JPH08176368A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物Info
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- JPH08176368A JPH08176368A JP31868494A JP31868494A JPH08176368A JP H08176368 A JPH08176368 A JP H08176368A JP 31868494 A JP31868494 A JP 31868494A JP 31868494 A JP31868494 A JP 31868494A JP H08176368 A JPH08176368 A JP H08176368A
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Abstract
共役ジエン化合物とからなるブロック共重合体を水素添
加した水添ブロック共重合体 5〜50重量% (b)プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの
共重合体 20〜50重量% (c)パラフィン系オイル 5〜50重量% 及び (d)エチレン−α・オレフィン共重合体ゴム及びまた
はエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴ
ム5〜70重量% 又は(e)動的に加硫されたエチレ
ン−α・オレフィン共重合体ゴムまたはエチレン−α・
オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとポリオレフィ
ン系樹脂のブレンド体 5〜70重量% 【効果】本発明の組成物により成形したエアバッグカバ
ーは−40℃〜90℃間におけるエアバッグ展開時に開
裂部以外に亀裂が生じたりカバーが飛散することなしに
良好なエアバッグの展開が得られる。また、耐高温老化
性、耐候性等の長期信頼性にも優れている。
Description
として用いられるエアバッグシステムのエアバッグカバ
ーにおいて、エアバッグの展開性、展開時の耐飛散性に
優れた熱可塑性エラストマー組成物に関するものであ
る。
イロン系ネットを入れたウレタンが使用されており、内
部に折り畳まれて収納されたエアバッグの膨張展開によ
って、補強用ナイロン系ネットのない薄肉部で破裂する
ようになっている。しかし、このようなエアバッグカバ
ーは補強用ナイロン系ネットを使用しない場合では、破
裂時に薄肉の開裂部以外に亀裂が生じる、あるいはカバ
ーが飛散するといった問題が生じ、補強用ナイロン系ネ
ットを使用した場合では、エアバック展開時の開裂性の
問題は解決されるものの、エアバッグカバー成形時、補
強用ネットの位置合わせに時間がかかる、補強用ナイロ
ン系ネットの位置ズレによる不良率が高くなる、あるい
はウレタンRIM成形によるため生産性が低くなるとい
った欠点があった。また、補強用ナイロン系ネットをい
れない熱可塑性樹脂によるエアバッグカバーも数多く検
討されたが、これらのものでは硬度が40〜98という
自動車内装部品として人間が不愉快に感じない柔らかさ
で温度−40℃〜90℃において確実にエアバッグが展
開し、エアバッグ展開時にエアバッグカバーが開裂部以
外に亀裂を生じたり、破片が絶対飛散しないことは非常
に困難であった。その中でも、一部のポリオレフィン系
熱可塑性樹脂において、成形直後の状態では温度−40
℃〜90℃において良好な展開性能を有するものの高温
老化試験、あるいは耐候性試験後にポリオレフィン系熱
可塑性樹脂の結晶化度の変化などの相構造の変化に伴う
物性の変化により、これらの高温老化試験、耐候性試験
後に温度−40℃〜90℃におけるエアバッグの展開
性、展開時の耐飛散性が満足できない。このように、成
形直後のみならず高温老化試験、耐候性試験後において
もに優れた展開性能を有する硬度40〜98のエアバッ
グカバーは開発されていないのが現状である。
の問題点を解決し、自動車などの安全装置として用いら
れるエアバッグシステムのエアバッグカバーにおいて補
強用ナイロン系ネットを入れたウレタンではできなかっ
た補強用ナイロン系ネットを必要としないJISK63
01のスプリング硬さ(硬度)40〜98のエアバッグ
カバーに用いられる新規な水添ブロック共重合体組成物
を提供するところにある。
究を進めた結果、a成分の水添ブロック共重合体として
知られるスチレン系エラストマーのうち特に数平均分子
量が100000以上のものを主成分とし、d成分の共
重合体ゴムまたはe成分の熱可塑性エラストマーを添加
