JP3914224B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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この発明は、モータ制御によって運転者の操舵トルクを補助するアシストトルクを発生
させる車両用操舵装置に関するものである。
従来の電動式パワーステアリング制御装置は、直進路では車両の直進性能を確保しながら、カーブ路ではドライバによるステアリング操作を容易にするものが、特許文献1に記載されている。
特開平11−78938号公報(第3〜5頁、図2)
しかしながら、特許文献1の従来技術では、車両のヨーレートと車速に基づいて決定したゲインにヨーレートを乗算して基本操舵反力を演算しているが、ヨーレートは操舵角に対し、応答遅れがあるため、操舵反力も車両の応答遅れが含まれるため、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、車両に発生するヨーレートなどの車両状態信号の周波数特性を変更し、適切な車両安定化トルクを基本アシストトルクに加算し、車両の操作性を高めた車両用操舵装置を得ることを目的とする。
この発明に係わる車両用操舵装置においては、モータ制御にて運転者の操舵トルクを補助するアシストトルクを発生させる車両用操舵装置において、基本アシストトルク電流を演算するアシストマップ補償器、車両の運動状態を検出する車両状態検出手段、及びこの車両状態検出手段により検出された車両状態信号に基づき、車両安定化電流を演算する車両安定化補償器を備え、車両安定化補償器は、車両状態検出手段により検出された車両状態信号の位相を進めるように周波数特性を変更する周波数特性変更手段を有し、この周波数特性変更手段により変更された周波数特性に車両安定化ゲインを乗算することにより、車両安定化電流を演算すると共に、この演算された車両安定化電流は、アシストマップ補償器により演算された基本アシストトルク電流に加算されるものである。
この発明は、以上説明したように、モータ制御にて運転者の操舵トルクを補助するアシストトルクを発生させる車両用操舵装置において、基本アシストトルク電流を演算するアシストマップ補償器、車両の運動状態を検出する車両状態検出手段、及びこの車両状態検出手段により検出された車両状態信号に基づき、車両安定化電流を演算する車両安定化補償器を備え、車両安定化補償器は、車両状態検出手段により検出された車両状態信号の位相を進めるように周波数特性を変更する周波数特性変更手段を有し、この周波数特性変更手段により変更された周波数特性に車両安定化ゲインを乗算することにより、車両安定化電流を演算すると共に、この演算された車両安定化電流は、アシストマップ補償器により演算された基本アシストトルク電流に加算されるので、車両状態信号の周波数特性を変更することにより、車両の応答遅れを考慮した適切な車両安定化トルクを与えることができる。
図1は、代表的な車両用操舵装置系を示す全体構成図である。
図1において、車両用操舵装置系は、ハンドル1からステアリング軸2を通じ、ステアリング軸2に付加されるモータ5の出力と足し合わせたトルクをステアリングギアBOX3を通じて数倍にし、ラック&ピニオン6機構を通じてタイヤ7を動作させる仕組みである。
次に、力学的・電気的な構成を説明する。車両用操舵装置は、ドライバの操舵トルク9に応じたアシストトルク10を発生させることを主な機能とする。電気的には、ドライバが、ハンドル1を切った時の操舵トルク9をトルクセンサ4で測定し、ECUの制御装置8に操舵トルク検出信号13を送る。制御装置8は、モータの状態量である、電流検出信号15及び電圧検出信号16と操舵トルク検出信号13よりアシストトルク10を発生させるための印加電圧14を演算し、モータ5に付加する。
力学的には、操舵トルク9とアシストトルク10の和が、ステアリング軸反力トルク17に抗してステアリングを回転させる。また、ハンドル1を回転させる時にはモータ5の慣性項も作用し、結局以下の関係式(1)が成立する。
Figure 0003914224
ただし、ステアリング軸反力トルクTtran、操舵トルクThdl、アシストトルクTassist、モータの慣性トルクJ・dω/dtとする。
また、モータによるアシストトルク10は、次式(2)の関係が成立する。
Figure 0003914224
ただし、モータのギア比Ggear、モータのトルク定数Kt、モータの駆動電流Imtrとする。
また、ステアリング軸反力トルクTtranは、路面反力トルクTalign12とステアリング機構内の摩擦トルクTfric11の和であり、式(3)のとおりである。
