JPH08176004A - 生体老化防止剤及び皮膚用組成物 - Google Patents

生体老化防止剤及び皮膚用組成物

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JPH08176004A
JPH08176004A JP6335520A JP33552094A JPH08176004A JP H08176004 A JPH08176004 A JP H08176004A JP 6335520 A JP6335520 A JP 6335520A JP 33552094 A JP33552094 A JP 33552094A JP H08176004 A JPH08176004 A JP H08176004A
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aging
living body
water
skin
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JP6335520A
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Hiroshi Adachi
宏 安達
Hidehiko Ishimaru
英彦 石丸
Tatsuo Hayashi
達男 林
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フィランタス・ニルリ(Phyllanth
us niruri)の抽出物を有効成分とする生体老
化防止剤。 【効果】 本発明にかかる生体老化防止剤は、フィラン
タス・ニルリの抽出物の使用によって、優れた細胞、組
織の賦活化作用を与え、生体老化防止効果が高く、かつ
安全性が高いものであり、この生体老化防止剤を含有す
る皮膚用組成物は、皮膚の老化を抑制する効果が高いも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚組織などの生体細
胞組織に対する賦活化作用が高く、抗老化効果に優れた
生体老化防止剤及び皮膚用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】老化のメカニズムは、盛んに研究され、
いろいろな説が提示されている。しかし、未だ基礎研究
段階にあり、寿命を延ばしたり、老化に特徴的な諸症状
を遅延させるといったような、老化防止の有効な手だて
が確立されたとはいい難い。その様な中、数は少ないも
のの、個体レベル、組織レベルで幾つかの試みがなされ
ている。
【0003】例えば、個体レベルの研究では、特定の栄
養素を欠いた飼料で飼育した動物実験の結果から、ビタ
ミンE、ビタミンCなどに老化現象を遅延する効果が発
見された。例えば、最も強い効果を示すものとしてビタ
ミンEがあげられる。そこで、ビタミンEにマウスやラ
ットに対する寿命延長効果の期待がもたれ、種々の研究
がなされてきた。しかし、今のところ、ビタミンEに明
確な寿命延長効果は見られていない。
【0004】ところが、その後の研究で、明確な寿命延
長効果の見られないビタミンEやビタミンCレベルの作
用でも、その局所投与により皮膚のシミ・シワや老化に
よる脂質過酸化の抑制が明らかにされ、医薬品のみなら
ず、化粧料、食品にも老化防止剤として広く応用されて
いる。現在のところ、これら物質は抗酸化剤として働
き、酸素代謝から生じる活性酸素などに起因する酸化障
害を抑制する結果、抗老化作用を示すものと考えられて
いる。
【0005】このように、抗老化作用を与える有効成分
については種々の検討、提案がなされているが、更に抗
老化効果に優れ、かつ安全性の高い有効成分が望まれて
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記要望に応えるため鋭意検討を行った結果、フィラン
タス・ニルリ(Phyllanthus nirur
)の抽出物が線虫C.エレガンスの寿命を延ばす効果
が高く、このため皮膚組織などの生体細胞組織に対して
優れた賦活化作用を有し、抗老化効果が高いことを見い
出した。
【0007】すなわち、C.エレガンスは老化研究に適
したモデル動物として広く知られている。その老化プロ
セスは遺伝子レベルで研究が進められ、ヒトを始めとす
る哺乳類の老化研究には欠かせないモデル系である(J
ournal of theAmerican Ger
iatrics Society 40(9).199
2.936−945)。その平均寿命は遺伝的に制御さ
れ、一定(20℃でおよそ20日)な上、加齢と共に細
胞内及び組織の代謝活性が低下し、過酸化物が蓄積する
など高等動物と同様のプロセスを経て死に至る。従っ
て、C.エレガンスの寿命は細胞及び組織の老化の格好
の指標といえる。それ故、線虫C.エレガンスを飼育す
る培地にある成分を添加してC.エレガンスの寿命を延
ばすことができた場合、この成分は皮膚を含む生体細胞
組織に対する賦活化効果を有し、抗老化効果を与えるも
のと評価することができる。
