JPH08175411A - 車両用実舵角制御装置 - Google Patents

車両用実舵角制御装置

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JPH08175411A
JPH08175411A JP32616894A JP32616894A JPH08175411A JP H08175411 A JPH08175411 A JP H08175411A JP 32616894 A JP32616894 A JP 32616894A JP 32616894 A JP32616894 A JP 32616894A JP H08175411 A JPH08175411 A JP H08175411A
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裕之 芦沢
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 悪路走行中にも所定の動特性を確保して車両
の安定性を向上させる。 【構成】 車両の状態を検出する車両状態検出手段51
と、この検出値に応じて運動状態量の目標値を演算する
手段52と、走行路面状態を検出する手段53と、実際
に発生している運動状態量を検出する手段54と、運動
状態量目標値と実運動状態量の差に基づいて所定の動特
性を有する補償器を備えて補助舵角フィードバック操作
量を演算するフィードバック補償手段55と、補助舵角
フィードバック操作量に応じた指令を補助舵角アクチュ
エータに出力する補助舵角制御手段56とを備え、補償
手段における補償器の定常ゲインを走行路面状態に応じ
て設定すると共に、車両の動特性を決定する定数を定常
ゲインの所定の関数として演算する補償定数演算手段5
7とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の実舵角を調整す
ることで車両の運動特性を制御する車両用実舵角制御装
置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からフィードバック制御によって後
輪又は前輪の少なくとも一方に、補助舵角を与えること
で車両の実舵角を制御するものが提案されており、例え
ば、本願出願人は特願平5−332702号として車両
用舵角制御装置を提案した。
【0003】これは車両に発生するヨーレートと、演算
されたヨーレートの目標値との偏差に基づいて補助舵角
フィードバック操作量を演算するとともに、このフィー
ドバック操作量を演算する補償手段に1次/1次のフィ
ルタ構成による位相進み補償器を設け、車速の増大に応
じて位相進み補償ゲインを低減させることで、高周波を
含めた外乱に対して車両の安定性を確保するものが知ら
れている。
【0004】さらに、本願出願人が提案した特願平5−
28687号では、上記に加えて悪路走行時には補助舵
角フィードバック操作量を低減させて、悪路走行時にお
ける運転者への違和感を抑制している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両用実舵角制御装置にあっては、車両の動
特性を決定するフィードバック補償手段のフィルタ定数
を、走行路面状態に対して補助舵角フィードバック操作
量が不変であることを前提として演算を行っている。こ
のため、激しい凹凸のある極悪路走行中では、平坦路等
の良路を走行中と同様のフィードバックによって補助舵
角操作量を補正すると、挙動の変化の過大な増大、すな
わち、ヨーレートが過剰に増大し、所定の動特性が得ら
れずに車両の安定性が損なわれ、運転者に違和感を与え
る場合があった。
【0006】そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされ
たもので、極悪路走行中においてフィードバックによっ
て補助舵角操作量を補正した場合でも所定の動特性を確
保可能な車両用実舵角制御装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図7に示
すように、車両の状態を検出する車両状態検出手段51
と、前記車両状態の検出値に基づいて運動状態量の目標
値を演算する運動状態量目標値演算手段52と、車両の
走行路面状態を検出する走行路面状態検出手段53と、
実際に車両に発生している運動状態量を検出する実運動
状態量検出手段54と、前記運動状態量目標値と実運動
状態量の差に基づいて動的な進み・遅れ特性を有する補
償器を備えて補助舵角フィードバック操作量を演算する