アロイ化することによって低温側での展開性能を改善
し、c成分のプロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィ
ンとの共重合体を添加アロイ化することによって高温側
での展開性能を改善する配合設計思想で、−40℃〜9
0℃という広い温度範囲で展開性、展開時の耐飛散性に
優れたエアバッグカバーを得ることができ、かつこれら
の最適な組み合わせにより、成形直後のみならず高温老
化試験、耐候性試験後も−40℃〜90℃という広い温
度範囲で展開性、展開時の耐飛散性に優れたエアバッグ
カバーを得ることを見いだし、本発明を完成するに至っ
たものである。即ち本発明は、下記の請求項に記載の成
分a、b、c、dまたは成分a、b、c、eを溶融混練
してペレット化したエアバッグカバーに好適な高温、低
温展開性能に優れる熱可塑性エラストマー組成物を提供
するものである。 (a)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とす
る末端重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
ン化合物を主体とする中間重合体ブロックBとからなる
ブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック
共重合体でスプリング硬度(JIS K6301) が99以下のも
ので、かつ数平均分子量が100000以上のもの 5
〜50重量% (b)プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの
共重合体のうち熱変形温度が90℃以上のもの 20〜
50重量% (c)パラフィン系オイル 5〜50重量% (d)エチレン−α・オレフィン共重合体ゴム及びまた
はエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴ
ムのうちガラス転移点が−30℃以下のもの 5〜70
重量% (e)動的に加硫されたエチレン−α・オレフィン共重
合体ゴムとポリオレフィン系樹脂のブレンド体または、
動的に加硫されたエチレン−α・オレフィン−非共役ジ
エン共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂のブレンド体
からなる熱可塑性エラストマーのうち脆化温度が−50
℃以下のもの 5〜70重量%
発明で用いられる水添ブロック共重合体は、少なくとも
2個のビニル芳香族化合物を主体とする末端重合体ブロ
ックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体と
する中間重合体ブロックBとからなるブロック共重合体
を水素添加して得られるものであり、下記一般式で示さ
れる構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合
物ブロック共重合体の水素添加されたものである。 A−(B−A)n (1≦n≦5) この水添ブロック共重合体は、水添ブロック共重合体エ
ラストマー組成物を得るために硬度99以下、好適には
90以下のものを使用する必要があるので、ビニル芳香
族化合物を5〜50重量%、好ましくは10〜40重量
%含み、さらにブロック構造について言及すると、ビニ
ル芳香族化合物を主体とする末端重合体Aが、ビニル芳
香族化合物重合体ブロックまたは、ビニル芳香族化合物
を50重量%を越え好ましくは70重量%以上含有する
ビニル芳香族化合物と水素添加された共役ジエン化合物
との共重合体ブロックの構造を有しており、さらに、水
素添加された共役ジエン化合物を主体とする中間重合体
ブロックBが、水素添加された共役ジエン化合物重合体
ブロック、または水素添加された共役ジエン化合物を5
0重量%を越え好ましくは70重量%以上含有する水素
添加された共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物との
共重合体ブロックの構造を有するものである。また、ビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック及び水素
添加された共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クがそれぞれ2個以上ある場合は、各重合体ブロックは
それぞれが同一構造でもよく、異なる構造であっても良
い。
香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のう
ちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレン
が好ましい。また水素添加された共役ジエン化合物を構
成する水添前の共役ジエン化合物としては、例えばブタ
ジエン、イソプレン、2.3−ジメチル−1.3−ブタ
ジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、中で
もブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好
ましい。さらに水添ブロック共重合体の分子構造は、直
鎖状、分岐状、放射状或いはこれらの任意の組み合わせ
のいずれであっても良い。また、本発明で用いるa成分
の水添ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は10
0000以上、好ましくは130000〜200000
の範囲であり、分子量分布Mw/Mnは10以下(M
w:重量平均分子量)、好ましくは5以下、さらに好ま
しくは2以下である。数平均分子量が100000未満
の場合、十分な耐熱性を付与することができない。分子
量分布が10をこえると強度、耐熱性が低下する。a成
分の配合量としては、5〜50重量%で、好ましくは1
0〜45重量%である。a成分の配合量が5重量%未満
では、高温、低温ともに充分な強度、あるいは耐衝撃性
を付与することができず、50重量%を越える場合は、
流動性が著しく低下するため成形時後に良好な外観の成
形品を得ることができない。また、a成分の水添ブロッ
ク共重合体は、数平均分子量が大きいため作業性改善の
ために、後述のc成分のパラフィン系オイルの油展品を
適宜用いることができる。
るプロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重
合体、得られる組成物の加工性、耐熱性向上に有効であ
り、例えばプロピレンと他の少量のα−オレフィンのラ
ンダムまたは及びブロック共重合体、具体的にはポリプ
ロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ヘキセ
ン共重合体、プロピレンー4ーメチルー1ペンテン共重
合体、及びポリ4ーメチルー1−ペンテン、ポリブテン
−1等があげられ、なかでもエチレン−プロピレンブロ
ック共重合体が好ましく、その中でもエチレン含有量が
2〜30重量%のものが好ましい。さらに高温老化試
験、耐候性試験での物性の変化を抑えるために造核剤が
添加されていることが好ましい。このプロピレンと炭素
数2〜8のα−オレフィンとの共重合体のメルトフロー
レート(ASTM-D-1238L条件、230℃)は0.1〜60g
/10min特に0.5〜50g/10minの範囲の
ものが好適に使用できる。メルトフローレートが0.1
g/10min未満では、成形時の流動性が悪化し、6
0g/10minより大きいと耐熱性が低下するので好
ましくない。また、ここで熱変形温度(JIS K7207 4.6k
gf/cm2)を90℃以上に制限したのは、それ未満の場
合は耐熱性向上に効果がないためである。b成分の配合
量としては、20〜60重量%であり、好ましくは30
〜50重量%である。b成分の配合量が20重量%未満
では十分な耐熱性を付与することができず、60重量%
をこえるとと、低温での耐衝撃性が著しく低下するため
に−40℃でのエアバックカバー展開時に良好な展開性
能を発揮することができない。
ルは、得られる組成物の硬度を調整し、柔軟性を与える
作用を持つ必須成分である。一般にゴムの軟化、増容、
加工性向上に用いられるプロセスオイル又はエクステン
ダーオイルとよばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は芳香族
環、ナフテン環、パラフィン鎖の3者が組わさった混合
物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数の50%以
上占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環炭素
数が30から45%のものがナフテン系、芳香環炭素数
が30%を越えるものが芳香族系とされる。本発明の成
分cとして用いられるオイルは上記区分でパラフィン系
のものが好ましく、ナフテン系、芳香族系のものは分散
性、溶解性の点で好ましくない。パラフィン系ゴム用軟
化剤の性状は37.8℃における動粘度はが20〜50
0cst、流動点が−10〜−15℃および引火点が1
70〜300℃を示す。c成分のパラフィン系オイルの
配合量は5〜50重量%であり、好ましくは10〜30