Figure 0003914224
式(4)は、ステアリング機構内の摩擦トルクTfricを求めるもので、モータを含むステアリング機構内の摩擦トルクの絶対値Tf_absに、操舵角速度の符号を乗算して、ステアリング機構内の摩擦トルクTfricを求めている。
Figure 0003914224
車両挙動制御装置である制御装置8では、上述のセンサ信号から電流の目標値を演算し、これに対して、モータ5の実電流値が一致するように電流制御がなされて、モータ5は、電流値のトルク定数とギア比(モータからステアリング軸間)を乗じた所定のトルクを発生し、ドライバが操舵する時のトルクをアシストする構成となっている。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図に基づいて説明する。
図2は、この発明の実施の形態1による車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。
図2において、図1の制御装置8を構成するマイコン21は、図に記載以外にも様々な
機能を有するが、本発明の特徴を示す部分のみを記載している。マイコン21のアシストマップ補償器25は、車速検出手段22、操舵トルク検出手段23の出力信号に基づき、基本アシストトルク電流を演算する。マイコン21の車両安定化補償器26の周波数特性変更手段27は、車両状態検出手段24の出力に基づき、演算される信号に、車両安定化ゲイン28を乗じて、車両安定化電流を求める。加算器29にて、基本アシストトルク電流及び車両安定化電流を加算して、電流目標値を定め、モータ33で発生しているモータ電流検出器32の出力信号と比較することで、加算器30にて制御電圧を決定し、モータ駆動機31にてモータを駆動し、目的とするアシストトルクを得る構成となっている。
なお、マイコン21は、アシストマップ補償器25、車両安定化補償器26及び加算器29を有している。
ここで、車両状態検出手段24は、車両の運動状態としてのヨーレートを検出するものである。
図3は、この発明の実施の形態1による車両用操舵装置の周波数特性変更手段の周波数特性を示す図であり、図3(a)は車両状態信号の周波数特性変更を示す図、図3(b)は周波数とゲインの関係を示す図、図3(c)は周波数と位相の関係を示す図である。
図3(a)には、周波数特性変更により車両状態信号の位相が進められた様子が示されている。図3(b)、図3(c)には、時定数T1相当の周波数、時定数T2相当の周波数が示されている。
図2の周波数特性変更手段27は、ヨーレートに加えて、ヨー加速度をフィードバックし、周波数特性を変更する。ヨーレートをγ、周波数特性変更手段27の出力をγcomp、ヨーレートフィードバックゲインをKy、ヨー加速度フィードバックをKyaとすると、周波数特性変更手段27の伝達関数γcompは、次式(5)のようになる。sはラプラス演算子を示す。
Figure 0003914224
この周波数特性変更手段27の微分によるノイズ低減するために、出力にローパスフィルタを導入することにより、周波数特性変更手段27の伝達関数γcompは、次式(6)で表すことができる。
Figure 0003914224
従って、周波数特性変更手段27は、ヨーレートに加えてヨー加速度をフィードバックするためのものであり、周波数特性変更手段27は、車両状態信号の位相を進めるためには、時定数T1>T2となるように設定する必要があり、周波数特性は、図3のようになる。ここで、周波数特性変更手段27の分母、すなわちローパスフィルタの時定数T2は、車両振動が発生する周波数(概ね2Hz以下)よりも十分高くする必要がある。
車両振動が発生する周波数より低く設定してしまうと、周波数特性変更手段27は、ヨー加速度フィードバックとして作用せず、ヨーレート単独をフィードバックする際のゲインを向上したことになり、車両が不安定になる可能性がある。
また、周波数特性変更手段27の車両状態信号の位相を進めるための周波数は、操舵周波数がおおよそ0.1Hzから5Hzであり、周波数特性を考え、操舵周波数の低い周波数の1/3倍から高い周波数の3倍の範囲(0.03〜15Hz程度)にすれば良いし、ローパスフィルタの時定数T2も、前述の周波数の範囲でT1>T2なるように設定すればよい。時定数Tとカットオフ周波数fは、式(7)で表される関係である。
Figure 0003914224
なお、上述では、電動パワーステアリングにおいて、アシストマップ補償器25と、本発明に関連する車両安定化補償器26の2つの補償器のみ記述したが、慣性補償をはじめ、他の補償器を有するものも公知である。他の補償器を有する場合にも加算器28で加算される状態量が増えるのみで、構成は変化しない。
