JPH08176536A - 冷媒、冷媒圧縮機および冷凍装置 - Google Patents

冷媒、冷媒圧縮機および冷凍装置

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JPH08176536A
JPH08176536A JP6325558A JP32555894A JPH08176536A JP H08176536 A JPH08176536 A JP H08176536A JP 6325558 A JP6325558 A JP 6325558A JP 32555894 A JP32555894 A JP 32555894A JP H08176536 A JPH08176536 A JP H08176536A
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refrigerating machine
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oil
refrigerating
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 飽和炭化水素からなる冷媒を主とする冷媒を
用いた冷媒圧縮機および冷凍装置の摺動性、信頼性およ
び安全性を向上させる。 【構成】 飽和炭化水素に不飽和炭化水素を含ませた冷
媒を主とし、この冷媒と相溶性を有する冷凍機油を封入
してなる冷媒圧縮機および冷凍装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば空気調和機や
冷蔵庫等に組み込まれる冷凍装置に関し、とくに炭化水
素系冷媒を用いた冷媒、冷媒圧縮機および冷凍装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】空気調和機や冷蔵庫等は、冷風や温風な
どを作り出して周囲を一定温度雰囲気にする機能を有し
ている。このために密閉型冷媒圧縮機やカーエアコン用
半密閉型冷媒圧縮機などの冷媒圧縮機が用いられてい
る。
【0003】従来、これらの圧縮機の冷媒として、ジク
ロロジフロロメタン(以下、CFC-12と略称)やモノクロ
ロジフロロメタン(以下、HCFC-22 と略称)および R-5
02などが主に用いられてきた。また、これら冷媒と共に
使用される冷凍機油には高い潤滑性を有するとともに、
CFC-12,HCFC-22,R-502に対して溶解性を有するナフテン
系鉱油やパラフィン系鉱油の冷凍機油が用いられてき
た。しかしながら、CFC-12,HCFC-22,R-502等のフロン放
出がオゾン層の破壊に繋がり、人体や生態系に深刻な影
響を与えるためオゾン破壊係数(ODP)の高いCFC-12
(ODP値:1.0)の使用禁止やODP値が 0以上であ
る HCFC-22(ODP値:0.05)の段階的な使用削減が提
案され、将来的には不使用の方向にある。
【0004】このため、代替フロンとして、ジフロロメ
タン(以下、HFC-32と略称)、ペンタフルオロエタン
(以下、HFC-125 と略称)、1,1,1,2-テトラフルオロエ
タン(以下、HFC-134aと略称)、1,1,1-トリフルオロエ
タン(以下、HFC-143aと略称)、1,1-ジフルオロエタン
(以下、HFC-152aと略称)などの単体あるいは混合物の
使用が検討されている。それと共に、これらの代替冷媒
に適合する冷凍機油として、エステル系油、ポリアルキ
レングリコール系油、エーテル系油やフッ素系油等が開
発されている。たとえば、HFC-134aやHFC-125 を単体あ
るいは混合した冷媒を使用して、冷蔵庫や空調調和機な
どの冷凍サイクルにはポリエステル系油が、カーエアコ
ンにはポリアルキレングリコール系油が主に使用されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、HFC 系
の代替フロンは、オゾンの分解性は低いが、地球を温暖
化する作用があるとの問題がある。
【0006】また、ポリエステル系油やポリアルキレン
グリコール系油は、吸湿性が高いため冷凍サイクル材料
の劣化が促進されやすいとの問題がある。
【0007】このため、オゾン分解係数(ODP)と地
球温暖化係数(GWP)が共に低い冷媒およびこれに適
応した冷凍機油ならびに冷凍サイクル材料の開発が望ま
れている。そのような冷媒として、HFC-134aやHFC-125
以外の HFC系冷媒や炭化水素系物質の使用が検討されて
いる。しかし、炭化水素系物質は本質的に潤滑性を示さ
ないため摺動特性が十分でないとの問題がある。さらに
炭化水素系物質を冷媒に用いた場合においても冷凍サイ
クル自身に吸着水分があり、冷凍装置の長期信頼性を維
持する上で問題がある。
【0008】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、炭化水素系物質からなる冷媒、および
この炭化水素系物質と HFC系冷媒との混合冷媒を用いた
冷凍サイクルに適した基本材料構成を検討して、摺動特
性、信頼性および安全性を向上させることのできる冷
媒、冷媒圧縮機および冷凍装置を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】請求項1の冷
媒は不飽和炭化水素を含む飽和炭化水素からなることを
特徴とする。本発明の冷媒は、冷媒圧縮機、凝縮器、乾
燥器、膨脹機構および蒸発器などから構成される冷凍サ
イクルにおいて使用される媒体である。この冷凍サイク
ルの冷媒圧縮機には往復式、ロータリー式、スクロール
式等あるが、いずれにも本発明の冷媒を使用することが
できる。本発明の冷媒は、飽和炭化水素を主成分とし、
不飽和炭化水素を含むものである。本発明において、飽
和炭化水素とは炭化水素を構成する炭素骨格の原子価が
すべて水素原子で飽和されているものをいい、不飽和炭
化水素とは炭化水素のうちエチレン結合(または二重結
合)あるいはアセチレン結合(または三重結合)を有す
るものをいう。不飽和炭化水素を含むことにより、冷媒
圧縮機の摺動材表面における摺動特性が向上する。これ
は不飽和水素化炭素に含まれる 2重結合あるいは 3重結
合を構成するπ電子が関与して冷媒圧縮機の摺動材表面
の金属と吸着あるいは結合することにより摺動性を向上
させ、摺動材の摩耗性が減少するためと考えられる。こ
のような作用の模式図をプロピレン(C3 6 )や 2-
ブチン(C4 6 )を例にとり図1に示す。飽和炭化水
素の冷媒としての特性を維持しつつ摺動特性を向上させ
るために、不飽和炭化水素の含有量は 0.001〜1.0 質
量%の範囲が好ましく、より好ましい範囲は 0.01 〜0.
