JPH08176114A - アゾ化合物及びその製造方法、ならびにグラフトポリマーの製造方法 - Google Patents

アゾ化合物及びその製造方法、ならびにグラフトポリマーの製造方法

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JPH08176114A
JPH08176114A JP32416694A JP32416694A JPH08176114A JP H08176114 A JPH08176114 A JP H08176114A JP 32416694 A JP32416694 A JP 32416694A JP 32416694 A JP32416694 A JP 32416694A JP H08176114 A JPH08176114 A JP H08176114A
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azo compound
azo
polymer
monomer
graft
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JP32416694A
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Chihiro Ito
千尋 伊東
Katsuhiko Takatani
克彦 高谷
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/04Azo-compounds

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I)で表される重合性不飽和基
を有する新規なアゾ化合物およびその製造方法ならび
に、これを用いたグラフトポリマーの製造方法。 【化1】 (式中Rは1の位置に二重結合をもつアシル基) 【効果】 本発明の製造方法により、グラフトポリマー
の合成に有用な重合性不飽和基を有するアゾ化合物を短
時間に高収率で得ることができる。さらに、本発明の重
合性不飽和基を有するアゾ化合物を用いることにより、
高い収量でグラフトポリマーを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な重合性不飽和基
を有するアゾ化合物及びその製造方法、ならびにこれを
用いたグラフトポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グラフト重合は汎用樹脂の性能、機能を
向上させる方法として広く検討され、これまでに種々の
方法が提案されている。汎用樹脂に単にグラフト鎖を付
加するだけであっても樹脂の特性を変化させることがで
きるが、更に高度に性能を向上させる為には、グラフト
鎖数、グラフト鎖長を制御することが必要である。
【0003】従来提案されている方法の多くは、一般
に、グラフトポリマ−の構造制御が難しい。重合性不飽
和基を有するアゾ化合物あるいは過酸化物をビニルモノ
マー(第一モノマー)と共重合させ、重合開始剤として
機能する官能基を側鎖にもつプレポリマ−を合成し、こ
のプレポリマーを用いて第一モノマーと同一の、あるい
は、異なる第二モノマーとのグラフトポリマーを得る方
法は、一段目のプレポリマ−重合の条件によってグラフ
ト鎖数を制御でき、二段目のグラフト重合の条件によっ
てグラフト鎖長を制御できる。さらに、ラジカル重合で
合成される殆どの樹脂に応用可能であるという利点があ
る。
【0004】初期に提案された重合性不飽和基を一つだ
けもつ型のラジカル開始剤では、プレポリマ−を用いた
グラフト反応時に、ポリマ−鎖に固定されていないラジ
カルが発生するため、このラジカルを開始点としたホモ
ポリマ−の副成が避けられない。より高度な機能を汎用
樹脂に付与するためには、グラフト重合でのホモポリマ
−の副成を極力避け、高い収率でグラフトポリマ−を得
ることが不可欠である。
【0005】このホモポリマ−の副成を避けるという問
題は、両末端に重合性不飽和基をもつ型のラジカル開始
剤を用い、双方の重合性不飽和基をポリマー鎖に組み込
むことにより解決できると考えられる。この両末端に重
合性不飽和基をもつ型のラジカル開始剤と第一モノマー
の共重合により得られたプレポリマ−を用いたグラフト
重合では、導入された開始剤基の分解によって生じるラ
ジカルは全てポリマ−鎖に固定されるため、原理的にホ