図4は、この発明の実施の形態1による車両用操舵装置の動作を示すフローチャートである。
次に、実施の形態1における動作を図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、操舵トルク検出手段23により操舵トルクを検出し、メモリに記憶する(ステップS101)。次に、車速検出手段33により車速を検出し、メモリに記憶する(ステップS102)。次に、車両状態検出手段24によりヨーレートを検出し、メモリに記憶する(ステップS103)。次に、アシストマップ補償器25にてメモリに記憶した車速と操舵トルクに基づき、基本アシストトルク電流を演算する(ステップS104)。次に、周波数特性変更手段27にてメモリに記憶したヨーレートの周波数特性変更を演算する(ステップS105)。次に、周波数特性を変更したヨーレートに車両安定化ゲイン28を乗算し、車両安定化電流を演算する(ステップS106)。
以上の過程を経て、基本アシストトルク電流と車両安定化電流に基づいて電流目標値を演算して出力を得ることができる(S107)。なお、これらの電流値は、先述の通り、式(2)に基づいてモータの出力トルクとなる。
ここで、実施の形態1では、車両の運動状態の検出は、車両のヨーレートを検出しているが、車両のヨーレートの代わりに車両の横加速度を用いても良いし、その他に車両の運動状態を示す車両横滑り角、前輪滑り角、後輪滑り角などの信号を用いても良い。以下の実施の形態においても同様である。
実施の形態1によれば、車両状態信号の周波数特性を操舵周波数の範囲で位相を進めることにより、車両の応答遅れを考慮した適切な車両安定化電流を与えることができる。
また、ヨーレートの代替信号として、車両の横加速度、横滑り角、前輪の横滑り角、後輪の横滑り角などの車両の運動状態を用いることができ、特定のセンサを設置する必要がない。
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図に基づいて説明する。
図5は、この発明の実施の形態2による車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。
図5において、図2の実施の形態1との差異は、車両不安定検出手段34を備え、車両
安定化電流を車両不安定検出手段34の出力に基づいてスイッチ35を切り替えるようにした点である。21〜33は図2におけるものと同一のものである。
図6は、この発明の実施の形態2による車両用操舵装置の動作を示すフローチャートである。
次に、実施の形態2の動作を図6のフローチャートに基づいて説明する。
まず、操舵トルク検出手段23により操舵トルクを検出し、メモリに記憶する(ステップS201)。次に、車速検出手段22により車速を検出し、メモリに記憶する(ステップS202)。次に、車両状態検出手段24によりヨーレートを検出し、メモリに記憶する(ステップS203)。次に、アシストマップ補償器25にて、メモリに記憶した車速と操舵トルクに基づき、基本アシストトルク電流を演算する(ステップS204)。次に、周波数特性変更手段27にてメモリに記憶したヨーレートの周波数特性変更を演算する(ステップS205)。次に、周波数特性を変更したヨーレートに車両安定化ゲイン28を乗算し、車両安定化電流を演算する(ステップS206)。
次に、車両不安定検出手段34にて車両の運動状態を検出する(ステップS207)。車両状態が不安定なら、基本アシストトルク電流と車両安定化電流に基づいて電流目標値を演算して出力を得る(ステップS208)。車両の運動状態が安定なら、基本アシストトルク電流に基づいて電流値目標値が決定され、出力を得ることができる(ステップS209)。
このように、実施の形態2によれば、車両の運動状態により、車両安定化電流を基本アシストトルク電流に加算することが可能となるため、実施の形態1と同様の効果が狙えるだけでなく、車両が安定しているときには余分な車両安定化トルクを加えない。
なお、本実施の形態2で車両不安定検出は、特定していないが、オーバーステア、アンダーステアであっても良いし、左右のタイヤで路面摩擦が異なるμスプリット路における制動力のアンバランスによる不安定であっても良い。
ここで、車両のオーバーステア、アンダーステア状態は、特表2004−520226号公報で提案されているように、操舵角から演算した車両のヨーレートと実ヨーレートの偏差で得ることが可能で、オーバーステアは、運転者の操舵に対し、ヨーレートが過剰に発生したことを示し、アンダーステアは、運転者の操舵に対し、ヨーレートが飽和した状態を示している。