1 質量%である。
【0010】請求項2の冷媒は、請求項1の冷媒におい
て飽和炭化水素の沸点が -50℃〜 0℃の範囲にあること
を特徴とする。飽和炭化水素の沸点がこの範囲にある
と、本発明における冷媒としての特性を維持することが
できる。具体的にはプロパン(C3 8 )やブタン(C
4 10)を挙げることができ、これらは単独でも混合物
でも使用することができる。また、不飽和炭化水素は上
述の飽和炭化水素と混合して使用できるものであればよ
い。具体的にはプロピレン(C3 6 )やブテン(C4
8 )、ブチン(C4 6)などを単独あるいは混合物
で使用することができる。
【0011】請求項3の冷媒は、請求項1または請求項
2の冷媒において水素化弗化炭素および弗化炭素系冷媒
から選ばれた少なくとも 1つの冷媒をさらに含むことを
特徴とする。「不飽和炭化水素を含む飽和炭化水素系冷
媒」(以下、 HC 系冷媒と略称)に水素化弗化炭素およ
び/または弗化炭素系冷媒を混合することにより、例え
ばプロパン単体に比べ不燃性が向上する。水素化弗化炭
素系冷媒としては、HFC-134a、HFC-32、HFC-125 、HFC-
143a、HFC-152a等を、弗化炭素系冷媒としては、FC-11
6、FC-218、FC-C318 等を例示することができる。ま
た、これらの混合割合は使用目的に応じて調節できる。
例えばプロパン単体に対するHFC-134aの混合率を約40質
量%以上にすると冷媒を不燃状態とすることができ、冷
凍サイクルに亀裂等が生じた場合にも火災などを防ぐこ
とができる。また、HFC-152a単体に適合する冷凍機油は
高価なエステル系油、ポリアルキレングリコール系油、
エーテル系油やフッ素系油等しか使用できないが、 HC
系冷媒が混合されていれば、安価な鉱油を用いることも
できる。
【0012】請求項4の冷媒は、請求項3の冷媒におい
て不飽和炭化水素を含む飽和炭化水素からなる第1の冷
媒と、この第1の冷媒より高沸点の水素化弗化炭素およ
び弗化炭素系冷媒から選ばれた少なくとも 1つからなる
第2の冷媒と、この第2の冷媒より高沸点の飽和炭化水
素からなる第3の冷媒とを混合した混合冷媒であること
を特徴とする。このような混合冷媒とすることにより、
冷凍サイクルにおいて液からガス変化状態が非共沸から
凝共沸にすることができ、熱効率が向上する。また、冷
凍サイクルに亀裂等が生じた場合にも火災などを防ぐこ
とができる。
【0013】請求項5の冷媒は、請求項4の冷媒におい
て第1の冷媒が飽和炭化水素としてプロパンを含み、第
2の冷媒がHFC-134aであり、第3の冷媒がブタンである
ことを特徴とする。
【0014】請求項6の冷媒は、請求項1ないし請求項
5のいずれか1項の冷媒において、さらに付臭剤を添加
してなることを特徴とする。
【0015】本発明の HC 系冷媒は無臭性であるため付
臭剤を添加することにより、その存在を検知することが
できる。したがって極少量で臭気を検知できる物質であ
ることが好ましい。具体的にはアルキルメルカプタン類
のうち、特に沸点の低いメチルメルカプタンまたはエチ
ルメルカプタンを 0.005〜 0.5ppm の範囲内で用いるこ
とが好ましい。またはアンモニアを 5〜53ppm の範囲内
で用いることもできる。
【0016】請求項7の冷媒は、請求項1ないし請求項
5のいずれか1項の冷媒において、混入硫黄量が 0.02
質量%以下であることを特徴とする。HC 系冷媒の硫黄
分を 0.02 質量%以下に抑えることにより、硫黄分が内
部で硫酸等の酸成分などに変性して冷凍サイクル内の有
機材料を劣化させることを防止することができる。とく
に混入硫黄分が 0.02 質量%以下にすれば、冷凍サイク
ル材料への影響も少なく製品の寿命が低下することはな
い。
【0017】請求項8の冷凍装置は、冷媒を圧縮、凝
縮、膨脹、蒸発させる冷凍サイクルにおいて、冷媒とし
て請求項1ないし請求項7のいずれか1項の冷媒を用い
ることを特徴とする。請求項9の冷凍装置は、請求項8
の冷凍装置において、冷凍機油として冷媒と相溶性を有
する油を用いることを特徴とする。請求項10の冷凍装
置は、請求項9の冷凍装置において、冷凍機油はナフテ
ン系鉱油、パラフィン系鉱油および合成油から選ばれた
少なくとも 1つであることを特徴とする。本発明の冷凍
装置は、冷媒として HC 系冷媒を用いるのでナフテン系
鉱油、パラフィン系鉱油、合成油等を冷凍機油として使
用することにより、 HC 系冷媒と冷凍機油との相溶性が
向上して冷媒圧縮機の摺動部への油戻りが維持されて、
摺動部材の信頼性を確保することができる。具体的に、
ナフテン系鉱油としてはスニソ3G、スニソ4G(サン
オイル社製、商品名)等を、パラフィン系鉱油としては
フレオールS15、フレオールS32、フレオールS5
6等(ジャパンエナジー社製、商品名)等を、合成油と
してはアルキルベンゼン系油などを挙げることができ
る。
【0018】請求項11の冷凍装置は、請求項9の冷凍
装置において、冷凍機油は以下のいずれか 1つを用いる
ことを特徴とする。1)飽和炭化水素、水素化弗化炭素
または弗化炭素のいずれか 1つと相溶性を有する冷凍機
油、 2)飽和炭化水素、水素化弗化炭素または弗化炭素のい
ずれか 1つと相溶性を有する冷凍機油と、飽和炭化水
素、水素化弗化炭素または弗化炭素のいずれか 1つが不
溶性である冷凍機油との混合油、 3)飽和炭化水素と相溶性を有する冷凍機油と、水素化
弗化炭素または弗化炭素と相溶性を有する冷凍機油との
混合油。 請求項12の冷凍装置は、請求項11の冷凍装置におい