モポリマ−の副成がなく、グラフトポリマ−を高収率で
得ることができると考えられる。両末端に重合性不飽和
基を有するラジカル開始剤は、特開昭60−22844
9号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、グラ
フトポリマーの合成に用いる重合性不飽和基を有する新
規なアゾ化合物およびその製造方法、ならびに、このア
ゾ化合物を用いるグラフトポリマーの製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)で表される化合物であって、上記化合物のRが重
合性不飽和基を有するアゾ化合物であることを特徴とす
るアゾ化合物
【0008】
【化5】
【0009】(式中Rは1の位置に二重結合をもつアシ
ル基)、であり、下記一般式(II)で表される2,2'-
アゾビス(N,N'-ジメチレンイソブチルアミディン)と
重合性不飽和ハロゲン化アシルとを反応させることを特
徴とする請求項1記載のアゾ化合物の製造方法
【0010】
【化6】
【0011】、であり、また、下記一般式(I)で表さ
れるアゾ化合物をラジカル開始剤の存在下で相手モノマ
ーと反応させることを特徴とするグラフトポリマーの製
造方法
【0012】
【化7】
【0013】(式中Rは1の位置に二重結合をもつアシ
ル基)、である。本発明の重合性不飽和基を有するアゾ
化合物の製造方法は、2,2'-アゾビス(N,N'-ジメチレン
イソブチルアミディン)と重合性不飽和ハロゲン化アシ
ルとを、脱水したクロロフォルム、四塩化炭素、TH
F、1,4-ジオキサン、アセトニトリル等の有機溶媒中
で、室温あるいはこれ以下の温度で、当量以上のトリエ
チルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、テトラメチ
ル尿素等の有機塩基の存在下に1〜5時間反応させた後、
公知の後処理方法により処理し、再結晶、カラムクロマ
トグラフィー等の手段により精製する方法である。
【0014】本発明の重合性不飽和基を有するアゾ化合
物における重合性不飽和基は、1の位置に二重結合を持
つアシル基であり、好ましくは、アクリロイル基、メタ
クリロイル基、アリルオキシフォルミル基またはビニル
オキシフォルミル基等であり、特に好ましくはメタクリ
ロイル基である。本発明の重合性不飽和基を有するアゾ
化合物の製造方法に使用される重合性不飽和ハロゲン化
アシルとしては、例えば、アクリル酸クロライド、アク
リル酸ブロマイド、メタクリル酸クロライド、アクリル
酸ブロマイド、ビニル酢酸クロライド、ビニルベンゾイ
ルクロライド、アリルクロロフォーメート、ビニルクロ
ロフォーメート、アクリロイルオキシエチルクロロフォ
ーメート、メタクリロイルオキシエチルクロロフォーメ
ート等を用いることができる。 好ましくアクリル酸ク
ロライド、メタクリル酸クロライド、アリルクロロフォ
ーメート、ビニルクロロフォーメートであり、特に好ま
しくはメタクリロイルクロライドである。
【0015】本発明の重合性不飽和基を有するアゾ化合
物を用いるグラフトポリマーの製造方法は、(1) 本発明
の重合性不飽和基を有するアゾ化合物の分解温度よりも
十分低温においてビニルモノマーと共重合させ、アゾ結
合をもつプレポリマーを合成し、このプレポリマーを同
種あるいは異種のビニルモノマーに加え、ポリマー中に
導入されたアゾ結合を開裂させてグラフト鎖を成長させ
る方法(以下、二段重合法と略記する)、および、(2)
本発明の重合性不飽和基を有するアゾ化合物のアゾ結合
が開裂する温度において、ビニルモノマーを重合するこ
とにより、末端に二重結合をもつポリマーを合成しつつ
同時にグラフトポリマーを生成させる方法(以下、一段
重合法と略記する)、の二つの方法があり、目的に応じ
て適宜選択できる。
【0016】上記の二段重合法におけるプレポリマ−を
合成する場合、グラフト鎖を成長させる場合および一段
重合の場合の相手モノマーとしては、スチレン、アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アク
リル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、酢酸ビニル、マレイミド、無水マレイン酸、塩
化ビニル等のラジカル重合可能なビニルモノマーから選
ばれた一種または複数種の任意組成の混合物を用いるこ