重量%である。c成分の配合量が5重量%未満の配合で
は、得られる組成物が樹脂組成物に近くなるため、硬度
が増し、柔軟性を失う他に経済的観点からも好ましくな
い。c成分の配合量が50重量%をこえた配合のもの
は、軟化剤のブリードアウトを生じやすく最終製品に粘
着性を生じる恐れがあり、機械的性質を低下させるため
好ましくない。
重合体ゴムは、−40℃でのエアバッグ展開性を改善す
るための必須成分である。エチレン−α・オレフィン共
重合体ゴム及びまたはエチレン−α・オレフィン−非共
役ジエン共重合体ゴムにおけるα・オレフィンは炭素数
3〜15のものが適する。非共役ジエンとしてはジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、エチリデンノ
ルボルネン、及びメチレンノルボルネン等が使用でき
る。本発明においては入手の容易さ、耐衝撃性改良の観
点からα・オレフィンとしてはポリプロピレンが適す
る。従って、d成分としてはいわゆるEPR、EPDM
が好適となる。共重合ゴムのエチレン/α・オレフィン
比は重量比で50/50〜90/10、さらに好ましく
は、60/40〜80/20が適する。ここで、ガラス
転移点を−30℃以下に規定したのは、−30℃をこえ
るガラス転移点を持つものは−40℃でのエアバッグ展
開性を改善できない為である。d成分の配合量は5〜7
0重量%の範囲で選ぶことができ、好ましくは10〜6
5重量%である。d成分が5重量%未満では共重合体ゴ
ムを添加する効果としての−40℃でのエアバッグ展開
性の改善が認められず好ましくない。d成分が70重量
%をこえると得られるエラストマー状組成物の高温での
強度を保持できず、90℃でのエアバッグ展開性が好ま
しくないばかりか、高温時の耐熱保形性が著しく悪化し
成形物としての使用に耐えない。
エラストマーは−40℃でのエアバッグ展開性を改善す
るための成分であり、共重合体ゴムにおけるα・オレフ
ィンは炭素数3〜15のものが適する。非共役ジエンと
してはジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、
エチリデンノルボルネン、及びメチレンノルボルネン等
が使用できる。本発明においては入手の容易さ、耐衝撃
性改良の観点からα・オレフィンとしてはポリプロピレ
ンが適する。従って、e成分中のエチレン−α・オレフ
ィン−非共役ジエン共重合体ゴムとしてはいわゆるEP
DMが好適となる。共重合ゴムのエチレン/α・オレフ
ィン比は重量比で50/50〜90/10、さらに好適
には60/40〜80/20が適する。加硫剤としては
通常のゴム用の加硫剤を用いる事ができ、とくに硫黄の
他にアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、ジク
ミルペルオキシドのような有機過酸化物が特に好適に用
いられる。加硫剤の他に加硫助剤、酸化防止剤等を併用
しても良い。アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹
脂の添加量は共重合体ゴム100重量部に対して、0.
5部〜15重量部の範囲が強度と加工性のバランスの点
で好ましい。有機過酸化物の場合、共重合体ゴム100
重量部に対して0.05重量部〜1重量部の範囲が強度
と加工性のバランスの点で好ましい。共重合体ゴム10
0重量部に対して、ポリオレフィン系樹脂を5重量部以
上含むことが加工性を保つために不可欠である。共重合
体ゴムとポリオレフィン系樹脂のブレンド体を動的に溶
融混練させながら、加硫剤を加えて加硫させて本成分e
を得る事ができる。ここで熱可塑性エラストマーの脆化
温度を−50℃以下に規定したのは、それ以上の脆化温
度を持つものは−40℃でのエアバッグ展開性を改善で
きない為である。e成分の配合量は5〜70重量%の範
囲で選ぶことができ、好ましくは10〜65重量%の範
囲である。e成分が5重量%未満の配合では共重合体ゴ
ムを添加する効果としての−40℃でのエアバッグ展開
性の改善が認められず好ましくない。e成分が70重量
%をこえると得られるエラストマー状組成物の高温での
強度が保持できず、90℃でのエアバッグ展開性が好ま
しくないばかりか、高温時の耐熱保形性が著しく悪化し
成形物としての使用に耐えない。
発明の組成物はさらに必要に応じて、無機充鎮剤、ポリ
スチレン樹脂のような安価な樹脂を配合することも可能
である。これらは、増量剤として製品コストの低下をは
かることの利益があるばかりでなく、品質改良(無機充
填剤:耐熱保形、難燃性付与等 ポリスチレン樹脂:加
工性向上等)に積極的効果を付与する利点もある。無機
