JPH08175791A - 建設機械のブーム旋回停止制御方法および装置 - Google Patents

建設機械のブーム旋回停止制御方法および装置

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JPH08175791A
JPH08175791A JP6325450A JP32545094A JPH08175791A JP H08175791 A JPH08175791 A JP H08175791A JP 6325450 A JP6325450 A JP 6325450A JP 32545094 A JP32545094 A JP 32545094A JP H08175791 A JPH08175791 A JP H08175791A
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Japan
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boom
swing
angle
braking torque
braking
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JP6325450A
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English (en)
Inventor
Akira Tsutsui
昭 筒井
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08175791A publication Critical patent/JPH08175791A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66CCRANES; LOAD-ENGAGING ELEMENTS OR DEVICES FOR CRANES, CAPSTANS, WINCHES, OR TACKLES
    • B66C13/00Other constructional features or details
    • B66C13/04Auxiliary devices for controlling movements of suspended loads, or preventing cable slack
    • B66C13/06Auxiliary devices for controlling movements of suspended loads, or preventing cable slack for minimising or preventing longitudinal or transverse swinging of loads
    • B66C13/063Auxiliary devices for controlling movements of suspended loads, or preventing cable slack for minimising or preventing longitudinal or transverse swinging of loads electrical
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66CCRANES; LOAD-ENGAGING ELEMENTS OR DEVICES FOR CRANES, CAPSTANS, WINCHES, OR TACKLES
    • B66C23/00Cranes comprising essentially a beam, boom, or triangular structure acting as a cantilever and mounted for translatory of swinging movements in vertical or horizontal planes or a combination of such movements, e.g. jib-cranes, derricks, tower cranes
    • B66C23/62Constructional features or details
    • B66C23/84Slewing gear

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Jib Cranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブームの停止時に荷振れを残さず、かつ制動
トルクの上限値を考慮しながら迅速にブームの旋回制動
及び停止を行う。 【構成】 制動開始後のア領域及びイ領域で、決められ
た上限値の旋回制動トルクでブームの旋回を制動した時
の吊り荷の振れ角と略同等の一定の振れ角γ1maxに実際
の吊り荷の振れ角を維持するようにブームの旋回制動ト
ルクを制御する。次のウ領域で、ブームの旋回が停止し
た時点で吊り荷の振れも停止するようにブームの旋回制
動トルクを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クレーン等の建設機械
において、停止時に吊荷の振れを残すことなくブームの
旋回を制動、停止させるための方法および装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、クレーンにおいて、ブ―ムの停止
時に吊荷の振れを残すことなくブ―ムの旋回を自動的に
制動、停止させる方法としては、次のようなものが知ら
れている。
【0003】1)ブームの目標停止位置近傍でクレーン
の非線形モデルを線形化し、このモデル式に基づき、最
適レギュレータの手法を用いてフィードバック制御系を
構成し、このフィードバック制御系により旋回停止と吊
り荷の振れ止めとの双方を同時制御する(特開昭61−
33487号公報)。
【0004】2)吊荷の旋回半径、重量、ブ―ムの慣性
モ―メント、およびブ―ムの許容荷重からブ―ムの横曲
げ強度に基づく旋回角加速度の許容条件を算出した後、
一定の制動角加速度β=−ωΩo/2nπ(Ωo は旋回