とができる。特に好ましくはスチレン、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチルである。
【0017】二段重合法におけるプレポリマーの合成
は、適当なラジカル開始剤を用いて、本発明の重合性不
飽和基を有するアゾ化合物を相手モノマー(第一モノマ
ー)に溶解させて無溶媒で実施しても、適当な希釈溶媒
に予め溶解させてこれに第一モノマーを加えて実施して
もよい。希釈剤は、例えば、ベンゼン、トルエン、エチ
ルベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサンを用いる
ことができる。特に好ましくはエチルベンゼンである。
【0018】プレポリマーの重合温度は、通常30〜6
0℃が好ましく、さらに好ましくは、40〜55℃の範
囲である。プレポリマーの合成に使用することのできる
開始剤としては、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチル
バレロニトリル)、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル
等のアゾ化合物、イソブチルペルオキシド、(α,α'-
ビスネオデカノイルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼ
ン、クミルペルオキシネオデカネート、ジイソプロピル
ペルオキシジカーボネート等の有機過酸化物を用いるこ
とができる。特に好ましくは2,2'-アゾビス(2,4-ジメ
チルバレロニトリル)またはジイソブチルオキシドであ
る。
【0019】プレポリマーの合成の重合時間は、用いる
ラジカル開始剤の重合温度における半減時間に応じて設
定すればよく、通常2〜6半減期が好ましい。二段重合
法におけるグラフトポリマーの合成は、上記の重合によ
り得られたプレポリマ−を相手モノマーの存在下に加熱
することにより行う。このとき、目的に応じて、用いる
プレポリマーを再沈等の方法で精製して用いても、第一
段重合の重合液としてそのまま用いてもよい。
【0020】すなわち、精製したプレポリマーを、得よ
うとするグラフト鎖に対応する第二モノマーに溶解させ
るか、または、適当な希釈溶媒に予め溶解し、これに第
二モノマーを加えて実施するか、第一段重合によって得
た重合液に第二モノマーを加えて実施するか、あるい
は、第一段重合の終了後、引き続いて、本発明の重合性
不飽和基を有するアゾ化合物のアゾ結合が開裂する温度
まで加熱し、グラフト重合を実施してもよい。
【0021】グラフト重合の重合温度は、通常、好まし
くは60〜120℃の範囲であり、さらに好ましくは7
0〜100℃の範囲である。一段重合法によるグラフト
ポリマー合成の場合、本発明の重合性不飽和基を有する
アゾ化合物を目的とするビニルモノマーに溶解させる
か、または、適当な希釈剤に予め溶解し、これに目的と
するビニルモノマーを加えて合成すればよい。
【0022】重合の温度は、通常、好ましくは60〜1
20℃の範囲であり、さらに好ましくは70〜100℃
の範囲である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、評価方法は次の通りに行った。 (1)1H−NMR 得られた結晶をCDCl3 に1%溶解して、JEOL社
製 商品名GX−270 270MHz(1 H)を用い
て室温で測定した。 (2)窒素含有率 得られたポリマー50mgをメチルエチルケトンに溶解
し、この溶液より20μlをマイクロシリジンでサンプ
リングし、三菱化成工業(株)製 商品名TN−10に
打ち込み窒素含有量を求めた。この値よりポリマー中の
窒素濃度を求めた。
【0024】
【実施例1】モレキュラ−シ−ブを加え一晩放置するこ
とにより脱水したクロロホルム200mlにトリエチル
アミン18g、2,2'-アゾビス(N,N'-ジメチレンイソブ
チルアミディン)15gを加えて懸濁させた。氷浴中で
撹拌しながら、クロロホルム100mlで希釈したメタ
クリル酸クロライド13gを30分で滴下した。滴下終
了後、室温に戻し、1時間放置した後、反応液を濾別し
溶液分のみを得た。得られた溶液分に水100mlを加
えて撹拌し、有機相を分離した。同様の操作を2度繰り
返した後、分離した有機相から余剰の溶媒を減圧下に留
去し、白色固体を得た。得られた固体をクロロホルム/
エチルエーテルから再結晶して、結晶6.1gを得た。