また、車両のアンダーステアは、特開2003−341538号公報で提案されているように、路面反力トルクと操舵角の比率より得ることもできる。
また、車両の左右で路面摩擦が異なるμスプリット路は、特開2003−291838号公報で提案されているように、左右輪の制動力の差によって、μスプリット路であることが得られる。
この他にも、4輪独立制動装置ESC(Electronic Stability Control)から車両のオーバーステア、アンダーステア、μスプリット路の情報をCANなどの通信ラインを通して情報を得てもよく、公知の技術を用いても良い。以下の実施例においても同様である。
実施の形態2によれば、車両の不安定のときのみ、車両安定化電流を加算することができ、車両が安定なときには車両安定化電流は加算しないので、運転者に違和感を与えない。
また、車両の不安定検出では、オーバーステア、アンダーステア、μスプリット路を検出し、不安定状態に応じて、車両安定化電流を加算し、車両が不安定になることを防ぐことができる。
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3について図に基づいて説明する。
図7は、この発明の実施の形態3による車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。
図7において、図5の実施の形態2の構成に、ハンドルを回転したときの操舵角を検出する操舵角検出手段36と、検出された操舵角に基づき、操舵角を中点に戻すようにアシストトルクを補償する操舵アシストトルク補償器37を加え、操舵アシスト電流と車両安定化電流とを車両不安定検出手段34の出力に基づいてスイッチ35を切替えることにより実現したものである。21〜35は図5におけるものと同一のものである。
図8は、この発明の実施の形態3による車両用操舵装置の動作を示すフローチャートである。
次に、実施の形態3の動作を図8のフローチャートに基づいて説明する。
まず、操舵トルク検出手段23により操舵トルクを検出し、メモリに記憶する(ステップS301)。次に、車速検出手段22により車速を検出し、メモリに記憶する(ステップS302)。次に、車両状態検出手段24によりヨーレートを検出し、メモリに記憶する(ステップS303)。次に、操舵角検出手段36により、ハンドルを回転させたときの操舵角を検出し、メモリに記憶する(ステップS304)。次に、アシストマップ補償器25にてメモリに記憶した車速と操舵トルクに基づき、基本アシストトルク電流を演算する(ステップS305)。次に、周波数特性変更手段27にて、メモリに記憶したヨーレートの周波数特性変更を演算する(ステップS306)。
次に、周波数特性を変更したヨーレートに車両安定化ゲイン28を乗算し、車両安定化電流を演算する(ステップS307)。次に、操舵角アシストトルク補償器37にて、マイコンに予め記憶されている操舵角と車速の関係に基づいた操舵角アシストトルク電流を演算する(ステップS308)。次に、車両不安定検出34にて車両の運動状態を検出する(ステップS309)。車両の運動状態が不安定なら、基本アシストトルク電流と車両安定化電流に基づいて、電流目標値を演算して出力を得る(ステップS310)。車両の運動状態が安定なら、基本アシストトルク電流と操舵角アシストトルク電流に基づいて、電流目標値が決定され、出力を得ることができる(ステップS311)。
なお、実施の形態3で、車両不安定検出は、特定していないが、オーバーステアであっても良いし、左右のタイヤで路面摩擦が異なるμスプリット路であっても良い。
このように、実施の形態3は、車両の運動状態により、車両安定化電流を基本アシストトルク電流に加算することが可能となるため、実施の形態1と同様の効果が狙えるだけでなく、車両が安定しているときには舵角と車速との関係に基づいた操舵角アシストトルクを加えることにより、ハンドル戻しを向上させることができる。
実施の形態3によれば、車両が不安定な時は、車両安定化電流を加算し、車両が安定な時は、操舵角アシストトルク電流を基本アシストトルク電流に加算することにより、ハンドル戻しを向上させ、車両が不安定になるのを防ぐ。
また、操舵角に基づき操舵角アシストトルク電流を演算するので、マッチング工数も少ない。
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図に基づいて説明する。