停止制御開始前のブ―ムの旋回角速度、nはβが上記許
容条件を満たす最大の自然数、ω=√(g/L)であ
り、gは重力角速度、Lは吊荷の振れ半径を示す。)が
得られる一定の制動トルクでブームの旋回を停止させる
(特開平4−153197号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】1)の方法では、目標
停止位置近傍でしかフィードバック制御を実行できない
ので、この目標停止位置近傍に至るまでの移動中に外乱
等の影響を受けた場合、これに対応できず、実際には目
標停止時点での吊り荷の振れを十分に抑制できなくなる
おそれがある。また、制動トルクの上限値については考
慮していないため、特に、ブームの横曲げ強度の関係か
ら制動トルクを制限しなければならない場合にこれに対
応できず、ブームに損傷を与えないための最大トルクを
超えるトルクでブーム旋回を過度に急制動してしまうお
それがある。
【0006】2)の方法では、制動角加速度βが必ず−
ωΩo/2πの整数倍でなければならないので、実際に
は、許容条件を満たす最大の制動角加速度(許容角加速
度)よりも低い制動角加速度で制動しなければならない
場合がほとんどであり、その分、制動を開始してからブ
ーム旋回が完全に停止するまでの所要旋回角度量が大き
くなり、所要旋回時間も長くなる不都合がある。さら
に、完全停止するまでの制動中は常に吊り荷が振れてい
るので、安全を見越して、ブームの制動角加速度に1よ
りも大きい安全係数を乗じた値を吊り荷の制動角加速度
とみなして上記許容条件を算出しなければならず、その
分許容条件が厳しくなって制動トルクがさらに制限され
てしまう不都合がある。また、この方法は、制動開始時
に吊り荷が振れていないという理想的な前提の下で行う
オープンループの制御であり、吊り荷の振れ状態を検出
してフィードバック制御するものではないので、制動開
始時に吊り荷の振れがあったり、制動途中に風等が吹い
て吊り荷を振らせるといった外乱があった場合に、これ
に対応できないおそれもある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、制動ト
ルクの上限値を考慮した安全かつ正確な制御で、吊り荷
の振れを残さず迅速にブームの旋回を停止させることが
できる建設機械のブーム旋回停止制御方法および装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、旋回駆動され
るブ―ムの所定位置に吊荷が吊下げられる建設機械のブ
ーム旋回停止制御方法であって、決められた上限値の旋
回制動トルクでブームの旋回を制動した時の吊り荷の振
れ角と略同等の一定の振れ角に実際の吊り荷の振れ角を
維持するようにブームの旋回制動トルクを制御する振れ
角制御動作を行った後、ブームの旋回が停止した時点で
吊り荷の振れも停止するようにブームの旋回制動トルク
を制御する停止制御動作を行うものである(請求項
1)。
【0009】この方法では、例えば、上記振れ角制御動
作の実行によりブームの旋回角速度が一定以下となった
時点から上記停止制御動作を実行するようにすればよい
(請求項2)。
【0010】上記旋回制動トルクの上限値は、例えばブ
ーム作業状態とブームの横曲げ強度に基づいて演算する
ことができる(請求項3)。
【0011】また本発明は、旋回駆動されるブ―ムの所
定位置に吊荷が吊下げられる建設機械のブーム旋回停止
制御装置であって、上記吊り荷の振れ状態を検出する振
れ状態検出手段と、ブームの作業状態を検出する作業状
態検出手段と、決められた上限値の旋回制動トルクでブ
ームの旋回を制動した時の吊り荷の振れ角と略同等の一
定の振れ角を許容振れ角として設定する許容振れ角設定
手段と、旋回制動開始後作動し、上記振れ状態検出手段
で検出された振れ状態に基づき上記吊り荷の振れ角を上
記許容振れ角に維持するようにブームの旋回制動トルク
をフィードバック制御する振れ角制御手段と、この振れ
角制御手段の次に作動し、ブームの旋回が停止した時点
で吊り荷の振れが停止するようにブームの旋回制動トル
クを制御する停止制御手段とで構成したものである(請
求項4)。
【0012】この装置では、上記振れ角制御手段による
制御によりブームの旋回角速度が一定以下となった時点
から上記停止制御手段が作動するように構成してもよい
(請求項5)。
【0013】上記許容振れ角設定手段としては、上記作
業状態検出手段で検出されたブーム作業状態とブームの
横曲げ強度に基づいて上記制限値を演算するものが、好
適である(請求項6)。
【0014】また、上記振れ角制御手段を、旋回制動開
始時点から作動し、上記吊り荷の振れ角を上記許容振れ
角に近づけるようにブームの旋回制動トルクをフィード
バック制御する第1振れ角制御手段と、この第1振れ角
制御手段と異なる制御パラメータを有し、この第1振れ
角制御手段の制御動作により実際の振れ角が上記許容振
れ角にほぼ到達した時点から作動して実際の振れ角を上
記許容振れ角に維持するようにブームの旋回制動トルク
をフィードバック制御する第2振れ角制御手段とを備え
たり(請求項7)、上記作業状態検出手段の検出結果に
基づき、上記振れ角制御手段により制御される実際のブ
ーム旋回制動トルクを常時上記上限値に抑えるための上
記フィードバック制御のパラメータを設定する制御パラ
メータ設定手段を備えたりすることにより(請求項
8)、後述のようなより優れた効果が得られる。
【0015】
【作用】請求項1,4記載の方法及び装置によれば、ま
ず、決められた上限値の旋回制動トルクでブームの旋回
を制動した時の吊り荷の振れ角と略同等の一定の振れ角
(許容振れ角)に実際の吊り荷の振れ角を維持するよう
にブームの旋回制動トルクを制御するため、この振れ角
制御動作では、ブーム制動トルクの上限値を考慮しなが
ら素早くブーム旋回を制動し、かつ吊り荷については、
風等の外乱があっても振れ角を安定した状態に保つこと
ができる。従って、その後の停止制御動作、すなわち、
ブームの旋回が停止した時点で吊り荷の振れも停止させ
るような旋回制動トルクの制御動作を正確に行うことが
できる。
【0016】特に、請求項3,6記載のように、ブーム
作業状態とブームの横曲げ強度に基づいて上記旋回制動