フィードバック補償手段55と、前記補助舵角フィード
バック操作量が得られる制御指令を補助舵角アクチュエ
ータに出力する補助舵角制御手段56とを備えた車両用
実舵角制御装置において、前記補償手段55における補
償器の定常ゲインを前記走行路面状態の検出値に応じて
設定するとともに、前記補償器における車両の動的な特
性を決定する定数T1、T2を前記定常ゲインの所定の関
数として演算する補償定数演算手段57とを備える。
【0008】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記補償定数演算手段は、動的な特性を決定する
定数を、定常ゲインと車速とを入力として予め設定され
た車両の所定の動特性に基づく関数より演算する。
【0009】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記補償定数演算手段は、動的な特性を決定する
前記定数を、走行路面状態に応じて変更する。
【0010】また、第4の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記補償定数演算手段は、前記走行路面状態が悪
路である場合、車両の動特性を決定する定数を悪路に応
じた所定の値に変更する。
【0011】また、第5の発明は、前記第1ないし第4
の発明のいずれかひとつにおいて、前記車両状態検出手
段が、操舵角θを検出する操舵角検出手段と、車速Vを
検出する車速検出手段とから構成される。
【0012】
【作用】したがって、第1の発明は、フィードバック補
償手段は、車両状態検出手段の検出値に応じて演算され
た運動状態量目標値と、車両に発生した実運動量との差
に応じて補助舵角フィードバック操作量を演算するとと
もに、補助舵角制御手段に出力することでアクチュエー
タは車両の実舵角を制御する。補助舵角フィードバック
操作量は、補償定数演算手段によって補償器の定常ゲイ
ンと、この定常ゲインの所定の関数として走行路面状態
の変化に呼応して演算された定数に応じて補正されるた
め、良路から悪路に変化した場合にも、フィードバック
制御の極の変動を抑制して、車両の動特性を所定の値に
設定して車両の挙動を安定させることができる。
【0013】また、第2の発明は、動的な特性を決定す
る定数T1、T2を、補償器の定常ゲイン及び車速を入力
として予め設定された車両の動特性に基づく所定の関数
より演算し、フィードバック操作量は車両の動特性が所
定の値となるように設定される。
【0014】また、第3の発明は、動的な特性を決定す
る定数T1、T2を、前記走行路面状態に応じて変更し、
補償手段で演算されるフィードバック操作量は車両の動
特性が所定の値となるように設定される。
【0015】また、第4の発明は、補償手段で演算され
るフィードバック操作量は、走行路面状態が悪路であれ
ば、補償器の定数を悪路に応じた値に変更することで、
悪路に応じた車両の動特性に設定される。
【0016】また、第5の発明は、車両の運動状態量の
目標値は操舵角θと車速Vとから演算される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0018】図1〜図3は、本発明を4輪操舵装置に適
用した場合の一例を示し、図1において前輪1、2は、
運転者のステアリング操作によって作動する機械リンク
式のステアリング装置3にぞれぞれ操舵される。
【0019】後輪4、5は補助舵角を付与する舵角アク
チュエータ6によってそれぞれ操舵される。
【0020】ここで、舵角アクチュエータ6はマイクロ
プロセッサ等を主にして構成されたコントローラ7に駆
動される。
【0021】このコントローラ7には、車両状態を検出
する手段としての操舵角センサ8が検出した操舵角θ
と、同じく車両状態検出手段としての車速センサ9が検
出した車速Vと、車両の実運動量を検出する手段として
のヨーレートセンサ10が検出したヨーレートdψと、
後輪舵角センサ11が検出した実後輪舵角δRがそれぞ
れ入力され、これら各検出値に基づいて後述するような
所定の演算処理を行って後輪4、5への目標後輪舵角操
作量δREFを求め、この目標後輪舵角操作量δREFに呼応
した駆動指令を舵角アクチュエータ6へ出力する。
【0022】図2はコントローラ7において行われる処
理をブロック化したもので、操舵角θ及び車速Vに基づ
いて目標ヨーレートdψMを演算するヨーレート目標値
演算部21と、同じく操舵角θ及び車速Vからフィード
フォワード制御によって後輪の舵角を演算するフィード
フォワード後輪舵角演算部22と、車両に発生したヨー