て、飽和炭化水素と相溶性を有する冷凍機油は、ナフテ
ン系鉱油、パラフィン系鉱油および合成油から選ばれた
少なくとも 1つであり、水素化弗化炭素と相溶性を有す
る冷凍機油は、エステル系油、ポリアルキレングリコー
ル系油およびポリエーテル系油から選ばれた少なくとも
1つであることを特徴とする。炭化水素と水素化弗化炭
素を混合した冷媒に適合する油は、炭化水素あるいは水
素化弗化炭素のどちらかに相溶性を有する各種の鉱油と
合成油あるいは鉱油と合成油の混合油がある。そのた
め、上述の鉱油または合成油のどちらでも使用可能であ
り、あるいは鉱油と合成油の混合油も使用することがで
きる。したがって、数ある候補油の中から信頼性が高く
安価な油を選択することができる。
【0019】また、上述の冷凍機油中に、極圧添加剤、
酸捕捉剤、酸化防止剤、金属不活性剤、油性剤および消
泡剤のうち、少なくとも1種以上を添加することが好ま
しい。例えば、極圧添加剤としては、硫黄系、塩素系、
りん系または亜鉛、鉛やモリブデンなどの有機金属系化
合物を、酸捕捉剤としてはエポキシ系化合物を、酸化防
止剤としては、フェノール類系、アミン類系の化合物ま
たはチオりん酸亜鉛などを、金属不活性剤としては、窒
素化合物、硫黄および窒素を含有する化合物またはジア
ルキルジチオりん酸塩を、油性剤としては、直鎖脂肪酸
のように未端に極性基を有する長い炭化水素鎖の骨格を
有する有機物を、消泡剤としては、シリコーン油、金属
石けん、エステル類、シリケート等の化合物を、それぞ
れ例示することができる。このような添加剤は、冷媒圧
縮機の摺動部材の摺動性向上、油の安定性向上、オイル
スラッジの発生低減、冷凍サイクル全体の寿命維持など
を図ることができる。
【0020】請求項13の冷凍装置は、請求項9ないし
請求項12のいずれか1項の冷凍装置において、冷凍機
油は弗素系油をさらに添加してなる冷凍機油であること
を特徴とする。弗素系油の添加により本発明の HC 系冷
媒の摺動性がさらに向上する。とくに好ましくは鉱油と
エステル混合油に0.05〜 5質量%添加すると冷媒圧縮機
の摺動部材の摩耗量の減少に寄与する。
【0021】請求項14の冷凍装置は、請求項9ないし
請求項13のいずれか1項の冷凍装置において、冷凍機
油は、空気に触れると反応して被膜を形成し冷凍サイク
ル内の配管のピンホールや傷を防ぐエポキシ系添加剤を
さらに添加した冷凍機油であることを特徴とする。エポ
キシ系添加剤は、シリコン含有または変性エポキシ系添
加剤で空気に触れると硬化が起こり、接着剤のような作
用を有する。 HC 系冷媒を用いた冷凍サイクルにおい
て、このエポキシを油に添加すると、サイクルの溶接箇
所などに微小な亀裂や穴などが発生した場合、油と一緒
にこのエポキシが滲み出して微小な亀裂や穴などを封止
することができる。具体的なシリコン含有または変性エ
ポキシ系添加剤としては Narmco 社製、Meltbond316
などがある。
【0022】請求項15の冷凍装置は、請求項8の冷凍
装置において、冷凍サイクル内に配置する乾燥剤は、細
孔径が 4.0オングストローム以下で、ナトリウム・カリ
ウム型アルミノケイ酸塩からなるA型の合成ゼオライト
であることを特徴とする。請求項16の冷凍装置は、請
求項15の冷凍装置において、乾燥剤は、破壊強度が
5.0kg以上で、摩耗強度が 0.1質量%以下であることを
特徴とする。請求項17の冷凍装置は、請求項15の冷
凍装置において、乾燥剤は、初期水分吸着量が 10 質量
%以上であることを特徴とする。従来の HCFC 系冷媒や
CFC系冷媒においては冷媒が分解すると HClやCl2 ガス
等が発生して乾燥剤を破壊する場合があったが、本発明
の HC 系冷媒にあってはHClやCl2 ガス等が発生しない
ので、水の吸着を目的に乾燥剤を選択することができ
る。HC 系冷媒や HFC系冷媒などの分子径はほとんどが
4.0オングストローム以上であるために、水を吸着する
細孔径が 4.0オングストローム以下のA型の合成ゼオラ
イトには吸着されにくい。そのために、炭化水素や水素
化弗化炭素の分解は起こりにくい。ただし HC 系冷媒は
分解しても HClやCl2 ガス等の発生がないため、細孔径
が 5.0オングストローム以下のA型の合成ゼオライトの
乾燥剤を使用することもできる。したがって、 HC 系冷
媒や HFC系冷媒などの冷凍サイクルに、吸湿性が高く、
冷媒に適合した 4.0オングストローム以下のナトリウム
・カリウム型アルミノケイ酸塩からなるA型の合成ゼオ
ライトを装着すると、内部の水分を十分吸着し、サイク
ルの性能低下を起こさない。また、摩耗強度が 0.1質量
%以下であればゼオライト粉の発生による悪影響はな
い。
【0023】請求項18の冷媒圧縮機は、冷媒を圧縮、
凝縮、膨脹、蒸発させる冷凍サイクルに用いられ、冷媒
として請求項1ないし請求項7のいずれか1項の冷媒
を、冷凍機油として1)飽和炭化水素、水素化弗化炭素
または弗化炭素のいずれか 1つと相溶性を有する冷凍機
油、2)飽和炭化水素、水素化弗化炭素または弗化炭素
のいずれか 1つと相溶性を有する冷凍機油と、飽和炭化
水素、水素化弗化炭素または弗化炭素のいずれか 1つが
不溶性である冷凍機油との混合油、3)飽和炭化水素と
相溶性を有する冷凍機油と、水素化弗化炭素または弗化
炭素と相溶性を有する冷凍機油との混合油の中から選ば
れた少なくとも 1つの冷凍機油を用いることを特徴とす
る。
【0024】HC 系冷媒に対して、ナフテン系、パラフ
ィン系などの鉱油やアルキルベンゼン系油などの合成油