図9は、この発明の実施の形態4による車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。
図9において、図5の実施の形態2の構成に、タイヤに発生する路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段38と、路面反力トルクに基づき、路面反力を中点に戻すよ
うにアシストトルクを補償する路面反力アシストトルク補償器39を加え、路面反力アシストトルク電流と車両安定化電流とを、車両不安定検出手段34の出力に基づいて、スイッチ35で切り替えるようにした。21〜35は図5におけるものと同一のものである。
図10は、この発明の実施の形態4による車両用操舵装置の動作を示すフローチャートである。
次に、実施の形態4の動作を図10のフローチャートに基づいて説明する。
まず、操舵トルク検出手段23により操舵トルクを検出し、メモリに記憶する(ステップS401)。次に、車速検出手段22により車速を検出し、メモリに記憶する(ステップS402)。次に、車両状態検出手段24によりヨーレートを検出し、メモリに記憶する(ステップS403)。次に、路面反力トルク検出手段38により路面反力トルクを検出し、メモリに記憶する(ステップS404)。次に、アシストマップ補償器25にてメモリに記憶した車速と操舵トルクに基づき、基本アシストトルク電流を演算する(ステップS405)。次に、周波数特性変更手段27にてメモリに記憶したヨーレートの周波数特性変更を演算する(ステップS406)。次に、周波数特性を変更したヨーレートに車両安定化ゲイン28を乗算し、車両安定化電流を演算する(ステップS407)。
次に、路面反力アシストトルク補償器39にてマイコンに予め記憶されている路面反力トルクと車速の関係に基づいた路面反力アシストトルク電流を演算する(ステップS408)。次に、車両不安定検出手段34にて車両の運動状態を検出する(ステップS409)。車両の運動状態が不安定なら、基本アシストトルク電流と車両安定化電流に基づいて電流目標値を演算して出力を得る(ステップS410)。車両の運動状態が安定なら、基本アシストトルク電流と路面反力アシストトルク電流に基づいて、電流目標値が決定され、出力を得ることができる(ステップS411)。
ここで路面反力トルクは、タイヤにロードセルなどの検出器を取り付けることで、その状態量を測定し、実現可能となる。
また、一般的に制御装置8は、電流検出器、操舵トルク検出器、モータ角速度検出器、モータ角加速度検出器を備えており、特開2003−312521号公報に提案されているように、マイコン21にて式(2)により、ステアリング軸反力トルクを演算することで、路面反力トルク推定値を得ることも可能である。
なお、実施の形態4で、車両不安定検出は、特定していないが、オーバーステアであっても良いし、アンダーステアであっても良い。また左右のタイヤで路面摩擦が異なるμスプリット路であっても良い。
このように、実施の形態4は、車両の運動状態により、車両安定化電流を基本アシストトルク電流に加算することが可能となるため、実施の形態1と同様の効果が狙えるだけでなく、車両が安定しているときには路面反力トルクと車速との関係に基づいた路面反力アシストトルク電流を基本アシストトルク電流に加えることによりハンドル戻しを向上させる。
実施の形態4によれば、車両が不安定な時は、車両安定化電流を加算し、車両が安定な時は、路面反力アシストトルク電流を基本アシストトルク電流に加算することにより、ハンドル戻しを向上させ、車両が不安定になるのを防ぐ。また、路面反力トルクに基づき、ハンドル戻しトルクを演算しているので、自然なハンドル戻しを提供することができる。
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5を図に基づいて説明する。
図11は、この発明の実施の形態5による車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。
図11において、図7の実施の形態3の構成に、操舵角アシストトルク電流と車両安定化電流とを、車両不安定検出手段34の出力に基づいて切り替えるスイッチ35の出力に、平滑化手段40を設置したものである。21〜37は図7におけるものと同一のものである。
実施の形態5では、平滑化手段40により、車両安定化電流と操舵角アシストトルク電流に大きな差があった場合においても、スイッチ35の出力を、ローパスフィルタような出力に平滑化することで、切り替え時の出力の変化率に上下限値を設けることができ、これによりドライバに違和感を与えないようにすることができる。