【0025】得られた結晶をCDCl3に1%溶解させ、1
−NMRを測定し、下記式(III)に示す構造に起因
する以下のピークを確認した。1.53 ppm(-C(CH3)
2-, 12H)、1.93 ppm(CH2=C(CH3 )-、 6H)、3.83
ppm(-CH2-、8H)、5.30 ppm(CH2 =C(CH3)-、4H)
【0026】
【化8】
【0027】
【実施例2】容量200ml のガラス製オートクレーブ
に、蒸留によって精製したスチレンモノマー70gとエ
チルベンゼン20gを入れ、これに実施例1で合成した
本発明の重合性不飽和結合を有するアゾ化合物2.22
gと重合開始剤として用いる2,2'-アゾビス(2,4-ジメ
チルバレロニトリル)(和光純薬(株)製、商品名V−
65)を27mg加えて撹拌溶解し、50℃で9時間重
合した。所定時間重合した後、内容物を約5リットルの
メタノールに滴下し、ポリマーを再沈させた。得られた
ポリマーを更にメチルエチルケトンへ溶解させ、引き続
いてメタノールで再沈する操作を2回繰り返すことでポ
リマーを精製し、室温で一晩真空乾燥し、23.4gの
ポリマーを得た。得られたポリマーの窒素含有率を測定
した結果、3140ppmであった。
【0028】
【実施例3】蒸留によって精製したメチルメタクリレー
トモノマー4.0gとエチルベンゼン6.0gに、実施
例2で合成したポリマー1.0gを加えて撹拌溶解さ
せ、真空下にアンプル封管し、71℃で6時間加熱重合
した。所定時間重合した後、アンプル内容物をメチルエ
チルケトン100mlに溶解した。これを約2リットル
のメタノールに滴下し、ポリマーを再沈させた。得られ
たポリマーを80℃で3時間乾燥させ、2.2gのポリ
マーを得た。
【0029】得られたポリマーをアセトニトリルを溶媒
として12時間ソックスレー抽出したところ、仕込量の
4.5%のポリマーが抽出された。この抽出残渣をさら
に、シクロヘキサンを溶媒として12時間ソックスレー
抽出したところ、当初仕込み量の0.2%が抽出され、
最終的に当初仕込量の95.3%の抽出残渣を得た。こ
の結果より、グラフト重合によって得られたポリマーの
組成は、PS-graft-PMMA/PMMA/PS = 95.3/4.5/
0.2であることが分った
【0030】
【比較例1】容量200ml のガラス性オートクレーブ
に、蒸留によって精製したスチレンモノマー70gとエ
チルベンゼン20gを入れ、これに一つの重合性不飽和
基を有するラジカル開始剤であるtert-ブチルパーオキ
シアリルモノカーボネート(日本油脂(株)製、商品名
ペロマーAC)3.90gと重合開始剤として用いる2,2'
-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬
(株)製、商品名V−65)を21mg加えて撹拌溶解
し、実施例2と同じ条件で重合した。所定時間重合した
後、実施例1と同じ方法によりポリマーを精製し、31
gのポリマーを得た。
【0031】
【比較例2】蒸留によって精製したメチルメタクリレー
トモノマー4.0gとエチルベンゼン6.0gに、比較
例1で合成したポリマー1.0gを加えて撹拌溶解さ
せ、真空下にアンプル封管し、重合温度110℃で6時
間重合を行った。所定時間重合した後、アンプル内容物
をメチルエチルケトン100mlに溶解した。これを約
2リットルのメタノールに滴下し、ポリマーを再沈させ
た。得られたポリマーを80℃で3時間乾燥させ、精製
し、2.4gのポリマーを得た。
【0032】得られたポリマーを実施例3と同じ条件で
アセトニトリル、シクロヘキサンでソックスレー抽出し
た。それぞにおいて当初仕込量の15.5%、7.3%
が抽出され、最終的に当初仕込量の78.0%の抽出残
渣を得た。この結果より、この場合のグラフト重合によ
って得られたポリマーの組成は、PS-graft-PMMA/PMMA/P
S = 77.7/15.5/7.3であることが分った。
【0033】
【比較例3】アセトニトリル100ml に、2,2'-ジクロ
ル-2,2'-アゾビスイソプロパン5g、メタクリル酸カリ
ウム10gと18-クラウン-6を6g溶解し、室温で2
日間撹拌する。反応終了後、反応混合物を500ml の
水に投入し、固形物を濾別する。濾別した固形物をさら
に、水100 mlに加え30分撹拌し、不溶部を濾別し
た。得られた固形物を乾燥し、メタノールから再結晶
し、結晶4.8gを得た。