は相溶性がある。 HFC系冷媒に対して、エステル系油、
ポリアルキレングリコール系油、エーテル系油やフッ素
系油は相溶性がある。また、HC 系と HFC系との混合冷
媒に対して、鉱油と合成油の混合油は一定量の相溶性が
ある。したがって、上述の冷凍機油を使用すれば冷媒圧
縮機の摺動部への油戻りが維持されて摺動部材の特性低
下が起こりにくくなる。また混合冷媒系冷凍サイクルに
は鉱油または合成油のどちらでも使用可能であり、ある
いは鉱油と合成油の混合油も使用することができる。よ
って、数ある候補油の中から信頼性が高く安価な冷凍機
油を選択することができる。
【0025】請求項19の冷媒圧縮機は、請求項18の
冷媒圧縮機において、モーターに配設される絶縁紙は、
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン
ナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド
(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)およびポリ
イミド(PI)から選ばれた少なくとも 1つからなる単
独材または複合材からなることを特徴とする。請求項2
0の冷媒圧縮機は、請求項18の冷媒圧縮機において、
モーター電線を固定するしばり糸が、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリサ
ルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミ
ドおよびポリイミドから選ばれた少なくとも 1つからな
ることを特徴とする。HC 系冷媒は吸湿性も少ないた
め、冷媒圧縮機のステーターから電線コアを保護し両者
を絶縁する目的で使用される絶縁紙や、電線コイルを縛
る目的で使用されるしばり糸は、種々の材料を使用する
ことができる。ポリエチレンテレフタレート(PET)
やポリエチレンナフタレート(PEN)などは特に絶縁
性、引っ張り強度・伸び率等の点から特に好ましい。
【0026】請求項21の冷媒圧縮機は、請求項18の
冷媒圧縮機において、モーター電線が、ポリエステルイ
ミド、ポリアミドイミドエステル、ポリアミドイミド、
ポリアミド、ポリイミドから選ばれた少なくとも 1つの
絶縁被膜層を有するシングルコートエナメル線、少なく
とも 2つ以上の絶縁被膜層を有する多層コートエナメル
線、およびエナメル線と繊維またはフィルムとを組み合
わせた複合電線から選ばれた少なくとも 1つからなるこ
とを特徴とする。請求項22の冷媒圧縮機は、請求項2
1の冷媒圧縮機において、モーター電線は、絶縁被膜層
表面に自己接着層を有することを特徴とする。請求項2
3の冷媒圧縮機は、請求項21または請求項22の冷媒
圧縮機において、モーター電線は、絶縁被膜層表面に自
己潤滑性を有することを特徴とする。請求項24の冷媒
圧縮機は、請求項18ないし請求項23のいずれか1項
の冷媒圧縮機において、モーター部を樹脂でモールドし
たことを特徴とする。
【0027】HC 系冷媒を用いた冷媒圧縮機において
も、特に耐熱性を要求される冷凍サイクルにおいては絶
縁性と耐熱性に優れた電線が必要となる。耐熱性電線と
して特に上述の電線が好ましい。また、しばり糸をなく
し、コイルの振動を防ぐために絶縁被膜層表面に自己接
着層を設けることもできる。さらに、コイル巻作業の製
造性を高め、電線被覆材同士の摩耗を防止するために絶
縁被膜層表面に自己潤滑層を設けることもできる。具体
的な自己潤滑層を形成する方法としては被覆材に弗素系
やポリエチレン系樹脂粉を含有させる、フッ素系樹脂を
表面にコーティングする、被覆の表面に均一な凹凸をつ
けて表面摩擦係数を低減するなどがある。
【0028】請求項25の冷媒圧縮機は、請求項18の
冷媒圧縮機において、圧縮機の構成部品であるクラスタ
ーやマフラーは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リブチレンテレフタレートおよびポリサルホンから選ば
れた少なくとも 1つの材質からなることを特徴とする。
マフラーとしてはポリエチレンテレフタレートとポリエ
チレンナフタレートが、クラスターとしては特にポリブ
チレンテレフタレートが HC 系冷媒を用いた冷媒圧縮機
の長期信頼性を保証できるため好ましい。
【0029】請求項26の冷媒圧縮機は、請求項18の
冷媒圧縮機において、圧縮機構部の鉄系摺動部品は、摺
動表面にリン酸塩被膜処理およびイオン窒化処理から選
ばれた少なくとも 1つの処理を施したことを特徴とす
る。請求項27の冷媒圧縮機は、請求項18の冷媒圧縮
機において、圧縮機構部の鉄系摺動部品は、鉄と硫黄と
を主成分とする化合物層を 1×10-3μm 〜50μm の厚さ
で形成してなる表面層、またはビッカース硬度が 400以
上で、かつ厚さが 2μm 以上の表面硬化層を少なくとも
一方の摺動表面に有することを特徴とする。請求項28
の冷媒圧縮機は、請求項18の冷媒圧縮機において、ブ
レード材料にセラミックス材料を使用することを特徴と
する。本発明の HC 系冷媒を使用することにより、飽和
炭化水素だけの冷媒より摺動部の潤滑性は向上するが、
より長期の安定した摺動特性を維持するために摺動部表
面に上述の処理を施すことが好ましい。このような処理
を施すことにより耐久性に優れた冷媒圧縮機が得られ
る。
【0030】請求項29の冷媒圧縮機は、冷媒を圧縮、
凝縮、膨脹、蒸発させる冷凍サイクルにおいて、冷媒と