【0008】本発明者らは、このような点から、線虫
C.エレガンスの寿命を延ばす効果をスクリーニング指
標に選定し、スクリーニングを重ねた結果、フィランタ
ス・ニルリの抽出物に目的の効果が得られることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0009】従って、本発明はフィランタス・ニルリの
抽出物を有効成分とする生体老化防止剤及びこの生体老
化防止剤を含有する皮膚用組成物を提供する。
【0010】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
【0011】本発明に用いられるフィランタス・ニルリ
Phyllanthus niruri)とは、トウ
ダイグサ科に属し、ブラジル等中南米の熱帯・亜熱帯地
域に自生する。これらの地域では、古くからこの植物を
黄疸、肝炎、泌尿器系の疾患に対する民間薬として用い
ている。本発明で用いるフィランタス・ニルリとして
は、これらの地域で栽培・自生するものを用いることが
できるが、これらに限られない。たとえば、日本で栽培
されたフィランタス・ニルリは、成分的にも有効性の面
でも上記地域から入手したものと何等変わりはなく、従
ってこれらのものも有効に用いることができる。また、
遺伝子組換によって得られた組換体植物も用いることが
可能である。
【0012】本発明に用いられるフィランタス・ニルリ
は、根、葉部、茎部、地際部、花穂部の全てを用いるこ
とができる。また、必要に応じては、区別して用いた
り、いくつかの部分を組み合わせて用いることもでき
る。
【0013】本発明に適用されるフィランタス・ニルリ
の抽出エキスを得る方法に制限はなく、通常の抽出法が
採用され、水、親水性有機溶剤、含水親水性有機溶剤、
その他の有機溶剤等を使用して抽出される。この場合、
このような有機溶剤として具体的には、含水エタノー
ル、含水メタノール、ヘキサン、クロロホルム、シクロ
ヘキサン、ベンゼン、プロピレングリコール、ジクロロ
メタン、エタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチ
ル等が挙げられ、なかでもメタノール、エタノーノ、ア
セトン、水が好ましい。
【0014】本発明において、上記フィランタス・ニル
リの抽出物としては、その抽出溶媒が水、エタノール、
水−エタノール等の非毒性のものである場合は抽出液を
そのまま用いてもよく、あるいは希釈液として用いるこ
とができる。また、濃縮エキスとしてもよく、凍結乾燥
などにより乾燥粉末物としたり、ペースト状に調整して
もよい。
【0015】本発明の生体老化防止剤は、皮膚組織等に
対する細胞、組織賦活化効果に優れ、このため、皮膚用
化粧科、皮膚外用剤等の毛髪用組成物に好適に配合され
るほか、毛髪用化粧料等の毛髪用組成物、飲食品、医薬
品などに配合して使用することができる。この場合、剤
型としては、リニメント、スプレー、ローション、水溶
液、乳液、軟膏、パウダー、溶解錠、石けん等の外用形
態となすことができ、また、錠剤、カプセル剤、散剤、
内服液、細粒剤、顆粒剤等の内服剤の形態とすることも
でき、本発明の生体老化防止剤が配合される組成物の形
態は特に制限されるものではない。
【0016】上記生体老化防止剤を上記の如き皮膚用な
どの組成物に配合する場合、その配合量としては種々選
定し得るが、通常組成物全体の0.001〜30重量
%、特に0.01〜10重量%である。また、この生体
老化防止剤の投与量は1回あたり成人に対し0.1〜1
000mg、好ましくは1〜500mgが適当である。
投与回数は適宜選定し得、例えば1日3回とすることが
できる。
【0017】本発明の生体老化防止剤が配合される皮膚
用などの組成物を構成する成分としては、その組成物の
種類、使用目的や形態などに応じた公知の成分を使用し
得、その配合量も常用量とすることができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる生
体老化防止剤は、フィランタス・ニルリの抽出物の使用
によって、優れた細胞、組織の賦活化作用を与え、生体
老化防止効果が高く、かつ安全性が高いものであり、こ
の生体老化防止剤を含有する皮膚用組成物は、皮膚の老
化を抑制する効果が高いものである。
【0019】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0020】〔製造例〕 フィランタス・ニルリ抽出物の製造 採取後、乾燥処理したフィランタス・ニルリの全草2k
gを20Lのメチルアルコールで3回にわたりそれぞれ
3日間ずつ冷浸して抽出液を得た。この抽出液よりエバ
ポレーターを用いて溶媒を留去して340gの濃縮エキ
スを得た。
【0021】〔実施例1〕線虫C.エレガンスを用いた
寿命延長作用の評価 NG培地上でEscherichia coli st
rain OP50を培養し、NGM培地(nemat
ode growth medium)とした。次に、
このNGM培地上で、線虫C.エレガンス(Caeno
rhabditis elegans var. Br