トルクの上限値を演算する場合、上記振れ角制御動作中
で振れ角が略一定に維持されている(すなわちブームに
対する吊り荷の相対速度がほぼ0とされている)ため、
吊り荷の制動角加速度をブームの制動角加速度とほぼ等
しいとみなすことができる。その分、ブームの横曲げ強
度に基づく旋回制動トルクの制限を緩めることができ、
より大きな制動トルクで素早く旋回制動することが可能
である。
【0017】ここで、請求項2,5記載のように、上記
振れ角制御動作の実行によりブームの旋回角速度が一定
以下となった時点から上記停止制御動作を実行するよう
にすれば、この停止制御動作に入った時点から十分小さ
い旋回制動トルクでブームの旋回と吊り荷の振れとを停
止させることができる。
【0018】さらに、請求項7記載の装置では、上記振
れ角制御手段を、旋回制動開始時点から作動し、上記吊
り荷の振れ角を上記許容振れ角に近づけるようにブーム
の旋回制動トルクをフィードバック制御する第1振れ角
制御手段と、この第1振れ角制御手段と異なる制御パラ
メータを有し、この第1振れ角制御手段の制御動作によ
り実際の振れ角が上記許容振れ角にほぼ到達した時点か
ら作動して実際の振れ角を上記許容振れ角に維持するよ
うにブームの旋回制動トルクをフィードバック制御する
第2振れ角制御手段とに分けているため、上記第1振れ
角制御手段では、吊り荷の振れ角を上記許容振れ角まで
一気に変化させていくための専用の制御パラメータをも
たせることができ、その分制動所要時間をより短縮でき
る。
【0019】上記振れ角制御手段では、振れ角を許容振
れ角に維持するためのフィードバック制御でオーバーシ
ュートがあると、実際のブームの旋回制動トルクが上限
値を超えるおそれがあるが、このような振れ角制御だけ
でなく、請求項8記載のように、上記作業状態検出手段
の検出結果に基づき、上記振れ角制御手段により制御さ
れるブームの旋回制動トルクを常時上記上限値以下に抑
えるための上記フィードバック制御のパラメータを設定
するようにすれば、より確実に実際のブーム旋回トルク
を上記上限値以下に抑えることができる。
【0020】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0021】図2に示すクレーン10は、鉛直方向の旋
回軸101回りに旋回可能なブ―ムフット102を備
え、このブ―ムフット102に、N個のブ―ム部材B1
〜BNからなる伸縮可能なブ―ムBが取付けられてい
る。このブ―ムBは、水平方向の回動軸103を中心に
回動可能(起伏可能)に構成され、その先端部(ブ―ム
ポイント)にロ―プ104で吊荷Cが吊下げられてい
る。
【0022】このクレーンには、図3に示されるよう
に、ブ―ム長センサ12、ブ―ム角センサ14、吊上荷
重センサ15、ロ―プ長センサ16、旋回角速度センサ
17、振れ角センサ18、コントローラ20、および旋
回駆動用の油圧システム40が設けられている。
【0023】コントローラ20は、コンピュータで構成
され、定格荷重メモリ21、旋回半径算出手段22、ブ
―ム慣性モ―メント算出手段23、モーメント上限値算
出手段24、吊上荷重算出手段25、負荷慣性モ―メン
ト算出手段26、許容振れ角27、フィードバックゲイ
ン算出手段28、旋回角度算出手段29、振れ角速度算
出手段30、制動トルク算出手段31、及びモータ差圧
制御手段32を備えている。
【0024】旋回半径算出手段22は、ブ―ム長センサ
12およびブ―ム角センサ14により各々検出されたブ
―ム長LB およびブ―ム角φに基づき吊荷Cの旋回半径
Rを算出するものである。
【0025】ブ―ム慣性モ―メント算出手段23は、上
記ブ―ム長LB およびブ―ム角φに基づいて、ブームB
全体の慣性モーメントIBを算出するものである。
【0026】モーメント上限値算出手段24は、上記旋
回半径算出手段22で算出された旋回半径Rと、上記ブ
―ム長LB とに基づき、定格荷重メモリ21に記憶され
たデ―タから定格荷重Wo を算出し、かつ、この定格荷
重Woに基づいて、旋回半径Rの関数であるモーメント
上限値(ブームフット102に作用するモーメントの上
限値)N(R)をブームBの横曲げ強度の観点から演算す
るものである。
【0027】吊上荷重算出手段25は、吊上荷重センサ
15により検出されたブ―ム倒伏用油圧シリンダの圧力
pと、上記旋回半径算出手段22で算出された旋回半径
Rと、上記ブ―ム長LB とに基づき、実際の吊上荷重W
を算出するものである。
【0028】負荷慣性モ―メント算出手段26は、上記
吊上荷重算出手段25で算出された吊上荷重Wと、上記
旋回半径Rとに基づき、旋回中心回りの負荷(吊荷C)
の慣性モ―メントIw を算出するものである。
【0029】許容振れ角算出手段27は、上記負荷慣性
モ―メントIw 、ブ―ム慣性モ―メントIB 、定格荷重
Wo 、並びに上記モーメント上限値N(r)から、ブ―ム
Bの横曲げ強度に基づくブームBの最大許容角加速度β
Bmaxを算出すると共に、この最大許容角加速度βBmax
現状態のブームBの旋回を制動した時の吊り荷の振れ角
(この実施例ではブーム半径方向から見たときの鉛直方
向に対するロープ104の傾斜角)γ1を演算し、これ
を許容振れ角γ1maxとして設定するものである。
【0030】フィードバックゲイン算出手段(制御パラ
メータ設定手段)28は、後記制動トルク算出手段31
で制動トルクのフィードバック演算を行う際に用いられ
るフィードバックゲイン(制御パラメータ)を算出する
ものである。例えば、PID制御を適用する場合には、
比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインをそれぞれ演算す
る。
【0031】旋回角度算出手段29は、旋回角速度セン
サ17により検出されるブームBの旋回角速度ωを積分
演算することにより、実際のブームBの旋回角度θを演
算するものであり、振れ角速度算出手段30は、振れ角
センサ18により検出される吊り荷Cの振れ角γ1に基
づいて、その時間変化率である振れ角速度dγ1/dt
を演算するものである。
【0032】制動トルク算出手段31は、図4に示すよ
うな第1制動トルク算出手段311、第2制動トルク算