レートdψに基づいてヨーレート目標値dψMを補正す
るフィードバック補償部23と、発生ヨーレートdψか
ら路面状態を演算する路面状態演算部24と、路面状態
Rcに基づいて後輪舵角補正値Kpを演算するフィード
バック後輪舵角補正値演算部25と、補償部23のフィ
ルタ定数T1、T2を演算するフィードバック補償部フィ
ルタ定数演算部26と、補償部23からの出力と補正値
Kpとからフィードバック後輪舵角δF/Bを演算する
フィードバック後輪舵角補正部27と、目標後輪舵角δ
REFを演算する目標後輪舵角決定部28とから構成され
る。
【0023】このように構成されたコントローラ7にお
いて行われる制御の一例を図4、図5のフローチャート
に示し、以下、これらフローチャートを参照しながら詳
述する。
【0024】[後輪舵角制御]ステップS101では所
定の制御起動時間を経過したかを判定し、所定時間を経
過していれば、ステップS102で操舵角センサ8から
の操舵角θ、車速センサ9からの車速V、ヨーレートセ
ンサ10からの発生ヨーレートdψ、及び後輪舵角セン
サ11からの後輪舵角δRをそれぞれ読み込む。
【0025】ステップS103では、検出された操舵角
θと車速Vに基づいてフィードフォワード後輪舵角δ
F/Fを算出し(フィードフォワード後輪舵角演算部2
2)、ステップS104では操舵角θ、車速V及びフィ
ードフォワード後輪舵角δF/Fとからヨーレート目標値
dψMが演算される(ヨーレート目標値演算部22)。
【0026】このヨーレート目標値dψMは、例えば次
式で求められるものである。
【0027】 dψM=V×θ/{N×L×(1+A02)} ただし、 L=LF+LR A0=M(LRR−LFF)/(2L2FR) なお、LF:車両重心〜前車軸間距離 LR:車両重心〜後車軸間距離 KF:前輪コーナリングパワー KR:後輪コーナリングパワー M:車両重量 N:ステアリングギア比 である。
【0028】一方、ステップS200では、検出された
発生ヨーレートdψに基づいて路面状態量Rc及びフィ
ードバック後輪舵角の補正値Kpが、図5に示すフロー
チャートのステップS201以降の処理によって後述の
[路面状態量演算]に基づいて演算される(路面状態演
算部24)。なお、フィードバック後輪舵角の補正値K
pは路面状態量Rcに応じて設定されるものである。
【0029】次に、ステップS105では、ステップS
200で演算された補正値Kpと予め設定された車両の
基本動特性から、フィードバック補償部23に用いられ
るフィルタの伝達特性Gc(s)を所定の動特性にする
ためのフィルタ定数T1、T2が次式より算出される(フ
ィードバック補償フィルタ定数演算部26)。なお、こ
れら定数T1、T2の演算については、後述する[フィー
ドバック補正部定数の演算]において、さらに詳述す
る。
【0030】
【数1】
【0031】ステップS106では、検出された発生ヨ
ーレートdψとヨーレート目標値dψMとの偏差dψERR
を入力として、上記(1)式で表されるフィルタにより
フィードバック後輪舵角操作量δf/bが演算される(フ
ィードバック補償部23)。
【0032】こうして得られたフィードバック後輪舵角
操作量δf/bとステップS200で得られた補正値Kp
とから、ステップS107では次式によりフィードバッ
ク後輪舵角修正値δF/Bが算出される(フィードバック
後輪舵角補正部27)。
【0033】δF/B = Kp×δf/b …(2) 次に、ステップS108では、上記ステップS103で
求めたフィードフォワード後輪舵角δF/Fと、フィード
バック後輪舵角修正値δF/Bから次式により目標後輪舵
角δREFが演算される(目標後輪舵角決定部28)。
【0034】δREF = δF/F + δF/B …(3) こうして演算された目標後輪舵角δREFがアクチュエー
タ6へ送出されて、後輪4、5は車両の挙動が所定の動
特性となるように操舵されるのである。
【0035】[路面状態量演算]悪路走行中に検出され
た発生ヨーレートdψには、良路走行中に比して高周波
成分の信号が多く、路面状態演算部24では、この発生
ヨーレートdψから高周波成分dψHを抽出して路面状
態Rcの演算を行い、この路面状態量Rcに基づいてフ
ィードバック後輪舵角補正値演算部25では補正値Kp
の演算が行われる。
【0036】まず、路面状態量Rcは、図5に示すフロ
ーチャートに基づいて行われ、ステップS201で発生
ヨーレートdψを読み込んだ後に、ステップS202で
発生ヨーレートdψの高周波成分dψHが、次式に基づ
いて演算される。