して請求項1または請求項2の冷媒を、冷凍機油として
ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油および合成油から選
ばれた少なくとも 1つの冷凍機油を用い、モーター電線
が、ホルマール、アクリル、ポリエステル、ポリウレタ
ンおよびポリアミドから選ばれた少なくとも 1つの絶縁
被膜層を有するシングルコートエナメル線、少なくとも
2つ以上の絶縁被膜層を有する多層コートエナメル線、
およびエナメル線と繊維またはフィルムとを組み合わせ
た複合電線から選ばれた少なくとも 1つからなることを
特徴とする。
【0031】本発明の HC 系冷媒は従来の HCFC 系冷媒
等と異なり冷媒圧縮機内の有機材料を劣化させることが
少ない。したがって、従来使用することが困難であった
ホルマール、ポリエステル線等も使用することができ、
より安価な工業材料を選択することができる。
【0032】
【実施例】本発明の冷媒および冷媒圧縮機を用いた冷凍
装置について図面により詳細に説明する。 実施例1 冷媒圧縮機を図2をもとに説明する。図2は密閉型回転
式圧縮機の例を示す。密閉されたケーシング1内にステ
ータ2とロータ3とで構成されるモータ機構4が設置さ
れている。またモータ機構4の下部に圧縮機構5を設
け、シャフト8を介してモータ機構4により圧縮機構5
を駆動する。圧縮機構5によって、図示しないアキュー
ムレータを介して供給管6から導入された冷媒を圧縮
し、ケーシング1内に一旦吐出させた後、ケーシング1
の上部に設けられた吐出管7から冷凍機側に冷媒を供給
する。なお、圧縮機構5を潤滑するために冷凍機油20
が収容されている。なお、図2において、9は軸受け、
10はシリンダ、11はサブベアリング、12はクラン
ク、13はローラ、14はブレード、15はスプリング
を表す。図3は密閉型往復運動式冷媒圧縮機であり、密
閉型回転式圧縮機とともに冷凍装置に多用されている。
圧縮機構5はピストン16と往復運動式用シリンダ17
によって構成され、冷凍機油20によって潤滑されてい
る。
【0033】冷媒圧縮機のステータ2に用いられる電線
はポリエステルイミドを下層にポリアミドを上層にした
ダブルコートエナメル線を用いた。なお、電線としては
この他にポリエステルイミド、ポリアミドイミドエステ
ル、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミド線を、
HC 系冷媒のみの場合にあっては、ホルマール、アクリ
ル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド線を使用
することができる。また、これら表面に自己接着層を持
たせた電線、自己潤滑性を持たせた電線等を使用するこ
とができる。さらにステータのコイル部分を樹脂モール
ドすることもできる。
【0034】層間および対地間絶縁材として使用される
絶縁紙およびしばり糸の材料としてはポリエチレンテレ
フタレートを用いた。なお、この他にポリエチレンナフ
タレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレン
テレフタレート、ポリサルホン、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリアミドイミドおよびポリイミドを使用する
ことができる。
【0035】クラスターはポリブチレンテレフタレート
を、マフラーはポリエチレンテレフタレートを成型して
用いた。なお、この他にポリエチレンナフタレート、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリサルホンを使用するこ
とができる。
【0036】圧縮機構5における摺動表面はリン酸塩被
膜処理を施しビッカース硬度が 400以上で、かつ厚さが
2μm 以上の表面硬化層を形成した。なお、摺動表面は
この他にイオン窒化処理、鉄と硫黄とを主成分とする化
合物層を形成することによる処理を行うこともできる。
また、特に図2に示す密閉型回転式圧縮機のブレード1
4はセラミックスを使用することができる。
【0037】冷媒圧縮機で圧縮された冷媒は冷凍サイク
ル内を循環する。冷蔵庫を例にとり、冷凍サイクルを図
4により説明する。冷媒は圧縮機構である圧縮機23に
より圧縮され、凝縮機構である受台パイプ24、放熱パ
イプ25、クリーンパイプ26を通り冷却され、膨脹機
構であるキャピラリーチューブ21を通り膨脹し、蒸発
機構である蒸発器22において蒸発し、冷蔵庫27内を
冷却する。その後再び圧縮機23で圧縮される。なお、
図4において、28は乾燥剤を入れる容器を示す。乾燥
剤として細孔径が 4.0オングストローム以下で、ナトリ
ウム・カリウム型アルミノケイ酸塩からなるA型の合成
ゼオライトを用いた。
【0038】このような密閉型冷凍サイクル内にプロパ
ン 99 質量%およびプロピレン 1質量%からなる冷媒を
封入した。冷媒圧縮機は図3に示す圧縮機を用い、その
潤滑性を保つためにスニソ4Gを封入した。なお、冷媒
に極少量の付臭剤を添加することもできる。また冷媒と
して使用したプロパンに含まれる硫黄量は 0.001質量%
であった。
【0039】上述の冷凍サイクルを有する冷蔵庫は、冷
蔵庫内を -30℃程度に冷却することができた。また、プ
ロピレン 1質量%を含まない冷媒を使用した場合に比較
して摺動部材表面の摩耗量は 60 %減少した。
【0040】実施例2 実施例1の冷凍サイクル内にプロピレン 1質量%を含む