また、運転者が違和感を感じない本実施の形態5における操舵角アシストトルク補償器37のトルク変動については、経験的に出力変化率の上下限値が、±1Nm/s程度がよく、より好ましくは±0.3Nm/s以下であることが望ましい。
また、本実施の形態5の他にもマップゲインなどを用いることで、車両安定化電流と操舵角アシストトルク電流と違和感なく切替える手法が考えられるが、本実施の形態5以外でも出力変化率に上下限値を設定する手段は、すべて公知なものとする。
なお、本実施の形態5は、実施の形態3の改良について述べたが、実施の形態4を改良するものであっても同様の効果がある。
実施の形態5では、平滑化手段40により、車両安定化電流と操舵角アシストトルク電流に大きな差があった場合においても、スイッチ35の出力をローパスフィルタような出力に平滑化することで、切り替え時の出力の変化率に上下限値を設けることによりドライバへ違和感を与えないという効果がある。
実施の形態5によれば、車両安定化電流と操舵角アシストトルク電流または路面反力アシストトルク電流の切替を滑らかにすることで、運転者に違和感を与えない。
代表的な車両用操舵装置系を示す全体構成図である。 この発明の実施の形態1による車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による車両用操舵装置の周波数特性変更手段の周波数特性を示す図である。 この発明の実施の形態1による車両用操舵装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2による車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による車両用操舵装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3による車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3による車両用操舵装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4による車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4による車両用操舵装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5による車両用操舵装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 ハンドル、2 ステアリング軸、3 ステアリングギアBOX、
4 トルクセンサ、5 モータ、6 ラック&ピニオン軸、7 タイヤ、
8 制御装置、9 操舵トルク、10 アシストトルク、11 摩擦トルク、
12 路面反力トルク、13 操舵トルク検出信号、14 印加電圧、
15 電流検出信号、16 電圧検出信号、
17 ステアリング軸反力トルク、21 マイコン、22 車速検出手段、
23 操舵トルク検出手段、24 車両状態検出手段、
25 アシストマップ補償器、26 車両安定化補償器、
27 周波数変更手段、28 車両安定化ゲイン、29 加算器、
30 加算器、31 モータ駆動機、32 モータ電流検出器、
33 モータ、34 車両不安定検出手段、35 スイッチ、
36 操舵角検出手段、37 操舵角アシストトルク補償器、
38 路面反力トルク検出手段、39 路面反力トルク補償器、
40 平滑化手段。

Claims (9)

  1. モータ制御にて運転者の操舵トルクを補助するアシストトルクを発生させる車両用操舵装置において、基本アシストトルク電流を演算するアシストマップ補償器、車両の運動状態を検出する車両状態検出手段、及びこの車両状態検出手段により検出された車両状態信号に基づき、車両安定化電流を演算する車両安定化補償器を備え、上記車両安定化補償器は、上記車両状態検出手段により検出された車両状態信号の位相を進めるように周波数特性を変更する周波数特性変更手段を有し、この周波数特性変更手段により変更された周波数特性に車両安定化ゲインを乗算することにより、上記車両安定化電流を演算すると共に、この演算された車両安定化電流は、上記アシストマップ補償器により演算された基本アシストトルク電流に加算されることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. モータ制御にて運転者の操舵トルクを補助するアシストトルクを発生させる車両用操舵装置において、基本アシストトルク電流を演算するアシストマップ補償器、車両の運動状態を検出する車