istol)を大量に飼育した。同一生育ステージの
C.エレガンスを得るため、大量飼育した個体群より採
卵した。すなわち、水酸化ナトリウムと次亜塩素酸ナト
リウムに大量の成虫を浸漬し、成虫の体表を溶かすこと
により卵だけを得ることができた。卵はS緩衝液中で十
分に洗浄し、20℃で18時間静置した。孵化してきた
幼虫を集め、NGM培地上で成虫になるまで3日間飼育
した。次世代幼虫の孵化遊出を抑制する目的で5−フル
オロ−2′−デオキシウリジンを3日目より培地に添加
した。製造例で得られた検体、及び比較例のα−トコフ
ェロール、アスコルビン酸は極少量のエタノールとTw
een80に溶解させた後、最終濃度が2mg/mlと
なるよう水で調整した。サンプルの最終濃度が25μg
/mlとなるように4mlのNGM培地に添加した。成
虫に育った4日目より、C.エレガンスを検体添加培地
の上で飼育し、その寿命の変動を調査した。その結果を
表1に示す。表1は各検体を投与した個体群の寿命曲線
からえられた平均寿命を表す。
【0022】
【表1】
【0023】表1の結果より、従来、その強い抗酸化活
性から老化防止作用が期待されているアスコルビン酸
(ビタミンC)、α−トコフェロール(ビタミンE)に
は、若干の寿命延長作用が認められた。一方、フィラン
タス・ニルリの抽出エキスには、それらを遙かに凌ぐ寿
命延長作用が認められた。
【0024】次に、本発明の生体老化防止剤を含む組成
物の配合例を示す。
【0025】 〔配合例1〕:化粧水 フィランタス・ニルリ抽出エキス 1.0% グリセリン 3.0 エタノール 6.0 香料 微量 精製水 バランス ────────────────────────────────── 計 100.0%
【0026】 〔配合例2〕:乳液 A 油相部 流動パラフィン(#70) 10.0% イソプロピルミリステート 2.0 グリセリンモノステアレート 0.5 ステアリン酸 2.0 POE(20)ステアリルエーテル 0.7 グリチルレチン酸 0.1 ブチルパラペン 0.1 B 水相部 フィランタス・ニルリ抽出エキス 0.5 グリセリン 2.0 カーボポール941 0.1 エタノール 10.0 メチルパラペン 0.1 精製水 バランス C 香料 適量 ────────────────────────────────── 計 100.0% 上記処方物A,Bを70℃でそれぞれ混合溶解し、Bに
Aを加え均一に乳化した。さらにCを加えて冷却し、乳
液を調整した。
【0027】 〔配合例3〕:美容液 フィランタス・ニルリ抽出エキス 0.1% グリセリン 4.0 エタノール 10.0 キサンタンガム 0.3 香料 微量 精製水 バランス ────────────────────────────────── 計 100.0%
【0028】 〔配合例4〕:ヘアトニック エタノール 20.0% 1−メントール 0.1 POE(15)ステアリルエーテル 2.0 フィランタス・ニルリ抽出エキス 0.2 α−トコフェロール 0.2 香料 微量 精製水 バランス ────────────────────────────────── 計 100.0%
【0029】 〔配合例5〕:懸濁液剤 フィランタス・ニルリ抽出エキス 1.0% フラビンアデニンジヌクレオチド 1.0 アスコルビン酸 1.0 D−ソルビトール 20.0 ショ糖 10.0 安息香酸ナトリウム 0.5 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.4 ポリビニルピロリドン 0.2 ポリソルベート80 0.1 香料 適量 蒸留水 バランス ────────────────────────────────── 計 100.0% 上記成分を溶解した後、TSKホモジナイザーにより均
一化し、攪拌下でガラスビンに50mlづつ充填した。
充填後アルミキャップをし、121℃で20分間オート
クレープ減菌を行い懸濁液剤を製造した。
【0030】 〔配合例6〕:錠剤 フィランタス・ニルリ抽出エキス 10ml/1錠 トウモロコシデンプン 55 〃 カルボキシメチルセルロースナトリウム 32 〃 硬化油 3 〃 上記成分を常法により打錠する。
【0031】 〔配合例7〕:顆粒剤 フィランタス・ニルリ抽出エキス 40mg/包 結晶セルロース 100 〃 ヒドロキシプロピルセルロース 20 〃
【0032】 〔配合例8〕:軟カプセル剤 フィランタス・ニルリ抽出エキス 1mg/1カプセル サフラワー油 200 〃 常法によりゼラチン軟カプセルに充填する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィランタス・ニルリ(Phyllan
    thus niruri)の抽出物を有効成分とする生
    体老化防止剤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の生体老化防止剤を含有す
    る皮膚用組成物。
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