【0037】 GH(s)=s2/(s2+2ζωns+ωn 2) …(4) dψH(s)=GH(s)*dψ(s) …(5) ただし、ζ:減衰率 ωn:カットオフ周波数 s:ラプラス演算子 である。
【0038】次に、ステップS203で高周波成分dψ
Hを所定のしきい値dψthと比較して、高周波成分dψ
Hの大きさに応じて路面状態量Rcの算出がステップS
204〜S209で行われ、この路面状態量Rcの算出
方法としては、例えば、次式に示すような高周波成分d
ψHの二乗積分などにより行う(路面状態演算部2
4)。
【0039】dψH>dψthのとき、 Rc(n−1)<RLMTの場合、 Rc(n)=Σ(dψH)2 …(6) Rc(n−1)=RLMTの場合、 Rc(n)=Rc(n−1) …(7) 一方、dψH≦dψthのとき、 Rc(n−1)≧0の場合、 Rc(n)=Rc(n−1)−C1 …(8) Rc(n−1)=0の場合、 Rc(n)=Rc(n−1) …(9) ただし、RLMT:路面状態量上限値 n :現在の時間 C1:定数 である。
【0040】こうして、算出された路面状態量Rcよ
り、ステップS210では、図6に示すようなほぼ反比
例特性のマップに応じて定数C2を求め、この定数C2
所定の定数Cnの乗算により後輪舵角フィードバック操
作量δF/Bを補正するための補正値Kpを求める。
【0041】 Kp=C2×Cn …(10) [フィードバック補正部定数の演算]路面状態演算部2
4において、路面状態量Rcが所定値を越えると悪路と
判定することができ、フィードバック後輪舵角の補正値
Kpが良路走行時と異なっている場合でも、予め設定さ
れた動特性を維持するには、変更された補正値Kpに基
づいて、フィードバック補償部23内のフィルタ定数を
演算して再設定する必要がある。
【0042】以下、フィードバック補償部23内の定数
演算の一例を示す。
【0043】車両の運動状態方程式は、2自由度、平面
2輪モデルを用いた場合、次のように表すことができ
る。
【0044】 dx=Ax+Bu …(11) すなわち、
【0045】
【数2】
【0046】ここで、 a11=−2(LF 2eKF+LR 2R)/IZV …(12) a12=−2(LFeKF−LRR)/IZV …(13) a21=−2(LFeKF−LRR)/MV−V …(14) a22=−2(eKF+KR)/MV …(15) b11=2LFeKF/IZN …(16) b12=−2LRR/IZ …(17) b21=2eKF/MN …(18) b22=2KR/N …(19) ただし、Vy:横速度 LF:車両重心〜前車軸間距離 LR:車両重心〜後車軸間距離 KF:前輪コーナリングパワー KR:後輪コーナリングパワー M:車両重量 IZ:ヨー慣性モーメント N:ステアリングギア比 上記(1)式より、後輪舵角δR〜ヨーレート伝達特性
は次式で示される。
【0047】
【数3】
【0048】さらに、 A1=−a11−a220=−a1122−a1221=b120=a1222−a2212 ここで、本実施例では、悪路走行中等の外乱発生時にの
みフィードバック制御を行うようになっており、後輪
4、5に補助舵角を付与する制御系は、図3に示すよう
なフィードバック系となり、その伝達特性G(s)は次
式で表すことができる。
【0049】
【数4】
【0050】ただし、
【0051】
【数5】
【0052】一方、予め設定した車両の伝達特性の特性
を次式のように設定する。
【0053】
【数6】
【0054】上記(22)式と上記(23)式が等しく
なるためには、次の(24)〜(25)式を満たせば良
い。
【0055】
【数7】
【0056】これら(24)〜(25)式から、補正値
Kp、フィルタ定数T1、T2を任意に設定することによ
り車両の動特性を決定する減衰率ζ、カットオフ周波数
ωn、一時遅れ時定数Pmを所定の値に設定することが
可能となる。
【0057】以上に示した演算により、補正値Kpはフ
ィードバック後輪舵角補正値演算部25に決定されるも
のとし、主に車両の動特性を決定する定数ζ、ωnを所
定の値、例えば、減衰率ζ=0.8、カットω周波数ω
n=7.0になるような定数T1、T2を求めた一例を以
下に示す。
【0058】(1) 良路走行時 補正値Kp=0.04→T1=0.29、T2=0.03
2 (2) 悪路走行時 補正値Kp=0.04→0.02に変更→T1=0.3
67、T2=0.050 となる。
【0059】ただし、LF:車両重心〜前車軸間距離
=1.167(m) LR:車両重心〜後車軸間距離 =1.553(m) eKF:等価前輪コーナリングパワー =79611.