出手段312、及び第3制動トルク算出手段313を備
えている。
【0033】第1制動トルク算出手段(第1振れ角制御
手段)311は、旋回制動開始時点から作動し、現在の
吊り荷振れ角を上記許容振れ角算出手段27で演算され
た許容振れ角γ1maxまで可及的速やかに変化させるため
の旋回制動トルクuをリアルタイムでフィードバック演
算するものである。
【0034】第2制動トルク算出手段(第2振れ角制御
手段)312は、実際の振れ角γ1が上記許容振れ角γ
1maxにほぼ到達した時点から作動し、実際の振れ角γ1
を上記許容振れ角γ1maxに維持するための旋回制動トル
クuをリアルタイムでフィードバック演算するものであ
る。
【0035】第3制動トルク算出手段(停止制御手段)
313は、前記旋回角速度センサ17により検出される
旋回角速度ωが予め設定された切換設定角速度まで下が
った時点から作動し、所定の目標停止位置にブームBを
停止させ、かつこの旋回停止時点で吊り荷Cの振れも停
止させるための旋回制動トルクuをリアルタイムでフィ
ードバック演算するものである。
【0036】ここで、前記フィードバックゲイン演算手
段28は、各制御トルク算出手段311〜313で用い
られるフィードバックゲインとして、これら制御トルク
算出手段311〜313により演算される旋回制動トル
クがオーバーシュートして前記許容制動角加速度βBmax
に対応する旋回制動トルクを超えるのを防ぐ程度まで小
さいゲインを設定するように構成されている。
【0037】なお、このフィードバックゲインの算出
は、予めブームの運転状態を複数の領域に分けて各領域
ごとにフィードバックゲインを設定、記憶しておき、実
際の運転時にその状態に応じて適当なフィードバックゲ
インを算出するようにしてもよいし、運転時にその運転
状態に応じてリアルタイムにフィードバックゲインを算
出するようにしてもよい。
【0038】モータ差圧制御手段32は、上記制動トル
ク算出手段31で演算される制動トルクuを得るために
必要な油圧モータの差圧を演算し、この差圧を実現する
ための制御信号を油圧システム40に出力するものであ
る。油圧システム40は、上記油圧モータのほか、油圧
ポンプや制御弁を具備し、上記制御信号によって油圧モ
ータの駆動トルク(すなわちブームBの旋回駆動トル
ク)及び旋回方向が制御可能とされている。
【0039】次に、このコントローラ20が実際に行う
演算制御動作を図5のフローチャートに基づいて説明す
る。なお、以下の制御例では、予めブームBの目標停止
位置が定められており、この目標停止位置でブームBを
完全停止させるものを示すが、本発明では目標停止位置
が特に定められていなくてもよく、例えばオペレータか
ら停止指令操作が入力された時点より制動を開始して任
意の位置でブームBを止めるものでもよい。
【0040】図5において、まだブームBの旋回制動を
行っていない通常旋回状態では、現在の旋回角速度ωか
ら必要旋回制動角度(すなわち旋回制動を開始してから
旋回停止するまでに必要な旋回角度)を算出し(ステッ
プS1)、さらに、残り旋回角度(現在の旋回位置から
上記目標停止位置までの旋回角度)を演算する(ステッ
プS2)。そして、この残り旋回角度が上記必要旋回制
動角度まで減少した時点より(ステップS3でYE
S)、ブームBの旋回制動を開始する。
【0041】まず、旋回制動開始当初は(ステップS
4,S5でYES)、第1制動トルク算出手段311が
作動し、フィードバック演算手段28で演算された第1
制動トルク算出手段専用のフィードバックゲインに基づ
き、現在の吊り荷振れ角γ1を許容振れ角γ1maxまで一
気に変化させるための旋回制動トルクuをフィードバッ
ク演算する。
【0042】この算出旋回制動トルクuに基づいて制御
信号が出力されることにより(ステップS9)、図1
(a)のア領域に示されるように、実際の吊り荷の振れ
角γ1が許容振れ角γ1maxまで迅速に変化する。そし
て、両者が等しくなった時点から(ステップS5でN
O)、第2制動トルク算出手段32が作動する。
【0043】この第2制動トルク算出手段312は、上
記第1制動トルク算出手段311に設定されたフィード
バックゲインと異なるフィードバックゲインに基づき、
現在の吊り荷振れ角γ1を許容振れ角γ1maxに維持する
ための旋回制動トルクuをフィードバック演算する。こ
の制動トルクuに基づいて制御信号が出力されることに
より(ステップS9)、ブームBの横曲げ強度に基づく
許容条件を満足させながら、風等の外乱にかかわらず、
吊り荷振れ角γ1を略一定に保ちつつ旋回制動する制御
が実行される(図1(a)のイ領域)。
【0044】そして、実際の旋回角速度ωが予め設定さ
れた切換設定角速度まで下がった時点から、第3制動ト
ルク算出手段313が作動する。この第3制動トルク算
出手段313は、フィードバック演算手段28で演算さ
れたフィードバックゲインに基づき、ブームBを前記目
標停止位置で停止させ、かつこの旋回停止時点で吊り荷
Cの振れをちょうど停止させるための旋回制動トルクu
をフィードバック演算する。この算出制動トルクuに基
づいて制御信号が出力されることにより、吊り荷Cの振
れを残すことなく目標停止位置でブームBの旋回が完全
停止される(図1(a)のウ領域;ステップS10でY
ES)。
【0045】以上のような方法及び装置によれば、次の
効果を得ることができる。
【0046】まず、ブームの横曲げ強度に基づいて決
まる上限値の旋回制動トルクでブームの旋回を制動した
時の吊り荷の振れ角と略同等の許容振れ角γ1maxに実際
の吊り荷振れ角γ1を維持するようにブームBの旋回制
動トルクuを制御するため、この振れ角制御動作では、
ブーム横曲げ強度を考慮しながら素早くブーム旋回を制
動し、かつ吊り荷Cについては、風等の外乱があっても
振れ角を安定した状態に保つことができる。従って、旋
回角速度ωが一定以下となった停止制御動作、すなわ
ち、ブームの旋回が停止した時点で吊り荷Cの振れも停
止させるような制御動作を正確に行うことができる。
【0047】ブーム作業状態とブームの横曲げ強度に
基づいて上記旋回制動トルクの上限値を演算する場合、
従来は、制動中も吊り荷Cが振れているために吊り荷C
の制動角加速度が把握できず、この吊り荷Cの制動角加