両状態検出手段、車両が不安定状態にあることを検出する車両不安定検出手段、及び上記車両状態検出手段により検出された車両状態信号に基づき、車両安定化電流を演算する車両安定化補償器を備え、上記車両安定化補償器は、上記車両状態検出手段により検出された車両状態信号の周波数特性を変更する周波数特性変更手段を有し、この周波数特性変更手段により変更された周波数特性に車両安定化ゲインを乗算することにより、上記車両安定化電流を演算すると共に、この演算された車両安定化電流は、上記車両不安定検出手段の検出により車両が不安定状態にあるとき、上記アシストマップ補償器により演算された基本アシストトルク電流に加算されることを特徴とする車両用操舵装置。
  3. モータ制御にて運転者の操舵トルクを補助するアシストトルクを発生させる車両用操舵装置において、基本アシストトルク電流を演算するアシストマップ補償器、車両の運動状態を検出する車両状態検出手段、車両が不安定状態にあることを検出する車両不安定検出手段、上記車両状態検出手段により検出された車両状態信号に基づき、車両安定化電流を演算する車両安定化補償器、ハンドルを回転させたときの操舵角を検出する操舵角検出手段、及びこの操舵角検出手段により検出された操舵角に基づき、操舵角アシストトルク電流を演算する操舵角アシストトルク補償器を備え、上記車両安定化補償器は、上記車両状態検出手段により検出された車両状態信号の周波数特性を変更する周波数特性変更手段を
    有し、この周波数特性変更手段により変更された周波数特性に車両安定化ゲインを乗算することにより、上記車両安定化電流を演算すると共に、この演算された車両安定化電流及び上記操舵角アシストトルク補償器により演算された操舵角アシストトルク電流は、上記車両不安定検出手段の出力により切替えられて、上記アシストマップ補償器により演算された基本アシストトルク電流に加算されることを特徴とする車両用操舵装置。
  4. モータ制御にて運転者の操舵トルクを補助するアシストトルクを発生させる車両用操舵装置において、基本アシストトルク電流を演算するアシストマップ補償器、車両の運動状態を検出する車両状態検出手段、車両が不安定状態にあることを検出する車両不安定検出手段、上記車両状態検出手段により検出された車両状態信号に基づき、車両安定化電流を演算する車両安定化補償器、タイヤに発生する路面反力トルクを検出する路面反力トルク検出手段、及びこの路面反力トルク検出手段によって検出された路面反力に基づき、路面反力アシストトルク電流を演算する路面反力アシストトルク補償器を備え、上記車両安定化補償器は、上記車両状態検出手段により検出された車両状態信号の周波数特性を変更する周波数特性変更手段を有し、この周波数特性変更手段により変更された周波数特性に車両安定化ゲインを乗算することにより、上記車両安定化電流を演算すると共に、この演算された車両安定化電流及び上記路面反力アシストトルク補償器により演算された路面反力アシストトルク電流は、上記車両不安定検出手段の出力により切替えられて、上記アシストマップ補償器により演算された基本アシストトルク電流に加算されることを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 上記車両不安定検出手段の出力による切替えを滑らかにする平滑化手段を備えたことを特徴とする請求項3または請求項4記載の車両用操舵装置。
  6. 上記車両不安定検出手段は、車両のオーバーステア、車両のアンダーステア、及び車両の左右で路面摩擦が異なるμスプリット路における制動力のアンバランスのいずれかにより、上記車両の不安定を検出することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の車両用操舵装置。
  7. 上記周波数特性変更手段による車両状態信号の周波数特性の変更は、車両状態信号の位相を進めるものであることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記載の車両用操舵装置。
  8. 上記周波数特性変更手段は、運転者が操舵可能な操舵周波数の範囲で、上記車両状態信号の位相を進めることを特徴とする請求項1または請求項7記載の車両用操舵装置。
  9. 上記車両状態検出手段によって検出される車両状態信号は、車両のヨーレートまたは車両の横加速度であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の車両用操舵装置。
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