JP2007314290A - 昇降装置の制御システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サーボモータ1の正逆回転駆動によって巻上げ・巻下げされるロープ2により昇降されまたは位置が維持される荷物に、作業者が操作力を加え、望む方向へ望む速度で荷物を昇降させるためにサーボモータの回転駆動を制御するシステムでおいて、ロープの下部に掛かる力であって作業者の操作力、荷物の質量および荷物の加速度による力の大きさを計測する力計測手段3と、力計測手段の計測結果に基づき演算部がサーボモータの回転の方向および速度を演算してサーボモータに駆動指令の信号を出す第1制御手段と、荷物が着地する際にサーボモータの正逆回転駆動のための入出力が安定となる安定条件を、安定性理論により求める第2制御手段と、力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に第1制御手段から第2制御手段に切り替える切換え手段を具備しる。
【選択図】図1
Description
前記ロープの下部に掛かる力であって作業者の操作力、荷物の質量および荷物の加速度による力の大きさを計測する力計測手段と、この力計測手段の計測結果に基づき演算部が前記サーボモータの回転の方向および速度を演算してサーボモータに駆動指令の信号を出す第1制御手段と、前記荷物が着地する際に前記サーボモータの正逆回転駆動のための入出力が安定となる安定条件を、演算部が非線形安定判別により求める第2制御手段と、
前記力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に前記第1制御手段から前記第2制御手段に切り替える切換え手段と、を具備したことを特徴とする。
また、力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に切換え手段が第1制御手段から第2制御手段に切り替える。これにより、荷物の接地時に荷物が上がる現象を防止することができる。
ここで、m[kg]は荷物Wの質量である。
なお、z軸方向は下向きを正とする。
制御された荷物Wの昇降速度v=rv=Kffm
(1)
の関係式が成り立つ。
ここで、ロードセル3が検出する力fmは操作力fhから荷物Wの加速度dv/dtによる見かけの重量を差し引いたものであるから、
fm=fh−mdv/dt
(2)
となり、荷物Wは操作力fhにより以下の伝達関数で表させる昇降速度を得る。
Rv(s)=Kf(s)Fh(s)/[1+msKf(s)] (3)
したがって、Kf(s)のゲインを大きくすることにより、作業者は僅かな力で荷物を昇降させることができる。
ここで、sはラプラス演算子[1/s]、Fhは操作力[N]である。
ここで、kpは操作力1[N]当りの荷重の移動速度[m /s]を示す。
この変数はユーザの要求によって決定され、荷物Wの搬送速度を遅くし荷物Wの正確な位置決めを行いたい場合にはkpを小さく選び、わずかな力で高速に搬送したい場合はkpを大きく選ぶ。
Wr=ωps /ωc(s+ωp) (5)
として、図3の左図太線を得る。
なお、この図3において、ωc[rad /s]は交差角周波数、ωp[rad /s]はΔピークとなる周波数である。
したがって、要求するコントローラは下記の(6)式で示すように定式化できる。
Ws=1 /s (7)
すなわち、重み関数Wr、Wsおよびノーマルな伝達関数P(s)の次数の合計が2であるので、最適コントローラは2次となる。したがって、コントローラの構造を下記の(8)式のように表すことができる。
Kf=kp(as2+bs+c) /(s2+2ζωns+ωn 2) (8)
ここで、aおよびbは定数、cは変数、sはラプラス演算子[1/s]、ζは減衰係数、ωnは固有角周波数[rad/s]である。
Kf=kp(bs+ωn 2 ) /(s2+2ζωns+ωn 2) (10)
(11)式と図8のブロック図から、閉ループシステムの運動方程式は、下記の(12)式となる。
また、操作入力と位置xの関係は下記の(13)式となる。
Txfh(s)=Tvfh(s)/s (13)
ここで、非線系部は0≦xφ(x)≦k、φ(0)=0を満たす。
なお、ポポフの安定定理とは、非線形要素がある場合に、システムの安定判別が安易に行われるものである。
Re[Txfh(jω)]−qωIm[Txfh(jω)]+1/k>0 (14)
ここでqはq≧0の任意の値である。
この(14)式から、複素平面上の実軸にRe[Txfh(jω)]、また虚軸上にωIm[Txfh(jω)]をとり、ωについて描いた軌跡がポポフ軌跡となる
ここで、k01、kb1はそれぞれ定数b=0、定数b=30におけるkの最小値であり、k02、kb2はそれぞれ定数b=0、定数b=30におけるkの最大値である。また−1/k02、−1/kb2、−1/k01、−1/kb1はそれぞれ定数b=0、定数b=30において、実軸の切片である。この時、ポポフ軌跡がポポフ直線より右側にあることが安定である十分条件となる。
このように、システムの安定性は、非線形部φ(x)の傾きkに依存していることが分かる。
しかし、本巻揚げ機のような図8に示すシステムは、x=0において−mgからfhへ変化し、変化の傾きk=∞となる。そのため、定数b=0のシステムは不安定となり、リミットサイクルが生じた。
これにより、本巻揚げ機において、任意の操作力fh(t)と重力mgに対する安定性条件は、下記の(16)式で得ることができる。
b≧ωn/2ζ (16)
ここで、リミットサイクルが生じする定数b=0のコントローラをK1、また安定条件の(16)式を満たすコントローラをK2とした。それぞれの実験結果を図11に位相面で示す。実験結果から、コントローラK2は、リミットサイクルを非常に早く収束させていることが分かる。
2 ロープ
3 ロードセル
4 制御手段
Claims (3)
- サーボモータの正逆回転駆動によって巻上げ・巻下げされるロープにより昇降されまたは位置が維持される荷物に、作業者が操作力である力を加え、これにより、作業者が望む方向へ望む速度で当該荷物を昇降させるために前記サーボモータの回転駆動を制御するシステムであって、
前記ロープの下部に掛かる力であって作業者の操作力、荷物の質量および荷物の加速度による力の大きさを計測する力計測手段と、
この力計測手段の計測結果に基づき演算部が前記サーボモータの回転の方向および速度を演算してサーボモータに駆動指令の信号を出す第1制御手段と、
前記荷物が着地する際に前記サーボモータの正逆回転駆動のための入出力が安定となる安定条件を、演算部が非線形安定判別により求める第2制御手段と、
前記力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に前記第1制御手段から前記第2制御手段に切り替える切換え手段と、
を具備したことを特徴とする昇降装置の制御システム。 - 請求項1に記載の昇降装置の制御システムにおいて、
前記演算部には、 (式) Kf=kp(bs+ωn 2 ) /(s2+2ζωns+ωn 2)で表させるコントローラK1と、安定性の条件b≧ωn/2ζを満たすコントローラK2とが記憶されていて、前記演算部は、前記力計測手段からの計測情報である、荷物の質量、作業者の操作力および荷物の加速度によって生じる力に基づき、前記コントローラーK1により最小時間で所定の昇降速度を演算して前記サーボモータに駆動指令を発信し、その後、前記力計測手段の計測値が閾値を下回った瞬間に、切換え手段からの指令により、前記コントローラK1からコントローラK2に切り換えることを特徴とする昇降装置の制御システム。
ただし、kpは変換係数 [(m /s/N)]、ωnは固有角周波数[rad/s]、sはラプラス演算子[1/s]、ζは減衰係数である。 - 請求項1に記載の昇降装置の制御システムにおいて、
前記非線形安定判別はポポフの安定性理論であることを特徴とする昇降装置の制御システム。
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