充鎮剤としては、例えば炭酸カルシウム、カーボンブラ
ック、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリ
ウム、天然ケイ酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)、
酸化チタン等があり、カーボンブラックとしてはチャン
ネルブラック、ファーネスブラック等が使用できる。こ
れらの無機充填剤のうちタルク、炭酸カルシウムは経済
的にも有利で好ましいものである。また、この目的で使
用できるポリスチレン樹脂は、ラジカル重合法、イオン
性重合法で得られるものが好適に使用でき、その数平均
分子量は5000〜500000、好ましくは1000
0〜200000の範囲から選択でき、分子量分布Mw
/Mnは5以下のものが好ましい。さらに必要に応じて
造核剤、外滑剤、内滑剤、ヒンダードアミン系光安定
剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、着色剤、シリ
コーンオイル等を添加しても良い。
通常の樹脂組成物、ゴム組成物の製造に用いられる一般
的な方法を採用できる。基本的には機械的溶融混練方法
であり、これらには単軸押出機、二軸押出機、バンバリ
ーミキサー、各種ニーダー、ブラベンダー、ロール等が
用いられる。この際、各成分の添加順序には制限がな
く、例えば、全成分をヘンシェルミキサー、ブレンダー
等の混合機で予備混合し上記の混練機で溶融混練した
り、任意の成分を予備混合しマスターバッチ的に溶融混
練し、さらに残りの成分を添加し溶融混練する等の添加
方法を採用できる。また、この際溶融混練する温度は1
80℃〜300℃の中から好適に選ぶことができる。こ
こで得られた水添ブロック共重合体組成物はさらにエア
バッグカバーの金型を備えた射出成形機に供給し短時間
で射出成形しエアバッグカバーを得ることができる。ま
た、射出成形品の不要なバリ、ランナー部、およびスプ
ール部は本発明の組成物が熱可塑性であるため、リサイ
クル成形が可能であり、再度エアバッグカバーの素材と
して利用出来る長所を持つ。
明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもので
はない。実施例1〜23及び比較例1〜21は表に示し
た配合割合のものを十分ドライブレンドした後、二軸混
練機を用いて樹脂温180〜270℃になるような条件
で溶融混練し押し出しペレタイズ化した。このペレット
を使用して以下の評価を行った。(ただし、表中の成分
a−2の数値は成分a−2の油展オイル成分を除いた重
量%である。成分a−2を使用している場合、表中の成
分cの数値は成分a−2の油展オイル成分の成分cの重
量%に加えた部数である。) その結果を実施例として表1〜表3に示し、比較例とし
ては表4〜表6に示した。この結果から、本発明で得ら
れた組成物を成形したエアバッグカバーは、硬度40〜
98であり、しかも−40℃〜90℃のエアバッグ展開
性に優れていることがわかる。
した各成分は以下の通りである。 <成分a−1>クラレ製セプトン4055:ポリスチレ
ン−水素添加されたポリイソプレン−ポリスチレンの構
造を有し、結合スチレン量30重量%、数平均分子量が
約170000 <成分a−2>旭化成工業製タフテックH1272:ポ
リスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチ
レンの構造を有し、結合スチレン量35重量%、数平均
分子量が約120000《パラフィン系オイル(出光興
産製ダイアナプロセスオイルPW−380[パラフィン
系プロセスオイル、動粘度:381.6cst(40
℃)、30.1(100℃)、平均分子量 746、環
分析値:CA=0%、CN=27%、CP=73%])3
5重量%油展品》 <成分a−3>クラレ製セプトン2007:ポリスチレ
ン−水素添加されたポリイソプレン−ポリスチレンの構
造を有し、結合スチレン量30重量%、数平均分子量が
約40000 <成分b−1>旭化成工業製エチレン−プロピレンブロ
ック共重合体:旭ポリプロM7646:メルトフローレ
ート15dg/min(ASTM D1238)、熱変
形温度120℃(ASTM D648(4.6kgf/c
m2) <成分b−2>旭化成工業製ポリプロピレン:旭ポリプ
ロM1700:メルトフローレート31dg/min
(ASTM D1238)、熱変形温度119℃(AS
TMD648(4.6kgf/cm2) <成分c>出光興産製ダイアナプロセスオイルPW−3
80[パラフィン系プロセスオイル、動粘度:381.