2(N/rad) KR:後輪コーナリングパワー =93100(N/r
ad) M:車両重量 =1702(kg) IZ:ヨー慣性モーメント =2598.225(kg
2) N:ステアリングギア比 =17.2 V:車速 =120(km/h) すなわち、前記従来例においては、車両の走行中に路面
が良路から悪路に変化した場合、補正値Kpが0.04
から0.02に変更される一方、定数T1、T2を良路走
行時と同様のままであるため、車両の動特性を決定する
減衰率ζ、カットオフ周波数ωnは、それぞれ ζ=1.29、ωn=7.5 となって、上記所定値から外れてしまう。このため、前
記従来例ではフィードバック制御の極が移動し、車両挙
動の収束が不安定になるのに対し、上記実施例では、路
面状態に応じて補正値Kpを変更した場合には、フィル
タ定数T1、T2を補正値Kpの変更に呼応して、車両の
動特性を決定する減衰率ζ、カットオフ周波数ωnに応
じて再度演算し、車両の動特性を常時一定にすることが
でき、極悪路走行中の過大な車両挙動を抑制することが
可能となって、車両の安定性及び運転性を向上させるこ
とが可能となるのである。
【0060】なお、上記実施例におけるフィルタ定数T
1、T2の設定を、路面状態演算部24からの路面状態量
Rcに基づいて悪路を判定するとともに、悪路が判定さ
れた場合には、この悪路走行に応じた動特性になるよう
な値に設定することもできる。
【0061】また、上記実施例におけるアクチュエータ
6は、詳述はしないが、電動あるいは油圧駆動などの駆
動手段によって構成することができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、車両
の状態を検出する車両状態検出手段と、前記車両状態の
検出値に基づいて運動状態量の目標値を演算する運動状
態量目標値演算手段と、車両の走行路面状態を検出する
走行路面状態検出手段と、実際に車両に発生している運
動状態量を検出する実運動状態量検出手段と、前記運動
状態量目標値と実運動状態量の差に基づいて動的な進み
・遅れ特性を有する補償器を備えて補助舵角フィードバ
ック操作量を演算するフィードバック補償手段と、前記
補助舵角フィードバック操作量が得られる制御指令を補
助舵角アクチュエータに出力する補助舵角制御手段とを
備えた車両用実舵角制御装置において、前記補償手段に
おける補償器の定常ゲインを前記走行路面状態の検出値
に応じて設定するとともに、車両の動的な特性を決定す
る定数T1、T2を前記定常ゲインの所定の関数として演
算する補償定数演算手段とを備え、補助舵角フィードバ
ック操作量を、補償定数演算手段によって補償器の定常
ゲインと、この定常ゲインの所定の関数として走行路面
状態の変化に呼応して演算された定数によって補正する
ため、路面状態が良路から悪路に変化した場合にも、フ
ィードバック制御の極の変動を抑制して、車両の動特性
を所定の値に設定して車両の挙動を安定させることが可
能となり、悪路走行中の安定性及び操縦性を向上させる
ことができる。
【0063】また、第2の発明は、前記補償定数演算手
段は、動的な特性を決定する定数を、定常ゲインと車速
とを入力として予め設定された車両の所定の動特性に基
づく関数より演算し、フィードバック操作量は常時車両
の動特性が所定の値となるように設定されるため、路面
状態の変化に拘わらず車両の挙動を安定させることが可
能となる。
【0064】また、第3の発明は、前記補償定数演算手
段は、動的な特性を決定する前記定数を、走行路面状態
に応じて変更するため、補償手段で演算されるフィード
バック操作量は車両の動特性が所定の値となるように設
定されて、悪路走行中においても車両の挙動を安定させ
て操縦性を向上させることができる。
【0065】また、第4の発明は、前記補償定数演算手
段は、前記走行路面状態が悪路である場合、車両の動特
性を決定する定数を悪路に応じた所定の値に変更するた
め、補償器の定数を悪路に応じた値に変更することで、
悪路に応じた車両の動特性に変更することが可能となっ
て、良路、悪路それぞれに適した動特性に変更して車両
の安定性及び操縦性を向上させることができる。
【0066】また、第5の発明は、前記車両状態検出手
