同様の優れた作用効果を得られるものであ
る。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、電
解コンデンサを基板の所定位置に正確に装着することが
できると共に、機械的外力がケース内部に影響すること
がなく、静電容量や損失、漏れ電流等の諸特性を高いレ
ベルで均一化することが可能な、優れた電解コンデンサ
を提供することができる。
【0037】特に、請求項1記載の発明では、封口体を
構成する封口本体に引出端子用の貫通孔が設けられてい
るため、予めコンデンサ素子を封口体の所定位置に固定
できて、電解コンデンサを基板の正確な位置に装着で
き、しかも封口体が樹脂からなるため、機械的外力がケ
ース内部に伝わることのないため、諸特性を高いレベル
で維持できる優れた電解コンデンサとなる。さらに、封
口体として、弾性を有していない封口本体周囲に弾性を
有する外周部が設けられていることにより、封口体とケ
ースとが密着し、外気の流入などのない高気密性となる
封口が行われるため、信頼性の向上された電解コンデン
サとなる。
【0038】請求項2記載の発明では、コンデンサ素子
を所定位置に固定した封口体を、ケースの加締部により
確実にケースに固定することができ、長期間の使用にも
優れた電解コンデンサとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う電解コンデンサの製造方法の一実
施例によって製造した電解コンデンサを示す断面図。
【図2】図1の製造方法において形成したコンデンサ素
子の構造を示す展開斜視図。
【図3】図1の製造方法において形成した封口体の構造
を示す斜視図。
【図4】図2のコンデンサ素子を図3の封口体に装着し
た状態を示す断面図
【図5】本発明の製造方法による電解コンデンサ(本発
明品A)と従来の製造方法による電解コンデンサ(従来
品B)における静電容量分布を示す特性図。
【符号の説明】
1 … 陽極箔 2 … 陰極箔 3 … スペーサ紙 4 … 陽極引出端子 5 … 陰極引出端子 6 … コンデンサ素子 7 … 外周部 8 … 封口本体 9,10 … 貫通孔 11 … 外装ケース 12 … 有機半導体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁作用金属からなる陽極箔と陰極箔間に
    スペーサを介在すると共に、各電極箔にそれぞれ引出端
    子を取着して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコ
    ンデンサ素子に有機半導体材料を含浸すると共に、コン
    デンサ素子をケース内に収容し、このケースの開口部を
    封口体により封口してなる電解コンデンサにおいて、 前記封口体は、樹脂からなる円柱状の封口本体と、その
    外周面に設けられた弾性部材からなる円筒状の外周部と
    から構成され、 前記封口本体には、前記コンデンサ素子の陽極及び陰極
    の各引出端子がそれぞれ所定位置から引出される貫通孔
    が形成されていることを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記ケースには、封口体の固定手段とし
    て加締部が設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007189184A (ja) * 2005-12-13 2007-07-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd コンデンサ
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