6cst(40℃)、30.1(100℃)、平均分子
量746、環分析値:CA=0%、CN=27%、CP=
73%] <成分d>日本合成ゴム製エチレンープロピレン共重合
体ゴムEP07P[プロピレン含量:25重量% MF
R(230℃)=0.7g/10分 Tg:−38℃] <成分e>住友化学工業製住友TPE3570[加硫
剤:有機過酸化物 脆化温度:−60℃>]
プレスシートを作成し測定した。 (2) 外観:このペレットより射出成形機で、エアバッ
グカバーの開裂部の厚み0.5mm、エアバッグカバー
の開裂部以外の厚み2〜5mmのエアバッグカバーの成
形品を作製し、目視にてフローマーク、艶等の外観を観
察をし、良好なものを○、やや不良なものを△、不良な
ものを×とした。 (3) 耐熱保形性:このエアバッグカバー成形品を温度
110℃の環境で耐熱保形性試験を行った。24時間後
保形性が良好でへたり等を生じていないものを○、へた
り等を生じたものを×とした。 (4) 展開試験: (4)−1.常態:このエアバッグカバー成形品を環境温度
90℃、23℃及び−40℃でエアバッグ展開試験を行
った。エアバッグカバーの開裂部より良好に展開したも
のを○、エアバッグカバーの開裂部以外に亀裂を生じた
り、カバーが飛散したもの、エアバッグが良好に展開し
なかったものを×とした。 (4)−2.高温老化試験後:このエアバッグカバー成形品
を温度110℃の環境で高温老化試験を行った。400
時間の高温老化試験後、環境温度90℃、23℃及び−
40℃でエアバッグ展開試験を行った。エアバッグカバ
ーの開裂部より良好に展開したものを○、エアバッグカ
バーの開裂部以外に亀裂を生じたり、カバーが飛散した
もの、エアバッグが良好に展開しなかったものを×とし
た。
グカバーは−40℃〜90℃間におけるエアバッグ展開
時に開裂部以外に亀裂が生じたりカバーが飛散すること
なしに良好なエアバッグの展開が得られる。また、耐高
温老化性、耐候性等の長期信頼性にも優れている。しか
も従来のウレタンと補強用ナイロンネットに較べ、良好
な成形加工性がある、良好な生産性がある、色合わせが
簡単である、コストが安価である等利用価値は非常に大
きい。
Claims (2)
- 【請求項1】(a)少なくとも2個のビニル芳香族化合
物を主体とする末端重合体ブロックAと、少なくとも1
個の共役ジエン化合物を主体とする中間重合体ブロック
Bとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる
水添ブロック共重合体でスプリング硬度(JIS K6301) が
99以下のもので、かつ数平均分子量が100000以
上のもの 5〜50重量% (b)プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの
共重合体のうち熱変形温度が90℃以上のもの 20〜
50重量% (c)パラフィン系オイル 5〜50重量% 又は (d)エチレン−α・オレフィン共重合体ゴム及びまた
はエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴ
ムのうちガラス転移点が−30℃以下のもの 5〜70
重量% からなる熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項2】(a)少なくとも2個のビニル芳香族化合
物を主体とする末端重合体ブロックAと、少なくとも1
個の共役ジエン化合物を主体とする中間重合体ブロック
Bとからなるブロック共重合体を水素添加して得られる
水添ブロック共重合体でスプリング硬度(JIS K6301) が
99以下のもので、かつ数平均分子量が100000以
上のもの 5〜50重量% (b)プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの
共重合体のうち熱変形温度が90℃以上のもの 20〜
50重量% (c)パラフィン系オイル 5〜50重量% 又は (e)動的に加硫されたエチレン−α・オレフィン共重
合体ゴムとポリオレフィン系樹脂のブレンド体または、
動的に加硫されたエチレン−α・オレフィン−非共役ジ
エン共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂のブレンド体
からなる熱可塑性エラストマーのうち脆化温度が−50
℃以下のもの 5〜70重量% からなる熱可塑性エラストマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31868494A JP3219952B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31868494A JP3219952B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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