ブタン 60 質量%およびHFC-134a 40 質量%からなる冷
媒とスニソ4Gを封入した。なお、HFC-134aの他にHFC-
32、HFC-125 、HFC-143a、HFC-152aを、弗化炭素系冷媒
の FC-116 、 FC-218 、FC-C318 を使用することができ
る。上述の冷凍サイクルを有する冷蔵庫は、冷蔵庫内を
-30℃程度に冷却することができた。また、プロピレン
1質量%を含まない冷媒を使用した場合に比較して摺動
部材表面の摩耗量は 50 %減少した。
【0041】実施例3 実施例1の冷凍サイクル内に、プロピレン 1質量%を含
むプロパン 30 質量%、HFC-134a 40 質量%、ブタン 3
0 質量%からなる冷媒と、フレオールS15およびエス
テル系油との混合冷凍機油とを封入した。なお、エステ
ル系油の他にポリアルキレングリコール系油またはポリ
エーテル系油を使用することができ、さらに冷凍機油中
に極圧添加剤、酸捕捉剤、酸化防止剤、金属不活性剤、
油性剤または消泡剤などの添加剤を、0.05〜 5質量%の
範囲で弗素系油を、シリコン含有エポキシ系添加剤を添
加することができる。
【0042】上述の冷凍サイクルを有する冷蔵庫は、冷
蔵庫内を -30℃程度に冷却することができた。また、プ
ロピレン 1質量%を含まない冷媒を使用した場合に比較
して摺動部材表面の摩耗量は 50 %減少した。
【0043】
【発明の効果】請求項1および請求項2の冷媒は、飽和
炭化水素のみからなる冷媒に比較して、不飽和炭化水素
を含むことにより冷媒圧縮機の摺動材表面における摺動
特性が向上する。
【0044】請求項3の冷媒は、 HC 系冷媒に水素化弗
化炭素および/または弗化炭素系冷媒を混合することに
より冷媒を不燃状態とすることができる。
【0045】請求項4および請求項5の冷媒は、冷媒の
沸点差を調節することにより請求項3の冷媒の効果に加
え熱効率が向上する。
【0046】請求項6の冷媒は、付臭剤を添加すること
によりガス漏れ等を容易に検知することができる。
【0047】請求項7の冷媒は、混入硫黄分が 0.02 質
量%以下なので冷凍サイクル材料への影響も少なく冷凍
装置の寿命が向上する。
【0048】請求項8から請求項12の冷凍装置は、 H
C 系冷媒と冷凍機油との相溶性が良好となるので、冷媒
圧縮機の摺動部への油戻りが維持され、摺動部材の信頼
性が向上する。また、数ある候補油の中から信頼性が高
く安価な油を選択することができるので工業上有用であ
る。
【0049】請求項13の冷凍装置は、冷凍機油に弗素
系油が添加されているので冷媒圧縮機の摺動部材の摺動
特性が向上する。
【0050】請求項14の冷凍装置は、エポキシ系添加
剤が微小な亀裂や穴などを封止するため冷凍装置の信頼
性が向上する。
【0051】請求項15から請求項17の冷凍装置は、
冷凍サイクル内への水の吸着を防ぐことができるので、
冷凍装置の寿命が向上する。
【0052】請求項18の冷媒圧縮機は、 HC 系冷媒と
冷凍機油との相溶性が良好となるので、冷媒圧縮機の摺
動部への油戻りが維持され、摺動部材の特性低下が起こ
りにくくなる。また、数ある候補油の中から信頼性が高
く安価な油を選択することができるので工業上有用であ
る。
【0053】請求項19から請求項25の冷媒圧縮機
は、吸湿性が少ない HC 系冷媒に適した有機材料を使用
するので、冷媒圧縮機の長期信頼性を保証できる。
【0054】請求項26から請求項28の冷媒圧縮機
は、摺動部表面にリン酸塩被膜処理等の処理を施すので
耐久性に優れた冷媒圧縮機が得られる。
【0055】請求項29の冷媒圧縮機は、吸湿性が少な
い HC 系冷媒を使用できるのでより安価な工業材料を選
択することができるので工業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】不飽和水素化炭素と摺動材表面との相互作用を
示す図である。
【図2】密閉型回転式冷媒圧縮機を破断して示す図であ
る。
【図3】密閉型往復動式冷媒圧縮機を破断して示す図で
ある。
【図4】冷蔵庫用の冷凍サイクルを示す図である。
【符号の説明】
1………ケーシング、2………ステータ、3………ロー
タ、4………モータ機構、5………圧縮機構、6………
供給管、7………吐出管、8………シャフト、9………
軸受、10………シリンダ、11………サブベアリン
グ、12………クランク、13………ローラ、14……
…ブレード、15………スプリング、16………ピスト
ン、17………往復運動式用シリンダ、20………冷凍
機油、21………キャピラリーチューブ、22………蒸
発器、23………コンプレッサ、24………受台パイ
プ、25………放熱パイプ、26………クリーンパイ
プ、27………冷蔵庫、25………乾燥剤容器。

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和炭化水素を含む飽和炭化水素から
    なることを特徴とする冷媒。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の冷媒において、前記飽和
    炭化水素は沸点が -50℃〜 0℃の範囲にあることを特徴
    とする冷媒。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の冷媒にお
    いて、水素化弗化炭素および弗化炭素系冷媒から選ばれ
    た少なくとも 1つの冷媒をさらに含むことを特徴とする