速度としてブームBの制動角加速度に1よりも大きな安
全係数を乗じた値を設定しなければならず、その分許容
条件が厳しくなって旋回制動トルクの上限値が小さくな
る不都合が生じている。これに対し、上記実施例では、
上記振れ角制御動作中で振れ角γ1が略一定に維持され
ている(すなわちブームBに対する吊り荷Cの相対速度
がほぼ0とされている)ため、吊り荷の制動角加速度を
ブームの制動角加速度と略同等とみなせ、その分、ブー
ムの横曲げ強度に基づく旋回制動トルクの制限を緩める
ことができ、より大きな制動トルクで素早く旋回制動す
ることが可能になる。
【0048】振れ角制御に関し、まず、第2制動トル
ク算出手段312と異なる専用のフィードバックゲイン
をもつ第1の制動トルク算出手段311による制御で振
れ角γ1を上記許容振れ角γ1maxまで一気に近づけ、そ
の後上記第2制動トルク算出手段312による制御で振
れ角γ1を上記許容振れ角γ1maxに維持するようにして
いるので、制動開始当初から第2制動トルク算出手段3
12のみで振れ角制御動作を行う場合よりも所要時間を
さらに短縮できる。
【0049】制動トルク算出手段31によるフィード
バック制御でオーバーシュートがあると、実際のブーム
の旋回制動トルクが上限値を超えるおそれがあるが、上
記実施例では、振れ角制御だけでなく、上記オーバーシ
ュートを防いで実際の制動角加速度を前記ブーム横曲げ
強度に基づいて演算される許容制動角加速度に抑える程
度まで十分小さいフィードバックゲインをブームBの作
業状態に基づいて設定するようにしているので、過度の
制動トルクをかけることによるブームBの破損等をより
確実に防止できる。
【0050】参考として、上記制動トルク算出手段3
1、フィードバックゲイン算出手段28、許容振れ角算
出手段27等でなされる演算の原理を以下に説明する。
【0051】§1.ブームBの重心の速度 図6に示すように、互いに直交するX軸及びY軸を水平
面上にとり、Z軸を鉛直軸とする。また、ブームBの長
手方向に図7に示すξ軸をとり、これに直交する旋回周
方向にη軸をとる。なお、図6においてMKはブームB
を除く上部旋回体の重心位置における質量、mは吊り荷
の重心位置における質量、MBOはブームBの重心位置に
おける質量であり、αはブームBとロープとのなす角
度、γは吊り荷Cの旋回方向の振れ角である。また、図
7においてHKは旋回中心から上部旋回体重心までの距
離、ξBは旋回中心からブームトップまでの距離、ξBO
は旋回中心からブームBの重心までの距離であり、θK
は上部旋回体の重心と旋回中心とを結ぶ線分とξ軸との
なす角である。
【0052】ここで、XY座標系でのブームBの重心位
置座標(xBO,yBO)は次式で定義される。
【0053】
【数1】
【0054】ここで、旋回時のブーム長LB及びブーム
角(起立角度)φが一定ならば、ξBOも一定であり、η
BOは常に0である。この条件を考慮すると、XY座標系
での各速度成分は次式で表される。
【0055】
【数2】
【0056】従って、ξη座標系でのブーム重心の各速
度成分は次式で表される。
【0057】
【数3】
【0058】§2.ブームBを除く上部旋回体の重心の
速度 前記数1と同様にして、XY座標系でのブームBを除く
上部旋回体の重心位置座標(xK,yK)は、次式で表さ
れる。
【0059】
【数4】
【0060】ここで、ξK=−HKcosθK、ηK=−HKsi
Kであり、HK,θKは一定である。よって、XY座標
系における各速度成分は次式で与えられる。
【0061】
【数5】
【0062】従って、ξη座標系におけるブームを除く
上部旋回体の重心の各速度成分は次式のようになる。
【0063】
【数6】
【0064】§3.吊り荷Cの速度 XYZ座標系での吊り荷Cの重心位置座標は次式のよう
に定義される。
【0065】
【数7】
【0066】この数7の第1式および第2式を微分する
と、次式が得られる。
【0067】
【数8】
【0068】一方、ξη座標系での吊り荷Cの重心位置
座標である(ξm,ηm)は次式で与えられる。
【0069】
【数9】
【0070】ここで、ξB,Lは一定である。この数9
を微分すると、次式が得られる。
【0071】
【数10】
【0072】この数10と前記数8とから、ξη座標系
での吊り荷Cの重心の各速度成分が次のように得られ
る。
【0073】
【数11】
【0074】この数11及び前記数3及び数6によれ
ば、ブームBの速度VB、ブームBを除いた上部旋回体
の速度VK、吊り荷Cの速度Vm、の各速度の2乗の値は
次のようになる。
【0075】
【数12】
【0076】§4.ラグランジュの運動方程式 上記数12を用いれば、ラグランジュの運動方程式を構
成する各エネルギー(運動エネルギーE、位置エネルギ
ーU、及び損失エネルギーD)が次式で与えられる。
【0077】
【数13】
【0078】一方、変数θを左右する外力は駆動トルク
u、変数α,γを左右する外力は0であるので、これら
の変数について次のラグランジュの運動方程式を得るこ
とができる。
【0079】
【数14】
【0080】この数14に前記数13を代入することに
より、系の運動方程式として次式を得ることができる。
【0081】
【数15】
【0082】§5.第1制動トルク算出手段311及び
第2制動トルク算出手段312でのフィードバック演算
の原理 この第1制動トルク算出手段311の作動による振れ角
制御動作では、吊り荷の振れ状態を図8のように考える
ことで、旋回方向の吊り荷Cの振れに注目した数式モデ
ルになり、旋回時にブームの先端が描く軌跡近傍での吊
り荷Cの横振れを制御しやすいモデルとなる、ここで、
αは十分小さいと仮定し、図8に示すようにブームBの
半径方向からみた吊り荷Cの振れ角をγ1とおいて、γ
≒π/2、α≒γ1と仮定すると、次式が得られる。
【0083】
【数16】
【0084】
【数17】
【0085】そして、γ1<<1と仮定し、sin2γ1≒γ1 2
≒0とすると、各速度の2乗値は次のようになる。
【0086】
【数18】
【0087】よって、各エネルギーの関係式は次式とな
る。
【0088】
【数19】
【0089】一方、前記数14に対応するラグランジュ