【0034】得られた結晶のIRスペクトルをKBr錠剤法
により測定した。得られたスペクトルは、特開昭60−
228449号公報明細書の実施例1に記載のピークと
一致した。
【0035】
【比較例4】容量200mlのガラス性オートクレーブ
に、蒸留によって精製したスチレンモノマー70gとエ
チルベンゼン20gを入れ、これに比較例3で合成した
アゾ化合物を1.62gと重合開始剤として用いる2,2'
-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬
製、V−65)を21mg加えて撹拌溶解し、実施例2
と同じ条件で重合した。所定時間重合した後、実施例1
と同じ方法によりポリマーを精製し、25.3gのポリ
マーを得た。
【0036】
【比較例5】蒸留によって精製したメチルメタクリレー
トモノマー4.0gとエチルベンゼン6.0gに、比較
例4で合成したポリマー1.0gを加えて撹拌溶解さ
せ、真空下にアンプル封管し、重合温度110℃で6時
間重合を行った。所定時間重合した後、アンプル内容物
をメチルエチルケトン100mlに溶解した。これを約
2リットルのメタノールに滴下し、ポリマーを再沈させ
た。得られたポリマーを80℃で3時間乾燥させ、精製
し、2.3gのポリマーを得た。
【0037】得られたポリマーを実施例3と同じ条件で
アセトニトリル、シクロヘキサンでソックスレー抽出し
た。それぞにおいて当初仕込量の15.3%、3.4%
が抽出され、最終的に当初仕込量の81.3%の抽出残
渣を得た。この結果より、この場合のグラフト重合によ
って得られたポリマーの組成は、PS-graft-PMMA/PMMA/P
S = 81.3/15.3/3.4であることが分った。
【0038】
【発明の効果】本発明の製造方法は、グラフトポリマー
の合成に有用な重合性不飽和基を有するアゾ化合物を、
従来の方法に比べて、短時間に高収率で得ることができ
る。さらに、本発明の重合性不飽和基を有するアゾ化合
物を用いることにより、従来のものに比べて、高い収量
でグラフトポリマーを得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される化合物であ
    って、上記化合物のRが1の位置に二重結合をもつアシ
    ル基であることを特徴とするアゾ化合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)の化合物であって、R
    が1の位置に二重結合をもつアシル基がアクリロイル
    基、メタクリロイル基、アリルオキシフォルミル基また
    はビニルオキシフォルミル基のいずれかであることを特
    徴とする請求項1記載のアゾ化合物。 【化2】
  3. 【請求項3】 下記一般式(I)の化合物であって、R
    が1の位置に二重結合をもつアシル基がメタクリロイル
    基であることを特徴とする請求項1記載のアゾ化合物。 【化3】
  4. 【請求項4】 下記一般式(II)で表される2,2'-ア
    ゾビス(N,N'-ジメチレンイソブチルアミディン)と重
    合性不飽和ハロゲン化アシルとを反応させることを特徴
    とする請求項1記載のアゾ化合物の製造方法。 【化4】
  5. 【請求項5】 請求項1記載のアゾ化合物をラジカル開
    始剤の存在下で相手モノマーと反応させることを特徴と
    するグラフトポリマーの製造方法。
JP32416694A 1994-12-27 1994-12-27 アゾ化合物及びその製造方法、ならびにグラフトポリマーの製造方法 Withdrawn JPH08176114A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017191766A1 (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 国立大学法人京都大学 多分岐ポリマーの製造方法及び多分岐ポリマー

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WO2017191766A1 (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 国立大学法人京都大学 多分岐ポリマーの製造方法及び多分岐ポリマー
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