段が、操舵角θを検出する操舵角検出手段と、車速Vを
検出する車速検出手段とから構成され、車両の運動状態
量の目標値を例えば、ヨーレート目標値として算出する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す4輪操舵車両の概略構成
図。
【図2】同じくコントローラを主体としたブロック図で
ある。
【図3】同じくコントローラを主体に行われるフィード
バック系のブロック図。
【図4】制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】同じく補正値Kpの演算を示すフローチャート
である。
【図6】路面状態量Rcと定数C2の関係を示すマップ
である。
【図7】本発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
3 ステアリング装置 4、5 後輪 6 アクチュエータ 7 コントローラ 8 操舵角センサ 9 車速センサ 10 ヨーレートセンサ 11 後輪舵角センサ 51 車両状態検出手段 52 運動状態量目標値演算手段 53 走行路面状態検出手段 54 実運動状態量検出手段 55 フィードバック補償手段 56 補助舵角制御手段 57 補償定数演算手段 T1、T2 定数

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の状態を検出する車両状態検出手段
    と、前記車両状態の検出値に基づいて運動状態量の目標
    値を演算する運動状態量目標値演算手段と、車両の走行
    路面状態を検出する走行路面状態検出手段と、実際に車
    両に発生している運動状態量を検出する実運動状態量検
    出手段と、前記運動状態量目標値と実運動状態量の差に
    基づいて動的な進み・遅れ特性を有する補償器を備えて
    補助舵角フィードバック操作量を演算するフィードバッ
    ク補償手段と、前記補助舵角フィードバック操作量が得
    られる制御指令を補助舵角アクチュエータに出力する補
    助舵角制御手段とを備えた車両用実舵角制御装置におい
    て、前記補償手段における補償器の定常ゲインを前記走
    行路面状態の検出値に応じて設定するとともに、前記補
    償器における車両の動的な特性を決定する定数を前記定
    常ゲインの所定の関数として演算する補償定数演算手段
    とを備えたことを特徴とする車両用実舵角制御装置。
  2. 【請求項2】 前記補償定数演算手段は、動的な特性を
    決定する定数を、定常ゲインと車速とを入力として予め
    設定された車両の所定の動特性に基づく関数より演算す
    ることを特徴とする請求項1に記載の車両用実舵角制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記補償定数演算手段は、動的な特性を
    決定する前記定数を、走行路面状態に応じて変更するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の車両用実舵角制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記補償定数演算手段は、前記走行路面
    状態が悪路である場合、車両の動特性を決定する定数を
    悪路に応じた所定の値に変更することを特徴とする請求
    項1に記載の車両用実舵角制御装置。
  5. 【請求項5】 前記車両状態検出手段が、操舵角を検出
    する操舵角検出手段と、車速を検出する車速検出手段と
    から構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項
    4のいずれかひとつに記載の車両用実舵角制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023182294A1 (ja) * 2022-03-24 2023-09-28 日野自動車株式会社 操舵制御装置

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