の運動方程式は、次式のようになる。
【0090】
【数20】
【0091】この式に前記数19を代入し、γ1<<1と
仮定して整理すると、次の運動方程式が得られる。
【0092】
【数21】
【0093】この式を変形すると次式が得られる。
【0094】
【数22】
【0095】ここで、q=[θ γ1Tとおくと、上式
は次のようになる。
【0096】
【数23】
【0097】この式の両辺をラプラス変換すると、次の
ようになる。
【0098】
【数24】
【0099】よって、この系の伝達関数P1は次のよう
になる。
【0100】
【数25】
【0101】
【数26】
【0102】この伝達関数P1に基づき、最適レギュレ
ータの手法を用いて、第1制動トルク算出手段311及
び第2制動トルク算出手段312で使用するフィードバ
ックゲインを設定すればよい。より具体的に、第1制動
トルク算出手段311については、吊り荷Cの振れ角を
可及的速やかに一定の許容振れ角γ1まで振らせるよう
な制動トルクを算出するように最適レギュレータの重み
を設定すればよく、第2制動トルク算出手段312につ
いては、吊り荷Cの振れ角を上記許容振れ角γ 1に維持
するのに適した制動トルクを算出するように最適レギュ
レータの重みを設定すればよい。
【0103】§6.第3制動トルク算出手段313での
フィードバック演算の原理 この第3制動トルク算出手段313の作動による停止制
御動作は、旋回角速度ωかがある程度低下して停止目標
位置に近づいた時点から開始され、ブームBと吊り荷C
とを目標停止位置で振れなく停止させる動作である。す
なわち、この制御動作では、ブームBを含む上部旋回体
と吊り荷Cの位置決めを目的とするため、これに適した
数式モデルを作成するのが好ましい。いま、図9に示す
ように、ブーム現在位置θから目標停止位置θPTまでの
残り旋回角度をθy1、吊り荷Cの現在位置から目標停止
位置θPTまでの角度をθy2とおくと、次式が得られる。
【0104】
【数27】
【0105】この定義により、吊り荷Cの振れ情報と上
部旋回体の旋回角情報とが結合されているので、各位置
決め、特に吊り荷Cの位置決めを目的とした第3制動ト
ルク算出手段313の設計が容易になる。
【0106】このモデルにおいて、運動方程式は次のよ
うになる。
【0107】
【数28】
【0108】この式は、次のように変形できる。
【0109】
【数29】
【0110】ここで、q=[θy1 θy2Tとおくと、
上式は次のようになる。
【0111】
【数30】
【0112】この式に基づき、前記数24,数25と同
様にして伝達関数P1を求めると、次のようになる。
【0113】
【数31】
【0114】この伝達関数P1に基づき、最適レギュレ
ータの手法を用いて、第3制動トルク算出手段313で
使用するフィードバックゲインを設定すればよい。より
具体的には、吊り荷Cの振れ角とブームBの旋回角度
が、停止目標地点でオーバーシュートすることなく停止
するように最適レギュレータの重みを設定すればよい。
【0115】§7.ブームBの横曲げ強度に基づく許容
条件 §1〜§6では、フィードバックゲイン算出手段28で
のフィードバックゲイン設定のためのアルゴリズムを説
明しているが、さらに、このフィードバックゲイン算出
手段28及び許容振れ角算出手段27では、ブームBの
横曲げ強度に基づく許容条件を考慮した演算が実行され
ることになる。そこで、このブーム横曲げ強度に基づく
許容振れ角γ1max及び許容制動角加速度βBmaxの演算原
理を以下に説明する。
【0116】一般に、クレーン10のブ―ムBおよびブ
―ムフット102は十分な強度を有しているが、ブ―ム
長LB が長くなると、旋回制動時に発生する慣性力に起
因してブ―ムBに大きな横曲げ力が作用する。この横曲
げ力による強度的な負担はブ―ムフット102付近で最
大となるので、ここでは、旋回軸101回りのモ―メン
トに基づいて強度評価を行う。
【0117】具体的に、旋回トルクとブームの横曲げ強
度の制限の判定条件は、例えば次式により定義できる。
【0118】
【数32】
【0119】ここで、特開平4−153197号公報に
示される従来技術では、ブーム旋回制動中も吊り荷Cが
周期的に振れているため、この吊り荷Cの旋回制動角加
速度βWとブームBの旋回制動角加速度βBとを同一視で
きず、安全を見越すために1よりも大きな安全係数kW
(例えば3.0)を導入して、βW=kWβBとおく必要があ
る。この式を数32に代入して整理すると、次式を得る
ことができる。
【0120】
【数33】
【0121】そして、この数33を満たし、かつ次の数
34の条件を満たすβBが、実際のブーム制動角加速度
として適用される。
【0122】
【数34】
【0123】これに対して本発明の振れ角制御動作は、
振れ角γ1を一定に保つような制御動作であるため、こ
の動作中、βB≒0とみなすことができる。これを数3
2に代入して整理すると、次式を得ることができる。
【0124】
【数35】
【0125】この数35と前記数33とを比べて明らか
なように、本発明では、前記安全係数kW(>1)の導
入が不要である分、許容制動角加速度βBmaxをより大き
く設定でき、許容条件を緩めることができる。特に、上
記従来技術の場合は、許容制動角加速度βBmax以下であ
るという条件に加えて前記数34の条件を満たす必要が
あり、実際に使用する制動角加速度はさらに小さくなる
が、本発明では、許容制動角加速度βBmaxとほぼ等しい
制動角加速度を安全に適用できる。これは、本発明によ
ればより大きなトルクで安全に制動できることを意味
し、より迅速に、またより小さな旋回角度でブームB及
び吊り荷Cを停止させることができることを意味してい
る。
【0126】前記許容振れ角演算手段27において、上
記許容振れ角γ1maxは、上記許容制動角加速度βBmax
制動をかけたとした時の吊り荷Cの振れ角(この角度は
容易に演算できる。)γ1が設定され、このような許容
振れ角γ1maxを目標値として前記振れ角制御動作が実行
されることにより、ブームBの迅速かつ安全な旋回制動
制御が実現される。
【0127】なお、この場合でも、用いられるフィード
バックゲインが過大でオーバーシュートすると、実際の
制動角加速度が上記許容制動角加速度βBmaxを上回るお