    冷媒。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の冷媒において、前記不飽
    和炭化水素を含む飽和炭化水素からなる第1の冷媒と、
    この第1の冷媒より高沸点の前記水素化弗化炭素および
    弗化炭素系冷媒から選ばれた少なくとも 1つからなる第
    2の冷媒と、この第2の冷媒より高沸点の飽和炭化水素
    からなる第3の冷媒とを混合した混合冷媒であることを
    特徴とする冷媒。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の冷媒において、前記第1
    の冷媒が飽和炭化水素としてプロパンを含み、前記第2
    の冷媒が1,1,1,2-テトラフルオロエタンであり、前記第
    3の冷媒がブタンであることを特徴とする冷媒。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    記載の冷媒において、さらに付臭剤を添加してなること
    を特徴とする冷媒。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    記載の冷媒において、混入硫黄量が 0.02 質量%以下で
    あることを特徴とする冷媒。
  8. 【請求項8】 冷媒を圧縮、凝縮、膨脹、蒸発させる冷
    凍サイクルを有する冷凍装置において、冷媒として請求
    項1ないし請求項7のいずれか1項記載の冷媒を用いる
    ことを特徴とする冷凍装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の冷凍装置において、冷凍
    機油として前記冷媒と相溶性を有する油を用いることを
    特徴とする冷凍装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の冷凍装置において、前
    記冷凍機油はナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油および
    合成油から選ばれた少なくとも 1つであることを特徴と
    する冷凍装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の冷凍装置において、前
    記冷凍機油は以下のいずれか 1つを用いることを特徴と
    する冷凍装置、 1)前記飽和炭化水素、前記水素化弗化炭素または前記
    弗化炭素のいずれか 1つと相溶性を有する冷凍機油、 2)前記飽和炭化水素、前記水素化弗化炭素または前記
    弗化炭素のいずれか 1つと相溶性を有する冷凍機油と、
    前記飽和炭化水素、前記水素化弗化炭素または前記弗化
    炭素のいずれか 1つが不溶性である冷凍機油との混合
    油、 3)前記飽和炭化水素と相溶性を有する冷凍機油と、前
    記水素化弗化炭素または前記弗化炭素と相溶性を有する
    冷凍機油との混合油。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の冷凍装置において、
    前記飽和炭化水素と相溶性を有する冷凍機油は、ナフテ
    ン系鉱油、パラフィン系鉱油および合成油から選ばれた
    少なくとも 1つであり、前記水素化弗化炭素と相溶性を
    有する冷凍機油は、エステル系油、ポリアルキレングリ
    コール系油およびポリエーテル系油から選ばれた少なく
    とも 1つであることを特徴とする冷凍装置。
  13. 【請求項13】 請求項9ないし請求項12のいずれか
    1項記載の冷凍装置において、前記冷凍機油は弗素系油
    をさらに添加してなる冷凍機油であることを特徴とする
    冷凍装置。
  14. 【請求項14】 請求項9ないし請求項13のいずれか
    1項記載の冷凍装置において、前記冷凍機油は、空気に
    触れると反応して被膜を形成し冷凍サイクル内の配管の
    ピンホールや傷を防ぐエポキシ系添加剤をさらに添加し
    た冷凍機油であることを特徴とする冷凍装置。
  15. 【請求項15】 請求項8記載の冷凍装置において、前
    記冷凍サイクル内に配置する乾燥剤は、細孔径が 4.0オ
    ングストローム以下で、ナトリウム・カリウム型アルミ
    ノケイ酸塩からなるA型の合成ゼオライトであることを
    特徴とする冷凍装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の冷凍装置において、
    前記乾燥剤は、破壊強度が 5.0kg以上で、摩耗強度が
    0.1質量%以下であることを特徴とする冷凍装置。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の冷凍装置において、
    前記乾燥剤は、初期水分吸着量が 10 質量%以上である
    ことを特徴とする冷凍装置。
  18. 【請求項18】 冷媒を圧縮、凝縮、膨脹、蒸発させる
    冷凍サイクルに用いられる冷媒圧縮機は、冷媒として請
    求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の冷媒を、冷
    凍機油として1)前記飽和炭化水素、前記水素化弗化炭
    素または前記弗化炭素のいずれか 1つと相溶性を有する
    冷凍機油、2)前記飽和炭化水素、前記水素化弗化炭素
    または前記弗化炭素のいずれか 1つと相溶性を有する冷