それもあるが、ここで、前記実施例のように、実際の制
動角加速度を必ず上記許容制動角加速度βBmax以下に抑
えることができる程度まで小さいフィードバックゲイン
を設定するように上記フィードバックゲイン算出手段2
8を構成すれば、制動の安全性をさらに高めることが可
能である。
【0128】*シミュレーション結果 図10及び図11(a)〜(c)は、前記実施例に示し
た第1制動トルク算出手段311を省略して第2制動ト
ルク算出手段312のみで本発明の振れ角制御手段を構
成した装置についての、シミュレーション結果を示した
ものである。この装置によれば、図10に示すように、
吊り荷の振れを残さずに旋回停止させることができ、し
かも、図11(a)に示すように、制動トルクを常時ほ
ぼ旋回駆動時のトルク(0.5kg・m)以下に抑えることが
可能となっている。
【0129】なお、本発明はこのような実施例に限定さ
れるものではなく、例として次のような態様を採ること
も可能である。
【0130】(1) 上記実施例では、上記許容制動角加速
度βBmaxで制動をかけたとした時の吊り荷Cの振れ角γ
1をそのまま許容振れ角γ1maxとして設定しているが、
安全を見越し、上記許容制動角加速度βBmaxよりも少し
だけ小さい振れ角を許容振れ角γ1maxとして設定するよ
うにしてもよい。
【0131】(2) 上記実施例では、ブームの横曲げ強度
に基づいて制動トルクの上限値を定めているが、旋回駆
動システム側に発生トルクの著しい制限がある場合に
は、これに基づいて上記上限値を定めるようにすればよ
い。
【0132】(3) 本発明において、振れ角制御動作から
停止制御動作へ切換える時点は、上記実施例のように旋
回角速度ωが一定以下になった時点に設定してもよい
し、目標停止位置までの旋回残り角度が一定以下になっ
た時点に設定してもよい。
【0133】(4) 本発明が適用される建設機械の種類は
問わず、旋回可能なブ―ムを備え、その所定位置に荷が
吊り下げられるものであればよい。
【0134】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次の効果
を得ることができる。
【0135】請求項1,4記載の方法及び装置は、ま
ず、決められた上限値の旋回制動トルクでブームの旋回
を制動した時の吊り荷の振れ角と略同等の一定の振れ角
(許容振れ角)に実際の吊り荷の振れ角を維持する振れ
角制御動作をし、その後、ブームの旋回が停止した時点
で吊り荷の振れも停止させる停止制御動作をするもので
あるので、ブーム制動トルクの上限値を考慮しながら安
全にかつ素早くブーム旋回を制動し、かつ、風等の外乱
があってもブーム停止時の吊り荷の振れを抑制する停止
制御を正確に実行できる効果がある。
【0136】特に、請求項3,6記載のように、ブーム
作業状態とブームの横曲げ強度に基づいて上記旋回制動
トルクの上限値を演算する場合、上記振れ角制御動作中
で振れ角を略一定に維持しているために、吊り荷の制動
角加速度をブームの制動角加速度とほぼ等しいとみなす
ことができる。その分、ブームの横曲げ強度に基づく旋
回制動トルクの制限を緩めてより大きな制動トルクで素
早く旋回制動できる効果がある。
【0137】また、請求項2,5記載の方法及び装置で
は、上記振れ角制御動作の実行によりブームの旋回角速
度が一定以下となった時点から上記停止制御動作を実行
するようにしているので、この停止制御動作に入った時
点から十分小さい旋回制動トルクでブームの旋回と吊り
荷の振れとを停止させることができる。
【0138】さらに、請求項7記載の装置では、上記振
れ角制御手段を、旋回制動開始時点から作動し、上記吊
り荷の振れ角を上記許容振れ角に近づけるようにブーム
の旋回制動トルクをフィードバック制御する第1振れ角
制御手段と、この第1振れ角制御手段と異なる制御パラ
メータを有し、この第1振れ角制御手段の制御動作によ
り実際の振れ角が上記許容振れ角にほぼ到達した時点か
ら作動して実際の振れ角を上記許容振れ角に維持するよ
うにブームの旋回制動トルクをフィードバック制御する
第2振れ角制御手段とに分けているため、上記第1振れ
角制御手段では、第2振れ角制御手段と異なり、吊り荷
の振れ角を上記許容振れ角まで迅速に変化させるための
専用の制御パラメータをもたせることができ、その分制
動所要時間をより短縮できる効果がある。
【0139】さらに、請求項8記載のように、上記作業
状態検出手段の検出結果に基づき、上記振れ角制御手段
により制御されるブームの旋回制動トルクを常時上記上
限値以下に抑えるための上記フィードバック制御のパラ
メータを設定するようにすれば、オーバーシュートによ
り実際の制動角加速度が許容角加速度を超えるのをより
確実に防ぐことができ、旋回制動制御の安全性をさらに
高めることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明方法を実行した場合の吊り荷の
振れ角の時間変化を示すグラフ、(b)は従来方法を実
行した場合の吊り荷の振れ角の時間変化を示すグラフで
ある。
【図2】本発明の一実施例におけるクレーンの全体図で
ある。
【図3】上記クレーンに設けられたコントローラの機能
構成を示すブロック図である。
【図4】上記コントローラにおける制動トルク算出手段
の機能構成を示すブロック図である。
【図5】上記コントローラの行う制御動作を示すフロー
チャートである。
【図6】上記吊荷の振れ状態をXYZ座標系に表したモ
デル図である。
【図7】上記吊荷の振れ状態をξη座標系に表したモデ
ル図である。
【図8】上記吊り荷の振れ角を示すモデル図である。
【図9】上記クレーンでのブームの現在位置及び目標停
止位置を示すモデル図である。
【図10】本発明についてのシミュレーションにより得
られたブーム先端と吊り荷の旋回軌跡を示すグラフであ
る。
【図11】(a)は上記シミュレーションにより得られ
たトルクの時間変化を示すグラフ、(b)は上記シミュ
レーションにより得られた吊り荷振れ角の時間変化を示
すグラフ、(c)は上記シミュレーションにより得られ
たブーム旋回角速度の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 クレーン(建設機械) 104 ロープ 12 ブーム長センサ(作業状態検出手段) 14 ブーム角センサ(作業状態検出手段) 15 吊上荷重センサ(作業状態検出手段) 16 ロープ長センサ(作業状態検出手段) 17 旋回角速度センサ(作業状態検出手段) 18 振れ角センサ(作業状態検出手段) 20 コントローラ 22 旋回半径算出手段(作業状態検出手段) 27 許容振れ角算出手段(制御パラメータ設定手段) 28 フィードバックゲイン算出手段 29 旋回角度算出手段(作業状態検出手段) 30 振れ角速度算出手段(作業状態検出手段) 31 制動トルク算出手段 311 第1制動トルク算出手段(第1振れ角制御手
段) 312 第2制動トルク算出手段(第2振れ角制御手
段) 313 第3制動トルク算出手段(停止制御手段) B ブーム C 吊荷

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋回駆動されるブ―ムの所定位置に吊荷
    が吊下げられる建設機械のブーム旋回停止制御方法であ
    って、決められた上限値の旋回制動トルクでブームの旋
    回を制動した時の吊り荷の振れ角と略同等の一定の振れ
    角に実際の吊り荷の振れ角を維持するようにブームの旋
    回制動トルクを制御する振れ角制御動作を行った後、ブ
    ームの旋回が停止した時点で吊り荷の振れも停止するよ
    うにブームの旋回制動トルクを制御する停止制御動作を
    行うことを特徴とする建設機械のブーム旋回停止制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建設機械のブーム旋回停
    止制御方法において、上記振れ角制御動作の実行により
    ブームの旋回角速度が一定以下となった時点から上記停
    止制御動作を実行することを特徴とする建設機械のブー
    ム旋回停止制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の建設機械のブー
    ム旋回停止制御方法において、ブーム作業状態とブーム
    の横曲げ強度に基づいて上記旋回制動トルクの上限値を
    演算することを特徴とする建設機械のブーム旋回停止制
    御方法。
  4. 【請求項4】 旋回駆動されるブ―ムの所定位置に吊荷
    が吊下げられる建設機械のブーム旋回停止制御装置であ
    って、上記吊り荷の振れ状態を検出する振れ状態検出手
    段と、ブームの作業状態を検出する作業状態検出手段
    と、決められた上限値の旋回制動トルクでブームの旋回
    を制動した時の吊り荷の振れ角と略同等の一定の振れ角
    を許容振れ角として設定する許容振れ角設定手段と、旋
    回制動開始後作動し、上記振れ状態検出手段で検出され
    た振れ状態に基づき上記吊り荷の振れ角を上記許容振れ
    角に維持するようにブームの旋回制動トルクをフィード
    バック制御する振れ角制御手段と、この振れ角制御手段
    の次に作動し、ブームの旋回が停止した時点で吊り荷の
    振れが停止するようにブームの旋回制動トルクを制御す
    る停止制御手段とで構成したことを特徴とする建設機械
    のブーム旋回停止制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の建設機械のブーム旋回停
    止制御装置において、上記振れ角制御手段による制御に
    よりブームの旋回角速度が一定以下となった時点から上
    記停止制御手段が作動するように構成したことを特徴と
    する建設機械のブーム旋回停止制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の建設機械のブー
    ム旋回停止制御装置において、上記作業状態検出手段で
    検出されたブーム作業状態とブームの横曲げ強度に基づ
    いて上記制限値を演算するように上記許容振れ角設定手
    段を構成したことを特徴とする建設機械のブーム旋回停
    止制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載の建設機
    械のブーム旋回停止制御装置において、上記振れ角制御
    手段を、旋回制動開始時点から作動し、上記吊り荷の振
    れ角を上記許容振れ角に近づけるようにブームの旋回制
    動トルクをフィードバック制御する第1振れ角制御手段
    と、この第1振れ角制御手段と異なる制御パラメータを
    有し、この第1振れ角制御手段の制御動作により実際の
    振れ角が上記許容振れ角にほぼ到達した時点から作動し
    て実際の振れ角を上記許容振れ角に維持するようにブー
    ムの旋回制動トルクをフィードバック制御する第2振れ
    角制御手段とを備えたことを特徴とする建設機械のブー
    ム旋回停止制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載の建設機
    械のブーム旋回停止制御装置において、上記作業状態検
    出手段の検出結果に基づき、上記振れ角制御手段により
    制御される実際のブーム旋回制動トルクを常時上記上限
    値に抑えるための上記フィードバック制御のパラメータ
    を設定する制御パラメータ設定手段を備えたことを特徴
    とする建設機械のブーム旋回停止制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8190334B2 (en) 2007-02-21 2012-05-29 Kobelco Construction Machinery Co., Ltd. Rotation control device and working machine therewith
KR101408020B1 (ko) * 2012-07-19 2014-06-18 한국기계연구원 운전자-제어장치의 협력 작업 시스템 및 이를 이용한 협력 작업 방법

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