    凍機油と、前記飽和炭化水素、前記水素化弗化炭素また
    は前記弗化炭素のいずれか 1つが不溶性である冷凍機油
    との混合油、3)前記飽和炭化水素と相溶性を有する冷
    凍機油と、前記水素化弗化炭素または前記弗化炭素と相
    溶性を有する冷凍機油との混合油の中から選ばれた少な
    くとも 1つの冷凍機油を用いることを特徴とする冷媒圧
    縮機。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の冷媒圧縮機におい
    て、モーターに配設される絶縁紙は、ポリエチレンテレ
    フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレ
    ンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリサ
    ルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミ
    ドおよびポリイミドから選ばれた少なくとも 1つからな
    る単独材または複合材からなることを特徴とする冷媒圧
    縮機。
  20. 【請求項20】 請求項18記載の冷媒圧縮機におい
    て、モーター電線を固定するしばり糸が、ポリエチレン
    テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェ
    ニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポ
    リサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド
    イミドおよびポリイミドから選ばれた少なくとも 1つの
    材質からなることを特徴とする冷媒圧縮機。
  21. 【請求項21】 請求項18記載の冷媒圧縮機におい
    て、モーター電線が、ポリエステルイミド、ポリアミド
    イミドエステル、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリ
    イミドから選ばれた少なくとも 1つの絶縁被膜層を有す
    るシングルコートエナメル線、少なくとも 2つ以上の前
    記絶縁被膜層を有する多層コートエナメル線、および前
    記エナメル線と繊維またはフィルムとを組み合わせた複
    合電線から選ばれた少なくとも 1つからなることを特徴
    とする冷媒圧縮機。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の冷媒圧縮機におい
    て、前記モーター電線は、前記絶縁被膜層表面に自己接
    着層を有することを特徴とする冷媒圧縮機。
  23. 【請求項23】 請求項21または請求項22記載の冷
    媒圧縮機において、前記モーター電線は、前記絶縁被膜
    層表面に自己潤滑性を有することを特徴とする冷媒圧縮
    機。
  24. 【請求項24】 請求項18ないし請求項23のいずれ
    か1項記載の冷媒圧縮機において、モーター部を樹脂で
    モールドしたことを特徴とする冷媒圧縮機。
  25. 【請求項25】 請求項18記載の冷媒圧縮機におい
    て、圧縮機の構成部品であるクラスターやマフラーは、
    ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
    ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフ
    タレートおよびポリサルホンから選ばれた少なくとも 1
    つからなることを特徴とする冷媒圧縮機。
  26. 【請求項26】 請求項18記載の冷媒圧縮機におい
    て、圧縮機構部の鉄系摺動部品は、摺動表面にリン酸塩
    被膜処理およびイオン窒化処理から選ばれた少なくとも
    1つの処理を施したことを特徴とする冷媒圧縮機。
  27. 【請求項27】 請求項18記載の冷媒圧縮機におい
    て、圧縮機構部の鉄系摺動部品は、鉄と硫黄とを主成分
    とする化合物層を 1×10-3μm 〜50μm の厚さで形成し
    てなる表面層、またはビッカース硬度が 400以上で、か
    つ厚さが 2μm以上の表面硬化層を少なくとも一方の摺
    動表面に有することを特徴とする冷媒圧縮機。
  28. 【請求項28】 請求項18記載の冷媒圧縮機におい
    て、ブレード材料にセラミックスを使用することを特徴
    とする冷媒圧縮機。
  29. 【請求項29】 冷媒を圧縮、凝縮、膨脹、蒸発させる
    冷凍サイクルに用いられる冷媒圧縮機は、冷媒として請
    求項1または請求項2記載の冷媒を、冷凍機油としてナ
    フテン系鉱油、パラフィン系鉱油および合成油から選ば
    れた少なくとも 1つの冷凍機油を用い、モーター電線
    が、ホルマール、アクリル、ポリエステル、ポリウレタ
    ンおよびポリアミドから選ばれた少なくとも 1つの絶縁
    被膜層を有するシングルコートエナメル線、少なくとも
    2つ以上の前記絶縁被膜層を有する多層コートエナメル
    線、および前記エナメル線と繊維またはフィルムとを組
    み合わせた複合電線から選ばれた少なくとも 1つからな
    ることを特徴とする冷媒圧縮機。
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